JP2005123439A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、輝度を高くした発光素子を提供する。
【解決手段】光を透過可能な基板1と、基板1に積層されたn層3と、n層3に積層されたn側電極7および発光層4と、発光層4に積層されたp層5と、p層5に積層されたp側電極6とを有する発光素子において、p側電極6は、p層に積層されPt層61と、Pt層61に積層されたAg層62とを含み、Pt層61の平均膜厚を3nm以下としたことを特徴としたものであり、Pt層61に入射してきた光をPt層61自体で吸収されるのを抑えることができ、しかもAg層62で十分に反射させることができるので、電極構造の改良のみで輝度を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器、ディスプレイ、照明、バックライトなどに用いられる発光素子(LED、LD)に関するものである。
図9は従来の発光素子を示す側面図である。発光素子は、基板上に複数の層を積層して形成され、使用時に、上下を逆にして、実装基板100上に搭載される。以下の発光素子の説明は、図9に示す状態とは上下方向が逆の状態で説明する。
81は基板で、基板81は透明或いは半透明となるように構成されている。82は基板上に設けられたn層、83はn層82の上に設けられた発光層、84は発光層83の上に設けられたp層、85はp層84の上に設けられたp側電極で、p側電極85は、Pt層86、Ag層87、Ni層88、Au層89をp層84側から順に積層して構成されている。90はn層82に電気的に接続されたn側電極で、n側電極90はn層側からTi層95とAu層96を順に積層して構成される。Pt層86の厚みは75Åに形成されている。
図9に示すように、この様に構成された発光素子は、上下を逆に配置して、回路基板や載置部材などの実装基板100上に設けられた電極パターン101、102にそれぞれp側電極85及びn側電極90を半田等の接合材で面実装している。そして、発光層83で放出された光のうち、基板81側に放出された光はそのまま外方へ放出され、p側電極85側に放出された光は、p側電極85にPt層86を介して設けられたAg層87等によって基板81側に反射され、再度Pt層86内を通過して基板81側から放出される。(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−220168号公報(第2−5頁、第1図)
しかしながら、Pt層86を設けると、p層84とp側電極85とがオーミック接触されて接触抵抗が低くなるが、通過する光の一部をPt層86が吸収してしまい、輝度が低くなるという問題がある。また、Pt層86の厚みをさらに厚くすると、Pt層86により吸収される光量が飽和して、Pt層86による反射光が多くなるので、輝度は低いレベルで安定してしまうことになる。
そこで本発明は、輝度を高くした発光素子を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、光を透過可能な基板と、前記基板に積層されたn層と、前記n層に積層されたn側電極および発光層と、前記発光層に積層されたp層と、前記p層に積層されたp側電極とを有する発光素子において、前記n層、前記p層、および前記発光層は、それぞれGaとNを含む半導体層で形成され、前記p側電極は、前記p層に積層されたPt層と、前記Pt層に積層されたAg層またはRh層とを含み、前記Pt層の平均膜厚を3nm以下としたことを特徴とした。
Pt層を、平均膜厚を3nm以下とすることで、Pt層に入射してきた光をPt層自体で吸収されるのを抑えることができ、しかもAg層またはRh層で十分に反射させることができるので、電極構造の改良のみで輝度を向上させることができ、しかもp側電極とp層との電気的接続は十分良好に行うことができる。
請求項1記載の発明は、光を透過可能な基板と、前記基板に積層されたn層と、前記n層に積層されたn側電極および発光層と、前記発光層に積層されたp層と、前記p層に積層されたp側電極とを有する発光素子において、前記n層、前記p層、および前記発光層は、それぞれGaとNを含む半導体層で形成され、前記p側電極は、前記p層に積層されたPt層と、前記Pt層に積層されたAg層またはRh層とを含み、前記Pt層の平均膜厚を3nm以下とすることで、Pt層に入射してきた光をPt層自体で吸収されるのを抑えることができ、しかもAg層で十分に反射させることができるので、電極構造の改良のみで輝度を向上させることができる。しかもPt層を設けることで、p側電極とp層との電気的接続は十分良好に行うことができる。
また、n層、p層、および発光層は、それぞれGaとNを含む半導体層で形成されたものとすることで、緑色、青色、紫色等の短波長の光を放出させることができる。
請求項2記載の発明は、前記Ag層は、平均膜厚が5nm以上、2000nm以下とすることで、所望の反射特性を得ることができ、しかも生産性を向上させることができる。
請求項3記載の発明は、前記Rh層は、平均膜厚が5nm以上、2000nm以下とすることで、所望の反射特性を得ることができ、しかも生産性を向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る発光素子を図1に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る発光素子を示す側面図である。
図1において、基板1としては少なくとも光が通過可能な程度の透明度を有するものが用いられる。基板1の構成材料としては、サファイア基板、SiC基板、GaN基板などが用いられる。
3は基板1の上に直接あるいは図示していないがバッファ層を介して設けられたn層で、n層3は少なくともGaとNを含んだ半導体層で構成され、しかもn型ドーパントとしては、Si又はGe等が好適に用いられる。このn層3は膜厚4μmで構成されている。
4はn層3の上に設けられた発光層で、発光層4はn層3の上に直接或いは少なくともGaとNを含む半導体層を介して積層されている。発光層4は少なくともGa、Nを含み、所望の発光波長を得る為に必要な場合は適量のInを含む半導体からなる。また、発光層4としては、図1においては1層構造としているが、例えば、InGaN層とGaN層を交互に少なくとも一対積層した多量子井戸構造とすることで、更に輝度を向上させることができる。
5は発光層4の上に直接或いは少なくともGaとNを含んだ半導体層を介して積層されたp層で、p層5は少なくともGaとNを含んだ半導体層で構成され、しかもp型ドーパントとしては、Mg等が好適に用いられる。このp層5は膜厚0.3μmで構成されている。
6はp層5の上に設けられたp側電極である。p側電極6はp層5側からPt層61、Ag層62、Mo層63、Au層64を順に積層して構成されている。
本発明の特徴の一つは、Pt層61の平均膜厚を3nm以下としたことである。Pt層61の平均膜厚が3nmより厚い場合では、Pt層61自体での光の吸収が大きくなってしまい、輝度が低下する。Pt層61を省略すると、p層5と良好な電気的接続を得ることができなくなり、駆動電圧が高くなる。
従って、Pt層61を3nm以下に形成するのが、駆動電圧を上げること無く輝度の向上が図れるので望ましい。
Pt層61は、p層5に対して三次元成長をすることが多い。三次元成長とは、膜が形成される初期の段階において、基板表面に原子が島状に分散し、さらに各島が三次元状に積層することをいい、二次元的な核の周囲に新たな原子が付着して薄膜が積層して形成される層状成長と区別される。本明細書中において各層というときは、三次元成長の途中で各島の間に隙間があいている状態のときも含まれるものとし、平均膜厚は、ある断面に切断したときの各島と隙間の高さを平均したものとする。
また、本発明の特徴の一つは、Ag層62の平均膜厚を5nm以上、2000nm以下
とすることを特徴とする。すなわち、Ag層62の平均膜厚が5nmより薄いと十分な反射特性を得ることはできず、逆に2000nmより厚いと、反射特性に変化は無く、膜の形成に必要となる蒸発原料が多く必要となり、又この工程にかかる時間が長くなる為、製造コストが高くなってしまう。
この様に、Pt層61の平均膜厚を3nm以下とすることで発光層4から放射された光がPt層61に入射してもPt層61自体における光吸収を抑えることができ輝度を向上させることができ、しかもAg層62での反射特性を十分に得ることができる。従来の技術で示した先行例では、Pt層は5nm以上であるので光吸収が多く発生し、輝度が低下する。
本発明はこのPt層61自体の光吸収が輝度向上に影響を与えることに着目し、オーミック接合の度合いなどを考慮することで、Pt層61の平均膜厚を規定し、その結果p側電極6の改良のみで輝度を向上させることができる。
なお、p側電極6はp層5の全面或いはp層5の表出面積の80%以上設けることが好ましい。
7はp層5を設けた側に表出したn層3の一部に設けられたn側電極で、n側電極7はn層3側からTi層71、Au層72を順に積層して構成されている。
8は上述の様に構成された発光素子が実装される実装部材である。実装部材8としては、回路基板や載置部材などが好適に用いられる。実装部材8上には少なくとも電極パターン10,11が設けられており、この電極パターン10,11には例えばそれぞれAu層64及びAu層72が半田や鉛フリー半田等の導電性接合材にて電気的に接合されている。
以上の様に構成された発光素子は、発光層4で放出された光がPt層61に入射してもPt層61の平均膜厚を3nm以下としていることでPt層61自体での光吸収を抑えることができる。
従って、発光層4からp側電極6側に放出された光は効率よく反射されて基板1から放出されるので、p側電極6の改良のみで、十分な輝度向上を実現できる。
なお、本実施の形態では、Pt層、Ag層、Mo層、Au層、Ti層等は各材料単体で構成される場合ももちろんその元素を主成分とする層でも良い。すなわち、例えばPt層であれば、Ptに特性に影響を与えない範囲で所定の元素が混入した材料でも良い。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る発光素子を図2に基づいて説明する。
図2は本発明の実施の形態2係る発光素子を示す側面図である。
図2においては、基板1と、n層3と、発光層4と、p層5と、n側電極7であるTi層71およびAu層72と、実装部材8と、電極パターン10および11とは、図1と同様のものであるため、同符号を付して説明を省略する。
実施の形態2の発光素子は、p側電極に発光層4から出射された光を反射するRh層を形成したものである。
図2に示すように、9はp層5の上に設けられたp側電極で、p側電極9はp層5側からPt層91、Rh層92、Au層93を順に積層して構成されている。
本発明の特徴の一つは、Pt層91の平均膜厚を3nm以下としたことを特徴とする。すなわち、Pt層91が3nmより厚い場合では、Pt層91自体での光の吸収が大きくなってしまい、輝度が低下する。Pt層91を省略すると、p層5と良好な電気的接続を得ることができなくなり、駆動電圧が高くなる。
従って、Pt層91を3nm以下に形成するのが、駆動電圧を上げること無く更に輝度の向上が図れるので望ましい。
また、本発明の特徴の一つは、Rh層92の平均膜厚を5nm以上、2000nm以下とすることを特徴とする。すなわち、Rh層92の平均膜厚が5nmより薄いと十分な反射特性を得ることはできず、逆に2000nmより厚いと、反射特性に変化は無く、膜の形成に必要となる蒸発原料が多く必要となり、又この工程にかかる時間が長くなる為、製造コストが高くなってしまう。
この様に、Pt層91の平均膜厚を3nm以下とすることで発光層4から放射された光がPt層91に入射してもPt層91自体における光吸収を抑えることができ輝度を向上させることができ、しかもRh層92での反射特性を十分に得ることができる。従来の技術で示した先行例では、Pt層は5nm以上であるので光吸収が多く発生し、輝度が低下する。
本発明はこのPt層91自体の光吸収が輝度向上に影響を与えることに着目し、オーミック接合の度合いなどを考慮することで、Pt層91の平均膜厚を規定し、その結果p側電極9の改良のみで輝度を向上させることができる。
なお、p側電極9はp層5の全面或いはp層5の表出面積の80%以上設けることが好ましい。
以上の様に構成された発光素子は、発光層4で放出された光がPt層91に入射してもPt層91の平均膜厚を3nm以下としていることでPt層91自体での光吸収を抑えることができる。
従って、発光層4からp側電極9側に放出された光は効率よく反射されて基板1から放出されるので、p側電極9の改良のみで、十分な輝度向上を実現できる。
なお、本実施の形態では、Pt層、Rh層、Au層、Ti層等は各材料単体で構成される場合ももちろんその元素を主成分とする層でも良い。すなわち、例えばPt層であれば、Ptの特性に影響を与えない範囲で所定の元素が混入した材料でも良い。
(実施例1)
本発明の実施例として、図3に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の作製方法を記す。以下の実施例においては、窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法として有機金属気相成長法を用いたものを示すが、成長方法はこれに限定されるものではなく、分子線エピタキシー法や有機金属分子線エピタキシー法等を用いることも可能である。
先ず、表面を鏡面に仕上げられたサファイアの基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基板1の温度を1000℃に保ち、窒素と水素を流しながら基板1を10分間加熱することにより、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除いた。
次に、基板1の温度を550℃にまで降下させ、キャリアガスとして窒素を流しながら、アンモニアとトリメチルガリウム(以下、「TMG」と略称する。)を供給して、GaNからなるバッファ層2を25nmの厚さで成長させた。
次に、TMGの供給を止めて1050℃まで昇温させた後、キャリアガスとして窒素と水素を流しながら、アンモニア、TMGそしてSiH4を供給して、SiをドープしたGaNからなるn層3を4μmの厚さで成長させた。
n層3を成長後、TMGとSiH4の供給を止め、基板温度を750℃にまで降下させ、750℃において、キャリアガスとして窒素を流しながら、アンモニア、TMG、トリメチルインジウム(以下、「TMI」と略称する。)を供給して、アンドープのInGaNからなる単一量子井戸構造の発光層4を2nmの厚さで成長させた。
発光層4を成長後、TMIの供給を止め、TMGを流しながら基板温度を1050℃に向けて昇温させながら、引き続きアンドープのGaN(図示せず)を4nmの厚さで成長させ、基板温度が1050℃に達したら、キャリアガスとして窒素と水素を流しながら、アンモニア、TMG、トリメチルアルミニウム(以下、「TMA」、と略称する。)ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下、「Cp2Mg」と略称する。)を供給して、MgをドープさせたAlGaNからなるp型クラッド層51を0.2μmの厚さで成長させた。
p型クラッド層51を成長後、基板1の温度を1050℃に保持したままで、キャリアガスとして窒素ガス及び水素ガスを流しながら、アンモニア、TMG、TMA、及びCp2Mgを供給して、MgをドープしたAlGaNからなるp型コンタクト層52を0.1μmの厚さで成長させた。
p型コンタクト層52を成長後、TMGとTMAとCp2Mgの供給を止め、窒素ガスとアンモニアを流しながら、基板1の温度を室温程度にまで冷却させて、基板1の上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層されたウェハーを反応管から取り出した。
このようにして形成した窒化ガリウム系化合物半導体からなる積層構造に対して、別途アニールを施すことなく、その表面上にCVD法によりSiO2膜を堆積させた後、フォトリソグラフィとウェットエッチングにより略方形状にパターンニングしてエッチング用のSiO2マスクを形成させた。そして、反応性イオンエッチング法により、p型コンタクト層52とp型クラッド層51と中間層と発光層4とn層3の一部を約0.4μmの深さで積層方向と逆の方向に向かって除去させて、n層3の表面を露出させた。
そして、エッチング用のSiO2マスクをウェットエッチングにより除去させた後、積層構造の表面上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィによりp型コンタクト層52の表面上のフォトレジストのみを取り除き、p型コンタクト層52の表面の80%以上を露出させた。そして、積層構造を真空蒸着装置のチャンバー内に装着し、チャンバー内を2×10-6Torr以下にまで真空排気した後、電子ビーム蒸着法により露出されたp型コンタクト層52の表面上およびフォトレジスト上に、平均膜厚が1nmのPt層61を蒸着した。続いて、平均膜厚が100nmのAg層62を蒸着し、更に100nmの厚さのMo層63と1μmの厚さのAu層64を順次蒸着した。次に、積層構造をチャンバーから取り出し、フォトレジスト上のPt層61とAg層62とMo層63とAu層64をフォトレジストと共に除去することによって、p型コンタクト層52の表面上にPt層61とAg層62とMo層63とAu層64が順次積層されたp側電極6を形成した。
再び積層構造の表面上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより、露出させたn層3の表面一部の上のフォトレジストのみを取り除き、n層3の表面一部を露出させた。そして、積層構造を真空蒸着装置のチャンバー内に装着し、チャンバー内を2×10-6Torr以下にまで真空排気した後、電子ビーム蒸着法により、露出されたn層3の表面上およびフォトレジスト上に、100nmの厚さのTi層71を蒸着し、更に1.5μmの厚さのAu層72を蒸着した。次に、積層構造をチャンバーから取り出し、フォトレジスト上のTi層71とAu層72をフォトレジストと共に除去することによって、n層3の表面一部の上にTi層71とAu層72が順次積層されたn側電極7を形成した。
この後、基板1の裏面を研磨して100μm程度の厚さに調整し、スクライブによりチップ状に分離した。このようにして、図3に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が得られた。
この発光素子を、電極形成面側を下向きにして、正負一対の電極を有するSiダイオードの上にAuバンプにより接着させた。このとき、発光素子のp側電極6およびn側電極7が、それぞれSiダイオードの負電極および正電極と接続されるようにして発光素子を搭載する。この後、発光素子を搭載させたSiダイオードを、Agペーストによりステム上に載置し、Siダイオードの正電極をステム上の電極にワイヤで結線し、その後樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光し、基板1の積層構造を形成した側の反対側の面から均一な面発光が得られた。このときの順方向動作電圧は3.26Vであり、発光出力は5.01mWであった。
(実施例2)
実施例2においては、上記実施例1と同様の手順で、Pt層61を平均膜厚0.0μmから10.0μmとした発光素子を作製した。この発光素子を20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光し、基板1の積層構造を形成した側の反対側の面から均一な面発光が得られた。そして、輝度および駆動電圧を測定し、表1および表2に示されるような結果が得られた。
Figure 2005123439
Figure 2005123439
Pt層の膜厚と発光素子の輝度の関係と、Pt層の平均膜厚と駆動電圧の関係について、図4と図5を用いて説明する。
図4に示すように、Pt層の平均膜厚を3nmより厚く形成すると、Pt層自体での光吸収量が著しく多くなると思われる原因で、輝度が低下する。更に図5から解るように、Pt層を省略するとp層とのオーミック接合が確実に行われていないことが原因と思われる駆動電圧の上昇が見られる。
従って、電気的な特性或いは輝度の面からPt層の平均膜厚を3nm以下とすることが好ましいことがわかる。
(実施例3)
次に、図6に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の作製方法を記す。本実施例においても、窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法として有機金属気相成長法を用いたものを示すが、成長方法はこれに限定されるものではなく、分子線エピタキシー法や有機金属分子線エピタキシー法等を用いることも可能である。
先ず、表面を鏡面に仕上げられたサファイアの基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基板1の温度を1000℃に保ち、窒素と水素を流しながら基板1を10分間加熱することにより、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除いた。
次に、基板1の温度を550℃にまで降下させ、キャリアガスとして窒素を流しながら、アンモニアとTMGを供給して、GaNからなるバッファ層2を25nmの厚さで成長させた。
次に、TMGの供給を止めて1050℃まで昇温させた後、キャリアガスとして窒素と水素を流しながら、アンモニア、TMGそしてSiH4を供給して、SiをドープしたGaNからなるn層3を4μmの厚さで成長させた。
n層3を成長後、TMGとSiH4の供給を止め、基板温度を750℃にまで降下させ、750℃において、キャリアガスとして窒素を流しながら、アンモニア、TMG、TMIを供給して、アンドープのInGaNからなる単一量子井戸構造の発光層4を2nmの厚さで成長させた。
発光層4を成長後、TMIの供給を止め、TMGを流しながら基板温度を1050℃に向けて昇温させながら、引き続きアンドープのGaN(図示せず)を4nmの厚さで成長させ、基板温度が1050℃に達したら、キャリアガスとして窒素と水素を流しながら、アンモニア、TMG、TMA、Cp2Mgを供給して、MgをドープさせたAlGaNからなるp型クラッド層51を0.2μmの厚さで成長させた。
p型クラッド層51を成長後、基板1の温度を1050℃に保持したままで、キャリアガスとして窒素ガス及び水素ガスを流しながら、アンモニア、TMG、TMA、及びCp2Mgを供給して、MgをドープしたAlGaNからなるp型コンタクト層52を0.1μmの厚さで成長させた。
p型コンタクト層52を成長後、TMGとTMAとCp2Mgの供給を止め、窒素ガスとアンモニアを流しながら、基板1の温度を室温程度にまで冷却させて、基板1の上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層されたウェハーを反応管から取り出した。
このようにして形成した窒化ガリウム系化合物半導体からなる積層構造に対して、別途アニールを施すことなく、その表面上にCVD法によりSiO2膜を堆積させた後、フォトリソグラフィとウェットエッチングにより略方形状にパターンニングしてエッチング用のSiO2マスクを形成させた。そして、反応性イオンエッチング法により、p型コンタクト層52とp型クラッド層51と中間層と発光層4とn層3の一部を約0.4μmの深さで積層方向と逆の方向に向かって除去させて、n層3の表面を露出させた。
そして、エッチング用のSiO2マスクをウェットエッチングにより除去させた後、積層構造の表面上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィによりp型コンタクト層52の表面上のフォトレジストのみを取り除き、p型コンタクト層52の表面の80%以上を露出させた。そして、積層構造を真空蒸着装置のチャンバー内に装着し、チャンバー内を2×10-6Torr以下にまで真空排気した後、電子ビーム蒸着法により露出されたp型コンタクト層52の表面上およびフォトレジスト上に、平均膜厚が3nmのPt層91を蒸着した。続いて、平均膜厚が100nmのRh層92を蒸着し、更に1μmの厚さのAu層93を蒸着した。次に、積層構造をチャンバーから取り出し、フォトレジスト上のPt層91とRh層92とAu層93をフォトレジストと共に除去することによって、p型コンタクト層52の表面上にPt層91とRh層92とAu層93が順次積層されたp側電極9を形成した。
再び積層構造の表面上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより、露出させたn層3の表面一部の上のフォトレジストのみを取り除き、n層3の表面一部を露出させた。そして、積層構造を真空蒸着装置のチャンバー内に装着し、チャンバー内を2×10-6Torr以下にまで真空排気した後、電子ビーム蒸着法により、露出されたn層3の表面上およびフォトレジスト上に、100nmの厚さのTi層71を蒸着し、更に1.5μmの厚さのAu層72を蒸着した。次に、積層構造をチャンバーから取り出し、フォトレジスト上のTi層71とAu層72をフォトレジストと共に除去することによって、n層3の表面一部の上にTi層71とAu層72が順次積層されたn側電極7を形成した。
この後、基板1の裏面を研磨して100μm程度の厚さに調整し、スクライブによりチップ状に分離した。このようにして、図6に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が得られた。
この発光素子を、電極形成面側を下向きにして、正負一対の電極を有するSiダイオードの上にAuバンプにより接着させた。このとき、発光素子のp側電極6およびn側電極7が、それぞれSiダイオードの負電極および正電極と接続されるようにして発光素子を搭載する。この後、発光素子を搭載させたSiダイオードを、Agペーストによりステム上に載置し、Siダイオードの正電極をステム上の電極にワイヤで結線し、その後樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光し、基板1の積層構造を形成した側の反対側の面から均一な面発光が得られた。このときの順方向動作電圧は3.4Vであり、発光出力は5mWであった。
(実施例4)
実施例4においては、上記実施例3と同様の手順で、Pt層91を平均膜厚0.0μmから10.0μmとした発光素子を作製した。この発光素子を20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光し、基板1の積層構造を形成した側の反対側の面から均一な面発光が得られた。そして、輝度および駆動電圧を測定し、表3および表4に示されるような結果が得られた。
Figure 2005123439
Figure 2005123439
Pt層の膜厚と発光素子の輝度の関係と、Pt層の平均膜厚と駆動電圧の関係について、図7と図8を用いて説明する。
図7に示すように、Pt層の平均膜厚を3nmより厚く形成すると、Pt層自体での光吸収量が著しく多くなると思われる原因で、輝度が低下する。更に図8から解るように、Pt層を省略するとp層とのオーミック接合が確実に行われていないことが原因と思われる駆動電圧の上昇が見られる。
従って、電気的な特性或いは輝度の面からPt層の平均膜厚を3nm以下とすることが好ましいことがわかる。
本発明に係る発光素子は、Pt層に入射してきた光をPt層自体で吸収されるのを抑えることができ、しかもAg層またはRh層で十分に反射させることができるので、電極構造の改良のみで輝度を向上させることが必要な電子機器、ディスプレイ、照明、バックライトなどに使用される発光素子に有用である。
本発明の実施の形態1に係る発光素子を示す側面図 本発明の実施の形態2に係る発光素子を示す側面図 実施例1にて作製した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を示す側面図 実施例2の発光素子のPt層の平均膜厚と輝度との関係を示すグラフ 実施例2の発光素子のPt層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフ 実施例3にて作製した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を示す側面図 実施例4の発光素子のPt層の平均膜厚と輝度との関係を示すグラフ 実施例4の発光素子のPt層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフ 従来の発光素子を示す側面図
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 n層
4 発光層
5 p層
6 p側電極
7 n側電極
8 実装部材
9 p側電極
10,11 電極パターン
51 p型クラッド層
52 p型コンタクト層
61 Pt層
62 Ag層
63 Mo層
64 Au層
71 Ti層
72 Au層
91 Pt層
92 Rh層
93 Au層

Claims (3)

  1. 光を透過可能な基板と、前記基板に積層されたn層と、前記n層に積層されたn側電極および発光層と、前記発光層に積層されたp層と、前記p層に積層されたp側電極とを有する発光素子において、
    前記n層、前記p層、および前記発光層は、それぞれGaとNを含む半導体層で形成され、
    前記p側電極は、前記p層に積層されたPt層と、前記Pt層に積層されたAg層またはRh層とを含み、
    前記Pt層の平均膜厚を3nm以下とした
    ことを特徴とする発光素子。
  2. 前記Ag層は、平均膜厚が5nm以上、2000nm以下である請求項1記載の発光素子。
  3. 前記Rh層は、平均膜厚が5nm以上、2000nm以下である請求項1または2に記載の発光素子。
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