JP2005125106A - 生体情報計測装置および脈波計測装置 - Google Patents

生体情報計測装置および脈波計測装置 Download PDF

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豊 近藤
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克行 本田
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Abstract

【課題】 大掛かりな遮光構造がなくても使用条件に対する制約を緩和可能な光学式の人体情報検出装置および脈波計測装置を提供すること。
【解決手段】 脈波計測装置1では、装置本体10をリストバンド12で腕に装着する一方、検出装置30をセンサ固定用バンド40によって指に装着する。この状態で、LED31から指に向けて光を照射すると、この光が血管に届いて反射する。反射してきた光は、フォトトランジスタ32によって受光され、その受光量は、血液の脈波によって生じる血量変化に対応する。ここで、LED31は、青色LEDを用いてあり、その発光波長ピークは、450nmである。フォトトランジタ32の受光波長領域は、300nmから600nmまでの波長領域にある。
【選択図】 図3

Description

本発明は、脈波計測装置などの生体情報計測装置に関し、更に詳しくは、生体に向けて光を照射し、生体からの反射光を検出して脈波などの生体情報を計測する装置に関するものである。
脈波などの生体情報を計測する装置には、血液の量の変化を光学的に検出し、その検出結果に基づいて生体情報を表示する電子機器がある。かかる光学式の脈波計測装置(生体情報計測装置)では、LED(発光ダイオード)などの発光素子から指先などに光を照射し、生体(血管)からの反射光をフォトトランジスタなどの受光素子で受光することにより、血液の脈波によって生じる血量変化を受光量の変化として検出し、これにより得られる脈波信号に基づいて脈拍数や脈波の変化を表示するようになっており、発光素子から照射される光としては、従来、赤外光が用いられている。ここで、受光素子に外光(太陽光)が射し込むと、外光の入射量の変動に伴い、受光量が変動してしまうため、従来の脈波計測装置では、指先などの検出部分を遮光カバーで覆うことによって外光の影響を抑えている。
しかしながら、従来の脈波計測装置では、外光に対する遮光カバーをいくら大掛かりにしても、屋外といった外光があたる場所で使用すると、外光の一部が指自身を通って受光素子に届いてしまい、外光の照度が変動することに起因して脈波の誤検出が発生しやすいという欠点がある。従って、従来の脈波計測装置には、外光があたらない場所、または外光の照度が一定した場所でしか使用できないという制約があり、かかる制約を緩和するには、さらに大掛かりな遮光構造が必要になって、脈波計測装置を小型化できない。かかる問題点を解消するために、実開昭57−74009号公報には、脈波の検出装置に加えて外光を検出する外光検出素子を設け、外光検出素子による外光の検出結果に基づいて、その影響を補償する脈波センサが開示されている。しかし、脈波センサに外光検出素子および補償回路を設けることは、その小型化や低価格化を妨げてしまうなど、これまで案出されてきた外光への対策は、いずれも実用性に乏しい。
このような問題点に鑑みて、本願発明者は、外光の照度が変動することに起因して脈波の誤検出が発生する理由を種々検討した結果、従来の脈波計測装置においてその検出系に用いている赤外光は、生体における透過率が大きすぎるため、遮光カバーを付けても外光が生体自身を透過して受光素子に届きやすいからであり、かかる問題点を解消すれば、実用的な外光対策が可能であるという結論に到達した。
そこで、本発明の課題は、外光の影響を受けにくい光学系を用いることによって、大掛かりな遮光構造がなくても使用条件に対する制約を緩和可能な生体情報検出装置および脈波計測装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明では、生体の一部に向けて光を照射する発光部、およびこの発光部が発した光を生体を介して受光する受光部、すなわち、生体からの反射光を受光する受光部を備える検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて生体情報を表示する生体情報表示手段とを有する生体情報計測装置において、生体情報を、検出手段の約300nmから約700nmまでの波長領域における検出結果に基づいて表示することに特徴を有する。
かかる波長領域での検出を行なうにあたって、たとえば、発光部の発光波長領域を少なくとも約300nmから約700nmまでの範囲とし、受光部の受光波長領域をλnmとしたときに、受光波長領域を以下の式
0 < λ ≦ 700
で表される範囲のみとする。
このような生体情報計測装置は、たとえば、検出手段の検出結果に基づいて生体情報としての脈波情報を表示する脈波計測装置を構成できる。
(作用)
本発明に係る脈波計測装置(生体情報計測装置)において、LEDなどの発光部から指や手首などに光を照射し、血管からの反射光をフォトトランジスタなどの受光部で検知することにより、血液の脈波によって生じる血量変化を受光量の変化として検出し、これにより得られる脈波信号に基づいて脈拍数や脈波の変化を表示する。本発明では、生体情報は、検出手段の300nmから700nmまでの波長領域における検出結果に基づいて表示する。かかる波長領域での検出を行なうにあたって、たとえば、発光部の波長領域が少なくとも300nmから700nmまでの範囲とし、受光波長領域を700nm以下とすれば、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を導光体として受光部にまで到達しない一方、300nmより低波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収される。従って、検出結果は、外光の影響を受けることなく、発光部の光のみに基づく300nmから700nmまでの波長領域の検出結果から生体情報を計測することができる。それ故、検出部分に外光が直接射し込まない限り、外光に起因する脈波の誤検出が発生しないので、大掛かりな遮光構造を設けなくても使用条件に対する制約を緩和できる。
また、血液中のヘモグロビンは、波長領域が300nmから700nmまでの範囲にある光に対する吸光係数が赤外光に対する吸光係数よりも著しく大きい。
かかるヘモグロビンの吸光特性に合わせて、波長領域が300nmから700nmまでの範囲にある光を生体に向けて照射すると、生体(血管)から反射してくる光の強度は、血量変化に追従して大きく変化する。それ故、脈波信号のS/N比が向上する。
(実施例)
図面に基づいて、本発明の一実施例を説明する。
(全体構成)
図1は、実施例に係る脈波計測装置の使用状態を示す説明図、図2(a)、(b)、(c)は、脈波計測装置の検出装置を装着した指と光学素子との位置関係を模式的に示す断面図、図3は、指に装着された検出装置の動作を示す説明図である。
図1において、本例の脈波計測装置1(生体情報計測装置)では、腕時計構造を有する装置本体10と、この装置本体10から引き出されたケーブル20と、このケーブル20の先端側に設けられた検出装置30と、この検出装置30を指や手首などに装着するためのゴム製などのセンサ固定用バンド40とから大略構成されている。
装置本体10は、計時機能が内蔵された時計ケース11、およびこの時計ケース11を腕に装着するためのリストバンド12から構成されている。時計ケース11の表面側には、現在時刻や日付に加えて、検出装置30での検出結果に基づく脈波情報(生体情報)なども表示する液晶表示装置13が構成されている。また、時計ケース11の内部には、検出装置30による検出結果に基づいて脈拍数の変化などを表示するために、検出信号に対する信号処理などを行なうデータ処理回路50も内蔵され、このデータ処理回路50および液晶表示装置13によって、生体情報表示手段60が構成されている。なお、時計ケース11の外側面には、時刻合わせや表示モードの切り換えなどを行なうためのボタンスイッチ111、112が設けられている。
脈波計測装置1の電源は、時計ケース11に内蔵されている電池であり、ケーブル20は、電池から検出装置30に電力を供給するとともに、検出装置30の検出結果を時計ケース11内のデータ処理回路50に入力可能である。
本例では、センサ固定用バンド40には、マジックテープ(R)が張られており、図1に実線で示すように、センサ固定用バンド40は、検出装置30を指の根元に密着した状態で取り付け可能である。また、図1に点線で示すように、検出装置30を指先に密着した状態とすることも可能である。
センサ固定用バンド40の内面には、検出装置30が箱型の光学ユニット300として固定されており、それには、図2(a)、(b)、(c)に模式的に示すように、LED31およびフォトトランジスタ32が指に向けられている。ここで、図2(a)には、指の根元に検出装置30を密着した状態で取り付けたときに、指の長さ方向にLED31およびフォトトランジスタ32が並んだ状態を示してある。図2(b)には、指先に検出装置30を密着した状態で取り付けたときに、指の長さ方向にLED31およびフォトトランジスタ32が並んだ状態を示してある。図2(c)には、指に検出装置30を密着した状態で取り付けたときに、指の周り方向にLED31およびフォトトランジスタ32が並んだ構造を示してある。
本例では、図3に示すように、LED31から指に向けて光を照射し、生体(血管)から反射してきた光をフォトトランジスタ32で受光して生体(血管)から脈波を検出するようになっている。
かかる脈波の検出にあたって、本例では、赤外光ではなく、300nmから700nmまでの波長領域における検出結果に基づいて生体情報を表示するようになっている。すなわち、検出装置30では、発光波長領域が300nmから700nmまでの範囲にあるLED31と、受光波長領域が700nm以下のフォトトランジスタ32とを用いてあり、その重なり領域である300nmから700nmまでの波長領域における検出結果に基づいて生体情報を表示する。かかる検出装置30を用いれば、後述するとおり、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受光部)にまで到達しない一方、300nm以下の光は、皮膚表面でほとんど吸収される。
従って、検出結果は、外光の影響を受けることなく、発光部の光のみに基づく300nmから700nmまでの波長領域の検出結果から生体情報を計測することができるからである。
ここで、LED31から発せられた光は、その一部が矢印Cで示すように指を通って血管にまで到達し、血液中のヘモグロビンからの反射光が矢印Dで示すようにフォトトランジスタ32に届く。この経路で受光された光量が生体反射量である。また、LED31から発せられた光は、その一部が矢印Eで示すように指表面で反射してフォトトランジスタ32に届く。この経路で受光された光量が皮膚反射量である。さらに、LED31から発せられた光、および血管から反射した光の一部は、矢印F、Gで示すように、指内で吸収、または分散して、フォトトランジスタ32に届かない。
かかるLED31として、本例では、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDを用いてあり、その発光スペクトルは、図4に示すように、450nmに発光ピークを有し、その発光波長領域は、350nmから600nmまでの範囲にある。かかる発光特性を有するLED31に対応させて、本例では、フォトトランジスタ32として、GaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のフォトトランジスタを用いてあり、その素子自身の受光波長領域は、図5に示すように、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲にあって、300nm以下にも感度領域がある。ここで、フォトトランジスタ32として、素子にフィルタを付加したセンサユニットを用いることもあり、このようなセンサユニットの受光波長領域の一例は、図6に示すように、主要感度領域が400nmから550nmまでの範囲にある。これらのLED31およびフォトトランジスタ32は、消費電力が比較的小さいので、本例の脈波計測装置1のように、計時機能と脈波計測機能を1つの小型電池で駆動する場合でも、連続稼働時間が長い。
(検出装置の構成)
図7〜図10を参照して、光学ユニットの構成を詳述する。図7は、光学ユニットの平面図、図8は、図7のA−A′線における断面図、図9は、図7のB−B′線における断面図、図10は、図7のC−C′線における断面図である。
これらの図において、光学ユニット300では、そのケース体としてのセンサ枠301に裏蓋302が被されてその内部が部品収納空間になっている。センサ枠301に対する裏蓋302の固定は、3本の裏蓋止めねじ303で行なわれている。また、裏蓋止めねじ303は、裏蓋302の下面にセンサ固定用バンド40を固定し、センサ固定用バンド40は、光学ユニット300から両側に延びている。かかるセンサ固定用バンド40に対して直角をなす方向に向けて、センサ枠301の内部からはケーブル20が引き出されている。センサ枠301の上面部分には、ガラス板304(フィルタ)で光透過窓が形成され、このガラス板304に対向するように回路基板305がセンサ枠301の内部に固定されている。回路基板305には、LED31、フォトトランジスタ32(フィルタ付きのセンサユニット)、およびトランジスタ309が実装されており、LED31およびフォトトランジスタ32は、それぞれ発光面および受光面をガラス板304の方に向けている。なお、回路基板305は、センサ枠301の上面から嵌め込まれた2本のピン306に基板止めねじ307が止められてセンサ枠301に固定されている。また、ピン306によってアース板308も固定されている。
(データ処理回路の構成)
図11を参照して、時計ケース11の内部に構成されたデータ処理回路50の構成を説明する。図11は、データ処理回路50の構成を示すブロック図である。
データ処理回路50において、脈波信号変換部51は、検出装置30からケーブル20を介して入力された信号をデジタル信号に変換して脈波信号記憶部52に出力するようになっている。脈波信号記憶部52は、デジタル信号に変換された脈波データを記憶しておくRAMである。脈波信号演算部53は、脈波信号記憶部52に記憶されている信号を読み出してそれに周波数分析を行ない、その結果を脈波成分抽出部54に入力するようになっている。脈波成分抽出部54は、脈波信号演算部53からの入力信号から脈波成分を抽出して脈拍数演算部55に出力し、この脈拍数演算部55は、入力された脈波の周波数成分により脈拍数を演算し、その結果を液晶表示装置13に出力するようになっている。
(動作)
このように構成した脈波計測装置1の動作を、図1、図3および11を参照して簡単に説明する。まず、図1に示すように、装置本体10をリストバンド12で腕に装着する一方、検出装置30(光学ユニット300のガラス板304)をセンサ固定用バンド40によって指に密着させる。この状態で、図3に模式的に示すように、LED31から指に向けて光を照射すると、この光が血管に届いて血液中のヘモグロビンによって一部が吸収され、一部が反射する。生体(血管)から反射してきた光は、フォトトランジスタ32によって受光され、その受光量変化は、血液の脈波によって生じる血量変化に対応する。すなわち、血量が多いときには、反射光が弱くなる一方、血量が少なくなると、反射光が強くなるので、反射光強度の変化をフォトトランジスタ32で監視すれば、脈拍などを検出できる。かかる検出を行なうために、図11に示すデータ処理回路50では、フォトトランジスタ32(検出装置30)から入力された信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号に周波数分析などを行なって脈拍数を演算する。そして、演算により求めた脈拍数を液晶表示装置13に表示させる。すなわち、脈波計測装置1は、脈拍計として機能する。
(実施例の効果)
本例では、LED31の発光波長領域は、350nmから600nmまでの範囲にあり、フォトトランジスタ32の受光波長領域は、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲にある。また、フォトトランジスタ32として、素子とフィルタとを組み合わせたユニットを用いたときの受光波長領域は、400nmから550nmまでの範囲にある。従って、図1に示す簡単な遮光状態で脈波を計測しても、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受光部)にまで到達せず、検出には影響を与えない波長領域の光だけが、指を導光体として通ってくることから、本例では、指の露出部分に外光があたっても、脈波の検出結果には外光の影響が及ばない。また、本例では、血量変化に基づく脈波信号のS/N比が高い。かかる理由を以下に説明する。
まず、外光の影響を受けにくい理由を、図12(a)を参照して説明する。図12(a)には、光の波長と、皮膚の光透過度との関係を示してある。ここで、折れ線aは、波長が200nmの光における透過特性、折れ線bは、波長が300nmの光における透過特性、折れ線cは、波長が500nmの光における透過特性、折れ線dは、波長が700nmの光における透過特性、折れ線eは、波長が1μmの光における透過特性を示す。この図から明らかなように、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を透過しにくい傾向にあるため、外光がセンサ固定用バンド40で覆われていない指の部分に照射されても、図3に点線Xで示すように、指を通ってフォトトランジスタ32まで届かない。それ故、本例のように、700nm以下の光を検出光として用いれば、指を大掛かりに覆わなくても必要最小限の範囲を覆うだけで、外光の影響を抑えることができるので、本例の脈波計測装置1は、屋外での使用が可能である。なお、300nmより低波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収されるので、受光波長領域を700nm以下としても、実質的な受光波長領域は、300nm〜700nmとなる。
これに対し、従来のように、880nm付近に発光ピークを有するLEDを用い、シリコン系のフォトトランジスタを用いると、その受光波長範囲は、図13に示すように、350nmから1200nmまでの範囲に及ぶ。従って、従来の光学系(検出装置)では、外光のうち、図3に矢印Yで示すように、指を導光体として受光部にまで容易に届いてしまう1μmの波長の光、すなわち、図12(a)の折れ線eで示す光による検出結果に基づいて脈波を検出しているので、外光の変動に起因する誤検出が起こりやすい。
次に、本例の脈波計測装置1では、脈波信号のS/N比が高い理由を、図12(b)を参照して説明する。図12(b)は、光の波長と各種のヘモグロビンの吸光特性との関係を示す説明図である。
図12(b)には、酸素と未結合のヘモグロビンの吸光特性を曲線Hbで示してあり、酸素と結合しているヘモグロビンの吸光特性を曲線HbO2 で示してある。これらの曲線が示すように、血液中のヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまでの光に対する吸光係数が大きく、従来の検出光である波長が880nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍以上大きい。従って、本例のように、ヘモグロビンの吸光特性に合わせて、吸光係数が大きい波長領域(300nmから700nm)の光を検出光として用いると、その検出値は、血量変化に感度よく変化するので、血量変化に基づく脈波の検出率(S/N比)が高い。
(各遮光条件における外光の侵入量)
本例の脈波計測装置1を評価するにあたり、図14(a)〜(e)で示すように、指に対する遮光範囲を条件1から条件5まで変えながら外光の侵入量のみを従来の脈波計測装置(比較例)と比較して計測した。ここで、本例の脈波計測装置1としては、受光感度が400nmから600nmのフォトトランジスタ32を用いた試料1と、受光感度が300nmから700nmのフォトトランジスタ32を用いた試料2とを評価に供した。一方、比較例としては、受光感度が300nmから700nmまでの範囲からずれた試料3、4、5を評価に供した。なお、条件1は、図14(a)に示すように、人差し指の根元を遮光カバーで10mmの幅で覆った状態、条件2は、図14(b)に示すように、人差し指の根元を遮光カバーで20mmの幅で覆った状態、条件3は、図14(c)に示すように、人差し指の根元を遮光カバーで40mmの幅で覆った状態、条件4は、図14(d)に示すように、人差し指の根元を遮光カバーで70mmの幅で覆った状態、条件5は、図14(e)に示すように、人差し指の全体、親指の根元、中指の根元、および各指の付け根付近を遮光カバーで覆った状態である。
このような各条件下における外光の侵入量の計測結果を表1に示す。なお、外光の侵入量は、フォトトランジスタの出力電流(単位μA)で表してある。
Figure 2005125106
表1に示すように、本例の脈波計測装置1(試料1、2)によれば、300nmから700nmまでの波長領域にある光を受光しているので、今回行なったいずれの条件でも、外光の影響を無視できる。外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受光部)にまで到達しないからである。従って、本例の脈波計測装置1によれば、検出装置30自身、またはセンサ固定用バンド40(遮光カバー)で指を10mmの幅で覆えば充分である。これに対して、比較例の脈波計測装置(試料3、4、5)では、人差し指の全体、親指の根元、中指の根元、および各指の付け根付近まで広い範囲にわたって覆った状態(条件5)でのみ外光の影響を無視でき、大掛かりな遮光構造が必要である。
(各環境下における外光の影響)
また、発光波長ピークが450nmのLED31(青色光源)を用い、受光波長領域が300nmから600nmまでのGaAsP系のフォトトランジスタ32を用いた本例の脈波計測装置1と、発光波長ピークが880nmのLEDを用い、受光波長領域が350nmから1200nmまでのフォトトランジスタを用いた脈波計測装置(比較例)とに関して、外光の影響の度合いを比較、検討した結果を図15、図16に示す。なお、図に示すデータは、脈波の検出結果に周波数解析を行なった結果を示し、多数のピークのうち、矢印を付したピークが脈波の周波数に相当する。
図15(a)には、本例の脈波計測装置を腕に装着したまま、暗室環境下を走行したときの脈波の計測結果を示してある。図15(b)には、本例の脈波計測装置を腕に装着したまま、太陽光に向かって一方向に走行したときの脈波の計測結果を示してある。図15(c)には、本例の脈波計測装置を腕に装着したまま、太陽光の相対的な向きが変動するように回りながら走行したときの脈波の計測結果を示してある。これらの図に示すいずれの条件においても、矢印を付した脈波のピークは、他のピークに比して明確であり、本例の脈波計測装置1は、外光の影響を受けにくいことがわかる。
図16(a)には、従来の脈波計測装置を腕に装着したまま、暗室環境下を走行したときの脈波の計測結果を示してある。図16(b)には、本例の脈波計測装置を腕に装着したまま、太陽光に向かって一方向に走行したときの脈波の計測結果を示してある。図16(c)には、本例の脈波計測装置を腕に装着したまま、太陽光の相対的な向きが変動するように回りながら走行したときの脈波の計測結果を示してある。これらの図に示すように、従来の脈波計測装置は、暗室環境下でのみ脈波の計測が可能であって、外光があたる条件下では、計測不可能であることがわかる。
(脈波信号の相対感度)
次に、本例の脈波計測装置1、および従来の脈波計測装置(比較例)において、脈波を計測したときの脈波信号レベル(μA)、反射光の全体レベル(μA)、反射光に含まれる脈波信号の比を比較、検討した結果を表2に示す。ここで、本例の脈波計測装置1としては、発光波長領域が420nmから480nmのLED31(発光色が青色)を用いた試料6に加えて、発光波長領域が540nmから570nmのLED31(発光色が緑色)を用いた試料7も評価に供した。
試料7では、発光色が緑色のLED31としてGaP系のものを用いてあり、このGaP系のLED31は、その発光スペクトル分布を図17に示すように、540nmから570nmまでの範囲に主要発光領域を有し、発光領域は、520nmから600nmまでの範囲にまで及ぶ。かかるGaP系のLED31を用いた試料7では、その発光特性に対応させて、GaP系のフォトトランジスタ32を用いてあり、このGaP系のフォトトランジスタ32は、その受光感度特性を図18に示すように、200nmから700nm近くまでの範囲に感度領域を有する。
なお、比較例としては、発光波長領域が300nmから700nmまでの範囲からずれた試料8、9、10を評価に供した。
表2には、この評価結果を示してある。
Figure 2005125106
表2に示すように、本例の脈波計測装置1(試料6、7)によれば、血液中のヘモグロビンの吸光係数が大きい波長領域に合わせて、発光波長領域が300nmから700nmまでの範囲内のある光を用いているので、反射光に含まれる脈波信号の比が0.019、0.013と大きく、感度が高い。これに対して、比較例の脈波計測装置(試料8、9、10)では、反射光に含まれる脈波信号の比が0.002以下と非常に小さく、感度が低い。すなわち、本例の脈波計測装置1の感度は、従来のものに比して脈波信号のS/N比で約10倍近く飛躍的に向上する。
(肌の色の影響)
次に、本例の脈波計測装置1の感度が高いという利点は、肌の色に影響されないことを検討した結果を表3に示す。この評価では、皮膚の表面で反射しにくい450nmの発光波長ピークを有するLED(青色光源)を用いた本例の脈波計測装置1(試料11)と、皮膚の表面で反射しやすい880nmの発光波長ピークを有するLEDを用いた従来の脈波計測装置(比較例、試料12)とに関して、黄色人種、白人、および黒人の脈波を計測し、そのときに検出される皮膚反射量、生体反射量(血管からの反射量)、脈波成分をそれぞれ算出した。
Figure 2005125106
その結果、表3に示すように、黄色人種、白人、および黒人のいずれの人種を対象にしても、全受光量に占める脈波成分の比率が高いこと、すなわち、生体情報に対する計測感度が高いことが実証された。
(その他の実施例)
なお、血液中のヘモグロビンの吸光特性は、図12(b)に示したように、酸素と未結合のヘモグロビンと、酸素と結合しているヘモグロビンとの間で異なるので、300nmから700nmまでの波長をもつ光、たとえば約470nmの波長をもつ光を検出光として用いれば、その強度から、各種のヘモグロビンの量、およびヘモグロビンの総量などを生体情報として計測することができる。また、皮膚と水分の吸光特性の差から、たとえば、皮膚に含まれる水分を生体情報として計測することもできる。
以上説明したとおり、本発明に係る脈波計測装置(生体情報計測装置)においては、LEDなどの発光部から指先などに光を照射し、血液などからの反射光をフォトトランジスタなどの受光部で検知するとともに、かかる検出手段の300nmから700nmまでの波長領域における検出結果に基づいて生体情報を計測することに特徴を有する。かかる波長領域での検出を行なうにあたって、たとえば、発光部の波長領域が少なくとも300nmから700nmまでの範囲とし、受光波長領域を700nm以下とすれば、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を導光体として受光部にまで到達しない一方、300nmより低波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収される。従って、検出結果は、外光の影響を受けることなく、発光部の光のみに基づく300nmから700nmまでの波長領域の検出結果から生体情報を計測することができる。それ故、検出部分に外光が直接射し込まない限り、外光に起因する脈波の誤検出が発生しないので、大掛かりな遮光構造を設けなくても使用条件に対する制約を緩和できる。
また、血液中のヘモグロビンは、波長領域が300nmから700nmまでの範囲にある光に対する吸光係数が赤外光に対する吸光係数よりも著しく大きい。
かかるヘモグロビンの吸光特性に合わせて、波長領域が300nmから700nmまでの範囲にある光を生体に向けて照射すると、生体(血管)から反射してくる光の強度は、血量変化に追従して大きく変化する。それ故、脈波信号のS/N比が向上するので、本発明に係る脈波計測装置では、脈波の計測感度が高いという効果も奏する。
本発明の一実施例に係る脈波計測装置の使用状態を示す説明図である。 (a)〜(c)は、図1に示す脈波計測装置において、検出装置と指との位置関係を模式的に示す断面図である。 図1に示す脈波計測装置において、指に装着された検出装置の動作を示す説明図である。 図1に示す脈波計測装置に用いたInGaN系青色LEDの発光スペクトルを示す説明図である。 図1に示す脈波計測装置に用いたInGaP系フォトトランジスタの受光特性を示す説明図である。 図1に示す脈波計測装置に用いたフィルタ付きのフォトトランジスタユニットの受光特性を示す説明図である。 図1に示す脈波計測装置の検出装置(光学ユニット)の構成を示す平面図である。 図7のA−A′線における断面図である。 図7のB−B′線における断面図である。 図7のC−C′線における断面図である。 図1に示す脈波計測装置のデータ処理回路の構成を示すブロック図である。 (a)は、光の波長と皮膚の光透過度との関係を示すグラフ図、(b)は、光の波長と各種のヘモグロビンの吸光特性との関係を示す説明図である。 従来の脈波計測装置に用いたシリコン系のフォトトランジスタの受光特性を示す説明図である。 本例の脈波計測装置における外光の侵入度合いを評価するにあたり、指への遮光範囲を変えた各実験条件を示す説明図である。 本例の脈波計測装置における外光の影響を評価するにあたり、本例の脈波計測装置による脈波の検出結果に周波数解析を行なったデータを示す説明図である。 本例の脈波計測装置における外光の影響を評価するにあたり、その比較例に係る脈波計測装置による脈波の検出結果に周波数解析を行なったデータを示す説明図である。 図1に示す脈波計測装置に用いたGaP系のLEDの発光スペクトルを示す説明図である。 図1に示す脈波計測装置に用いたGaAsP系フォトトランジスタの受光特性を示す説明図である。
符号の説明
1・・・脈波計測装置(生体情報計測装置)
10・・・装置本体
11・・・時計ケース
12・・・リストバンド
13・・・液晶表示装置
20・・・ケーブル
30・・・検出装置
31・・・LED(発光部)
32・・・フォトトランジスタ(受光部)
40、40A・・・センサ固定用バンド
50・・・データ処理回路
51・・・脈波信号変換部
52・・・脈波信号記憶部
53・・・脈波信号演算部
54・・・脈波成分抽出部
55・・・脈拍数演算部
60・・・生体情報表示手段
300・・・光学ユニット
301・・・センサ枠
305・・・回路基板
304・・・ガラス板

Claims (3)

  1. 生体の一部に向けて光を照射する発光部、およびこの発光部が発した光を生体を介して受光する受光部を備える検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて生体情報を表示する生体情報表示手段とを有する生体情報計測装置において、前記生体情報は、前記検出手段の約300nmから約700nmまでの波長領域における検出結果に基づいて表示されることを特徴とする生体情報計測装置。
  2. 請求項1において、前記発光部の発光波長領域が少なくとも約300nmから約700nmまでの範囲にあり、前記受光部の受光波長領域をλnmとしたときに、
    受光波長領域は、以下の式
    0 < λ ≦ 700
    を満たす範囲のみにあることを特徴する生体情報計測装置。
  3. 請求項1または2に規定する生体情報計測装置からなる脈波計測装置であって、前記検出手段の検出結果に基づいて前記生体情報としての脈波情報を表示することを特徴とする脈波計測装置。
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