JP2005125299A - ブロンズ像の腐食防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 美術工芸品としての価値を損なうことなく、ブロンズ像の腐食を防止する方法の提供。
【解決手段】 エナメル塗料と硫黄を溶剤に分散又は溶解させた混合液をブロンズ像に塗布することを特徴とするブロンズ像の腐食防止方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ブロンズ像の腐食防止方法、さらに詳しくは、屋外に定置されているブロンズ像が酸性雨等の影響で腐食が進行することを防止する方法に関する。
ブロンズ像は、たとえば東京、上野の西郷隆盛の銅像に代表される、いわゆる青銅色の置物であり、美術工芸品としての価値が高いものも多数ある。ブロンズ像の金属材料としては、銅を主体とし、これにスズ、鉛、さらに必要に応じて亜鉛を配合したものが用いられる。
ブロンズ像は、通常、以下の工程で作成される。まず、粘土型を作成し、適宜修正、補修をした後、これを基にして石膏型を作成する。次いで、1200℃程度に加熱して溶かした金属材料を型に流し込み、冷却後、鋳造からはずして、最後に着色を施して完成させる。
しかしながら、ブロンズ像は、腐食が進行し易い。なかでも、屋外に定置されたブロンズ像は、風雨、特に酸性雨に晒されると、作成後数年で、場合によっては原型を留めないほど腐食が進行してしまう。
かかる問題を解決するため、たとえば、「石材表面を鑿で削って所要荒さで像の形を仕上げ、その表面にブロンズ液を均一塗布し又は/及び銅箔を重ね合わせて貼付することにより外表面に所要厚みの銅膜を形成し、その表面に適宜アクリル剤等の表面保護剤を塗布乾燥してなる石胎銅像。」が知られている(実用新案文献1)。
実用新案文献1
登録実用新案公報第3061693号
しかしながら、上記技術は、以下の問題点を有する。(1)銅粉を溶剤に溶かしたブロンズ液を石像に塗布した場合、硬化後の表面は、本物のブロンズ像の表面とは全く異なるものとなり、美術工芸品としての価値は、著しく低いものとなる。(2)内部の石像と厚みが3〜5mmの金属(銅)でできた像とでは、気温の変化による膨張率が全く異なるため、塗料がブロンズの膨張率に追従できず、数年以内にひび割れ等が生じてしまう。
したがって、本発明は、美術工芸品としての価値を損なうことなく、ブロンズ像の腐食を防止する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、エナメル塗料と硫黄を溶剤に分散又は溶解させた混合液をブロンズ像に塗布することにより、ブロンズ像の質感や色調等の美観を損なうことなく、腐食を長期間にわたって防止できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、エナメル塗料と硫黄を溶剤に分散又は溶解させた混合液をブロンズ像に塗布することを特徴とするブロンズ像の腐食防止方法を提供するものである。
また、本発明は、かかるブロンズ像の腐食防止方法において、前記混合液をブロンズ像に塗布した後、アクリル系ウレタン塗料を塗布するブロンズ像の腐食防止方法を提供するものである。
また、本発明は、かかるブロンズ像の腐食防止方法において、混合液の塗布とアクリル系ウレタン塗料の塗布の間に水性塗料を塗布するブロンズ像の腐食防止方法を提供するものである。
また、本発明は、かかるブロンズ像の腐食防止方法において、エナメル塗料と硫黄との混合比(重量比)が100/1〜100/20であるブロンズ像の腐食防止方法を提供するものである。
本発明の方法を用いれば、美術工芸品としての価値を損なうことなく、ブロンズ像の腐食を長期間にわたって防止することができる。
エナメル塗料は、乾燥時間が長いので、完全乾燥させるにはかなり長い時間(1日以上)かかるが、ムラが出にくいという特性を有しており、ブロンズ像の腐食防止のための塗料として優れている。具体的な商品としては、たとえば、ハウスペイント外部用エナメル(川上塗料株式会社)等が挙げられる。硫黄は、溶剤への分散又は溶解の容易性の観点から粉末状であることが好ましい。具体的な商品としては、たとえば、試薬いおう(粉末)(関東化学株式会社)等が挙げられる。エナメル塗料と硫黄を用いることにより、ブロンズ像の質感、色調等の美観を損ねることなく、腐食を長期間にわたって防止することができる。エナメル塗料と硫黄の重量比は、100/1〜100/20であることが好ましく、100/3〜100/10であることが特に好ましい。100/1〜100/20であれば、ブロンズ像の質感、色調の維持の効果が特に著しい。
用いる溶剤は、エナメル塗料と硫黄を分散又は溶解させることができれば、特に制限はないが、たとえばペイントうすめ液等が挙げられる。具体的な商品名としては、たとえば、カンペペイントうすめ液(株式会社カンペハピオ)等が挙げられる。
本発明のブロンズ像の腐食防止方法は、たとえば以下のように行うことができる。まず、ブロンズ像に付着した汚れを、たとえば真鍮ワイヤーブラシ等で取り除く。次いで、エナメル塗料と硫黄を溶剤に溶解した混合液をブロンズ像に塗布する。塗布の方法に特に制限はなく、たとえばハケ塗り、吹き付け等いずれでもよいが、美観の観点からはハケ塗りが好ましい。
次いで、水性塗料を塗布することが好ましい。これにより、ブロンズ像の質感、色調を維持することができる。具体的な商品名としては、たとえばニューサクラカラープロ(サクラクレパス株式会社)等が挙げられる。水性塗料の塗布は、上記透明エナメル塗料が乾燥する前又は乾燥した後のいずれでもよいが、乾燥後が好ましい。塗布の方法に特に制限はなく、たとえばハケ塗り、吹き付け等いずれでもよいが、ハケ塗りが美観の点から好ましい。
最後に、アクリル系ウレタン塗料を塗布することが好ましい。これにより、ブロンズ像の腐食を長期間にわたって防止することができる。塗布の方法に特に制限はなく、たとえばハケ塗り、吹き付け等いずれでもよいが、吹き付けが美観の点から好ましい。アクリル系ウレタン塗料の塗布は、上記水性塗料が乾燥する前又は乾燥した後のいずれでもよいが、乾燥後が好ましい。アクリル系ウレタン塗料としては、たとえば、パナロック二液型アクリルウレタン塗料(ロックペイント株式会社)等が挙げられる。
次に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
銅85重量部、スズ14重量部、鉛1重量部を金属材料として、常法にしたがって小型の同型のブロンズ像を2個作成した。該ブロンズ像を真鍮ワイヤーブラシでよく磨いた。次に、エナメル塗料(川上塗料株式会社製ハウスペイント外部用エナメル)100重量部、粉末硫黄(関東化学株式会社製試薬いおう)5重量部をペイントうすめ液(カンペハピオ株式会社製)20重量部に混合分散させた混合液を、該ブロンズ像にハケ塗りした。該混合液の乾燥後に、水性塗料(サクラクレパス株式会社製ニューサクラカラープロ)をハケ塗りした。その厚さは約0.1mmであった。その乾燥後に、アクリル系ウレタン塗料(ロックペイント株式会社製)を吹き付け塗装した。その厚さは約0.01〜0.03mmであった。
上記腐食防止手段を施した一方のブロンズ像には、アメリカのNIST(Nationl Institute of Standards and Technology)から入手した人工酸性雨を、室内で、市販の霧吹きを用いて、毎日10回ずつ1年間噴霧した。なお、噴霧量は、年間降水量2000mmの10倍となるように調整した。(2)また、他方のブロンズ像には、大きなロートで採集した雨水を、室内で、市販の霧吹きを用いて、毎日10回ずつ1年間噴霧した。なお、噴霧量は、年間降水量2000mmの10倍となるように調整した。
その結果、どちらのブロンズ像も、全く腐食が認められず、美観も優れたものであった。
本発明のブロンズ像の腐食防止方法は、特に屋外に定置されているブロンズ像の腐食防止に有効である。

Claims (4)

  1. エナメル塗料と硫黄を溶剤に分散又は溶解させた混合液をブロンズ像に塗布することを特徴とするブロンズ像の腐食防止方法。
  2. 前記混合液をブロンズ像に塗布した後、アクリル系ウレタン塗料を塗布するものである請求項1記載のブロンズ像の腐食防止方法。
  3. 混合液の塗布とアクリル系ウレタン塗料の塗布の間に水性塗料を塗布するものである請求項2記載のブロンズ像の腐食防止方法。
  4. エナメル塗料と硫黄との混合比(重量比)が100/1〜100/20である請求項1〜3のいずれか1項に記載のブロンズ像の腐食防止方法。
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