JP2005130591A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速運転性能を向上したモータ制御装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子により直流電圧を交流電圧に変換し3相ブラシレスDCモータに供給する直流交流変換手段と、モータ誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段1と、その磁極位置に基づいて電圧波形1を出力する電圧制御第1手段3と、電圧波形1をPWM信号に変換するPWM制御手段5と、磁極位置を電気角1周期に(6−n)個選択して磁極位置選択を出力する誘起電圧選択手段2と、磁極位置選択に基づいて電圧波形2をPWM制御手段5に出力する電圧制御第2手段4とを有し、電圧制御第2手段4は選択されない各々n個の時間領域では所定の電圧波形2を出力し、磁極位置と磁極位置選択とに基づいて交流電圧の位相角を制御し、所定電気角区間において位相角をさらに進角させる位相角設定手段14とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスDCモータを周波数制御するモータ制御装置に関するものである。
ブラシレスDCモータを回転数制御するモータ制御装置として、従来、120゜通電制御の方式と、正弦波180゜通電制御がある。120゜通電方式は、誘起電圧のゼロクロス信号を直接検出する方式であり、それを検出するために、インバータ相電圧と基準電圧との比較を行って得られるものである。このゼロクロス信号に基づいて、転流信号を変化させている。このゼロクロス信号は、モータ1回転中に12回発生し、機械角30゜、すなわち電気角60゜毎に発生する(例えば、特許文献1参照)。
180゜通電方式は、モータ巻線の中性点電位と、3相のインバータ出力電圧に対して3相Y結線した抵抗の中性点電位との差分電圧を増幅し、それを積分回路に入力し、その積分回路の出力信号と、その出力信号をフィルタ回路により処理し直流カットしたローパス信号との比較により、誘起電圧に対応する位置検出信号を得ている。この位置検出信号は、モータ1回転中に12回発生し、機械角30゜、すなわち電気角60゜毎に発生する。この方式においては、積分回路を通すため、位相補正制御が必要である(例えば、特許文献2及び3参照)。
特許第2642357号公報 特開平7−245982号公報 特開平7−337079号公報
従来の構成における課題を説明する。
図5は従来のモータ制御装置の制御ブロック図である。この120゜通電方式は、誘起電圧部分のゼロクロスの比較を行っているため、モータ負荷急変・電源電圧急変の状態がおきると、誘起電圧のゼロクロス信号がインバータ出力電圧領域内に隠れてしまい、検出できなくなることがある。このような状態になると、まず脱調現象が発生し、インバータシステムが停止してしまう。また、120゜通電では、1相当たり誘起電圧が電気角60゜連続して確認できるのであるが、モータ運転時の音・振動を軽減しようとして、通電角を150゜程度に設定して運転させようとすると、1相当たり誘起電圧が電気角30゜分しか連続確認できず、通常運転時においても脱調する危険性が増加し、また乱調等の不安定現象も発生し易くなる傾向があった。また、本構成では、180゜通電に近い運転はまず不可能であるという課題を有していた。図6(a)は120゜通電制御の相電流波形と誘起電圧波形との関係図である。通常運転時には誘起電圧10に対して相電流20の位置に設定し、最高回転数を増加させる場合には相電流21の位置まで進角させる。しかし、相電流21の位置より進角させることは困難であるため、最高回転数も低くなり、限定された速度範囲しか運転できない課題がある。
図6(b)は180゜通電制御の相電流波形と誘起電圧波形との関係図である。180゜通電方式は、積分回路を通すため、誘起電圧のゼロクロス位置を絶対値での的確な把握ができず、また、運転状態によってはゼロクロス位置と位置検出信号の位相差が大きく変化するため、位相補正等の複雑な制御が必要となり、その位相補正調整が困難であったり、制御演算が複雑になる。また、モータに中性点出力端子が必要、誘起電圧波形の3次高
調波成分を利用しているため正弦波着磁マグネットを使用したモータでは使用不可能という課題を有していた。
また、電流フィードバック方式によるセンサレス正弦波180゜通電駆動制御では、モータの磁極位置をモータ電流とモータ電気的定数とにより推定演算するため演算誤差が大きくなり、モータ電流の進角制御の限界点が早く、最高回転数も位置センサ付制御に対しどうしても遠く及ばない課題があった。180゜通電制御の場合にも、通常運転時には誘起電圧10に対して相電流22の位置に設定し、最高回転数を増加させる場合には相電流23の方向へ進角させる。
本発明は、上記課題を解決すべきなされたものであり、その目的とするところは、機械的電磁ピックアップセンサの必要としない誘起電圧フィードバック制御の新方式により、位置センサ付正弦波180゜通電と同等レベルの高速性能を実現し、さらには安価かつ信頼性の高いモータ制御装置を提供することにある。
本発明に係るモータ制御装置は、スイッチング素子を複数個含み該スイッチング素子の開閉により直流電圧をPWM信号に基づき交流電圧に変換し3相ブラシレスDCモータに供給する直流交流変換手段と、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段と、該誘起電圧検出手段から電気角1周期に6個出力される磁極位置に基づいて電圧波形1を出力する電圧制御第1手段と、該電圧波形1を前記PWM信号に変換するPWM制御手段とを有するモータ制御装置において、所定周波数領域内で動作し前記磁極位置を電気角1周期に(6−n(=m≧0と定義))個選択して磁極位置選択を出力する誘起電圧選択手段と、該磁極位置選択に基づいて電圧波形2を前記PWM制御手段に出力する電圧制御第2手段とを有し、該電圧制御第2手段は選択されない各々n個の時間領域では所定の電圧波形2を出力し、前記所定周波数領域内の真偽判定により前記電圧制御第1手段もしくは前記電圧制御第2手段のどちらか一方を動作させ、前記磁極位置と前記磁極位置選択とに基づいて前記交流電圧の位相角を制御し、所定電気角区間において該位相角をさらに進角させる位相角設定手段とを有するものである。
また、上記所定電気角区間は、磁極位置選択区間直後の磁極位置選択区間を含まない電気角120゜区間であるものである。
また、上記位相角設定手段は、電気角60゜毎に同値もしくは異なった値に設定するものである。
また、上記位相角設定手段は、電気角の増加に対する進角値を単調減少関数となるように設定するものである。
また、上記位相角設定手段は、位相角について電気角60゜毎にそれぞれ個別に進角最大値を設定するものである。
また、上記位相角設定手段は、上記磁極位置選択を含む時間領域においては、位相角を0゜に設定するものである。
本発明に係るモータ制御装置は、スイッチング素子を複数個含み該スイッチング素子の開閉により直流電圧をPWM信号に基づき交流電圧に変換し3相ブラシレスDCモータに供給する直流交流変換手段と、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段と、該誘起電圧検出手段から電気角1周期に6個出力される磁極位置に基づいて
電圧波形1を出力する電圧制御第1手段と、該電圧波形1を前記PWM信号に変換するPWM制御手段とを有するモータ制御装置において、所定周波数領域内で動作し前記磁極位置を電気角1周期に(6−n(=m≧0と定義))個選択して磁極位置選択を出力する誘起電圧選択手段と、該磁極位置選択に基づいて電圧波形2を前記PWM制御手段に出力する電圧制御第2手段とを有し、該電圧制御第2手段は選択されない各々n個の時間領域では所定の電圧波形2を出力し、前記所定周波数領域内の真偽判定により前記電圧制御第1手段もしくは前記電圧制御第2手段のどちらか一方を動作させ、前記磁極位置と前記磁極位置選択とに基づいて前記交流電圧の位相角を制御し、所定電気角区間において該位相角をさらに進角させる位相角設定手段とを有するものである。これにより、ブラシレスDCモータに流れる電機子電流の位相角を自由自在に制御できるので、運転用途に応じた運転性能・運転特性を引き出すことができる。
また、上記所定電気角区間は、磁極位置選択区間直後の磁極位置選択区間を含まない電気角120゜区間であるものである。これにより、モータ電流波形が滑らかになり、モータ制御装置の運転音・共振音を極力小さく抑えることができる。
また、上記位相角設定手段は、電気角60゜毎に同値もしくは異なった値に設定するものである。これにより、位相角をきめ細かく制御できるので、運転負荷に応じた位相角を最適設計でき、高効率・高速性能・低騒音などの運転性能が向上する。
また、上記位相角設定手段は、電気角の増加に対する進角値を単調減少関数となるように設定するものである。これにより、位相角変化を緩和した電流波形を供給できるので、低振動・低騒音・低発熱・低入力を高次元でバランスさせたモータ制御装置を構築できる。
また、上記位相角設定手段は、位相角について電気角60゜毎にそれぞれ個別に進角最大値を設定するものである。これにより、位相角制御範囲を限定したので、ブラシレスDCモータにとって負担となるような過度な位相角での過酷運転を極力排除でき、モータ制御装置の信頼性・寿命が向上する。
また、上記位相角設定手段は、上記磁極位置選択を含む時間領域においては、位相角を0゜に設定する。これにより、誘起電圧のゼロクロス信号を的確・確実に検出できるようになるので、極めて高い制御安定性を確保でき、脱調・乱調・異常振動・異常音のない動作信頼性に極めて優れたモータ制御装置を提供できる。
(実施の形態1)
以下、添付の図面を用いて、本発明に係るモータ制御装置の実施の形態を説明する。図1に本実施の形態のモータ制御装置の制御ブロック図を示す。本実施の形態のモータ制御装置は、3相ブラシレスDCモータ7を回転数制御するモータ制御装置を示している。この図において、モータ制御装置は、直流電圧8を交流電圧に変換し、3相ブラシレスDCモータ(以下、BLMと略)7に出力する直流交流変換手段6と、BLM7の誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段1と、誘起電圧検出手段1から出力される磁極位置に基づいて電圧波形1を出力する電圧制御第1手段3と、電圧波形1をPWM信号に変換するPWM制御手段5と、磁極位置を電気角1周期に(6−n(=mと定義))個選択して磁極位置選択を出力する誘起電圧選択手段2と、磁極位置選択に基づいて電圧波形2をPWM制御手段5に出力する電圧制御第2手段4とを有し、電圧制御第2手段4は磁極位置選択の各々m個の時間領域における電圧位相よりも選択されない各々n個の時間領域の電圧位相を所定値進角させた電圧波形2を出力する。
PWM制御手段5は、BLM7を回転数制御するための印加電圧・周波数・位相を制御するPWM信号を出力する。直流交流変換手段6は、高速に開閉する6つのスイッチング素子から成り立っている。
まず、図1において誘起電圧検出手段1と電圧制御第1手段3、PWM制御手段5の役割について順次説明する。この部分は、図5の従来のモータ制御装置の制御ブロック図の働きと同様である。
図1において、誘起電圧検出手段1は、BLM7の誘起電圧を降下させ、そのゼロクロス信号を検出し、そのゼロクロス信号を磁極位置として電圧制御第1手段3に出力する。電圧制御第1手段3はその磁極位置に基づいて、BLM7を駆動させるための電圧波形を演算しそれを電圧波形1としてPWM制御手段5に出力する。電圧波形1に基づきPWM制御手段5はPWM信号を直流交流変換手段6に出力する。このように構成されたモータ制御装置では、BLM7の回転数は、直流交流変換手段6から出力される交流電圧の周波数と位相(以下、『インバータ周波数』と称す)を変化させることにより制御される。
120゜通電制御の場合、PWM制御手段5は、直流交流変換手段6のスイッチング素子を開閉する6通りのPWM信号を出力し、その6通りのPWM信号によりスイッチング素子が開閉されることにより、直流交流変換手段6から出力されるインバータ周波数が制御される。
6通りのPWM信号について説明する。6通りのPWM信号とは、直流交流変換手段6のスイッチング素子を駆動するためのパルス信号である。PWM信号は、インバータ電気角1周期において6つの基本的なパターンPTN1〜PTN6を有し、PWM信号1周期の逆数がインバータ周波数となる。
実際、BLM7の回転数を変更させるべき手法は、PWM制御手段5が直流交流変換手段6のインバータ周波数を変化させながら、BLM7を回転数制御する。
直流交流変換手段6は、6個のスイッチング素子を有し、U相、V相、W相に対して、それぞれ上アームにスイッチング素子1個、下アームにスイッチング素子1個具備している。
PTN1では、U相上アームスイッチング素子と、V相下アームスイッチング素子が通電される。
PTN2では、U相上アームスイッチング素子と、W相下アームスイッチング素子が通電される。
PTN3では、V相上アームスイッチング素子と、W相下アームスイッチング素子が通電される。
PTN4では、V相上アームスイッチング素子と、U相下アームスイッチング素子が通電される。
PTN5では、W相上アームスイッチング素子と、U相下アームスイッチング素子が通電される。
PTN6では、W相上アームスイッチング素子と、V相下アームスイッチング素子が通電される。
PWM信号の転流切換は、電圧制御第1手段3の電圧波形1出力に基づいて行われる。
誘起電圧検出手段1の詳細動作を図3の誘起電圧検出手段の動作説明図を用いて説明する。BLM7の誘起電圧ゼロクロス信号は、電気角1周期中に6回発生する。図3は1相当たりの誘起電圧ゼロクロス信号を記載している。図3(a)は相電流波形と誘起電圧波形との関係図であり、誘起電圧10と相電流9とその正ゼロクロス信号11と逆ゼロクロス信号12を示している。正ゼロクロス信号11は電気角0゜、逆ゼロクロス信号12は電気角180゜で発生するものとする。誘起電圧検出手段1が実際に観測できる誘起電圧は、直流電圧8の負側をGND電位Nとするならば、図3の誘起電圧10a・10bのようになっており、これはBLM7の線間電圧を観測していることになるが、ゼロクロス信号付近の誘起電圧を考えるものとすれば、誘起電圧10の電圧波形にPWM電圧成分が重畳された波形となる。基本的には、直流電圧8VDCの半分である(=VDC/2)と誘起電圧10a(10b)の交点、さらには直流交流変換手段6の上アーム素子と下アーム素子がそれぞれ1つずつ導通点弧している期間(図3中のTON部分)であれば正ゼロクロス信号11(逆ゼロクロス信号12)を検出できる。
誘起電圧検出手段1は、図中の正ゼロクロス信号11および逆ゼロクロス信号12を検出して、それを磁極位置として電圧制御第1手段3に出力する。そのゼロクロス信号に基づいて電圧制御第1手段3は相電流9とほぼ相似形の電圧波形1を演算し、PWM制御手段5ではその電圧波形1の情報に基づいて、各電気角に対応したPWM信号のベースPTNを創出する。電気角X1〜X2、X3〜X4は電流カット区間である。また、電圧制御第1手段3は120゜〜180゜通電波形の電圧波形1を創出できる。ただし、誘起電圧を観測するためには、その通電角を180゜未満にする必要がある。
通電角>120゜とする場合には、120゜通電制御で説明した6通りのPWM信号に加えて、3相正弦波駆動用PWM信号を追加する。基本的には、3相のうちどれか1相でも電流OFFとなる区間では、120゜通電制御用のPWM信号を使用する。3相すべてに相電流が流れている区間では、3相正弦波駆動用PWM信号を使用する。このPWM信号については、3相正弦波PWM制御としてすでに公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、電圧波形1は相電流9とほぼ相似系であるが、実際その位相差は相電流9に対して多少進んでいる。本文の説明では簡単化のため、その位相差をゼロとして説明することにする。すなわち、相電流9=電圧波形1と定義する。
図7は、BLM7の等価回路図である。R1は巻線一次抵抗、Lu・Lv・Lwは各相のインダクタンス、Eu・Ev・Ewは各相の界磁誘起電圧である。ここで、界磁誘起電圧とは、BLM7が無通電状態で回転したときに、マグネット(界磁)のみによる発生する誘起電圧を意味している。図4は3相ブラシレスDCモータの界磁誘起電圧波形関係図である。図中のU1はEuの正ゼロクロス位置を、U2は逆ゼロクロス位置を表している。同様に他相も表記しており、ゼロクロス位置の間隔は理想的には60゜毎、電気角1周期につき6回発生することになる。これらゼロクロス位置を、BLM7の真の磁極位置と命名する。
BLM7の真の磁極位置は、誘起電圧10のゼロクロス信号からは、電機子反作用の影響により直接確定することはできず、両者には位相差が生ずる。また、この位相差は、運転負荷に依存するため、真の磁極位置を誘起電圧ゼロクロス信号から特定するのは困難である。しかし、真の磁極位置は特定できなくとも、誘起電圧ゼロクロス信号のみによりBLM7を回転数制御することは十分可能であり、むしろ誘起電圧により制御するほうが好
ましい場合もある。本実施の形態では、両者の位相差はゼロであるものとして説明する。すなわち、
真の磁極位置=誘起電圧ゼロクロス位置
である。すなわち、図3(a)の誘起電圧10がU相に対応したものであるならば
ゼロクロスU1=正ゼロクロス信号11
ゼロクロスU2=逆ゼロクロス信号12
である。なお、
Eu≠誘起電圧10
である。上式は、電機子反作用の影響により両者の電圧波形振幅が異なるために発生する。
次に、誘起電圧選択手段2と電圧制御第2手段4の動作を説明する。この部分は本発明による新しい制御機構である。誘起電圧選択手段2は、誘起電圧検出手段1の出力である磁極位置を選択するものである。その選択動作としては、
電気角1周期中に、n個間引く((6−n)(=m)個選択する)
である。ここでn,mは、
n≧0 かつ m≧0 ;n+m=6
を満たす自然数である。なお、上記変数は一定値である必要はなく、1周期毎もしくは、それ以上の周期で変化させてもよい。もしくは、1周期未満の周期でも変化させてもよい。この選択した磁極位置を磁極位置選択として電圧制御第2手段4に出力する。
電圧制御第2手段4では、磁極位置選択にもとづいて電圧波形2を創出する。その電圧波形2にもとづいてPWM制御手段5はPWM信号を演算するのは電圧波形1からPWM信号を創出する方式と同等である。なお、モータ制御装置の運転状態に応じて、PWM制御手段5は電圧波形1もしくは電圧波形2を選択するようになっている。電圧波形2を図2の本実施の形態の相電流波形と誘起電圧波形との関係図を参照して説明する。
図2(a)(b)は、n=4(m=2)と設定し、かつゼロクロスU1とゼロクロスU2を選択した場合である。なお、ゼロクロスV1とゼロクロスV2、ゼロクロスW1とゼロクロスW2の組合せでもよい。正ゼロクロス信号11と逆ゼロクロス信号12は180゜毎に磁極位置選択として入力されるので、これに基づいて電圧波形2を相電流9aのようにつくることができる。正ゼロクロス信号11・逆ゼロクロス信号12の検出のために、X1〜X2、X3〜X4の区間は電流をゼロにしている。ここで、
−30゜≦X1≦0゜
0゜≦X2≦30゜
150゜≦X3≦180゜
180゜≦X4≦210゜
330゜≦X5≦360゜
を満たす実数である。
図2(b)は図2(a)に対して、X3およびX5を小さく設定(進角設定)した場合の電流波形である。相電流9bは見かけ上、誘起電圧10に対して進角することになり、BLM7の回転数を向上できる。なお、上記nおよびmの設定は一例であり、モータ制御装置の運転状態により電気角2周期以上にわたり、
n=6(m=0)
でもよい。また、突発的偶発的外乱もしくは必然的外乱作用によりBLM7の回転速度が急変した場合でも、n(もしくはm)をリアルタイムに制御(電気角1周期以内にnを数回変化)すれば、モータ制御装置の制御安定性・応答性を十分に確保しつつnを大きくとることができるため、電圧制御第2手段4出力である電圧波形2の波形自由度を向上できるため、任意の相電流波形をBLM7に供給できる。
次に、位相角設定手段14の動作を図8を使用して説明する。位相角設定手段14は、電気角60゜×整数倍毎に同等もしくは異なる位相角を個別に持ち、その位相角を各電気角毎に電圧制御第2手段4に出力する。また、位相角設定手段14は、それら位相角の最大値および最小値を規定し、さらには電気角60゜×整数倍毎に、各々異なる最大値および最小値を設定することもできる。位相角設定手段14は、誘起電圧検出手段1の誘起電圧ゼロクロス信号に基づいて、誘起電圧ゼロクロス信号に対応する各電気毎の位相角を電圧制御第2手段4に出力する。また、誘起電圧選択手段2の磁極位置選択出力に基づいて、その磁極位置選択に対応した電気角領域・時間領域の場合には、位相角設定手段14は位相角を0゜にし、その位相角値を電圧制御第2手段4に出力する。これらのイメージ図を図8に示す。図8は、位相角設定手段14の動作を示したものであり、誘起電圧検出手段1から出力されるゼロクロス信号に対応した各電気角毎に、位相角設定手段14において設定される位相角を表す。位相角値を増やせばブラシレスDCモータ7の電機子電流は誘起電圧に対して進み位相となり、この状態を電流進角と定義する(単に進角ともいう)。各電気角に対応した位相角15は、誘起電圧選択手段2において、
n=5,m=1
とし、位相角設定手段14における位相角設定個数をn0とすれば、
n0=6
としたものである。各ゼロクロス信号に対応した電気角毎に区間分割し、その回転分割区間i(本図では0≦i≦5を満たす自然数)毎の位相角15φiを定義する。図に示すように、φiはU相電流16、V相電流17、W相電流18の位相角を決定するものである。ここでいう位相角は、誘起電圧ゼロクロス信号に対しての位相角を表すことになる。本図では、誘起電圧選択手段2の設定を
電気角360゜*自然数
毎に、誘起電圧ゼロクロス信号を選択する設定である。この設定の場合には、
電気角360゜*自然数
に相当する電気角の場合には、位相角を0゜にする。すなわち、
φ0=φ6=0゜
である。
位相角15は、その位相角を電気角に対してステップ状に配置したものである。とくに、電気角60゜〜180゜区間(120゜分)の位相角を他の電気角区間に比べ、より進角側に設定している。電気角0゜〜60゜区間の位置検出と進角不足とにより、電気角0゜〜180゜区間のBLM7の電機子電流が他の区間より小さくなる。この電流値をできるかぎり大きくするためには、電気角60゜〜180゜区間の電流進角値を増加させることが効果的である。これにより、BLM7の電機子電流を最適に補償することができるので、電流波形歪みやアンバランス成分を極力小さく抑えることができ、低振動化・低騒音化を達成できることとなる。
また、位相角15aは、その位相角を電気角に対して単調減少関数状に配置したものである。このようにすれば、位相角変化を応用することによりトルク脈動成分が分散され、低振動化・低騒音化・低入力化を達成できることとなる。
なお、位相角15bのように設定してもよく、モータ制御装置の適用用途に応じて位相角15〜15bを実機評価し、最適な位相角を選択すれば良い。
上記説明では、誘起電圧選択手段2の磁極位置選択として1相分のゼロクロス信号(U1)に基づく記述であるが、もちろん2相〜3相にわたりどのゼロクロス信号を選択してもよく、全相においてそのゼロクロス信号を適宜選択・非選択可能である。
PWM制御手段5をBLM7の低速〜中速回転時には電圧波形1を選択し、高速回転時には電圧波形2を選択するようにすれば、低中速時には磁極位置をすべて利用するので安定性が向上し、また駆動効率のよい120゜通電制御〜150゜通電制御を活用できる。高速域では、正弦波電流や台形波・円弧状電流による進角制御を利用できるので高速性能が向上する。
誘起電圧選択手段2において、BLM7の電気角周期に換算して電気角(磁石極数/2)周期毎に磁極位置を1回選択した磁極位置選択を出力するようにしても良い。これにより、モータ1回転当たりにつき1回誘起電圧ゼロクロス信号を検出することになるので、1回転毎に周期的・規則的な速度変動のある負荷(たとえばロータリコンプレッサ)を駆動した場合でも、定速・定常運転領域においては誘起電圧ゼロクロス信号を検出する瞬間のモータ回転速度はほぼ一定値をとるようになる。この場合、モータ制御装置は速度変動影響をほとんど受けず非常に安定した速度制御系を構築できるようになる。
以上、本実施の形態は3相ブラシレスDCモータを例にあげて説明したが単相ブラシレスDCモータへの適用についてもその考え方は同一であり、また本発明の主旨・概念・請求範囲を逸脱しない範囲内において適宜、実施の形態の変更・追加・削除はもちろん可能である。
本発明にかかるモータ制御装置は、ブラシレスDCモータにおいて音・振動発生の少ない高速運転が可能となるので、インバータエアコン・汎用インバータ装置等の用途に適用できる。
本発明の実施の形態のモータ制御装置の制御ブロック図 本発明の実施の形態の相電流波形と誘起電圧波形との関係図 誘起電圧検出手段の動作説明図 3相ブラシレスDCモータの界磁誘起電圧波形関係図 従来のモータ制御装置の制御ブロック図 従来の相電流波形と誘起電圧波形との関係図 3相ブラシレスDCモータの等価回路図 位相角設定手段の動作説明図
符号の説明
1 誘起電圧検出手段
2 誘起電圧選択手段
3 電圧制御第1手段
4 電圧制御第2手段
5 PWM制御手段
6 直流交流変換手段
7 ブラシレスDCモータ(BLM)
8 直流電圧
9 相電流
10 誘起電圧
11 正ゼロクロス信号
12 逆ゼロクロス信号
14 位相角設定手段
15 位相角
16 U相電流
17 V相電流
18 W相電流
20 相電流
21 相電流
22 相電流
23 相電流

Claims (6)

  1. スイッチング素子を複数個含み該スイッチング素子の開閉により直流電圧をPWM信号に基づき交流電圧に変換し3相ブラシレスDCモータに供給する直流交流変換手段と、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段と、該誘起電圧検出手段から電気角1周期に6個出力される磁極位置に基づいて電圧波形1を出力する電圧制御第1手段と、該電圧波形1を前記PWM信号に変換するPWM制御手段とを有するモータ制御装置において、所定周波数領域内で動作し前記磁極位置を電気角1周期に(6−n(=m≧0と定義))個選択して磁極位置選択を出力する誘起電圧選択手段と、該磁極位置選択に基づいて電圧波形2を前記PWM制御手段に出力する電圧制御第2手段とを有し、該電圧制御第2手段は選択されない各々n個の時間領域では所定の電圧波形2を出力し、前記所定周波数領域内の真偽判定により前記電圧制御第1手段もしくは前記電圧制御第2手段のどちらか一方を動作させ、前記磁極位置と前記磁極位置選択とに基づいて前記交流電圧の位相角を制御し、所定電気角区間において該位相角をさらに進角させる位相角設定手段とを有することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 所定電気角区間は、磁極位置選択区間直後の磁極位置選択区間を含まない電気角120゜区間であることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 位相角設定手段は、電気角60゜毎に同値もしくは異なった値に設定することを特徴とする請求項1〜2記載のモータ制御装置。
  4. 位相角設定手段は、電気角の増加に対する進角値を単調減少関数となるように設定することを特徴とする請求項1〜3記載のモータ制御装置。
  5. 位相角設定手段は、位相角について電気角60゜毎にそれぞれ個別に進角最大値を設定することを特徴とする請求項1〜4記載のモータ制御装置。
  6. 位相角設定手段は、磁極位置選択を含む時間領域においては、位相角を0゜に設定することを特徴とする請求項1〜5記載のモータ制御装置。
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