JP2005128069A - 反射体及び液晶表示装置並びに反射体の製造方法 - Google Patents

反射体及び液晶表示装置並びに反射体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 バックライト光の透過量を増加させるとともに、所定の反射特性を得ることができ、更に液晶表示装置に容易に組み込むことが可能な反射体を提供する。
【解決手段】 一面に複数の凹部が設けられた透明反射基材と、透明反射基材の一面側に成膜された反射膜32とから構成され、凹部が、内面全面に反射膜32が成膜された反射性凹部31Aと、内面全面に反射膜32が成膜されない透過性凹部31Aとから構成され、透明性凹部31Aが一面上に分散して配置されていることを特徴とする反射体を採用する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、反射体及び液晶表示装置並びに反射体の製造方法に関するものである。
携帯電話や携帯用ゲーム機などの携帯電子機器には、そのバッテリ駆動時間が使い勝手に大きく影響するために、消費電力を抑えることができる反射型液晶表示装置が備えられている。反射型液晶表示装置には、例えば、その前面から入射する外光を全反射させる反射体や、その前面から入射する外光を反射するとともに後方からのバックライト光を透過させる反射体などが備えられており、これらの反射体を装着する形態としては、液晶パネルを構成する2枚の基板の間に反射体を内蔵させたものや、透過型の液晶パネルの背面側に反射体を配設させたものなどが知られている。
例えば、下記特許文献1に記載の反射型液晶表示装置では、液晶層を透過した光を反射させるための反射体として、表面に複数の凹部が設けられた反射体を用いている。
下記特許文献1に記載の反射体は、複数の凹部の全面に金属反射膜が形成されたものである。従ってこの反射体を半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、金属反射膜に開口部を設ける必要がある。図9及び図10に開口部を設けた反射体の一例を示す。
図10は、反射体を液晶表示装置の表示面側からみた平面模式図であって、反射体の一画素分の画素領域を示す拡大図であり、図11は、図10のX-X線に対応する断面模式図である。
図10及び図11に示すように、この従来の反射体は、複数の凹部131Aが設けられた透明反射基材131に、金属からなる反射膜132が積層されて構成されている。反射膜132には略矩形の開口部132Aが設けられ、この開口部132Aから透明反射基材131が露出している。
また、図10に示すように、通常の液晶表示装置においては、一つの画素領域130に対して開口部132Aが一つ設けられる関係になっている。この画素領域130において、開口部132Aが形成された領域はバックライト光が透過する透過領域となっており、それ以外の反射膜132が形成された領域は、外光が反射される反射領域になっている。
特開平11−52110号公報
しかしながら、従来の反射体において、透過領域(開口部132A)の面積を広げてバックライト光の透過量を増大させるように設計した場合には、一画素領域130における反射領域の面積が相対的に狭くなり、反射領域における凹部131Aの個数が減少することになる。
従来の反射体は、ある程度の数の凹部131Aが纏まって存在することによってはじめて、所定の反射特性が得られるという特性があり、上記のように反射領域における凹部131Aの個数が減少すると、反射モードにおいて所定の反射特性が得られないという問題があった。
また、反射体を液晶表示装置に組み込む際には、画素領域の位置と開口部の位置を精密に合わせながら組み込む必要があり、液晶表示装置の製造工程が煩雑になるという問題もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、バックライト光の透過量を増加させるとともに、所定の反射特性を得ることができ、更に液晶表示装置に容易に組み込むことが可能な反射体を提供することを目的とする。また、このような反射体の製造方法並びに反射体を備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の反射体は、一面に複数の凹部が設けられた透明反射基材と、該透明反射基材の一面側に成膜された反射膜とから構成され、前記凹部が、内面全面に前記反射膜が成膜された反射性凹部と、内面全面に反射膜が成膜されない透過性凹部とから構成され、前記透明性凹部が前記一面上に分散して配置されていることを特徴とする。
このような構成によって、反射性凹部は、外光を反射する反射領域となり、透過性凹部はバックライト光を透過する透過領域となる。従って上記の反射体によれば、透過領域である透過性凹部が分散して配置されているため、透過領域が細かく分割されて均等に配置されることになり、透過性凹部の数を増やしたとしても反射領域の特性が大きく劣化することがなく、バックライト光の透過量を増加させつつ、所定の反射特性を得ることができる。
また、本発明の反射体においては、一面上における透過性凹部の占める面積比が25%以上80%以下の範囲であることが好ましい。
次に本発明の液晶表示装置は、一対の基板と該一対の基板の間に配置された液晶層とが備えられてなる液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルを照明するバックライトとから構成され、前記液晶表示パネルに、先のいずれかに記載の反射体が備えられていることを特徴とする。
かかる液晶表示装置によれば、反射体の透過領域である透過性凹部が分散して配置され、透過領域が細かく分割されて均等に配置されることになるので、従来のように画素領域の位置と反射体の開口部の位置を厳密に合わせる必要がなく、反射体の位置ズレによる透過特性または反射特性の劣化を防止することができる。
また、上記の反射体を備えているので、バックライト光の透過量を増加させつつ、所定の反射特性を得ることができ、明るい表示の液晶表示装置を構成することができる。
次に本発明の反射体の製造方法は、一面に複数の凹部が設けられた透明反射基材と、該透明反射基材の一面側に成膜された反射膜とから構成される反射体を製造するに際し、前記複数の凹部のうちの一部の凹部に蒸着防止オイルを塗布し、他の凹部に反射膜材料を減圧雰囲気下で蒸着することにより、内面全面に反射膜が成膜された反射性凹部と、内面全面に反射膜が成膜されない透過性凹部とを形成することを特徴とする。
かかる反射体の製造方法によれば、蒸着防止オイルを塗布しない他の凹部に反射膜材料を蒸着して反射膜を形成するので、蒸着防止オイルがマスク層として機能し、反射膜が成膜されない透過性凹部を容易に形成することができる。
また本発明の反射体の製造方法は、先に記載の反射体の製造方法であり、前記蒸着防止オイルを分散して塗布することを特徴とする。すなわち、蒸着防止オイルを塗布された凹部が、透明反射基材上に分散して配置されることが必要である。具体的には、蒸着防止オイルを、凹版印刷方法や、インクジェット法等により、分散して塗布することが好ましい。
かかる反射体の製造方法によれば、蒸着防止オイルの塗布位置を容易に設定でき、所定の位置に塗布することができる。また、蒸着防止オイルを塗布された凹部が、透明反射基材上に分散して配置されることにより、透明性凹部が分散して配置されることになる。これにより、透過領域が細かく分割されて均等に配置されることになるので、高い透過光量と所定の反射特性とを有する反射体を容易に製造することができる。
また本発明の反射体の製造方法は、先に記載の反射体の製造方法であり、前記蒸着防止オイルとして、下記式(I)〜(III)で示される繰り返し単位を有するものの夫々単独、またはこれらの中の2種以上の混合物であるパーフロロアルキルポリエーテルを用いることを特徴とする。
式(I):−(−C36O−)n
式(II):−(−C36O−)n−(−CF2O−)m
式(III):−(−C24O−)n−(−CF2O−)m
ただし、上記のn、mは、パーフロロアルキルポリエーテル全体として1000〜15000の平均分子量を与える平均繰り返し単位数を示す。
かかる反射体の製造方法によれば、パーフロロアルキルポリエーテルをマスクとして用いることにより、反射膜材料の蒸着に際し、透過性凹部に対する反射膜の付着がなく、かつ反射性凹部の全面に反射膜を形成することができる。
すなわち、本発明で用いるパーフロロアルキルポリエーテルは、従来のマスキング油に比べてかなり高い平均分子量(1000〜15000)を有し、また表面張力が約20dyne/cm以下という極めて小さな表面張力を有し、且つ離型性にも優れる。従って、パーフロロアルキルポリエーテルが減圧雰囲気下で蒸発するにせよ、また油膜として残留している状態においても、その大きな分子が、反射膜材料の付着に対するマスキング効果を発揮し、かつその高度な化学的不活性および優れた離型性が蒸着核の形成防止にも寄与する。また、表面張力が極めて小さいため、パーフロロアルキルポリエーテル自体の蒸発あるいは反射膜材料との衝突により、残油量が減少しても、凝集による塗布形状の縮小は防止される。このような要因により、パーフロロアルキルポリエーテルは優れた蒸着物付着防止効果ならびに縁部の鮮明な反射膜の形成効果を有するものとなる。
尚、蒸着防止オイルの塗布方法としては、凹版印刷法またはインクジェット法を用いればよい。
更に本発明の反射体の製造方法は、一面に複数の凹部が設けられた透明反射基材と、該透明反射基材の一面側に成膜された反射膜とから構成される反射体を製造するに際し、前記透明反射基材の全面に反射膜を成膜し、複数の凹部のうち一部の凹部上にレジストを形成し、レジストに覆われていない凹部上の反射膜をエッチングにより除去することにより、内面全面に反射膜が成膜された反射性凹部と、内面全面に反射膜が成膜されない透過性凹部とを形成することを特徴とする。
かかる反射体の製造方法によれば、レジストに覆われていない凹部上の反射膜をエッチングにより除去することにより、透過性凹部と反射性凹部を同時に形成するので、レジストがマスク層として機能し、反射膜が成膜されない透過性凹部を容易に形成することができる。
本発明の反射体においては、反射性凹部が外光を反射する反射領域となり、透過性凹部がバックライト光を透過する透過領域となる。従って上記の反射体によれば、透過領域である透過性凹部が分散して配置されているため、透過領域が細かく分割されて均等に配置されることになり、透過性凹部の数を増やしたとしても反射領域の特性が大きく劣化することがなく、バックライト光の透過量を増加させつつ、所定の反射特性を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。また、各図において各構成部材の縮尺は図示し易いように適宜変更して記載してある。
図1は、本実施形態の半透過型の液晶表示装置の断面構成図であり、図2は液晶表示装置の要部を示す拡大断面模式図である。尚、本実施形態の液晶表示装置は、いわゆるパッシブマトリックス型と呼ばれるものである。
図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置Aは、液晶表示パネル20と、この液晶表示パネル20の背面側に配置されて液晶表示パネル20を裏面側から照明するためのバックライト10とから概略構成されている。
液晶表示パネル20は半透過型のものであり、液晶層23を挟持して対向するガラスなどからなる透明の第1の基板21と、透明の第2の基板22をシール材24で接合一体化して概略構成されている。第1の基板21および第2の基板22の液晶層23側には、表示回路26,27がそれぞれ形成されている。
バックライト10は透明な導光板12と光源装置13とから概略構成されている。バックライト10において、光源装置(光源)13は、導光板12に光を導入する側の端面12a側に配設されている。
導光板12は、上記液晶表示パネル20の背面側(基板22の外側)に配置されて光源装置13から入射された光を液晶表示パネル20に照射するものであり、平板状の透明なアクリル樹脂板などから構成されている。図1に示すように導光板12の一側の端面12a(以下、入射面12aということもある)に光源装置13が配設され、光源装置13から出射される光が入射面12aを介して導光板12の内部に導入されるようになっている。
導光板12を構成する材料としてはアクリル系樹脂のほか、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂などの透明な樹脂材料や、ガラスなどを用いることができる。
また、図2に示すように、第2の基板22の液晶層23側に表示回路27が形成されている。表示回路27は、第2の基板22に積層された反射体30と、カラー表示を行うためのカラーフィルタ33R、33G、33Bと、反射体30を被覆して保護するとともに透明有機膜31やカラーフィルタ33R、33G、33Bによる凹凸を平坦化するためのオーバーコート膜34と、液晶層23を駆動するためのストライプ電極35と、液晶層23を構成する液晶分子の配向を制御するための配向膜36とが順次積層されて形成されている。尚、反射体30は、透明反射基材31と、反射膜32とが積層されて構成されている。
一方、第1の基板21の液晶層23側には、表示回路26が形成されている。表示回路26は、第1の基板21側から順に、ストライプ電極35、オーバーコート膜34、配向膜36が積層されて形成されている。
更に、第2の基板22の液晶層23側と反対側(第2の基板22の外面側)には偏光板38が設けられており、第1の基板21の液晶層23側と反対側(第1の基板21の外面側)には位相差板47と偏光板48がこの順で積層されている。
そして、第2の基板22の偏光板38の外側に、半透過液晶表示装置Aにおいて透過表示を行うための光源としての導光板12が配設されている。
第1,第2の基板21、22に各々設けられたストライプ電極35、35は、ITO(Indium tin oxide)などの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを多数整列形成したもので、外部の駆動回路(図示せず)に個々に接続されて液晶層23を構成する液晶分子を駆動するためのものである。各ストライプ電極35,35は互いに平面視直角に向くように配置されて上記の液晶表示装置Aがパッシブマトリクス型とされている。各ストライプ電極35,35が交差する部分が画素領域とされている。
次に、本実施形態の反射体30について詳細に説明する。
図3には、反射体30と、ストライプ電極35,35の交差部分からなる画素領域33との位置関係を示している。図3に示すように、反射体30に対して、画素領域33がマトリックス状に配置されている。
次に、図4に反射体の要部の斜視図を示し、図5には一つの画素領域33に対応する反射体の拡大平面図を示し、図6には図5のY-Y線に対応する断面図を示す。
図4に示すように、本実施形態の反射体30は、一面31Bに複数の凹部31Aが形成された透明反射基材31と、透明反射基材31の一面側に成膜された反射膜32とから構成されている。
透明反射基材31はその上に形成される反射膜32に凹凸形状を与えて反射光を効率よく散乱させるために設けられているものである。反射膜32に凹凸形状を与えることにより、液晶表示装置Aに入射する光を効率よく反射することができるため、反射モードにおける明るい表示を実現することができる。
すなわち図4に示すように、透明反射基材31の表面には、その内面が球面の一部をなす多数の凹部31Aが左右上下に重なり合うようにして連続して形成されており、各凹部31Aに反射膜32が成膜されている。透明反射基材31は、例えば、アクリル樹脂等から構成されている。
反射膜32は、Al、Ag等の金属光沢を有する金属薄膜からなるものであり、厚みが0.08〜0.4μmの範囲とされている。反射膜32には、所々に開口部32Aが設けられている。この開口部32Aが設けられた部分からは、下地である透明反射基材31が露出するようになっている。
また、図4、図5及び図6に示すように、凹部31Aは、その内面全面に反射膜32Aが成膜されている反射性凹部31Aと、内面全面に反射膜32Aが成膜されていない透過性凹部31Aとから構成されている。反射膜32には開口部32Aが設けられており、この開口部32Aが一の凹部31Aと重なることで、反射膜32が成膜されない透明性凹部31Aが構成され、それ以外の凹部31Aが反射性凹部31Aとなる。
また、透明性凹部31Aは、透明反射基材31の一面31B上に規則的あるいは不規則的に分散して配置されている。
反射性凹部31Aは、その内面の全面に反射膜32が成膜されているため、第1の基板21側から入射した外光を反射する反射領域となる。一方、透過性凹部31Aは、その内面に反射膜32が成膜されていないため、透明反射基材31を透過してきたバックライト光を透過させる透過領域となる。
本実施形態の反射体30においては、透過領域である透過性凹部31Aが分散して配置されているため、一つの画素領域Zに対して透過領域が細かく分割されて均等に配置されることになる。
こうすることで、一つの画素領域33あたりの透過性凹部31Aの数を増やしたとしても、反射領域の特性が大きく劣化することがなく、バックライト光の透過量を増加させつつ、所定の反射特性を得ることができる。
また、一面31Bにおける透過性凹部31Aの占める面積比は、25%以上80%以下の範囲であることが好ましい。面積比が小さいほど透過領域の面積が小さくなることを意味するが、面積比が25%未満だと、バックライト光の透過量が減少し、バックライト点灯時における液晶表示装置Aの表示が暗くなってしまうので好ましくない。また、面積比が80%を越えると、透過領域の面積が増える分、反射領域の面積が減少し、これにより反射性凹部31Aの数が減少し、所定の反射特性が得られなくなるので好ましくない。
尚、本実施形態においては、内面の一部に反射膜が成膜された凹部は、反射性凹部31A、透過性凹部31Aのいずれにも該当しない。また、図4に示すように、反射体30の各凹部31Aの間には、平坦部31Cが存在するが、この平坦部には反射膜32が成膜されていてもよく、成膜されていなくても良い。
更に、凹部31Aの形状について説明すると、上記凹部31Aの深さを0.1μm〜3μmの範囲でランダムに形成し、隣接する凹部31Aのピッチを5μm〜50μmの範囲でランダムに配置し、上記凹部31A内面の傾斜角を−30度〜+30度の範囲に設定することが望ましい。
特に、凹部31A内面の傾斜角分布を−30度〜+30度の範囲に設定する点、隣接する凹部31Aのピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部31Aのピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部31A内面の傾斜角分布が−30度〜30度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい表示が得られない(反射光の拡散角が空気中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、全反射ロスが大きくなる)からである。
また、凹部31Aの深さが3μmを超えると、後工程で凹部31Aを平坦化する場合に凸部の頂上が平坦化膜(オーバーコート膜34)で埋めきれず、所望の平坦性が得られなくなり、表示むらの原因となる。
隣接する凹部31Aのピッチが5μm未満の場合、透明反射基材31を形成するために用いる転写型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、前記転写型の製作に使用しうる30μm〜100μm径のダイヤモンド圧子を用いる場合、隣接する凹部31Aのピッチを5μm〜50μmとすることが望ましい。
次に、本実施形態の反射体の製造方法の一例について説明する。図7には、本実施形態の反射体の製造方法の工程図を示す。
まず、図7Aに示すように、透明反射基材31を用意する。この透明反射基材31の一面31Bには、複数の凹部31Aが相互に接するように形成されている。
次に、図7Bに示すように、透明反射基材31に形成された複数の凹部31A…のうち、一部の凹部31A…に蒸着防止オイル70を塗布する。蒸着防止オイル70は、凹部31A毎に分散して規則的若しくは不規則的に塗布することが好ましい。また、蒸着防止オイル70は、一つの凹部31Aの領域にのみ塗布し、隣接する他の凹部31Aには塗布されないようにすることが望ましい。本実施形態において蒸着防止オイル70を塗布する手段としては、凹版印刷法や、いわゆるインクジェット法などを利用することができる。
こうすることで、透明反射基材31には、蒸着防止オイルの塗布部分70aと、未塗布部分70bが所定の位置にそれぞれ形成される。
次に、図7Cに示すように、蒸着防止オイルの未塗布部分70bに対して反射膜材料を減圧雰囲気下で蒸着することにより、反射膜32を成膜する。反射膜材料としては、Alの他にAg等の金属が好ましく用いられる。
蒸着が行われる間、蒸着防止オイル70は減圧雰囲気に曝されるために、その一部または全部が徐々にゆっくりと揮発する。このとき発生する蒸気が反射膜材料の蒸着粒子と衝突するため、蒸着防止オイルの塗布部分70aに対する反射膜材料の蒸着は行われない。このようにして、蒸着防止オイルの非塗布部分70bにのみ反射膜32が形成され、塗布部分70aには反射膜32が形成されず開口部32Aが設けられる。
最後に図7Dに示すように、残存する蒸着防止オイル70を洗浄除去することにより、本実施形態の反射体30が得られる。
上記の製造方法によれば、図7Bに示したように、蒸着防止オイルの塗布部分70aが一の凹部31Aのみに限られ、隣接する他の凹部31Aは未塗布部分70bとなる。このため、反射膜32の成膜に伴って形成される開口部32Aは、塗布部分70aである一の凹部31Aに形成されることになる。これにより、開口部32Aと重なる透明性凹部31Aと、反射膜32が成膜された反射性凹部31Aとが同時に形成される。
従って上記の反射体の製造方法によれば、蒸着防止オイルの未塗布部分70bに反射膜材料を蒸着して反射膜32Aを形成するので、蒸着防止オイルがマスク層として機能し、反射膜32Aが成膜されない透過性凹部31Aを容易に形成することができる。
尚、上記の製造方法で用いられる蒸着防止オイルとしては、両端がF基、CF3 基、CF3 O基またはC2 5 基で安定化され、繰返し単位が下式(I)〜(III)示される構造を有するパーフロロアルキルポリエーテルの夫々単独またはそれらの中の2種以上の混合物が例示される。
式(I):−(−C36O−)n
式(II):−(−C36O−)n−(−CF2O−)m
式(III):−(−C24O−)n−(−CF2O−)m
ただし、n、mは、パーフロロアルキルポリエーテル全体として1000〜15000の平均分子量を与える平均繰り返し単位数を示す。
尚、式(II)、(III)中のn:mは、例えば約30〜40:1というように、前者がかなり大であるのが通常である。繰返し単位−(−C3 6 O −)n −は、直鎖構造または分岐構造のいずれであってもよい。
上記のパーフロロアルキルポリエーテルには平均分子量が1000〜15000のものが用いられるが、特に1500〜10000の範囲のものが好ましく用いられる。分子量が1000未満のものは、蒸気圧が高く真空蒸着中の蒸発損失が大きい。また、パーフロロアルキルポリエーテルは透明反射基材31に対するパターン塗布に適した粘度を有する必要があり、15000を超えるものは、塗布のために高温への加熱が必要となり、透明反射基材31ヘの塗布時に透明反射基材31の変形を招くため好ましくない。
次に、本実施形態の反射体の製造方法の別の例について説明する。図8には、この別の例の製造方法の工程図を示す。
まず、図8Aに示すように、透明反射基材31を用意する。この透明反射基材31の一面31Bには、複数の凹部31Aが相互に接するように形成されている。そして、一面31Bの全面に反射膜32を成膜する。
次に、図8Bに示すように、複数の凹部31Aのうち、一部の凹部31A上にレジスト80を形成する。レジスト80は、一つの凹部31Aの領域にのみ形成しても良く、複数の凹部31Aに渡って形成しても良い。レジスト80の形成は、いわゆるフォトリソグラフィ技術を利用することができる。
こうすることで、透明反射基材31には、レジストの形成部分80aと、未形成部分80bがそれぞれ所定の位置に形成される。
次に、図8Cに示すように、レジストの未形成部分80bに対してエッチングを行い、未形成部分80bにおいて露出している反射膜32を除去する。このようにして、レジストの未形成部分70bに開口部32Aが設けられる。
最後に図8Dに示すように、残存するレジスト80を除去することにより、本実施形態の反射体30が得られる。
上記の製造方法によれば、図8Cに示したように、レジストの未形成部分80bが一の凹部31Aのみに限られ、隣接する他の凹部31Aは形成部分80aとなる。このため、エッチングによって形成される開口部32Aは、未形成部分80bである一の凹部31Aに設けられることになる。これにより、開口部32Aと重なる透明性凹部31Aと、反射膜32が成膜された反射性凹部31Aとが同時に形成される。
上記の反射体の製造方法によれば、レジスト80に覆われていない凹部31A上の反射膜32をエッチングにより除去することにより、透過性凹部31Aと反射性凹部31Aを同時に形成するので、レジスト80がマスク層として機能し、反射膜32が成膜されない透過性凹部31Aを容易に形成することができる。
(実施例1)
透明のアクリル基板上に複数の凹部が形成されてなる透明反射基材を用意した。次に、インクジェット法により、透明反射基材上に蒸着防止オイルをランダムに塗布した。そして、透明反射基材を真空雰囲気中に設置した上で、アルミニウムからなる反射膜を厚さ0.25μmとなるように蒸着した。このとき、真空防止オイルが蒸発したため、真空蒸着オイルの塗布部分には反射膜が形成されなかった。このようにして、図4〜図6に示すような反射体を形成した。
尚、反射体に設けられた凹部は4種類の形状のものをランダムに配置させた。4種類の凹部の形状について説明すると、各凹部はすべて曲率半径が30μmであり、その他の寸法については、深さ1.47μmで平面視半径が9.3μmで最大傾斜角が18°のもの、深さ1.35μmで平面視半径が8.9μmで最大傾斜角が17.3°のもの、深さ1.2μmで平面視半径が8.4μmで最大傾斜角が16.2°のもの、深さ1.1μmで平面視半径が8.0μmで最大傾斜角が15.6°のもの、の4種類であった。
また、反射膜が設けられていない透過性凹部の面積比は、一画素の面積当たり35%であった。
(比較例1)
実施例1と同じ透明反射基材を用い、この透明反射基材の全面にアルミニウムからなる反射膜を形成し、更にフォトリソグラフィ技術によって反射膜に一部を除去することにより、反射膜に略矩形状の開口部を形成した。このようにして比較例1の反射体を製造した。尚、開口部の面積比は、一画素の面積当たり35%であった。
実施例1及び比較例1の反射体について、透明反射基材の法線に対して入射角30°で外光を照射たときの反射光の強度を測定した。図9には、実施例1及び比較例1について、表示面(基材表面)に対する正反射の方向である30゜を中心として、受光角を−10°から70°まで振ったときの受光角(θ°)と反射光の明るさ(反射強度)との関係を示している。
図9に示すように、実施例1の反射体の反射光は、比較例1の反射体に比べて、透過部分の面積比が同じであるにもかかわらず、受光角10°〜50°の範囲で反射強度が10%向上していることがわかる。これは、実施例1の反射体は、透過領域である透過性凹部が分散して配置されているため、透過領域が細かく分割されて均等に配置されることになり、反射光のロスが少なくなったためである。
本発明の実施形態である半透過型の液晶表示装置を示す断面構成図。 図1の液晶表示装置の要部を示す拡大断面模式図。 反射体と画素領域との位置関係を示す平面模式図。 本発明の実施形態である反射体の要部を示す斜視図。 本発明の実施形態である反射体の要部を示す図であって、一つの画素領域に対応する部分の拡大平面図。 図5のY-Y線に対応する断面図。 本発明の実施形態である反射体の製造方法の一例を説明するための工程図。 本発明の実施形態である反射体の製造方法の別の例を説明するための工程図。 実施例1及び比較例1について、表示面(基材表面)に対する正反射の方向である30゜を中心として、受光角を−10°から70°まで振ったときの受光角(θ°)と反射光の明るさ(反射強度)との関係を示すグラフ。 従来の反射体の要部を示す図であって、一つの画素領域に対応する部分の拡大平面図。 図10のX-X線に対応する断面図。
符号の説明
10…バックライト、20…液晶表示パネル、21…第1の基板(基板)、22…第2の基板(基板)、23…液晶層、30…反射体、31…透明反射基材、31A…凹部、31A…反射性凹部、31A…透過性凹部、31B…一面、32…反射膜、70…蒸着防止オイル、80…レジスト、A…液晶表示装置

Claims (8)

  1. 一面に複数の凹部が設けられた透明反射基材と、該透明反射基材の一面側に成膜された反射膜とから構成される反射体であり、
    前記凹部が、内面全面に前記反射膜が成膜された反射性凹部と、内面全面に反射膜が成膜されない透過性凹部とから構成され、前記透明性凹部が前記一面上に分散して配置されていることを特徴とする反射体。
  2. 一面上における透過性凹部の占める面積比が25%以上80%以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の反射体。
  3. 一対の基板と該一対の基板の間に配置された液晶層とが備えられてなる液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルを照明するバックライトとから構成され、
    前記液晶表示パネルに、請求項1または請求項2に記載の反射体が備えられていることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 一面に複数の凹部が設けられた透明反射基材と、該透明反射基材の一面側に成膜された反射膜とから構成される反射体を製造するに際し、
    前記複数の凹部のうちの一部の凹部に蒸着防止オイルを塗布し、他の凹部に反射膜材料を減圧雰囲気下で蒸着することにより、内面全面に反射膜が成膜された反射性凹部と、内面全面に反射膜が成膜されない透過性凹部とを形成することを特徴とする反射体の製造方法。
  5. 前記蒸着防止オイルを分散して塗布することを特徴とする請求項4に記載の反射体の製造方法。
  6. 前記蒸着防止オイルとして、下記式(I)〜(III)で示される繰り返し単位を有するものの夫々単独、またはこれらの中の2種以上の混合物であるパーフロロアルキルポリエーテルを用いることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の反射体の製造方法。
    式(I):−(−C36O−)n
    式(II):−(−C36O−)n−(−CF2O−)m
    式(III):−(−C24O−)n−(−CF2O−)m
    ただし、上記のn、mは、パーフロロアルキルポリエーテル全体として1000〜15000の平均分子量を与える平均繰り返し単位数を示す。
  7. 蒸着防止オイルが凹版印刷法またはインクジェット法により塗布されることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の反射体の製造方法。
  8. 一面に複数の凹部が設けられた透明反射基材と、該透明反射基材の一面側に成膜された反射膜とから構成される反射体を製造するに際し、
    前記透明反射基材の全面に反射膜を成膜し、複数の凹部のうち一部の凹部上にレジストを形成し、レジストに覆われていない凹部上の反射膜をエッチングにより除去することにより、内面全面に反射膜が成膜された反射性凹部と、内面全面に反射膜が成膜されない透過性凹部とを形成することを特徴とする反射体の製造方法。

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JP2012011478A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 微小構造体及び微細パターンの形成方法

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