JP2005127779A - 放射線画像変換パネル - Google Patents

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Yoshitami Kasai
惠民 笠井
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Masashi Kondo
真史 近藤
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Abstract

【課題】高感度性、高鮮鋭性を有し、且つ、耐衝撃性を向上した放射線画像変換パネルを提供する。
【解決手段】気相堆積法により、輝尽励起光および/または輝尽発光光の透過率が下記式(1)を満たす輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルを製造する。
0≦B≦90A-0.17・・・(1)
但し、上記式(1)において、Aは輝尽性蛍光体層の膜厚(μ)であり、Bは輝尽励起光または輝尽発光光の透過率(%)を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルに関する。
従来、輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルを用いて放射線画像変換方法により、被写体からデジタル化した放射線画像を得ることが行われている。放射線画像変換方法とは、被写体を透過させた放射線を輝尽性蛍光体層に照射することによって、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に蓄積させた後、励起光によって輝尽性蛍光体に蓄積された放射線エネルギーを輝尽発光させ、この輝尽発光光の強弱を電気信号に変換し、この電気信号を、感光材料などの画像記録材料やCRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などの画像表示装置を介して可視像とする方法である。
ところで、近年、CsBrを結晶母体とする輝尽性蛍光体を用いて蒸着法で輝尽性蛍光体層を支持体上に形成することにより、極めて感度の高い放射線画像変換パネルを得る技術が開発されている(例えば、「特許文献1」参照。)。
一方、微細な柱状結晶から輝尽性蛍光体層を構成することにより、高鮮鋭性を実現できることが知られている。微細な柱状結晶は光誘導効果を有し、輝尽励起光の散乱を防止しながら輝尽励起光を柱状結晶の底まで到達させることができ、これにより輝尽発光による画像の鮮鋭性を増大させることができる。
そこで、感度及び鮮鋭性がともに高い放射線変換パネルを得るには、輝尽性蛍光体層の結晶性を高め、輝尽励起光及び/又は輝尽発光光の透過率の高い輝尽性蛍光体層とすることが求められている。
特開2001−249198号公報
しかしながら、CsBrなどのハロゲン化アルカリの母体にEu等を賦活したAX系蛍光体は熱膨張係数が大きく、結晶性を高めると支持体から剥離しやすく耐衝撃性も低下する傾向にあった。
本発明の課題は、高感度性および高鮮鋭性と高耐衝撃性とを具備する放射線画像変換パネルを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、前記輝尽性蛍光体層の輝尽励起光および/または輝尽発光光の透過率が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0≦B≦90A-0.17・・・(1)
但し、上記式(1)において、Aは輝尽性蛍光体層の膜厚(μ)であり、Bは輝尽励起光または輝尽発光光の透過率(%)を示す。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像変換パネルにおいて、前記輝尽励起光の透過率の値は輝尽発光光の透過率の値以上であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の放射線画像変換パネルにおいて、前記輝尽性蛍光体層は下記式(2)で表される輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする。
CsBr:xEu・・・(2)
但し、上記式(2)において、xの範囲は0<x≦0.2である。
請求項1記載の発明によれば、輝尽性蛍光体層の輝尽励起光及び/又は輝尽発光光の
透過率が上記式(1)を満たすことにより、放射線画像変換パネルに高感度性および高鮮鋭性と高耐衝撃性とを具備させることができる。
請求項2記載の発明によれば、輝尽性励起光の透過率の値が輝尽発光光の透過率の値以上とすることにより、より耐衝撃性を向上することができる。
請求項3記載の発明によれば、輝尽性蛍光体層はCsBr:xEuを含有するため、X線変換効率を向上し、さらに感度を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1に示すように本発明に係る放射線画像変換パネル10は、支持体11と、この支持体11上に気相堆積法により輝尽性蛍光体の柱状結晶から形成された輝尽性蛍光体層12を備えたものであり、必要に応じて輝尽性蛍光体層12を保護する保護層13を設けてもよい。
以下、各層毎に説明する。
支持体11は、従来の放射線画像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、気相堆積法により本発明の輝尽性蛍光体層12を形成する観点から石英ガラスシート、アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート及び炭素繊維強化樹脂シートが好ましい。
支持体11には、その表面を平滑な面とするために樹脂層(図示略)を有することが好ましい。樹脂層は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、パラフィン、グラファイト等の化合物を含有することが好ましく、その膜厚は、約5μm〜50μmであることが好ましい。この樹脂層は、支持体11の表面に設けても裏面に設けても両面に設けても良い。
支持体11上に樹脂層を設ける手段としては、貼合法、塗設法等の手段が挙げられる。
貼合法による場合、加熱、加圧ローラを用いて行い、加熱条件としては約80〜150℃が好ましく、加圧条件としては4.90×10〜2.94×102N/cm、搬送速度は0.1〜2.0m/秒が好ましい。
輝尽性蛍光体層12は、輝尽励起光及び/又は輝尽発光光の透過率が輝尽性蛍光体層12の膜厚Aに対して、下記式(1)を満たすことが好ましく、より好ましくは下記式(3)を満たすことであり、さらに好ましくは下記式(4)を満たすことである。輝尽性蛍光体層12の輝尽励起光及び/又は輝尽発光光の透過率が下記式(1)、(3)、(4)を満たすことにより、放射線画像変換パネル10に高感度性および高鮮鋭性と高耐衝撃性とを具備させることができる。
0≦B≦90A-0.17・・・(1)
0≦B≦90A-0.22・・・(3)
90B-0.65≦y≦90A-0.22・・・(1)
但し、上記式(1)、(3)において、Aは輝尽性蛍光体層の膜厚(μ)であり、Bは輝尽励起光または輝尽発光光の透過率(%)を示す。
なお、輝尽性蛍光体層12の輝尽励起光および輝尽発光光の透過率は、透明のガラス基板上に形成された輝尽性蛍光体層12の任意に選択した測定点30個所について、分光光度計(例えば、HITACHI557型、Spectrophotometer)で得られた測定値の平均値とした。
また、膜厚Aは、膜厚計(例えば、(株)東京精密製、MINIAX DH−120)を用いて輝尽性蛍光体層12の任意の測定点25個所における測定値の平均値とした。
特に、輝尽励起光の透過率の値を輝尽発光光の透過率の値以上とするとき、輝尽性蛍光体層12の耐衝撃性をさらに向上することができ、好ましい。
輝尽励起光は、放射画像変換パネル10から画像を読み取る際に照射される光で、その波長は実用上500〜900nmが好ましい。特に、本発明において輝尽性蛍光体は、680nmの励起波長を用いた時に、極めて良好な鮮鋭性を示すことから輝尽励起光の波長を680nmとすると好ましい。
輝尽励起光の光源としては、レーザ光源を用いることができる。レーザ光源としては、例えば、半導体レーザ、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、N2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調波、ルビーレーザ、各種の色素レーザ、銅蒸気レーザ等の金属蒸気レーザ等を用いることができる。放射線画像変換パネル10の1画素の走査時間とパルスを同期させればパルス発振のレーザを用いることもできる。
特に、半導体レーザは高出力であることから輝尽励起光強度を大きくすることができ、輝尽発光光率を向上できるので好ましい。また、半導体レーザは光学系を簡易に構成することができるので、装置のコンパクト化を図ることができる。
輝尽発光光は、輝尽性蛍光体が輝尽励起状態から基底状態に戻る時に発する光で、本発明における輝尽性蛍光体の場合、そのピーク波長は300〜500nmとなる。
上記の様な輝尽性蛍光体層12は、下記式(2)で表される輝尽性蛍光体を含有することが好ましい。
1X・aM2X’2・bM3X”3:xA・・・(2)
但し、式(2)中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種の二価金属原子であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であり、X、X’、X”はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、AはEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子であり、また、a、b、xはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<x≦0.2の範囲の数値を表す。
上記式(2)で表される輝尽性蛍光体において、M1は、Li、Na、K、Rb及びCs等の各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子を表すが、中でもRb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子が好ましく、さらに好ましくはCs原子である。
2は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNi等の各原子から選ばれる少なくとも1種の二価の金属原子を表すが、中でも好ましく用いられるのは、Be、Mg、Ca、Sr及びBa等の各原子から選ばれる二価の金属原子である。
3は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びIn等の各原子から選ばれる少なくとも1種の三価の金属原子を表すが、中でも好ましく用いられるのはY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga及びIn等の各原子から選ばれる三価の金属原子である。
Aは、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子である。中でも好ましくはEu原子である。
輝尽性蛍光体の輝尽発光輝度向上の観点から、X、X’及びX”はF、Cl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子を表すが、F、Cl及びBrから選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が好ましく、Br原子が更に好ましい。
また、式(2)において、b値は0≦b<0.5であるが、好ましくは、0≦b<10―2である。
本発明において輝尽性蛍光体層12は、上記式(2)で表される輝尽性蛍光体のいずれを用いてもよいが、高感度性、高鮮鋭性の観点から、特に、CsBr:xEuを用いることが好ましい。このとき、上記式(2)において、M1=Cs、X=Br、a=0、b=0、0<x≦0.2である。
上記の輝尽性蛍光体は、例えば下記(a)〜(c)に示す蛍光体原料を用いて、以下に述べる方法により製造される。
(a)NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr及びCsIから選ばれる少なくとも1種もしくは2種以上の化合物が用いられる。
(b)MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、SrF2、SrCl2、SrBr2、SrI2、BaF2、BaCI2、BaBr2、BaBr2・2H2O、BaI2、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、CdF2、CdCl2、CdBr2、CdI2、CuF2、CuCl2、CuBr2、CuI、NiF2、NiCl2、NiBr2及びNiI2の化合物から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の化合物が用いられる。
(c)前記一般式(2)において、Eu、Tb、In、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMg等の各原子から選ばれる金属原子を有する化合物が用いられる。
製造する輝尽性蛍光体の組成式に応じて、上記(a)〜(c)の中から用いる蛍光体原料を適宜選択し、各原料を上記式(2)のa,b,xの範囲を満たすように秤量し、純水にて溶解する。この際、乳鉢、ボールミル、ミキサーミル等を用いて充分に混合しても良い。
次に、得られた水溶液のpH値Cを0<C<7に調整するように所定の酸を加えた後、水分を蒸発気化させる。
次に、得られた原料混合物を石英ルツボあるいはアルミナルツボ等の耐熱性容器に充填して電気炉中で焼成を行う。焼成温度は500〜1000℃が好ましい。焼成時間は原料混合物の充填量、焼成温度等によって異なるが、0.5〜6時間が好ましい。
焼成雰囲気としては少量の水素ガスを含む窒素ガス雰囲気、少量の一酸化炭素を含む炭酸ガス雰囲気等の弱還元性雰囲気、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気あるいは少量の酸素ガスを含む弱酸化性雰囲気が好ましい。
なお、前記の焼成条件で一度焼成した後、焼成物を電気炉から取り出して粉砕し、しかる後、焼成物粉末を再び耐熱性容器に充填して電気炉に入れ、前記と同じ焼成条件で再焼成を行えば輝尽性蛍光体の発光輝度を更に高めることができ、また、焼成物を焼成温度より室温に冷却する際、焼成物を電気炉から取り出して空気中で放冷することによっても所望の輝尽性蛍光体を得ることができるが、焼成時と同じ、弱還元性雰囲気もしくは中性雰囲気のままで冷却しても良い。
また、焼成物を電気炉内で加熱部より冷却部へ移動させて、弱還元性雰囲気、中性雰囲気もしくは弱酸化性雰囲気で急冷することにより、得られた輝尽性蛍光体から発せられる輝尽光の輝度をより一層高めることができ好ましい。
本発明において輝尽性蛍光体層12は、上記の輝尽性蛍光体を支持11体の一面へ気相堆積法により所望の膜厚に柱状結晶化させることにより形成することができる。
気相堆積法としては、真空蒸着法(以下、「蒸着法」という)、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等、如何なる方法を用いても良いが、特に蒸着法を好ましく用いることができる。
蒸着法を適用するに当たり、例えば、図2に示す蒸着装置1を好適に用いることができる。
図2に示すように、蒸着装置1は、真空容器2と、真空容器2内に設けられて輝尽性蛍光体を加熱して蒸発または昇華させ、その蒸気を支持体11に蒸着させる蒸発源3と、支持体11を保持する支持体ホルダ4と、支持体ホルダ4を蒸発源3に対して回転させる支持体回転機構5と、真空容器2内の排気及び大気の導入を行う真空ポンプ6等を備えている。本蒸着装置1において、支持体回転機構5により支持体ホルダ4を回転させながら、支持体11上に蒸発源3からの蒸気を蒸着させて本発明の輝尽性蛍光体層12を形成することができる。
蒸発源3は、輝尽性蛍光体を収容して抵抗加熱法で加熱するため、ヒータを巻いたアルミナ製のるつぼから構成しても良いし、ボートや、高融点金属からなるヒータから構成しても良い。また、輝尽性蛍光体を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でも良いが、本発明では、比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、かつ、非常に多くの物質に適用可能である点から抵抗加熱法が好ましい。また、蒸発源3は分子源エピタキシャル法による分子線源でも良い。
さらに、支持体11と蒸発源3との間に、蒸発源3から支持体11に至る空間を遮断するシャッタ(図示略)を設けても良い。シャッタを設けることにより輝尽性蛍光体の表面に付着した目的物以外の物質が蒸着の初期段階で蒸発し、支持体11に付着するのを防ぐことができる。
支持体ホルダ4には、支持体11を加熱する加熱ヒータ(図示略)を備えることが好ましい。支持体11を加熱することによって、支持体11表面の吸着物を離脱・除去し、支持体11表面と輝尽性蛍光体との間に不純物層の発生を防いだり、密着性の強化や輝尽性蛍光体層12の膜質調整を行うことができる。
支持体回転機構5は、例えば、支持体ホルダ4を支持するとともに支持体ホルダ4を回転させる回転軸5aと、真空容器2外に配置されて回転軸5aの駆動源となるモータ(図示略)等から構成されている。
このように構成された蒸着装置1を使用して、以下の手順により、支持体11に輝尽性蛍光体層12を形成することができる。
まず、支持体ホルダ4に支持体11を取り付ける。
次いで、真空容器2内を真空排気する。真空度を高くすることにより、透過率の高い輝尽性蛍光体層12を得ることができ、1E−01Paであることが好ましく、より好ましくは5E−02Pa以上である。
所望の真空度にした後、支持体回転機構5により支持体ホルダ4を蒸発源3に対して回転させ、蒸着可能な真空度に真空容器2が達したら、加熱された蒸発源3から輝尽性蛍光体を蒸発させて、支持体11表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに成長させる。
この場合において、支持体11と、蒸発源3との間隔は、100mm〜1500mmに設置するのが好ましい。透過率を向上する観点からは、400mm以上であるとより好ましく、600mm以上であるとさらに好ましい。
なお、前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層12を形成することも可能である。さらに、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層12を形成することも可能である。
また、蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて、被蒸着体(支持体11、保護層13又は中間層)を冷却あるいは加熱しても良い。
さらに、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層12を加熱処理しても良い。また、蒸着法においては必要に応じてO2、H2等のガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行っても良い。
形成する輝尽性蛍光体層12の膜厚は、放射線画像変換パネル10の使用目的によって、また輝尽性蛍光体の種類により異なるが、本発明の効果を得る観点から50μm〜2000μmであり、好ましくは50μm〜1000μmであり、さらに好ましくは100μm〜800μmである。膜厚が薄くなるにつれて、輝尽性蛍光体層12の透過率が向上する。
上記の気相堆積法による輝尽性蛍光体層12の形成にあたり、輝尽性蛍光体層12が形成される支持体11の温度は、室温(rt)〜300℃に設定することが好ましく、さらに好ましくは50〜200℃である。輝尽性蛍光体層12の透過率は支持体11の温度が高くなるにつれ増大する傾向にあり、本発明の効果を得るには80℃以上であることがさらに好ましく、100℃以上であることが極めて好ましい。
以上のようにして輝尽性蛍光体層12を形成した後、必要に応じて、輝尽性蛍光体層12の支持体11とは反対の側に、物理的にあるいは化学的に輝尽性蛍光体層12を保護するための保護層13を設けてもよい。保護層13は、保護層13用の塗布液を輝尽性蛍光体層12の表面に直接塗布して形成もよいし、また、予め別途形成した保護層13を輝尽性蛍光体層12に接着してもよい。
保護層13の材料としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの通常の保護層用材料が用いられる。他に透明なガラス基板を保護層13として用いることもできる。
また、保護層13は蒸着法、スパッタリング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al23等の無機物質を積層して形成してもよい。
これらの保護層13の層厚は0.1μm〜2000μmが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
(放射線画像変換パネルの作製)
(1)実施例1の作製
炭素繊維強化樹脂シートからなる支持体11の片面に図2に示す蒸着装置1を使用して以下に示す方法に従って、輝尽性蛍光体(CsBr:0.0002Eu)を蒸着させ輝尽性蛍光体層12を形成した。また、0.5t透明ガラス基板(コーニング製、7059)上に同様の方法にて輝尽性蛍光体層12を作成し、透過率測定のためのサンプルを作製した。
まず、上記蛍光体原料を蒸着材料として抵抗加熱ルツボに充填し、また回転する支持体ホルダ4に支持体11を設置し、支持体11と蒸発源3との間隔を800mmに調節した。続いて蒸着装置1内を一旦排気し、Arガスを導入して0.1Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で支持体11を回転しながら支持体11の温度を100℃に保持した。
次いで、抵抗加熱ルツボを加熱して輝尽性蛍光体を蒸着し、輝尽性蛍光体層の膜厚が500μmとなったところで蒸着を終了させた。
次いで、乾燥空気内で輝尽性蛍光体層12を保護層袋に入れ、輝尽性蛍光体層12が密封された構造の本発明に係る実施例1としての放射線画像変換パネル10を得た。
(2)実施例2の作製
支持体11と蒸発源3との距離を400mmとした以外は、実施例1と同様にして放射線画像変換パネル10及び透過率測定用のサンプルを製造した。
(3)実施例3の作製
蒸着装置1内の真空度を0.01Paに調整した以外は、実施例1と同様にして放射線画像変換パネル10及び透過率測定用のサンプルを製造した。
(4)実施例4の作製
支持体11と蒸発源3との距離を1000mmにした以外は実施例1と同様にして放射線画像変換パネル10及び透過率測定用のサンプルを製造した。
(5)実施例5の作製
支持体11と蒸発源3との距離を1000mm、輝尽性蛍光体層12の膜厚を300μmとした以外は実施例1と同様にして放射線画像変換パネル10及び透過率測定用のサンプルを製造した。
(6)実施例6の作製
支持体11と蒸発源3との距離を1000mm、支持体11の温度を150℃とした以外は実施例1と同様にして放射線画像変換パネル10及び透過率測定用のサンプルを製造した。
(7)比較例1の作製
支持体11の温度を200℃、蒸着装置1の真空度を0.001Paとした以外は実施例1と同様にして放射線画像変換パネル及び透過率測定用のサンプルを製造した。
(8)比較例2の作製
輝尽性蛍光体層の膜厚を300μmとした以外は比較例1と同様にして放射線画像変換パネル及び透過率測定用のサンプルを製造した。
〔評価〕
以上の様にして得られた実施例1〜6および比較例1、2について、各輝尽性蛍光体層の輝尽発光光(440nm)および輝尽励起光(680nm)の透過率を測定し、耐衝撃性について評価した。
(1)透過率の測定
分光光度計として、HITACHI557型、Spectrophotometerを用いて、測定光を300〜800nmまでスキャンさせ、輝尽励起光波長の680nmおよび輝尽発光のピーク波長の440nmにおける輝尽性蛍光体層の透過率を、下記条件に基づいて測定し、透過率分布を上記(2)式に基づいて求めた。結果を表1に示す。
(透過率測定条件)
測定光の波長:440nm、680nm
スキャンスピード:120nm/min
繰り返し回数:10回
レスポンス:Auto
測定点数:30
(2)耐衝撃性
実施例1〜6および比較例1、2で製造した放射線画像変換パネルに対して、500gの鉄球を20cmの高さから落下させた後、目視評価した。さらに、その後各放射線画像変換パネルに、管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザ光(633nm)で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記記載の受光器で受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生し、出力装置よりプリントアウトし、得られたプリント画像を、目視にて耐衝撃性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005127779
表1より実施例1〜実施例6の輝尽性蛍光体層12の膜厚Aと輝尽励起光の透過率または輝尽発光光の透過率Bはいずれも上記(1)式の関係を満たし、耐衝撃性に対して良好な結果を示しているのに対して、比較例1および2は耐衝撃性が低くなっていることが分かる。
本発明の放射線画像変換パネルの一例を示す模式図である。 蒸着装置の一例の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 蒸着装置
2 真空容器
3 蒸発源
4 支持体ホルダ
5 支持体回転機構
6 真空ポンプ
10 放射線画像変換パネル
11 支持体
12 輝尽性蛍光体層
13 保護層

Claims (3)

  1. 気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、
    前記輝尽性蛍光体層の輝尽励起光および/または輝尽発光光の透過率が下記式(1)を満たすことを特徴とする放射線画像変換パネル。
    0≦B≦90A-0.17・・・(1)
    但し、上記式(1)において、Aは輝尽性蛍光体層の膜厚(μ)であり、Bは輝尽励起光または輝尽発光光の透過率(%)を示す。
  2. 請求項1に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
    前記輝尽励起光の透過率の値は輝尽発光光の透過率の値以上であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  3. 請求項1または2に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
    前記輝尽性蛍光体層は下記式(2)で表される輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする放射線画像変換パネル。
    CsBr:xEu・・・(2)
    但し、上記式(2)において、xの範囲は0<x≦0.2である。
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