JP2005130032A - スピーカ装置 - Google Patents

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剛 井藤
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Abstract

【課題】 共振周波数を可変して所望の共振周波数を設定できるスピーカ装置を提供する。
【解決手段】 スピーカ2と、スピーカ2を取り付ける音響容積部4と、音響容積部4に取り付けられる音響管5を備えるスピーカ装置1において、音響管5の放音側開口部に共振周波数変更用の音響管長可変装置6を備えることにより、音響管の長さを変更して共振周波数を変更できるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明はスピーカ装置に関し、特に低音再生を担うスピーカ装置に関する。
低音あるいは重低音の帯域を再生するスピーカ装置として、例えばサブウーハ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなスピーカ装置は音響管を備えており、スピーカ装置の共振周波数はこの音響管の長さによって決定される。
特開平9−275595号公報
しかし、音響管の長さが固定されているため、共振周波数が固定される。このため、再生される低音域周波数が固定され、所望の再生周波数を変更することができない。本発明の課題は、共振周波数を可変して所望の共振周波数を設定できるスピーカ装置を提供することが一例として挙げられる。
請求項1に記載のスピーカ装置は、スピーカと、スピーカを取り付ける音響容積部と、前記音響容積部に取り付けられる音響管を備えるスピーカ装置において、音響管の放音側開口部に音響管の長さを変更するための共振周波数変更用の音響管長可変装置を備えたことを特徴とする。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に本件発明の第1実施形態に関するスピーカ装置の構成を示す。
図示のように、スピーカ装置1は、駆動スピーカ2(スピーカ)と、駆動スピーカ2を取り付ける筐体3により定まる音響容積部4と、音響容積部4に取り付けられる音響管(第1音響管)5と、音響管5の放音側開口部に取り付けられる第2音響管(音響管長可変装置)6を備える。音響容積部4、音響管(第1音響管)5および第2音響管6によりヘルムホルツの共鳴器を構成する。
図1において、第2音響管6を取り付けずに音響容積部4と音響管5によるスピーカ装置1のヘルムホルツの共振周波数foは、音響容積部4の音響容積をB、音響管5の断面積をS、音響管5の長さをL1、音速をCとすると、式(1)により設定される。
fo=(C/2π)×√S/L1・B (1)
また、音響管5に第2音響管6を接続した、スピーカ装置1のヘルムホルツの共振周波数fooは、第2音響管6の断面積を音響管5と同じとし、その長さをL2とした場合、式(2)により設定される。
foo=(C/2π)×√S/(L1+L2)・B (2)
従って、所定長あるいは所定断面積の第2音響管6を取り付けることにより、スピーカ装置1の共振周波数を所望の値に設定できる。
次に、音響管5と第2音響管6の取り付け例について、図2、図3により具体例を説明する。
図2において、音響管5の放音側開口部に鍔7を設け、第2音響管6の放音側開口部と反対側の開口部にも同形状の鍔8を設ける。鍔7、8にはネジ孔が形成される。第2音響管6の長さは所望の長さに設定し、断面積は音響管5と同一にする。そして、鍔7、8をネジ孔を介してネジ止めすることにより両音響管5、6が固定される。音響管5と第2音響管6は同じ材料を用いるのが好ましい。
図3において、第2音響管6は、その外径が音響管5の内径より若干小さく設定され、音響管5に対して収納可能で且つ引き出し可能となっている。そして、第2音響管6と音響管5との接触面は、両音響管5、6が所定の位置で係止できるように、所定の摩擦係数を有する面で構成される。あるいは両音響管5、6に微小の凹凸面が形成されている。なお、第2音響管6の材料は、極力、音響管5の断面積と等しくなるように、管の厚みを薄くするために、剛性の高い金属あるいは硬質の合成樹脂により構成するのが望ましい。
以上のように、第2音響管6を設けることにより低域再生帯域の周波数を対象として、リスナーの所望するさらに低い周波数を可変選択することができる。
(第2実施形態)
図4、図5は本発明にかかるスピーカ装置の他の実施形態と、これを自動車のドライバーシート又は助手席シート(車両の座席)に設けた実施形態を示す。
図4において、円筒9内の両端部には一対のスピーカ2a、2bが取り付けられる。この両端部にはスピーカ2a、2bの振動板の径に応じた開口部10a、10bが形成されている。開口部10a、10bの直径は円筒9の直径の例えば約1/2に設定する。円筒9の中央には両スピーカ2a、2bの相互干渉を防止するため密閉円板11を設ける。円筒9の両側にはそれぞれ外円筒12a,12bが装着される。外円筒12a,12bの内径は円筒24の外径と略等しく、円筒9を外円筒12a,12bに挿入し、円筒9の外周面に設けられた突起13a、13bにより係止する。外円筒12a,12bの両先端面部にはそれぞれ音響管5a、5bが接続される。円筒9と外円筒12a,12bで形成される音響空間が音響容積部となる。また、このスピーカ装置は左右対称であり、スピーカ2a、2b、外円筒12a、12b、音響管5a、5bは全くそれぞれ同一の形状と特性を有する。
ここで使用されるスピーカ2a、2bは振動板の有効振動面が小さくなるので、振幅幅が大きくとれるダブルダンパー、エッジレス(但し、エッジ部分は振動板の前面と背面をシールドする柔軟性の高いシールド材料が用いられる)の構成とすることにより音圧レベルを上げるようにする。
図5において、シート14は座席15、背もたれ部16、ヘッドレスト17により構成される。この背もたれ部16の内部に図4に示すスピーカ装置の円筒9、外円筒12a,12bを収納する。これらは背もたれ部16の下部(座席15側)に配置している。図6に示すように、両音響管5a、5bは背もたれ部16の内部を通り、ヘッドレスト17左右両側に近接する箇所から露出する。両音響管5a、5bは背もたれ部16の内部において、まず外円筒12a,12bから水平方向に導出した後、湾曲して上側(ヘッドレスト17側)に延び、さらに水平方向に湾曲した後、再び上側に延びてその両開口部が背もたれ部16の上面から露出する。この露出した音響管5a、5bの先端開口部に第2音響管6a、6bを取り付ける。
図6に第2音響管6a、6bを取り付けた構造の実施形態を示す。
この取り付け例は、図2のように音響管5a、5bに鍔部7a、7bを設け、第2音響管6a、6bに鍔部8a、8bを設ける。そして、鍔部7a、7bと8a、8bを例えばネジ等により固定する。この結果、音響管の長さは音響管5a、5bの長さと第2音響管6a、6bの長さを合わせたものになり、へルムホルツの共振周波数は第2音響管6a、6bを取り付けないものに比して更に低くなる。
スピーカ2a、2bにはそれぞれ左右ステレオ信号L、Rを印加してもよいし、和信号L+Rを印加してもよい。スピーカ2a、2bに信号が印加されると、
振動板が駆動して、円筒9と外円筒12a、12bで定まる音響容積部の容積と音響管5a、5bと第2音響管6a、6bの断面積と長さで決まる共振周波数を含む低音域が、ヘッドレスト17の左右近接部分に設けられた第2音響管6a、6bの開口端より放音される。
なお、図6において、第2音響管6a、6bを音響管5a、5bの内部に摺動可能に装着して所望の共振周波数の位置で係止するようにしてもよい。また、第2音響管6a、6b自体を蛇腹構成などの長さが可変できるような構成として共振周波数を可変できるようにしてもよい。また、本実施形態はスピーカ装置を車両の前部座席に収納した例を説明したが、後部座席にも適用できる。
(第3実施形態)
図7は本発明の他の実施形態にかかるスピーカ装置を示す。
スピーカ2は筐体18の下方中央部に収納される。筐体18内にはスピーカ2の放音側部分を仕切るように一対の仕切板19a、19bが形成され、その両端部が所定間隔で対向している。さらに仕切板19a、19bの左右外側に仕切板20a、20bが形成されて前記所定間隔による開口部から音響的に連続した左右一対の音響路が形成される。筐体18には左右一対の音響管5a、5bが形成される。この音響管5a、5bは前記音響路と音響的に連続している。音響管5a、5bの放音側開口部にはそれぞれ第2音響管6a、6bが取り付けられている。
仕切板19a、19bに形成された空間が音響容積部を構成し、仕切板20a、20bにより形成された音響路と音響管5a、5bおよび第2音響管6a、6bにより音響容積部に取り付けられた左右一対の音響管を構成する。この左右一対の音響管は互いに同じ断面積、長さとなるように構成される。
スピーカ2に信号が印加されると、振動板が駆動し、その振動波は仕切板19a、19bによる音響容積部から所定間隔による開口部を介して、仕切板20a、20bによる一対の音響路から音響管5a、5bおよび第2音響管6a、6bを通して外部に放音される。
その際、音響容積部と左右一対の音響管によりそれぞれヘルムホルツの共振が発生する。この共振周波数は両者同じであり、第2音響管6a、6bによりヘルムホルツの共振周波数は低くなり、低音域を強調する構成となる。このスピーカ装置を例えば図5に示す車両のシートに装着する場合には、第2音響管6a、6bが背もたれ部16から突出するようにする。第2音響管6a、6bは長さが可変となるようにしてもよい。
以上のように、スピーカ1個で2つのヘルムホルツ共振器を構成できる。また
筐体内に音響路を設けることにより音響管の外部に突出する部分を短くすること
が可能となり、スピーカ装置を全体的にコンパクトにできる。
なお、第2音響管6、6a、6bを別途設けずに、音響管5、5a、5bの放音側端部を蛇腹構造などの伸縮自在の構成とすることにより音響管の長さを変更して共振周波数を変更するようにしてもよい。
また、本発明にかかるスピーカ装置はリスニングルームに設置したり、車両のシートに限らず椅子やソファに取り付けるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態にかかるスピーカ装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態にかかるスピーカ装置の音響管の構成を示す図である。 本発明の実施形態にかかるスピーカ装置の音響管の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかるスピーカ装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態にかかるスピーカ装置の取り付け例を示す図である。 本発明の実施形態にかかるスピーカ装置の音響管の構成を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかるスピーカ装置の構成を示す図である。
符号の説明
2、2a、2b スピーカ
4 音響容積部
5、5a、5b 音響管
6、6a、6b 第2音響管
14 車両のシート

Claims (6)

  1. スピーカと、前記スピーカを取り付ける音響容積部と、前記音響容積部に取り付けられる音響管を備えるスピーカ装置において、
    前記音響管の放音側開口部に音響管の長さを変更するための共振周波数変更用の音響管長可変装置を備えたことを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記音響管は長さ固定の第1音響管を備え、前記音響管長可変装置は第1音響管の放音側開口部に取り付けられた第2音響管を備えることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記音響管長可変装置は音響管長を連続的に可変することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  4. 前記第2音響管は音響管長を連続的に可変すことを特徴とする請求項2に記載のスピーカ装置。
  5. 前記スピーカは筐体内に収納され、前記筐体に前記音響容積部と、該音響容積部と音響的に連続した一対の音響路が形成され、前記一対の音響路に音響的に連続した一対の前記音響管が取り付けられることを特徴とする1乃至4のいずれか1項に記載のスピーカ装置。
  6. 前記スピーカ装置を車両の座席内部に設けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスピーカ装置。

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