JP2005125597A - 微細線描画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】細線のとぎれを無くし、濡れ性を改善し、またスループットを向上させ、線幅を狭くする微細線の描画方法を提供する。
【解決手段】電界を用いて、電界集中を起こすことが可能な材料からなる微細流体を基板へ飛翔付着させる先描画によって基板上に微細パターンを形成し、続いて、該微細パターン上に、電界を用いて、微細流体を飛翔付着させる本描写を行う微細線描写方法。また、さらに、先描画が、線幅が10μm以下の微細パターンを描画し、本描画における液適量を、先描画における液滴量より多くする。
【選択図】なし

Description

本発明は微細線描画方法に関し、詳しくは微細加工技術、表面実装技術、電極、配線に用いられる微細線描画方法に関する。
通常のインクジェット(ピエゾ方式や、バブルジェット方式)では、最小吐出液量は約2ピコリットル(pl)程度といわれている。これは、液滴を球形と仮定した場合、直径16μm程度に相当する。ガラスやシリコン基板などに着弾後、そのドット径は数十μmから100μm程度になってしまう。また、着弾誤差も30μm程度とされている。このため、従来型のインクジェット装置を用いて、細い線を書くことは困難であった。
これは、着弾精度の悪さ、1滴あたりの液量の多さに加え、基板上で表面張力によりマイクロバルジが形成されるなどによることもある。
従来のインクジェット記録方式としては、超音波振動により、常時、インクを液滴状にノズルから加圧噴射させ、この飛翔インク滴を帯電させ、電場により偏向させることにより連続的に記録する連続方式(例えば、特許文献1参照)、適時にインク滴を飛翔させるドロップオンデマンド方式等として、インク吐出部と記録紙間に電位を印加し、静電力によりインク吐出口からインク滴を引き出して記録紙に付着させる静電吸引方式(例えば、特許文献2〜3参照)、ピエゾ変換方式あるいはバブルジェット(登録商標)方式(サーマル方式)等の熱変換方式(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
また、従来のインクジェット装置の描画方式には走査線を用いて1枚の画像を表示するラスタスキャン方式が使われてきた。
しかしながら、上記した従来のインクジェット記録方式には以下の問題あった。
(1)超微細液滴の吐出が困難
現在、実用化され広く用いられているインクジェット方式(ピエゾ方式や、サーマル方式)では、1plを下回るような微少量の液体の吐出は困難である。この理由は、ノズルが微細になるほど吐出に必要な圧力が大きくなるためである。
また、静電吸引方式では、例えば特許文献2に記載のノズル内径は0.127mmであり、特許文献3に記載のノズルの開口径は50〜2000μm、好ましくは100〜1000μmとされており、50μm以下の超微細液滴の吐出は不可能と考えられていた。
また、後に述べるように、静電吸引方式においては、微細液滴の実現のためには駆動電圧の制御に極度の精密さが要求された。
(2)着弾精度の不足
ノズルから吐出した液滴に付与される運動エネルギーは、液滴半径の3乗に比例して小さくなる。このため、微細液滴は空気抵抗に耐えるほどの十分な運動エネルギーを確保できず、空気対流などにより、正確な着弾が期待出来ない。さらに、液滴が微細になるほど、表面張力の効果が増すために、液滴の蒸気圧が高くなり蒸発量が激しくなる。このため微細液滴は、飛翔中の著しい質量の消失を招き、着弾時に液滴の形態を保つことすら難しいという事情があった。
以上のように液滴の微細化と着弾位置の高精度化は、相反する課題であり、両方を同時に実現することは困難であった。
この着弾位置精度の悪さは、印字画質を低下させるのみならず、例えばインクジェット技術により導電性インクを用いて回路の配線パターンを描画する際などには特に大きな問題となる。すなわち、位置精度の悪さは所望の太さの配線が描画出来ないばかりか、断線やショートを生ずることさえあり得る。
そこで、従来型のインクジェットで、細い線を書く工夫として、予め基板上にパターニング処理をする方法が知られている。この目的としては、フォトリソグラフなどの手法により、予め基板上に新液性、溌液性の領域をパターンニングしたり、バンクと呼ばれる立体的な壁を設けたり、さらにバンクに親液処理をすることにより、着弾液滴を基板上でアライメントする方法が考案され行われている。
しかし、直角に線をつなぐ場合、表面張力効果でマイクロバルジが形成されたり、屈曲点に液体が集中する現象も知られている(例えば、特許文献5参照)。
最近発明者らが開発した、超微細インクジェットを用いることで、着弾精度の良さと、微細液滴の特長を生かし、10μmをきる微細線の描画が可能である。しかしながら、ドット径が小さくなることでとぎれずに線を書くためには、線速度を1/10以下にする必要がある。線速度を落として描画した場合は、通常のインクジェットで描画したときと同様に、線幅が太くなったり、マイクロバルジが形成されがちである。(例えば、非特許文献1、2参照)。
また、微細液滴故に厚さを確保するためにはある程度、繰り返し描画する必要がある。こうしたことから、超微細インクジェットを用いた細線描画では、スループットが落ちてしまうというさらなる改良の余地が存在した。
特公昭41−16973号公報 特公昭36−13768号公報、 特開2001−88306号公報 特公昭61−59911号公報 特開2003−142802号公報 ガウ(H. Gau)、外、サイエンス(Science)、1999年、第283巻、p.46 ダルフバー(A.A. Darhuber)、外、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J. Appl. Phys.)、2000年、第87巻、第11号、P.7768
細線のとぎれを無くし、濡れ性を改善し、またスループットを向上させ、線幅を狭くする微細線の描画方法を提供することを目的とする。
インクジェットにより、微細でとぎれのない細線を、ある程度のスループットを確保しつつ描画するという相反する課題の克服を、二段階以上の塗布、すなわち電界集中のための先描画と、目的物質の大量塗布用の後描画に分けて行うことで実現した。
すなわち、本発明は
(1)電界を用いて、電界集中を起こすことが可能な材料からなる微細流体を基板へ飛翔付着させる先描画によって基板上に微細パターンを形成し、続いて、該微細パターン上に、電界を用いて、微細流体を飛翔付着させる本描写を行うこと特徴とする微細線描写方法、
(2)前記先描画が、線幅が10μm以下の微細パターンを描画し、前記本描画における液滴量が、前記先描画における液滴量より多いことを特徴とする(1)項記載の微細線描画方法、及び、
(3)(1)又は(2)項記載の細線描法によって得られたことを特徴とする細線パターン
を提供するものである。
本発明の方法は、細線のとぎれを無くし、濡れ性を改善し、またスループットを向上させ、線幅を狭くした微細線パターンを得ることができる。
また、本発明により、省資源、省エネルギー、高スループットかつ高精細な微細配線の描画が可能となる。また、線幅の幅狭化、厚さの確保、とぎれの少なさ、線幅の一様化、及び、吐出の安定化が図られる。
本発明は、電界を用いて、電界集中を起こすことが可能な材料からなる微細流体を基板へ飛翔付着させ、微細液滴の速乾性、高速固体化を利用して、先描画(プレパターンニング、あるいは、プレ描画ともいう)を行って微細パターン(シード)を形成し、続いて、該微細パターン上に、電界を用いて、微細流体を飛翔付着させる本描写を行うもので、本描写により液量をかせぐとともにとぎれのない配線とすることができるものである。
本発明で用いられる基板としては、例えば、ガラス、金属(銅、ステンレスなど)、半導体(シリコン)、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
先描画は、好ましくは超微細インクジェットを用いて、微小液滴の吐出により行う。微小液滴は表面張力の作用や、比表面積の高さなどにより、極めて蒸発速度が高く、このため着弾後ただちにその場で固定化される。先描画における飛翔付着させる1滴あたりの液量は1pl(ピコリットル)以下が好ましく、0.1pl以下がさらに好ましく、10fl(フェムトリットル)以下がより好ましい。また、着弾時のドット径は、10μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。
また、描画速度は、10μm/sec〜1mm/secが好ましく、100μm/sec〜1mm/secがさらに好ましい。この時描画される線は、ドット間に間隔があっても構わず、必ずしも線である必要はない。先描画により描画される線幅は、10μm以下が好ましく、0.1〜5μmがさらに好ましい。なお、描画速度Vがf×dの10倍程度以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1倍程度である。
この先描画を行う装置は、超微細インクジェットに限定される訳ではないが、着弾精度と微細液量の観点から、超微細インクジェットを用いることが好ましい。
先描画に用いられる微細流体の材料は電界集中を起こすような材質のものであり、金属超微粒子を含有するペーストが好ましい。本発明に好ましく用いられるペーストの金属種は、それに限定されるものではないが、銀又は金が好ましい。
そのほか、高分子(ポリビニルフェノールのエタノール溶液など)、導電性高分子(PEDOT/PSSなど)なども、先描画用材料として利用可能である。
なお、本発明で「電界集中」とは、次のような状態を意味するものである。すなわち、基板面には、ノズルに印加する電圧によって電界が生じている。液体材料および、それが固体化したものの誘電率が、基板材料よりも高い場合、液滴が基板上に着弾し付着すると、液体を通る電気力線の密度が、付着していない基板部分よりも高くなる。この状態を基板上における電界集中が起こった状態と呼ぶものである。液滴は電気力線に沿って飛翔し、その密度の最も高い部分に吸い寄せられると考えられるために、後から飛翔する液滴は、先描画部分に優先的に着弾することになる。
続いて、基板上に形成された微細パターン上に、電界を用いて、微細流体を飛翔付着させる本描写を行う。好ましくは、液滴量を先描写における液滴量よりも多くして本描画を行うものである。本描画を行う装置は、先描画を行った装置をそのまま、あるいはノズル等を適宜変更して用いることができる。例えば、静電吸引型の超微細流体ジェットは、荷電流体の鏡像力により液滴が飛翔するが、先描画により基板上にパターンがあると、パターンニング箇所は電界が集中しやすくなるため、先描画された点に対し流体が飛翔しやすくなる。この効果により、液のとぎれが起こりにくくなりまた着弾精度が飛躍的に向上する。
ここで、本描画と先描画の微細流体材料は、同一のものでも良く、また、異なるものでも良い。例えば、先描画には周波数特性の良い流体材料を用い、高速に線を描画し、続く本描画において目的とする材料の描画を行うことも考えられる。本描画においては、その目的とする機能等に応じて、材料を適宜選択することができる。
また、先描画と本描画は同一のノズルを用いて行っても良いし、別のノズルを用いても良い。また、先描画と本描画を同一ステージ上で行っても良いし、別のステージ上で行っても良い。
本描画における液滴量は、前記先描画における液滴量より多いことが好ましい。本描画において飛翔付着させる1滴あたりの液量は10fl〜10plが好ましく、10fl〜1plがさらに好ましい。また、描画速度は、10μm/sec〜1mm/secが好ましく、100μm/sec〜1mm/secがさらに好ましい。
本発明において、好ましくは、先描写、本描写とも、超微細インクジェットを用いて、微小液滴を吐出させて行うものである。微小液滴は表面張力の作用や、比表面積の高さなどにより、極めて蒸発速度が高い。また、先描画によるパターニング箇所には電界が集中するために、吐出流体の集中が起こる。この効果により本描画で効率よくパターニングがおこなわれる。
以下、本発明の好ましい実施態様を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の描画方法の概念図である。1はノズル、13は基板である。図(a)は先描画の概念図である。ノズル1から基板13へ電界集中を起こすような材質の微細流体を飛翔付着させることにより、基板13上に微細パターンが形成される。図(b)は、先描画+本描画(後描画)の概念図である。本描画により形成された微細線は濡れ広がりが小さいものとなる。図(c)は本描画のみ行った場合の概念図である。ここで形成された微細線は濡れ広がりが大きいものとなる。ここで、ノズルは同一ノズルを用いて、先描画及び本描画を行っても良いし、別々のノズルすなわち、先描画用の微細ノズルと本描画用の太いノズルを用いても良いし、同一ノズルを用いてパラメータのみを変えることによって吐出量を制御しても良い。
(駆動電圧低下および微少量吐出実現の方法)
図2は、本発明に用いられる超微細インクジェットの一例を一部断面により示したものである。
図中1は、超微細径のノズルである。超微細液滴サイズ実現のためには、低コンダクタンスの流路をノズル1近傍に設けるか、またはノズル1自身を低コンダクタンスのものにすることが好ましい。このためには、ガラス製の微細キャピラリーチューブが好適であるが、導電性物質に絶縁材でコーティングしたものでも可能である。ノズル1をガラス製とすることが好ましい理由は、容易に数μm程度のノズルを形成できること、ノズルのつまり時には、ノズル端を破砕することにより、新しいノズル端が再生できること、ガラスノズルの場合、テーパー角がついているために、ノズル先端部に電界が集中しやすく、および、適度な柔軟性を持つため、可動ノズルの形成が容易であること等による。また、低コンダクタンスとは、好ましくは10−10/s以下である。また、低コンダクタンスの形状とは、それに限定されるものではないが、例えば、円筒形状の流路においてその内径を小さくしたり、または、流路径が同一でも内部に流れ抵抗となるような構造物を設けたり、屈曲させたり、もしくは、弁を設けた形状などが挙げられる。
例えば、ノズルとして、芯入りガラス管(株式会社ナリシゲ製、GD−1(商品名))を用い、キャピラリープラーにより作成できる。芯入りガラス管を用いることにより、以下のような効果が得られる。(1)芯側ガラスがインクに対し濡れやすいために、インクの充填が容易になる。(2)芯側ガラスが親水性で、外側ガラスが疎水的であるためにノズル端部において、インクの存在領域が芯側のガラスの内径程度に限られ、電界の集中効果がより顕著となる。(3)微細ノズル化が可能となる。(4)十分な機械的強度が得られる。しかしながら、芯入りが必須というわけではなく、通常のガラスキャピラリーも問題なく使用できる。
本発明に用いられる超微細インクジェットにおいては、ノズル直径の下限値は、製作上、0.01μmであり、また、ノズル直径の上限値は、静電的な力が表面張力を上回る時のノズル直径の上限、および、局所的な電界強度によって吐出条件を満たす場合のノズル直径の上限から25μmである。ノズル直径の上限は、吐出が効果的に行われるために15μmがより好ましい。特に、局所的な電界集中効果をより効果的に利用するには、ノズル直径は0.01〜8μmの範囲が望ましい。また、ノズル1は、キャピラリーチューブに限らず、微細加工により形成される2次元パターンノズルでもかまわない。
ノズル1を成形性の良いガラスとした場合、ノズルを電極として利用することはできないから、ノズル1内には、2の金属線(例えば、タングステン線)を電極として挿入する。なお、ノズル内にメッキで電極を形成しても良い。ノズル1自体を導電性物質で形成した場合には、その上に絶縁材をコーティングする。
また、ノズル1内には吐出すべき溶液3が充填される。この際、電極2は、溶液3に浸されるように配置する。溶液3は、図示しない溶液源から供給される。溶液3は、例えば、インクなどが挙げられる。ノズル1は、シールドゴム4およびノズルクランプ5によりホルダー6に取り付けられ、圧力が漏れないようになっている。
7は圧力調整器で、圧力調整器7で調整された圧力は圧力チューブ8を通してノズル1に伝えられる。
以上のノズル、電極、溶液、シールドゴム、ノズルクランプ、ホルダー及び圧力チューブは側面断面図で示されている。ノズルの先端に近接して基板13が基板支持体14により配設されている。
本発明における圧力調整装置の役割は、高圧を付加することで流体をノズルから押し出すためのにも用いることができるが、むしろコンダクタンスを調整したり、ノズル内への溶液の充填、ノズルつまりの除去などに用いるために特に有効である。また、液面の位置を制御したり、メニスカスの形成にも有効である。また、電圧パルスと位相差を付けることでノズル内の液体に作用する力を制御することで微小吐出量を制御する役割も担う。
9はコンピューターであり、コンピューター9からの吐出信号は、任意波形発生装置10に送られ制御される。
任意波形発生装置10より発生した任意波形電圧は、高電圧アンプ11を通して、電極2へと伝えられる。ノズル1内の溶液3は、この電圧により帯電する。これによりノズル先端の集中電界強度を高めるものである。
この超微細インクジェットにおいては、図3に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、その電界の集中効果により流体液滴を荷電させることにより、対向基板に誘起される鏡像力の作用を利用する。このため、先行技術のように基板13または基板支持体14を導電性にしたり、これら基板13または基板支持体14に電圧を印加する必要はない。すなわち、基板13として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。また、ノズル先端に集中する集中電界強度を高めることにより、印加する電圧を低電圧化したものとなる。また、電極2への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでも良い。
なお、図3は、直径dのノズルに導電性インクを注入し、無限平板導体からhの高さに垂直に位置させた様子を模式的に示したものである。また、rは無限平板導体と平行方向を示し、ZはZ軸(高さ)方向を示している。また、Lは流路の長さを、ρは曲率半径をそれぞれ示している。Qは、ノズル先端部に誘起される電荷である。また、Q’は基板内の対称位置に誘導された反対の符号を持つ鏡像電荷である。
ノズル1と基板13との距離は、近ければ、近いほど鏡像力が働くため、着弾精度は向上する。一方、表面に凹凸のある基板上に吐出するには、基板上の凹凸とノズル先端との接触を避けるさけたりするため、ある程度の距離が必要である。着弾精度および基板上の凹凸を考慮すると、ノズル1と基板13との距離は500μm以下が好ましく、基板上の凹凸が少なく着弾精度を要求される場合には100μm以下が好ましく、さらに、30μm以下がより好ましい。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズル1を基板13に対し一定に保つようにする。また、基板13を、導電性または絶縁性の基板ホルダーに裁置して保持するようにしても良い。
図4は、本発明に用いられる超微細インクジェットの一例における印字ドット直径(以下直径を単に径と呼ぶことがある。)の印加電圧依存性を示したものである。印字ドット径dすなわちノズル径が小さくなるに従い、吐出開始電圧V、すなわち駆動電圧の低下が明らかになった。図4より明らかなように、1000Vをはるかに下回る低電圧で吐出が可能であった。直径1μm程度のノズルを用いた場合、駆動電圧は200V台にまで低下した。ドット径は、電圧によって制御可能である。また、印加電圧パルスのパルス幅を調整することでも制御できる。
(目詰まりの防止、解除)
ノズル1先端のクリーニングについては、ノズル1内に高圧を付加すると共に、基板13とノズル1先端とを接触させ、固体化した溶液を基板13にこすりつける方法や、基板13に接触させることで、ノズル1と基板13間のわずかな間隙に働く毛細管力を利用することで行う。
また、溶液充填前にノズル1を溶媒に浸し、毛細管力によりノズル1内へ溶媒を少量充填することにより、最初のノズルの詰まりを回避できる。また、印字途中に詰まった場合、溶媒中にノズルを浸けることにより除去が可能である。
さらに、基板13上に滴下した溶媒にノズル1を浸して、同時に圧力や電圧等を加えることも有効である。使用する溶液の種類によっていちがいには言えないが、一般的に、低蒸気圧、高沸点の溶媒、たとえばテトラデカンなどには有効である。
また、後に述べるように、電圧の印加方法として交流駆動を用いることで、ノズル内の溶液に攪拌効果を与え均質性を保つとともに、溶媒と溶質の帯電性が著しく異なる場合には、溶液の平均組成よりも溶媒過剰の液滴と、溶質過剰の液滴を交互に吐出することにより、ノズルの詰まりが緩和される。また、溶液の性質に合わせ、溶媒と溶質の帯電特性と、極性、パルス幅を最適化することで、組成の時間変化を最小化し、長期間安定した吐出特性が維持できた。
(描画位置調整)
X−Y−Zステージ上に、基板ホルダーを配置し、基板13の位置を操作することが実用的であるが、これにとらわれず、逆にX−Y−Zステージ上にノズル1を配置することも可能である。ノズル−基板間距離は、位置微調整装置を用いて適当な距離に調整する。また、ノズルの位置調整は、レーザー測距計による距離データを元にZ軸ステージをクローズドループ制御により移動させ、1μm以下の精度で一定に保つことができる。
(スキャン方法)
従来のラスタスキャン方式では、連続した線を形成する際に、着弾位置精度の不足や、吐出不良などにより配線がとぎれてしまうケースも起こりうる。このため、本発明においては、ラスタスキャン方式に加え、ベクトルスキャン方式を採用することが好ましい。単ノズルのインクジェットを用いて、ベクトルスキャンにより回路描画を行うこと自体については、例えば、フラーら(S. b. Fuller Et al.), Journal of Microelectromechanical systems, Vol. 11, No.1, P.54 (2002)に記載されている。
また、ベクトルスキャン方式としては、通常のプロッタで用いられている方式を適宜用いることができる。
例えば、使用ステージとして、シグマ光機製のSGSP−20−35(XY)と、Mark−204コントローラーを用い、また、制御用ソフトウエアとしてナショナルインスツルメンツ製のLabviewを使用して、自作し、ステージの移動速度を1μm/sec〜1mm/secの範囲内でもっとも良好な描画となるように調整した場合を考える。この場合、ステージの駆動は、ラスタスキャンの場合は、1μm〜100μmピッチで移動させその動きに連動させ、電圧パルスにより吐出を行うことができる。また、ベクトルスキャンの場合はベクトルデータに基づき、連続的にステージを移動させることができる。
(超微細インクジェットによる描画)
本発明に用いられる液滴は超微細であるために、インクに用いる溶媒の種類にもよるが、基板に着弾すると瞬間的に蒸発し、液滴は瞬間的にその場に固定される。この時の乾燥速度は従来技術によって生成されるような数十μmのサイズの液滴が乾燥する速度に比べ、桁違いに速い。これは、液滴の微細化により蒸気圧が著しく高くなるためである。ピエゾ方式などを用いた従来技術では、これほどの微細ドットの形成は困難で、また着弾精度も悪いために、対策として予め基板上に親水性、疎水性のパターンニングが行われている(例えば、シリングハウス(H. Shiringhaus)ら, Science, Vol.290, 15 December (2000), 2123−2126)。この方法では、予備処理が必要なため、基板に直接印字が可能というインクジェット方式の利点が損なわれてしまうという問題があるが、本発明においてもこのような方法を取り入れることで、さらに位置精度の向上を図ることも可能である。
また、超微細インクジェットによって金属超微粒子の微細立体構造物が形成できる。例えば、金属銀超微粒子(ナノペースト:ハリマ化成製)で、直径は0.6μmで30μm間隔で描画することができる。ナノペーストは、粒径が数nmの独立分散金属超微粒子に特殊な添加剤を加えたもので、室温では粒子同士は結合しないが、温度を少し上げることで構成金属の融点より遙かに低い温度で焼結が起こる。描画後、約200℃にて熱処理を施し銀の立体構造物を形成できる。なお、本発明で「立体構造物」とは、底面の寸法の短いほうの寸法(短径)に比べ、厚さ方向がその値の3倍程度以上の寸法を持つものをいう。例としては、円柱、楕円柱、あるいは上からの投影形状は、線状であっても、線幅に比べ厚さが著しくある場合(線幅の3倍以上)のものも含まれる。
超微細インクジェットの針状の電極から少量づつナノペースト流体を飛翔させ、基板に付着させることで、以下の実施例1〜3の微細線描画を行った。先描画の周波数は、金ナノペーストを用いた場合1KHz、銀ナノペーストの場合10Hzであった。描画速度は1mm/sec、印加電圧は500Vであった。一方、本描画のステージ移動速度は0.1mm/sec、印加電圧は1000Vであった。周波数は先描画と同様であった。この場合本描画による液滴量は、先描画の液滴量に比べ、1滴当たり約10倍程度であった。
実施例1
銀ナノペーストを用いてガラス基板上に微細線描画を行った。その結果、形成されたパターン例の写真を図5に示す。図5−1は先描画(先描画1回)、図5−2は先描画+本描画(先描画1回、本描画1回)、図5−3は本描画のみ(本描画1回)の一例である。図5−1〜5−3において、基板上の位置、及び、倍率は同一である。
明らかに先描画の有無で線幅に顕著な差があった。先描画有りの細線パターン(図5−2)は、無しの細線パターン(図5−3)に比べ線幅が1/2程度で濡れ広がりが少ない。このことは、狭い線幅と、厚さが要求される配線用途に好適である。
実施例2
金ナノペーストを用いてガラス基板上に微細線の屈折描画を行った。その結果、形成されたパターンの写真を図6に示す。図6−1は先描画(先描画1回)、図6−2は先描画+本描画(先描画1回、本描画1回)、図6−3は本描画のみ(本描画1回)の一例である。図6−1〜6−3において、基板上の位置、及び、倍率は同一である。
明らかに先描画の有無で線幅に顕著な差があった。すなわち、先描画無しの細線パターンは線にくびれがみられ、線幅が一様でなくとぎれがちであるのに対して(図6−2)、先描画有りの細線パターンは線幅が一様で、同じ周波数で描画したにもかかわらずとぎれの問題もない(図6−3)。
実施例3
金ナノペーストを用いてガラス基板上に先描画及び本描画の回数を2回として、微細線の屈折描画を行った。その結果、形成されたパターンの写真を図7に示す。図7−1は先描画(先描画2回)、図7−2は先描画+本描画(先描画2回、本描画2回)、図7−3は本描画のみ(本描画2回)の一例である。図7−1〜7−3において、基板上の位置、及び、倍率は同一である。
本描画の回数を増やすことで、図6−3にみられたような線幅の不安定性は緩和するが線幅は明らかに太くなってしまう(図7−3)。これに対し、先描画を行ったものは線幅の狭さが保たれている(図7−2)。
本発明によれば、スループットと、微細配線の両立が可能なために、表面実装技術などの分野における、配線描画などの用途に特に有用であるが、そのほかの高品位な印字品質が望まれる印刷用と一般に適用可能である。
本発明の描画方法の概略説明図である。 本発明に用いられる超微細インクジェットの一例を示す説明図である。 本発明に用いられる超微細インクジェットにおける、ノズルの電界強度の計算を説明するために示す模式図である。 本発明に用いられる超微細インクジェットの印加電圧依存性を示すグラフである。 実施例1で形成されたパターン(先描画)の写真である。 実施例1で形成されたパターン(先描画+本描画)の写真である。 実施例1で形成されたパターン(本描画)の写真である。 実施例2で形成されたパターン(先描画)の写真である。 実施例2で形成されたパターン(先描画+本描画)の写真である。 実施例2で形成されたパターン(本描画)の写真である。 実施例3で形成されたパターン(先描画)の写真である。 実施例3で形成されたパターン(先描画+本描画)の写真である。 実施例3で形成されたパターン(本描画)の写真である。
符号の説明
1 ノズル
2 電極
3 溶液
4 シールドゴム
5 ノズルクランプ
6 ホルダー
7 圧力調整器
8 圧力チューブ
9 コンピューター
10 任意波形発生装置
11 高電圧アンプ
13 基板
14 基板支持体

Claims (3)

  1. 電界を用いて、電界集中を起こすことが可能な材料からなる微細流体を基板へ飛翔付着させる先描画によって基板上に微細パターンを形成し、続いて、該微細パターン上に、電界を用いて、微細流体を飛翔付着させる本描写を行うこと特徴とする微細線描写方法。
  2. 前記先描画が、線幅が10μm以下の微細パターンを描画し、前記本描画における液滴量が、前記先描画における液滴量より多いことを特徴とする請求項1記載の細線描画方法。
  3. 請求項1又は2記載の微細線描画方法によって得られたことを特徴とする微細線パターン。
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