JP2005072433A - 発光素子 - Google Patents

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修一 品川
Hidenori Kamei
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Abstract

【課題】輝度を高くした発光素子を提供する。
【解決手段】光を透過可能な基板、n層、発光層、p層を順に積層し、さらに前記p層に、光透過層と反射層とを順に積層したp側電極を設けた発光素子であって、前記光透過層の平均膜厚は5nm未満であることを特徴とする発光素子を形成し、p層とp側電極とを、平均膜厚が5nm未満の光透過層によってオーミック接触して接触抵抗を小さくするとともに、通過する光の吸収量を小さくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器、ディスプレイ、照明、バックライトなどに用いられる発光素子(LED、LD)に関するものである。
図13は従来の発光素子を示す側面図である。発光素子は、基板上に複数の層を積層して形成され、使用時に、上下を逆にして、実装基板93上に搭載される。以下の発光素子の説明は、図13に示す状態とは上下方向が逆の状態で説明する。
81は基板で、基板81は透明或いは半透明となるように構成されている。82は基板上に設けられたn層、83はn層82の上に設けられた発光層、84は発光層83の上に設けられたp層、85はp層84の上に設けられたp側電極で、p側電極85は、Pt層86、Ag層87、Ni層88、Au層89をp層84側から順に積層して構成されている。90はn層82に電気的に接続されたn側電極で、n側電極90はn層側からTi層91とAu層92を順に積層して構成される。Pt層86の厚みは75Åに形成されている。
図13に示すように、この様に構成された発光素子は、上下を逆に配置して、回路基板や載置部材などの実装基板93上に設けられた電極パターン94、95にそれぞれp側電極85及びn側電極90を半田等の接合材で面実装している。そして、発光層83で放出された光の内、基板81側に放出された光はそのまま外方へ放出され、p側電極85側に放出された光は、p側電極85にPt層86を介して設けられたAg層87等によって基板81側に反射され、再度Pt層86内を通過して基板81側から放出される(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−220168号公報(第2−5頁、第1図)
しかしながら、Pt層86を設けると、p層84とp側電極85とがオーミック接触されて接触抵抗が低くなるが、通過する光の一部をPt層86が吸収してしまい、輝度が低くなるという問題がある。また、Pt層86の厚みをさらに厚くすると、Pt層86により吸収される光量が飽和して、Pt層86による反射光が多くなるので、輝度は低いレベルで安定してしまうことになる。
そこで本発明は、輝度を高くした発光素子を提供することを目的とする。
本発明の発光素子においては、光を透過可能な基板、n層、発光層、p層を順に積層し、さらに前記p層に、光透過層と反射層とを順に積層したp側電極を設けた発光素子であって、前記光透過層の平均膜厚は5nm未満であることを特徴とする発光素子としたものである。
この発明によれば、輝度を高くした発光素子が得られる。
以上のように本発明によれば、p側電極の光透過層の平均膜厚を5nm未満にしたので、光透過層に入射してきた光が光透過層自体に吸収されることを抑えることができ、しかも反射層で十分に反射させることができるので、電極の改良のみで輝度を向上させることができる。
本願の請求項1に記載の発明は、光を透過可能な基板、n層、発光層、p層を順に積層し、さらに前記p層に、光透過層と反射層とを順に積層したp側電極を設けた発光素子であって、前記光透過層の平均膜厚は5nm未満であることを特徴とする発光素子としたものであり、p層とp側電極とを、平均膜厚が5nm未満の光透過層によってオーミック接触して接触抵抗を小さくするとともに、通過する光の吸収量を小さくするという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、前記光透過層は、前記発光素子を光取り出し方向から見たときに、高輝度部または低輝度部が分散配置されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子としたものであり、島状に形成された光透過層の隙間部分を通過する光によって高輝度部を形成するとともに光透過層の透過部を通過する光によって低輝度部を形成し、高輝度部によって平均輝度を増加させ、低輝度部によってオーミック接触させて接触抵抗を小さくするという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、前記基板およびn層は一体的に形成されたn型導電性基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子としたものであり、バルク抵抗およびn側電極との接触抵抗を低くし、n側電極の位置や形成手段の自由度が大きくなるという作用を有する。また、n型導電性基板に、発光層およびp層と同じ材質のものを用いると、層の結晶性が高くなる。
請求項4に記載の発明は、前記n層、前記発光層および前記p層は、少なくともGaとNを含む半導体層であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発光素子としたものであり、緑色、青色、紫色等の短波長の光を放出するという作用を有する。
請求項5に記載の発明は、前記光透過層は、Pt、Co、Ni、Pd若しくはこれらを含む合金、またはこれらを含む酸化物であることを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の発光素子としたものであり、このような材料を用いることにより、p側電極とp層との接触抵抗が低くなるという作用を有する。
請求項6に記載の発明は、前記反射層は、Ag、Al、Rh、Ru若しくはこれらを含む合金、またはこれらを含む酸化物であることを特徴とする請求項1から5のいずれかの項に記載の発光素子としたものであり、このような材料を用いることにより、反射層の反射率を高くするという作用を有する。
請求項7に記載の発明は、前記反射層は、前記光透過層より反射率が高いことを特徴とする請求項1から6のいずれかの項に記載の発光素子としたものであり、p側電極を反射率の高いものに変え、また、反射層の厚みを厚くして反射率を高めることにより、光透過層を通過して反射層に照射された光の大部分を反射させるという作用を有する。
請求項8に記載の発明は、前記n層には、前記p側電極と同じ方向に向けて形成されたn側電極が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかの項に記載の発光素子としたものであり、同一の面方向でp側電極とn側電極との電気的接合を行うことができ、他方の面を回路基板に固着させて面実装可能な発光素子を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の発光素子を示す側面図である。発光素子は、基板上に複数の層を積層して形成され、使用時に、上下を逆にして、実装部材8上に搭載される。以下の発光素子の説明は、図1に示す状態とは上下方向が逆の状態で説明する。
図1において、基板1としては少なくとも光が通過可能な程度の透明度を有するものが用いられる。基板1の構成材料としては、サファイア基板、SiC基板、GaN基板などが用いられる。
2はバッファ層である。なお、バッファ層2は省略することも可能である。
3はn層で、少なくともGaとNを含んだ半導体層で構成されている。n型ドーパントとしては、Si又はGe等が好適に用いられる。このn層3は膜厚4μmで構成されている。
4はn層3の上に設けられた発光層で、発光層4はn層3の上に直接或いは少なくともGaとNを含む半導体層を介して積層されている。発光層4は少なくともGa、Nを含み、所望の発光波長を得る為に必要な場合は適量のInを含む半導体からなる。また、発光層4としては、図1においては1層構造としているが、例えば、InGaN層とGaN層を交互に少なくとも一対積層した多量子井戸構造とすることで、更に輝度を向上させることができる。
5は発光層4の上に直接或いは少なくともGaとNを含んだ半導体層を介して積層されたp層で、p層5は少なくともGaとNを含んだ半導体層で構成され、しかもp型ドーパントとしては、Mg等が好適に用いられる。このp層5は膜厚0.3μmで構成されている。p層5は、発光層4側から順にp型クラッド層51およびp型コンタクト層52を積層して設けられている。
6はp層5の上に設けられたp側電極で、p側電極6はp層5側からPt層61、Ag層62、Mo層63、Au層64を順に積層して構成されている。
Pt層61の平均膜厚は、0.5nm以上で5nm未満に形成されている。Pt層61を0.5nm以上の平均膜厚に形成することにより、Pt層61はp層5と良好な電気的接続を得ることができる。また、Pt層61を5nm未満の平均膜厚に形成しているので、Pt層61自体での光の吸収が少なくなり、輝度が向上する。
Pt層61は、p型コンタクト層52に対して三次元成長をすることが多い。三次元成長とは、膜が形成される初期の段階において、基板表面に原子が島状に分散し、さらに各島が三次元状に積層することをいい、二次元的な核の周囲に新たな原子が付着して薄膜が積層して形成される層状成長と区別される。本明細書中において各層というときは、三次元成長の途中で各島の間に隙間があいている状態のときも含まれるものとし、平均膜厚は、ある断面に切断したときの各島と隙間の高さを平均したものとする。
また、Ag層62の平均膜厚は5nm〜2000nmに形成されている。すなわち、Ag層62の平均膜厚が5nmより薄いと十分な反射特性を得ることはできず、逆に2000nmより厚いと、反射特性に変化は無く、膜の形成に必要となる蒸発原料が多く必要となり、又この工程にかかる時間が長くなる為、製造コストが高くなってしまう。Ag層62の平均膜厚を5nm〜2000nmに形成することにより、Pt層61より反射率が高くなるとともに蒸発原料が少なくなるので、製造時間を短縮することができる。
この様に、Pt層61の平均膜厚を0.5nm以上5nm未満とすることで、発光層から放射された光がPt層61に入射したときにPt層61自体における光吸収を抑えて輝度を向上させることができ、また、Ag層62の平均膜厚を5nm〜2000nmにすることで、製造を簡単にするとともに十分な反射特性を得ることができる。
特に、Pt層61が薄いので、Pt層61が島状に形成され、発光素子を光取り出し方向から見たときに、光透過層には、高輝度部と低輝度部とが分散配置された状態になっている。
本発明はこのPt層61自体の光吸収が輝度向上に影響を与えることに着目し、オーミック接触の度合いなどを考慮することで、Pt層61の平均膜厚を規定したので、その結果、p側電極6の改良のみで輝度を向上させることができる。
なお、p側電極6はp層5の全面或いはp層5の表出面積の80%以上設けることが好ましい。
7はp層5を設けた側に表出したn層3の一部に設けられたn側電極で、n側電極7はn層3側からTi層71、Au層72を順に積層して構成されている。8は上述の様に構成された発光素子が実装される実装部材で、実装部材8としては、回路基板や載置部材などが好適に用いられる。実装部材8上には少なくとも電極パターン9、10が設けられており、この電極パターン9、10には例えばそれぞれAu層64及びAu層72が半田や鉛フリー半田等の導電性接合材にて電気的に接合されている。
以上の様に構成された発光素子は、発光層4で放出された光がPt層61に入射してもPt層61の平均膜厚を5nm未満としていることでPt層61自体での光吸収を抑えることができ、しかも平均膜厚を0.5nm以上とすることで、十分なp層5との電気的接合を得ることができる。
従って、発光層4からp側電極6側に放出された光は効率よく反射されて基板1から放出されるので、p側電極6の改良のみで、十分な輝度向上を実現できる。
なお、本実施の形態では、Pt層、Ag層、Mo層、Au層、Ti層等は各材料単体で構成される場合ももちろんその元素を主成分とする層でも良い。すなわち、例えばPt層であれば、Ptに特性に影響を与えない範囲で所定の元素が混入した材料でも良い。
次に第1の実施の形態の発光素子の製造方法について説明する。ここでは、窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法として有機金属気相成長法を用いたものを示すが、成長方法はこれに限定されるものではなく、分子線エピタキシー法や有機金属分子線エピタキシー法等を用いることも可能である。
まず、表面を鏡面に仕上げられたサファイアの基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基板1の温度を1000℃に保ち、窒素と水素を流しながら基板1を10分間加熱する。このようにして、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除く。
次に、基板1の温度を550℃にまで降下させ、キャリアガスとして窒素を流しながら、アンモニアとトリメチルガリウム(以下、TMGという。)を供給して、GaNからなるバッファ層2を膜厚25nmに成長させる。
次に、TMGの供給を止めて1050℃まで昇温させた後、キャリアガスとして窒素と水素を流しながら、アンモニア、TMGそしてSiH4を供給して、SiをドープしたGaNからなるn層3を膜厚4μmまで成長させる。
n層3の成長後、TMGとSiH4の供給を止め、基板温度を750℃にまで降下させ、750℃において、キャリアガスとして窒素を流しながら、アンモニア、TMG、トリメチルインジウム(以下、TMIという。)を供給して、アンドープのInGaNからなる単一量子井戸構造の発光層4を膜厚2nmに成長させる。
発光層4の成長後、TMIの供給を止め、TMGを流しながら基板温度を1050℃に向けて昇温させながら、引き続きアンドープのGaN(図示せず)を膜厚4nmまで成長させる。基板温度が1050℃に達したら、キャリアガスとして窒素と水素を流しながら、アンモニア、TMG、トリメチルアルミニウム(以下、TMAという。)、シクロペンタジエニルマグネシウム(以下、Cp2Mgという。)を供給して、MgをドープさせたAlGaNからなるp型クラッド層51を膜厚0.2μmまで成長させる。
p型クラッド層51の成長後、基板1の温度を1050℃に保持したままで、キャリアガスとして窒素ガス及び水素ガスを流しながら、アンモニア、TMG、TMA、及びCp2Mgを供給して、MgをドープしたAlGaNからなるp型コンタクト層52を膜厚0.1μmに成長させる。
p型コンタクト層52を成長後、TMGとTMAとCp2Mgの供給を止め、窒素ガスとアンモニアを流しながら、基板1の温度を室温程度にまで冷却させて、基板1の上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層されたウェハーを反応管から取り出す。
このようにして形成した窒化ガリウム系化合物半導体からなる積層構造体に対して、別途アニールを施すことなく、その表面上にCVD法によりSiO2膜を堆積させた後、フォトリソグラフィとウェットエッチングにより略方形状にパターンニングしてエッチング用のSiO2マスクを形成する。そして、反応性イオンエッチング法により、p型コンタクト層52とp型クラッド層51と中間層と発光層4とn層3の一部を約0.4μmの深さで積層方向と逆の方向に向かって除去し、n層3の表面を露出させる。
そして、エッチング用のSiO2マスクをウェットエッチングにより除去した後、積層構造体の表面上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィによりp型コンタクト層52の表面上のフォトレジストのみを取り除き、p型コンタクト層52の表面の80%以上を露出させる。そして、積層構造体を真空蒸着装置のチャンバー内に装着し、チャンバー内を2×10-6Torr以下にまで真空排気した後、電子ビーム蒸着法により露出されたp型コンタクト層52の表面上およびフォトレジスト上に、平均膜厚1nmのPt層61を蒸着する。続いて、平均膜厚100nmのAg層62を蒸着し、更に平均膜厚100nmのMo層63と平均膜厚1μmのAu層64を順次蒸着する。次に、積層構造体をチャンバーから取り出し、フォトレジスト上のPt層61、Ag層62、Mo層63およびAu層64をフォトレジストと共に除去することによって、p型コンタクト層52の表面上にPt層61、Ag層62、Mo層63およびAu層64が順次積層されたp側電極6を形成する。
再び積層構造体の表面上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより、露出させたn層3の表面一部の上のフォトレジストのみを取り除き、n層3の表面一部を露出させる。そして、積層構造体を真空蒸着装置のチャンバー内に装着し、チャンバー内を2×10-6Torr以下にまで真空排気した後、電子ビーム蒸着法により、露出したn層3の表面上およびフォトレジスト上に、平均膜厚100nmのTi層71を蒸着し、更に平均膜厚1.5μmのAu層72を蒸着する。次に、積層構造体をチャンバーから取り出し、フォトレジスト上のTi層71とAu層72をフォトレジストと共に除去することによって、n層3の表面一部の上にTi層71とAu層72が順次積層されたn側電極7を形成する。
この後、基板1の裏面を研磨して膜厚100μm程度に調整し、スクライブによりチップ状に分離した。このようにして、発光素子を製造することができる。
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態の発光素子を示す側面図である。図2に示すように、第2の実施の形態の発光素子は、第1の実施の形態のp側電極6に代えて、p側電極6aを用いたもので、他の部分構造は同一であるので、同一部材には同一番号を付して説明は省略する。
p側電極6aは、Pt層65、Rh層66およびAu層67を、p層5側から順に積層して構成されている。Pt層65の平均膜厚は、1nm以上5nm未満に形成されている。また、Rh層66の平均膜厚は、5nm〜2000nmに形成されている。
Pt層65の平均膜厚を1nm以上5nm未満とすることで、発光層4から放射された光がPt層65に入射したときにPt層65自体における光吸収を抑えて輝度を向上させることができ、また、Rh層66の平均膜厚を5nm〜2000nmにすることで、製造を簡単にするとともに十分な反射特性を得ることができる。
第2の実施の形態の発光素子を製造するときは、第1の実施の形態の発光素子を製造する手順において、p型コンタクト層52の表面の80%以上を露出させた後に、p側電極6を製造する手順の代わりに以下の手順を用いてp側電極6aを製造する。
まず、積層構造体を真空蒸着装置のチャンバー内に装着し、チャンバー内を2×10-6Torr以下にまで真空排気した後、電子ビーム蒸着法により露出されたp型コンタクト層52の表面上およびフォトレジスト上に、平均膜厚3nmのPt層65を蒸着する。続いて、平均膜厚100nmのRh層66を蒸着し、更に平均膜厚1μmのAu層67を順次蒸着する。次に、積層構造体をチャンバーから取り出し、フォトレジスト上のPt層65、Rh層66およびAu層67をフォトレジストと共に除去することによって、p型コンタクト層52の表面上にPt層65、Rh層66およびAu層67が順次積層されたp側電極6aを形成する。このようにして製造することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の発光素子は、第1の実施の形態のPt層61およびAg層62に代えて、Pd層およびAl層をp層側から順に積層したp側電極を用いたものである。Pd層の平均膜厚は5nm未満に形成されている。また、Al層の平均膜厚は、5nm〜2000nmに形成されている。
以上の様に構成された発光素子は、発光層で放出された光がPd層に入射してもPd層の平均膜厚を5nm未満としていることでPd層自体での光吸収を抑えることができる。従って、発光層からp側電極側に放出された光はAl層で効率よく反射されて基板から放出されるので、p側電極の改良のみで、十分な輝度向上を実現できる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態の発光素子は、第1の実施の形態のPt層61およびAg層62に代えて、Ni層およびAg層をp層側から順に積層したp側電極を用いたものである。Ni層の平均膜厚は5nm未満に形成されている。また、Ag層の平均膜厚は、5nm〜2000nmに形成されている。
以上の様に構成された発光素子は、発光層で放出された光がNi層に入射してもNi層の平均膜厚を5nm未満としていることでNi層自体での光吸収を抑えることができる。従って、発光層からp側電極側に放出された光はAg層で効率よく反射されて基板から放出されるので、p側電極の改良のみで、十分な輝度向上を実現できる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態の発光素子は、第1の実施の形態のPt層61およびAg層62に代えて、Co層およびRu層をp層側から順に積層したp側電極を用いたものである。Co層の平均膜厚は5nm未満に形成されている。また、Ru層の平均膜厚は、5nm〜2000nmに形成されている。
以上の様に構成された発光素子は、発光層で放出された光がCo層に入射してもCo層の平均膜厚を5nm未満としていることでCo層自体での光吸収を抑えることができる。従って、発光層からp側電極側に放出された光はRu層で効率よく反射されて基板から放出されるので、p側電極の改良のみで、十分な輝度向上を実現できる。
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、n層およびp層は、層状に形成されていない導電部に置き換えることも可能である。
また、基板をn型導電性基板とし、n層と基板とを兼用させることも可能である。
(実施例1)
実施例1は、第1の実施の形態の発光素子を用いた発光ダイオードである。
まず、第1の実施の形態の発光素子を、電極形成面側を下向きにして、正負一対の電極を有するSiダイオードの上にAuバンプにより接着した。このとき、発光素子のp側電極6およびn側電極7が、それぞれSiダイオードの負電極および正電極に接続されるようにして発光素子を搭載する。この状態で通電して発光させ、基板側から顕微鏡で発光面を観察したところ斑状の発光部が形成されていることが確認された。
この後、発光素子を搭載させたSiダイオードを、Agペーストによりステム上に載置し、Siダイオードの正電極をステム上の電極にワイヤで結線し、その後樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光した。
また、Pt層の膜厚のみを変更した比較例を複数台製造し、それぞれの駆動電圧と輝度を測定した。
図3は、発光ダイオードのPt層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ、図4は発光ダイオードのPt層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフである。図3に示すように、Pt層の平均膜厚が厚くなるに従って輝度は低下する。Pt層の平均膜厚が7nmを超すと輝度が3.75mW程度となって安定するが、これは、光がPt層を通過しなくなり、Ag層による反射の効果が無くなって、Pt層の反射のみになったためと考えられる。平均膜厚を5nm未満にしたときには、Ag層による反射の効果が生じるので、輝度は向上する。
図4に示すように、駆動電圧は、Pt層の平均膜厚が0.5nm未満の場合に急激に上昇する。これは、Pt層が薄すぎて均一に形成されずオーミック接触が確実にされなくなるためと考えられる。
このように、輝度を高くするためには、平均膜厚を5nm未満にすることが好ましいことがわかる。
(実施例2)
実施例2は、第2の実施の形態の発光素子を用いた発光ダイオードである。実施例2の発光ダイオードは実施例1の発光ダイオードと同じ手順で製造する。
この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光した。
また、Pt層の平均膜厚のみを変更した比較例を複数台製造し、それぞれの駆動電圧と輝度を測定した。
図5は、発光ダイオードのPt層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ、図6は発光ダイオードのPt層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフである。図5に示すように、Pt層の平均膜厚が厚くなるに従って輝度は低下する。平均膜厚を5nm未満にしたときには、輝度は急激に高くなる。
図6に示すように、駆動電圧は、Pt層の平均膜厚が1nm未満の場合に急激に上昇している。
このように、輝度を高くするためには、平均膜厚を5nm未満にすることが好ましいことがわかる。
(実施例3)
実施例3は、第3の実施の形態の発光素子を用いた発光ダイオードである。実施例3の発光ダイオードは実施例1の発光ダイオードと同じ手順で製造する。
この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光した。
また、Pd層の平均膜厚のみを変更した比較例を複数台製造し、それぞれの駆動電圧と輝度を測定した。
図7は、発光ダイオードのPd層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ、図8は発光ダイオードのPd層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフである。図7に示すように、Pd層の平均膜厚が厚くなるに従って輝度は低下する。平均膜厚を5nm未満にしたときには、輝度は急激に高くなる。
図8に示すように、駆動電圧は、Pd層の平均膜厚が0.5nm未満の場合に急激に上昇している。
このように、輝度を高くするためには、平均膜厚を5nm未満にすることが好ましいことがわかる。
(実施例4)
実施例4は、第4の実施の形態の発光素子を用いた発光ダイオードである。実施例4の発光ダイオードは実施例1の発光ダイオードと同じ手順で製造する。
この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光した。
また、Ni層の平均膜厚のみを変更した比較例を複数台製造し、それぞれの駆動電圧と輝度を測定した。
図9は、発光ダイオードのNi層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ、図10は発光ダイオードのNi層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフである。図9に示すように、Ni層の平均膜厚が厚くなるに従って輝度は低下する。平均膜厚を8nm未満にしたときには、輝度は急激に高くなる。
図10に示すように、駆動電圧は、Ni層の平均膜厚が0.5nm未満の場合に急激に上昇している。
このように、輝度を高くするためには、平均膜厚を8nm未満にすることが好ましいことがわかる。
(実施例5)
実施例5は、第5の実施の形態の発光素子を用いた発光ダイオードである。実施例5の発光ダイオードは実施例1の発光ダイオードと同じ手順で製造する。
この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光した。
また、Co層の平均膜厚のみを変更した比較例を複数台製造し、それぞれの駆動電圧と輝度を測定した。
図11は、発光ダイオードのCo層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ、図12は発光ダイオードのCo層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフである。図11に示すように、Co層の平均膜厚が厚くなるに従って輝度は低下する。平均膜厚を8nm未満にしたときには、輝度は急激に高くなる。
図12に示すように、駆動電圧は、Co層の平均膜厚が0.5nm未満の場合に急激に上昇している。
このように、輝度を高くするためには、平均膜厚を8nm未満にすることが好ましいことがわかる。
本発明の発光素子は、電極の改良のみで輝度を向上させることができ、電子機器、ディスプレイ、照明、バックライトなどに用いられる発光素子(LED、LD)等として有用である。
本発明の第1の実施の形態の発光素子を示す側面図 本発明の第2の実施の形態の発光素子を示す側面図 実施例1の発光ダイオードのPt層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ 実施例1の発光ダイオードのPt層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフ 実施例2の発光ダイオードのPt層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ 実施例2の発光ダイオードのPt層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフ 実施例3の発光ダイオードのPd層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ 実施例3の発光ダイオードのPd層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフ 実施例4の発光ダイオードのNi層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ 実施例4の発光ダイオードのNi層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフ 実施例5の発光ダイオードのCo層の平均膜厚と輝度の関係を示すグラフ 実施例5の発光ダイオードのCo層の平均膜厚と駆動電圧との関係を示すグラフ 従来の発光素子を示す側面図
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 n層
4 発光層
5 p層
6 p側電極
6a p側電極
7 n側電極
8 実装部材
9,10 電極パターン
51 p型クラッド層
52 p型コンタクト層
61 Pt層
62 Ag層
63 Mo層
64 Au層
65 Pt層
66 Rh層
67 Au層
71 Ti層
72 Au層

Claims (8)

  1. 光を透過可能な基板、n層、発光層、p層を順に積層し、さらに前記p層に、光透過層と反射層とを順に積層したp側電極を設けた発光素子であって、
    前記光透過層の平均膜厚は5nm未満であることを特徴とする発光素子。
  2. 前記光透過層は、前記発光素子を光取り出し方向から見たときに、高輝度部と低輝度部とが分散配置されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記基板およびn層は一体的に形成されたn型導電性基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 前記n層、前記発光層および前記p層は、少なくともGaとNを含む半導体層であることを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の発光素子。
  5. 前記光透過層は、Pt、Co、Ni、Pd若しくはこれらを含む合金、またはこれらを含む酸化物であることを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の発光素子。
  6. 前記反射層は、Ag、Al、Rh、Ru若しくはこれらを含む合金、またはこれらを含む酸化物であることを特徴とする請求項1から5のいずれかの項に記載の発光素子。
  7. 前記反射層は、前記光透過層より反射率が高いことを特徴とする請求項1から6のいずれかの項に記載の発光素子。
  8. 前記n層には、前記p側電極と同じ方向に向けて形成されたn側電極が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかの項に記載の発光素子。
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CN100355098C (zh) * 2005-04-12 2007-12-12 晶元光电股份有限公司 发光二极管及其制造方法

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