JP2005124505A - 抗22−1−1抗原抗体をコードする核酸 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抗22-1-1抗原抗体(22-1-1抗体)の可変領域のアミノ酸配列及び塩基配列を提供する。
【解決手段】 CDR-H1をコードする配列、CDR-H2をコードする配列、CDR-H3をコードする配列、CDR-L1をコードする配列、CDR-L2をコードする配列、CDR-L3をコードする配列など特定の塩基配列を有する核酸。又、これらの塩基配列を基に抗22-1-1抗原抗体が構築され、該核酸を導入した形質転換体、これから得られる抗体が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は抗22-1-1抗原抗体をコードする核酸及びその利用に関する。より具体的には抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域及びL鎖可変領域をそれぞれコードする核酸及びそれを利用した抗22-1-1抗原抗体の作製方法、22-1-1抗原の測定方法などに関する。
ヒトの腫瘍の研究においては、これまでCEA、CA19-9、α-フェトプロテイン等いくつかの腫瘍関連抗原が報告されてきた。また、これらの腫瘍関連抗原に対するモノクローナル抗体が作製され、これらモノクローナル抗体を用いた腫瘍関連抗原の検出が癌の診断に有効であることも示されてきた。さらに、癌の治療への応用として、これらモノクローナル抗体に抗癌剤や放射性物質を結合させて、癌細胞を特異的に攻撃する方法も検討されてきた。
上記の腫瘍関連抗原は組織によってその発現は一様ではなく、広く癌を検出するという意味において、当該腫瘍関連抗原に対する上記モノクローナル抗体を利用した治療方法ないし診断方法は十分なものとはいい難いものであり、新規な腫瘍関連抗原及びこれに対する抗体の研究が望まれていた。
また、癌は種類によって、浸潤性の強い悪性のもの、比較的予後の良好なもの、化学療法に対して感受性の高いもの等、様々であり、これら癌の性質に応じた診断法又は治療法を提供することが望まれている。特に、予後の良否の判定は癌の治療において重要な意味を持つものである。
一方、腺癌の5〜20%を占める子宮頸部の腺癌についての研究が行われている。かかる癌は、子宮頸部扁平細胞癌に比較して放射線療法及び化学療法に対する感受性が低いことが知られており、その治療方法の開発が望まれるているのは勿論のこと、当該腺癌の生物学特性及び放射腺等に対する感受性を研究することは、他の癌における抗癌剤、診断方法等の開発においても価値の高いものであると考えられる。
本発明者らは子宮頸部腺癌の生物学的特性及び抗癌剤に対する感受性等を調べる目的でSiSo細胞株を確立し、その特性について報告した(非特許文献1)。その後の研究において、SiSo細胞に対するモノクローナル抗体(22-1-1モノクローナル抗体)を作製し、これを利用して22-1-1モノクローナル抗体の認識する抗原の組織分布及び生物学的特性が検討された。その結果、22-1-1モノクローナル抗体によって認識される抗原は、子宮癌及び卵巣癌、特に浸潤性の癌に強く発現していることが明らかとなった(非特許文献2)。
さらに、本発明者らは22-1-1モノクローナル抗体が認識する癌細胞上の抗原(22-1-1抗原)を明らかにするとともにその特性を検討した。その結果、22-1-1抗原が免疫系の細胞(T細胞、B細胞、NK細胞等)の受容体にリガンドとして機能することがわかり、22-1-1抗原が免疫系細胞の増殖を阻害してアポトーシスによる細胞死を誘導することにより、免疫監視機構をエスケープして癌細胞が進展する際の重要な役割を果たしている可能性が示唆された。また、22-1-1抗原又は抗22-1-1抗原抗体は免疫系の疾患、例えば自己免疫疾患等に関与している可能性も考えられる。
以上のように、22-1-1抗原又は抗22-1-1抗原抗体は、癌及び自己免疫疾患等の診断並びに腫瘍の発達、浸潤の研究に有用な対象となり、また、アポトーシスの機構を研究するうえでも重要なものと考えられる。即ち、22-1-1抗原等の測定は、癌等の検出及び予後の推定、更にはそれらの疾患の治療方針の確立に有効であるとともに、アポトーシスの研究に貢献するものと考えられる。このような考えに基づいて種々の検討を行った結果、本発明者らは先の特許出願(特許文献1)において抗22-1-1抗原抗体を用いた22-1-1抗原の免疫学的測定方法の開発に成功したことを報告した。
特開2001-215227号公報 International journal of Oncology 6:1099-1104,1995、Cancer vol.77 1501-1509,1996 Cancer vol.77 1501-1509,1996
上述のように本発明者らは抗22-1-1抗原抗体(22-1-1抗体)の取得に成功し、それがIgMクラスの抗体であることを確認した。しかし、当該抗体の具体的なアミノ酸配列及びそれをコードする塩基配列は不明であったためその利用態様は限られ、またそれを利用する際の条件の制約が大きいものであった。
本発明者らは以上の課題に鑑み鋭意検討を重ねた。その結果、抗22-1-1抗原抗体の可変領域のアミノ酸配列及び塩基配列を同定することに成功した。また、得られた配列情報を基にキメラ抗体を作製し、それが22-1-1抗原を特異的に認識するものであることを確認した。
本発明は以上の成果に基づき完成されたものであって以下の各構成を提供する。
[1] 以下のa)〜c)の少なくとも一つを含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域をコードする核酸:
a)配列番号8のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
b)配列番号10のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
c)配列番号12のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
[2] 以下のd)〜f)を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域をコードする核酸:
d)CDR1をコードする配列として、配列番号8のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
e)CDR2をコードする配列として、配列番号10のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
f)CDR3をコードする配列として、配列番号12のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
[3] 配列番号1若しくは配列番号2の塩基配列、又は該配列と実質的に同一の塩基配列を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域をコードする核酸。
[4] 以下のA)〜C)の少なくとも一つを含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のL鎖可変領域をコードする核酸:
A)配列番号14のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
B)配列番号16のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
C)配列番号18のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
[5] 以下のD)〜F)を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のL鎖可変領域をコードする核酸:
D)CDR1をコードする配列として、配列番号14のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
E)CDR2をコードする配列として、配列番号16のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
F)CDR3をコードする配列として、配列番号18のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
[6] 配列番号4若しくは配列番号5の塩基配列、又は該配列と実質的に同一の塩基配列を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のL鎖可変領域をコードする核酸。
[7] [1]〜[3]のいずれかに記載の核酸によってコードされるH鎖可変領域を有する抗22-1-1抗原抗体H鎖。
[8] [4]〜[6]のいずれかに記載の核酸によってコードされるL鎖可変領域を有する抗22-1-1抗原抗体L鎖。
[9] [1]〜[3]のいずれかに記載の核酸によってコードされるH鎖可変領域と、及び[4]〜[6]のいずれかの核酸によってコードされるL鎖可変領域と、を有する抗22-1-1抗原抗体。
[10] 配列番号3に記載のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるH鎖可変領域と、及び配列番号6に記載のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるL鎖可変領域と、を有する抗22-1-1抗原抗体。
[11] IgGクラスの抗体である、[9]又は[10]に記載の抗22-1-1抗原抗体。
[12] ヒト型化抗体である、[9]又は[10]に記載の抗22-1-1抗原抗体。
[13] Fab、Fab'、F(ab')2、scFv、又はdsFv抗体である、[9]又は[10]に記載の抗22-1-1抗原抗体。
[14] [1]〜[6]のいずれかに記載の核酸を含むベクター。
[15] [1]〜[3]のいずれかに記載の核酸と、及び[4]〜[6]のいずれかに記載の核酸と、を含むベクター。
[16] [1]〜[3]のいずれかに記載の核酸と、及び[4]〜[6]のいずれかに記載の核酸と、を発現可能な状態で保有する形質転換体。
[17] 以下のステップi)及びii)を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体の作製方法:
i)[16]に記載の形質転換体を、それが保有する前記二つの核酸が発現される条件下で培養するステップ;及び
ii)発現された抗体を回収するステップ。
[18] 以下のステップI)を含んでなる、22-1-1抗原の測定方法:
I)検体中の22-1-1抗原を、22-1-1抗原と[9]〜[13]のいずれかに記載の抗体との抗原抗体反応を利用して測定するステップ。
[19] 以下のステップI')及びI)を含んでなる、22-1-1抗原の測定方法:
I')検体をシアリダーゼで処理するステップ、及び
I)検体中の22-1-1抗原を、22-1-1抗原と[9]〜[13]のいずれかに記載の抗体との抗原抗体反応を利用して測定するステップ。
[20] [9]〜[13]のいずれかに記載の抗体を含む、22-1-1抗原測定用キット。
[21] [9]〜[13]のいずれかに記載の抗体を固相化した固相化抗体と、及び
22-1-1抗原に対して特異的に結合可能であって且つ標識化された標識化抗体と、を含む22-1-1抗原測定用キット。
[22] [9]〜[13]のいずれかに記載の抗体を固相化した固相化抗体と、
22-1-1抗原に対して特異的に結合可能であって且つ標識化された標識化抗体と、及び
シアリダーゼと、を含む22-1-1抗原測定用キット。
本発明において「抗22-1-1抗原抗体」とは22-1-1抗原を特異的に認識する抗体をいう。22-1-1抗原とはSiSo細胞に対する抗体(22-1-1抗体)によって認識される抗原である。22-1-1抗原は本発明者らの研究によって、SDS-PAGEにより分子量78kDaのタンパク質であることが示されている(Cancer vol.77 1501-1509,1996)。尚、22-1-1抗体を産生するハイブリドーマは以下に示すように寄託されている。
受託番号:FERM BP−7002
国際寄託機関:通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(現在は独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、〒305-8566 茨城県つくば市東1丁目1番3号 中央第6)
寄託日:2000年(平成12年)1月20日
本発明における核酸にはDNA及びRNAが含まれる。ここでのDNAは2本鎖DNAに限らず、1本鎖DNAであってもよい。「あるアミノ酸配列をコードする核酸」とは、その発現産物が当該アミノ酸配列を有することとなる核酸のことをいい、コドンの縮重、並びに転写後及び/又は翻訳後のプロセシングが考慮される。
本発明では22-1-1抗原を特異的に認識する抗体の配列情報が提供される。これにより、従来IgMクラスであった抗22-1-1抗原抗体をIgGクラスに変換することや、一部の領域の改変、更には断片抗体の作製などを行うことができ、使用目的に適した抗22-1-1抗原抗体を得ることが可能となる。特に、IgGクラスの抗体が得られることにより、抗原抗体反応を利用して検体中の22-1-1抗原を測定する場合において試薬が使い易いものとなり、また測定操作を簡略化できる。その結果、高感度かつ信頼性に優れた22-1-1抗原の測定系が構築されることとなる。
(核酸)
本発明の第1の局面は抗22-1-1抗原抗体をコードする核酸に関する。具体的な一形態としては抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域をコードする核酸が提供され、当該核酸は以下のa)〜c)の少なくとも一つを含むことを特徴とする。
a)配列番号8のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
b)配列番号10のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
c)配列番号12のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
後述の実施例で示すように、配列番号8、配列番号10、及び配列番号12のアミノ酸配列はそれぞれ22-1-1抗体のH鎖可変領域のCDR1領域(以下、「CDR-H1」ともいう)のアミノ酸配列、CDR2領域(以下、「CDR-H2」ともいう)のアミノ酸配列、及びCDR3領域のアミノ酸配列として同定されたものである。
a)の塩基配列、b)の塩基配列、及びc)の塩基配列の具体例としてそれぞれ、配列番号7の塩基配列、配列番号9の塩基配列、及び配列番号11の塩基配列を挙げることができる。
本発明の核酸(H鎖可変領域をコードする核酸)は、その発現産物が後述のL鎖可変領域をコードする核酸の発現産物と会合して(又は単独で)22-1-1抗原に対して特異的な結合性を有する。
上記のa)〜c)のすべてを含むことによって本発明の核酸が構成されていることが好ましい。即ち、本発明の核酸はその好ましい構成において22-1-1抗体H鎖のCDR1〜3(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)をそれぞれコードする塩基配列を全て含む。抗22-1-1抗原抗体H鎖のCDRとして同定された塩基配列の全てを含むことにより、22-1-1抗原に対する高い親和性が得られると考えられるからである。この場合において、前記CDR-H1をコードする塩基配列、前記CDR-H2をコードする塩基配列、及び前記CDR-H3をコードする塩基配列が5'側〜3'側に向かってこの順序で配置されていることが好ましい。このような構成によればその発現産物の立体構造(コンフォメーション)が22-1-1抗体の可変部の立体構造と同一ないし高い類似性を有したものとなり、その結果22-1-1抗原に対して高い親和性を有することになるからである。このような核酸の一例を図1に示す。図1において記号SIGで示した領域はシグナルペプチドをコードする領域である。このシグナルペプチドをコードする領域から始まりFR4をコードする領域までのもの(配列番号1)、及びFR1をコードする領域から始まりFR4をコードする領域までのもの(配列番号2)、を本発明の核酸の具体例として挙げることができる。このような核酸は本発明の抗体H鎖を発現することや、或は後述の実施例で示すように目的の抗原特異性を備えるキメラ抗体等を作製することに使用することができる。ここで、図1に示すように各CDR間には他の配列が介在する。これらの配列はフレームワークと呼ばれる領域(FR領域)をコードする配列(FR配列)である。このFR配列としては例えば、22-1-1抗体のH鎖可変領域におけるFR配列が用いられる。一般に、抗原との結合に関するFR領域の寄与度は小さく、そのためFR領域に比較的大きな改変を施しても抗原に対する結合性は大きな影響を受けないものと考えられている。このことを考慮すれば、FR配列については例えばヒトIgGのものに置換するなど大幅な改変も許容され得る。
本発明の第1の局面ではまた、抗22-1-1抗原抗体のL鎖可変領域をコードする核酸が提供され、当該核酸は以下のA)〜C)の少なくとも一つを含むことを特徴とする。
A)配列番号14のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
B)配列番号16のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
C)配列番号18のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
後述の実施例で示すように、配列番号14、配列番号16、及び配列番号18のアミノ酸配列はそれぞれ22-1-1抗体のL鎖可変領域のCDR1領域(以下、「CDR-L1」ともいう)のアミノ酸配列、CDR2領域(以下、「CDR-L2」ともいう)のアミノ酸配列、及びCDR3領域(以下、「CDR-L3」ともいう)のアミノ酸配列として同定されたものである。
A)の塩基配列、B)の塩基配列、及びC)の塩基配列の具体例としてそれぞれ、配列番号13の塩基配列、配列番号15の塩基配列、及び配列番号17の塩基配列を挙げることができる。
L鎖可変領域をコードする本発明の核酸は、その発現産物が前述のH鎖可変領域をコードする核酸の発現産物と会合して(又は単独で)22-1-1抗原に対して特異的な結合性を有する。
上記のA)〜D)のすべてを含むことによって本発明の核酸が構成されていることが好ましい。即ち、本発明の核酸はその好ましい構成において22-1-1抗体L鎖のCDR1〜3(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)をそれぞれコードする塩基配列を全て含む。抗22-1-1抗原抗体L鎖のCDRとして同定された塩基配列の全てを含むことにより、22-1-1抗原に対する高い親和性が得られると考えられるからである。この場合において、前記CDR-L1をコードする塩基配列、前記CDR-L2をコードする塩基配列、及び前記CDR-L3をコードする塩基配列が5'側〜3'側に向かってこの順序で配置されていることが好ましい。このような構成によればその発現産物の立体構造(コンフォメーション)が22-1-1抗体の可変部の立体構造と同一ないし高い類似性を有したものとなり、その結果22-1-1抗原に対して高い親和性を有することになるからである。このような核酸の具体的な配列の一例を図2に示す(配列番号3)。このような核酸の一例を図2に示す。図2において記号SIGで示した領域はシグナルペプチドをコードする領域である。このシグナルペプチドをコードする領域から始まりFR4をコードする領域までのもの(配列番号4)、及びFR1をコードする領域から始まりFR4をコードする領域までのもの(配列番号5)、を本発明の核酸の具体例として挙げることができる。このような核酸は本発明の抗体H鎖を発現することや、或は後述の実施例で示すように目的の抗原特異性を備えるキメラ抗体等を作製することに使用することができる。
尚、図2に示すように各CDR間にはFR配列が介在する。このFR配列としては、例えば22-1-1抗体のL鎖可変領域におけるFR配列が用いられる。上述のH鎖可変領域をコードする核酸の場合と同様に、FR配列については大幅な改変も許容され得る。
尚、以上のa)〜c)及びA)〜C)における「実質的に同一のアミノ酸配列」とは、22-1-1抗原に対する結合に関して、比較対象のアミノ酸配列からなるポリペプチド(又はオリゴペプチド)と同等の機能を有する配列を意味する。即ち本発明では22-1-1抗原に対する結合能が実質的に維持される限りにおいて、抗22-1-1抗原抗体H鎖又はL鎖の各CDRとして同定されたアミノ酸配列の一部を改変した配列をコードする塩基配列を用いることが許容される。尚、本明細書において、「アミノ酸配列の一部の改変」とは、アミノ酸配列を構成する1〜数個のアミノ酸の欠失、置換、若しくは1〜数個のアミノ酸の付加、挿入、又はこれらの組合せによりアミノ酸配列に変化が生ずることをいう。
以上の本発明の核酸(H鎖可変領域をコードする核酸、及びL鎖可変領域をコードする核酸)は、後述の実施例に示されるように、22-1-1抗体を産生するハイブリドーマから抽出されるRNAを出発材料として逆転写反応、遺伝子増幅反応などを経て調製され得る。また、本明細書に開示される配列情報を利用して、化学合成、生化学的切断/再結合などにより作製することも可能である。
(ベクター)
適当なベクターに本発明の核酸(H鎖可変領域をコードする核酸、又はL鎖可変領域をコードする核酸)を挿入することにより、本発明の核酸を含む組換えベクターを構築することができる。可変領域をコードする配列に加えて、対応する定常領域(同種のものに限られず、また定常領域の一部のみであってもよい)をコードする配列やその他の配列(例えばscFv抗体発現用ベクターを構築する場合などにおけるリンカーをコードする配列)を含む核酸を用いて組換えベクターを構築することもできる。
H鎖可変領域をコードする核酸及びL鎖可変領域をコードする核酸の両者を含むベクターを構築することもできる。勿論、この場合においても定常領域(同種のものに限られず、また定常領域の一部のみであってもよい)をコードする配列など、他の配列を併せて用いてもよい。
H鎖可変領域をコードする核酸を保持したベクターで適当な宿主細胞を形質転換すれば、H鎖可変領域を産生する形質転換体を得ることができる。同様に、L鎖可変領域をコードする核酸を保持したベクターで適当な宿主細胞を形質転換すれば、L鎖可変領域を産生する形質転換体を得ることができる。勿論、H鎖可変領域をコードする核酸(又はL鎖可変領域をコードする核酸)に加えて定常領域(同種のものに限られず、また定常領域の一部のみであってもよい)をコードする核酸などを含む核酸コンストラクトを保持したベクターを用いれば、可変領域に加えて定常領域などを備えた抗体H鎖(又はL鎖)を産生する形質転換体が得られる。
一方、H鎖可変領域をコードする核酸、及びL鎖可変領域をコードする核酸の両者を含むベクターを用いて適当な宿主細胞を形質転換した場合には、H鎖可変領域及びL鎖可変領域を同時に産生可能な形質転換体を得ることができる。H鎖可変領域をコードする核酸を含むベクター、及びL鎖可変領域をコードした核酸を含む保持したベクターの両者で同一の宿主細胞を共形質転換することによっても同様の形質転換体が得られる。尚、H鎖可変領域をコードする核酸、及びL鎖可変領域をコードする核酸の両者を用いて形質転換体を作製する場合においても、定常領域をコードする配列など、他の配列を併用できることは言うまでもない。
本発明の組換えベクターの構築に用いるベクターは特に限定されず、使用目的(クローニング、発現)に応じて、及び宿主細胞の種類を考慮して適当なベクターを選択して用いることができる。例えば5'上流から3'下流に向かって、適当なプロモーター/エンハンサー、本発明の核酸、ポリAシグナルが連結されるように設計することで、本発明の核酸を発現させるための組換えベクターを構築することができる。プロモーター/エンハンサーとしては、ヒトサイトメガロウイルス前期プロモーター/エンハンサー、レトロウィルス由来プロモーター/エンハンサー、ポリオーマウィルス由来プロモーター/エンハンサー、アデノウィルス由来プロモーター/エンハンサー、SV40由来プロモーター/エンハンサー、SRαプロモーター(ヒトサイトメガロウイルス、SV40、及びHTLV-1LTRの融含プロモーター)等を使用することができる。大腸菌を宿主とするベクターを構築する場合においては、プロモーターとして例えばlacZプロモーター、araBプロモーターを採用することができる。この場合には、pelBシグナルを併用することによって、発現産物を大腸菌のペリプラズムに産生させることが可能な発現ベクターを構築することができる。
一方、ベクターの構築に使用される複製起点としては、アデノウィルス、SV 40、パピローマウイルス(BPV)、ポリオーマウィルス等に由来するものを採用することができる。
組換えベクターの構築については制限酵素及びDNAリガーゼを用いた周知の方法(例えば、Molecular Cloning, Third Edition, 1.84, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkを参照できる)により行うことができる。
宿主細胞としては、上記の組換えベクターにより形質転換されることにより本発明の核酸を発現可能な状態に保有できるものであれば特に限定されない。例えば、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣)(A.Wright& S.L.Morrison, J.Immunol.160, 3393-3402 (1998))、SP2/0細胞(マウスミエローマ)(K.Motmans et al., Eur.J.Cancer Prev.5,512-519 (1996),R.P.Junghans et al.,Cancer Res.50,1495-1502 (1990))、免疫グロブリン非産生マウスミエローマ細胞株X63 Ag8.653等の動物細胞や酵母等の真核細胞、或は大腸菌等の原核細胞を宿主細胞として用いることができる。
組換えベクターによる宿主細胞の形質転換には例えば、リポフェクチン法(R.W.Malone et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6077 (1989), P.L.Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,7413 (1987)、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法(F.L.Graham & A.J.van der Eb,Virology 52,456-467(1973))、DEAE-Dextran法等が利用される。
本発明の核酸を保有する形質転換体を当該核酸が発現される条件で培養することにより、形質転換体の細胞内又は培養液中に当該核酸の発現産物(抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域又はL鎖可変領域、抗22-1-1抗原抗体H鎖又はL鎖、抗22-1-1抗原抗体断片、抗22-1-1抗原抗体など)を産生させることができる。発現産物の回収は、遠心分離、硫安分画、塩析、限外濾過、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーなどの方法を適宜組み合わせて行うことができる。本発明の発現産物(即ち抗22-1-1抗原活性を有する抗体等)以外の抗体の混在が予想される場合には、22-1-1抗原との結合性を利用したアフィニティークロマトグラフィーを利用すれば効率的な発現産物の精製を行うことができる。
(抗体)
本発明の第2の局面は、上記本発明の核酸によってコードされる抗体(又は抗体H鎖若しくは抗体L鎖)に関する。尚、本発明における抗体には、マウス、ラットなどの非ヒト動物由来の抗体、これらの一部領域を他の動物(ヒトを含む)のものに置換したキメラ抗体、ヒト型化抗体が含まれる。また、抗体のクラスは特に限定されないが、好ましくはIgGクラスの抗体である。例えば、ヒト抗体のサブクラスIgG1、IgG2、IgG3、IgG4に属する抗体であることが好ましい。
本発明の抗体のH鎖可変領域は、配列番号8のアミノ酸配列からなる第1領域、配列番号10のアミノ酸配列からなる第2領域、及び配列番号12に記載されるアミノ酸配列からなる第3領域の中の少なくとも一つを含むことが好ましい。ここでの第1領域、第2領域、及び第3領域はそれぞれ、22-1-1抗体のCDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3に相当する。より好ましくはH鎖可変領域が上記第1領域〜第3領域の全てを含んで構成される。さらに好ましくはH鎖可変領域が上記第1領域をCDR-H1、上記第2領域をCDR-H2、上記第3領域をCDR-H3として含んで構成される。
一方、本発明の抗体のL鎖可変領域は、配列番号14のアミノ酸配列からなる第4領域、配列番号16のアミノ酸配列からなる第5領域、及び配列番号18のアミノ酸配列からなる第6領域の中の少なくとも一つを含むことが好ましい。ここでの第4領域、第5領域、及び第6領域は、それぞれ22-1-1抗体のCDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3に相当する。より好ましくはL鎖可変領域が上記第4領域〜第6領域の全てを含んで構成される。さらに好ましくはL鎖可変領域が第4領域をCDR-L1、上記第5領域をCDR-L2、上記第6領域をCDR-L3として含んで構成される。尚、上記第1領域〜第6領域に代えて、これらの領域のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるものによって本発明のH鎖可変領域又はL鎖可変領域が構成されていてもよい。
本発明の抗体として以下の構成を例示することができる。H鎖可変領域が配列番号8のアミノ酸配列又は該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるCDR1と、配列番号10のアミノ酸配列又は該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるCDR2と、及び配列番号12のアミノ酸配列又は該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるCDR3を有し、且つL鎖可変領域が配列番号14のアミノ酸配列又は該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるCDR1、配列番号16に記載されるアミノ酸配列又は該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるCDR2、及び配列番号18に記載されるアミノ酸配列又は該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるCDR3を有する構成である。さらに具体的には、H鎖可変領域が配列番号3のアミノ酸配列を有し、且つL鎖可変領域が配列番号6のアミノ酸配列を有する構成である。
本発明の抗体をヒト型化抗体として構築することができる。ここでのヒト型化抗体とは、ヒト抗体に構造を類似させた抗体のことをいい、ヒト以外の動物由来の抗体の定常領域をヒト抗体の定常領域で置換したヒト型キメラ抗体、及び定常領域及び可変領域に存在するCDR以外の部分をそれぞれヒト抗体のもので置換したヒト型CDR移植(CDR-grafted)抗体(P.T.Johons et al., Nature 321,522(1986))を含む。ヒト抗体の定常領域としては公知のものを採用することができる。
以下にヒト型キメラ抗体の作製方法の一例を示す。まず、抗22-1-1抗原抗体(例えば22-1-1抗体)を産生するハイブリドーマよりmRNAを抽出し、常法でcDNAを合成する。合成したcDNAを適当なベクターに組み込みcDNAライブラリーを構築する。このcDNAライブラリーを鋳型とし、適当なプライマーを用いてH鎖可変領域cDNA及びL鎖可変領域cDNAを増幅した後、各可変領域cDNAをそれぞれ適当なベクターにクローニングする。このようにして得られたH鎖可変領域cDNAを保持するクローンとL鎖可変領域cDNAを保持するクローンとからH鎖可変領域及びL鎖可変領域を調製した後、それぞれをヒトH鎖定常領域をコードするDNA及びヒトL鎖定常領域をコードするDNAに連結する。次に、得られたH鎖遺伝子とL鎖遺伝子とを適当なベクターに挿入してキメラ抗体発現用ベクターを構築する。例えば、SV40 virus basedベクター、EB virus basedベクター、BPV(パピローマウイルス)basedベクターなどのベクターをこのような発現ベクターの構築に利用することができる。
続いて、キメラ抗体発現用ベクターで宿主細胞を形質転換する。宿主細胞には例えば、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣)(A.Wright& S.L.Morrison, J.Immunol.160, 3393-3402 (1998))、SP2/0細胞(マウスミエローマ)(K.Motmans et al., Eur.J.Cancer Prev.5,512-519 (1996),R.P.Junghans et al.,Cancer Res.50,1495-1502 (1990))などが好適に用いられる。形質転換にはリポフェクチン法(R.W.Malone et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6077 (1989), P.L.Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,7413 (1987)、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法(F.L.Graham & A.J.van der Eb,Virology 52,456-467(1973))、DEAE-Dextran法等が好適に用いられる。
以上のようにして得られた形質転換体を、導入した抗体遺伝子が発現可能な条件で培養することにより、形質転換体内又は培養液中にヒト型キメラ抗体を産生させることができる。産生された抗体については、遠心分離、硫安分画、塩析、限外濾過、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーなどの方法を適宜組み合わせて分離、精製することができる。
尚、H鎖遺伝子を含む発現ベクターと、L鎖遺伝子を含む発現ベクターとをそれぞれ構築し、これら二つのベクターで宿主を共形質転換することによっても、目的とするキメラ抗体を産生する形質転換体を得ることが可能である。
一方、ヒト型CDR移植抗体は例えば以下の方法により作製することができる。まず、H鎖及びL鎖についてそれぞれ使用するCDRの配列を決定する。例えば、CDR−H1、CDR-H2、及びCDR-H3の各塩基配列としてそれぞれ、配列番号7の塩基配列、配列番号9の塩基配列、及び配列番号11の塩基配列を使用する。他方CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3の各塩基配列としては例えば、配列番号13の塩基配列、配列番号15の塩基配列、及び配列番号17の塩基配列をそれぞれ使用する。
次に、CDR領域を挟んで存在するFR(フレームワーク領域)を選択する。FRの選択には、およそ三つの方法が利用できる。第一の方法は、NEWM、REIなど既に三次元構造の明らかとなったヒト抗体フレームを用いる方法である(Riechmann L. et al., Nature 332, 323-3Z7 (1988); Tempst, PR. et al., Protein Engineering 7, 1501-1507 (1994); Ellis JH. etal., J. Immunol 155, 925-937 (1995))。第二の方法は、利用可能なデータベースにおいて目的のマウス抗体可変領域と最も高いホモロジーを持つヒト抗体可変領域を選択し、そのFRを用いる方法である(Queen C. et al., Proc Natl Acad SciUSA 86, 10029-10033 (1989); Rozak MJ. et al., J Biol Chem 271, 22611-22618 (1996); Shearman CW. et al., J.Immunol 147, 4366-4373 (1991))。第三の方法は、ヒト抗体のFRで最も共通に用いられるアミノ酸を選択する方法である(Sato K. et al., Mol Immunol 31, 371-381 (1994); Kobinger F. et al., Protein Engineering 6, 971-980 (1993); Kettleborough CA. et al., Protein Engineering 4, 773-783 (1991))。本発明ではこれらいずれの方法を用いてもよい。
尚、本発明においては、選択されたヒトFRの配列の一部を改変して得られる配列であっても最終的に得られるヒト型CDR移植抗体が22-1-1抗原を特異的に認識する範囲において、FRの配列として用いることができる。特に、選択したヒトFRのアミノ酸配列の一部が、CDRの由来となった抗体において対応する領域のアミノ酸配列に置換されるように改変を施した場合には抗体の特性が維持される可能性が高い。改変されるアミノ酸の数は好ましくはFR全体の30%以下であり、更に好ましくはFR全体の20%以下であり、更に更に好ましくはFR全体の10%以下である。
次に、以上のいずれかの方法により選択したFRと上記CDRとを組み合わせることにより、H鎖可変領域及びL鎖可変領域をコードするDNAを設計する。この設計を基にH鎖可変領域をコードするDNAとL鎖可変領域をコードするDNAを化学合成、生化学的切断/再結合等によりそれぞれ作製する。そして、H鎖可変領域をコードするDNAをヒト免疫グロブリンH鎖定常領域をコードするDNAとともに発現ベクターに組み込みH鎖発現ベクターを構築する。同様に、L鎖可変領域をコードするDNAをヒト免疫グロブリンL鎖定常領域をコードするDNAとともに発現ベクターに組み込みL鎖発現ベクターを構築する。発現ベクターとしては例えば、SV40 virus basedベクター、EB virus basedベクター、BPV(パピローマウイルス)basedベクターなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
以上の方法で作製されたH鎖発現ベクター及びL鎖発現ベクターにより宿主細胞を共形質転換する。適切に形質転換が行われた宿主細胞を選択した後これを適当な条件で培養すれば、その細胞内又は培養液中にヒト型CDR移植抗体が産生される。産生された抗体は、遠心分離、硫安分画、塩析、限外濾過、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーなどの方法を適宜組み合わせて分離、精製することができる。
本発明の抗体を基に、又は当該抗体をコードする遺伝子の配列情報を基に抗22-1-1抗原活性を有する抗体断片を作製することができる。抗体断片の種類としては、Fab、Fab'、F(ab')2、scFv、dsFv抗体が挙げられる。
Fabは、IgGをシステイン存在下パパイン消化することにより得られる、L鎖とH鎖可変領域、並びにCH1ドメイン及びヒンジ部の一部からなるH鎖フラグメントとから構成される分子量約5万の断片である。例えば、上述の方法によってIgGクラスの抗22-1-1抗原抗体を作製した後、これをパパイン消化することによって抗22-1-1抗原活性を有するFabを調製することができる。本明細書中に開示される抗22-1-1抗原抗体H鎖可変領域の塩基配列を参考にして必要な部分H鎖をコードするDNAを設計するとともに、同様の手法で抗22-1-1抗原抗体のL鎖をコードするDNAを設計し、これら両DNAを適当なベクターに組み込み、そして当該ベクターで適当な宿主細胞を形質転換し、得られた形質転換体を培養することによっても目的のFabを調製することができる。
Fab'は、後述のF(ab')2のH鎖間のジスルフィド結合を切断することにより得られる分子量が約5万の断片である。例えば、上述の方法によってIgGクラスの抗22-1-1抗原抗体を作製した後、これをペプシン消化し、還元剤を用いてジスルフィド結合を切断することにより得られる。また、Fab同様に、Fab'をコードするDNAを用いて遺伝子工学的に調製することもできる。
F(ab')2は、IgGをペプシン消化することにより得られる、L鎖とH鎖可変領域、並びにCH1ドメイン及びヒンジ部の一部からなるH鎖フラグメントとから構成される断片(Fab')がジスルフィド結合で結合した分子量約10万の断片である。例えば、上述の方法によってIgGクラスの抗22-1-1抗原抗体を作製した後、これをペプシン消化することにより得られる。また、Fab同様に、F(ab')2をコードするDNAを用いて遺伝子工学的に調製することもできる。
scFvは、H鎖可変領域とL鎖可変領域とからなるFvを、片方の鎖のC末端と他方のN末端とを適当なペプチドリンカーで連結し一本鎖化した抗体断片である。ペプチドリンカーとしては例えば、柔軟性の高い(GGGGS)3などを用いることができる。例えば、本明細書中に開示される抗22-1-1抗原抗体H鎖可変領域及びL鎖可変領域をそれぞれコードするDNAとペプチドリンカーをコードするDNAを用いてscFv抗体をコードするDNAコンストラクトを構築し、これを適当なベクターに組み込み、そして当該ベクターで適当な宿主細胞を形質転換し、得られた形質転換体を培養することによって目的のscFvを調製することができる。
dsFvは、H鎖可変領域及びL鎖可変領域の適切な位置にCys残基を導入し、H鎖可変領域とL鎖可変領域とをジスルフィド結合により安定化させたFv断片である。各鎖におけるCys残基の導入位置は分子モデリングにより予測される立体構造に基づき決定することができる。例えば、本明細書中に開示される抗22-1-1抗原抗体H鎖可変領域及びL鎖可変領域のアミノ酸配列から可変部の立体構造を予測し、かかる予測に基づき変異を導入したH鎖可変領域及びL鎖可変領域をそれぞれコードするDNAを構築し、これを適当なベクターに組み込み、そして当該ベクター適当な宿主細胞を形質転換し、得られた形質転換体を培養することによって目的のdsFvを調製することができる。
尚、適当なリンカーを用いてscFv抗体、dcFv抗体などを連結させたり、ストレプトアビジンを融合させたりして抗体断片を多量体化することもできる。
本発明の抗体(抗体断片を含む)に低分子化合物、タンパク質、標識物質などを融合又は結合させることにより、融合抗体又は標識化抗体を構成することができる。標識物質としては、125I等の放射性物質、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミンイソチオシアネート(RITC)、アルカリホスファターゼ、ビオチンなどを用いることができる。
(測定方法)
本発明の第3の局面は、上記本発明の抗体を用いた22-1-1抗原の測定方法に関する。具体的には以下のステップI)を含む22-1-1抗原の測定方法が提供される。
I)検体中の22-1-1抗原を、22-1-1抗原と第1の抗22-1-1抗原抗体との抗原抗体反応を利用して測定するステップ。
尚、第1の抗22-1-1抗原抗体としては、上記第2の局面で開示した構成の抗22-1-1抗原抗体(例えば、配列番号3のアミノ酸配列からなるH鎖可変領域及び配列番号6のアミノ酸配列からなるL鎖可変領域を有する抗22-1-1抗原抗体)が使用される。勿論、断片抗体を使用してもよい。
ここで、本発明の22-1-1抗原の測定方法ではステップI)の前に以下のステップを行うことが好ましい。
I')検体をシアリダーゼで処理するステップ。
以上の構成では、検体がシアリダーゼによって前処理された後に抗22-1-1抗原抗体との抗原抗体反応に供される。このようなシアリダーゼの前処理によって、検出感度の上昇が期待される。
以下、本発明の測定方法を構成する各ステップについて説明する。
<ステップI>
ステップI)では検体が第1の抗22-1-1抗原抗体を用いた抗原抗体反応に供される。検体としては血清、血漿、尿、髄液、腹水、胸水等の生体液が用いられる。好ましくは、血清が用いられる。血清を用いれば簡便な測定が可能である。
抗原抗体反応では検体を第1の抗22-1-1抗原抗体に接触させることが行われるが、第1の抗22-1-1抗原抗体に対して検体中の22-1-1抗原と別に用意した22-1-1抗原とを競合的に反応(接触)させる方法(競合法)、及び競合的に反応(接触)させない方法(即ち、検体中の22-1-1抗原のみを反応させる方法:非競合法)のいずれを採用することもできる。前者の具体的一例としては、第1の抗22-1-1抗原抗体に対して検体と標識化22-1-1抗原とを競合的に反応(接触)させた後、第1の抗22-1-1抗原抗体に結合した標識量を測定する方法を挙げることができる。かかる方法では、第1の抗22-1-1抗原抗体と結合した標識化22-1-1抗原の量を測定することにより、検体中の22-1-1抗原量(又は存否)が間接的に測定される。即ち、検体中の22-1-1抗原量が多い場合には相対的に第1の抗22-1-1抗原抗体に結合する標識化22-1-1抗原の量は減少し、これとは逆に検体中の22-1-1抗原量が少ない場合には相対的に第1の抗22-1-1抗原抗体に結合する標識化22-1-1抗原の量は増加することとなることから、標識量を指標とした測定が可能となる。ここで、操作の容易性や検出感度などの面から、第1の抗22-1-1抗原抗体が不溶性支持体に結合した固相化抗体であることが好ましい。
上記の方法の他、以下の方法によっても競合的な抗原抗体反応を利用した測定が可能である。即ち、22-1-1抗原に対して検体と標識化第1の抗22-1-1抗原抗体とを競合的に反応させた後、22-1-1抗原に結合した標識量を測定する方法である。また、22-1-1抗原に対して検体と第1の抗22-1-1抗原抗体とを競合的に反応させた後、22-1-1抗原に結合した前記第1の抗22-1-1抗原抗体を標識化し、最後に第1の抗22-1-1抗原抗体を介して22-1-1抗原に結合した標識量を測定する方法である。第1の抗22-1-1抗原抗体の標識化は、第1の抗22-1-1抗原抗体に対する標識化抗体(2次抗体)を用いて行うことができる。
これらの方法においても、22-1-1抗原に直接又は間接的に結合した標識量を測定することにより検体中の22-1-1抗原量が求められる。ここで、操作の容易性や検出感度などの面から、検体と競合的に反応させる22-1-1抗原が不溶性支持体に結合した固相化22-1-1抗原であることが好ましい。
第1の抗22-1-1抗原抗体又は22-1-1抗原の固相化に使用できる不溶性支持体としては例えば、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、ナイロン樹脂等の樹脂やガラス等の水に不溶性の物質を挙げることができる。これら不溶性支持体への第1の抗22-1-1抗原抗体等の担持は物理吸着又は化学吸着によって行うことができる。
次に、非競合法の一例を示す。即ち、非競合法を利用する場合には例えば、検体と第1の抗22-1-1抗原抗体とを反応させて抗原抗体反応物を得て、これを標識化し、最後に標識量を測定する。この方法では、第1の抗22-1-1抗原抗体に検体中の22-1-1抗原が結合した抗原抗体反応物の量が直接的に標識量として測定される。抗原抗体反応物の標識化は、第2の抗22-1-1抗原抗体(22-1-1抗原に対して特異的に結合可能な抗体)を標識化してなる標識化抗体を抗原抗体反応物に結合させること(いわゆるサンドイッチ法)により行うことができる。また、第2の抗22-1-1抗原抗体を抗原抗体反応物に結合させた後、さらに標識化抗体(2次抗体)を第2の抗22-1-1抗原抗体に結合させることによっても標識化を行うことができる。第2の抗22-1-1抗原抗体としては例えば、SiSo細胞由来の22-1-1抗原やリコンビナント22-1-1抗原を免疫源としてウサギなどを免疫して得られるポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を用いることができる。尚、原則として第2の抗22-1-1抗原抗体は第1の抗22-1-1抗原抗体が認識する部位(抗原決定基)と異なる部位を認識して特異的に22-1-1抗原に結合する抗体であるが、検体中の22-1-1抗原が第1の抗22-1-1抗原抗体に対する抗原決定基を二つ以上有する場合には第1の抗22-1-1抗原抗体が認識する抗原決定基と同一構造の抗原決定基を認識する抗体を第2の抗22-1-1抗原抗体として用いてもよい。検体中の22-1-1抗原が多量体を形成している場合にも同様に、第1の抗22-1-1抗原抗体が認識する抗原決定基と同一構造の抗原決定基を認識する抗体を第2の抗22-1-1抗原抗体として用いることができる。
尚、非競合法においても、測定感度や操作の容易性の面から第1の抗22-1-1抗原抗体が不溶性支持体に結合した固相化抗体であることが好ましい。
以上の競合法あるいは非競合法において測定される標識量と、別途作成した検量線とから検体中の22-1-1抗原量を求めることができる。検量線は一般に、検体の代わりに種々の濃度(添加量)の第2の22-1-1抗原(標準22-1-1抗原)を反応させ、得られた各標識量を基に作成される。
以上において第1の抗22-1-1抗原抗体には、22-1-1抗原を認識するモノクローナル抗体が好適に用いられる。その結果、モノクローナル抗体の特異性の高さにより高精度の測定が可能となる。
また、22-1-1抗原(標識化22-1-1抗原、第2の22-1-1抗原を含む)にはSiSo細胞由来の22-1-1抗原、リコンビナント22-1-1抗原(以下、「r22-1-1抗原」ともいう)などを用いることができる。大量且つ均質に製造できるという観点からr22-1-1抗原が好適に用いられる。
抗原抗体反応における標識化にはペルオキシシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、及びマイクロペルオキシダーゼなどの酵素、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、及びユーロピウムなどの蛍光物質、ルミノール、イソルミノール、及びアクリジニウム誘導体などの化学発光物質、NADなどの補酵素、ビオチン、並びに131I、及び125Iなどの放射性物質などが標識物質として用いられる。特に、ビオチンを標識物質として用い、蛍光色素や酵素で標識したアビジン(例えばアビジンペルオキシダーゼ)を反応させる方法によれば、より高感度の測定が可能である。
<ステップI'>
ステップI')では検体がシアリダーゼで処理される。シアリダーゼとしては公知のものを使用できる。例えば市販のArthrobacter ureafaciens由来のシアリダーゼ(シグマ社製)を用いることができる。シアリダーゼの反応条件は、添加したシアリダーゼが有効に作用し得る条件であれば特に限定されず、使用するシアリダーゼの種類、測定に供される検体の種類などを考慮して適宜設定することができる。例えば、検体として血清を用いた場合においては検体を酢酸バッファー等の適当な緩衝液で希釈した後、最終濃度0.5mU/ml〜4mU/ml、好ましくは約1mU/mlのシアリダーゼを添加し、約37℃で1時間反応させる反応条件を挙げることができる。
尚、シアリダーゼ処理によって検体中の22-1-1抗原のコンフォメーション変化が生じ、その結果抗22-1-1抗原抗体に対する結合性が変動するものと予想される。
本発明のさらに他の局面は、以上の測定方法を実行するための22-1-1抗原測定用キットに関する。本発明の22-1-1抗原測定用キットは、第1の抗22-1-1抗原抗体を含むことを特徴とする。尚、第1の抗22-1-1抗原抗体としては、上記第2の局面で開示した構成の抗22-1-1抗原抗体(例えば、配列番号3のアミノ酸配列からなるH鎖可変領域と、及び配列番号6のアミノ酸配列からなるL鎖可変領域とを有する抗22-1-1抗原抗体)が使用される。勿論、断片抗体を使用してもよい。
本発明のキットの具体例として次の構成を挙げることができる。即ち、競合法を実施するためのキットとして、(1)固相化された第1の抗22-1-1抗原抗体と、及び標識化された22-1-1抗原とを含んでなる22-1-1抗原測定用キット、(2)固相化された22-1-1抗原と、及び標識化された第1の抗22-1-1抗原抗体とを含んでなる22-1-1抗原測定用キット、及び(3)固相化された22-1-1抗原と、第1の抗22-1-1抗原抗体と、及び第1の抗22-1-1抗原抗体に対する標識化抗体とを含んでなる22-1-1抗原測定用キットである。非競合法を実施するためのキットとしては、(1)固相化された第1の抗22-1-1抗原抗体と、及び標識化された第2の抗22-1-1抗原抗体(22-1-1抗原に対して特異的に結合可能な抗体)とを含む22-1-1抗原測定用キット、及び(2)固相化された第1の抗22-1-1抗原抗体と、第2の抗22-1-1抗原抗体(22-1-1抗原に対して特異的に結合可能な抗体)と、及び前記第2の抗22-1-1抗原抗体に特異的に結合する標識化抗体とを含む22-1-1抗原測定用キット、である。
以上のキットにおいて、検出感度の高い測定を行うために第1の抗22-1-1抗原抗体はモノクローナル抗体であることが好ましい。
以上の各キットにおいてシアリダーゼを更に含むことにより、シアリダーゼによる前処理を含む測定方法を実施するためのキットが構築される。
ここで、標準物質としての22-1-1抗原(標準22-1-1抗原)をさらに含めて22-1-1抗原測定用キットを構築することができる。標準22-1-1抗原は検量線の作成に利用でき、検体中の22-1-1抗原量の定量を容易に行うことができるキットとなる。
また、以上のキットには抗原抗体反応用試薬(緩衝液、発色基質、発色試薬、発色反応停止液等)やシアリダーゼ反応用試薬(緩衝液など)などを含めることができる。
<実施例1> L鎖可変領域cDNA及びH鎖可変領域cDNAのクローニング
22-1-1抗体産生マウスハイブリドーマ(受託番号:FERM BP−7002)よりisogen(株式会社ニッポンジーン)を用いて全RNAを単離し、オリゴdTカラム(Amersham)によってポリアデニル化RNAを精製した。相補的DNA(cDNA)は以下の逆転写反応によって調製された。ノバジェン社(Madison,WI)製のPCR用Mouse Ig-Prime Kitを使用した。PCR反応には、プライマー混合物(MuIgMVH5'-Eと MuIgMVH3'-1及びMuIgκVL5'-GとMuIgκVL3'-1)を使用した(図3を参照)。
MuIgMVH5'-E:ACTAGTCGACATGGGATGGACCGGGGTCTTTATCT(配列番号19)
MuIgMVH3'-1:CCCAAGCTTACGAGGGGGAAGACATTTGGGAA(配列番号20)
MuIgκVL5'-G:CTAGTCGACATGGTTCTCATCTTGCTGCTGCTATGG(配列番号21)
MuIgκVL3'-1:CCCAAGCTTACTGGATGGTGGGAAGATGGA(配列番号22)
TAクローニングキット(Invitrogen,San Diego,CA)を用いて増幅されたDNA断片を直接pCR2.1 TOPOにクローニングした。各挿入DNA断片のシークエンスを調べ、増幅された22-1-1由来H鎖可変領域cDNA及びL鎖可変領域cDNAを保有するプラスミドを確認した。
<実施例2> キメラ抗体遺伝子の構築及び発現
二つの発現ベクターpSRH及びpSRL-neoをそれぞれH鎖及びL鎖の発現用として使用した。キメラ抗体遺伝子の構築(図4を参照)及び発現を以下の手順で行った。まず、以下のオリゴヌクレオチドを合成し、これらを用いたPCRによってpSRH及びpSRH-neoへの挿入のための正確な末端をそれぞれ有するH鎖可変断片(VH)及びL鎖可変断片(VL)を増幅した。尚、PCR反応は実施例1と同様の手順で行った。
22-1-1 VH reverse primer: 5'-ACTCGAGACCATGGGATGGACCGGGGTC-3'(配列番号23)
22-1-1 VH forward primer: 5'-GGCGAATTCTTACCTGCAGAGACAGTGAC-3'(配列番号24)
22-1-1 VL reverse primer: 5'-ACTCGAGACCATGGTTCTCATCTTGCTG-3'(配列番号25)
22-1-1 VL forward primer; 5'-GGCGAATTCTTACGTTTGATTTCCAGCTT-3'(配列番号26)
正確に改変され且つ増幅された断片をXhoI及びEcoRIで消化した。次にこれらの断片を夫々に対応するベクター(XhoI及びEcoRIによって開環したもの)にライゲーションした。このように調製された挿入配列を有する両ベクターの配列をダイターミネーター法 (ABI Prism BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit, Applied Biosystems)によって決定し、所望の配列が挿入されていることを確認した(pSR22-1-1Hの配列を図5(配列番号27)に、pSR22-1-1L-neoの配列を図6(配列番号28)にそれぞれ示す)。最終的なキメラ遺伝子コンストラクトを得るために、これら両ベクターをBamHI及びHidnIIIで消化した。精製した後、キメラ遺伝子を有するこれらの断片を互いに連結し、ネオマイシン耐性遺伝子を含む完全なキメラ遺伝子発現ベクター(pSR22-1-1-neo)を得た。
リポフェクタミン-プラス(Invitrogen,San Diego,CA)を用いて免疫グロブリン非産生マウスミエローマ細胞株X63 Ag8.653をpSR22-1-1-neoで形質転換し、安定した形質転換体(トランスフォーマント)をネオマイシンで選択した。捕集用及び検出用としてそれぞれ抗ヒトκ鎖抗体及びHRP結合抗ヒトIgG(γ鎖特異的)抗体を使用したヒトIgG検出用ELISAアッセイを各培養上清を用いて行い、キメラ22-1-1抗体産生クローンを選択した。
キメラ抗体産生クローンの中で最も高い分泌能が認められたものの培養上清より、プロテインLカラムを用いてキメラ抗体を精製した。得られたキメラ抗体サンプルを還元又は非還元条件下で電気泳動によって分離し、続いてPVDF膜フィルターに転写した後、L鎖及びH鎖の存在を確認するためにHRP結合ヤギ抗ヒトκ鎖及びγ鎖特異的抗体を用いたウエスタンブロット分析を行った。尚、陽性コントロール及び陰性コントロールとしてそれぞれ、ヒトIgG及びマウスIgMを使用した。ウエスタンブロットの結果を図7に示す。図7において、「キメラ」は本実施例で調製したキメラ抗体サンプルをアプライしたレーンを表す。同様に、「hIgG」及び「mIgM」はそれぞれ、ヒトIgG抗体をアプライしたレーン(陽性コントロール)及びマウスIgMをアプライしたレーン(陰性コントロール)を表す。非還元条件及び還元条件の結果のいずれにおいても、キメラ抗体サンプルをアプライしたレーンでは陽性コントロールとほぼ等しい分子量位置にバンドが観察される。この結果からキメラ抗体サンプルは、ヒト型γ鎖及びヒト型κ鎖が適切に結合したIgGクラスの抗体を含むことが確認された。
次に、得られたキメラ抗体の結合活性及び特異性を次の手順で調べた。22-1-1抗体及びコントロールキメラ抗体(CALLA)の存在下又は非存在下で、22-1-1抗原を発現するSiSo細胞を精製キメラ抗体で染色した後、PE結合抗ヒトIgG(Beckman-coulter)又は抗マウスIgM(Beckman-coulter)存在下でインキュベートした。染色された細胞をフローサイトメータ(EPICS-XL, Beckman−coulter))で分析した。分析結果を図8及び図9に示す。
図8からわかるように、22-1-1抗体によるSiSo細胞の染色性はコントロールキメラ抗体では抑制を受けないが、22-1-1キメラ抗体にてその陽性率に抑制が認められた。また、図9からわかるように、22-1-1キメラ抗体によるSiSo細胞の染色性はコントロールマウスIgMでは抑制されず、22-1-1抗体(IgM)によって強く抑制を受けた。22-1-1抗体及びそのキメラ抗体は他の抗原特異的抗体によるSiSo細胞との結合は抑制されず、双方の間でのみその結合性の抑制が認められた。以上より、22-1-1キメラ抗体は22-1-1抗体の認識する抗原特異性を維持していることが示された。
<実施例3> リコンビナント22-1-1抗原(r22-1-1抗原-GST融合タンパク質)の調製
(3−1) 22-1-1抗原のcDNAクローニング及びcDNA分析
全RNAをSiSo細胞からグアニジウムイソチオシアネート−塩化セシウムグラジエント法で抽出した。全RNAをオリゴdTカラム(ファルマシア社製)で精製して得られたpoly(a)+RNAを、ZAP-cDNA合成キット(ストラタジーン社製)を用いて転写してcDNAを得た。分子量ごとに分画したcDNAを哺乳動物発現ベクターであるpME-18SF(-),pyori-,ER-発現ベクター(H.Maruyamaより提供)にsense orientation(EcoRI-XhoI)に挿入し、cDNAライブラリーを作製した。
続いて、cDNAライブラリーからの精製プラスミドとリポフェクチン(ライフテクノロジーズ社製)の混合物を無血清DMEM中で37℃、5時間処理することにより、トリプシン処理した293T細胞(5×10)を形質転換した。当該細胞を1回洗浄した後、10%FCSを含むRPMI-1640中で48時間培養した。培養後の細胞をトリプシン処理し、上記の22-1-1抗体を加えて氷上30分間インキュベートした。インキュベート後のサンプルを洗浄し、続いて二次抗体を反応させた。二次抗体にはFITC標識ヤギ抗マウスIgMを用いた。
5μg/mlのプロピディウムイオダイドを加えて死細胞を染色した。抗原を発現している生細胞をフローサイトメータで分離した後、プラスミドDNAをハート(Hirt)らの方法により抽出した。
その後、抽出したプラスミドDNAからDyeDeoxy ターミネーター・サイクル・シークエンスキット(Terminator Cycle Sequencing kit)及び337 DNA シークエンサーシステム(Sequencer system)を用いて目的のcDNAの塩基配列を調べた。その結果、22-1-1抗原をコードするcDNAは5’側非翻訳領域の242ヌクレオチド、639ヌクレオチドのコーディングリージョン及び3’側非翻訳領域の639ヌクレオチドを含んでいた(GenBankアクセッション番号:BD015281)。
(3−2) r22-1-1抗原-GST融合タンパクの作製
r22-1-1抗原-GST融合タンパク産生のために、(3−1)で調製した全長22-1-1抗原のcDNAをNotIとXhoIで消化して平滑末端を作り、これを原核生物発現ベクターpGEX5x-1(ファルマシア社製)のSmaIサイト内にin-frame結合させた。この発現ベクターを用いて大腸菌BLR(DE3)pLysSを形質転換し、0.1Mイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシドで3時間インキュベートした。その後、大腸菌を細胞溶解バッファー(0.1 %(v/v)TritonX-100含有1×PBS)中で超音波処理した。遠心して未処理の細胞と不純物を除去した後、グルタチオン-セファロースビーズ(ファルマシア社製)を用いてr22-1-1抗原-GST融合タンパクを精製した。残存する界面活性剤を除去するため、精製した融合タンパクをAmpure DTカラム(アマシャム社製)にかけた後、1×PBSで透析した。融合蛋白質を0.2μmのフィルターを通して滅菌した後、小分けして-80℃で凍結した。
<実施例4> 抗22-1-1抗原モノクローナル抗体固相化マイクロプレートの作製
実施例2で得たキメラ抗体を0.1M炭酸緩衝液pH9.0で5μg/mlの濃度に調製し、ヌンク社製96穴マイクロプレート「マキシソープ」の各ウェルに100μlずつ加え、4℃で20時間静置反応させる。その後、抗体溶液を除去し、1%BSA、5%ショ糖を含むPBSを各ウェル200μlずつ加え、室温(20〜25℃)で2時間静置してブロッキングを行う。ブロッキング液を除去した後、プレートを風乾して抗22-1-1抗原モノクローナル抗体固相化マイクロプレートを得る。このプレートは乾燥剤と共に密封して保存することができる。
<実施例5> 標識化抗体の作製
実施例2で得たキメラ抗体にメタ過ヨウ素酸ナトリウムにより酸化してアルデヒドを導入し、これにbiotin hydrazydeを結合させてビオチン化抗体を得る。具体的には、氷冷した1mlのメタ過ヨウ酸溶液を1mlの氷冷したキメラ抗体に加えてよく混合し、0℃、暗所で30分間酸化反応を行った後、最終濃度が15mMとなるようにグリセロールを添加し0℃で5分間インキュベートして酸化反応を停止させる。この溶液を0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)で一晩透析し、最終濃度5mMとなるようにbiotin hydrazideを加えて室温で2時間攪拌する。これから透析によって未反応の分子を除き、ビオチン標識抗体を得る。
<実施例6> 検体中の22-1-1抗原の測定
(6−1) ELISA
まず、血清検体をTBS-T(pH 7.5)で10〜50倍に希釈し、実施例4で得られた固相化マイクロプレートの各ウェルに100μlずつ添加する。次に、マイクロプレートを室温(20〜25℃)で1時間反応させる。各ウェルの溶液を除去した後、0.1% tween20を含むPBS 300μlを用いて各ウェルを洗浄する。この洗浄操作を1〜5回行う。洗浄後、実施例5で得られたビオチン標識抗体を、BSAを含むTBS緩衝液(pH 7.5)で0.2μg/mlに希釈し、これを各ウェルに100μlずつ添加し、室温(20〜25℃)で1時間緩やかに振盪しながら反応させる。各ウェルより反応液を除去した後、0.1% tween20を含むPBSで上記同様に洗浄する。洗浄液を除去した後、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ溶液100μlを加え、室温で1時間緩やかに振盪しながら反応させる。各ウェルより反応液を除去した後、0.1% tween20を含むPBSで上記同様に洗浄する。続いて、発色基質であるオルトフェニレンジアミン溶液(使用直前に過酸化水素を最終濃度が0.03%になるように添加したもの)を各ウェルに100μlずつ添加し、室温で3〜5分反応させる。最後に20%リン酸溶液を100μlずつ添加して発色を停止させる。以上のようにして得られた各ウェルの波長450nm及び620nmにおける吸光度を測定する。尚、検体の代わりに実施例 で調製したr22-1-1抗原-GST融合タンパク質を上記の手順で処理して得られた測定値を基にスタンダードカーブ(標準曲線)を作製し、これを用いて各検体中の22-1-1抗原濃度を求めることができる。また、SiSo細胞培養上清を上記と同様に処理して得られた測定値を基にスタンダードカーブ(標準曲線)を作製し、これを用いて各検体中の22-1-1抗原濃度を求めてもよい。
(6−2) ELISA(シアリダーゼによる前処理を含む)
まず、検体をシアリダーゼ消化用緩衝液で希釈した後、37℃で10分間インキュベートする。次に、反応液に50μlのシアリダーゼ溶液(20mU/mlとなるようにシアリダーゼ(シグマ社製)をシアリダーゼ消化用緩衝液に溶解したもの)を添加し、37℃で1時間インキュベートする。その後、100μlの2倍濃縮TBS-T(pH 7.5)を添加する。この結果得られた溶液を、(6−1)と同様の手順でELISA法に供する。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
図1は抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域をコードする核酸配列の一例を示す図である。 図2は抗22-1-1抗原抗体のL鎖可変領域をコードする核酸配列の一例を示す図である。 図3はH鎖可変領域をコードするcDNA(上段)及びL鎖可変領域をコードするcDNA(下段)の作製方法を模式的に示す図である。 図4はキメラ22-1-1抗体の構築手順を模式的に示す図である。 図5はキメラ22-1-1抗体の構築に使用されるベクターpSR22-1-1Hの塩基配列を示す図である。 図6はキメラ22-1-1抗体の構築に使用されるベクターpSR22-1-1L-neoの塩基配列を示す図である。 図7は実施例2で得られた、キメラ22-1-1抗体を産生するハイブリドーマクローンの培養上清を用いたウエスタンブロットの結果を示す図である。 図8は実施例2で得られたキメラ22-1-1抗体を用いたフローサイトメトリの結果を示す図である。SiSo細胞を22-1-1(IgM)抗体と22-1-1キメラ抗体(ch-22)及びコントロールキメラ抗体(CALLA,IgG)の存在下で染色し、PE結合抗マウスIgM抗体で染色しフローサイトメータにて分析した。コントロール染色として正常マウスIgMを使用した。22-1-1抗体によるSiSo細胞の染色性はコントロールキメラ抗体では抑制を受けないが、22-1-1キメラ抗体にてその陽性率に抑制が認められた。 図9は実施例2で得られたキメラ22-1-1抗体を用いたフローサイトメトリの結果を示す図である。SiSo細胞を22-1-1キメラ抗体(IgG)とコントロールキメラ抗体(CALLA,IgG)及び22-1-1抗体(IgM)の存在下に染色し、PE結合抗ヒトIgG抗体で染色しフローサイトメータにて分析した。コントロール染色としてコントロールキメラ抗体(CALLA,IgG)を使用した。22-1-1キメラ抗体によるSiSo細胞の染色性はコントロールマウスIgMでは抑制されず、22-1-1抗体(IgM)によって強く抑制を受けた。22-1-1抗体及びそのキメラ抗体は他の抗原特異的抗体によるSiSo細胞との結合は抑制されず、双方の間でのみその結合性の抑制が認められた。以上より、22-1-1キメラ抗体は22-1-1抗体の認識する抗原特異性を維持していることが示された。

Claims (22)

  1. 以下のa)〜c)の少なくとも一つを含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域をコードする核酸:
    a)配列番号8のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
    b)配列番号10のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
    c)配列番号12のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
  2. 以下のd)〜f)を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域をコードする核酸:
    d)CDR1をコードする配列として、配列番号8のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
    e)CDR2をコードする配列として、配列番号10のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
    f)CDR3をコードする配列として、配列番号12のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
  3. 配列番号1若しくは配列番号2の塩基配列、又は該配列と実質的に同一の塩基配列を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のH鎖可変領域をコードする核酸。
  4. 以下のA)〜C)の少なくとも一つを含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のL鎖可変領域をコードする核酸:
    A)配列番号14のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
    B)配列番号16のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
    C)配列番号18のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
  5. 以下のD)〜F)を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のL鎖可変領域をコードする核酸:
    D)CDR1をコードする配列として、配列番号14のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;
    E)CDR2をコードする配列として、配列番号16のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列;及び
    F)CDR3をコードする配列として、配列番号18のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
  6. 配列番号4若しくは配列番号5の塩基配列、又は該配列と実質的に同一の塩基配列を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体のL鎖可変領域をコードする核酸。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の核酸によってコードされるH鎖可変領域を有する抗22-1-1抗原抗体H鎖。
  8. 請求項4〜6のいずれかに記載の核酸によってコードされるL鎖可変領域を有する抗22-1-1抗原抗体L鎖。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の核酸によってコードされるH鎖可変領域と、及び請求項4〜6のいずれかの核酸によってコードされるL鎖可変領域と、を有する抗22-1-1抗原抗体。
  10. 配列番号3に記載のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるH鎖可変領域と、及び配列番号6に記載のアミノ酸配列又は該配列と実質的に同一のアミノ酸配列からなるL鎖可変領域と、を有する抗22-1-1抗原抗体。
  11. IgGクラスの抗体である、請求項9又は10に記載の抗22-1-1抗原抗体。
  12. ヒト型化抗体である、請求項9又は10に記載の抗22-1-1抗原抗体。
  13. Fab、Fab'、F(ab')2、scFv、又はdsFv抗体である、請求項9又は10に記載の抗22-1-1抗原抗体。
  14. 請求項1〜6のいずれかに記載の核酸を含むベクター。
  15. 請求項1〜3のいずれかに記載の核酸と、及び請求項4〜6のいずれかに記載の核酸と、を含むベクター。
  16. 請求項1〜3のいずれかに記載の核酸と、及び請求項4〜6のいずれかに記載の核酸と、を発現可能な状態で保有する形質転換体。
  17. 以下のステップi)及びii)を含んでなる、抗22-1-1抗原抗体の作製方法:
    i)請求項16に記載の形質転換体を、それが保有する前記二つの核酸が発現される条件下で培養するステップ;及び
    ii)発現された抗体を回収するステップ。
  18. 以下のステップI)を含んでなる、22-1-1抗原の測定方法:
    I)検体中の22-1-1抗原を、22-1-1抗原と請求項9〜13のいずれかに記載の抗体との抗原抗体反応を利用して測定するステップ。
  19. 以下のステップI')及びI)を含んでなる、22-1-1抗原の測定方法:
    I')検体をシアリダーゼで処理するステップ、及び
    I)検体中の22-1-1抗原を、22-1-1抗原と請求項9〜13のいずれかに記載の抗体との抗原抗体反応を利用して測定するステップ。
  20. 請求項9〜13のいずれかに記載の抗体を含む、22-1-1抗原測定用キット。
  21. 請求項9〜13のいずれかに記載の抗体を固相化した固相化抗体と、及び
    22-1-1抗原に対して特異的に結合可能であって且つ標識化された標識化抗体と、を含む22-1-1抗原測定用キット。
  22. 請求項9〜13のいずれかに記載の抗体を固相化した固相化抗体と、
    22-1-1抗原に対して特異的に結合可能であって且つ標識化された標識化抗体と、及び
    シアリダーゼと、を含む22-1-1抗原測定用キット。
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