JP2005126764A - キャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents

キャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アルミニウム合金板の結晶方位を厳密に制御することにより、強度と成形性が良好であるとともに、異方性を低くしたキャップ用アルミニウム合金板を提供する。
【解決手段】 Mg、Fe、Mn及びCrを含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなり、集合組織のキューブ方位密度が9以下であり、かつβファイバに属する各方位の最大方位密度が15以下であり、引張強度が190MPa以上290MPa以下の範囲であることを特徴とするキャップ用アルミニウム合金板を採用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低異方性が要求される容器キャップ用のアルミニウム合金板及びその製造方法に関するものであり、特に、ボトル缶のキャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法に関するものである。
近年、胴体部と口部とからなるアルミニウム製のボトル缶と、前記口部に取り付けられるスクリューキャップとを備えてなる飲料用容器が開発されている。ボトル缶のアルミニウム化に伴って、スクリューキャップの材質もボトル缶用として適したものが望まれている。
一般にアルミニウム合金は、異方性を厳密に制御しないと、スクリューキャップ成形時に耳部が大きくなる。この耳部を取り除くためにトリミング処理が必要となり、また耳部の発生は材料のロスに直結する。従って、スクリューキャップの低コスト化を達成するためには、アルミニウム合金の異方性を低下させることが重要な課題となっている。
また最近のスクリューキャップの製造工程では、キャップ成形を行う前に、アルミニウム合金板に対して印刷処理を行う場合が増えている。異方性が高いアルミニウム合金板に印刷を行ってからキャップを成形すると、印刷された模様が歪んでしまう場合がある。こうした点からも、異方性の低いアルミニウム合金が望まれている。
異方性の低いアルミニウム合金としては、従来から、下記の文献に記載のAl−Mg合金が知られている。
特開平4-268054号公報
しかし、特許文献1に記載のAl−Mg合金は、強度と成形性のバランスに難があり、スクリューキャップの材質として十分なものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、アルミニウム合金板の結晶方位を厳密に制御することにより、強度と成形性が良好であるとともに、異方性を低くしたキャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のキャップ用アルミニウム合金板は、Mg、Fe、Mn及びCrを含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなり、集合組織のキューブ方位密度が9以下であり、かつβファイバに属する各方位の最大方位密度が15以下であり、引張強度が190MPa以上290MPa以下の範囲であることを特徴とする。
上記のキャップ用アルミニウム合金板を成形することによって、有底円筒形状であって円周部にスクリュー部が設けられたキャップが得られる。
上記構成のキャップ用アルミニウム合金板を用いてキャップを製造することにより、円周部の縁部から耳が発生することがなく、トリミング工程が不要となる。即ち、キューブ方位密度を9以下にすることにより、アルミニウム合金の圧延方向に対して0°及び90°の方向に耳が発生することがない。また、βファイバに属する各方位の最大方位密度を15以下にすることにより、アルミニウム合金の圧延方向に対して±45°の方向に耳が発生することがない。
また、引張強度が上記の範囲なので、キャップの強度が十分なものとなり、キャップのスクリュー部に割れが生じる虞もない。
また本発明のキャップ用アルミニウム合金板は、先に記載のキャップ用アルミニウム合金板において、Mg、Fe、Mn及びCrの含有率がそれぞれ、Mg:1.5質量%以上2.1質量%以下、Fe:0.4質量%以下、Mn:0.2質量%以下、Cr:0.2質量%以下の範囲であり、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
上記の構成により、成形性及び強度に優れるとともに、耳率をほぼ0%にすることができる。
また、本発明のキャップ用アルミニウム合金板は、不純物として、0.3質量%以下のSi、0.3質量%以下のCu、0.2質量%以下のZn、0.1質量%以下のTiを含有していても良い。
また本発明のキャップ用アルミニウム合金板は、先に記載のキャップ用アルミニウム合金板であり、伸び率が2.0%以上であることを特徴とする。この構成により、キャップの成型を容易に行うことができる。特に、キャップのスクリュー部の成型時に、割れなどが発生する虞がない。
次に、本発明のキャップ用アルミニウム合金板の製造方法は、先のいずれかに記載のキャップ用アルミニウム合金板の製造方法であって、Mg、Fe、Mn及びCrを含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなり、Mgが1.5質量%以上2.1質量%以下であり、Feが0.4質量%以下であり、Mn及びCrがそれぞれ0.2質量%以下の組成の合金を、溶製してから鋳造した後に、450℃以上590℃以下の均質化温度で均質化処理を行い、続いて熱間圧延、冷間圧延、50%超80%以下の圧下率の最終冷間圧延を順次行った後、150℃以上300℃以下の焼鈍温度で最終調質焼鈍を行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、キューブ方位密度が9以下であり、かつβファイバに属する各方位の最大方位密度が15以下であり、引張強度が190MPa以上290MPa以下のアルミニウム合金板を得ることができる。
特に、圧下率を上記の範囲にすることで、引張強度とβファイバに属する各方位の最大方位密度を上記の範囲に設定することができる。また最終調質焼鈍を行うことで、アルミニウム合金板の強度の経時劣化を防止することができる。
特に、本発明においては、Mg、Fe、Mn及びCrを含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなり、Mgが1.9質量%以上2.1質量%以下であり、Feが0.4質量%以下であり、Mn及びCrがそれぞれ0.15質量%以上0.2質量%以下の組成の合金の場合は、溶製してから鋳造した後に、520℃以上590℃以下の均質化温度で均質化処理を行い、続いて熱間圧延、冷間圧延、66.5%以上73.3%以下程度の圧下率の最終冷間圧延を順次行った後、200℃以上260℃以下の焼鈍温度で最終調質焼鈍を行った場合に、優れたキャップ用アルミニウム合金板を得ることができる。
更に、本発明においては、Mg、Fe、Mn及びCrを含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなり、Mgが1.5質量%以上1.7質量%以下であり、Feが0.4質量%以下であり、Mn及びCrがそれぞれ0.2質量%以下の組成の合金の場合は、溶製してから鋳造した後に、520℃以上590℃以下の均質化温度で均質化処理を行い、続いて熱間圧延、冷間圧延、66.5%以上73.3%以下程度の圧下率の最終冷間圧延を順次行った後、160℃以上220℃以下の焼鈍温度で最終調質焼鈍を行った場合に、優れたキャップ用アルミニウム合金板を得ることができる。
以上説明したように、本発明のキャップ用アルミニウム合金板によれば、強度と成形性が良好であるとともに、異方性が低くなり、スクリュー部を有するボトル缶用のキャップを容易に成形することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態のキャップ用アルミニウム合金板は、Mg、Fe、Mn及びCrを含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなり、合金を溶製してから鋳造した後に、熱間圧延、冷間圧延及び所定の圧下率で最終冷間圧延され、更に均質化処理及び最終調質焼き鈍しされて得られたものであり、個々の結晶方位が異方性を示すものの、その異方性の程度が小さい集合組織を有するものである。
即ち、本実施形態のキャップ用アルミニウム合金板は、集合組織の結晶方位異方性を方位密度分布関数で評価した場合に、キューブ方位密度が9以下であり、かつβファイバに属する各方位の最大方位密度が15以下を示すものである。
また、このキャップ用アルミニウム合金板は、引張強度が190MPa以上290MPa以下の範囲であり、伸び率が2.0%以上を示すものである。
このキャップ用アルミニウム合金板は、Mg、Fe、Mn及びCrの含有率がそれぞれ、Mg:1.5質量%以上2.1質量%以下、Fe:0.4質量%以下、Mn:0.2質量%以下、Cr:0.2質量%以下の範囲であり、残部がAl及び不可避的不純物からなるものである。また、不純物として、0.3質量%以下のSi、0.3質量%以下のCu、0.2質量%以下のZn、0.1質量%以下のTiを含有していても良い。
次に、キャップ用アルミニウム合金板を特定する各パラメータの限定理由について説明する。
キューブ方位密度:9以下
キューブ方位は、結晶の〈100〉方向が圧延方向と平行になり、{001}面が圧延面に平行になる方位の略称である。アルミニウム合金板の組織中にこの方位成分を有する結晶が多くなってその方位密度が9を超えるものは、深絞り成形によるキャップ成形の際に、合金の圧延方向及び圧延方向に直交する方向に対応する位置に耳が発生してしまう。本発明では耳の発生を防ぐために、キューブ方位密度を9以下にした。これにより、圧延方向に対して0°、180°、±90°の方向で耳がほとんど発生しない。
βファイバに属する各方位の最大方位密度:15以下
βファイバは、結晶の〈110〉方向が板法線方向から圧延方向へ60°傾いた方向に平行する方位群の略称である。アルミニウム合金板の組織中にこの方位群成分を有する結晶が多くなって、その各方位の最大方位密度が15を超えるものは、深絞り成形によるキャップ成形の際に、圧延方向の±45°方向及び±135°方向に対応する位置に耳が発生してしまう。本発明ではこの耳の発生を防ぐために、βファイバの各方位の最大方位密度を15以下にした。これにより、圧延方向の±45°方向及び±135°方向で耳がほとんど発生しない。
引張強度:190MPa以上290MPa以下
引張強度が190MPa未満では、成型して得られたキャップの強度が不足するので好ましくない。また、引張強度が290MPaを超えると、成形性が低下し、キャップのスクリュー部の成形が困難になるので好ましくない。
伸び率:2.0%以上
伸びが2.0%未満では成形性が劣化し、キャップの成形が困難になるので好ましくない。
Mg:1.5質量%以上2.1質量%以下
Mgはアルミニウム合金板の強度を向上させる。Mgが1.5%未満では引張強度が低下する。また、Mgが2.1質量%を超えると塑性加工性が低下する。
特に、Mg量は、キャップ用アルミニウム合金板の製造時の圧下率、均質化温度及び最終調質焼鈍温度との関係で調整することが好ましい。例えば、Mgを1.9質量%以上2.1質量%以下の範囲にした場合は、均質化温度を520℃以上590℃以下の範囲とし、圧下率を66.5%以上73.3%以下の範囲とし、最終調質焼鈍温度を200℃以上260℃以下の範囲とした場合に、キューブ方位密度及びβファイバに属する各方位の最大方位密度をより小さくすることができ、合金の異方性をより低減できる。
また、Mgを1.5質量%以上1.7質量%以下の範囲にした場合には、均質化温度を520℃以上590℃以下の範囲とし、圧下率を66.5%以上73.3%以下の範囲とし、最終調質焼鈍温度を160℃以上220℃以下の範囲とした場合に、キューブ方位密度及びβファイバに属する各方位の最大方位密度をより小さくすることができ、合金の異方性をより低減できる。
Fe:0.4質量%以下
Feはアルミニウム合金板の強度を向上させる。しかし、Feが0.4質量%を超えると、鋳造時に粗大な化合物粒子が晶出し、塑性加工性及び成形性が劣化するので好ましくない。
Mn:0.2%質量以下、Cr:0.2質量%以下
MnとCrはどちらも再結晶粒を微細化させ、アルミニウム合金板の機械的性質、成形性を向上させる効果を有する。しかし、Mnが0.2質量%を超えると、βファイバに属する各方位の最大方位密度が高くなり、合金の異方性が増大するので好ましくない。またCrが0.2質量%を超えると、鋳造時に粗大な化合物粒子が晶出し、塑性加工性及び成形性が劣化するので好ましくない。
その他の不純物として、質量%で、Si:0.3%以下、Cu:0.3%以下、Zn:0.2%以下、Ti:0.1%以下は許容される。
上記のキャップ用アルミニウム合金板を成形することによって、有底円筒形状であって円周部にスクリュー部が設けられたボトル缶用のキャップが得られる。
上記構成のキャップ用アルミニウム合金板を用いてキャップを製造することにより、円周部の縁部から耳が発生することがなく、トリミング工程が不要となる。即ち、キューブ方位密度を9以下にすることにより、アルミニウム合金の圧延方向に対して0°、180°及び±90°の方向に耳が発生することがない。また、βファイバに属する各方位の最大方位密度を15以下にすることにより、アルミニウム合金の圧延方向に対して±45°及び±135°の方向に耳が発生することがない。
このため、耳の発生しなくなることによって材料のロスが少なくなり、またトリミング工程が不要になって工程を省力化できる。
次に、本実施形態のキャップ用アルミニウム合金板の製造方法について説明する。
キャップ用アルミニウム合金板の製造方法は、Mg、Fe、Mn及びCrの所定量を含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなる合金を、溶製してから鋳造した後に、450℃以上590℃以下の均質化温度で均質化処理を行い、続いて熱間圧延、冷間圧延、50%超80%以下の圧下率の最終冷間圧延を順次行った後、150℃以上300℃以下の焼鈍温度で最終調質焼鈍するという方法である。
この製造方法では、熱間圧延、冷間圧延及び最終冷間圧延後に、最終調質焼鈍を行うことにより、再結晶化を促進させると同時に、再結晶粒の結晶方位の異方性を小さくすることにより、合金自体の機械的な異方性を小さくすることができる。具体的には、先に説明した組成の合金を用いるとともに、均質化温度、圧下率及び最終調質焼鈍温度を制御することによって、結晶方位の異方性を小さくする。以下、製造条件について詳細に説明する。
均質化処理温度:450℃以上590℃以下
均質化処理は、鋳造時に生じた合金元素のミクロ偏析を無くす効果を持つ。具体的には、均質化処理を行ったアルミニウム合金板は、諸特性のばらつきが小さくなる。均質化処理温度が450℃未満ではミクロ偏析が残存し、諸特性のばらつきが大きくなって、キャップ用アルミニウム合金板の品質が低下する。また均質化温度が590℃を超えると、局部的に溶融が生じる危険性がある。よって、本発明では均質化処理温度を450℃以上590℃以下とした。
尚、均質化処理温度を保持する保持時間は、3〜10時間の範囲が好ましい。
最終冷間圧下率:50%超80%以下
冷間圧延は、強度を高める効果があるが、圧延率の増加とともにβファイバの方位密度が増加し、結晶組織の異方性が増大する。圧下率が50%以下では合金の強度が不十分となり、圧下率が80%を超えると、異方性が高くなる。よって、本発明では圧下率を50%超80%以下とした。
最終調質焼鈍温度:150℃以上300℃以下
最終調質焼鈍は、最終冷間圧下率に合わせて目標の機械的性質を得る役割を果たす。最終冷延後のアルミニウム合金板の強度は、室温で長期間放置すると若干低下する。また、塗装焼き付けを施した際に軟化が生じる。最終調質焼鈍はこのような強度の低下を防止する効果がある。最終調質焼鈍温度が150℃未満では、強度の低下防止の効果が不十分となり、300℃を超えると却って強度の低下が大きくなる。従って本発明では最終調質焼鈍温度を150℃以上300℃以下とした。
尚、最終調質焼鈍の加熱方式はバッチ式でも急速加熱方式でも良い。加熱時間はバッチ式では1〜15時間の範囲が良く、急速加熱方式では10〜120秒の範囲がよい。
本発明の製造方法は、低異方性を持ちながら、目的に合った機械的性質を有するキャップ用アルミニウム合金板を提供するものである。この目的を達成するためには、合金成分と製造条件とを別個に制御するのではなく、合金成分にあわせて、均質化処理、最終冷延、最終調質焼鈍の各工程を適切に制御することが望ましい。
例えば、Mgを1.9質量%以上2.1質量%以下の範囲にした場合は、均質化温度を520℃以上590℃以下の範囲とし、圧下率を66.5%以上73.3%以下の範囲とし、最終調質焼鈍温度を200℃以上260℃以下の範囲とすることが好ましい。
また、Mgを1.5質量%以上1.7質量%以下の範囲にした場合には、均質化温度を520℃以上590℃以下の範囲とし、圧下率を66.5%以上73.3%以下の範囲とし、最終調質焼鈍温度を160℃以上220℃以下の範囲とすることが好ましい。
また、最終調質焼鈍工程の前に、中間焼鈍工程を設けても良い。中間焼鈍温度は、合金成分を考慮して上で、少なくとも再結晶化温度以上にすることが望ましい。
Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn及びTiの所定量を含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなる合金を溶製し、スラブに鋳造した。次に、400℃〜580℃の均質化温度で4時間をかけて均質化処理を行った。続いて熱間圧延により板厚を6mmに調整した。続いて冷間圧延を行い、更に450℃の連続焼鈍炉に導入して中間焼鈍を行った。そして、47.8%〜82.5%の圧下率で最終冷間圧延を行った後、130℃〜330℃の焼鈍温度で4時間の最終調質焼鈍を行った。このようにして、実施例1〜9及び比較例1〜9のキャップ用アルミニウム合金板を製造した。アルミニウム合金の組成、均質化温度、最終冷間圧下率及び最終調質焼鈍温度を表1に示す。
このように作製したアルミニウム合金板のキューブ方位密度、βファイバの各方位の最大方位密度、引張強度、耐力、伸び率及び機械的強度の経時変化を測定した。結果を表2に示す。キューブ方位密度およびβファイバ方位密度は、X線回折装置で〈111〉、〈200〉、〈220〉の不完全極点図(中心から70°まで)を測定し、この不完全極点図から解析して求めた。また、機械的強度の経時変化の有無は、作製したアルミニウム合金板を25℃恒温機中に一年間放置した場合の耐力の変化幅で判断した。耐力が5%以上低下した場合を「不良」、5%未満の場合を「良」とした。
表1及び表2に示すように、実施例1〜比較例9のアルミニウム合金は、良好な特性を示しており、特にキューブ方位密度及びβファイバ方位密度が小さくなっており、深絞り成型を行った場合でも耳が発生しないことが分かる。
一方、比較例1についてはMg含有率が過剰であったために、引張強度及びキューブ方位密度がともに増大した。
また、比較例2についてはMg含有率が低すぎたために、引張強度が低下し、βファイバ方位密度が増大した。
次に、比較例3については圧下率が高すぎたために、βファイバ方位密度が増大した。また、比較例4については圧下率が低すぎたために、キューブ方位密度が増大した。
次に、比較例5についてはMn含有率が過剰であり、比較例6についてはCr含有率が過剰であったために、βファイバ方位密度がともに増大した。
次に、比較例7については均質化処理温度及び最終調質焼鈍温度がともに低すぎたために、βファイバ方位密度及び引張強度がともに増大し、経時変化が5%を越えて「不良」になった。
次に比較例8についてはCu含有率が過剰であったために、引張強度が増大した。更に比較例9については最終調質焼鈍温度が高すぎたために、引張強度が大幅に低下した。
Figure 2005126764
Figure 2005126764

Claims (4)

  1. Mg、Fe、Mn及びCrを含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなり、集合組織のキューブ方位密度が9以下であり、かつβファイバに属する各方位の最大方位密度が15以下であり、引張強度が190MPa以上290MPa以下の範囲であることを特徴とするキャップ用アルミニウム合金板。
  2. Mg、Fe、Mn及びCrの含有率がそれぞれ、Mg:1.5質量%以上2.1質量%以下、Fe:0.4質量%以下、Mn:0.2質量%以下、Cr:0.2質量%以下の範囲であり、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載のキャップ用アルミニウム合金板。
  3. 伸び率が2.0%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキャップ用アルミニウム合金板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のキャップ用アルミニウム合金板の製造方法であり、
    Mg、Fe、Mn及びCrを含有するとともに残部がAl及び不可避的不純物からなり、Mgが1.5質量%以上2.1質量%以下であり、Feが0.4質量%以下であり、Mn及びCrがそれぞれ0.2質量%以下の組成の合金を、溶製してから鋳造した後に、450℃以上590℃以下の均質化温度で均質化処理を行い、続いて熱間圧延、冷間圧延、50%超80%以下の圧下率の最終冷間圧延を順次行った後、150℃以上300℃以下の焼鈍温度で最終調質焼鈍を行うことを特徴とするキャップ用アルミニウム合金板の製造方法。

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