JP2005123264A - 偏向器アレイおよびその製造方法、ならびに該偏向器アレイを用いた荷電粒子線露光装置 - Google Patents

偏向器アレイおよびその製造方法、ならびに該偏向器アレイを用いた荷電粒子線露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 チャージアップの起こりにくい荷電粒子線の偏向器を提供する。
【解決手段】 荷電粒子線を偏向する偏向器と偏向器のチャージアップを防止するためのシールド電極とを別々の基板に作製し、組み立てる。偏向器は、基板601に、貫通孔513と該貫通孔の側壁に互いに対向して設置された少なくとも1対の偏向電極503a、503bとを複数個アレイ状に配列して作製し、シールド電極は、偏向器基板601の各貫通孔513に対応して複数の開口609を設けた基板602a、602bの表裏面の少なくとも一方に導電層608を配置して作製する。
【選択図】図5

Description

本発明は、主に半導体集積回路等の微小デバイスの露光に用いられる電子ビーム露光装置やイオンビーム露光装置等の荷電粒子線露光装置に関し、特に、複数の荷電粒子線を用いてパターン描画を行う荷電粒子線露光装置においてブランカーアレイまたは電子レンズアレイを構成する偏向器アレイおよびその製造方法に関するものである。
複数の荷電粒子線を用いてパターン描画を行う荷電粒子線露光装置の例が、特許文献1および非特許文献1に開示されている。図15はこれらの特許文献1および非特許文献1に開示された荷電粒子線露光装置に用いられるブランキングアパーチャアレイの断面図である。ブランキングアパーチャアレイは開口(貫通孔)および偏向器をアレイ状に配列したものであり、複数の電子ビームの照射を個別に制御することができる。ここで、図中、51が開口を、52、53が第1および第2のブランキング電極を、それぞれ示している。開口51を通過した荷電粒子ビームを半導体ウエハ等の試料上に照射する時には、第1および第2のブランキング電極52、53に接地電位の信号を印加し、遮断する時には、第1および第2のブランキング電極に正負の電位の信号を同時に印加する。
また、特許文献1および非特許文献1には、ブランキングアパーチャアレイの作製方法として、シリコンなどの半導体結晶の基板に複数の開口を所定間隔で2次元的に形成し、各開口周囲に偏向電極対を形成することにより作製する方法が紹介されている。具体的には、Si基板の表面に、ブランキングアパーチャアレイに対応した凹部を形成し、各々の凹部に隣接して偏向電極をめっきにより形成した後、前記基板表面から、めっき下地として使われた導体層を除去し、その後で前記Si基板の裏面を前記凹部の底面に達するまでウェットエッチングしてメンブレンを形成する。前記ウェットエッチングは、前記Si基板を、その裏面の一部を除き保護した状態で実行する。
しかしながら、従来のブランキングアパーチャアレイには以下の問題点があった。
(1)偏向電極の付近に例えばシリコン酸化膜等の絶縁体が広範囲に露出している。そのため、荷電粒子線が照射された場合に、チャージアップを引き起こし、開口を通過する荷電粒子線に影響を与える恐れがある。このため、荷電粒子線の適切な偏向および位置制御が行われず、精度良くウエハを露光することが困難になる可能性がある。
(2)作製方法が非常に複雑である。そのため、アレイ数の増加を試みた場合、多数のブランキングアパーチャアレイを精度および歩留まり良く作製することが難しい。
特開平11−354418号公報 "安田 洋:応用物理 69、1135(1994)"
本発明は、上記従来例における問題点を解決するもので、チャージアップの起こりにくいブランキングアパーチャアレイの提供およびブランキングアパーチャアレイの簡単な製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を達成するため本発明の偏向器は、荷電粒子線を偏向する偏向器を複数個アレイ状に配列した偏向器基板と、シールド用に接地される導電層を有するシールド電極基板とを対面させて配置した偏向器アレイであって、前記偏向器は、前記偏向器基板に形成された貫通孔と、該貫通孔の側壁に互いに対向して設置された少なくとも1対の偏向電極とを有し、前記シールド電極基板は、前記各貫通孔に対応して設けられた複数の開口と、前記偏向器基板に対面する側およびその反対側の少なくとも一方の面に配置された前記導電層とを有することを特徴とする。
また、本発明の偏向器製造方法は、前記偏向器アレイを製造する方法であって、前記偏向器アレイを構成する個々の偏向器に対し、前記少なくとも一対の偏向電極の形状および配置に対応する複数の第1開孔を基板に形成する第1の工程と、前記複数の第1開孔のそれぞれに金属を充填して前記電極となる金属体を形成する第2の工程と、前記貫通孔に前記少なくとも一対の偏向電極を配置した形状に対応する第2開孔を前記複数の第1開孔の間およびその近傍を含む部分に形成して前記貫通孔内に前記金属体の側面を露出させる第3の工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の荷電粒子線露光装置は、荷電粒子線を用いて被露光基板を露光する荷電粒子線露光装置であって、荷電粒子線を放射する荷電粒子源と、前記荷電粒子源の中間像を複数形成する第1の電子光学系と、前記第1の電子光学系によって形成される複数の中間像を被露光基板上に投影する第2の電子光学系と、前記被露光基板を保持し所定の位置に駆動して位置決めする位置決め装置とを有し、前記第1の電子光学系が、上記した偏向器アレイを有することを特徴とする。
本発明によれば、荷電粒子線の偏向器アレイを構成する各偏向器において、シールド電極を設けることにより、荷電粒子線の照射によるチャージアップの可能性を低くすることができ、安定した動作を期待できる。また、簡単な構造の偏向器を提供することができる。また、この偏向器を荷電粒子線の露光装置に用いることで、信頼性の高い露光装置を提供することができる。
また、偏向器とシールド電極とを別々の基板に作製し、組み立てることにより、簡単な作製プロセスで、シールド電極を有する偏向器アレイを提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を列挙する。
[実施形態1](シールド別基板)
荷電粒子線を偏向する偏向器をアレイ状に配列した偏向器アレイであって、
前記偏向器が、
基板と、
前記基板に形成された貫通孔と、
前記貫通孔の側壁に設置された第一の電極と、
前記貫通孔の側壁に第1の電極に対向して設置された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加する電圧印加手段とを有し、
前記偏向器アレイが、
前記基板の上側と下側との少なくとも一方に配置されたシールド電極基板を有し、
前記シールド電極基板が前記貫通孔の上側または下側に開口を有し、
前記シールド電極基板が表面と裏面との少なくとも何れかに導電層を有し、
前記導電層が電気的に接地されている
ことを特徴とする偏向器アレイ。
上記実施形態1の構成のように、偏向器アレイとシールド電極とを別の基板に作製し、組み立てることで、簡単な作製プロセスで、シールド電極を有する偏向器アレイを提供することができる。シールド電極を設置し、電気的に接地することで、荷電粒子線の照射によるチャージアップの可能性を低くすることができ、安定した動作を期待できる。また、隣接する偏向器間のクロストークを低減することができる。また、偏向器アレイとシールド電極との間は空隙となるため、偏向器アレイとシールド電極との間での電気的な絶縁が取り易い。
[実施形態2](メンブレン)
前記シールド電極基板が、開口を有するメンブレンと、前記メンブレンを支持する支持部とを有していることを特徴とする実施形態1に記載の偏向器アレイ。
上記実施形態2の構成のように、シールド電極をメンブレンで構成することで、半導体プロセスを用いて、薄いシールド電極(例えば厚さ50μm以下)を精度良く作製することができる。また、メンブレンに設けられた開口の内部に金属等の導電体を成膜することが容易である。
[実施形態3](ベース基板)
前記偏向器アレイがベース基板を有し、前記ベース基板が前記基板と前記シールド電極基板とを支持していることを特徴とする実施形態1または2に記載の偏向器アレイ。
上記実施形態3の構成のように、ベース基板に偏向器アレイとシールド電極基板とを設置することで、アライメントのズレを小さくすることが期待できる。
[実施形態4](位置決め溝)
前記基板と前記シールド電極基板と前記ベース基板との何れか2つ以上が、溝を有し、前記溝に沿って設置されたスペーサを介して接触していることを特徴とする実施形態1〜3のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
上記実施形態4の構成のように、基板に位置決め用の溝を設置し、溝に沿ってスペーサを配置することで、セルフアライメントが可能となり、組み立てが容易になる。
[実施形態5](V溝)
前記溝の断面がV型形状であることを特徴とする実施形態4に記載の偏向器アレイ。
上記実施形態5の構成のように、溝の断面をV型形状にすることで、スペーサの座りを良くすることができ、組み立て性が向上する。
[実施形態6](ファイバー)
前記スペーサが円筒状または円柱状であることを特徴とする実施形態4または5に記載の偏向器アレイ。
上記実施形態6の構成のように、スペーサを円筒状または円柱状にすることで、スペーサの直径を選択することにより、基板間の空隙を自由に調整できる。また、スペーサは球体であってもよい。その場合は、基板に位置決め用の凹部を設置する。この凹部は、断面がV型形状、すなわち円錐形状であることが好ましい。
[実施形態7](シールド電極が貴金属)
前記導電層が貴金属材料を含んでいることを特徴とする実施形態1〜6のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
上記実施形態7の構成のように、シールド電極に貴金属を用いることで、酸化することが無く、電極を導体として保持することができ、シールド電極としての機能を保つことができる。
[実施形態8](絶縁)
前記基板と前記第1の電極との接触面と、前記基板と前記第2の電極との接触面との少なくとも一方において、前記基板が、絶縁層を備えていることを特徴とする実施形態1〜7に記載の偏向器アレイ。
上記実施形態8の構成のように、電極と基板の接触面が絶縁層を備えることで、安定して電極に電位を与えることができる。よって、印加する電位をより高くする等、荷電粒子線の制御速度の向上を試みた場合にも対応できる。
[実施形態9](熱酸化膜)
前記絶縁層が、二酸化シリコンであることを特徴とする実施形態8に記載の偏向器アレイ。
上記実施形態9の構成のように、絶縁層に二酸化シリコンを用いることで、CVDやスパッタリング等様々な成膜手段により、容易に絶縁層を設けることができる。特に、基板にシリコンを用いている場合には、熱酸化法により熱酸化膜を形成することが可能であり、カバレッジの良い絶縁層を形成できる。
[実施形態10](Cu電極)
前記第1の電極と前記第2の電極との少なくとも一方が、銅を含むことを特徴とする実施形態1〜9のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
上記実施形態10の構成のように、電極に銅を用いることで、電気メッキまたは無電解メッキにより、数十〜数百μmといった厚膜の導体が形成可能である。また、銅は非磁性体であるため、材料の磁性による荷電粒子線への影響を考慮する必要が無い。
[実施形態11](シリコン基板)
前記基板が、シリコンであることを特徴とする実施形態1〜10のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
上記実施形態11の構成のように、基板にシリコンを用いることで、反応性イオンエッチングや強アルカリによるウェットエッチングを行うことができ、高精度に貫通孔を形成することができる。
[実施形態12](Au電極)
前記第1の電極と前記第2の電極との少なくとも一方の露出面が、金を含むことを特徴とする実施形態1〜11のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
上記実施形態12の構成のように、電極の露出面に金を用いることで、電極の酸化の恐れが無い。そのため、電極の酸化による絶縁の恐れが無く、電極自身のチャージアップの可能性が無くなる。
[実施形態13](SOI基板)
前記シールド電極基板がSOI基板からなることを特徴とする実施形態1〜12のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
上記実施形態13の構成のように、シールド電極基板にSOI基板を用いることで、メンブレンを有する構造を容易に提供することができる。また、メンブレンの厚さをSOI基板の仕様として決定することができ、厚さを均一に保つことが容易である。
[実施形態14](開口の大きさ)
前記開口が前記貫通孔より小さいことを特徴とする実施形態1〜13のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
上記実施形態14の構成のように、シールド電極の開口を偏向器の貫通孔より小さくすることで、荷電粒子線が偏向器の絶縁層に照射されにくくなり、チャージアップの可能性が少なくなる。
[実施形態15](製造方法)
実施形態1〜14のいずれか1つに記載の偏向器アレイの作製方法において、
前記基板に第一の開口と第二の開口とをフォトリソグラフィを用いて形成する工程と、
前記第一の開口の側壁と第二の開口の側壁とに絶縁層を形成する工程と、
前記第一の開口の内部に第一の電極を形成する工程と、
前記第二の開口の内部に第二の電極を形成する工程と、
前記第一の開口と前記第二の開口とに間にフォトリソグラフィを用いて第三の開口を形成することで前記第一の電極と前記第二の電極とを露出させる工程とを有する
ことを特徴とする偏向器アレイの作製方法。
上記実施形態15の構成のように、基板にフォトリソグラフィを用いて開口を形成し、開口内部に電極を形成することで、実施形態1〜14に説明した偏向器または偏向器アレイを提供することができる。
[実施形態16](RIE)
前記第一の開口と前記第二の開口と前記第三の開口とを形成する工程が、反応性イオンエッチングを含むことを特徴とする実施形態15に記載の偏向器アレイの作製方法。
上記実施形態1の構成のように、反応性イオンエッチング(RIE)を用いて開口を形成することで、電極及び開口を精度良く形成することができる。また、多数の偏向器を配列して作製する場合にも適用できる。
[実施形態17](メッキ)
前記電極を形成する工程がメッキを含むことを特徴とする実施形態15または16に記載の偏向器アレイの作製方法。
上記実施形態17の構成のように、電極をメッキによって形成することで、電極を精度良く形成することができる。また、スパッタリングやCVDと比較して厚く、高速に形成することができる。
[実施形態18](熱酸化膜)
前記基板がシリコンであって、前記第一の開口の側壁と第二の開口の側壁とに絶縁層を形成する工程とが熱酸化を含むことを特徴とする実施形態15〜17のいずれか1つに記載の偏向器アレイの作製方法。
上記実施形態18の構成のように、開口の側壁に熱酸化によって二酸化シリコンを形成することができ、カバレッジの良い絶縁層を形成できる。
[実施形態19](露光装置)
荷電粒子線を用いてウエハを露光する荷電粒子線露光装置であって、
前記荷電粒子線露光装置が、
荷電粒子線を放射する荷電粒子源と、
前記荷電粒子源の中間像を複数形成する第1の電子光学系と、
前記第1の電子光学系によって形成される複数の中間像をウエハ上に投影する第2の電子光学系と、
前記ウエハを保持し所定の位置に駆動して位置決めする位置決め装置とを有し、
前記第1の電子光学系が、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の偏向器アレイを有する
ことを特徴とする荷電粒子線露光装置。
上記実施形態19の構成のように、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の偏向器を荷電粒子線露光装置に応用することで、偏向器のチャージアップの恐れが少ないため、安定した動作が可能な荷電粒子線露光装置を提供することができる。また、偏向器が簡単な構成のため、歩留まり良く安価に提供することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
[第1の実施例](荷電粒子線の偏向器の説明)
図1は本発明の第1の実施例に係る偏向器アレイ600の概観図であり、(a)が上面図、(b)が(a)におけるE−E’断面図、をそれぞれ示している。同図の偏向器アレイ600はアレイ状に配置された荷電粒子線の偏向器500(不図示)を有する。偏向器500については後述する。
先ず、偏向器アレイ600の構造について図1を用いて説明する。図1に示すように、偏向器アレイ600は複数の偏向器500(不図示)を有する偏向器基板601とその上下に配置されたシールド電極基板602a、602bとからなる。各基板間は2種類のスペーサ603a、603bによって位置および基板間隔を保持している。スペーサ603a、603bは円筒形状のガラスであり、その直径は所望の基板間隔により決定される。偏向器基板601とシールド電極基板602a、602bとはスペーサ603a、603bの位置を決定するための溝605a、605b、605c、605dを有する。上側のシールド電極基板602aは、偏向器500に対して電圧を印加するためのパッド704が露出するように、下側の602bより小さくなっている。主要部の寸法は各図に示した。
次に、偏向器基板601について図1および図2を用いて説明する。図2は偏向器基板601の概略図であり、(a)は上面図、(b)は(a)における偏向部706の拡大図をそれぞれ示している。偏向器基板601は長方形状の基板からなり、中央に偏向部706を有する。また、偏向器基板601の左右両端にスペーサ603b支持用の溝605dが設けられている。偏向部706には偏向器500がアレイ状に配置されている。ここでは簡単のため3×3のアレイとしたが、通常32×32等のアレイとする。偏向器基板601の上下両端には偏向器500に電圧を印加するためのパッド704が設けられ、偏向器500と電気的に接続した配線707が設けられている。
次に、偏向器500について図3を用いて説明する。図3は荷電粒子線の偏向器500の概観図であり、(a)が上面図、(b)が(a)におけるA−A’断面図、(c)が(a)におけるB−B’断面図をそれぞれ示している。先ず、偏向器500の構造について説明する。偏向器500は一つの荷電粒子線を偏向する偏向器であり、偏向器基板601に荷電粒子線が通過する貫通孔513を備えている。貫通孔513の側壁には一対の偏向電極503a、503bが対向して設置されている。さらに、偏向電極503a、503bに電位を与えるための配線707a、707bが設けられ、配線707a、707bの一端が偏向電極503a、503bにそれぞれ電気的に接触している。また、配線707a、707bのもう一端は、図2に示すようにパッド704と電気的に接続している。電源(不図示)を用いてパッド704を通して、偏向電極503a、503bに任意の電位を印加することができる。また、偏向器基板601は絶縁層504を備えており、偏向電極503a、503bに安定して電位を与えることができる。また、偏向器基板601は例えば、厚さ200μmのシリコン基板であり、厚さは主に必要な偏向感度により決定される。また、偏向電極503a、503bおよび配線707a、707bは金、銅、アルミニウム等の低抵抗な金属、絶縁層504にはシリコン窒化膜やシリコン酸化膜等を用いる。主要部の寸法は各図に示した。
次に、偏向器500の動作について説明する。荷電粒子線514を貫通孔513を通過するように照射した場合を考える。偏向電極503a、503bのそれぞれを電気的に接地した場合には荷電粒子線は貫通孔513を軌道を変えることなく通過する。しかし、偏向電極503a、503bのそれぞれに異なる電位を与えた場合には貫通孔513に電界が発生し、荷電粒子線を所望の方向に偏向することができる。
次に、シールド電極基板602a、602bについて図1を用いて説明する。シールド電極基板602aと602bとは上下が逆に配置されているが基本的に同一構造であるため、下側のシールド電極基板602bについてのみ説明する。図1(b)に示すように、シールド電極基板602bはSOI基板で構成され、中心部606が正方形状にメンブレンとなっている。またシールド電極基板602bの表面にはスペーサ603a、603b支持用の溝605b、605cが設けられている。溝605b、605cの断面はV型になっているために、様々な直径のスペーサ603a、603bを用いることができ、各基板間の間隔を任意に決定することができる。また、シールド電極基板602bは内部に絶縁層607を有し、表裏面はシールド電極608を有している。シールド電極608は金、白金、イリジウム、ロジウム等の貴金属が用いられる。シールド電極608は電気的に接地されている。
さらに、シールド電極基板602bの中心部606について図4を用いて説明する。図4(a)は図1(b)における中心部606の拡大図であり、図4(b)は図4(a)におけるC−C’断面図をそれぞれ示している。中心部606には荷電粒子線が通過するための開口609がアレイ状に配置され、図2(b)に示した偏向器500の配列と対応している。なお、開口609の大きさは偏向器500における貫通孔513より小さくなっている。また、図4(b)に示したように開口609の側壁にも表裏面と同様に、導電層608が設けられている。主要部の寸法は各図に示した。
次に、シールド電極基板602a、602bの機能について図5を用いて説明する。図5は偏向器アレイ600における偏向器500およびシールド電極基板602a、602bの中心部606の1素子分を示している。図中、前述の図1〜図5と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。荷電粒子線514が貫通孔513と開口609とを通過するように照射される時に、シールド電極608は絶縁層504のチャージアップを防ぐものである。シールド電極608は電気的に接地されているため、常に接地電位に保たれる。また、隣接する偏向器500間のクロストークを低減する効果が見込める。また、シールド電極608は貴金属からなるため、酸化の恐れが無く、シールド電極608自身のチャージアップの可能性が無い。また、偏向器500の下面のシールド電極608は下側からの荷電粒子線の反射によるチャージアップを防ぐ効果がある。さらに、開口609の大きさは貫通孔513より小さく、絶縁層504に荷電粒子線514が照射されにくくしている。
図6(a)、(b)は偏向器アレイ600の他の構造を示す断面図である。図中、図1と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6(a)に示した例は、偏向器基板601の上側にシールド電極基板602aが、下側にシールド電極基板602bが、それぞれスペーサ603a、603bを通して接しているものである。上下対称であるために、シールド電極基板602aと602bとが略同様の構造でよく、作製が容易である。
図6(b)に示した例は、複数の溝605を有するベース基板610を用意し、偏向器基板601とシールド電極基板602a、602bとをベース基板610に対して設置したものである。構造が複雑であるが、偏向器基板601およびシールド電極基板602a、602bはそれぞれ、ベース基板610とのみアライメントすればよく、組み立てが容易である。
次に、上記説明した偏向器500の作製方法について図7(a)〜(i)および図8(j)〜(m)を用いて説明する。偏向器500は、例えば、以下の(1)〜(13)に示す工程を行うことにより作製する。この場合、偏向器500は主に半導体プロセスを用いて作製されるため、偏向器アレイ600も同様の方法で作製することができる。
(1)偏向器基板601を用意する。偏向器基板601はシリコンより成り、厚さは例えば200μmのものを用いる。基板601の厚さは、偏向感度を決定する重要な要素であるので、偏向感度に応じて適宜選択すればよい。次に、熱酸化法を用いて、偏向器基板601の表裏面に膜厚1.5μmの二酸化シリコン507を形成する(図7(a))。
(2)偏向器基板601の表面にノボラック系のレジストを用いて、フォトリソグラフィを行い、エッチングのマスクを形成する(不図示)。次に、CFやCHF等のガスを用いた反応性イオンエッチングを行い、二酸化シリコン507をエッチングする。その後、レジストを除去する(図7(b))。
(3)シリコンである偏向器基板601に誘導結合型プラズマおよびBOSCHプロセスを用いた反応性イオンエッチングを行い、裏面側の二酸化シリコン507を露出させる(図7(c))。これにより、開口(第1の開孔)531a、531bが形成される。
(4)基板601の表裏面に残された二酸化シリコン507をバッファードフッ酸を用いて、除去する(不図示)。その後、熱酸化法を用いて、偏向器基板601の表裏面および開口531a、531bの側壁に膜厚1.5μmの二酸化シリコンから成る絶縁層504を形成する(図7(d))。
(5)ガラス等の絶縁体に金を成膜した導電性基板509を用意する。導電性基板509は金属から成る基板でも良い。次に、ノボラック系のレジスト508を導電性基板509に塗布し、偏向器基板601と導電性基板509とを接着する(図7(e))。
(6)酸素を用いた反応性イオンエッチングを行い、開口531a、531bの底部のレジスト508を除去し、導電性基板509を露出させる。その後、硫酸銅メッキ液を用いて、開口531a、531b内に、銅の電気メッキを、偏向器基板601から銅が突出するまで行う(図7(f))。
(7)偏向器基板601をアセトン等の有機溶媒に浸し、超音波洗浄を行い、レジスト508の除去および導電性基板509の離脱を行う。次に、偏向器基板601の表裏面を化学機械研磨(CMP)を用いて平坦化する(図7(g))。
(8)チタン/金/チタンをそれぞれ5nm/100nm/5nmの厚さで連続蒸着して配線層502を形成する(図7(h))。チタンの膜厚は密着促進の働きをすればよく、数nm〜数百nmの範囲で使用される。また、導電層となる金は数十nm〜数百nmの範囲で使用される。
(9)配線層502上にノボラック系のレジストを用いて、フォトリソグラフィを行い、エッチングのマスクを形成する(不図示)。次に、塩素やアルゴン等のガスを用いた反応性イオンエッチングを行い、チタン/金/チタンからなる配線層502をエッチングし、配線707a、707bを形成する。その後、レジストを除去する(図7(i))。
(10)基板601の裏面にレジスト等を塗布して保護膜511とする(図8(j))。
(11)基板601表面の絶縁層504上にノボラック系のレジストであるAZP4620(クラリアントジャパン製)を8μmの厚さで塗布して、フォトリソグラフィを行い、エッチングのマスクを形成する(不図示)。次に、CFやCHF等のガスを用いた反応性イオンエッチングを行い、絶縁層504に開口を形成し、シリコンから成る偏向器基板601を露出させる(図8(k))。
(12)シリコンである偏向器基板601に誘導結合型プラズマおよびBOSCHプロセスを用いた反応性イオンエッチングを、底面の絶縁層504が露出するまで行う(図8(l))。これにより、開口532が形成される。
(13)バッファードフッ酸用いて二酸化シリコンである絶縁層504を開口532の側面および底面から除去し、偏向電極503a、503bを露出させる。なお、この工程では裏面はレジスト等からなる保護膜によって保護されているため、エッチングされない。その後、レジストを除去する(図8(m))。これにより、側壁に偏向電極503a、503bを設置された貫通孔(第2の開孔)513が形成される。
本実施例によれば、荷電粒子線の偏向器において、荷電粒子線の照射によるチャージアップの可能性を低くすることができ、安定した動作を期待できる。また、簡単な構造の偏向器を提供することができる。また、この偏向器を荷電粒子線の露光装置に用いることで、信頼性の高い露光装置を提供することができる。
[第2の実施例](電子ビーム露光装置の構成要素説明)
本発明の第2の実施例では、第1の実施例において説明した荷電粒子線の偏向器アレイをブランカーアレイとして用いた電子ビーム露光装置の例を示す。なお、本実施例は、電子ビームに限らずイオンビームを用いた露光装置にも同様に適用できる。
図9は本発明の第2の実施例に係る電子ビーム露光装置の要部概略図である。
図9において、1は、複数の電子源像を形成し、その電子源像から電子ビームを放射するマルチソースモジュールで、マルチソースモジュール1は、3×3に配列されていて、その詳細については後述する。
21、22、23,24は磁界レンズアレイであって、3×3に配列された同一形状の開孔を有する磁性体円板MDを間隔を置いて上下に配置し、共通のコイルCCによって励磁したものである。その結果、各開口部分が各磁界レンズMLの磁極となり、設計上レンズ磁界を発生させる。
各マルチソースモジュール1の複数の電子源像は、磁界レンズアレイ21、22、23、24の対応する4つの磁界レンズ(ML1,ML2、ML3,ML4)によって、ウエハ4上に投影される。そして、ひとつのマルチソースモジュールからの電子ビームがウエハに照射するまでに、その電子ビームに作用する光学系をカラムと定義する。すなわち、本実施例は、9カラム(col.1〜col.9)の構成である。
この時、磁界レンズアレイ21と磁界レンズアレイ22の対応する2つの磁界レンズで、一度、像を形成し、次にその像を磁界レンズアレイ23と磁界レンズアレイ24の対応する2つの磁界レンズでウエハ4上に投影している。そして、磁界レンズアレイ21、22、23、24のそれぞれの励磁条件を共通コイルで個別に制御することにより、各カラムの光学特性(焦点位置、像の回転、倍率)のそれぞれを略一様に言い換えれば同じ量だけ調整することができる。
3は、マルチソースモジュール1からの複数の電子ビームを偏向させて、複数の電子源像をウエハ4上でX,Y方向に変位させる主偏向器である。
5は、ウエハ4を載置し、光軸AX(Z軸)と直交するXY方向とZ軸回りの回転方向に移動可能なステージであって、ステージ基準板6が固設されている。
7は、電子ビームによってステージ基準板6上のマークが照射された際に生じる反射電子を検出する反射電子検出器である。
次に、図10は、図9の装置のマルチソースモジュール1の機能を説明する図である。同図を用いてマルチソースモジュール1およびマルチモジュール1からウエハ4に照射される電子ビームの光学特性の調整機能について説明する。
図10において、101は、電子銃が形成する電子源(クロスオーバ像)である。この電子源101から放射される電子ビームは、コンデンサーレンズ102によって略平行な電子ビームとなる。本実施例のコンデンサーレンズ102は、3枚の開口電極からなる静電レンズである。
103は、開孔が2次元配列して形成されたアパーチャアレイ、104は、同一の光学パワーを有する静電レンズが2次元配列して形成されたレンズアレイ、105,106は、個別に駆動可能な静電の8極偏向器が2次元配列して形成された偏向器アレイ、107は、個別に駆動可能な静電のブランカーが2次元配列して形成されたブランカーアレイである。第1の実施例において説明した偏向器アレイはブランカーアレイ107として用いられる。
図11は、ひとつのカラムの詳細図である。同図を用いてマルチソースモジュール1およびマルチモジュール1からウエハ4に照射される電子ビームの光学特性の調整機能について説明する。
コンデンサーレンズ102からの略平行な電子ビームは、アパーチャアレイ103によって複数の電子ビームに分割される。分割された電子ビームは、対応するレンズアレイ104の静電レンズを介して、ブランカーアレイ107の対応するブランカー上に、電子源の中間像を形成する。
この時、偏向器アレイ105、106は、ブランカーアレイ107上に形成される電子源の中間像の位置(光軸と直交する面内の位置)を個別に調整する。また、ブランカーアレイ107で偏向された電子ビームは、図10のブランキングアパーチャAPによって遮断されるため、ウエハ4には照射されない。一方、ブランカーアレイ107で偏向されない電子ビームは、図10のブランキングアパーチャAPによって遮断されないため、ウエハ4には照射される。
図10に戻り、マルチソースモジュール1で形成された電子源の複数の中間像は、磁界レンズアレイ21と磁界レンズアレイ22の対応する2つの磁界レンズを介して、ウエハ4に投影される。
この時、複数の中間像がウエハ4に投影される際の光学特性のうち、像の回転および倍率は、ブランカーアレイ上の各中間像の位置を調整できる偏向器アレイ105、106で調整でき、焦点位置は、カラム毎に設けられたダイナミックフォーカスレンズ(静電もしくは磁界レンズ)108、109で調整できる。
次に本実施例のシステム構成図を図12に示す。
ブランカーアレイ制御回路41は、ブランカーアレイ107を構成する複数のブランカーを個別に制御する回路、偏向器アレイ制御回路42は、偏向器アレイ105、106を構成する偏向器を個別に制御する回路、D_FOCUS制御回路43は、ダイナミックフォーカスレンズ108、109を個別に制御する回路、主偏向器制御回路44は、主偏向器3を制御する回路、反射電子検出回路45は、反射電子検出器7からの信号を処理する回路である。これらのブランカーアレイ制御回路41、偏向器アレイ制御回路42、D_FOCUS制御回路43、主偏向器制御回路44、反射電子検出回路45は、カラムの数(col.1〜col.9)と同じだけ装備されている。
磁界レンズアレイ制御回路46は、磁界レンズアレイ21、22、23、24のそれぞれの共通コイルを制御する回路、ステージ駆動制御回路47は、ステージの位置を検出する不図示のレーザ干渉計と共同してステージ5を駆動制御する制御回路である。主制御系48は、上記複数の制御回路を制御し、電子ビーム露光装置全体を管理する。
[第3の実施例](デバイスの生産方法)
次に上記説明した電子ビーム露光装置を利用したデバイスの生産方法の実施例を説明する。
図13は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)では微小デバイス、例えば半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(EBデータ変換)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作成する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意した露光制御データが入力された露光装置とウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図14は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によって回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
本実施形態の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の微小デバイスを低コストに製造することができる。
[発明の適用範囲]
上述においては、本発明をブランカーを構成する偏向器に適用した例を示したが、本発明は、荷電粒子を収束または発散させる電子レンズを構成する偏向器に適用することも可能である。また、上述においては、偏向器を3×3の9カラム分配列した例を示したが、カラム数に限定はない。現在、カラム数は千〜数千が一般的である。また、上述においては、偏向器500を、マトリクス状(2次元アレイ状)に配置した偏向器アレイの例を示したが、ライン状(1次元アレイ状)に配置したものであってもよい。さらに、スペーサ603a、603bは、円筒形状のガラスを用いた例を示したが、円柱形状または球体であってもよく、材質もガラスに限定されない。特に、偏向器基板601のスペーサと接する部分が絶縁層である場合には、導体であってもよい。
本発明の一実施例に係る偏向器アレイの構造を説明する図である。 図1における偏向器基板の構造を説明する図である。 図2における偏向器の構造を説明する図である。 図1におけるシールド電極基板の構造を説明する図である。 図1の偏向器アレイにおける偏向器1個当たりの構造を説明する断面図である。 図1の偏向器アレイの変形例を説明する断面図である。 図5の偏向器の作製方法を説明する図である。 図5の偏向器の作製方法を説明する図である。 本発明の第2の実施例に係る電子ビーム露光装置の要部概略を示す図である。 図9の装置のマルチソースモジュールの機能を説明する図である。 図9の装置のカラム毎の電子光学系を説明する図である。 図1の装置のシステム構成を説明する図である。 本発明の第3の実施例に係るデバイスの製造プロセスのフローを説明する図である。 図13におけるウエハプロセスを説明する図である。 本発明の背景技術を説明する図である。
符号の説明
1 マルチソースモジュール(第1の電子光学系)
21,22,23,24 磁界レンズアレイ(第2の電子光学系)
3 主偏向器(第2の電子光学系)
4 ウエハ
5 ステージ
6 ステージ基準板
7 反射電子検出器
21〜24 磁界レンズアレイ
101 電子源(荷電粒子源)
102 コンデンサーレンズ
103 アパーチャアレイ
104 レンズアレイ
105,106 偏向器アレイ
107 ブランカーアレイ
108、109 ダイナミックフォーカスレンズ
41 ブランカーアレイ制御回路
42 偏向器アレイ制御回路
43 D_FOCUS制御回路
44 主偏向制御回路
45 反射電子検出回路
46 磁界レンズアレイ制御回路
47 ステージ駆動制御回路
48 主制御系
500 偏向器
502 配線層
503a,503b 偏向電極
504 絶縁層
507 二酸化シリコン
508 レジスト
509 導電性基板
513 貫通孔(第2開孔)
531a,531b 開孔(第1開孔)
532 開口
600 偏向器アレイ
601 偏向器基板
602a,602b シールド電極基板
603a,603b スペーサ
605a〜605d 溝
606 中心部
607 絶縁層
608 シールド電極
609 開口
704 パッド
706 偏向部
707a,707b 配線
ML1,ML2,ML3,ML4 磁界レンズ
MD 磁性体円板
CC 共通コイル

Claims (15)

  1. 荷電粒子線を偏向する偏向器を複数個アレイ状に配列した偏向器基板と、シールド用に接地される導電層を有するシールド電極基板とを対面させて配置した偏向器アレイであって、
    前記偏向器は、前記偏向器基板に形成された貫通孔と、該貫通孔の側壁に互いに対向して設置された少なくとも1対の偏向電極とを有し、
    前記シールド電極基板は、前記各貫通孔に対応して設けられた複数の開口と、前記偏向器基板に対面する側およびその反対側の少なくとも一方の面に配置された前記導電層とを有することを特徴とする偏向器アレイ。
  2. 前記シールド電極基板が、前記開口を有するメンブレン部と、前記メンブレン部を支持する支持部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の偏向器アレイ。
  3. 前記シールド電極基板は、前記偏向器基板の両側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の偏向器アレイ。
  4. 前記偏向器基板の荷電粒子線入射側に位置する第1のシールド電極基板および前記偏向器基板のそれぞれを、前記偏向器基板の荷電粒子線出射側に位置する第2のシールド電極基板が個別に支持していることを特徴とする請求項3に記載の偏向器アレイ。
  5. 前記偏向器基板およびシールド電極基板を個別に支持するベース基板をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
  6. 前記基板の2以上が、スペーサを位置決めするための溝または凹部を有し、かつ前記溝または凹部に設置されたスペーサを介して接触していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
  7. 前記溝または凹部の断面がV型形状であることを特徴とする請求項6に記載の偏向器アレイ。
  8. 前記スペーサが円筒もしくは円柱状または球状であることを特徴とする請求項6または7に記載の偏向器アレイ。
  9. 前記開口が前記貫通孔より小さいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の偏向器アレイ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の偏向器アレイを製造する方法であって、
    前記偏向器アレイを構成する個々の偏向器に対し、
    前記少なくとも一対の偏向電極の形状および配置に対応する複数の第1開孔を基板に形成する第1の工程と、
    前記複数の第1開孔のそれぞれに金属を充填して前記電極となる金属体を形成する第2の工程と、
    前記貫通孔に前記少なくとも一対の偏向電極を配置した形状に対応する第2開孔を前記複数の第1開孔の間およびその近傍を含む部分に形成して前記貫通孔内に前記金属体の側面を露出させる第3の工程と
    を備えることを特徴とする偏向器アレイの製造方法。
  11. 前記基板は、導体または半導体であり、前記第1の工程の後に、少なくとも前記第1開孔の側壁に絶縁層を形成する第4の工程をさらに含む請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記第3の工程の後に、前記金属体の表面に酸化防止用の金属保護膜を単数または複数層形成する第5の工程をさらに含む請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 前記第2の工程が、めっきにより前記金属を充填する工程を含む請求項10〜12のいずれか1つに記載の製造方法。
  14. 荷電粒子線を用いて被露光基板を露光する荷電粒子線露光装置であって、
    荷電粒子線を放射する荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源の中間像を複数形成する第1の電子光学系と、
    前記第1の電子光学系によって形成される複数の中間像を被露光基板上に投影する第2の電子光学系と、
    前記被露光基板を保持し所定の位置に駆動して位置決めする位置決め装置とを有し、
    前記第1の電子光学系が、請求項1〜9のいずれか1つに記載の偏向器アレイを有することを特徴とする荷電粒子線露光装置。
  15. 請求項14に記載の荷電粒子線露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイス製造方法。
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