JP2005123594A - パルス電源装置の冷却構造 - Google Patents

Abstract

【課題】冷却効率が良く、小形で、電食が生じない冷却構造を提供する。
【解決手段】磁気回路３を容器５内に収容した絶縁油６中に設け、容器５に容器５の内側に位置する内側冷却フィン８ａと容器５の外側に位置する外側冷却フィン８ｂを一体に構成した冷却フィン８を密封して取り付け、内側冷却フィン８ａを絶縁油６中に浸漬するとともに、外側冷却フィン８ｂに固体絶縁素子４のアース側を取り付け、かつ外側冷却フィン８ｂ及び内側冷却フィン８ａに冷却水を通流するようにした。
【選択図】図１

Description

この発明は、パルス電源装置の冷却構造に関するものである。

高電圧、大電流の短パルスを発生するパルス電源としては、例えば固体絶縁素子と可飽和リアクトルなどの磁気回路を用いたものがある。即ち、図３において、１は高圧直流電源、２はコンデンサ、３は磁気回路、４は固体絶縁素子である。固体絶縁素子４のアース側は接地されている。上記構成において、まずコンデンサ２が高圧充電され、固体絶縁素子４をオンさせることにより磁気回路３に電流が流れ、高電圧、大電流の短パルスを発生する。

ところで、上記構成のパルス電源装置においては、磁気回路３及び固体絶縁素子４は熱を発生するため冷却する必要がある。このため、従来では固体絶縁素子４を冷却水により冷却し、磁気回路３を絶縁油により冷却していたが、このように別々に冷却することは不経済であり、寸法も大きくなった。又、固体絶縁素子４を直接冷却水により冷却すると、高圧側で電食を発生した。

又、図４（ａ），（ｂ）は従来のパルス電源装置における磁気回路冷却構造の縦断正面図及び縦断側面図を示し、５は容器であり、容器５内には絶縁油６が収容されている。絶縁油６中には磁気回路３及びこれに含まれるコンデンサ３ａが浸漬されるとともに、磁気回路３の上方には水冷式ラジェータ７が浸漬されている。この場合、磁気回路３は絶縁油６を介して水冷式ラジェータ７により冷却されるが、磁気回路３により暖められた絶縁油６は上昇し、水冷式ラジェータ７により冷却された絶縁油６は下降する。このため、この両者がぶつかり合って絶縁油６の循環がが悪くなり、冷却効率が低下した。

この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、小形で冷却効率が良く、電食の発生を防止することができるパルス電源装置の冷却構造を得ることを目的とする。

この発明の請求項１に係るパルス電源装置の冷却構造は、磁気回路を容器内に収容した絶縁油中に設けるとともに、容器の内側に位置する内側冷却フィンと容器の外側に位置する外側冷却フィンを一体に構成した冷却フィンを容器に密封して取り付け、内側冷却フィンを絶縁油中に浸漬するとともに、外側冷却フィンに固体絶縁素子のアース側を取り付け、かつ外側冷却フィンに冷却水を通流するようにしたものである。

請求項２に係るパルス電源装置の冷却構造は、内側冷却フィンにも冷却水を通流するようにしたものである。

以上のようにこの発明の請求項１によれば、内側冷却フィンと外側冷却フィンを一体化した冷却フィンを容器に取り付け、外側冷却フィンを水冷することにより外側冷却フィンに取り付けた固体絶縁素子を冷却するとともに、これに伴って冷却された内側冷却フィンにより絶縁油を介して磁気回路を冷却しており、冷却効率を高めて小形化が可能となる。又、固体絶縁素子のアース側を外側冷却フィンに取り付けており、電食は生じない。

請求項２によれば、内側冷却フィンにも冷却水を通流するようにしており、磁気回路の冷却構造をさらに高めることができる。

以下、この発明を実施するための最良の形態を図面とともに説明する。図１はこの発明の実施最良形態によるパルス電源装置の冷却構造の縦断正面図、図２（ａ），（ｂ）は同じく冷却フィンの正面図及び側面図である。磁気回路３は容器５内において絶縁油６に浸漬されて設けられている。８は容器５の外周に密封して取り付けられた冷却フィンであり、容器５の内側に位置する内側冷却フィン８ａと容器５の外側に位置する外側冷却フィン８ｂを一体に構成したものである。外側冷却フィン８ｂには固体絶縁素子４のアース側を取り付けるとともに、冷却水を通流させるための冷却水排管９を設け、冷却水配管９は内側冷却フィン８ａにも連続して配設する。又、内側冷却フィン８ａは絶縁油６中に浸漬されている。

上記構成において、冷却水配管９に冷却水を通流することにより外側冷却フィン８ｂ及び内側冷却フィン８ａを冷却し、固体絶縁素子４はアース側を外側冷却フィン８ｂによって冷却される。一方、磁気回路３は絶縁油６を介して内側冷却フィン８ａによって冷却される。

上記した実施最良形態においては、固体絶縁素子４が外側冷却フィン８ｂに冷却されるとともに、磁気回路３が絶縁油６を介して内側冷却フィン８ａに冷却されており、冷却効率が高く小形な冷却構造が選られる。又、固体絶縁素子４はアース側を水冷式の外側冷却フィン８ｂによって冷却されるので、電食は生じない。なお、内側冷却フィン８ａには必ずしも冷却水配管９を設ける必要がない。

この発明の実施形態によるパルス電源装置の冷却構造の縦断正面図である。 この発明の実施形態によるパルス電源装置の冷却フィンの正面図及び側面図である。 パルス電源装置の簡略回路図である。 従来のパルス電源装置の磁気回路冷却構造の縦断正面図及び縦断側面図である。

符号の説明

１…直流電源
３…磁気回路
４…固体絶縁素子
５…容器
６…絶縁油
８…冷却フィン
８ａ…内側冷却フィン
８ｂ…外側冷却フィン
９…冷却水配管

Claims (2)

1. 直流電源に固体絶縁素子と磁気回路を接続したパルス電源装置において、磁気回路を容器内に収容した絶縁油中に設けるとともに、容器に容器の内側に位置する内側冷却フィンと容器の外側に位置する外側冷却フィンを一体に構成した冷却フィンを密封して取り付け、内側冷却フィンを絶縁油中に浸漬するとともに、外側冷却フィンに固体絶縁素子のアース側を取り付け、かつ外側冷却フィンに冷却水を通流するようにしたことを特徴とするパルス電源装置の冷却構造。
2. 内側冷却フィンにも冷却水を通流するようにしたことを特徴とする請求項１記載のパルス電源装置の冷却構造。
   

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