JP2005132585A - 粉粒体の気送装置 - Google Patents

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正敏 奈良
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Abstract

【課題】粉粒体を空気等の気体の圧力によって配管中を搬送する際に、凝集性が強い超微粒粉体や水分の高い粉粒体を搬送する場合であっても、気送配管が閉塞状態になることのない粉粒体の気送装置を提供する。
【解決手段】気送配管4の内部に、複数のゴム管11を隣り合う外面が密着するように円筒状に並べて形成した内部円筒10を配し、それぞれのゴム管11に液体を供給して拡縮変形を行わせることにより、内部円筒10を複雑な変形パターンで変形させる。そのような内部円筒10の変形によって、内部円筒10に付着した粉粒体を確実に剥離することがができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、粉粒体を空気や窒素ガス等の気体の圧力によって配管中を搬送する粉粒体の気送装置に関するものである。
粉粒体を搬送する装置として、空気や窒素ガス等の圧力気体を用いて配管によって搬送する気送装置は、ベルトコンベア等の機械的搬送装置に比べて、気送配管のレイアウトが自在であり、三次元的な搬送が自由にできることや、密封系で搬送するので異物の混入が防止できる等の多くの優れた長所を持っている。
しかし、このような気送装置においても、搬送する粉粒体が付着性の強い粉粒体の場合や長期間使用した場合には、気送配管の内面に粉粒体が付着し、それが成長して、遂には気送配管を閉塞状態にしてしまうという問題がある。
このような気送配管の閉塞状態の発生を防止する方法としては、気送配管を頻繁に槌打して付着した粉粒体を剥離させる方法や気送配管を定期的に分解して清掃する方法が用いられている。しかし、気送配管を槌打する方法は、配管を外側から叩くので、騒音が激しくて作業環境を損なうという欠点がある。また、気送配管を分解清掃する方法は、連続使用している場合は適用できないという欠点がある。
そこで、気送配管を二重管にして、その内管を弾性管とし、外管と内管の間に圧縮空気を供給して内管を弾性変形させることにより、内管の内面に付着した粉粒体を剥離させて閉塞を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。この方法によれば、騒音によって作業環境を損なうこともなく、連続使用している場合にも適用することができる。
実開平3−110034号公報 特開平6−278870号公報 特開平10−175736号公報
しかし、特許文献1〜特許文献3に示された技術では、外管と内管の間に圧縮空気を供給して内管を変形させているので、その変形パターンは単調なものになる。そのため、凝集性が強い超微粒粉体や水分の高い粉粒体の場合においては、内管の内面に付着した粉粒体に充分な剥離力を与えることができず、気送配管の閉塞を確実に防止することができないという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、凝集性が強い超微粒粉体や水分の高い粉粒体を搬送する場合においても、気送配管が閉塞状態になることのない粉粒体の気送装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]粉粒体を気体の圧力によって配管の中を搬送する粉粒体の気送装置において、前記配管の内部に、複数の弾性管を隣り合う外面が密着するように円筒状に並べて形成した内部円筒を配し、前記複数の弾性管に流体を供給してそれぞれの弾性管を拡縮させることによって、前記内部円筒を変形させるようにしたことを特徴とする粉粒体の気送装置。
[2]前記弾性管はゴム管であることを特徴とする前記[1]記載の粉粒体の気送装置。
本発明においては、複数の弾性管よりなる内部円筒のそれぞれの弾性管を変形させるので、内部円筒を複雑に変形させることができるため、内部円筒に付着した粉粒体に確実に剥離力を作用させることができ、凝集性が強い超微粒粉体や水分の高い粉粒体を搬送する場合でも、気送配管が閉塞状態になることを的確に防止することができる。
本発明の一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る粉粒体の気送装置の全体構成図であり、図2は、その部分詳細図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る粉粒体の気送装置1は、搬送前の粉粒体を貯留しておく粉粒体ホッパー2と、粉粒体を圧縮空気によって搬送するための気送制御装置3と、粉粒体の搬送に用いる鋼管製の気送配管4と、搬送された粉粒体を受け取るための受取ホッパー5と、気送配管4の閉塞を防止するための閉塞防止装置6とを備えている。
そして、図1中の一点鎖線で囲んだ部分の拡大図を図2に示すように、閉塞防止装置6は、気送配管4の内部に複数(ここでは28本)のゴム管11を隣り合う外面が密着するように円筒状に並べて形成した内部円筒10と、それぞれのゴム管11に液体(例えば、水)を供給するための複数(ここでは28本)の液体配管12と、それぞれの液体配管12に液体を分岐して供給するための液体分岐ヘッダー13と、液体分岐ヘッダー13に接続して、液体の補給と液体圧力の規制を行うための液体補給タンク17と、分岐ヘッダー13に接続して、その作動により、分岐ヘッダー13を経由してゴム管11に液体を押し出したり、ゴム管11から液体を抜き取るための、内部に液体を充満した液体圧縮シリンダー14と、液体圧縮シリンダー14を作動させるための油圧シリンダー15と、油圧シリンダー15を制御する油圧制御装置16とを備えている。
そして、ここでは、分岐ヘッダー13が4個、液体圧縮シリンダー14が4個、油圧シリンダー15が2個設けられている。それぞれの分岐ヘッダー13毎に液体圧縮シリンダー14が接続しており、それら4個の液体圧縮シリンダー14は、2個の油圧シリンダー15の両端にそれぞれ連結している。これによって、同一の油圧シリンダー15の両端に連結している液体圧縮シリンダー14は、一方の液体圧縮シリンダー14が吐出方向に作動している時は、他方の液体圧縮シリンダー14が吸引方向に作動するようになっている。
また、4個の分岐ヘッダー13にはそれぞれ7本づつの液体配管12が取り付けられており、円筒状に並んだ28本のゴム管11に対して、4個の分岐ヘッダー13からの液体配管12が周方向に所定の順番で接続している。例えば、同一の分岐ヘッダー13からの液体配管12が周方向に4本目毎のゴム管11に接続している。
さらに、それぞれの分岐ヘッダー13は、液体補給配管21を介して液体補給タンク17と接続している。液体補給タンク17内は圧縮空気によって所定の圧力に保持されている。
なお、図2中、22は分岐ヘッダー13に取り付けられている圧力計、23は液体圧縮シリンダー14の空気抜き、24は油圧シリンダー15のリミットスイッチ、25は逆止弁、26はリリーフ弁である。
上記のように構成された粉粒体の気送装置1を用いて粉粒体を搬送する場合には、圧縮空気制御装置3からの指示により、圧縮空気を用いて、粉粒体ホッパー2から切り出した粉粒体を、気送配管4内部に配した内部円筒10の中を通過させて受取ホッパー5に向けて搬送する。
それとともに、内部円筒10を形成する各ゴム管11と分岐ヘッダー13に液体補給配管21からの液体を予め充満させておき、油圧制御装置16からの指示に基づいて、油圧シリンダー15を作動させて、液体圧縮シリンダー14を順次吐出方向及び吸引方向に作動させる。これによって、液体圧縮シリンダー14内及び分岐ヘッダー13内の液体が液体配管12を経由して順次ゴム管11に向けて押し出されたり、ゴム管11内の液体が液体配管12を経由して順次分岐ヘッダー13及び液体圧縮シリンダー14に向けて抜き取られる。その結果、それぞれのゴム管11が液体によって拡縮変形を行うことになり、それらのゴム管11で形成されている内部円筒10も時間的及び空間的に複雑な変形パターンで変形する。特に、2個の油圧シリンダー15の作動順序及び作動時間を不規則に変化させれば、内部円筒10を一層複雑な変形パターンで変形させることができる。
その結果、内部円筒10の複雑な変形パターンでの変形によって、内部円筒10に付着した粉粒体に確実に剥離力を作用させることができ、凝集性が強い超微粒粉体や水分の高い粉粒体を搬送する場合でも、粉粒体を通過させる内部円筒10が閉塞状態になることを的確に防止することができる。
なお、この実施形態では、ゴム管11に液体を供給して拡縮変形させているが、ゴム管11を適切に拡縮変形できるのであれば、気体(例えば空気)を用いてもよい。
また、この実施形態では、ゴム管11による内部円筒10を気送配管4の全長に渡って配しているが、場合によっては、気送配管4のベンド部等のような閉塞状態が発生しやすい個所に部分的に配することでもよい。
本発明の一実施形態の全体構成図である。 本発明の一実施形態の部分詳細図である。
符号の説明
1 粉粒体の気送装置
2 粉粒体ホッパー
3 気送制御装置
4 気送配管
5 受取ホッパー
6 閉塞防止装置
10 内部円筒
11 ゴム管
12 液体配管
13 分岐ヘッダー
14 液体圧縮シリンダー
15 油圧シリンダー
16 油圧制御装置
17 液体補給タンク
21 液体補給配管
22 分岐ヘッダー13
23 空気抜き
24 リミットスイッチ
25 逆止弁
26 リリーフ弁

Claims (2)

  1. 粉粒体を気体の圧力によって配管の中を搬送する粉粒体の気送装置において、前記配管の内部に、複数の弾性管を隣り合う外面が密着するように円筒状に並べて形成した内部円筒を配し、前記複数の弾性管に流体を供給してそれぞれの弾性管を拡縮させることによって、前記内部円筒を変形させるようにしたことを特徴とする粉粒体の気送装置。
  2. 前記弾性管はゴム管であることを特徴とする請求項1記載の粉粒体の気送装置。
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