JP2005130767A - 釣竿 - Google Patents

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友義 鶴藤
Hidenori Onari
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Abstract

【課題】片手で操作するルアーロッドのような軽量な釣竿において、トータル重量を抑えると共に、操作性が最も向上するようにバランスがとれたグリップ部を有する釣竿を提供する。
【解決手段】本発明の釣竿は、リール50が装着される操作部L1の後方側にグリップ部2を設けた構成において、グリップ部2は、前方側に低比重化領域L3、その後方に高比重化領域L4を有することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、釣竿に関し、詳細には、ルアーロッドや軽量船竿など、片手で操作可能な釣竿に関する。
従来、片手で操作可能な軽量な釣竿には、リールが装着される部分(操作部)の後方側に、所定長さのグリップ部を装着したものがある。そして、このようなグリップ部には、しゃくり操作や投げ操作をした際に、慣性力を生じさせて操作性が向上するように、後端に重量体(バランサ)を装着することが行なわれている。例えば、特許文献1には、元竿の端部に設けられたバランサ保持体の基端側端面に複数の保持孔を形成しておき、ここに金属で構成されたバランサを挿入可能にした釣竿が開示されている。
特開2001−269088号
ところが、上記したように、一般的に行なわれている釣竿の基端部にバランサを設けただけの構成では、その重量バランスについて何等考慮されていないことから、釣竿、とりわけ握持保持されるグリップ部分のトータル重量が重くなってしまい、操作性の向上には限界がある。すなわち、従来の技術では、片手で操作できる釣竿において、操作性が向上できるような重量バランスにする、という視点は無く、単に、釣竿後端にバランサを配置するだけの技術思想に留まっている。特に、ルアーロッドや軽量船竿では、より軽量化が図れ、かつ操作性を向上することが望まれており、操作部から後方におけるグリップ部分の重量バランスについては、十分に考慮する必要がある。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、その目的は、片手で操作するルアーロッドのような軽量な釣竿において、トータル重量を抑えると共に、操作性が最も向上するようにバランスがとれたグリップ部を有する釣竿を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明の釣竿は、リールが装着される操作部の後方側にグリップ部を設けた構成において、前記グリップ部は、前方側に低比重化領域、その後方に高比重化領域を有することを特徴とする。
このような構成によれば、グリップ部に低比重化領域を設けたことにより、グリップ部全体の重量が軽量化されると共に、その後方にある高比重化領域によって慣性力を効果的に発生させることができ、キャスティング操作する際、或いはしゃくり操作する際の操作性が向上するようになる。
なお、このような構成では、上記したような慣性力を効果的に生じさせて操作性が向上するように、低比重化領域の単位体積あたりの比重は、1.0以下となるようにし、高比重化領域の単位体積あたりの比重は、5.0以上、好ましくは10以上となるようにすることが好ましい。また、グリップ部の全長は、十分な慣性力が得られるように、150mm以上、好ましくは200mm以上とし、グリップ部単体での重心位置は、グリップ部全長の70%、好ましくは80%より元側に位置するように構成することが好ましい。重心位置を、このような位置に設定することにより、持ち重り感を軽減し、操作性の向上が図れるようになる。
本発明によれば、片手で操作できるルアーロッドのような軽量な釣竿において、トータル重量を抑えて操作性が最も向上するようにバランスがとれた構成が得られる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る釣竿の概略構成を示す図であり、図2は、グリップ部分における拡大図である。
図1に示す釣竿1は、複数の管状に形成された竿杆1aと、これら竿杆1aの内、元竿に取り付けられたグリップ部2と、このグリップ部2よりも先端側に装着され、各種のリール50が着脱可能に装着されるリール脚固定装置(リールシート)3と、このリール脚固定装置3よりも先端側に装着されたフロントグリップ部5とを備えて構成されている。
前記竿杆1aは、管状に構成されたもの以外にも、ソリッド状に構成されたり、これらが複合化された構成であっても良い。また、釣竿1は、特別な構成に限定されることはなく、振り出し式、並継式、1本竿など各種形態のものが含まれ、リール50から繰り出される釣糸を案内する方式についても、図に示すような外ガイド1bを多数設けたもの以外にも、中通し式に構成したものであっても良い。
前記リール脚固定装置3は、雄ネジ部3aに螺合する誘導フードに一体的に設けられた移動フード3bと、これに対向して配置された固定フード3cとを備えており、これらの間に各種のリール50のリール脚が装着されて着脱可能となっている。また、リール脚固定装置3には、キャスティング時等に指を引っ掛けるように、トリガー3dが下方に向けて突出形成されており、この部分がリール50と共に握持、保持される操作部となっている(操作部の領域をL1で示す)。なお、図に示すリール脚固定装置3は、主に、両軸受型リール(ベイトリール)が装着されるような構成となっているが、スピニングリールが装着されるような構成であっても良く、前記移動フードや固定フードの構成については適宜変形することが可能である。
前記グリップ部2は、リール脚固定装置3の後方側において、竿杆(元竿杆)の長手方向に沿ってその外側に設けられたものであれば良く、素材としては、握持感が良好で、低比重化が達成できるように、柔軟性のある部材(コルク、EVA、天然ゴム、合成ゴム、エラストマー、発泡材等)で形成することが好ましい。この場合、グリップ部2は、竿杆1aに対して、インジェクション成形して一体的に形成したり、或いは竿杆1aの外面に接着剤等によって取着される。なお、フロントグリップ部5は、設けない構成であっても良いが、設ける場合、操作性、及び外観的な観点から同様な素材で形成することが好ましい。
前記グリップ部2は、後述するウエイト部材による慣性力を作用させて操作性が向上するように、全長L2が150mm以上、好ましくは200mm以上に形成されると共に、キャスティング操作時、しゃくり操作時、或いはリーリング操作時等において、脇に挟んだ際に、操作の妨げにならないように、400mm程度以下に形成することが好ましい。また、グリップ部2の外観形状は、適宜変形することが可能であり、例えば、ベイトリールが装着されるタイプでは、グリップ部2の前端部に、握り易いように膨出部2aを設けても良い。
また、グリップ部2の比重や重量配分(後端部と主に中間より前方部分)は以下のようにすることが好ましい。
(1)グリップ部分(グリップ部の部材や竿杆の部材)の単位長さあたりの重量を、後端部が重くなるようにする。同時に竿杆1aの外径より大きく、グリップ部2の外径より小さい外径を有する高比重部材を配置する。好ましくは、グリップ部2の中に収納状態に配置する。
(2)上記(1)のみでも良いが、更にグリップ部分の各部材の合計比重を調整する。具体的には、グリップ部2の中間より前方の合計比重を1.0以下、更には、0.7もしくは0.5以下にするのが良い。この場合、複数の部材を組み合わせるのであれば、それら全体としての比重を1.0以下、更には0.7もしくは0.5以下にすると良い。
(3)比重や重量配分を調整するために、グリップ部2の部材や竿杆に、気泡や空室(空隙)の比率を多くした部材を用いたり、そのような層を形成しても良い。
これにより強度低下を防止でき、強度向上・安定化と釣竿操作性の向上が図れる。
上記(1)〜(3)の例では、比重や重量を軽くする位置をグリップ部の中間より前方として説明したが、後端部の重量や比重を重くした位置以外の全てを軽くしても良い。また、ウエイト部材以外を全て1.0以下等の低比重(単位体積比)にしても良い。
前記グリップ部2の後端部には、ウエイト部材10が着脱可能に装着されており、高比重化領域を構成している。すなわち、グリップ部2は、図に示す範囲L3が低比重化領域として構成され、ウエイト部材10が位置する範囲L4が高比重化領域として構成されている。
この場合、上記したグリップ部2における低比重化領域L3と高比重化領域L4については、グリップ部2の全長との関係で以下のように設定される。
すなわち、低比重化領域L3については、竿杆1a及びグリップ部2を合わせた比重(単位体積あたりの比重)が1.0以下、好ましくは0.7以下さらには0.5以下となるように構成される。また、高比重化領域L4については、ウエイト部材10によって比重(単位体積あたりの比重)が5.0以上、好ましくは10以上となるように構成される。なお、比重が5.0以上になるようにするには、ウエイト部材10の材料として、例えば、鉄、銅、ニッケル、すず、亜鉛、ステンレスなどを用いることができ、比重が10以上になるようにするには、ウエイト部材10の材料として、例えば、金、銀、モリブデン、鉛、白金、タングステンなどを用いることができる。そして、このように低比重化領域L3、及び、高比重化領域L4を構成するにあたり、重心位置Gが、グリップ全長L2の70%、好ましくは75%、より好ましくは80%より元側に位置するように設定する。
具体的な好ましい重量配分は、竿杆1aを含んだグリップ部2の単体、すなわち低比重化領域L3での重量が、軽量化が達成されるように、3〜28gとなるように構成し、低比重化領域L3と高比重化領域L4との重量比率が1;2.3〜1;33の範囲となるように構成される。
上記した構成の釣竿によれば、以下の作用、効果が得られる。
上述したように、グリップ部2の前方側に低比重化領域L3を設けたことによって、グリップ部全体の重量が軽量化されると共に、その後方にある高比重化領域L4によって慣性力を効果的に発生させることができる。例えば、操作部領域L1を握る手と反対側の手をグリップ部2に添えてキャスティングしたり、肘や体に当てたり、脇に挟んでバランスを取る際の持ち重り感が軽減される。また、キャスティング操作する際、しゃくり操作する際、リーリング操作する際に、グリップ部の後端の高比重化領域L4で慣性力が効果的に作用するようになり、その操作性の向上が図れるようになる。更に、グリップ部のどの位置でも握持でき、又は支持でき、握持し易く釣竿を扱い易くできると共に、キャスティング時の操作性に優れる。特に、少ないパワー(力)で竿先のスピードをアップできる。
なお、上記したグリップ部2において、ウエイト部材10に関しては交換可能に構成しておき、バランス調整できるように構成することが好ましい。また、グリップ部2は、その部材の比重を後端部は大きく(重く)中間位置より前方は小さく(軽く)するのが良い(0.3以下好ましくは0.2以下)。この場合、耐磨耗性は中間より前方は、後端部のそれより小さくても良い。さらに、竿杆1aの重量を、単位長さ比で後端部は重く、中間位置より前方は軽くするのが良い。具体的には、一方を肉厚を厚く、他方を肉厚を薄くしたり、径を大きく又は小さくして調整する等、プリプレグの材料配分で相対的に後端部が重くなるようにすると良い。
図3は、上記した実施形態の変形例を示す図である。
上記したグリップ部2の形状については、この図に示すように、中間部分で分断されて竿杆1aが部分的に露出するような構成であっても良い。すなわち、グリップ部は、一体的に連続形成されることなく、リア第1グリップ12a、及びリア第2グリップ12bによって構成され、図に示す範囲L3が低比重化領域、範囲L4が高比重化領域となるように構成される。この場合、各領域の比重、長さ、材料等については、上記した実施形態と同様に構成される。
このようにグリップ部の形状については、適宜変形することが可能である。なお、この変形例のような形状では、リア第1グリップ12aに関し、前端部に膨出部を形成したり、或いは後方に向かってなだらかに縮径化させる等、より握り易いように構成することが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、釣竿のリール脚固定装置より後方に設けられたグリップ部に、上記したような低比重化領域、及び高比重化領域を設けたものであれば良く、それ以外の構成については、種々変形することが可能である。また、高比重化領域を構成するウエイト部材に関しては、その取り付け方法、乃至は着脱方法については、特定の構成に限定されることはなく、種々変形可能である。
本発明に係る釣竿の概略構成を示す図。 図1に示す釣竿のグリップ部分を拡大して示す図。 本発明の変形例を示す図。
符号の説明
1 釣竿
1a 竿杆
2 グリップ部
3 リール脚固定装置
10 ウエイト部材
50 リール
L1 操作部領域
L3 低比重化領域
L4 高比重化領域

Claims (3)

  1. リールが装着される操作部の後方側にグリップ部を設けた釣竿において、
    前記グリップ部は、前方側に低比重化領域、その後方に高比重化領域を有することを特徴とする釣竿。
  2. 前記低比重化領域の単位体積あたりの比重は、1.0以下、前記高比重化領域の単位体積あたりの比重は、5.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記グリップ部の全長は、150mm以上であり、グリップ部単体での重心位置は、グリップ部全長の70%より元側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の釣竿。
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