JP2005127385A - トロイダル型無段変速機及びそのトラニオンの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トラニオンの大型化を防止するとともに、トラニオンの加工コストを低減することができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】トロイダル型無段変速機10において、トラニオン40は、鍛造成形された後、調質熱処理が施されており、調質熱処理によるトラニオン40全体の表面から芯部までの硬度はHRC20〜27である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車用或いは各種産業機械用の変速機構として利用されるトロイダル型無段変速機及びそのトラニオンの加工方法に関する。
従来、自動車等の車両に用いられる無段変速機として、図7及び図8に示されるようなトロイダル型無段変速機10が知られている。トロイダル型無段変速機10では、エンジン等の駆動源と連動して回転する入力軸11の周囲に、入力ディスク12と出力ディスク13がニードルローラ軸受14を介して互いに同心に、且つ互いに独立して回転自在に支持されている。
入力ディスク12の背面側には、カムディスク15が入力軸11に対してスプライン係合しており、カムディスク15と入力ディスク12との間には複数のローラ16が介在され、入力ディスク12を出力ディスク13側に押し付けるローディングカム式の押圧機構17が設けられている。出力ディスク13はキー18を介して出力歯車19と係合しており、出力ディスク13と出力歯車19とは同期して回転する。
また、入力ディスク12と出力ディスク13との間には一対の傾転軸41、42を中心として揺動するトラニオン40が設けられ、トラニオン40の中心部には変位軸20がニードルローラ軸受21を介して設けられている。そして、この変位軸20の先端部の周囲にはパワーローラ22が回転自在に支持されている。パワーローラ22の外周面は、円弧形状の凹断面に形成された入力ディスク12及び出力ディスク13の各内側面12a、13aと当接する球状凸面に形成されたトロイダル面22aを備えており、入力ディスク12と出力ディスク13との間に傾転自在に転接されている。
また、トラニオン40とパワーローラ22との間にはパワーローラ軸受23が設けられている。このパワーローラ軸受23はパワーローラ22に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、パワーローラ22の回転を許容するものである。このようなパワーローラ軸受23の複数の玉24はトラニオン40側に設けられた円環状の外輪25と回転部としてのパワーローラ22との間に設けられた円環状の保持器26によって保持されている。
さらに、トラニオン40の両端の傾転軸41、42はニードルローラ軸受27を介してそれぞれ支持板28に対して揺動自在に支持されており、トラニオン40の揺動により、変位軸20の傾斜角度を調節自在としている。
また、各トラニオン40の一端部にはそれぞれ駆動ロッド29が結合され、この駆動ロッド29の中間部外周面には駆動ピストン30が設けられており、この駆動ピストン30は駆動シリンダ31に内挿されている。
前述のように構成されたトロイダル型無段変速機10によれば、エンジン等の駆動源から押圧装置17のカムディスク15に伝達された回転は、ローラ16を介して入力ディスク12に伝達される。入力ディスク12の回転はパワーローラ22を介して出力ディスク13に伝達され、出力ディスク13の回転は出力歯車19より取り出される。
入力側と出力側との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン30を互いに逆方向に変位させる。各駆動ピストン30の変位に伴って各トラニオン40がそれぞれ逆方向に変位する。その結果、各パワーローラ22のトロイダル面22aと入力ディスク12及び出力ディスク13の内側面12a,13aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化し、この力の向きの変化に伴ってトラニオン40が支持板28に枢支された一対の傾転軸41、42を中心として互いに逆方向に揺動する。
図9に示されるように、トラニオン40は、両端部に設けられた一対の傾転軸41,42を構成するオフセット部43,44と、一対のオフセット部43,44を連結する本体部45とからなる。
本体部45は、一対の傾転軸41,42の中心軸Oから所定量平行に離れた円弧形状の内平面46を備えており、一対のオフセット部43,44の内周面と協働して、パワーローラ22を囲むポケット部47を構成する。また、本体部45の背面48は、フラットな底面49と、幅方向において底面49から上方に傾斜した一対の斜平面50とを備える。さらに、本体部45の中間部には、内平面46と底面49との間を貫通し、ニードルローラ軸受21を介して変位軸20の基端部を支持するピボット孔51が形成されている。
また、トラニオン40には、駆動シリンダ20内の作動油を潤滑油として供給するための潤滑孔52が設けられている。潤滑孔52は、一対の傾転軸41,42の中心軸Oに対して平行で、且つピボット孔51を貫通する第1の潤滑孔53と、傾転軸42の中心部において駆動ピストン29を嵌挿するシャフト挿入孔54を横切り、第1の潤滑孔53に連通する斜めの第2の潤滑孔55と、第1の潤滑孔53から内平面46に開口する2つの直交潤滑孔56とを備える。
また、一対の傾転軸41,42は、本体部45の両端面と面一に形成されたオフセット部43,44の傾転端面57から突出しており、傾転軸41,42の根元部58(以下、根元隅R部と呼ぶ。)は断面円弧形状に形成されている。また、傾転軸41,42の外周面は、ニードルローラ軸受27と当接するニードル転走面59を構成する。
また、一方の傾転軸41の中心部には、トラニオン40を変速機ケースに取り付けるためのネジが挿入されるタップ60が形成されている。また、傾転端面57の内方に位置するオフセット部43の内側面には、トラニオン40の最大傾転量を規制する傾転ストッパー61が設けられている。
従来、上述のようなトラニオン40を加工する方法として、次のようなものが知られている。
まず、トラニオン40のオフセット部43,44と本体部45を成形する際、トラニオン40の耐久性を向上するため、素材を鍛造加工する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、トラニオン40の耐久性を向上する別な手法として、トラニオン40の芯部硬度をHRC20〜45とし、傾転軸41,42のニードル転走面58を高周波熱処理することが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2に開示された手法では、炭素含有率0.3〜0.6%の鉄鋼材料を使用し、調質(焼き入れ焼き戻し)を施すことでHRC20〜45の芯部硬度を得ている。また、トラニオンの芯部硬度をHRC20以上とすることで、トラニオンの塑性変形を防止して、変速における不具合が回避されることが記載されている。
さらに、トラニオン40の耐久性を向上する他の手法として、ピボット孔51の背面側開口部周辺を高周波熱処理し、ピボット孔51をホーニング加工することが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献3に開示された手法では、図10に示されるように、ピボット孔51の周辺部はトラニオン40の背面側から高周波熱処理が施され、深さ(S)が0.4〜5mm、長さ(H)が8mmの範囲でHRC50以上としている。また、ピボット孔51は高周波熱処理が施された後、ホーニング加工により仕上げ加工が行われている。
特開2000−230615号公報(第3〜4頁、第2図) 特開平11−132302号公報(第4〜5頁、第1図) 特開2002−122198号公報(第3〜4頁、第1〜2図)
ところで、上記したトラニオン40において、傾転軸41,42、内平面46、ポケット部47、ピボット孔51、潤滑孔52、シャフト挿入穴54、タップ60、傾転ストッパー61等の各機能部位間での位置関係は、高精度が要求されており、熱処理等による歪みは許容されない。
また、トラニオン40は、構造上、パワーローラ22に作用するスラスト荷重を受けて図11に示すように、背面側が引張られて内面側が圧縮される。これにより、トラニオン40には矢印に示すように引張及び圧縮応力σが発生してピボット孔51が変形し、ピボット孔51には応力が集中して過大な応力分布が発生する。また、トラニオン40の背面側が引張られることで、同時に、傾転軸の根元隅R部58にも引張応力σが発生するため、根元隅R部58にも応力集中が生じる。このため、トラニオン40がピボット孔51の近傍、或いは根元隅R部58において破損する可能性があった。
特許文献2に開示された手法では、傾転軸のニードル転走面に高周波熱処理を施して硬化させているが、引張り荷重が作用する傾転軸の根元隅R部に対しては対処されておらず、最悪の場合、この根元隅R部から破断する可能性がある。このため、傾転軸の径を細くすることが難しく、トラニオンの大型化を招いてしまう。
また、トラニオンの芯部硬度をHRC20〜45としているが、この範囲内においても芯部硬度の高いトラニオンを加工する場合には、切削工具寿命が短くなって加工工具費が高くなったり、切削条件を高めることが出来ずに加工時間が長くなり、加工費が高くなってしまう。
さらに、特許文献3に開示された手法では、ピボット孔51周辺の高周波熱処理は、ピボット孔51を加工した後に行なわれる。このため、高周波熱処理による熱処理変形により、ピボット孔51とパワーローラを受ける内平面46が歪んでしまい、ピボット孔51は真円度が悪化し、内平面46は図10(a)の線Cに沿って弓なりに変形してしまう。この歪みを解消するためには、ホーニング加工によるピボット孔51の仕上げ加工と、内平面46の歪み除去のための仕上げ加工が追加されるため、加工費が高くなってしまう。
本発明は、上記の問題点を鑑みて、トラニオンの大型化を防止するとともに、トラニオンの加工コストを低減することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 互いに同心に、且つ互いに独立して回転自在に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、
前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間に傾転自在に転接するパワーローラと、
前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、を備えたトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンは、鍛造成形された後、調質熱処理が施されており、前記調質熱処理による前記トラニオン全体の表面から芯部までの硬度はHRC20〜27であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
(2) 調質熱処理された前記トラニオンの背面部の一部または全部は、前記トラニオンの残りの部位を切削加工する前に、切削加工及び高周波熱処理が順次施されることを特徴とする(1)に記載のトロイダル型無段変速機。
(3) 前記トラニオンは、両端部に設けられた一対の傾転軸と、該一対の傾転軸を連結する本体部とからなり、
前記一対の傾転軸の根元隅R部は、高周波熱処理が施されることを特徴とする(1)に記載のトロイダル型無段変速機。
(4) 入力ディスクと出力ディスクとの間に傾転自在に転接するパワーローラを回転自在に支持する、トロイダル型無段変速機のトラニオンの加工方法において、
前記トラニオンを鍛造成形する工程と、
前記トラニオン全体の表面から芯部までの硬度がHRC20〜27となるように調質熱処理する工程と、
前記トラニオンを切削加工する工程と、
を備えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニオンの加工方法。
(5) さらに、前記トラニオンを高周波熱処理する工程とを備え、
調質熱処理された前記トラニオンの背面部の一部または全部は、前記トラニオンの残りの部位を切削加工する前に、前記切削加工工程及び前記高周波熱処理工程が順次施されることを特徴とする(4)に記載のトロイダル型無段変速機のトラニオンの加工方法。
(6) 前記トラニオンは、両端部に設けられた一対の傾転軸と、該一対の傾転軸を連結する本体部とからなり、
前記一対の傾転軸の根元隅R部は、高周波熱処理工程が施されることを特徴とする(4)に記載のトロイダル型無段変速機のトラニオンの加工方法。
ここで、調質熱処理による硬度の下限値であるHRC20は、トラニオン芯部強度に最低限必要な硬さであり、上限値であるHRC27は、加工実験から、経済的加工が可能な硬度である。
本発明のトロイダル型無段変速機及びそのトラニオンの加工方法は、次のような効果が得られる。
上記(1)及び(4)によれば、鍛造成形後のトラニオンを表面から芯部までの硬度がHRC20〜27となるように調質することにより、必要な芯部硬度を確保しつつ、後の切削工程における、切削工具費の増大と切削能率の低下を防止できる。
また、上記(2)及び(5)によれば、強い引張り応力が作用するトラニオンの背面に高周波熱処理による表面硬化を行なうことにより、引張り強度を増加することができ、トラニオンの大型化を防止することができる。
また、背面の高周波熱処理は、熱処理による歪みを許容しない内平面やピボット孔やその他の部位を切削加工する前に行なわれるので、熱処理歪みの精度悪化が問題とならない。そのため、内平面やピボット孔を2回加工することが回避できるので、加工コストの増加を防止できる。
上記(3)及び(6)によれば、傾転軸の根元隅R部が高周波熱処理により硬化されて、当該部位が強化されるので、傾転軸の径を細く設計でき、トラニオンの大型化を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機について詳細に説明する。なお、本発明のトロイダル型無段変速機は、背景技術に記載されたトロイダル型無段変速機に、以下の加工工程で製造されるトラニオンを適用したものである。また、トラニオンの形状及び機能については、背景技術において説明されたトラニオン40と同等である。従って、背景技術と同等部分については同一の符号を付して、重複する説明は省略若しくは簡略化する。
図1は、トラニオン40の加工工程を示すフローチャートである。
まず、トラニオン40の素材となる炭素含有率0.3〜0.6%の鉄鋼材料丸棒を加熱鍛造し、加工代が付与された概形状に成形する(ステップS101)。
次に、トラニオン40は調質熱処理(焼入れ・焼戻し)が施され(ステップS102)、トラニオン40全体の表面から芯部までの硬度をHRC20〜27とする。ここで、強度上必要なHRC20以上の芯部硬度は確保しつつ、HRC27を越えない範囲でのトラニオンの硬度となるように、焼入れ・焼戻しの条件が設定される。例えば、トラニオン40は、焼入れ温度800〜900℃で油冷したのち、焼戻し温度300〜650℃で処理する。
次に、トラニオンの背面48の一部又は全体が切削加工される(ステップS103)。即ち、図2に示すように、底面49及び斜平面50が切削工具70により切削加工される尚、切削加工は、後工程で高周波焼入れする底面49のみに施されてもよい。
特に、底面49の切削加工は、後工程での高周波焼入れの際、高周波焼き入れ用のコイルとの位置関係を精度良くするために必要となる。また、トラニオンの強度面から着目して、鍛造肌であるよりは切削された面の方が強度のバラツキが小さい。
この後、図3に示されるように、切削加工された背面48の高周波熱処理が行なわれ(ステップS104)、背面48に必要な引張り強度を付与する。なお、背面48の高周波熱処理は、必要な引張り強度に応じて図4に示されるように、背面48の一部に施されてもよい。
次に、トラニオン40の機能部位を順次、切削加工する(ステップS105)。例えば、内平面46とポケット部47とピボット孔51をマシニングセンターにより転削加工する。また、傾転軸41,42を、NC旋盤により、旋削加工する。
その後、必要な強度を傾転軸41,42の根元隅R部58に付与するため、根元隅R部58の高周波熱処理が行なわれる(ステップS106)。この高周波熱処理は、図5に示されるように、背景技術に開示されたニードル転走面59の高周波熱処理と同時に行なうことが可能である。この傾転軸41,42周りの高周波熱処理によって、傾転軸41,42の寸法は僅かに熱処理変形するが、トラニオン40全体の精度に関わるような変形ではなく、傾転軸41,42のみの変形なので、全体に必要とされる位置精度を狂わせることはない。
ここで、上記の調質熱処理により得られた芯部硬度HRC22〜27の中鋼と、従来のワーク硬度の芯部硬さHRC28〜33の硬鋼からなるトラニオン40において、切削加工を行なった際の切削工具寿命を比較した。
図6(a)は、切削速度300m/minで中鋼(HRC22〜27)と硬鋼(HRC28〜33)からなるトラニオンを切削加工した際の切削工具寿命を示すグラフであり、図6(b)は、切削速度を変えて硬鋼からなるトラニオン40を切削した時の切削工具寿命を示すグラフである。
図6(a)に示されるように、切削速度300m/minで中鋼(HRC22〜27)のトラニオン40を切削加工した際の切削工具寿命は、硬鋼(HRC28〜33)のトラニオン40を切削加工した際の切削工具寿命と比較して6倍となり、30分の目標工具寿命に到達することができた。
一方、図6(b)に示されるように、切削速度が高くなると工具寿命は短くなり、硬鋼のトラニオン40を切削加工する際に目標工具寿命を満たすためには、切削速度を220m/minとする必要がある。従って、硬度がHRC28〜33のトラニオン40において、安定した加工機械の稼動と工具寿命を得るためには、切削速度を220/300=0.73、つまり30%程度低く設定する必要があることがわかる。
以上の結果から、芯部硬度がHRC27以下のトラニオン40を用いることで、切削加工時における加工能率を向上させることができ、トラニオン40の加工コストの低減を図ることができる。
従って、本実施形態のトロイダル型無段変速機によれば、鍛造素材状態のトラニオン40を表面から芯部までの硬度がHRC20〜27となるように調質することにより、トラニオン40に必要な芯部硬度を確保しつつ、後の切削工程における、切削工具費の増大の防止と切削能率の低下を防止できる。
また、強い引張り応力が作用するトラニオン40の背面48に高周波熱処理による表面硬化を行なうことにより、引張り強度を増加することができ、トラニオン40の大型化を防止することができる。
ここで、背面48の高周波熱処理は、熱処理による歪みを許容しない内平面46やピボット孔51やその他の部位を切削加工する前に行なわれるので、熱処理歪みの精度悪化が問題とならない。そのため、内平面46やピボット孔51を2回加工することが回避できるので、加工コストの増加を防止できる。
さらに、傾転軸41,42の根元隅R部58が高周波熱処理により硬化されて、当該部位が強化されるので、傾転軸41,42の径を細く設計でき、トラニオン40の大型化を防止することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
本発明のトロイダル型無段変速機のトラニオンの加工工程を示すフローチャートである。 トラニオンの背面が切削加工される状態を示す図であり、(a)はその平面図であり、(b)はその側面図である。 トラニオンの背面が高周波熱処理される状態を示す図であり、(a)はその平面図であり、(b)はその底面図である。 トラニオンの背面の一部が高周波熱処理される状態を示す底面図である。 トラニオンの傾転軸の根元隅R部が高周波熱処理される状態を示す図であり、(a)はその縦断面図であり、(b)は、(a)のA部における拡大断面図である。 (a)はワークの鋼種と切削工具寿命との関係を示すグラフであり、(b)は硬鋼のワークを用いた際の切削速度と切削工具寿命との関係を示すグラフである。 一般的なトロイダル型無段変速機の構成を示す断面図である。 図7のB−B線に沿った断面図である。 図8のトラニオンを示す図であり、(a)はその縦断面図であり、(b)はその左側面図である。 (a)は従来のトラニオンの縦断面図であり、(b)はその底面図である。 (a)はトラニオンに作用するスラスト荷重を示す図であり、(b)は(a)のD部における拡大図である。
符号の説明
10 トロイダル型無段変速機
12 入力ディスク
13 出力ディスク
22 パワーローラ
40 トラニオン
41,42 傾転軸
45 本体部
46 内平面
47 ポケット部
48 背面
49 底面
50 斜平面
51 ピボット孔
52 潤滑孔
54 シャフト挿入孔
58 根元隅R部
59 ニードル転走面
60 タップ
61 傾転ストッパー

Claims (6)

  1. 互いに同心に、且つ互いに独立して回転自在に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、
    前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間に傾転自在に転接するパワーローラと、
    前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、を備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンは、鍛造成形された後、調質熱処理が施されており、前記調質熱処理による前記トラニオン全体の表面から芯部までの硬度はHRC20〜27であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 調質熱処理された前記トラニオンの背面部の一部または全部は、前記トラニオンの残りの部位を切削加工する前に、切削加工及び高周波熱処理が順次施されることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記トラニオンは、両端部に設けられた一対の傾転軸と、該一対の傾転軸を連結する本体部とからなり、
    前記一対の傾転軸の根元隅R部は、高周波熱処理が施されることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 入力ディスクと出力ディスクとの間に傾転自在に転接するパワーローラを回転自在に支持する、トロイダル型無段変速機のトラニオンの加工方法において、
    前記トラニオンを鍛造成形する工程と、
    前記トラニオン全体の表面から芯部までの硬度がHRC20〜27となるように調質熱処理する工程と、
    前記トラニオンを切削加工する工程と、
    を備えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機のトラニオンの加工方法。
  5. さらに、前記トラニオンを高周波熱処理する工程とを備え、
    調質熱処理された前記トラニオンの背面部の一部または全部は、前記トラニオンの残りの部位を切削加工する前に、前記切削加工工程及び前記高周波熱処理工程が順次施されることを特徴とする請求項4に記載のトロイダル型無段変速機のトラニオンの加工方法。
  6. 前記トラニオンは、両端部に設けられた一対の傾転軸と、該一対の傾転軸を連結する本体部とからなり、
    前記一対の傾転軸の根元隅R部は、高周波熱処理工程が施されることを特徴とする請求項4に記載のトロイダル型無段変速機のトラニオンの加工方法。
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JP2016205457A (ja) * 2015-04-17 2016-12-08 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機のトラニオン

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