JP2005126653A - 油改質剤及び改質された油組成物 - Google Patents

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Abstract


【課題】低コストで安全性の高い、燃料油等を含む油の改質剤と、その改質剤を含有する油を提供する。
【解決手段】金属磁性粉末の超微粒子を油に対し重量比で0.1ppb〜1ppm含有するように希釈倍率を設定した油改質剤及び、金属磁性粉末の超微粒子を重量比で0.1ppb〜1ppm含有する燃料油を含む油組成物。

Description

本発明は、金属磁性粉末の超微粒子を重量比で0.01ppb〜1ppmの範囲内で添加することによる油改質剤及び改質された油組成物に関するものである。
金属磁性粉末としては鉄、コバルト、ニッケルなどの金属粉末やFeを主成分とするフェライト等の磁性酸化物は知られており、中でも、フェライトはその磁気的特性を利用して、幅広い分野で使用されている、例えば、マグネタイト粉末は、コピー機、プリンター、ファクシミリ等の現像剤として使用され、又、水、炭化水素、エステル、ジエステルなどの溶媒に不飽和脂肪酸等の界面活性剤で覆ったマグネタイトの一定範囲の粒径サイズを保有する超微粒子を高濃度に分散し金属磁性粉末の常磁性特性を利用した磁性流体が知られている。
燃料添加剤に関しては色々な金属元素を含む添加剤について研究がなされている。例えば、金属酸化物をボイラー燃料に添加し、燃焼により排出される硫黄酸化物や窒素酸化物を削減する方法は知られており、この理由として、酸化金属と火炎中の活性酸素との結合が促進され、更に安定な酸化物となり、従って、火炎中の活性酸素と活性硫黄及び活性窒素との結合が抑制されるとあるが、いずれも添加量は、金属酸化物として、0.01〜0.05重量%の添加量である(例えば特許文献1及び2)。
更に、ばいじん中の炭素量の削減、集塵効率の改善、排ガス中の硫黄酸化物や窒素酸化物を削減するために鉄酸化物よりなり、その粒度が1mμ以下のものが80%を占める燃料添加剤が知られているが、界面活性剤で水または油に分散し、燃料機関の配管途中で強制的に燃料油に投入する方法で添加量は100ppmでボイラーへの燃料投入の直前に添加する形態である(例えば、特許文献3)。これら従来の燃焼添加剤の燃料油に対する添加量は通常0.01−0.05%の添加量が必要であるため、連続使用していると灰分堆積の問題もあった。
また、磁気による液体の改質は知られている。例えば、水の場合水の物性に対する磁気の影響については、20世紀になって広く知られるようになった。この方法は水配管の途中に強力な磁石を設置し、配管を通過する水に磁気を与え、水のクラスターを小さくするという水の改質方法であり。又、燃料油の場合、燃料油の粒径が450−600nm程度の粒子であり、この場合、油分子が相互に結合した状態にあり粒径が大きく空気との接触面積が少いため、そのまま燃焼系で使用した場合、完全燃焼は達成されないためと理解されている。このため、燃料油が通過する配管部に強力な磁石を組みこんだ装置を設置し燃料粒子を細粒化し、燃焼効率を改善する方法が知られている(例えば、特許文献4)。しかし、磁気を使用して液体を改質する場合、効果のバラツキや装置の費用の問題があった。
特公昭56−15756号公報(第2頁、4欄、9−33行目、及び、第4−第6頁、実施例) 特公昭58−24478号公報(第2頁、4欄、6−13行目、及び、第4−第5頁、実施例) 特公平05−79117号公報(第2頁、3欄、40行目−第3頁、5欄、25行目、及び第4頁、7欄、4−6行目) 特開平6−248277号公報(第2頁、2欄、17−33行目)
本発明は金属磁性粉末が短磁区構造になったナノ微粒子ではその表面にN極とS極が現れ、超微粒子自体が一つの強力な磁石として機能する超強磁性特性が予見されている。また、超微粒子は溶媒中でもブラウン運動により、長期間沈降せず、浮遊する特性を利用し,金属磁性粉末の超微粒子を利用し、今まで知られていなかった、非常に微量の添加量で容易に油の改質をすることを課題とする。
金属磁性粉末の超微粒子を含有する微粉末,より好ましくは、その表面を酸化防止処理、例えば、脂肪酸で被覆、あるいは、有機物あるいは無機物を反応させ生成した化学膜で表面を覆い酸化防止処理を行った微粉末を、そのまま、あるいは、油との相溶性の良い有機物や、顔料のような無機物に配合し、超磁性体の超微粒子を油に0.1ppb〜1ppmの範囲内で添加し分散させる。
ここで、超微粒子とは通常粒径が100nm以下の超微粒子を言うが、本発明における、金属磁性粉末の超微粒子は、粒径が100nm以下、好ましくは30nm以下、であり、更に好ましくは粒径が10nm前後の球形状の強磁性超微粒子があり、このような条件に当てはまり入手可能な超微粒子としては、フェライト、金属酸化物複合体、鉄、コバルト、ニッケル等の金属やプラズマCVD法や気相−液相反応法で製造される窒化鉄などがある。
通常、このような超微粒子を油中に分散させるためには次の理由により、粒子の表面処理が必要である。磁性微粒子は一般的に親水性が強いため、そのままでは油中で凝集してしまい、あるいは磁性微粒子同志の磁気的吸引力が強いため水性媒体中で凝集してしまう。そのため、微粒子に親油性を付与する、あるいは、磁気微粒子の磁気的な吸引による凝集に対抗する反発力を付与するため表面処理を行う。又、強磁性をもった超微粒子は酸化されやすく、特に鉄、コバルト、ニッケル等の金属は空気と触れるだけでも直ちに酸化される、又、フェライト等の磁性酸化物の超微粒子も容易に酸化されるのを防止するため、通常、表面を界面活性剤で被覆したり、より、酸化防止機能の向上を計るため、超微粒子表面を有機物や無機物で化学的に反応させたり、膜を形成したりする表面処理を行い、酸化防止機能を付与する。
上記のような微粒子を色々な溶剤中に、20〜70%という高濃度で分散させた液体は磁性流体として、密封性の優れたシール剤として使用されている。粒子の磁気的相互作用やファン・デル・ワース力により粒子合体し凝集するのを防止するため、粒子の表面にオレイン酸等の界面活性剤を吸着させ、その弾性反発力を利用した各種の磁性流体が使用されており、特に、マグネタイトの微粒子を使用した磁性流体は良く知られている。
溶媒に不溶な超微粒子は溶媒中でブラウン運動を行ない、溶媒中を移動することは知られている。粒子径がある一定以下の超微粒子になると、ブラウン運動で溶媒中をランダムに動き回り長期間溶媒中に留まる。超微粒子をこのブラウン運動で長期間溶媒中に浮遊させるには、粒子の径と密度、それと、溶媒の粘度、密度、温度が関係するが、粒子径が非常に大きな因子となる。磁性流体は金属磁性粉末の超微粒子のブラウン運動を利用しているが、通常10〜30nm程度の範囲の粒径をもつ超微粒子が使用されている。
本発明者は
(1)超微粒子の金属酸化物を、より好ましくは、その表面を酸化防止剤や界面活性剤で覆う、あるいは、表面を化学処理し酸化防止処理を行ったものを、溶存酸素の少ない有機溶媒や油脂などの有機物中に配合した場合は、超微粒子は酸化されにくく、強磁性を維持し、さらに、超微粒子濃度を油中に1ppm以下の低濃度にすれば、金属磁性粉末の2次凝集も防止することが可能である。
(2)超微粒子が油中に存在した場合、超微粒子はブラウン運動を行う。超微粒子の沈降は油の粘度や密度、温度により異なるが、粒子が球形で粒子径が100nm以下、好ましくは、30nm以下、更に好ましくは、10nm前後であれば、この超微粒子はかなりの低粘度の溶媒中でも、溶媒分子の熱運動に支えられ、凝集や沈殿を起こすことなく安定なコロイドを形成する。又、更に長期間保管する場合は、超微粒子の表面を改質し、界面活性剤との密着性を改善したり、化学的に強固な膜を形成したり、不動態処理等でより長期的に安定なコロイドとする方法も知られている。
(3)金属磁性粉末の超微粒子で粒径が10nm程度の超微粒子を容易に得らえる金属磁性粉末がある。良く知られた方法としては、共沈法によるマグネタイト微粒子の製法があり、粒径10nm前後の球形状の超微粒子が得られる。又、金属磁性粉末微粒子で飽和磁化強度がマグネタイトより大きな材料成分としては、他の金属酸化物粒子やプラズマCVD法や気相−液相反応法による窒化鉄がある。表面を不動態被覆された平均粒径10m程度の窒化鉄の超微粒子も知られている
(4)金属磁性粉末の超微粒子の粒子一つ一つが強磁性をもつ磁石として機能し、ブラウン運動で活発に油中を動き回り、油粒子との衝突を繰り返すため、強磁性の超微粒子が移動する周辺の油の塊状粒子をほぐし細粒化すると考えられる。しかし、金属酸化物を燃料油に添加し燃焼改善を目的とした場合の添加率としては、通常添加剤の添加率は0.01〜0.05重量%程度であり、理論的にもこの程度の添加料は必要と考えられていたが、非常に微量な0.0001重量%以下(1ppm以下)という添加割合での効果は報告されていない。
(5)油の粘度が低い場合のブラウン運動は非常に活発であり、静置した状態の油中でも、超微粒子の運動により、油は改質される。このことは、燃料油を燃やした場合の燃焼効率を調べてみればよく、燃料油中に痕跡程度の金属磁性粉末微粒子を添加することで、燃費の改善が計れたかどうかを見れば判断できる。燃費が大幅に改善できれば、超強磁性微粒子の存在で燃費油の塊状粒子はほぐれ、燃焼しやすくなったと考えられる。
球形超微粒子の静止液体中での動きを見てみると、半径rの球形粒子が沈降する際の速度はストークスの抵抗則から、粘度ηの流体中でゆっくり動く球に働く抵抗力が速度vに比例し、その比例係数が6πηrで与えられ、粒子を上向きに支える抵抗力は6πηrvであり、下向きに働く(重力−浮力)は
Figure 2005126653
ρ1:粒子密度 ρ2;流体密度 g:重力
であり、粒子の重力から浮力と粒子の沈降抵抗力を差し引くと、超微粒子の場合、沈降の加速度が0になり、静止液体中の球形粒子は等速運動(終末沈降速度)でブラウン運動を起こす。等速運動の球形粒子の沈降速度に関してはこのストークスの抵抗則が成立するものとして、粒子の大きさと沈降速度を計算してみる。粒子径が小さい場合はこの計算値より、多少早い等速運動をすると言われているが、粒子径、粒子密度、流体の密度、粘度、温度等の条件により異なるが、粒子径を小さくすると液体中の滞留時間は粒子半径の2乗に反比例するので、水中にあるマグネタイト微粒子の沈降速度を計算で求めてみると、粒子径径1000nmでは沈降速度は2×10−6m/sで1cm沈降するのに1時間半程度だが、粒子径が100nmになると2×10−8m/sとなり1cm沈降するのに6日近く、粒子径が30nmだと60日にも及び、更に、粒径が10nmになると2×10−10m/sとなり、これは1cm沈降するのに600日近くを要するようになる。
微粒子の粒形を10nm前後に揃え、表面を新油性の化合物で覆い、油との親和力を高めれば、粒子はブラウン運動で長期間容器の底に沈降することなく、油の中をランダムに動き回り、油粒子と衝突を繰り返し、金属磁性粉末としての強い磁気により、油粒子を次々とほぐし粒子を細粒化し油の改質ができる。
この場合、超微粒子を含む金属磁性粉末の超微粉末を油に添加するに際しては、油の粘度が低いガソリンや灯油,軽油などの軽質油の場合は、油全体に対する重量比としては、1ppm以下の添加量で十分に効果があり、1ppm以上加えても相対的な効果の上昇は認められず、経済的でなく、特に長期間の使用した場合は、添加量が多いと灰分の蓄積はる詰まりのおそれなどで燃焼機関内に悪影響を与える恐れがある。このため、低粘度のガソリンや軽油等の燃料油に添加する微粒子としては、ナノ粒子であること、添加量が痕跡程度で効果の有る事が絶対の条件である。
低粘度の油へ超微粒子の添加量が1ppm以下であれば、個々の超微粒子の間隔は広いため会合による2次凝集も起きにくく、又、界面活性剤で覆った超微粒子のコロイド粒子は相互に反発し合っているため、より安定な状態を保つ。超微粒子を分散させる目的の有機物としては、添加する油との相溶性が良く常温で液体の有機溶媒か、あるいは、常温でゲル状あるいは固形だが、油に容易に溶解する有機化合物を選択すれば良く、あるいは、油に添加する顔料や充填剤のような無機物に混合した形体でも良い。
この場合好ましい有機化合物としては、毒性が少なく、添加する油と短時間に混合する有機溶媒が好ましく、燃料油に混合する場合は可燃性であり、燃焼により硫黄、窒素、ハロゲン等の酸化物を排出しない事等に適合する溶剤が好ましく。以上の条件より好ましい有機溶剤としては、ガソリン、ケロシン、軽油留分、潤滑油留分などの鉱油系溶媒、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、1−デセン、シクロヘキサン、シクロオクタン、イソパラフィン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、テトラリンなどの芳香族炭化水素溶剤、アルキルナフタレン、ポリαオレフインなどの合成炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、パーフルオロポリエーテルなどのエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、セロソルブアセテート、メトキシアセテートなどのアセテート系溶剤を単独で又は2種類以上混合した混合溶媒や、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パーム油、ヤシ油、植物硬化油、ラード、タロー、など油に相溶性のある固形油脂でも良く、更に油に添加する添加物として、例えば、ノニルフェノール、オクチルフェノルなどの界面活性剤、トリエタノールアミン、ラノリンなどの乳化剤、BHT,BHA,アルファトコフェノールなどの油溶性酸化防止剤、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、パラベンなどの防腐剤、サルチル酸、オルトフェニルフェノールなどの殺菌剤、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸などの変色防止剤その他色素、香料、紫外線防止剤などの有機物や、顔料、タルク、エアロジルなどの無機物でも油の添加物として使用可能なものであれば良い。
本発明の強磁性超微粒子を、有機溶媒や油脂などの稀釈剤に配合し、油の改質添加剤として、油全体に重量比で0.1ppb〜1ppmの範囲に添加する方法としては、一般的なこのような添加剤の取扱上好ましい添加量の範囲として考慮すれば良く、添加剤の添加量が油全体に対し0.000001〜10重量%、より好ましくは0.0001〜1重量%の範囲内が適切であり、有機溶剤、油脂などの有機物や顔料などの無機物に配合し、油としては、例えば、ガソリン、灯油、ジェット燃料、軽油、ナフサ、潤滑油、等の石油系油、又は、動植物油等で比較的低粘度の油に添加した方が効果的であり、この場合、低粘度とは、常温での粘度に限定せず、常温では粘度が高い油でも、加熱が可能であり、加熱により粘度が大幅に低下するような場合は加熱時に添加することで、超微粒子のブラウン運動は非常に活発になるので、粒子の細粒化による油改質が可能である。
共沈法で生成したマグネタイトの超微粒子を分散させるには、オレイン酸ナトリウムのような不飽和脂肪酸の界面活性剤で超微粒子の表面を覆うと大きな塊状になっているが、炭化水素系溶媒に分散すると良く分散する。この時、大きな粒子はろ過することにより取り除くことが可能である。また、余分の界面活性剤を取り除き、精製する場合は、マグネタイト微粉末を分散した炭化水素系の解こう溶媒に、溶媒と相溶性がある凝集溶媒を加え、超微粒子を凝集することで余分な界面活性剤を取り除くことができる。この場合、凝集溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルなどを、解こう溶媒に対し約0.5〜5倍量程度加え凝集させた後、ろ過しマグネタイト微粒子を有機溶媒から分離する。このようにして精製・分離したマグネタイト微粉末は10〜20nm径の超微粒子を平均径として含み、界面活性剤で金属磁性粉末微粒子の表面を被覆した磁性流体では、一般的に界面活性剤の親水基が金属磁性粉末微粒子の表面に向けて吸着され、疎水基が分散媒へ配向しており、これにより金属磁性粉末微粒子が安定に分散媒中に分散して界面活性剤として、分散作用を有するばかりではなく、高濃度に調製された磁性流体のような場合はゲル化が発生する迄の時間を大幅に延長させるような作用を有する。
界面活性剤として、分散作用を有し、強磁性微粒子との密着性にすぐれ、強磁性微粒子の酸化防止に優れ、強磁性超微粒子が溶媒中で、長期間安定なコロイドとして作用させるための優れた界面活性剤として、炭素数8〜30の飽和または不飽和高級脂肪酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の少なくとも1種類が用いられる。混合物として用いられる場合には、2種類以上の高級脂肪酸塩を任意の割合で混合したもの、あるいは数種類の高級脂肪酸塩を主成分として含んでいる市販品などを用いることができる。このような塩を形成する高級脂肪酸としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等が挙げられ、これら面活性剤で覆ったコロイド状のマグネタイト超微粒子は、炭化水素溶媒中での分散性に優れる。
共沈法以外では、粉砕法、スパークエロージョン法、熱分解法、紫外線分解法、真空蒸発法、電気分解法等で強磁性をもつ金属としては鉄、ニッケル、コバルト、又、Feを主成分のフェライトの超微粒子を生成する方法もある。
本発明の油改質方法はガソリンに使用し3年間にわたる乗用車による実車試験で、燃費効率とエンジン系統への影響を調べたころ、本発明の油改質法で改質したガソリンを使用し走行した場合は、通常の場合に比べガソリン燃費が10〜20%の範囲で節約できた。又,3年にわたる長期実車試験後も乗用車のエンジン音は非常に静かであり、マフラー出口部でのカーボンの付着も少なく、燃料の燃焼効率が改善されたことが判明し本発明を完成させた。
本発明で使用するフェライトは酸化物であり、添加量も微量であるため、燃料油で使用した場合、燃焼による有害物質の排出がなく、安全であり、環境への影響も少なく、その上、容易に入手可能であり、添加量がppm以下なので、低コストで油の改質が可能であり、資源の有効利用に貢献できる。
発明を実施するための最良の形態以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1
硫酸第一鉄0.1モルと塩化第二鉄0.1モルを各々精製水250mlに溶解しフラスコに入れ攪拌しながら2N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、混合液のpHを13とした。生成した黒色の懸濁液を加熱して90℃に保持し、毎時150リットルの空気を通じ、30分攪拌した後、オレイン酸ナトリウ厶2gを精製水200mlで溶解した液を攪拌しながら少しずつ加え、更に室温で30分間攪拌後、1N塩酸を少しずつ加え、液のpHを5.5とした。攪拌を止め、黒色沈殿物が底に沈殿後、微量の水をフラスコ壁面に流しつつ、反応液が、電導度水質計でTDSが100ppm以下になるまで水洗後、デカンテーションで純水と置換し、ろ過、アセトンで洗浄し、45℃で40時間乾燥し、オレイン酸で被覆したマグネタイトの超微粉末を得た。
製造例1で得られたオレイン酸を被覆したマグネタイト粉末0.1gをn−ヘキサン100mlに添加し攪拌した、赤黒く着色した液を一晩静置後、上澄みの10mlをガソリン50リットルに添加し走行試験を行った。乗用車はコロナプレミオ1.8LT、使用開始時の走行距離は購入後半年経過で6,750Kmであり、3年経過後は25,000Kmである。燃費の比較試験の場合は市内走行に限定し、高速道路を使用しない時の走行データを使用し、同一のガソリンスタンドで満タンに給油し、燃料のレベルゲージが一番下にきた時点で給油する。データは使用した場合と使用しない場合のデータ整合性をだすため、ほぼ同じルートを繰り返し走行した場合のデータを集計し比較した(表1)。
Figure 2005126653
添加量を5倍程度増やした場合は、燃費は多少アップするが、エンジン音が少し大きくなり気になる。又、添加量を1/10(上澄みの1mlをガソリン50リットルに添加)にした場合は燃費改善効果は、実施例1の添加量(上澄みの10mlをガソリン50リットルに添加)の7割から8割程度であった。添加量が1/100(0.1mlをガソリン50リットルに添加)にした場合は、燃費改善効果は2割から3割程度であった。
Figure 2005126653
添加後の走行では、アイドリング時及び走行中、特に100Km/h以上の速度で走行時は非常にエンジン音が静かであった。又、運転感覚的にアクセルペダルに足を乗せた感じが非常に軽やかで出足及び伸びがスムースに感じられた。
Figure 2005126653
添加以前は排気ガスの色が黒っぽかったが、添加後では、排気ガスの色は薄くなり、臭いも少なくなった。
灯油18リットルをプラスチック容器にいれ、この灯油に製造例1で得たマグネタイト0.1gを灯油100mlの溶解した溶液2mlを加え16時間放置後の動粘度、引火点及び流動点を測定した。
Figure 2005126653
動粘度:JIS K 2283 キャノン−フェンスケ粘度計、引火点:JIS K 2265 タグ密閉式、
流動点:JIS K 2269
灯油に本発明の金属磁性粉末の超微粒子を0.1ppm添加することで、灯油の物性に変化がみられる。

Claims (6)

  1. 金属磁性粉末の超微粒子を重量比で0.1ppb〜1ppmの範囲で油に添加する油改質方法。
  2. 金属磁性粉末の超微粒子を重量比で0.1ppb〜1ppmの範囲で含有する油組成物。
  3. 金属磁性粉末の超微粒子を重量比で0.1ppb〜1ppmの範囲で含有する軽質油組成物
  4. 金属磁性粉末の表面が酸化防止処理された請求項1乃至3の金属磁性粉末超微粒子。
  5. 金属磁性粉末として鉄・ニッケル・コバルト及びその化合物から選ばれる少なくとも1種を使用した請求項1乃至4の金属磁性粉末超微粒子。
  6. 金属磁性粉末としてフェライトを使用した請求項1乃至4の金属磁性粉末超微粒子。
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