JP2005125815A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リボン材2をタイヤの赤道面に対して傾斜したベルト材1上に複数回リボン巻きして形成した補強ベルト2を備えた空気入りタイヤにおいて、リボン材の補強を行う補強素子5として波形スチールモノフィラメントを用いると共に、その補強素子5の打ち込み密度をリボン材2のセンター部に対しその端部において粗とし、補強ベルトの最外端での補強を図るとともに、同時にタイヤの加硫時における膨張に追従できるように、そのスチールフィラメントの径dと補強材5の片振幅aとの比d/aを1.5以下とした。
【選択図】 図1
Description
この波状ベルトは内圧時に発生するベルト張力を殆ど全て負担し、かつ荷重負荷転動時においては、波状ベルトの幅方向の最外側の補強素子に大きな張力が付加されるため、最外側の補強素子が破断してしまうケースが発生する。
また、図3Bに示すリボン材は打ち込みの粗密がセンター部と端部とで均一なリボン材を模式的に示した図である。このリボン材により周方向ベルトを形成したときには、周方向ベルトの最外側補強素子に加わる張力は前記図3Aに示す場合よりも小さくなるが、張力低減効果は十分ではない。
このラジアルタイヤは、トレッドの耐久性を向上させて、トレッドショルダー部の早期摩耗を抑制することを目的に、カーカスのクラウン部の外周側で相互に交差して延在するそれぞれのスチールコードよりなる、少なくとも二層の傾斜ベルト層1b、2bと、それらの傾斜ベルト層のさらに外周側で実質的にタイヤ周方向に延在する波状スチールコード5bよりなる波状ベルト層3b、4bと、波状ベルト層4bの外周側にそれと同幅の保護ベルト層6を設け、この保護ベルト層6の外周側に配設したトレッド7bとを具え、少なくとも一層の波状ベルト層4bの、幅方向中央部分での波状スチールコード5bの打込み密度(例えば、0.28本/mm)を、その側端部分の打込み密度(例えば、0.55本/mm)より小さくしている(特許文献2参照)。
第2の目的は、そのような補強ベルトを簡易な構成で実現することである。
第3の目的は、そのような補強ベルト備えたラジアルタイヤの加硫時においてタイヤの伸張に補強ベルトが容易に追従できるようにすることである。
請求項2の発明は、上記リボン材の補強素子の単位幅当たりの断面積が、リボン材端でリボン材センタの1.1倍以上であることを特徴とする請求項1に記載された空気入りタイヤである。
請求項3の発明は、上記周方向ベルトの上記リボン材を構成する補強素子は波状でかつスチールモノフィラメントからなることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載された空気入りタイヤである。
請求項4の発明は、片振り幅a、フィラメント径をdとするとき、d/aが1.5以下であることを特徴とする請求項3に記載された空気入りタイヤである。
図1は本発明の空気入りタイヤの1実施形態を概略的に示す要部断面図である。図示の空気入りタイヤは、カーカス(図示せず)と、カーカス上に巻回して貼り付けたベルト材1と、ベルト材1上でリボン材2をそれぞれ赤道面に実質的に平行にかつ複数回リボン巻きして形成された2層の周方向ベルトと3、4と、周方向ベルト4上に設けた保護ベルト層6及びトレッド7とを備えている。ここでベルト材1は、少なくとも1枚のスチールコード又はスチールフィラメントからなりかつ赤道面に対して傾斜しており、かつ上記リボン材2を構成する補強素子は、例えば波状のスチールモノフィラメント4からなっている。
また、上記リボン材の補強素子5の密度は、リボン材のセンターで粗でかつリボン端で密とし、このリボン材をベルト材上で複数回巻回して周方向ベルトを形成し、それを2回行うことで前記2層の周方向ベルトを形成している。
本実施形態では、補強素子のリボン端での打ち込みを密にすることで最外側補強素子に加わる張力を大幅に低減するようにしている。
その断面積は以下で示す実施例についての試験結果から、リボン材の補強素子であるモノフィラメントの単位幅当たりの断面積をみると、リボン端で同センターでの前記断面積の1.1倍以上であると良好な結果が得られる。即ち、各実施例において使用するスチールモノフィラメントはφ0.6mmでリボン端及びセンターで同一であるから、この場合は、その単位長さ当たりの本数の比がモノフィラメントの単位巾当たりの断面積となる。これによれば、実施例(1)ではその比は1.4/1.35(約1.037)、同(2)、(3)では1.45/1.3(約1.12)であり、実施例(1)では後述のように周上で2箇所でスチールモノフィラメントの切断が観察されているから、これを考慮すれば、その比が1.1以上、つまりスチールモノフィラメントの単位巾当たりの断面積が、リボン材端でリボン材のセンターの1.1倍以上あれば切断が確実に生じないということが分かる。
なお、この場合、補強素子にコードを用いると、コードがフィラメントを撚って形成する構造であるため、コード内に必然的に空隙が生じ、その分断面積を増やすことができない。そこで、補強素子にモノフィラメントを用いることが望ましい。たた、その場合、モノフィラメントの径をdとし、その屈曲した波形の片振幅をaとしたときには、以下の試験結果(比較例(3)参照)から、前記モノフィラメントの単位巾当たりの断面積比が1.45/1.3(約1.12)で1.1を超えていても、d/aが1.5以上の時は、モノフィラメントの伸張に対する抵抗が大きくなり、加硫時にスムーズに伸びてくれないという問題があることが分かった。そのため、本発明ではモノフィラメントの径に対する波形の片振幅を相対的に大きくしてd/aを1.5以下にして、加硫での拡張に追随させることができるようにしている。
即ち、まず、比較例として、
タイヤサイズ:トラック・バス用扁平ラジアルタイヤ(435/45R225荷重56KN)
主張力層1ベルト:波状フィラメントφ0.6mm、振幅3mm、波長36mm、打ち込み27本/20mm、ほぼ0゜
主張力層2ベルト:波状フィラメントφ0.6mm、振幅3mm、波長36mm、打ち込み27本/20mm、ほぼ0゜
付加ベルト層1:右上がり52゜、スチールコード1+6x0.3424本/50mm、
付加ベルト層2:右上がり52゜、スチールコード1+6x0.3424本/50mm
走行ドラム条件:空気圧900kpa、速度60km/h、荷重56KNにおいて、5万km走行させ、波状ベルトの補強素子の切れ本数をタイヤを解剖することでチェックした。この結果は、比較例1に示すとおりである。本発明に係る空気入りタイヤの試験或いは他の比較例は、この比較例のタイヤを基準に、一部の構造を下記のものに置き換えて試験を行った。
(実施例)
5万キロ走行させた後全周を解剖し、補強素子の切れ本数を調べたところ、周上で2箇所の切れが発見されたが、そこからのセパレーションは発生していなかった。
このリボン材を補強材として使用したタイヤの走行試験を行った。
5万キロ走行させた後全周を解剖し、補強素子の切れ本数を調べたところ、全周で切れが発見されなかった。
このリボン材を補強材として使用したタイヤの走行試験を行った。
5万キロ走行させた後全周を解剖し、補強素子の切れ本数を調べたところ、全周で切れが発見されなかった。但し、この補強材を用いてタイヤを製造する際に、リボン材は加硫で伸びにくく、若干バックリングが発生したが、問題になるレベルではなかった。
(比較例)
このリボン材を補強材として使用したタイヤの走行試験を行った。
5万キロ走行させた後全周を解剖し、補強素子の切れ本数を調べたところ、周上で5箇所の切れており、そのうち1箇所でセパレーションが発生していた。
このリボン材を補強材として使用したタイヤの走行試験を行った。
5万キロ走行させた後全周を解剖し、補強素子の切れ本数を調べたところ、周上で12箇所の切れており、そのうち3箇所でセパレーションが発生していた。
このリボン材を補強材として使用したタイヤの走行試験を行った。
5万キロ走行させた後全周を解剖し、補強素子の切れ本数を調べたところ、全周上で切れがなかった。但し、加硫で伸びが十分でなく、バックリングが発生した。
なお、本発明において、リボン材の補強素子であるスチールモノフィラメントの屈曲形状は、図示の波形に限らず三角形波、矩形波、正弦波などその他の波形であってもよい。
Claims (4)
- カーカスと、
補強素子を備えたリボン材を赤道面に実質的に平行に複数回リボン巻きして形成された周方向ベルトと、
スチールコード又はスチールフィラメントからなり、かつ赤道面に対して傾斜した少なくとも1枚のベルト材と、
上記リボン材の補強素子の密度を、リボン材のセンター部で粗かつリボン端で密にしたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 上記リボン材の補強素子の単位幅当たりの断面積が、リボン材端でリボン材センターの1.1倍以上であることを特徴とする請求項1に記載された空気入りタイヤ。
- 上記リボン材を構成する補強素子は波状でかつスチールモノフィラメントからなることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載された空気入りタイヤ。
- 片振り幅a、フィラメント径をdとするとき、d/aが1.5以下であることを特徴とする請求項3に記載された空気入りタイヤ。
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