JP2005132817A - ピリジン−2−ボロン酸エステルの製造 - Google Patents

ピリジン−2−ボロン酸エステルの製造 Download PDF

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Abstract

【課題】 2−ピリジンボロン酸エステルの製造法の提供。
【解決手段】 2−ハロピリジン(II)を金属化試薬と反応させて有機金属化合物(III)を形成させ(工程1)、続いて(III)を適当なボロン酸エステル(IV)と反応させてピリジン−ホウ素錯塩(V)を形成させ(工程2)、最後に錯塩(V)をプロトン供給源と反応させてホウ素上のエステル基を除去し、式(I)の2−ピリジンボロン酸エステルを形成させる方法。
【化1】
Figure 2005132817

【選択図】 なし

Description

本発明は、必要に応じて置換されたピリジン誘導体を2位置で先ず金属化させ、次いで適当な、必要に応じて置換されたホウ酸トリエステルと反応させて4価ホウ素のate錯体を形成させ、次いでこれを制御された条件下でピリジル−2−ボロン酸エステルに解離させる(式1)ことにより、ピリジン−2−ボロン酸エステルを製造する方法に関するものである。
Figure 2005132817
遷移金属の触媒作用による反応、特にパラジウムまたはニッケル触媒を使用して炭素−炭素結合を形成する反応は、最近の数年間、薬学的活性成分、特殊および精密化学薬品の工業的合成(この合成は、非常に穏和な条件で、良好な化学的選択性で進行することが多い)に益々応用される様になっている。ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルキニル、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールは、一般的にアルケン(Heck反応)または有機金属化合物と反応させる。特に、古典的な合成方法では到達し得ない、非対称的に置換されたビフェニル誘導体は、この様式で製造される。グリニャール化合物を使用するKumadaカップリングに加えて、良く使用される方法は、ボロン酸またはそれらの誘導体が(場合によりアルキルボランも)有機金属カップリング相手として使用されるSuzukiまたはSuzuki-Miyauraカップリングである。これらのホウ素化合物は、反応性が比較的低いため、分子中の多くの官能基の存在に耐えることができ、水性反応媒体中でも転化することができる。それらの毒性も同様に、同等の反応性を有する他の有機金属化合物、例えば有機スズ化合物、よりも低い(Stilleカップリング)。
有機アリール−およびヘテロアリールボロン酸およびそれらの誘導体は、通常、アリール−またはヘテロアリールリチウムまたは−マグネシウム化合物をホウ酸トリアルキルと反応させ、続いて水性酸加水分解することにより製造される。この様式で、ピリジン−3−ボロン酸(非特許文献1および2)およびピリジン−4−ボロン酸(非特許文献3)も製造されているが、これまでピリジン−2−ボロン酸は、不安定であり、4価ホウ素付加物の加水分解の際に分解する(非特許文献4)ので、単離できていない。Mikhailovらは、2−ピリジルリチウムをホウ酸トリイソブチルに付加させることにより製造されたリチウム(2−ピリジル)トリイソブトキシボレートが、塩酸または塩化水素ガスによる加水分解を試みた時、直ちにピリジンおよびホウ酸トリイソブチルに分解することを立証できた(非特許文献5および6)。水を使用してイソブトキシ基加水分解させ、リチウム2−ピリジルトリヒドロキシボレートを得ることはできるが、これも同様に、ピリジン−2−ボロン酸に転化させることができない。
Wangらにより最近開示された、フェニルボロン酸に関する、2価アルコール、例えばエチレングリコール、で第1級ホウ素付加物をその場でエステル交換反応することにより、加水分解工程の高い損失率を回避し、遊離ボロン酸の代わりに環状ボロン酸エステルを得る方法(非特許文献7)は、2−ピリジン−ホウ素誘導体の場合には成功していない。
金属化されたピリジンおよびホウ酸トリメチルからジメチルピリジン−2−ボロネートを直接合成する方法が文献中に開示されている(非特許文献8)が、生成物は純粋な形態で単離、分析されても、粗製物から分光法的に分析されてもおらず、他の入手できる文献は、これらの場合における物質が対応するボレート錯体であり、ボロネートではないことを示唆している。この物質は、続くカップリング工程で大過剰に使用する必要があるので、この方法はあまり経済的ではない。
ピリジンボロン酸エステルおよび他のホウ素誘導体を製造するためのもう一つの重要な可能性がある方法は、ジオキサボロラン(非特許文献9参照)またはジオキサボロラニル(非特許文献10参照)とハロ芳香族化合物の、遷移金属触媒作用させる反応である。ピリジン系列では、これまで後者の方法を3−ハロピリジンに適用できているだけである(非特許文献11)。最近の文献では、この方法を2−ブロモピリジンに応用しているが、生成物を分解なしに単離することができず、Suzukiカップリングにより生成物をその場で補集する試みでは、主としてホモ−カップリング生成物が得られている(非特許文献12)。
Liら, J. Org. Chem. 2002, 67, 5394 Cai ら, Tetrahedron Lett. 2002, 43, 4285 Biradhaら, Angew. Chem. 2000, 112, 4001 F.C. Fischerら, Recueil 1965, 84, 439 Bull. Acad. Sci. U.S.S.R. 1959, 1, 72 Izv. Akad. Nauk U.S.S.R. (Otdel. Khim. Nauk) 1959, 76 J. Org. Chem. 2002, 67, 1041 Sindkhedkarら, Tetrahedron 2001, 57, 2991 Murataら, J. Org. Chem. 2000, 65, 164 Zaidlewiczら, J. Organomet. Chem. 2002, 657, 129 Ishiyamaら, Tetrahedron 2001, 57, 9813 Fullerら, Tetrahedron Lett. 2003, 44, 2935 Trecourtら, Tetrahedron 2000, 56, 1349
本発明の目的は、ピリジン−2−ボロン酸エステルを高純度および良好な収率で製造できる、経済的で簡単な方法を提供することである。これは、一様な反応経路による、経済的に有用なその後の製法を開発するための前提条件である。
本発明は、この目的を達成し、式I
Figure 2005132817
の2−ピリジンボロン酸エステルの製造法であって、2−ハロピリジン(II)を金属化試薬と反応させて有機金属化合物(III)を形成させ(工程1)、続いて(III)を適当なボロン酸エステル(IV)と反応させてピリジン−ホウ素錯塩(V)を形成させ(工程2)、最後にこの錯塩(V)をプロトン供給源と反応させてホウ素上のエステル基を除去して、式(I)の2−ピリジンボロン酸エステルを形成させる方法に関するものである。
Figure 2005132817
式中、Xは、H、Cl、Br、I、またはFであり、Mは、LiまたはMgHal(Hal=Cl、Br)であり、Rは、H、F、Cl、Br、I、分岐鎖状または非分岐鎖状のC〜C20、好ましくはC〜Cアルキルまたはアルコキシ基、必要に応じて置換されたC〜C12アリール基またはヘテロアリール基、置換された、または置換されていない、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリールオキシ、アリールオキシ、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アルキルチオ、アリールチオであるか、またはシアノ、エステル、アセタール、モノ−またはジチオアセタール、またはアミナール(aminal)基であり、R、R、およびR基は、それぞれ独立して、分岐鎖状または非分岐鎖状のC〜C20アルキルまたはアルコキシ基、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアリール基、または必要に応じて置換されたC〜C12アリール基であるか、または2個のR〜R基が一緒に環を形成する。
Xは、好ましくは塩素、臭素、またはヨウ素、より好ましくは臭素であり、リチウム金属による直接リチウム化の場合には、より好ましくは塩素である。
、R、およびRは、それぞれ独立して、第1級、第2級、または第3級の、環状または非環式の、1〜20個の炭素原子、特に1〜8個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびヘテロアリール基であり、好ましくはこれらの基の2個が一緒にジオキサソボロラン型の環を形成する。
およびRは、特に、ホウ素原子および2個の酸素原子と共に環を形成するブリッジ形成基であり、特にエチレン、テトラメチルエチレン、プロピレン、ジメチルプロピレン、等である。Rは、好ましくは直鎖状または分岐鎖状の低級アルキルおよびシクロアルキルの群に由来し、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、等である。
本発明で使用できる金属化試薬は、例えばグリニャール化合物、二有機マグネシウム化合物、例えばイソプロピル−、シクロヘキシル−、またはシクロペンチルマグネシウムハロゲン化物、有機リチウム化合物または三有機マグネシウムate錯体、または錯化剤、またはアルキルリチウム化合物とアルカリ金属アルコキシドの組合せ、または元素状マグネシウムまたはいずれかの形態、例えば顆粒、棒、またはインゴットの形態にあるリチウムである。必要に応じて、金属化試薬は、レドックス触媒の存在下で使用する。
好ましい実施態様では、ピリジン(II)を脱プロトン化させることにより、2−リチオピリジン(式IIIのM=Li)が得られるが、このために使用する塩基は、一般的にリチウムアミド(例えばリチウムジイソプロピルアミド)または有機リチウム化合物と錯化剤(例えばブチルリチウムとN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)の組合せ、または有機リチウム化合物とアルカリ金属アルコキシド(例えばブチルリチウムとカリウムtert-ブトキシド)の組合せである。ハロピリジン(II)を金属化する別の方法は、必要に応じてレドックス触媒の存在下における、金属リチウムとの反応である。
特に好ましい実施態様では、グリニャール化合物を最初に室温で装填するか、または有機リチウム化合物を最初に<−50℃で装填するか、または製造し(必要に応じてその場で)、所望の温度に合わせ、2−ハロピリジンを徐々に供給し、ハロゲン−マグネシウム交換することにより金属化させる(非特許文献13参照)。
工程1でこの様にして得られる2−メタロピリジン(III)は、有機ホウ酸トリエステル(IV)との反応により、錯塩(I)に転化される。この反応の温度は、0〜30℃になる様に選択されるのが好ましい。酸素原子を介してホウ素原子に結合している有機基は、プロトン供給源と反応させることにより、制御された条件下で錯塩(V)から加水分解により除去し、2−ピリジンボロン酸エステル(I)を放出させる。
ハロピリジン(II)を有機ホウ酸トリエステルとの混合物で供給することもできる。別の実施態様では、ピリジン誘導体を最初に装填し、必要に応じて有機ホウ酸トリエステルおよび有機マグネシウムまたは有機リチウム化合物と共に供給することもできる。別の実施態様では、2−ハロピリジンを有機ホウ酸トリエステルと共に最初に装填し、有機マグネシウムまたは有機リチウム化合物を供給する。さらに別の実施態様では、必要に応じて触媒の存在下で、および/またはボレートの存在下で、2−ハロピリジンを元素状リチウムと反応させる。これらの場合、立体的に要求する(sterically demanding)R〜R基を有するホウ酸エステルの使用により、特に良い結果が得られる。仕上げ条件、特に加水分解媒体のpH、は、所望のボロン酸エステルがそれ以上加水分解されない様に選択する。得られたボロン酸エステルは、好ましくは再結晶により精製される。
使用するプロトン供給源は、特に酸性塩の適当な濃度の水溶液である。本発明では、例えば、有機置換された塩化アンモニウム、アルカリ金属の硫酸水素塩、リン酸水素または二水素塩が使用されるが、酸性緩衝剤溶液および高度に希釈された酸も使用される。
本発明の方法は、好ましくは適当な有機溶剤、好ましくは脂肪族、芳香族、またはエーテル系溶剤、またはこれらの溶剤の混合物中で、より好ましくはテトラヒドロフラン、低級ジアルキルエーテル、グライム、ジグライム、トルエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサンまたはヘプタン中で行われる。これらの塩の飽和溶液を使用するのが好ましい。
好ましい実施態様の温度範囲は−100℃〜120℃でよいが、金属化にグリニャール化合物を使用する場合には0℃〜40℃、有機リチウム化合物またはリチウム金属を使用する場合には−100℃〜−30℃が好ましい。有機金属試薬および中間体は水分や酸素に対して敏感であるため、反応は好ましくは乾燥した不活性ガス、例えば窒素またはアルゴン、中で行う。
この様にして得られた2−ピリジンボロン酸エステルは、Suzukiカップリングにおけるボロン酸の代わりに全く問題なく使用できる。本方法は、これらの化合物を純粋で均質な形態で合成するための、簡単で、コスト的に有効な経路を初めて提供するものである。
本発明の方法の別の利点は、反応を0℃〜室温の穏和な条件下で実行できることが多く、低温反応器も過酷な反応条件も必要としないことである。
好ましい混合有機ホウ酸トリエステルを、安価な出発材料、すなわちホウ酸、および1価および2価アルコール、から一反応工程で高収率で製造できることも有利である。
本発明の方法を下記の諸例で説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
例1
a)2−シクロヘキシルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロランの製造
シクロヘキサノール42.40g(423.1mmol)、ホウ酸26.16g(423.1mmol)およびピナコール50.00g(423.1mmol)をトルエン200mlに入れ、水分離装置上で水が最早形成されなくなるまで沸騰させた。反応混合物を濃縮し、残留物を蒸留した。生成物を無色オイルとして得た(91.48g、404.6mmol、96%)。
b)グリニャール化合物でハロゲン−金属交換することによる2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造
塩化シクロヘキシルマグネシウムの溶液(1:1ジエチルエーテル/THF混合物中1M溶液68ml)を最初に室温で装填し、これに、2−ブロモピリジン6.2ml(65.0mmol)を滴下しながら加えた。この反応混合物を20〜25℃で2時間攪拌し、次いで0℃に冷却した。2−シクロヘキシルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン15.4g(68.0mmol)を、温度を0〜10℃に維持し、滴下しながら加えた。加えた後、混合物を室温でさらに3時間攪拌した。仕上げ処理のため、反応混合物をトルエン40mlで希釈し、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液25mlで加水分解し、最後に水20mlと混合した。有機相を取り出し、硫酸ナトリウム上で除湿し、濃縮した。オイル状の粗製物をアセトニトリルから再結晶させた。生成物7.0g(34.1mmol、理論値の52.5%)が無色固体として得られた。
例2
有機リチウム化合物でハロゲン−金属交換することによる2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造
2−ブロモピリジン6.2ml(65.0mmol)をテトラヒドロフラン70mlに入れた溶液を最初に−78℃で装填し、これに、1.6Mブチルリチウムのヘキサン溶液40.6ml(65.0mmol)を滴下しながら加えた。この反応混合物を−78℃で30分間攪拌し、次いで2−シクロヘキシルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン(例1参照)15.4g(68.0mmol)に、温度を−70℃未満に維持しながら加え、混合した。加えた後、混合物を徐々に0℃に温めた。仕上げ処理のため、反応混合物をトルエン40mlで希釈し、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液25mlで加水分解し、最後に水20mlと混合した。有機相を除去し、硫酸ナトリウム上で除湿し、濃縮した。オイル状の粗製物をアセトニトリルから再結晶させた。生成物7.88g(38.4mmol、理論値の59%)が無色固体として得られた。
例3
直接オルト−金属化による2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造
−78℃で、ジイソプロピルアミン14.1ml(100.0mmol)をTHF50ml中に入れた液を、1.6Mブチルリチウムのヘキサン溶液62.5ml(100.0mmol)に滴下しながら混合し、1時間攪拌した。無水ピリジン8.2ml(100mmol)をテトラヒドロフラン50ml中に入れた液を、温度を−70℃未満に維持しながら、徐々に滴下して加えた。−70℃でさらに4時間攪拌した後、反応混合物を2−シクロヘキシルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン(例1参照)24.91g(110.0mmol)に、温度を−70℃未満に維持しながら加え、混合した。加えた後、混合物を徐々に0℃に温めた。加水分解処理を例2に記載する様に行った。生成物14.94g(72.8mmol、73%)が得られた。
例4
直接リチウム化による2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造
−78℃で、リチウム切り屑13.88g(200mmol)およびナフタレン50mgをテトラヒドロフラン100mlに入れた液を先ずアルゴン下で装填し、2−クロロピリジン9.4ml(100mmol)と注意深く混合した。この混合物を、GCにより転化率を監視し、クロロピリジンの完全な転化が示されるまで(8〜12時間)、最高−65℃で攪拌した。次いで、反応混合物を2−シクロヘキシルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン(例1参照)24.91g(110.0mmol)に、温度を−70℃未満に維持しながら加え、混合した。加えた後、混合物を徐々に0℃に温めた。加水分解処理を例2に記載する様に行った。生成物15.14g(75.2mmol、75%)が得られた。
例5
有機ホウ酸トリエステルの存在下における、直接リチウム化による2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造(その場における変形)
−78℃で、リチウム切り屑13.88g(200mmol)およびナフタレン50mgをテトラヒドロフラン100mlに入れた液を先ずアルゴン下で装填し、2−クロロピリジン9.4ml(100mmol)および2−シクロヘキシルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン(例1参照)24.91g(110.0mmol)と注意深く混合した。この混合物を、HPLCにより転化率を監視し、完全な転化が示されるまで(6〜8時間)、最高−50℃で攪拌した。次いで、混合物を徐々に0℃に温めた。加水分解処理を例2に記載する様に行った。生成物16.19g(78.9mmol、79%)が得られた。
例6
グリニャール化合物でハロゲン−金属交換することによる、加える順序を逆にした2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造
2−ブロモピリジン6.2ml(65.0mmol)をテトラヒドロフラン34mlに入れた溶液を最初に室温で装填し、これに、2M塩化シクロヘキシルマグネシウムのジエチルエーテル溶液34mlを滴下しながら加えた。この反応混合物を20〜25℃で2時間攪拌し、次いで、2−シクロヘキシルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン15.4g(68.0mmol)をテトラヒドロフラン30mlに入れ、0℃に冷却した溶液に、温度を0〜10℃に維持しながら滴下しながら加えた。加えた後、混合物を室温でさらに3時間攪拌した。処理を例1と同様に行った。生成物6.9g(33.8mmol、理論値の52%)が無色固体として得られた。
例7
a)2−イソプロポキシ−[1,3,2]−ジオキサボロランの製造
イソプロパノール40g(667mmol)、ホウ酸41.22g(667mmol)およびエチレングリコール41.33g(667mmol)をトルエン350mlに入れ、水分離装置上で水が最早形成されなくなるまで沸騰させた。反応混合物を濃縮し、残留物を蒸留した。生成物を無色オイルとして得た(81.19g、625.5mmol、94%)。
b)2−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造
2−ブロモピリジンをテトラヒドロフラン100mlに入れた溶液9.5ml(100mmol)を最初に−78℃で装填し、これに、1.6Mブチルリチウムのヘキサン溶液62.5ml(100mmol)を滴下しながら加えた。この反応混合物を−78℃で30分間攪拌し、次いで2−イソプロポキシ−[1,3,2]−ジオキサボロラン14.28g(110mmol)に、温度を−70℃未満に維持しながら加え、混合した。加えた後、混合物を徐々に0℃に温めた。仕上げ処理のため、反応混合物をトルエン40mlで希釈し、0℃に冷却し、飽和リン酸二水素ナトリウム溶液25mlで加水分解し、最後に水20mlと混合した。有機相を取り出し、硫酸ナトリウム上で除湿し、濃縮した。純度約87%(GCにより)のオイル状粗製物10.04g(約58.7mmol、約38%)が得られた。
例8
2−ピリジルジイソプロピルボレートの製造
塩化シクロヘキシルマグネシウムの溶液(1:1ジエチルエーテル/THF混合物中1M溶液68ml)を最初に室温で装填し、これに、2−ブロモピリジン6.2ml(65.0mmol)を滴下しながら加えた。この反応混合物を20〜25℃で2時間攪拌し、次いで0℃に冷却した。トリイソプロピルボレート13.45g(68.0mmol)を、温度を0〜10℃に維持し、滴下しながら加えた。加えた後、混合物を室温でさらに3時間攪拌した。仕上げ処理のため、反応混合物をトルエン40mlで希釈し、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液25mlで加水分解し、最後に水20mlと混合した。有機相を取り出し、硫酸ナトリウム上で除湿し、濃縮した。生成物3.22g(15.6mmol、理論値の24%)が褐色がかったオイルとして得られた。
例9
有機リチウム化合物でハロゲン−金属交換することによる5−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造
2−ブロモ−5−フルオロピリジン1.00g(5.68mmol)をテトラヒドロフラン10mlに入れた溶液を最初に−78℃で装填し、これに、1.6Mブチルリチウムのヘキサン溶液3.6ml(5.68mmol)を滴下しながら加えた。この反応混合物を−78℃で30分間攪拌し、次いで2−シクロヘキシルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン(例1参照)1.29g(5.68mmol)に、温度を−70℃未満に維持しながら加え、混合した。加えた後、混合物を徐々に0℃に温めた。仕上げ処理のため、反応混合物をトルエン10mlで希釈し、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液5mlで加水分解し、最後に水2.5mlと混合した。有機相を取り出し、硫酸ナトリウム上で除湿し、濃縮した。オイル状の粗製物をアセトニトリルから再結晶させた。生成物0.80g(3.58mmol、理論値の63%)が無色固体として得られた。

Claims (11)

  1. 式I
    Figure 2005132817
    の2−ピリジンボロン酸エステルの製造法であって、2−ハロピリジン(II)を金属化試薬と反応させて有機金属化合物(III)を形成させ(工程1)、続いて(III)を適当なボロン酸エステル(IV)と反応させてピリジン−ホウ素錯塩(V)を形成させ(工程2)、最後に前記錯塩(V)をプロトン供給源と反応させてホウ素上のエステル基を除去し、式(I)の2−ピリジンボロン酸エステルを形成させる方法。
    Figure 2005132817
    (式中、Xは、H、Cl、Br、I、またはFであり、Mは、LiまたはMgHal(Hal=Cl、Br)であり、Rは、H、F、Cl、Br、I、分岐鎖状または非分岐鎖状のC〜C20アルキルまたはアルコキシ基、必要に応じて置換されたC〜C12アリール基またはヘテロアリール基、置換された、または置換されていない、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、ヘテロアリールオキシ、アリールオキシ、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アルキルチオ、アリールチオであるか、またはシアノ、エステル、アセタール、モノ−またはジチオアセタール、またはアミナール基であり、R、R、およびR基は、それぞれ独立して、分岐鎖状または非分岐鎖状のC〜C20アルキルまたはアルコキシ基、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアリール基、または必要に応じて置換されたC〜C12アリール基であるか、または2個のR〜R基が一緒に環を形成する)、方法。
  2. 工程1における前記ピリジン誘導体(III)への前記金属化が、2−ハロピリジン(II)を有機マグネシウム化合物と反応させることにより行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 工程1における前記ピリジン誘導体(III)への前記金属化が、2−ハロピリジン(II)を有機リチウム化合物と反応させることにより行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記金属化されたピリジン誘導体(III)が、工程1で、必要に応じてレドックス触媒作用の下で、2−ハロピリジンを元素状リチウムと反応させることにより製造される、請求項1に記載の方法。
  5. 工程1〜3が、溶剤中、温度−100〜120℃で行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記有機ホウ酸トリエステル(IV)中の前記R、R、およびR基の2個が一つに結合し、ジオキサボロラン型の環を形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程1、2および3が、トリエチルアミン、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert-ブチルメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、石油エーテル(アルカン混合物)、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンの群から選択された少なくとも一種の溶剤を含んでなる溶剤または溶剤混合物中で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程3で前記ボレート錯塩が、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化モノ−、ジ−またはトリオルガノアンモニウム、アルカリ金属リン酸二水素塩、二アルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属硫酸水素塩、およびハロゲン化水素の群から選択されたプロトン供給源の水溶液を加えることにより、加水分解される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 最初に前記金属化剤を溶剤中に入れ、次いで、必要に応じて溶剤中に溶解させた前記ハロピリジン(II)を供給し、続いて前記ホウ酸エステル(IV)を前記反応混合物と反応させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 最初に前記金属化剤を溶剤中に入れ、必要に応じて溶剤中に溶解させた前記ハロピリジン(II)および前記ホウ酸エステル(IV)を、平行して、または混合物として、または溶剤中の混合物として、同時に供給する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 必要に応じて溶剤中に溶解させた前記ハロピリジン(II)および前記ホウ酸エステル(IV)を最初に入れ、溶剤中の前記金属化剤を供給する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
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