JP2005132378A - パウチ取付式口金及び流動体の抽出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 口金1は、パウチPの袋皮Sに当てられるフランジ状の基部11と、基部11から延びる筒状の口部13を有する本体10を有する。袋皮Pは、基部11内に収容されたコイル状針31の先端部を袋皮Pに突き刺した後、このコイル状針31をダイヤル41で回すことにより、コイル状針31の芯線に沿って基部11内に引き込まれる。これにより本体10が袋皮Pに固定される。基部11内に引き込まれた袋皮Pは、カッター61の3本の穿孔刃65によって切り込まれ、中身抽出用の孔が開けられる。
【選択図】 図14
Description
そこで、ホッパーを使用せずに、パウチから直接中身を抽出できるようなパウチ取付式の口金が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。このような口金をパウチに直接取り付け、さらに、口金に上述のような抽出機構を取り付ければ、パウチから中身を必要量だけ抽出することができる。また、口金にキャップをすれば、抽出後に再度パウチを密封状態に保つことができる。
簡単な動作で、袋皮を本体内に引き込むことができる。
中身の抽出に必要な大きさの孔を開けることができるとともに、穿孔刃で切断された切れ端が袋皮の本体から外れ難い形状となる。
図1は、本発明の実施の形態に係るパウチ取付式口金の構成を示す分解斜視図である。
この口金1は、パウチの外面に当てられる本体10と、パウチの袋皮を本体10に固定する固定手段30と、本体10に固定された袋皮に孔を開ける穿孔手段60とから主に構成される。また、袋皮と本体10との間を密封するシール90を備える。
本体10は、パウチの外面に当てられる中空フランジ状の基部11と、基部11から延びる筒状の口部13を有する。基部11は口部13より径が大きく、基部11と口部13との間には、環状の段部15が形成されている。段部15には、同部円周のほぼ1/3に渡って延びる貫通孔17が形成されている。また、同段部15の下面には、貫通孔17の一端から段部円周に沿って渡って延びるスロープ19が形成されている。スロープ19は、貫通孔17の一端で高さが最も高く、円周に沿って下方に傾斜している。
口部13の上部外面には、キャップ(図示されず)が螺合する雄螺子25が切られている。また、口部13の下部内面には、孔27が開けられている。後述するように、この孔27にカッター61の突起73が嵌合して、最終的に本体10とカッター61とが固定される。
上壁45の下面には、コイル状針31の上端の突起33が係止される係止突起46(図4参照)が設けられている。
穿孔手段60は、図1に示すように、カッター61と、カッター61を押し込むジグ77とを備える。カッター61は筒状の基体63を有する。基体63の外径は、本体10の口部13の内径にほぼ等しく、基体63は本体口部13内に上下スライド可能に嵌合される。基体63の下面には、3本の穿孔刃65−1、2、3が設けられている。各刃65の断面形状は三角形で、尖った角が下方を向いている。3本の穿孔刃65は、基体61の下方に向かって延びており、各刃の先端67は、図3(C)に示すように、基体63の中心からからややずれた位置で交わっている。3本の穿孔刃の内の一つ65−3は上述のコイル状針31の先端部35を引っ掛けるための刃としても作用する(詳細後述)。
また、図3(A)、(C)に示すように、基体63の下部の外面には、突起73が形成されている。この突起73は、上述したように、最終的にカッター61を本体10に固定する際に、本体10の孔27(図2(C)参照)に嵌め込まれる。
なお、リング状プレート110の替わりに、リング状プレートに外周壁を設け、この外周壁の外面にねじが形成された下当てプレートを使用してもよい。この場合、本体基部11の外面にねじを形成し、下当てプレートを本体基部11の下面に逆ねじ式で固定する。
図4は、口金をパウチに当てた状態を示す模式的に示す側断面図である。
上記の各部品が組立てられた初期状態の口金1は、ダイヤル41が本体口部13を段部15まで嵌合して、ダイヤル41に連結されているコイル状針31は、本体段部15の貫通孔17、及び、シール90の貫通孔97を通り、先端37がプレート110の下面から下方に突き出ている。
カッター61は本体口部13内に嵌合して、摩擦によって停止している。カッター61は、ガイド溝71の斜め側辺71bが、本体10の内部突起23の上方に位置するように、本体10に対して位置決めされている。ジグ77は突起83がカッター61のL字型溝69の縦溝に上方から嵌め込まれただけの状態で、両者は完全に係合していない。カッター61の穿孔刃65の先端67は、本体段部15の面に達している。
次に、ダイヤル41を本体10に対して回動させながら袋皮Sに向かって押す。すると、図に示すように、コイル状針31がダイヤル41とともに回動しながら、本体段部15の貫通孔17及びシール90の貫通孔97を通って本体基部11の内凹部11a内に進み、先端部35が袋皮Sの孔AからパウチP内に旋回しながら進入していく。なお、本体段部15のスロープ19はコイル状針31の形状に合わせ、抵抗なくスライド(旋回)させる役割として作用する。
この状態でダイヤル41をさらに回転させると、コイル状針31はパウチP内に進行せずに回動し、相対的に袋皮Sがコイル状針31の針線に沿って上方に(本体基部11内に)引き込まれていく。つまり、袋皮Sは、コイル状針31の回動によって、コイル状針31の針線に沿って上方に移動する孔Aを先(上)にして、孔Aからパウチ内に入り込んだコイル状針31に被さるように、プレート110の内開口からコイル状針31の外側に導かれる。この例では、ダイヤル41を約3回転(コイル状針31の条数分)回動させることにより、コイル状針31のほぼ全体が本体基部(シール90)の内凹部11aに収容される。そして、袋皮Sは、図6に示すように、コイル状針31のほぼ全体に被さるように本体基部の内凹部11a内に引き込まれる。そして、コイル状針31は、袋皮Sに向かって押されるダイヤル41の上壁45とプレート110上との間で圧縮される。
また、シール90はリブ99が本体基部11の溝21に嵌合しているため、本体基部11に対して回動不能である。このため、コイル状針31が回動しても、シール90は本体基部の内凹部11a内で回動しない。これにより、シール90と本体基部11との間のシール性を高めることができるとともに、コイル状針31の回動に伴う袋皮Sのねじれを防ぐことができる。
図8は、図7のI−I断面図である。
次に、図7に示すように、ジグ77を真っ直ぐに下降させると、カッター61は、本体基部11の内凹部11a内に収容されたコイル状針31の内開口の中に進む。そして、図8に示すように、カッター61の各穿孔刃65の交わった先端67が、コイル状針31に被さって緊張した状態の袋皮Sを突き刺し、袋皮Sに孔Bを開ける。
なお、カッター61の下降中、基体61に設けられた突起73(図3参照)の部分は、本体口部13の内面で内側に押されて、やや内側に弾性変形している。
そして、図9に示すように、さらにジグ77を真っ直ぐに下降させると、カッター61のガイド溝71の斜め側辺71bが、本体内部の内突起23に当たって、カッター61が同側辺71bで斜めにガイドされて、本体10に対して回転する。同時に、カッター61は真っ直ぐに下降するジグ77に対しても回転し、ジグ77の係合突起83がカッター61の係合溝69の横溝内を進む。
図11は、図10の底面図である。ただし、口金のみを示しパウチは省略されている。
カッター61は、穿孔刃65のほぼ全体が本体基部11の下面から下方に突き出るまで下降する。このとき、基体63のガイド溝71の上辺71cが、本体10内の内突起23に係止され、ジグ77の上端のフランジ85は本体口部13の上端に係止される。カッター61が最下限まで下降すると、カッター61の穿孔刃65のほぼ全体が本体基部11の下面から下方に突き出る。そして、自動的にジグ77の係合突起83がカッター61の係合溝69に完全に係合する。なお、カッター61の下降中、パウチPの中身Fは、切れ目Cから口金1内のジグ77の下壁81まで入り込んでくる。
図13は、図12のII−II断面図である。
そして、本体内部の内突起23にカッター61のガイド溝71の真っ直ぐな側辺71a(図10参照)を当てて、ジグ77を真っ直ぐに上方に移動させ、同ジグ77に係合しているカッター61を上昇させる。すると、図12に示すように、コイル状針31の先端部35はカッター61の穿孔刃の一つ65−3に引っ掛かって上方に湾曲する。ジグ77でカッター61を元の位置まで上昇させると、コイル状針31の先端部35は上方に湾曲して本体基部11の内凹部内に完全に引き込まれる。そして、カッター61の基体63の突起73が本体口部11の内面の孔27に嵌め込まれて、カッター61と本体10とが固定される。
その後、ジグ77を所定角度だけカッター61に対して回転させると、ジグ77の係合突起83がカッターの係合溝69から外れ、ジグ77がカッター61から取り外される。そして、コイル状針31は、鋭利な先端37を含めた先端部35がカッター61の各刃65で引き上げられて、ほぼ全体が本体基部11(シール90)の内凹部内に入り込んだ状態に固定されている。このため、例えば、パウチPの中身Fが少なくなったときに、コイル状針31の先端37が、本体10が取り付けられた袋皮Sと対向する袋皮Sに突き刺さるようなことがない。
10 本体 11 基部
11a 内凹部 13 口部
15 段部 17 貫通孔
19 スロープ 21 溝
23 突起 25 雄螺子
27 孔
30 固定手段 31 コイル状針
33 突起 35 先端部
36 環状部 37 先端
41 ダイヤル(回動手段) 43 側壁
45 上壁 46 係止突起
47 貫通口
60 穿孔手段 61 カッター
63 基体 65 穿孔刃
67 先端 69 ジグ係止溝
71 ガイド溝 73 突起
77 ジグ 79 側壁
81 下壁 83 カッター係止突起
85 フランジ
90 シール 91 側壁
93 上壁 95 開口
97 貫通孔 99 リブ
110 プレート
P パウチ S 袋皮
F 中身 A、B 孔
C 切れ目
Claims (6)
- 内部に流動体が詰められて封止された樹脂フィルム製の袋(パウチ)の外面に取り付けられて、前記流動体の取り出し口となる口金であって、
前記パウチの外面に当てられるフランジ状の基部及び該基部から延びる筒状の口部を有する本体と、
前記基部が当てられた部分のパウチの袋皮を前記基部の内凹部に引き込んで固定する固定手段と、
引き込んだ袋皮に孔を開ける穿孔手段と、
を具備することを特徴とするパウチ取付式口金。 - 前記固定手段が、
前記基部内に収容された、前記袋皮に先端部が突き刺さるコイル状の針と、
該針を回す回動手段と、
を有し、
前記袋皮が、前記針を回すことにより、コイル状の針線に沿って前記基部内に引き込まれることを特徴とする請求項1記載のパウチ取付式口金。 - 前記穿孔手段が、孔中央部で交わる3本以上の切り込み線を前記袋皮に切り込む穿孔刃を有することを特徴とする請求項1又は2記載のパウチ取付式口金。
- さらに、前記本体の基部の内面と、前記コイル状針との間を密閉するシールを備え、
該シールが、円筒状の側壁と、中央に開口を有する上壁とから構成され、前記本体基部内に取り付けられることを特徴とする請求項1、2又は3記載のパウチ取付式口金。 - 前記穿孔刃が、前記コイル状針の先端部を引っ掛けて収容し、
前記穿孔手段を袋皮に切り込んだ後に該手段を引き上げる際に、前記コイル状針の先端部が前記穿孔刃に引っ掛けられたまま前記本体基部内へ引き上げられることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のパウチ取付式口金。 - 内部に流動体が詰められて封止された樹脂フィルム製の袋(パウチ)の外面に取り付けられた口金から流動体を抽出する方法であって、
該口金を前記パウチの外面に当て、
該口金が当てられた部分のパウチの袋皮を、該口金の内部に引き込んで固定し、
引き込んだ袋皮に孔を開けて、
該孔を通して前記パウチから流動体を抽出することを特徴とする流動体の抽出方法。
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