JP2005132754A - ベンズイミダゾール系化合物の安定化経口用組成物 - Google Patents

ベンズイミダゾール系化合物の安定化経口用組成物 Download PDF

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Abstract

【課 題】 抗潰瘍剤として有用なベンズイミダゾール系化合物の安定性、溶出性および非着色性が改善された経口用組成物を提供すること。
【解決手段】 素顆粒に、少なくとも、一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩およびポリリン酸塩が配合されていることを特徴とする安定化された経口用組成物。
【化1】
Figure 2005132754

(式中、Hetは、
【化2】
Figure 2005132754

を表し、Het
【化3】
Figure 2005132754

を表し、RおよびRはそれぞれ独立して水素、低級アルコキシ基または低級ハロアルコキシ基を表し、Rは水素またはアルカリ金属を表し、R,RおよびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルコキシ−低級アルキル基または低級ハロアルキル基を示す)。
【選択図】なし

Description

本発明は抗潰瘍剤の医薬として有用な、ベンズイミダゾール系化合物を含有する安定化された経口用組成物に関する。
−K ATPase阻害作用を有するベンズイミダゾール系化合物は、胃酸分泌を強力に抑制する消化性潰瘍治療剤として有用である(特許文献1、2、3)。その作用は強力かつ持続的であるため、シメチジン等のヒスタミンH受容体拮抗剤に代わる次世代の消化性潰瘍治療剤として注目されている。
しかしながら、これらベンズイミダゾール系化合物の安定性は悪く、固体状態では温度、湿度、光に対して不安定であり、また、酸性から中性域の水溶液中では、速やかに分解し、著しく着色する。さらに、有効成分としてベンズイミダゾール系化合物を含有する錠剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤などの製剤では製剤処方中の他の成分に影響されて不安定になり、経日的な含量低下、着色変化が生じる。
さらに、これら製剤のうち錠剤、顆粒剤にコーティングを施す場合には、腸溶性基剤(セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、メタアクリル酸−アクリル酸共重合物など)との配合性も悪く、含量低下、着色を生じる。このようにベンズイミダゾール系化合物の経口用製剤を製造するには、他成分の配合および腸溶性基剤によるコーティングが必要と考えられるにもかかわらず、これら他成分および腸溶性基剤が前記のようにベンズイミダゾール系化合物の安定性に悪影響をおよぼすため、製剤化が困難であった。従って、これらの化合物を経口投与形態に製剤化するに当たっては、ベンズイミダゾール系化合物を適切に安定化させる必要がある。これまでに、抗潰瘍作用を有するベンズイミダゾール系化合物の安定な製剤を得るためにアルカリ反応化合物を配合する方法(特許文献4)、マグネシウムまたはカルシウムの塩基性無機塩を配合する方法(特許文献5)、酸化マグネシウムおよびマンニト−ルを配合する方法(特許文献6)等、安定化剤、安定化方法等について多くの研究がなされているが、さらに有用な安定化製剤の開発が望まれている。
特開昭54−141783号明細書 特開昭61−50978号明細書 特開平1−6270号明細書 特開昭62−258320号明細書 特開昭62−277322号明細書 特開平2−22225号明細書
しかしながら、上記技術によっても製剤における安定性は充分ではなく、更なる改善が求められている。すなわち、本発明はベンズイミダゾール系化合物を含有する経口用組成物のより一層の安定化、非着色性、溶出性の改善を目的とするものである。
本発明者等は、上記一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩にポリリン酸塩を配合することにより、安定性および溶出性が改善された経口用組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)素顆粒に、少なくとも、一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩およびポリリン酸塩が配合されていることを特徴とする安定化された経口用組成物、
Figure 2005132754
(式中、Hetは、
Figure 2005132754
を表し、Het
Figure 2005132754
を表し、RおよびRはそれぞれ独立して水素、低級アルコキシ基または低級ハロアルコキシ基を表し、Rは水素またはアルカリ金属を表し、R,RおよびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルコキシ−低級アルキル基または低級ハロアルキル基を示す)、
(2)最内層に素顆粒、中間層に素顆粒をコーティングする中間皮膜層および最外層に腸溶性皮膜層からなる該素顆粒が経口用剤型に成型されており、該素顆粒が少なくとも、上記(1)に記載の一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩およびポリリン酸塩を含有していることを特徴とする安定化された経口用組成物、
(3)ベンズイミダゾール系化合物がラベプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾールまたはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の安定化された経口用組成物、
(4)ポリリン酸塩がポリリン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の安定化された経口用組成物、
(5)ポリリン酸塩がポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウムおよびピロリン酸カリウムから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする上記(4)に記載の安定化された経口用組成物、
(6)経口用組成物が錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤またはカプセル剤であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の経口用組成物、
(7)ポリリン酸塩を包含する素顆粒の上に、中間皮膜層が形成され、該中間皮膜層を形成する成分が、ヒドロキシプロピルセルロースまたはメタクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体であり、さらに最外層の腸溶性被膜層を形成する成分がメタクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の安定化された経口用組成物、
(8)上記一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩に、ポリリン酸塩を添加して素顆粒を形成させ、これにヒドロキシプロピルセルロースまたはpHを約4.0〜5.5に調製したメタクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体を含む中間層皮膜を施し、メタアクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体を含む腸溶性皮膜コーティング剤で該素顆粒を被覆することを特徴とする上記(7)に記載の安定化された経口用組成物の製造方法、
(9)メタアクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体がオイドラギットL30D−55またはオイドラギットL100−55であることを特徴とする上記(7)または(8)に記載の安定化された経口用組成物の製造方法、および
(10)少なくとも、上記(1)に記載の一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩およびポリリン酸塩を含有していることを特徴とする素顆粒、
に関する。
本発明で得られるベンズイミダゾール系化合物の安定化経口用組成物は、長期間安定であり、有効成分の分解が抑えられ着色変化を起こさず、かつ有効成分の溶出性に優れており、抗潰瘍剤の医薬として有用である。
上記式(I)中、R、R、R、RおよびRで表される低級アルコキシ基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、好ましいのはメトキシ基である。
上記式(I)中、R、R、R、RおよびRで表される低級ハロアルコキシ基としては、1個またはそれ以上のハロゲン(例えば、弗素、臭素、塩素、沃素)で置換された上記低級アルコキシ基が例示され、好ましいのはジフルオロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基である。
上記式(I)中、R、RおよびRで表される低級アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、好ましいのはメチル基である。
上記式(I)中、R、RおよびRで表される低級ハロアルキル基としては、1個またはそれ以上のハロゲン(例えば、弗素、臭素、塩素、沃素)で置換された上記低級アルキル基が例示される。
上記式(I)中、アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが例示され、好ましいのはナトリウムである。
上記式(I)中、R、RおよびRで表される低級アルコキシ−低級アルコキシ基としては、低級アルコキシ基部分は前記したものが例示され、好ましいのはメトキシプロポキシ基である。
本発明におけるベンズイミダゾール系化合物またはそのアルカリ金属塩の好ましい例としては、ラベプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾールまたはそのナトリウム塩、カリウム塩等を挙げることができる。これらのベンズイミダゾール系化合物は公知の方法により製造することができる。例えば、特開昭52−62275号公報、特開昭54−141783号公報、特開平1−6270号公報等に開示される方法により製造することができる。
本発明で使用されるポリリン酸塩は、本発明の経口用組成物の安定化に有用である。ポリリン酸塩は、有効成分のベンズイミダゾール系化合物1質量部に対して、一般に約0.01〜10質量部、好ましくは約0.1〜1質量部添加するのがよい。このポリリン酸塩の実際の使用に際しては、好ましくはポリリン酸塩の水溶液のpH値を約7〜11、より好ましくはpH8.5〜9.5、さらに好ましくはpH9.3前後に調節して素顆粒成分に添加することにより安定な製剤が得られる。なお、素顆粒に配合されるポリリン酸塩としては、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウムあるいはこれらの混合物等が挙げられるが、これらのポリリン酸塩は有効成分であるベンズイミダゾール系化合物1質量部あたり約0.1〜1質量部、配合するのが好ましい。
本発明による素顆粒製造のための組成物は、ベンズイミダゾール系化合物、緩衝作用を有する安定化剤としてのポリリン酸塩、さらに必要により添加剤(例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)、水を練合機により均一に混和することによって混合物として得られるが、その混和方法は、たとえば予めベンズイミダゾール系化合物、ポリリン酸塩を混和したものに添加剤を混和してもよいし、ベンズイミダゾール系化合物と添加剤を混和したものにポリリン酸塩を添加してもよく、最終的にベンズイミダゾール系化合物を含む素顆粒内に緩衝作用を有する安定化剤としてのポリリン酸塩が均一に分散されている方法であればよい。
上記のようにして得られた混合物は、適宜、当該分野で公知の押出造粒機、例えば湿式押出造粒機(不二パウダル社製、型式DG−L1)、球形造粒装置、例えばマルメライザー(ダルトン社製、型式Q−230T−1)等により造粒したのち、乾燥して素顆粒を得る。こうして得られる素顆粒を、流動層コーティング装置、例えば(フロイント産業社製、型式FLO−1)を用いて中間皮膜層コーティングを実施し、さらに最外層に腸溶性皮膜層コーティングを施したのち、自動カプセル充填機(MG2社製、型式:コンパクト)で経口用剤型に成型して経口用組成物とすることができる。
素顆粒の製剤化にあたり使用される添加剤としては、上記した緩衝剤としてのポリリン酸塩の他に、当該分野で製薬上汎用されているものが使用でき、たとえば、糖アルコール(例えばマンニトール、エリスリトール)、乳糖、還元性を示さない二糖類(例えば白糖、トレハロース)、多糖類(例えばデンプン)、結晶セルロース(商品名:アビセル)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等の賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤が挙げられる。素顆粒の安定性、溶出性、非着色性等を考慮した場合、ポリリン酸塩、マンニトール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルソースを素顆粒に配合するのが好ましい。
次に、このようにして得られた素顆粒に、それ自体公知の方法で中間皮膜層のコーティングを実施する。中間皮膜層を形成する成分としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはメタクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体が挙げられる。好ましい中間皮膜層形成剤の組成としては、例えば(1)ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液あるいは(2)オイドラギットL30D−55あるいはオイドラギットL100−55、マクロゴール6000、ポリソルベート80(Tween80)、水酸化ナトリウムを含む溶液(例えば懸濁液)が例示される。
さらに、上記した中間皮膜層を施した素顆粒に腸溶性皮膜層を最外層にコーティングすることによって酸に対して安定かつ溶出性が改善された目的とする腸溶性製剤とすることができる。腸溶性皮膜層を形成するコーティング剤としては、メタアクリル酸−アクリル酸共重合物(商品名:オイドラギット、例えば、オイドラギットL30D55、オイドラギットL100−55、樋口商会商社販売)、マクロゴール6000、ポリソルベート80(Tween80)、タルク、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロースあるいはそれらの混合物等が例示されるが、好ましくはオイドラギットL30D55、オイドラギットL100−55、マクロゴール6000、ポリソルベート80(Tween80)、タルクあるいはそれらの混合物である。
有効成分であるベンズイミダゾール系化合物は、酸性条件下では不安定であるので、胃の酸性環境中(約pH1〜3)では不溶性であって、十二指腸の弱酸性から弱アルカリ性領域(pH>5.5)において溶解する、すなわち腸溶性の製剤とすることが好ましい。オイドラギットL30D55およびオイドラギットL100−55は、メタアクリル酸とメタアクリル酸メチルの共重合体であり、胃中のような酸性環境下やpH<5.5の環境下では不溶性であるが、弱酸性、中性および/または塩基性環境中で、例えば腸領域では、カルボキシ基は脱プロトン化され、それによりポリマーは負荷電を帯びて水溶性になり、活性成分が放出される。従って、本発明の経口用組成物において、素顆粒に接する中間皮膜層のコーティング剤は、オイドラギットL30D55またはオイドラギットL100−55が、好ましく用いられる。なお、オイドラギットL30D55あるいはオイドラギットL100−55を用いて、素顆粒を被覆する場合には、オイドラギット溶液のpH値を約5.5以下、好ましくは約4.0〜5.5、特に好ましくは約5.3に調節したものを使用することにより、有効成分が安定化された経口用組成物とすることができる。
これらの中間皮膜層のコーティング剤は、素顆粒に対して約0.1〜50質量%、好ましくは約5〜20質量%使用するのがよい。
本発明の好ましい態様としては、素顆粒をヒドロキシプロピルセルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース2910(TC−5)あるいはオイドラギットL30D55で被覆して中間層皮膜を形成させ、さらにその外側にオイドラギットL30D55、マクロゴール6000、ポリソルベート80およびタルクからなる腸溶性皮膜をコーティングした三層構造の経口用組成物である。中間層皮膜形成に使用するオイドラギットL30D55は水酸化ナトリウムなどのアルカリでpH値を好ましくは約4.0〜5.5に調整して使用するのがよい。
本発明の経口投与用組成物の剤型としては、いかなる形態のものも問わないが、錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤等の経口用の剤型を挙げることができる。顆粒剤はカプセルに充填してカプセル剤とすることができ、これらの顆粒剤は適宜、当該分野で公知の方法で打錠して錠剤に成型することができる。このようにして得られた製剤は、長期間保存しても外観の変化が少なく、含量の低下もほとんどなく優れた安定性を示す。本発明の経口投与用組成物は優れた胃酸分泌抑制作用、抗潰瘍作用を有し、また毒性が低いので、ヒトを含む哺乳動物の消化器潰瘍等の治療に用いることができる。本発明に係る経口用組成物は、一般に成人1日当たりベンズイミダゾール系化合物を約10mg〜50mg含有した製剤を投与するのがよい。なお、実施例の%は質量%を意味する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
実施例1 カプセル剤の製造
(1)素顆粒組成
Figure 2005132754
ランソプラゾール、D−マンニトール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリリン酸ナトリウムおよびヒドロキシプロピルセルロースの上記6成分を万能混合攪拌機(ダルトン社製、型式3XDMV−01Qr)により混合した。さらに精製水(100μl)を加え、万能混合攪拌機により練合し、押し出し径Φ1.0mmの湿式押出造粒機(不二パウダル社製、型式DG−L1)にて顆粒を製した。こうして得られた顆粒を球形造粒装置マルメライザー(ダルトン社製、型式Q−230T−1)に加え球形化顆粒を製した。この球形化顆粒を流動層造粒コーティング装置(フロイント産業社製、型式FLO−1)により乾燥させ、乾燥された球形顆粒を篩にて12メッシュから18.5メッシュの範囲で分級装置マイクロシフター(ダルトン社製、型式303−3297A)にて分級し素顆粒を得た。
(2)中間層皮膜コーティング液組成
Figure 2005132754
こうして得られた表1の組成の素顆粒に、上記表2の組成の中間層皮膜コーティング液を使用して流動層造粒コーティング装置(フロイント産業社製、型式FLO−1)により、素顆粒質量に対して10%皮膜コーティングを行った。
(3)腸溶性皮膜コーティング液組成
Figure 2005132754
こうして得られる中間層皮膜コーティングを施した素顆粒を、上記表3の組成の腸溶性皮膜コーティング液で流動層コーティング装置を使用し顆粒質量に対して20%腸溶性皮膜コーティングを実施した。腸溶性皮膜を施された顆粒の総質量に対して0.3%の割合で軽質無水ケイ酸(帯電防止剤)を混合し、顆粒を自動カプセル充填機(MG2社製、型式:コンパクト)によりカプセルに充填してランソプラゾール30mgカプセル(2号カプセル)を得た。ランソプラゾール15mgカプセルについては上記30mgの半量をカプセ(4号カプセル)に充填した。
実施例2 カプセル剤の製造
(1)素顆粒組成
Figure 2005132754
ランソプラゾール、D−マンニトール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリリン酸ナトリウムおよびヒドロキシプロピルセルロースの上記6成分を万能混合攪拌機(ダルトン社製、型式3XDMV−01Qr)により混合した。さらに精製水(100μl)を加え、万能混合攪拌機により練合し、押し出し径Φ1.0mmの湿式押出造粒機(不二パウダル社製、型式DG−L1)にて顆粒を製した。こうして得られた顆粒を球形造粒装置マルメライザー(ダルトン社製、型式Q−230T−1)に加え球形化顆粒を製した。この球形化顆粒を流動層造粒コーティング装置(フロイント産業社製、型式FLO−1)により乾燥させ、乾燥された球形顆粒を篩にて12メッシュから18.5メッシュの範囲で分級装置マイクロシフター(ダルトン社製、型式303−3297A)にて分級し素顆粒を得た。
(2)中間層皮膜コーティング液組成
Figure 2005132754
こうして得られた表4の組成の素顆粒に、上記表5の組成の中間層皮膜コーティング液を使用して流動層造粒コーティング装置(フロイント産業社製、型式FLO−1)により、素顆粒質量に対して10%皮膜コーティングを行った。
(3)腸溶性皮膜コーティング液組成
Figure 2005132754
こうして得られる中間層皮膜コーティングを施した素顆粒を、上記表6の組成の腸溶性皮膜コーティング液で流動層コーティング装置(フロイント社製、型式FLO−1)を使用し顆粒質量に対して20%腸溶性皮膜コーティングを実施した。腸溶性皮膜を施された顆粒の総質量に対して0.3%の割合で軽質無水ケイ酸(帯電防止剤)を混合し、顆粒を自動カプセル充填機(MG2社製、型式:コンパクト)によりカプセルに充填してランソプラゾール30mgカプセル(2号カプセル)を得た。ランソプラゾール15mgカプセルについては上記30mgの半量をカプセル(4号カプセル)に充填した。
実施例3 安定性に関する過酷試験(開放条件下)
実施例1の方法で製造したカプセル剤(30mg:ロット番号R20C20(3))、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10mgの替わりに5mgを使用して実施例1と同様にして製造したカプセル剤(30mg:ロット番号R19C19(3))と、市販品のランソプラゾール30mgカプセル(以下O246と略称する)および15mgカプセル(以下O173と略称する)を用いて、50℃、75%相対湿度の過酷および加速条件下、4週間放置後の有効成分の残存率を測定した。比較品は、カプセルから内容物のみを取り出し、褐色の3号瓶にいれ、本発明の2検体については顆粒を褐色の3号瓶に入れ、ほぼ同じ空間に充填し、キムワイプを被せて保存した。4週間保存し、2週間後、4週間後の検体中のランソプラゾールの残存率を測定した。その結果を表7に示す。
Figure 2005132754
上表から明らかなように、本発明のカプセル製剤は、4週間の過酷試験において、市販品の比較品に比べて良好な主成分の残存率を示した。このことより、本発明に係るカプセル製剤は、安定化された製剤であることを証明している。上記試験結果をグラフ化したものを図1に示した。
なお、ランソプラゾールの残存率は、液体クロマトグラフ法で測定した。
実施例4 安定性に関する加速試験(密栓条件下)
上記製剤R19C19(3)、R20C20(3)および実施例2で得た製剤R23C23について、40℃、相対湿度75%の条件下、各製剤を褐色3号瓶に入れて密栓し、1ケ月保存して有効成分の残存率を測定した。その結果を表8に示す。なお、加速試験後の各製剤の着色は認められなかった。
Figure 2005132754
実施例5 水分増加量試験
製剤R19C19(3)、R20C20(3)、O246(30mg)およびO173(15mg)を用いて、50℃、相対湿度75%の過酷条件下で、実施例3に記載したと同様にして4週間保存後の各製剤の水分増加量を測定した。この測定結果を表9に示す。これよによると本発明の製剤は水分増加量が比較例に比して少なく安定であることが理解される。なお、水分増加量は、過酷試験後の製剤の質量を測定し、初期質量に対する差を質量増加量とした。
Figure 2005132754
実施例6 溶出性試験
下記表3に示した組成の割合で各成分を混合し、水を加えて練合し、ドームグラニュレーター(ダルトン社製、スクリーン1.0mmΦ)で造粒し乾燥した後、12〜30メッシュの各顆粒製剤を得た。
Figure 2005132754
これらの製剤を用いて顆粒の溶出試験(pH6.8、50rpm)を行った。各製剤の溶出率(%)の結果を表11に示す。溶出率は、紫外可視吸光度測定法で測定した。
Figure 2005132754
本発明のベンズイミダゾール系化合物の安定化された経口用組成物は、抗潰瘍剤として有用である。
は、本発明製剤の50℃、75%相対湿度の過酷試験(4週間)後の有効成分の残存率を比較例と共に示す。

Claims (10)

  1. 素顆粒に、少なくとも、一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩およびポリリン酸塩が配合されていることを特徴とする安定化された経口用組成物。
    Figure 2005132754
    (式中、Hetは、
    Figure 2005132754
    を表し、Het
    Figure 2005132754
    を表し、RおよびRはそれぞれ独立して水素、低級アルコキシ基または低級ハロアルコキシ基を表し、Rは水素またはアルカリ金属を表し、R,RおよびRはそれぞれ独立して水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルコキシ−低級アルキル基または低級ハロアルキル基を示す)。
  2. 最内層に素顆粒、中間層に素顆粒を被覆する中間皮膜層および最外層に腸溶性皮膜層からなる顆粒が経口用剤型に成型されており、該素顆粒が少なくとも、請求項1に記載のベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩およびポリリン酸塩を含有していることを特徴とする安定化された経口用組成物。
  3. ベンズイミダゾール系化合物がラベプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾールまたはそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  4. ポリリン酸塩がポリリン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  5. ポリリン酸塩がポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウムおよびピロリン酸カリウムから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項4に記載の安定化された経口用組成物。
  6. 経口用組成物が錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤またはカプセル剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の経口用組成物。
  7. ポリリン酸塩を包含する素顆粒の上に、中間皮膜層が形成され、該中間皮膜層を形成する成分が、ヒドロキシプロピルセルロースまたはメタクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体であり、さらに最外層の腸溶性被膜層を形成する成分がメタクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の安定化された経口用組成物。
  8. 上記一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩に、ポリリン酸塩を添加して素顆粒を形成させ、これにヒドロキシプロピルセルロースまたはpHを約4.0〜5.5に調製したメタクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体を含む中間層皮膜を施し、メタアクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体を含む腸溶性皮膜コーティング剤で該素顆粒を被覆することを特徴とする請求項7に記載の安定化された経口用組成物の製造方法。
  9. メタアクリル酸とアクリル酸アルキルとの共重合体がオイドラギットL30D−55またはオイドラギットL100−55であることを特徴とする請求項7または8に記載の安定化された経口用組成物の製造方法。
  10. 少なくとも、請求項1に記載の一般式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物またはその薬理学的に許容される塩およびポリリン酸塩を含有していることを特徴とする素顆粒。
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