JP2005125604A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】過剰なインク量による記録画質の低下を抑制して記録画質を改善する。
【解決手段】図2に示すように2以上の基本色を色成分とする多色成分画素については、1色の基本色のみを色成分とする単色成分画素に使用するインクより濃度が高く、量が少ない濃色・小液滴で吐出することとした。また、図3に示すように周囲に色成分の無い画素(周囲無色成分画素)を有する多色成分画素については、自己の色成分をインク吐出時には周囲無色成分画素に振り分けることとした。但し、多色成分画素に対応する被記録媒体上の領域に少なくとも1色インクが着弾できるように行う。
【選択図】図2
【解決手段】図2に示すように2以上の基本色を色成分とする多色成分画素については、1色の基本色のみを色成分とする単色成分画素に使用するインクより濃度が高く、量が少ない濃色・小液滴で吐出することとした。また、図3に示すように周囲に色成分の無い画素(周囲無色成分画素)を有する多色成分画素については、自己の色成分をインク吐出時には周囲無色成分画素に振り分けることとした。但し、多色成分画素に対応する被記録媒体上の領域に少なくとも1色インクが着弾できるように行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、インクジェット記録装置に関するものである。
従来、包装材に印刷する分野では、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式が広く用いられている。
グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式では、製版工程が必要となるため小ロット印刷を行うにはコスト面で不利となる。
これに対し、所望の位置に逐次インクを着弾させるインクジェット記録方式では、製版工程がないため、少量生産にも好適に用いられる。
特に、紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録方式では、様々な被記録媒体に対して印刷可能であるので、包装材に印刷する分野でも実用性が高い。従来、ラジカル重合系のインクを用い、多量の紫外線を一括に照射するインクジェット記録装置が実用されている(特許文献1)。
しかし、インクジェット記録方式の需要を拡大するために、さらなる記録画質改善が求められる。
グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式では、製版工程が必要となるため小ロット印刷を行うにはコスト面で不利となる。
これに対し、所望の位置に逐次インクを着弾させるインクジェット記録方式では、製版工程がないため、少量生産にも好適に用いられる。
特に、紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録方式では、様々な被記録媒体に対して印刷可能であるので、包装材に印刷する分野でも実用性が高い。従来、ラジカル重合系のインクを用い、多量の紫外線を一括に照射するインクジェット記録装置が実用されている(特許文献1)。
しかし、インクジェット記録方式の需要を拡大するために、さらなる記録画質改善が求められる。
例えば、水性インクや油性インクを用いたインクジェット記録方式では、インクの大部分が被記録媒体内に吸収されて定着するが、専用の記録紙を用いても記録紙の受理限度を記録紙に着弾するインク量が超えてしまえばインクが溢れ記録画質を損ねてしまう。
また、紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録方式では、被記録媒体上に残留したインクが硬化し、ミクロの視点で観察するとインク着弾部分が隆起した状態で硬化すると考えられているが、そのため、画像のざらつきや凹凸、過剰な光沢が生じ記録画質を低下させる。本現象は特にインクを多量に着弾させた記録領域で顕著である。
また本現象は、基本色(例えばシアン,マゼンダ,イエロー,ブラック)のうち1色で表現される1次色よりも、2色以上の基本色の組合せで表現される2次色、3次色において顕著となるとともに、1次色と2、3次色との質感の差異が顕著となり、これらのことが記録画質の低下を招く。
特開2001−310454号公報
特許第3363773号公報
また、紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録方式では、被記録媒体上に残留したインクが硬化し、ミクロの視点で観察するとインク着弾部分が隆起した状態で硬化すると考えられているが、そのため、画像のざらつきや凹凸、過剰な光沢が生じ記録画質を低下させる。本現象は特にインクを多量に着弾させた記録領域で顕著である。
また本現象は、基本色(例えばシアン,マゼンダ,イエロー,ブラック)のうち1色で表現される1次色よりも、2色以上の基本色の組合せで表現される2次色、3次色において顕著となるとともに、1次色と2、3次色との質感の差異が顕著となり、これらのことが記録画質の低下を招く。
以上の記録画質低下の問題を解決するために、単位面積あたりのインク量が一定量に達すると、各色のインク量の比率に応じてインク量を減らす技術が一般的に用いられている(特許文献2)。
かかる技術では、記録画像の鮮明度の低下が懸念されるとともに、上述した1次色で記録される領域と2、3次色で記録される領域との間における、画像のざらつき感や凹凸感、光沢感等の差異を低減又は解消することができず、記録画質の改善が十分でない。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、過剰なインク量による記録画質の低下を抑制して記録画質を改善することを課題とする。
かかる技術では、記録画像の鮮明度の低下が懸念されるとともに、上述した1次色で記録される領域と2、3次色で記録される領域との間における、画像のざらつき感や凹凸感、光沢感等の差異を低減又は解消することができず、記録画質の改善が十分でない。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、過剰なインク量による記録画質の低下を抑制して記録画質を改善することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、複数の色(以下、「基本色」という。)のインクをそれぞれ別個に吐出可能なインクジェット方式の記録ヘッドを備え、基本色の組合せにより色彩表現するインクジェット記録装置において、
各基本色について濃度の異なる2種以上のインクと、
記録データについて、画素毎にその画素が1色の基本色のみを色成分とする画素(以下「単色成分画素」という。)であるか、2以上の基本色を色成分とする画素(以下「多色成分画素」という。)であるかを判別する画素色成分判別手段と、
前記画素色成分判別手段の判別結果に基づき、多色成分画素の全部又は一部について、多色成分画素の色成分に対応するインクであって該多色成分画素に着弾させるインクのうち少なくとも1色のインクが、単色成分画素の色成分に対応するインクであって該単色成分画素に着弾させる1色のインクよりも高濃度かつ少量となるように、前記濃度の異なる2種以上のインクから前記記録ヘッドに吐出させるインクを選択するとともに、前記記録ヘッドのインク吐出量を制御する記録ヘッド駆動制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
各基本色について濃度の異なる2種以上のインクと、
記録データについて、画素毎にその画素が1色の基本色のみを色成分とする画素(以下「単色成分画素」という。)であるか、2以上の基本色を色成分とする画素(以下「多色成分画素」という。)であるかを判別する画素色成分判別手段と、
前記画素色成分判別手段の判別結果に基づき、多色成分画素の全部又は一部について、多色成分画素の色成分に対応するインクであって該多色成分画素に着弾させるインクのうち少なくとも1色のインクが、単色成分画素の色成分に対応するインクであって該単色成分画素に着弾させる1色のインクよりも高濃度かつ少量となるように、前記濃度の異なる2種以上のインクから前記記録ヘッドに吐出させるインクを選択するとともに、前記記録ヘッドのインク吐出量を制御する記録ヘッド駆動制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
したがって請求項1記載の発明によれば、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインクの少なくとも1色が、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域のインクよりも高濃度で少量となる。そのため、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域の各インクが、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域のインクと同量である場合に比較すると、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインクの総量と被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域のインクの総量との差は小さくなる。
しかるに、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域、即ち、上述した1次色で記録される領域と、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域、すなわち、上述した2、3次色で記録される領域との間における、インク量の差が小さくなり、過剰なインク量による記録画質の低下を抑制し、記録画質を改善することができる。
しかるに、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域、即ち、上述した1次色で記録される領域と、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域、すなわち、上述した2、3次色で記録される領域との間における、インク量の差が小さくなり、過剰なインク量による記録画質の低下を抑制し、記録画質を改善することができる。
請求項2記載の発明は、一の多色成分画素の周囲の色成分の無い画素(以下「周囲無色成分画素」という。)があるか否か判別する周囲画素無色判別手段を備え、
前記記録ヘッド駆動制御手段は、前記周囲画素無色判別手段の判別結果に基づき、周囲無色成分画素を有する多色成分画素について、その色成分のうち1色成分に対応するインク又は該多色成分画素の色成分数から1減じた数を超えない2以上の色成分にそれぞれ対応するインクを、前記一の多色成分画素に着弾せず、その周囲無色成分画素に1色成分ずつ着弾させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置である。
前記記録ヘッド駆動制御手段は、前記周囲画素無色判別手段の判別結果に基づき、周囲無色成分画素を有する多色成分画素について、その色成分のうち1色成分に対応するインク又は該多色成分画素の色成分数から1減じた数を超えない2以上の色成分にそれぞれ対応するインクを、前記一の多色成分画素に着弾せず、その周囲無色成分画素に1色成分ずつ着弾させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置である。
したがって請求項2記載の発明によれば、周囲無色成分画素を有さない多色成分画素については、請求項1記載の発明と同様に、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインクの少なくとも1色が、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域のインクよりも高濃度で少量となる。そのため、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域の各インクが、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域のインクと同量である場合に比較すると、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインクの総量と被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域のインクの総量との差は小さくなる。
さらに請求項2記載の発明によれば、周囲無色成分画素を有する多色成分画素については、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインク色数が減少し、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインクの総量と被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域のインクの総量との差は小さくなる。一方、無色成分画素については1色成分ずつインクを着弾させるので、過剰なインク量とならず、全体としてインクの局所集中が緩和される。
しかるに、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域、即ち、上述した1次色で記録される領域と、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域、すなわち、上述した2、3次色で記録される領域との間における、インク量の差が小さくなり、過剰なインク量による記録画質の低下を抑制し、記録画質を改善することができる。
さらに請求項2記載の発明によれば、周囲無色成分画素を有する多色成分画素については、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインク色数が減少し、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインクの総量と被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域のインクの総量との差は小さくなる。一方、無色成分画素については1色成分ずつインクを着弾させるので、過剰なインク量とならず、全体としてインクの局所集中が緩和される。
しかるに、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域、即ち、上述した1次色で記録される領域と、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域、すなわち、上述した2、3次色で記録される領域との間における、インク量の差が小さくなり、過剰なインク量による記録画質の低下を抑制し、記録画質を改善することができる。
請求項3記載の発明は、前記周囲画素無色判別手段は一の多色成分画素からいずれかの離れる方向に並ぶ2以上の画素を含んだ周囲にある各画素が前記一の多色成分画素の周囲無色成分画素であるか否か判別し、
記録ヘッド駆動制御手段は、インクを着弾させる周囲無色成分画素として前記一の多色成分画素から最も離れた周囲無色成分画素を選択することを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置である。
記録ヘッド駆動制御手段は、インクを着弾させる周囲無色成分画素として前記一の多色成分画素から最も離れた周囲無色成分画素を選択することを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置である。
したがって請求項3記載の発明によれば、インクが着弾する周囲無色成分画素に対応する領域が、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域から遠くなる分、インクの局所的集中をより高度に緩和することができるため、過剰なインク量による記録画質の低下を抑制し、記録画質を改善する効果がより高まることとなる。
請求項4記載の発明は、前記記録ヘッド駆動制御手段は、周囲無色成分画素を有する多色成分画素の色成分のうち該多色成分画素の色成分数から1減じた数の色成分にそれぞれ対応するインクを、該多色成分画素に着弾せず、その周囲無色成分画素に1色成分ずつ着弾させることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置である。
したがって請求項4記載の発明によれば、3以上の色成分からなる多色成分画素であっても、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域のインクが1色となり、2色成分の多色成分画素と同レベルにインクの局所集中を緩和できる。
請求項5記載の発明は、前記インクは、エネルギー線が照射されると硬化する特性のインクであり、
被記録媒体上に着弾したインクにエネルギー線を照射する手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
被記録媒体上に着弾したインクにエネルギー線を照射する手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
したがって請求項5記載の発明によれば、光や電子線などのエネルギー線をインクに照射してインクを硬化させるタイプのインクジェット記録方式において、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡を抑制し、記録画質を改善することができる。
上述したように本発明によれば、被記録媒体上で単色成分画素に対応する領域、即ち、上述した1次色で記録される領域と、被記録媒体上で多色成分画素に対応する領域、すなわち、上述した2、3次色で記録される領域との間における、インク量の差が小さくなり、過剰なインク量による記録画質の低下を抑制し、記録画質を改善することができるという効果がある。
水性や油性のリキッドインクを用いる場合は、インク溢れによるにじみ等の記録画質の低下を抑制し、記録画質を改善することができるという効果がある。
光や電子線などのエネルギー線が照射されると硬化する特性のインクを用いる場合は、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡を抑制し、記録画質を改善することができるという効果がある。
水性や油性のリキッドインクを用いる場合は、インク溢れによるにじみ等の記録画質の低下を抑制し、記録画質を改善することができるという効果がある。
光や電子線などのエネルギー線が照射されると硬化する特性のインクを用いる場合は、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡を抑制し、記録画質を改善することができるという効果がある。
以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
図1は本発明の一実施形態のインクジェット記録装置の要部ブロック図である。図2,図3は画素マトリックスの一例を示す図である。
図1は本発明の一実施形態のインクジェット記録装置の要部ブロック図である。図2,図3は画素マトリックスの一例を示す図である。
図1に示すように本実施形態のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド1と、紫外線照射装置2と、インクタンク3と、データ処理・駆動制御装置4とを備えて構成される。
インクジェットヘッド1は、複数の吐出口からインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドであり周知のものを用いるが、本実施形態では本発明を実施するために小液滴と大液滴を吐出することができるものを用いる。
本実施形態において用いるインクは紫外線硬化型インクであり、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを基本色として用い、各基本色について濃度2種、計8種のインクを用いる。これら8種のインクは8つのインクタンク3にそれぞれ収めている。各インクタンク3は、相互に独立の供給路によってインクジェットヘッド1に接続されている。例えば、インクジェットヘッド1は8つのインクタンク3にそれぞれ対応して8つ設けられる。
各インクタンク3から供給される各インクはデータ処理・駆動制御装置4によって制御されたインクジェットヘッド1によりそれぞれ別個に選択的に吐出される。
以上の構成に加え、周知のようにインクジェットヘッド1の走査手段や被記録媒体9の搬送手段を設けてインク滴を被記録媒体9上の所望の位置に着弾させる。
本実施形態において用いるインクは紫外線硬化型インクであり、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを基本色として用い、各基本色について濃度2種、計8種のインクを用いる。これら8種のインクは8つのインクタンク3にそれぞれ収めている。各インクタンク3は、相互に独立の供給路によってインクジェットヘッド1に接続されている。例えば、インクジェットヘッド1は8つのインクタンク3にそれぞれ対応して8つ設けられる。
各インクタンク3から供給される各インクはデータ処理・駆動制御装置4によって制御されたインクジェットヘッド1によりそれぞれ別個に選択的に吐出される。
以上の構成に加え、周知のようにインクジェットヘッド1の走査手段や被記録媒体9の搬送手段を設けてインク滴を被記録媒体9上の所望の位置に着弾させる。
紫外線照射装置2は、インクジェットヘッド1から吐出され被記録媒体9に付着したインクを硬化させる紫外線を発する光源として半導体レーザや発光ダイオードを備えて構成される。光源として蛍光灯を用いても良い。
データ処理・駆動制御装置4は、コンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムとで構成できるほか周知の技術で構成するが、IC、アナログ回路等ハードウエア構成は問わない。データ処理・駆動制御装置4は、画素色成分判別手段5と、周囲画素無色判別手段6と、制御駆動手段7とを有する。但し、これらの名称やブロック分けに拘泥することなくその機能を実質的に構成すれば本発明を実施できる。
画素色成分判別手段5は、入力された記録データについて、画素毎にその画素が1色の基本色のみを色成分とする画素(「単色成分画素」という。)であるか、2以上の基本色を色成分とする画素(「多色成分画素」という。)であるかを判別し、判別結果を示す信号を周囲画素無色判別手段6及び制御駆動手段7に出力する。
周囲画素無色判別手段6は、入力された記録データについて、画素色成分判別手段5の判別結果に基づき、一の多色成分画素の周囲の色成分の無い画素(「周囲無色成分画素」という。)があるか否か判別し、判別結果を示す信号を制御駆動手段7に出力する。
制御駆動手段7は、入力された記録データ、画素色成分判別手段5及び周囲画素無色判別手段6の判別結果に基づき、インクジェットヘッド1によるインク吐出タイミング、インクを吐出させるインク吐出口の選択、インク吐出量を制御する。これにより本実施形態のインクジェット記録装置は、被記録媒体9上に基本色(C,M,Y,K)の組合せにより色彩表現された画像を描画する。
周囲画素無色判別手段6は、入力された記録データについて、画素色成分判別手段5の判別結果に基づき、一の多色成分画素の周囲の色成分の無い画素(「周囲無色成分画素」という。)があるか否か判別し、判別結果を示す信号を制御駆動手段7に出力する。
制御駆動手段7は、入力された記録データ、画素色成分判別手段5及び周囲画素無色判別手段6の判別結果に基づき、インクジェットヘッド1によるインク吐出タイミング、インクを吐出させるインク吐出口の選択、インク吐出量を制御する。これにより本実施形態のインクジェット記録装置は、被記録媒体9上に基本色(C,M,Y,K)の組合せにより色彩表現された画像を描画する。
次に、記録データにつき説明する。記録データは、各画素についてC,M,Y,Kそれぞれにつき色成分とするか否か2値信号により構成される。
図2(a)、図3(a)に記録データのサンプルを図式的に示す。図2(a)は、4×6の画素マトリックスであり、例えば、画素(1,a)はシアン(C)を色成分としていることを示す。画素(2,c)はシアン(C)とマゼンダ(M)を色成分としていることを示す。画素(3,e)はマゼンダ(M)を色成分としていることを示す。
図3(a) は、4×5の画素マトリックスであり、例えば、画素(1,a)は色成分が無いことを示す。画素(2,a)はシアン(C)とマゼンダ(M)を色成分としていることを示す。画素(4,e)はシアン(C)を色成分としていることを示す。
図2(a)、図3(a)に記録データのサンプルを図式的に示す。図2(a)は、4×6の画素マトリックスであり、例えば、画素(1,a)はシアン(C)を色成分としていることを示す。画素(2,c)はシアン(C)とマゼンダ(M)を色成分としていることを示す。画素(3,e)はマゼンダ(M)を色成分としていることを示す。
図3(a) は、4×5の画素マトリックスであり、例えば、画素(1,a)は色成分が無いことを示す。画素(2,a)はシアン(C)とマゼンダ(M)を色成分としていることを示す。画素(4,e)はシアン(C)を色成分としていることを示す。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置の動作例につき流れに沿って説明する。
データ処理・駆動制御装置4が図2(a)に示す記録データの記録出力の指示を受けたとする。
すると、データ処理・駆動制御装置4は記録データを読み込む。
次に、画素色成分判別手段5が画素毎に単色成分画素であるか、多色成分画素であるかを判別する。画素色成分判別手段5は判別結果として、画素(1,a)(1,b)(1,e)(1,f)(2,a)(2,b)(2,e)(2,f)(3,a)(3,b)(3,e)(3,f)(4,a)(4,b)(4,e)(4,f)が単色成分画素であり、画素(1,c)(1,d)(2,c)(2,d)(3,c)(3,d)(4,c)(4,d)が多色成分画素であることを示す信号を生成し周囲画素無色判別手段6及び制御駆動手段7に出力する。
データ処理・駆動制御装置4が図2(a)に示す記録データの記録出力の指示を受けたとする。
すると、データ処理・駆動制御装置4は記録データを読み込む。
次に、画素色成分判別手段5が画素毎に単色成分画素であるか、多色成分画素であるかを判別する。画素色成分判別手段5は判別結果として、画素(1,a)(1,b)(1,e)(1,f)(2,a)(2,b)(2,e)(2,f)(3,a)(3,b)(3,e)(3,f)(4,a)(4,b)(4,e)(4,f)が単色成分画素であり、画素(1,c)(1,d)(2,c)(2,d)(3,c)(3,d)(4,c)(4,d)が多色成分画素であることを示す信号を生成し周囲画素無色判別手段6及び制御駆動手段7に出力する。
次に、周囲画素無色判別手段6が、一の多色成分画素について周囲無色成分画素があるか否か判別する。周囲画素無色判別手段6は画素色成分判別手段5が判別したすべての多色成分画素につき判別する。周囲画素無色判別手段6は判別結果として多色成分画素(1,c)(1,d)(2,c)(2,d)(3,c)(3,d)(4,c)(4,d)のそれぞれについて周囲無色成分画素が無いことを示す信号を生成し制御駆動手段7に出力する。
画素色成分判別手段5の判別結果と周囲画素無色判別手段6の判別結果を受けた制御駆動手段7は、被記録媒体9上の各画素に対応する各領域に吐出するインクの濃度、吐出量を次のように決定し、インクジェットヘッド1の動作を制御する。
図2(b)に示すように、シアン単色成分画素(1,a)(1,b)(2,a)(2,b)(3,a)(3,b)(4,a)(4,b)については、シアンの淡色インクを大液滴で吐出する。
マゼンダ単色成分画素(1,e)(1,f)(2,e)(2,f)(3,e)(3,f)(4,e)(4,f)については、マゼンダの淡色インクを大液滴で吐出する。
シアン−マゼンダの多色成分画素(1,c)(1,d)(2,c)(2,d)(3,c)(3,d)(4,c)(4,d)については、シアンの濃色インクを小液滴で、マゼンダの濃色インクを小液滴で吐出する。
図2(b)に示すように、シアン単色成分画素(1,a)(1,b)(2,a)(2,b)(3,a)(3,b)(4,a)(4,b)については、シアンの淡色インクを大液滴で吐出する。
マゼンダ単色成分画素(1,e)(1,f)(2,e)(2,f)(3,e)(3,f)(4,e)(4,f)については、マゼンダの淡色インクを大液滴で吐出する。
シアン−マゼンダの多色成分画素(1,c)(1,d)(2,c)(2,d)(3,c)(3,d)(4,c)(4,d)については、シアンの濃色インクを小液滴で、マゼンダの濃色インクを小液滴で吐出する。
以上により図2(b)に示すようにインク着弾時の被記録媒体9上のイメージが完成する。図2(c)に示すように、インクの拡散、紫外線による硬化後シアン、ブルー、マゼンダの3色の色彩が被記録媒体9上に定着する。
以上のように、多色成分画素におけるシアンのインク量、マゼンダのインク量をそれぞれ単色成分画素におけるインク量より少量とする。
仮に、多色成分画素における各色のインク量を単色成分画素におけるインク量と同量とすると、多色成分画素におけるインク量が単色成分画素のインク量の2倍で過多となり、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態によれば、多色成分画素におけるシアンのインク量、マゼンダのインク量をそれぞれ単色成分画素におけるインク量より少量としているので、多色成分画素においてインク量が過多とならず、単色成分画素のインク量との差も小さくなり、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡が抑制される。また、インク量が少なくなる分、濃いインクを使用しているので、視覚上のブルーの濃さは遜色なく表現できる。
多色成分画素におけるシアン及びマゼンダのうち少なくとも一色につきインク量を単色成分画素におけるインク量より少量とすれば、有効な効果が得られる。
シアン−マゼンダ−イエローの多色成分画素についても同様に、少なくとも一色につきインク量を単色成分画素におけるインク量より少量とする。
以上のように、多色成分画素におけるシアンのインク量、マゼンダのインク量をそれぞれ単色成分画素におけるインク量より少量とする。
仮に、多色成分画素における各色のインク量を単色成分画素におけるインク量と同量とすると、多色成分画素におけるインク量が単色成分画素のインク量の2倍で過多となり、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態によれば、多色成分画素におけるシアンのインク量、マゼンダのインク量をそれぞれ単色成分画素におけるインク量より少量としているので、多色成分画素においてインク量が過多とならず、単色成分画素のインク量との差も小さくなり、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡が抑制される。また、インク量が少なくなる分、濃いインクを使用しているので、視覚上のブルーの濃さは遜色なく表現できる。
多色成分画素におけるシアン及びマゼンダのうち少なくとも一色につきインク量を単色成分画素におけるインク量より少量とすれば、有効な効果が得られる。
シアン−マゼンダ−イエローの多色成分画素についても同様に、少なくとも一色につきインク量を単色成分画素におけるインク量より少量とする。
次に、データ処理・駆動制御装置4が図3(a)に示す記録データの記録出力の指示を受けた場合につき説明する。
データ処理・駆動制御装置4が図3(a)に示す記録データの記録出力の指示を受ける。
すると、データ処理・駆動制御装置4は記録データを読み込む。
次に、画素色成分判別手段5が画素毎に単色成分画素であるか、多色成分画素であるかを判別する。画素色成分判別手段5は判別結果として、画素(1,e)(4,c)が単色成分画素であり、画素(2,a)(4,a)が多色成分画素であることを示す信号を生成し周囲画素無色判別手段6及び制御駆動手段7に出力する。
データ処理・駆動制御装置4が図3(a)に示す記録データの記録出力の指示を受ける。
すると、データ処理・駆動制御装置4は記録データを読み込む。
次に、画素色成分判別手段5が画素毎に単色成分画素であるか、多色成分画素であるかを判別する。画素色成分判別手段5は判別結果として、画素(1,e)(4,c)が単色成分画素であり、画素(2,a)(4,a)が多色成分画素であることを示す信号を生成し周囲画素無色判別手段6及び制御駆動手段7に出力する。
次に、周囲画素無色判別手段6が、一の多色成分画素について周囲無色成分画素があるか否か判別する。周囲画素無色判別手段6は画素色成分判別手段5が判別したすべての多色成分画素につき判別する。
周囲画素無色判別手段6は、一の多色成分画素からいずれかの離れる方向に並ぶ2以上の画素を含んだ周囲にある各画素が前記一の多色成分画素の周囲無色成分画素であるか否か判別する。例えば、多色成分画素(2,a)から、図面上右方向に離れる2つの画素(2,b)(2,c)や、右斜め上方向に離れる2つの画素(2,b)(1,c)或いは(1,b)(1,c)を含むように、画素(1,a)(1,b)(1,c)(2,b)(2,c)を多色成分画素(2,a)の周囲画素として判別する。
同様に、画素(3,a)(3,b)(3,c)(4,b)(4,c)を多色成分画素(4,a)の周囲画素として判別する。
周囲画素無色判別手段6は判別結果として多色成分画素(2,a)については画素(1,a)(1,b)(1,c)(2,b)(2,c)が周囲無色成分画素であることを、多色成分画素(4,a)については画素(3,a)(3,b)(3,c)(4,b)(4,c)が周囲無色成分画素であることを示す信号を生成し制御駆動手段7に出力する。
周囲画素無色判別手段6は、一の多色成分画素からいずれかの離れる方向に並ぶ2以上の画素を含んだ周囲にある各画素が前記一の多色成分画素の周囲無色成分画素であるか否か判別する。例えば、多色成分画素(2,a)から、図面上右方向に離れる2つの画素(2,b)(2,c)や、右斜め上方向に離れる2つの画素(2,b)(1,c)或いは(1,b)(1,c)を含むように、画素(1,a)(1,b)(1,c)(2,b)(2,c)を多色成分画素(2,a)の周囲画素として判別する。
同様に、画素(3,a)(3,b)(3,c)(4,b)(4,c)を多色成分画素(4,a)の周囲画素として判別する。
周囲画素無色判別手段6は判別結果として多色成分画素(2,a)については画素(1,a)(1,b)(1,c)(2,b)(2,c)が周囲無色成分画素であることを、多色成分画素(4,a)については画素(3,a)(3,b)(3,c)(4,b)(4,c)が周囲無色成分画素であることを示す信号を生成し制御駆動手段7に出力する。
画素色成分判別手段5の判別結果と周囲画素無色判別手段6の判別結果を受けた制御駆動手段7は、被記録媒体9上の各画素に対応する各領域に吐出するインクの濃度、吐出量、インクの位置を次のように決定し、インクジェットヘッド1の動作を制御する。
図3(b)に示すように、シアン単色成分画素(4,e)については、シアンの淡色インクを大液滴で吐出する。
マゼンダ単色成分画素(1,e)については、マゼンダの淡色インクを大液滴で吐出する。
シアン−マゼンダの多色成分画素(2,a)については、色成分シアン,マゼンダのうちシアンにつき大液滴の淡色インクで自己画素(2,a)に吐出し、マゼンダにつき大液滴の淡色インクで周囲無色成分画素のうち最も自己画素(2,a)から離れた画素(1,c)に吐出する。
シアン−マゼンダの多色成分画素(4,a)については、色成分シアン,マゼンダのうちシアンにつき大液滴の淡色インクで自己画素(4,a)に吐出し、マゼンダにつき大液滴の淡色インクで周囲無色成分画素のうち最も自己画素(4,a)から離れた画素(3,c)に吐出する。
図3(b)に示すように、シアン単色成分画素(4,e)については、シアンの淡色インクを大液滴で吐出する。
マゼンダ単色成分画素(1,e)については、マゼンダの淡色インクを大液滴で吐出する。
シアン−マゼンダの多色成分画素(2,a)については、色成分シアン,マゼンダのうちシアンにつき大液滴の淡色インクで自己画素(2,a)に吐出し、マゼンダにつき大液滴の淡色インクで周囲無色成分画素のうち最も自己画素(2,a)から離れた画素(1,c)に吐出する。
シアン−マゼンダの多色成分画素(4,a)については、色成分シアン,マゼンダのうちシアンにつき大液滴の淡色インクで自己画素(4,a)に吐出し、マゼンダにつき大液滴の淡色インクで周囲無色成分画素のうち最も自己画素(4,a)から離れた画素(3,c)に吐出する。
以上により図3(b)に示すように被記録媒体9上のイメージが完成する。
以上のように、多色成分画素におけるマゼンダをインク吐出時には周囲の無色成分画素に振り分けた。
仮に、多色成分画素における各色のインク量を単色成分画素におけるインク量と同量として、多色成分画素の色成分に対応するインクを該多色成分画素に吐出すると、多色成分画素におけるインク量が単色成分画素のインク量の2倍で過多となり、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態によれば、多色成分画素におけるマゼンダをインク吐出時には周囲の無色成分画素に振り分けるので、多色成分画素においてインク量が過多とならず、単色成分画素のインク量との差も小さくなり、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡が抑制される。
シアン−マゼンダ−イエローの多色成分画素についても同様に、少なくとも一色につきインク吐出時には周囲の無色成分画素に振り分ける。2色を振り分ける場合には、異なる周囲無色成分画素に振り分け1画素に1色成分ずつ着弾させる。
nを3以上の整数としたとき、1色成分、又はn色の多色成分画素については色成分数nから1減じた数(n−1)を超えない2以上の色成分にそれぞれ対応するインクを、自己画素に着弾せず、その周囲無色成分画素に1色成分ずつ着弾させる。すなわち、この振り分けは、多色成分画素に対応する被記録媒体上の領域に少なくとも1色インクが着弾できるように行う。
以上のように、多色成分画素におけるマゼンダをインク吐出時には周囲の無色成分画素に振り分けた。
仮に、多色成分画素における各色のインク量を単色成分画素におけるインク量と同量として、多色成分画素の色成分に対応するインクを該多色成分画素に吐出すると、多色成分画素におけるインク量が単色成分画素のインク量の2倍で過多となり、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態によれば、多色成分画素におけるマゼンダをインク吐出時には周囲の無色成分画素に振り分けるので、多色成分画素においてインク量が過多とならず、単色成分画素のインク量との差も小さくなり、画像のざらつき感、凹凸感、光沢感等の質感の低下や、1次色と2、3次色との質感の不均衡が抑制される。
シアン−マゼンダ−イエローの多色成分画素についても同様に、少なくとも一色につきインク吐出時には周囲の無色成分画素に振り分ける。2色を振り分ける場合には、異なる周囲無色成分画素に振り分け1画素に1色成分ずつ着弾させる。
nを3以上の整数としたとき、1色成分、又はn色の多色成分画素については色成分数nから1減じた数(n−1)を超えない2以上の色成分にそれぞれ対応するインクを、自己画素に着弾せず、その周囲無色成分画素に1色成分ずつ着弾させる。すなわち、この振り分けは、多色成分画素に対応する被記録媒体上の領域に少なくとも1色インクが着弾できるように行う。
例えば、図2(a)に示した記録データと図3(a)に示した記録データとが混在した記録データを印刷することもある。
この場合、周囲無色成分画素を有する多色成分画素については、図3(a)に示した記録データと同様に色成分の振り分け処理を優先して行い、周囲無色成分画素を有さない多色成分画素については、図2(a)に示した記録データと同様に小液滴の濃色インクで自己画素に吐出する。
この場合、周囲無色成分画素を有する多色成分画素については、図3(a)に示した記録データと同様に色成分の振り分け処理を優先して行い、周囲無色成分画素を有さない多色成分画素については、図2(a)に示した記録データと同様に小液滴の濃色インクで自己画素に吐出する。
以上の実施形態では、小液滴と大液滴のインク液滴を吐出できるインクジェットヘッドを用いたが、液滴の大きさを選択できないインクジェットヘッドを用いる場合には、液滴数を変化させて本発明のインク吐出量の制御を行えばよい。例えば、上記実施形態において小液滴とした画素ではインク液滴を1つとし、大液滴とした画素ではインク液滴を2つにするという具合に実施すればよい。
次に、本発明の実施形態として採用可能な技術事項につき項を分けて説明する。
<射出量>
1ドットあたりの射出量(吐出量)は2pl(ピコリットル)〜20plである。好ましくは4pl〜10plである。1ドットあたり20plを超えると高精細印字が難しく、また、1ドットあたり2pl未満では形成される画像の濃度が低くなってしまう。
<射出量>
1ドットあたりの射出量(吐出量)は2pl(ピコリットル)〜20plである。好ましくは4pl〜10plである。1ドットあたり20plを超えると高精細印字が難しく、また、1ドットあたり2pl未満では形成される画像の濃度が低くなってしまう。
<ドット径>
記録媒体上に形成されるドット径は50μm〜200μmである。好ましくは50μm〜150μmであり、さらに好ましくは55μm〜100μmである。50μm未満では形成される画像の濃度が低くなってしまい、また、200μmよりも大きければ高精細印字が難しい。
記録媒体上に形成されるドット径は50μm〜200μmである。好ましくは50μm〜150μmであり、さらに好ましくは55μm〜100μmである。50μm未満では形成される画像の濃度が低くなってしまい、また、200μmよりも大きければ高精細印字が難しい。
<水及び有機溶媒を含有しない>
用いられるインクは、実質的に水及び有機溶媒を含有しないことが望ましい。実質的に含有しないとは、水及び有機溶媒の含有量が1重量%未満であることをいう。
用いられるインクは、実質的に水及び有機溶媒を含有しないことが望ましい。実質的に含有しないとは、水及び有機溶媒の含有量が1重量%未満であることをいう。
<インクジェット方式>
インクジェットプリンタのインク吐出の駆動力として、インクに対しての適用範囲が広く、高速射出が可能な圧電体の圧電作用を利用する方式が好ましい。それは具体的には、例えば特公平4−48622号に記載されるように、圧電性基体上に形成された微細な溝の内部に電極膜が形成され、さらに絶縁膜で覆われているインク流路とするインクジェットヘッド方式である。
インクジェットプリンタのインク吐出の駆動力として、インクに対しての適用範囲が広く、高速射出が可能な圧電体の圧電作用を利用する方式が好ましい。それは具体的には、例えば特公平4−48622号に記載されるように、圧電性基体上に形成された微細な溝の内部に電極膜が形成され、さらに絶縁膜で覆われているインク流路とするインクジェットヘッド方式である。
<照射線源>
紫外線、電子線、X線、可視光、赤外光などを照射する様々な線源を用いることが可能であるが、硬化性、線源のコスト等を考慮すると、紫外線を照射する線源が好ましい。紫外線線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、紫外線レーザー・LEDなどを用いることができる。
基本的な照射方法は、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO9954415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の実施形態として、これらの照射方法を用いることが可能である。
具体的には、帯状のメタルハライドランプ管、紫外線ランプ管が好ましい。線源は、実質的にインクジェットプリンタに固定化し、稼働部をなくすことで、安価な構成とすることが可能である。
照射は、各色の画像形成毎に行われることが好ましく、つまり、いずれの露光方式でも線源は2種用意し、第2の線源によって、硬化を完了させることが好ましい形態の1つである。これは、2色目の着弾インクの濡れ性、インク間の接着性を得ることと、線源を安価に組むことに寄与する。
なお第1の線源と、第2の線源とは露光波長または露光照度を変えることが好ましい。第1の線源の照射エネルギーを第2の線源の照射エネルギーより小さく、すなわち第1の線源の照射エネルギーを照射エネルギー総量の1〜20%、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは1〜5%とする。照度を変えた照射を行うことで、硬化後の分子量分布が好ましいものとなる。つまり一度に高照度の照射を行ってしまうと、重合率は高められるものの、重合したポリマーの分子量は小さく、強度が得られない。
また、第1の線源の照射は、第2の線源の照射よりも長波長とすることで、第1の照射では、インクの表層を硬化させてインクの滲みを抑えられ、第2の照射では、照射線が届きにくい記録媒体近傍のインクを硬化させ、密着性を改善することができる。インク内部の硬化促進のためにも、第2の照射線波長は長波長であることが好ましい。
紫外線、電子線、X線、可視光、赤外光などを照射する様々な線源を用いることが可能であるが、硬化性、線源のコスト等を考慮すると、紫外線を照射する線源が好ましい。紫外線線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、紫外線レーザー・LEDなどを用いることができる。
基本的な照射方法は、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO9954415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の実施形態として、これらの照射方法を用いることが可能である。
具体的には、帯状のメタルハライドランプ管、紫外線ランプ管が好ましい。線源は、実質的にインクジェットプリンタに固定化し、稼働部をなくすことで、安価な構成とすることが可能である。
照射は、各色の画像形成毎に行われることが好ましく、つまり、いずれの露光方式でも線源は2種用意し、第2の線源によって、硬化を完了させることが好ましい形態の1つである。これは、2色目の着弾インクの濡れ性、インク間の接着性を得ることと、線源を安価に組むことに寄与する。
なお第1の線源と、第2の線源とは露光波長または露光照度を変えることが好ましい。第1の線源の照射エネルギーを第2の線源の照射エネルギーより小さく、すなわち第1の線源の照射エネルギーを照射エネルギー総量の1〜20%、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは1〜5%とする。照度を変えた照射を行うことで、硬化後の分子量分布が好ましいものとなる。つまり一度に高照度の照射を行ってしまうと、重合率は高められるものの、重合したポリマーの分子量は小さく、強度が得られない。
また、第1の線源の照射は、第2の線源の照射よりも長波長とすることで、第1の照射では、インクの表層を硬化させてインクの滲みを抑えられ、第2の照射では、照射線が届きにくい記録媒体近傍のインクを硬化させ、密着性を改善することができる。インク内部の硬化促進のためにも、第2の照射線波長は長波長であることが好ましい。
<照射タイミング>
上記インクを用い、一定温度にインクを加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒、好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒後に放射線を照射することすることができる。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、臭気を低減できる。これは、高粘度のインクを用いることで大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sのインクを用いると大きな効果を得ることができる。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加及び臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、一色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、複数色のヘッドからなるユニットでは、各色間を実質的に照射線透過性とすることが好ましい。具体的には、照射線透過性の部材でヘッド間を構成するか、部材を配置させない構成である。このような簡単な構成とすることで、各色毎に、着弾直後、速やかに照射することが可能であり、特に二次色の滲み防止、双方向描画における、行きと帰りのドット滲み差を防止(行きと帰りの色が異なるのを防ぐ)できるため、好ましい。
上記インクを用い、一定温度にインクを加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒、好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒後に放射線を照射することすることができる。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、臭気を低減できる。これは、高粘度のインクを用いることで大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sのインクを用いると大きな効果を得ることができる。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加及び臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、一色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、複数色のヘッドからなるユニットでは、各色間を実質的に照射線透過性とすることが好ましい。具体的には、照射線透過性の部材でヘッド間を構成するか、部材を配置させない構成である。このような簡単な構成とすることで、各色毎に、着弾直後、速やかに照射することが可能であり、特に二次色の滲み防止、双方向描画における、行きと帰りのドット滲み差を防止(行きと帰りの色が異なるのを防ぐ)できるため、好ましい。
<インク加熱、ヘッド温調>
上記インクを30〜150℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。さらに好ましくは40〜100℃である。30℃以下及び150℃以上では、射出が困難になる。照射線硬化型インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度をできるだけ一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。インクジェットプリンタには、インク温度の安定化手段を備えるが、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールのため、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体や外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立ち上げ時間を短縮するため、また熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記インクを30〜150℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。さらに好ましくは40〜100℃である。30℃以下及び150℃以上では、射出が困難になる。照射線硬化型インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度をできるだけ一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。インクジェットプリンタには、インク温度の安定化手段を備えるが、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールのため、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体や外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立ち上げ時間を短縮するため、また熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
<インク吸収性のない記録媒体>
本発明の実施形態として、インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)を用いることができる。インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)とは、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる記録媒体、あるいはインク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる表面層(画像形成層)を有する記録媒体であり、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)は、例えば各種の樹脂や金属である。
本発明の実施形態として、インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)を用いることができる。インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)とは、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる記録媒体、あるいはインク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる表面層(画像形成層)を有する記録媒体であり、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)は、例えば各種の樹脂や金属である。
<粘度>
本発明の実施形態におけるインクは、30℃での粘度が10〜500mPa・sの液体である。好ましくは、40〜500mPa・sが好ましい。10mPa・s未満では滲みが劣化、また500mPa・sを超えると、画質の平滑性が失われる。また、このインクは60℃で3〜30mPa・sの液体であることが好ましく、より好ましくは、3〜20mPa・sである。3mPa・s以下では、高速射出に不具合を生じ、また30mPa・sでは、射出性が劣化する。
本発明の実施形態におけるインクは、30℃での粘度が10〜500mPa・sの液体である。好ましくは、40〜500mPa・sが好ましい。10mPa・s未満では滲みが劣化、また500mPa・sを超えると、画質の平滑性が失われる。また、このインクは60℃で3〜30mPa・sの液体であることが好ましく、より好ましくは、3〜20mPa・sである。3mPa・s以下では、高速射出に不具合を生じ、また30mPa・sでは、射出性が劣化する。
1…インクジェットヘッド(記録ヘッド) 3…インクタンク
Claims (5)
- 複数の色(以下、「基本色」という。)のインクをそれぞれ別個に吐出可能なインクジェット方式の記録ヘッドを備え、基本色の組合せにより色彩表現するインクジェット記録装置において、
各基本色について濃度の異なる2種以上のインクと、
記録データについて、画素毎にその画素が1色の基本色のみを色成分とする画素(以下「単色成分画素」という。)であるか、2以上の基本色を色成分とする画素(以下「多色成分画素」という。)であるかを判別する画素色成分判別手段と、
前記画素色成分判別手段の判別結果に基づき、多色成分画素の全部又は一部について、多色成分画素の色成分に対応するインクであって該多色成分画素に着弾させるインクのうち少なくとも1色のインクが、単色成分画素の色成分に対応するインクであって該単色成分画素に着弾させる1色のインクよりも高濃度かつ少量となるように、前記濃度の異なる2種以上のインクから前記記録ヘッドに吐出させるインクを選択するとともに、前記記録ヘッドのインク吐出量を制御する記録ヘッド駆動制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 一の多色成分画素の周囲の色成分の無い画素(以下「周囲無色成分画素」という。)があるか否か判別する周囲画素無色判別手段を備え、
前記記録ヘッド駆動制御手段は、前記周囲画素無色判別手段の判別結果に基づき、周囲無色成分画素を有する多色成分画素について、その色成分のうち1色成分に対応するインク又は該多色成分画素の色成分数から1減じた数を超えない2以上の色成分にそれぞれ対応するインクを、前記一の多色成分画素に着弾せず、その周囲無色成分画素に1色成分ずつ着弾させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記周囲画素無色判別手段は一の多色成分画素からいずれかの離れる方向に並ぶ2以上の画素を含んだ周囲にある各画素が前記一の多色成分画素の周囲無色成分画素であるか否か判別し、
記録ヘッド駆動制御手段は、インクを着弾させる周囲無色成分画素として前記一の多色成分画素から最も離れた周囲無色成分画素を選択することを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録ヘッド駆動制御手段は、周囲無色成分画素を有する多色成分画素の色成分のうち該多色成分画素の色成分数から1減じた数の色成分にそれぞれ対応するインクを、該多色成分画素に着弾せず、その周囲無色成分画素に1色成分ずつ着弾させることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクは、エネルギー線が照射されると硬化する特性のインクであり、
被記録媒体上に着弾したインクにエネルギー線を照射する手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置。
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