JP2005125278A - 流体噴射ノズル及びそれを用いた鋼材の冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 詰まりが生じにくく且つ圧力損失を小さく抑えることができる流体噴射ノズルを提供する。
【解決手段】 本発明の流体噴射ノズル1は、円筒状のノズル本体2と、その入側に接続された円筒状のフィルタ管3とを備える。ノズル本体2は、その内部に形成された流路が、入側流路8、出側流路6、及び入側流路8と出側流路6の間を結ぶテーパ部7により構成される。入側流路8の断面積は出側流路6の断面積の2倍以上である。フィルタ管3は、その内径が入側流路8と同じであり、その側壁(またはその側壁及び後端面)に複数の流入孔4が形成されている。各流入孔の開口径は、1mm以上であって、且つ出側流路6の径以下の寸法である。流入孔4の開口面積の総和は、フィルタ管3の内部流路10の断面積の2倍以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体噴射ノズルに係り、特に、熱延鋼板の圧延プロセスにおいて熱延鋼板の上下面及び端面の冷却に適した流体噴射ノズルの構造に関する。
鋼板の熱間圧延工程では、圧延前後及び圧延途中の鋼板に冷却水を直接噴射して冷却している。即ち、加熱炉から抽出された鋼塊は、粗圧延機、仕上圧延機、矯正機等において、上下の圧延ロールの間を進行する際に冷却水の噴射により冷却され、更に、それらの設備の前後に配置された冷却設備や、仕上圧延機の後段側に設けられたランナウトテーブルにおいても冷却水の噴射によって冷却される。
冷却に使用された水は、スケールピットに集められ、沈殿池や濾過装置によって懸濁物質が除去された後、冷却塔において冷却され、再度冷却水として使用される。しかしながら、鋼板から剥がれ落ちたスケールや、圧延ロールや装置フレームなどの部材から剥がれ落ちた錆などによって、スプレイノズルが閉塞するという問題がある。スプレイノズルが閉塞すると、必要な冷却水量が得られなくなって所定の製造条件から外れ、あるいは、冷却能力が不均一になって製品の品質に影響が及ぶことになる。
特に、熱間圧延終了後の熱延鋼板をランナウトテーブルで均一に強冷却する場合には、従来は、ノズル出口孔からある広がり角度をもって噴射するスプレイノズルや、中空のヘッダー(矩形断面あるいは円形断面)に多数の孔が設けられた多孔板ノズルが使用されて来た。
しかし、スプレイノズルでは、冷却水が広がって噴射されるため、鋼板の搬送速度に対して冷却水衝突時の流速を十分に確保することができず、十分な冷却能力が得られなかった。一方、多孔板ノズルを使用した場合には、特に鋼板下面側の冷却の際、使用された冷却水が多孔板の上に溜まって多孔板ノズルが浸漬してしまうために、実質の冷却水量及び流速を制御することが困難で、圧力損失も大きかった。なお、多孔板ノズルの代わりに、鋼管などをカットした単純な円管ノズルを使用しても、管内径が管入口と管出口で変わらないか、急拡大管型あるいは急縮小管型の構造であると、圧力損失が増加し、所定の流量を噴射するために必要となる送水圧力が増大するという問題があった。
なお、スプレイノズルの内部に装着されるフィルタに関しては、細い針金で構成された目の細かい網状のフィルタが広く用いられている。また、特開2003−159549号公報には、ノズル本体への接続側を開口とすると共に他端を閉鎖し、外周面に長さ方向のスリットを周方向に間隔を開けて並べ、これらの縦溝から流体をノズル内部に流入させるように構成されたストレーナーの構造が開示されている(パラグラフ[0040]、図5)。
このようなフィルタのメッシュサイズあるいはスリット幅は、通常、オプションとして種々用意されているものの、比較的小さいために、鋼材の圧延プロセスなどで使用されるとフィルタが詰まり易く、メンテナンスサイクルが短い。また、フィルタは、急縮小・急拡大機構になるから圧力損失が大きくなり、圧力損失を適切な範囲に収めることが容易ではない。
なお、特開2002−011383号公報には、エアノズルにおいて、ノズル入口孔と出口孔の面積比、及び、入口孔と出口孔の間を結ぶテーパ状の流路のテーパ角度を10〜40度の範囲で調整して、圧力損失の低減を可能にした例が示されている(請求項2、パラグラフ[0017]、図1)。
特開2003−159549号公報 特開2002−011383号公報
本発明は、鋼材の圧延プロセスなどで使用されるスプレイノズルについての以上のような問題点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、詰まりが生じにくく且つ圧力損失を小さく抑えることができる流体噴射ノズルを提供することにある。
本発明の流体噴射ノズルは、
円筒状のノズル本体と、その入側に接続された円筒状のフィルタ管とを備えた流体噴射ノズルであって、
前記ノズル本体は、その内部に形成された流路が、入側流路、出側流路、及び入側流路と出側流路の間を結ぶテーパ部により構成され、
前記出側流路の断面積は、前記入側流路の断面積の50%以下であり、
前記フィルタ管は、その内径が前記入側流路と同じであり、その側壁またはその側壁及び後端面に複数の流入孔が形成され、
前記各流入孔の開口径は、1mm以上であって、且つ前記出側流路の径以下の寸法であり、
前記複数の流入孔の開口面積の総和は、前記フィルタ管の内部流路の断面積の2倍以上であることを特徴とする。
なお、上記の各流入孔の開口径については、開口の形状が円形であればその直径を、楕円であればその短径を、矩形であればその短辺の長さを指すものとする。
本発明の流体噴射ノズルによれば、外周面に上記のような流入孔が設けられたフィルタ管を使用することによって、詰まりにくく且つ圧力損失が小さい流体噴射ノズルを構成することができる。また、フィルタ管の長さ、流入孔の開口径及びその数を調整することができるので、設計の自由度が高く、目標とする流速及び流量を実現することが比較的容易である。
好ましくは、前記テーパ部のテーパ角度を40度以上140度以下の範囲内で設定する。なお、テーパ角度とは、テーパ部の内壁面により構成される部分円錐面の頂角を意味する。このテーパ角度を大きく取ることによって、ノズルの全長の増大を抑えることができる。
好ましくは、前記ノズル本体の出側流路の長さをその径の1.5倍以上とし、且つ前記ノズル本体の入側流路の長さをその径の5倍以上とする。
好ましくは、前記流入孔を、フィルタ管の外周面に周方向及び軸方向に並べることにより、格子状または千鳥状に配置する。
本発明の流体噴射ノズルは、流体供給管に対して、流体供給管の内部の流路内に前記フィルタ管が突き出される状態で取り付けられる。好ましくは、その流路内に突き出される部分の長さを20mm以上とする。
本発明の流体噴射ノズルによれば、詰まりが生じにくく、圧力損失が小さく、且つ設計の自由度の高い流体噴射ノズルを実現することができる。
以下、本発明の流体噴射ノズルについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1に、本発明に基づく流体噴射ノズル1の一例を示す。図中、2はノズル本体、3はフィルタ管、8は入側流路、6は出側流路、7はテーパ部、4は流入孔である。
ノズル本体2の内部には、出側から順に、出口孔5、出側流路6、テーパ部7、及び入側流路8が形成されている。ノズル本体2の後端(流入側)にはフィルタ管3が接続されている。ノズル本体2の後端部近傍の外周にはネジが加工され(この部分を取付ネジ部9と呼ぶ)、このネジを介して流体噴射ノズル1が流体供給管(後述)に取り付けられる。
出側流路6の内径dの寸法は、出口孔5と同一である。なお、噴射される流体の直進性を確保するため、出側流路6は内径が一定に形成されている。入側流路8の内径dは、出側流路6の内径dよりも大きい。入側流路8を出側流路6につなぐテーパ部7は、頂角θの部分円錐面により構成され、後方に向かって径が拡大している。フィルタ管3の内径dは、入側流路8の内径dに等しい。
ここで、ノズル本体2の出側流路の断面積Sと入側流路8の断面積Sについては、次の関係を満たすように設定する:
/S≧2
フィルタ管3は円筒管で、その側壁面に円形(楕円形または矩形であっても良い)の流入孔4が複数個、設けられている。これらの流入孔4の径d(但し、流入孔4の形状が楕円形の場合にはその短径、矩形の場合には短辺の長さを取る)、及び流入孔4の径dとノズルの出側流路の径dの関係を、次の関係を満たすように設定する:
≧1mm
/d≦1
更に、流入孔4の総開口面積Sと、フィルタ管3内の流路の面積Sの関係を、次の関係を満たすように設定する:
/S≧2
これにより、上記のSがノズルの実質的な流入開口の面積となる。
図2に、上記の流体噴射ノズル1を流体供給管11に取り付けた状態を示す。流体供給管11の壁面には、流体噴射ノズル1を取り付けるためのネジ孔が設けられている。これに対応して、ノズル本体2の後端部近傍の外周には、前述のように、ネジが加工されている。流体噴射ノズル1は、このネジを介して流体供給管11に固定される。流体噴射ノズル1を流体供給管11に取り付けたとき、図に示されているように、フィルタ管3(長さL)が流体供給管11の内部の流路内に突出する。
図3に、フィルタ管3の例を示す。各流入孔の開口径dは、いわゆる「フィルタの目」あるいは「メッシュ」に相当する。従来、鋼材の圧延プロセスなどで使用されているノズルフィルタは、その開口サイズが非常に細かく、詰まり易いために、メンテナンスサイクルが短く、あるいは、頻繁にメンテナンスできないから撤去される場合もあった。そして、ノズルの閉塞による冷却不均一や、異物の飛び込みによる製品表面欠陥の発生といった問題に発展する場合があった。そこで、本発明の流体噴射ノズル1では、前述のように、流入孔4の径dを1mm以上とする。また、流入孔4の径dは出側流路の径dよりも小さいか、最大でも出口径dと同じでなければ、フィルタとして機能しない。従って、d/d≦1とする。
なお、ノズルに至る配管中のストレーナのメッシュサイズやノズル使用環境によって、フィルタが詰まりやすい場合には、d/d≧0.5の範囲まで、開口径を大きくすることが望ましい。
図4に、図1に示した流体噴射ノズルにおいて、出側流路6の断面積Sに対する入側流路8の断面積Sの比(S/S:以下、縮流比と呼ぶ)と、ノズルの損失係数λの関係を示す。ここで、ノズルの損失係数λとは、ノズルを組み付ける流体供給管内圧力と、ノズル出口速度から算出される流体の動圧との関係により、次式によって定義される値である。
Figure 2005125278
但し、P:流体供給管内圧力
:ノズル出口平均速度
g :重力加速度
図4において、ノズルの損失係数の値は、縮流比2の付近から減少し始め、縮流比3を越えたところで最小値に近付き、そのまま収束する。即ち、ノズルの圧力損失の低減効果は、縮流比が2以上の範囲で得られるが、3を超えると収束してほとんど変化しない。従って、縮流比を3程度に設定することが望ましい。縮流比を3とすることによって、フィルタ管の部分を流体供給管の内部流路内に突出させた状態で、流体噴射ノズルを流体供給管に取り付けても、縮流比1(入側から出側にかけて縮流させていないストレートなノズル)の場合と比較して、ノズルの圧力損失を約70%低減させることができる。(ただし、後述のフィルタ管流入面積Sについては最適化してある。)
図5に、フィルタの流入面積とノズルの損失係数の関係について調べた結果を示す。ここで、フィルタの流入面積Sとは、フィルタ管の側壁面(但し、流入孔が後端面にも設けられる場合には、フィルタ管の側壁面及び後端面)に設けられた流入孔の開口面積の総和である。
図1に示した流体噴射ノズルを用いて、フィルタ管3の流入孔4(円形開口)の大きさや数を種々変化させ、あるいは、流入孔4を部分的に塞ぐことによって、フィルタ管内の流路の断面積Sに対するフィルタの流入面積S5の比を変化させ、ノズルの損失係数に対する上記の面積比(S/S)の影響を調べた。ただし、ノズル損失係数の値は、上記の通り、縮流比によって大幅に変化するので、縮流比の影響を排除するため、図4中の縮流比1、1.9、2.8の各ノズルについて、フィルタ面積比(S/S)が最大である試作フィルタを装着した状態でのノズル損失係数(λ)が1となるように相対値に換算して図示されている。
図5から、フィルタ流入面積は、フィルタ管内流路面積の2倍以上であれば、ノズル損失係数がほぼ下限値に到達する。従って、本発明の流体噴射ノズルでは、上記の面積比(S5/S3)を2以上とした。
円管ノズルから吐出された冷却水の直進性が確保されるように、管内の流れを十分に発達させるためには、一般的に、ノズルの流路長を流路径の5倍以上とすることが必要とされている。一方、管摩擦損失は流路長の長さに比例して増大する。
ここで、管摩擦損失は、次に示すダルシー・ワイスバッハの式(2)で表すことができる:
Figure 2005125278
但し、Δh:管摩擦損失
λf :管摩擦係数
L :流路長
d :流路径
V :流路内平均速度
g :重力加速度
この式で、管摩擦係数λf の値を一定と仮定すると、本発明の流体噴射ノズルにおいては、上記のように入側流路の径dを出側流路の径dよりも大きく設定しているため、その面積比に応じて入側の平均速度Vが出側の平均速度Vより小さくなる。すると、この式より、L/dが同程度であれば、入側の管摩擦損失Δhが出側の管摩擦損失Δhに対して十分小さくなることが分かる。よって、流体の直進性を確保するために、入側流路の長さLをその径dに対して5倍以上に設定しなければならない。
一方、管摩擦損失を考慮すれば、L/dの値を20以下に抑えることが望ましい。出側流路では流速が速くなるので、できるだけ、Lを短くしなければならない。出側流路は、上流に入側流路及び整流効果をもつテーパ部を備えるため、L/d≦5としても冷却水の直線性を維持することが可能である。
表1に、入側流路の長さLとテーパ角を一定にした場合の、出側流路の長さLと冷却水の直進性に関する調査結果を示す。表中のαは、図6に示す噴射の広がり角度である。この結果より、本発明の流体噴射ノズルにおいて、好ましくは、出側流路の長さLをその径の1.5倍以上とする。なお、管摩擦損失を考慮して、好ましくは、L/d≦10とする。
Figure 2005125278
ノズル本体2について、テーパ角度θとテーパ部の軸方向長さLの関係は、次式で表すことができる:
Figure 2005125278
この式により得られる、θとLの関係を表2に示す。テーパ角度θを大きくすることによりLを短く抑えることができる。
Figure 2005125278
一方、テーパ部の圧力損失は、10≦θ≦140の範囲ではほとんど変わらないことが一般に知られている。設計上、テーパ部の長さLをノズル出口の径d以下とすれば、テーパ長さLをほとんど考慮しないでノズルを設計することができ、ノズルの全長に制限がある場合にも問題にならない。具体的には、テーパ部の長さLをノズル出口の径d以下とするために、テーパ角度θを40〜140度と設定する。一般的に、テーパ角度θが小さくなるほど流体の整流効果は増加するので、好ましくは、テーパ角度θを40〜70度の範囲内に収める。
本発明の流体噴射ノズルは、先に図3に示したように、フィルタ管3部分を流体供給管11内に突き出すようにして取り付けられる。フィルタ管3が流体供給管11内に突出することで、ノズルの圧力損失は増大する。しかし、壁面近傍には流体の流速が下がることにより剥離したスケール等の異物が集まっており、これらによる詰まりを防止する効果がある。そのためには、フィルタ管3の長さは5mm以上なければならない。更に、本発明のフィルタ管の構造上、壁から5mm以上離れた位置に流入孔を所定の面積で備えるために、フィルタ管3の長さは20mm以上に設定される。流体噴射ノズルを使用中に、壁近傍のフィルタが詰まりやすいことを考慮すれば、フィルタの流入孔の面積を、好ましくは、S/S≧3と設計する。
本発明の流体噴射ノズルによれば、ノズル設計の際、噴射させたい流速及び流量を設定すれば、ノズル出口径、ノズル入口側内径、フィルタ開口断面積を簡単に計算することができ、低圧損型の流体噴射ノズルを容易に設計することができる。
(実施例)
本発明に基づく流体噴射ノズルを製作し、その性能について調べた。
熱延鋼帯の仕上圧延機の後側において、熱延鋼帯上面に冷却水を噴射する複数の上部ヘッダ、及びこれに対向して下面側に配置され熱延鋼帯下面に冷却水を噴射する複数の下部ヘッダに、それぞれ、流体噴射ノズルを取り付けた。これによって、流体噴射ノズルを圧延ライン幅方向及び長手方向に等間隔に配置した。
表3に、使用した流体噴射ノズルの設計諸元及びその使用結果を示す。また、この表に、比較例として用いた3種類の流体噴射ノズルについても、その設計諸元及び使用結果を示した。
Figure 2005125278
なお、この表の中で、ノズル損失係数は、ノズルヘッダ内の圧力を設計最大値(0.2MPa)に設定したときの噴射水量に基づいて算出された値である。従って、この値は、ノズル詰まり発生前の値である。また、ノズル長さは、設置位置の関係から最適範囲で全て同サイズに設定されている。
表3より、本発明に基づく流体噴射ノズル(実施例1)は、損失係数が小さく、メンテナンスサイクルが長いことが分かる。実施例1の流体噴射ノズルと比べて縮流比の小さい比較例1では、メンテナンスサイクルが同等であることから、ノズル詰まりは少ないものの、損失係数が3倍強と大きい。このため、投入水量を増加させると実績水量が設定水量に達しない問題があった。比較例2では、フィルタ管長さLを短くしたために、剥離したスケール等の異物によるフィルタ詰まりが早かった。比較例3では、圧力損失は小さいものの、開口長さd4が小さいため、フィルタの詰まりが発生しやすく、長期間の使用が不可能であった。
次に、本発明の流体噴射ノズルの冷却に対する効果について調べた。ノズルは、上記実施例1の流体噴射ノズルおよび比較例として多孔板ノズル(比較例4)を用いて、鋼板の冷却実験を行った。本発明の例として、実施例1の流体噴射ノズルを、図7に示す通り、矩形断面をもつ中空ヘッダーの一面に高密度かつ規則的に配置し、流体噴射ノズルが設置された側の面を、鋼板の上下に、鋼板と平行に設置して、鋼板面へ冷却水を供給した。一方、比較例の多孔板ノズルは、図8に示すような矩形断面をもつ中空ヘッダーの一面に、多数の穴が上記流体噴射ノズルと同様の配置で開いており、穴の開いた側の面を、鋼板上下に、鋼板に平行に設置して、鋼板面へ冷却水を供給するノズルである。
図10に示すように、下面側の冷却水ヘッダーは搬送ロール間に設置され、上面側の冷却水ヘッダーは水切り機能を有する水切りロール間に設置され、上記冷却区域を鋼板の長手方向に連続的に設置する。上記構成であるために、特に下面側のノズルでは、噴射した冷却水がヘッダーの上部に溜まってしまう。
本発明例と比較例について、ノズル出口から鋼板の距離(50mm)、冷却される鋼板板厚(3.0mm)、冷却水水量密度(8000L/min.m)、搬送速度(10m/s)、冷却長(15m)、冷却開始温度(800℃)は同条件とした。図9には上記条件で冷却したときの、冷却速度Vcを示す。ここで、冷却速度Vcは次式で定義される。
Figure 2005125278
本発明の流体噴射ノズルを使用すると、多孔板ノズルの場合よりも3割冷却速度が向上した。このメカニズムについて、図10に示しながら説明する。本発明の流体噴射ノズル1の鳩合、水流の直進性が増強されるために、冷却水溜まりがあっても、鋼板搬送速度に対して相対速度2倍程度の冷却水流速を減衰させることなく供給することができ、鋼板に均一に強冷却を施すことが可能である。また下面側は、ノズル長さの分、使用後の冷却水溜まりの影響を回避することができる点で有利である。一方、多孔板ノズルの場合は、ノズルから噴射された直後から水流が広がると共に、溜まり水の影響で冷却水の流速が急激に低下してしまい、冷却能力が低下する。特に下面側の流速低下が大きいため、上下同一水量密度では、上下冷却能力バランスの変化が大きく、鋼板の歪みを生じる原因となる。
本発明の流体噴射ノズルは、上記の例に示された構造に限定されず、種々の変形を加えて実施することが可能である。
例えば、上記の例では、ノズル本体2とフィルタ管3は一体的に形成されているが、それらを各々に分離できる構造を採用しても良い。但し、ノズル本体の入側流路8の内径dとフィルタ管2の内径dは、一致していなくてはならない。接合部に段差があって、急拡大あるいは急縮小管になると、余計な圧力損失が発生してしまうからである。
また、フィルタ管3に設けられる流入孔4の形状や寸法は、全て等しくなくとも良い。例えば、側壁面に設けられる流入孔を全て同径、同サイズとし、後端面に設けられる流入孔の開口径を、本発明に基づく出口流路径との関係及び流入孔の開口面積の総和に関する条件を満たす範囲で、他の流入孔より大きくしてもよい。
また、本発明の流体噴射ノズルは、鋼材の冷却のみならず、鋼材のスケール除去、船体の錆や塗料落とし、あるいは、各種洗浄用のノズルとして用いることができる。また、噴射される流体も、水のみではなく、他の流体あるいは固体・気体との混相液体であってもよい。
本発明の流体噴射ノズルの概略を示す断面図。 本発明の流体噴射ノズルを流体供給管に組み付けた状態を示す図。 本発明の流体噴射ノズルのフィルタ管の概略を示す図。 ノズルの入側流路面積と出側流路面積の比(縮流比)とノズル損失係数との関係を示す図。 フィルタ管の流入総面積とノズル損失係数との関係を示す図。 ノズル出口の噴射広がり角度を示す図。 実施例1の流体噴射ノズルを用いた冷却装置の一部を示す図。 比較例3の多孔板ノズルの一部を示す図。 本発明の流体噴射ノズル及び多孔板ノズルを用いて鋼板を冷却した場合の冷却速度を比較した図。 本発明の流体噴射ノズル及び多孔板ノズルを用いて鋼板を冷却するときの水流を説明した図。
符号の説明
1・・・流体噴射ノズル、2・・・ノズル本体、3・・・フィルタ管、4・・・流入孔、5・・・出口孔、6・・・出側流路、7・・・テーパ部、8・・・入側流路、9・・・取付ネジ部、10・・・フィルタ管内流路、11・・・流体供給管、12・・・冷却水ヘッダ、13・・・搬送ロール、14・・・水切りロール、15・・・鋼板、16・・・多孔板ノズルヘッダ。

Claims (6)

  1. 円筒状のノズル本体と、その入側に接続された円筒状のフィルタ管とを備えた流体噴射ノズルであって、
    前記ノズル本体は、その内部に形成された流路が、入側流路、出側流路、及び入側流路と出側流路の間を結ぶテーパ部により構成され、
    前記出側流路の断面積は、前記入側流路の断面積の50%以下であり、
    前記フィルタ管は、その内径が前記入側流路と同じであり、その側壁またはその側壁及び後端面に複数の流入孔が形成され、
    前記各流入孔の開口径は、1mm以上であって、且つ前記出側流路の径以下の寸法であり、
    前記複数の流入孔の開口面積の総和は、前記フィルタ管の内部流路の断面積の2倍以上である、
    ことを特徴とする流体噴射ノズル。
  2. 前記テーパ部のテーパ角度が40度以上140度以下であることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射ノズル。
  3. 前記出側流路の長さがその径の1.5倍以上であり、且つ前記入側流路の長さがその径の5倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の流体噴射ノズル。
  4. 前記流入孔が、前記フィルタ管の外周面に周方向及び軸方向に並べられ、格子状または千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の流体噴射ノズル。
  5. 前記流体噴射ノズルを流体供給管に取り付ける際、流体供給管の内部の流路内に前記フィルタ管が突き出される状態で取り付けられ、その流路内に突き出される部分の長さが20mm以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流体噴射ノズル。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の流体噴射ノズルを、流体供給管に組み付け、熱間圧延工程中の鋼材に対して冷却媒体を噴射することを特徴とする鋼材の冷却方法。
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