JP2005122933A - 電子線測定または観察装置、電子線測定または観察方法 - Google Patents

電子線測定または観察装置、電子線測定または観察方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005122933A
JP2005122933A JP2003354020A JP2003354020A JP2005122933A JP 2005122933 A JP2005122933 A JP 2005122933A JP 2003354020 A JP2003354020 A JP 2003354020A JP 2003354020 A JP2003354020 A JP 2003354020A JP 2005122933 A JP2005122933 A JP 2005122933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
sample
image
unit
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003354020A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4229799B2 (ja
Inventor
Nobuo Takachi
伸夫 高地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2003354020A priority Critical patent/JP4229799B2/ja
Priority to US10/962,752 priority patent/US7067808B2/en
Publication of JP2005122933A publication Critical patent/JP2005122933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4229799B2 publication Critical patent/JP4229799B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract


【課題】 走査型荷電粒子ビーム装置の電子光学系を画像計測に適するように調整することで、試料の傾斜角や高さに依存することなく、精度のよい試料の三次元画像計測が行なえる電子線測定装置を提供する。
【解決手段】 試料ホルダ3に保持された基準テンプレートと照射電子線7とを試料傾斜部5により相対的に傾斜させて、電子線検出部4で撮影されたステレオ画像に基づいて基準テンプレートの形態または座標値を求める測定部20と、測定部20での測定結果と既知基準データとを比較して、電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成部30と、前記校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正部40を備え、校正部40による校正が行なわれたステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電子顕微鏡で撮像された試料画像を用いて、試料の三次元計測を精度よく行なう電子線測定装置及び電子線測定方法に関し、特に走査型荷電粒子ビーム装置の電子光学系における補正を画像計測に適するように調整する場合の改良に関する。
従来の走査型電子顕微鏡(SEM)のような走査型荷電粒子ビーム装置では、走査型電子顕微鏡像等の分解能を高めるために、電子レンズの軸外収差を補正することが行なわれている。電子レンズの軸外収差は、例えば球面収差、コマ収差、像面収差、非点収差、像面歪曲収差を補償することにより行なわれている。また、球面収差に関しては、ツェルツァーの定理が知られており、電子顕微鏡等に用いられている軸対称な電子レンズでは、静電型や磁界型に拘らず、球面収差をゼロにできないことが知られている。そこで、球面収差を補償するために、非球面メッシュや非球面フォルムが静電電極形状や磁極形状として用いられている。
他方、透過型電子顕微鏡(TEM)の場合には試料を傾斜させ、異なる傾斜角度の透過画像を得て、これを左右画像として試料のステレオ観察が行われている。また、例えば非特許文献1で示すように、走査型電子顕微鏡(SEM)の場合には試料を傾斜させたり、電子線を傾斜させたりして、異なる傾斜角度の反射画像を得て、これを左右画像としてステレオ観察が行われている。そして、例えば特許文献1、2で示すように、半導体製造装置の分野において、電子顕微鏡から得られたステレオの検出データを適切に処理して、試料像を正確に精度よく立体観察可能とし、かつこれに基づき三次元形状計測を行うことができる電子線装置や電子線装置用データ処理装置が提案されている。
特開2002−270126号公報 [0005]、図3、図15 特開2002−270127号公報 [0005]、図3、図15 「医学・生物学電子顕微鏡観察法」 第278頁〜第299頁、1982年刊行
ところが、特に半導体チップやシリコンウェーハのような試料を計測しようとした場合、試料の傾斜方向や高さ方向に依存する電子線歪みや倍率歪みが存在している。試料画像の計測方向に電子線歪みや倍率歪みが含まれていると、画像計測によって試料を測定する際の精度が変動するという課題があった。近年の半導体微細加工において、例えばチップに形成するパターン幅がサブミクロンオーダーに微細化しており、従来に比較して三次元形状計測に許容される寸法誤差は一段と厳しくなっている。そこで、従来の球面収差のような電子レンズの軸外収差の補償方式では、ステレオ画像計測で必要とされる精度が得られないという課題があった。
本発明は上述した課題を解決したもので、走査型荷電粒子ビーム装置の電子光学系における補正を画像計測に適するように調整することで、試料の傾斜角や高さに依存することなく、精度のよい試料の三次元画像計測が行なえる電子線測定装置及び電子線測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の電子線測定装置は、例えば図1に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを備える電子線測定装置であって、次の構成としたものである。即ち、試料ホルダ3に保持された基準テンプレートと照射電子線7とを試料傾斜部5により相対的に傾斜させて、電子線検出部4で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定部(例えば、測定部20)と、第1の測定部での基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成部30と、前記校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正部40と、校正部40による校正が行なわれた試料ホルダ3に載置された試料9であって、試料傾斜部5によって形成される傾斜状態で電子線検出部4により撮影された試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める第2の測定部(例えば、形態・座標測定部50)とを備えている。
このように構成された装置において、電子線測定装置の電子線装置は、電子線源1、電子光学系2、試料ホルダ3、試料傾斜部5、電子線検出部4を備えている。第1の測定部は、所定の傾斜状態の基準テンプレートを電子線検出部4で撮影して、取得したステレオ画像に基づいて、基準テンプレートの形態または座標値を求める。校正データ作成部30は、第1の測定部での基準テンプレートの測定結果と、基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する。校正部40は、校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う。第2の測定部は、校正部40による校正が行なわれた試料ホルダ3に載置された試料9であって、試料傾斜部5によって形成される傾斜状態で電子線検出部4により撮影された試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める。このようにして、走査型荷電粒子ビーム装置の電子光学系における補正を画像計測に適するように調整することで、試料の傾斜角や高さに依存することなく、精度のよい試料の三次元画像計測が行なえる。
本発明の電子線測定装置において、例えば図6に示すように、好ましくは、さらに、試料傾斜部5によって形成される複数の傾斜状態について、電子線検出部4により撮影されるステレオ画像に対する補正係数を記憶する補正係数記憶部64と、ステレオ画像が撮影された傾斜状態に対応する補正係数を補正係数記憶部64から読み出し、前記ステレオ画像を修正する画像修正部60とを備えている。そして、第2の測定部(例えば、形態・座標測定部50)が、前記ステレオ画像に撮影されている試料9の概略の形態または座標値を求める概略測定部52と、画像修正部60によって修正されたステレオ画像に基づき試料9の形態または座標値を求める精密測定部54を有し、画像修正部60によって、概略測定部52で求められた試料9の形態または座標値に基づいて、補正係数記憶部64から読み出された補正係数を用いて、前記ステレオ画像を修正するように構成されている。
上記目的を達成する本発明の電子線観察装置は、例えば図1に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを備える電子線測定装置であって、次の構成としたものである。即ち、試料ホルダ3に保持された基準テンプレートと照射電子線7とを試料傾斜部5により相対的に傾斜させて、電子線検出部4で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定部(例えば、測定部20)と、第1の測定部での基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成部30と、校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正部40と、校正部40による校正が行なわれる試料ホルダ3に載置された試料9であって、試料傾斜部5によって形成される傾斜状態で電子線検出部4により撮影された試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める第2の測定部(例えば、形態・座標測定部50)と、電子線検出部4により検出された電子線に基づき、試料9のステレオ画像を表示する画像表示部28とを備えている。
本発明の電子線測定または観察装置において、例えば図1及び図16に示すように、好ましくは、試料傾斜部5は、電子光学系2の電子線の照射方向を試料9に対して変更する第1の試料傾斜態様と、試料ホルダ3を電子線に対して傾斜させる第2の試料傾斜態様の、少なくとも一方の試料傾斜態様により、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させるように構成されているとよい。
本発明の電子線測定または観察装置において、好ましくは、校正データ作成部30によって、試料傾斜部5の傾斜量の校正データが作成され、校正部40によって、前記試料傾斜部5の傾斜量が校正されるように構成されているとよい。
本発明の電子線測定または観察装置において、好ましくは、校正データ作成部30によって、電子光学系2の照射電子線7に対する照射方向の校正データが作成され、校正部40によって、電子光学系2の照射電子線7の照射方向が校正されるように構成されているとよい。
本発明の電子線測定または観察装置において、好ましくは、校正データ作成部30によって、電子光学系2の倍率に関する校正データが作成され、校正部40によって、電子光学系2の走査範囲が校正されるように構成されているとよい。
本発明の電子線測定または観察装置において、好ましくは、校正データ作成部30によって、電子光学系2の歪み補正に関する校正データが作成され、校正部40によって、電子光学系2の走査コイルの走査方向が校正されるように構成されているとよい。
上記目的を達成する本発明の電子線測定方法は、例えば図4に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを有する電子線測定装置を用いた電子線測定方法であって、以下の工程を有する。即ち、試料ホルダ3に保持された基準テンプレートと照射電子線7とを試料傾斜部5により相対的に傾斜させて、電子線検出部4で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定ステップ(S102、S104、S106)と、第1の測定ステップでの基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成ステップ(S108)と、校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正ステップと(S110)と、校正ステップによる校正が行なわれる試料ホルダ3に載置された試料9であって、試料傾斜部5によって形成される傾斜状態で電子線検出部4により撮影された試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める第2の測定ステップ(S112、S114、S116)とをコンピュータに実行させるものである。
上記目的を達成する本発明の電子線測定方法は、例えば図7に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを有する電子線測定装置を用いた電子線測定方法であって、以下の工程を有する。即ち、試料ホルダに保持された基準テンプレートと照射電子線7とを試料傾斜部5により相対的に傾斜させて、電子線検出部4で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定ステップ(S202、S204、S206)と、第1の測定ステップでの基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成ステップ(S208)と、校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正ステップ(S210)と、試料傾斜部5によって形成される複数の傾斜状態について、電子線検出部4により撮影されるステレオ画像に対する補正係数を記憶する補正係数記憶ステップ(S212)と、校正ステップによる校正が行なわれた試料ホルダ3に載置された試料9であって、試料傾斜部5によって形成される傾斜状態で電子線検出部4により撮影された試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の概略の形態または座標値を求める概略測定ステップ(S214、S216、S218)と、ステレオ画像が撮影された傾斜状態に対応する補正係数を、前記補正係数記憶ステップで記憶された補正係数から読み出して、前記概略測定ステップで求められた試料9の形態または座標値に対して前記補正係数を適用して、前記ステレオ画像を修正する画像修正ステップ(S220、S222)と、画像修正ステップによって修正されたステレオ画像に基づき試料9の形態または座標値を求める精密測定ステップ(S224)とをコンピュータに実行させるものである。
上記目的を達成する本発明の電子線観察方法は、例えば図4に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを有する電子線測定装置を用いた電子線測定方法であって、以下の工程を有する。即ち、試料ホルダに保持された基準テンプレートと照射電子線7とを試料傾斜部5により相対的に傾斜させて、電子線検出部4で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定ステップ(S102、S104、S106)と、第1の測定ステップでの基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成ステップ(S108)と、校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正ステップ(S110)と、校正ステップによる校正が行なわれる試料ホルダ3に載置された試料9であって、試料傾斜部5によって形成される傾斜状態で電子線検出部4により撮影された試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める第2の測定ステップ(S112、S114、S116)と、電子線検出部4により検出された電子線に基づき、試料9のステレオ画像を表示する画像表示ステップ(S118)とをコンピュータに実行させるものである。
上記目的を達成する本発明の電子線測定装置は、例えば図17に示すように、電子線源1から放射される電子線7を試料9に照射する電子光学系2と、試料9を保持する試料ホルダ3、試料ホルダ3と照射電子線7とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部5と、試料9から放出される電子線7を検出する電子線検出部4とを備える電子線測定装置であって、次の構成としたものである。即ち、試料傾斜部5によって形成される傾斜状態により得られたステレオ画像に相当する出力に基づき試料9の形態または座標値を求める第3の測定部(例えば、形態・座標測定部50)と、基準テンプレートを試料ホルダ3に載置し、照射電子線7と基準テンプレートとを相対的に傾斜させ、電子線検出部4から出力されるステレオ画像に相当する信号に基づき、基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定部と、第1の測定部での基準テンプレートの測定結果と前記基準テンプレートに関して判明している基準データとを比較して、試料傾斜部5により試料9を傾斜させる傾斜面以外の空間における補正係数を記憶しておく補正係数記憶部64と、補正係数記憶部64から対応する補正係数を読み出し、画像を修正する画像修正部60とを有している。
そして、例えば図17、図18に示すように、第3の測定部が、電子線検出部4のステレオ画像に相当する出力に基づき概略の試料9の形態または座標値を求める概略測定ステップ(S402)を実行し、画像修正部60が、概略測定ステップで求められた試料9の形態または座標値に基づいて、補正係数記憶部64から対応す像補正係数を読み出して画像を修正する画像修正ステップ(S404、S406)と、第3の測定部が、画像修正部60で修正された修正ステレオ画像に基づき試料9の形態または座標値を求める精密測定ステップ(S408)とを実行する。
本発明の電子線測定または観察装置によれば、校正データ作成部により、第1の測定部での基準テンプレートの測定結果と、基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成して、当該校正データに基づき、校正部により電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う構成としているので、校正部により走査型荷電粒子ビーム装置の電子光学系における補正を画像計測に適するように調整することで、試料の傾斜角や高さに依存することなく、精度のよい試料の三次元画像計測が行なえる。
[原理]
以下、図面を用いて本発明の原理を説明する。図2は、電子線測定装置の試料ホルダにおける傾斜状態の説明図で、(A)は水平状態を基準状態として傾斜状態を実現する場合、(B)は傾斜状態を基準状態として傾斜状態を実現する場合を示している。試料ホルダ3に対する傾斜状態は、水平状態を基準状態として、基準状態から任意の角度(±θ)傾斜させる第1の態様(図2(A)参照)と、所定の角度(Φ)傾斜した状態を基準状態として、基準状態から任意の角度(±θ)傾斜させる第2の態様(図2(B)参照)とがある。傾斜状態では、試料ホルダ3に載置された基準テンプレート9aや試料9と、入射する電子線との角度が調整されて、ステレオ画像計測に必要な試料の左右画像が電子線測定装置によって取得できる状態となる。ここで、基準テンプレート9aの厚さをtとする。
図3(A)は、平面型の基準テンプレートに配置されたターゲットの分布を説明する図である。平面型の基準テンプレート9aには、正確に計測された複数のターゲット9bが配置されている。ここで、ターゲット9bは、計測基準点や特徴点とも言われるもので、基準テンプレート9aの表面に視認容易に形成されたマークをいう。基準テンプレート9aは、電子線装置10の試料ホルダ3に載置されて、水平状態や傾斜状態の姿勢となる。
図3(B)は、立体型の基準テンプレートの説明図で、ここでは平面型の基準テンプレートを3段重ねた形態の場合を示してある。立体型の基準テンプレートでは、基準テンプレート9cの高さ分は、各段の平面基準テンプレートの厚みを積算したものと同様になる。すなわち、立体型の立体基準テンプレート9cを試料ホルダ3に載置して、任意の傾斜状態とする。任意の傾斜状態とは、測定される対象が存在しうる空間での校正が行なえるように、当該空間の角度として選択された傾斜角度に、立体型の立体基準テンプレート9cの傾斜状態をすることを言う。そして、任意の傾斜状態の立体基準テンプレート9cを撮影すると、撮影画像に映写されたそれぞれの高さにおける基準ターゲットによって、高さ方向の画像歪が計算できる。そこで、計算された高さ方向の画像歪値を補償するように、電子線測定装置の電子光学系の磁界ポテンシャルや静電ポテンシャルの補償値を算出して、電子線測定装置の電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行うことで、高さ方向(例えばビームの光軸方向)空間に対する校正が可能となる。
このように構成された装置において、電子線測定装置は、各傾斜角度毎に、基準テンプレート画像上のターゲット位置を取得し、基準テンプレート高さ方向の画像歪を取り除く為の校正データを取得する。次に、基準テンプレートに代わる試料9を試料ホルダ3に置いて、任意の傾斜角度で試料9を被写体として、試料9の画像を電子線測定装置によって取得する。
このように電子線測定装置の校正を行なった後でも、まだ画像計測に必要とされる画像歪みが残存している場合には、画像修正部60を用いて試料9の概略高さと位置から、試料9の画像を修正する。即ち、被写体(試料9)の概略高さと位置から、電子線測定装置2の補正用に使用した基準テンプレート9aの各傾斜角度がわかり、当該傾斜角度における画像の歪パターンにより、当該傾斜角度での被写体各部における画像歪を算出することができる。被写体各部における画像歪の算出は、各被写体ごとに全体に関して計算しながら行なわれ、次にこの画像歪を補償するように試料9の画像を補正する。もしくは、電子線測定装置の各高さ(空間)における画像歪パターンとして計算し、この画像歪パターンを電子線測定装置のメモリ上に記憶させてもよい。すなわち、図3(A)に示すような基準テンプレート9aのターゲットの位置情報を用いて、各傾斜角度における基準テンプレート9aのターゲットの歪係数を取得することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の実施例1を説明する構成ブロック図で、対象物を保持するホルダの回転角を調整して対象物の傾斜角を調整することで、ステレオ画像を得る場合を示している。図において、電子線測定装置における像形成光学系としての電子線装置10(走査型顕微鏡)は、電子線7を放射する電子線源1、電子線(ビーム)7を対象物9に照射する電子光学系2、対象物9を傾斜可能に保持する試料ホルダ3、電子光学系2の倍率を変える倍率変更部6、倍率変更部6に電力を供給する走査電源6a、電子線7を検出する検出器4、試料ホルダ3を傾斜制御する傾斜制御部5としてのホルダ傾斜制御部5b、対象物9から出射される二次電子のエネルギを減衰させて検出器4に反射させる2次電子変換ターゲット8を備えている。なお、電子線7を傾斜制御する傾斜制御部5としてのビーム傾斜制御部5aは、実施例1で用いないが、後で説明する実施例3で用いる。
電子光学系2は、電子線源1から放射された電子線7の電子流密度、開き角、照射面積等を変えるコンデンサレンズ2a、電子線7の試料面上の入射角度を制御する偏向レンズ2b、細かく絞られた電子線7を偏向して試料面上を二次元的に走査させる走査レンズ2c、最終段縮小レンズの働きと共に試料面上での入射プローブの焦点合わせを行う対物レンズ2dを備えている。倍率変更部6の倍率変更命令に従って、走査レンズ2cにより電子線7を走査する試料面上の領域が定まる。ビーム傾斜制御部5bは試料ホルダ3に傾斜制御信号を送り、試料ホルダ3と照射電子線7とが第1の相対的傾斜角度をなす第1の姿勢の試料ホルダ3Lと、第2の相対的傾斜角度をなす第2の姿勢の試料ホルダ3Rとで切替えている。
第1の姿勢の試料ホルダ3Lに載置される対象物9の三次元座標系Cは、電子線装置10側を固定座標系として表すと、(X,Y,Z)となる。また、第2の姿勢の試料ホルダ3Rに載置される対象物9の三次元座標系Cは、電子線装置10側を固定座標系として表すと、(X,Y,Z)となる。なお、ホルダ傾斜制御部5bによる試料ホルダ3と照射電子線7の相対的傾斜角度は、ここでは右側上がりRと左側上がりLの二通りに切替えて設定する場合を図示しているが、2段に限らず多段に設定してよいが、ステレオの検出データを得る為には最小2段必要である。対象物9の三次元座標系として、例えばヨー軸、ピッチ軸、ロール軸を設定した場合に、ヨー軸がZ軸、ピッチ軸がX軸、ロール軸がY軸に対応する。
対象物9は、例えばシリコン半導体やガリウム・ヒ素半導体のような半導体のチップであるが、電力用トランジスタ、ダイオード、サイリスタのような電子部品でもよく、また液晶パネルや有機ELパネルのようなガラスを用いた表示装置用部品でもよい。典型的な走査型顕微鏡の観察条件では、電子線源1は−3kV、対象物9は−2.4kVに印加されている。対象物9から放出された二次電子は、2次電子変換ターゲット8に衝突して、エネルギが弱められて検出器4で検出される。
電子線測定装置は、第1の測定部としての測定部20、校正データ作成部30、既知基準データ記憶部32、校正部40、電子レンズ収差補償部42、第2の測定部としての形態・座標測定部50を備えている。
測定部20は、試料ホルダ3に保持された基準テンプレート9a、9cと照射電子線7とを試料傾斜部5により相対的に傾斜させて、電子線検出部4で撮影された基準テンプレート9a、9cのステレオ画像に基づいて、基準テンプレート9a、9cの形態または座標値を求めるものである。測定部20は、入射角度調整部22、画像形成部24、基準テンプレート測定部26並びに表示装置28を有している。
入射角度調整部22は、対象物9(基準テンプレート9a、9cを含む)の姿勢を調整して、電子線装置10により対象物9に投影される電子線7と対象物9との相対的な入射角度を、対象物9についてステレオ画像を形成可能に調整する。即ち、入射角度調整部22は、ホルダ傾斜制御部5bに制御信号を送って、対象物9の姿勢を調整している。更に、入射角度調整部22は、ホルダ傾斜制御部5bに制御信号を送って、電子線源1から放射される電子線7の走査する基準面を調整して、ステレオ画像を形成するのに必要とされる左右画像を形成可能としている。画像形成部24は、走査レンズ2cにより電子線7が試料面上の領域を走査する際に、検出器4で検出される二次電子線を用いて、試料面上の画像を作成する。基準テンプレート測定部26は、電子線検出部4で撮影された基準テンプレート9a、9cのステレオ画像に基づいて、基準テンプレート9a、9cの形態または座標値を求める。表示装置28は、電子線検出部4で撮影された対象物9(基準テンプレート9a、9cを含む)のステレオ画像の各左右画像を表示するもので、例えばCRTや液晶ディスプレイが用いられる。
校正データ作成部30は、測定部20での基準テンプレートの測定結果と、基準テンプレート9a、9cに関する既知基準データとを比較して、電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する。既知基準データ記憶部32は、基準テンプレート9a、9cに設けられているターゲット位置が記憶されている。校正データ作成部30によって作成される電子線測定装置の校正データには、以下のものがある。
(1)試料傾斜部5の傾斜量の校正データ。
(2)電子光学系2の照射電子線7に対する照射方向の校正データ。
(3)電子光学系2の倍率に関する校正データ。
(4)電子光学系2の歪み補正に関する校正データ。
校正部40は、校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う。校正部40は、上述の校正データ作成部30によって作成される電子線測定装置の校正データに応じて、以下の態様がある。
(1)試料傾斜部5の傾斜量が校正されるように校正部40を構成する。
(2)電子光学系2の照射電子線7の照射方向が校正されるように校正部40を構成する。
(3)電子光学系2の走査範囲が校正されるように校正部40を構成する。
(4)電子光学系2の走査コイルの走査方向が校正されるように校正部40を構成する。
電子レンズ収差補償部42は、校正部40から出力される校正信号に従って、電子光学系2を構成する電子レンズの磁界ポテンシャルや静電ポテンシャルの分布状態を補償して、試料像の収差を減少させて、画像計測に適する電子光学系2に調整する。電子線装置10が、試料9から放射される二次電子を電子線源1から放射される電子線7と分離して電子線検出部4に送るExBと呼ばれる電磁プリズムを有する場合には、校正部40による校正対象となる電子光学系2に、このExBと呼ばれる電磁プリズムを含むものとする。
形態・座標測定部50は、校正部40による校正が行なわれた試料ホルダ3に載置された試料9であって、試料傾斜部5によって形成される傾斜状態で電子線検出部4により撮影された試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める。形態・座標測定部50は、測定部20の入射角度調整部22、画像形成部24並びに表示装置28を、基準テンプレート測定部26と共通に用いている。
次に、このように構成された装置によるステレオ画像計測に必要な電子線装置の校正手続きに関して説明する。図4は本発明の実施例1における電子線装置の校正手続きを含む電子線測定のフローチャートである。図4では、基準テンプレート9a、9cを用いて電子線装置の校正処理を行ない、次に試料の画像計測を行う処理フローを示している(S100)。まず、試料ホルダ3に基準テンプレート9a、9cを載せて、試料ホルダ3もしくは電子線7を傾斜状態に移行させる(S102)。例えば、ビーム傾斜制御部5bによって試料ホルダ3に傾斜制御信号を送り、入射角度調整部22により電子線7と対象物9との相対的な入射角度が調整される。この傾斜角度は、計測する基準テンプレート9a、9cの傾斜角度に対して設定されるもので、例えば図2(A)に示す傾斜状態や図2(B)に示す傾斜状態に設定する。傾斜角度が複数存在する場合は、予め計測可能性のある角度にすべて傾斜角を設定して、画像を取得しておくとよい。
測定部20は、電子線検出部4から得られる基準テンプレート9a、9cの傾斜画像を取得する(S104)。そして、測定部20は、電子線検出部4で撮影された基準テンプレート9a、9cのステレオ画像に基づいて、基準テンプレート9a、9cの形態または座標値を求める(S106)。S106の処理に関しては、後で説明するターゲット検出とステレオマッチング処理を用いるとよい。
校正データ作成部30は、S106での基準テンプレート9a、9cの測定結果と、基準テンプレート9a、9cに関する既知基準データとを比較して、電子線装置10により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する(S108)。校正部40は、校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように、電子線装置10の校正を行う(S110)。
次に、試料ホルダ3に試料(計測対象物)9を載せる(S112)。そして、電子線7もしくは試料ホルダ3を所望の傾斜状態にして、電子線検出部4により試料9を撮影する(S114)。所望の傾斜状態は、例えば試料9の三次元画像計測を行う場合に、死角の少ない角度や、特に測定したいターゲットが良好に撮影される角度を選定する。そして、所望の傾斜状態における試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める(S116)。試料の観察を行なう為に、電子線検出部4により検出された電子線に基づき、表示装置28に試料9のステレオ画像を表示する(S118)。試料9の形態または座標値が取得できれば、リターンとなる(S120)。
[平行投影]
ここで、電子線装置の校正手続きの前提となる平行投影について説明する。電子顕微鏡では倍率が低倍率〜高倍率(ex.2〜数百万倍)までレンジが幅広いため、電子光学系2が低倍率では中心投影、高倍率では平行投影とみなせる。平行投影と見なせる倍率は、偏位修正パラメータの算出精度を基準にして定めるのがよく、例えば1000倍や10000倍を基準倍率とする。偏位修正パラメータは、ステレオ画像で立体視できるように、試料の左右画像を偏位修正する為のパラメータである。
図5は平行投影の説明図である。平行投影の場合は、対象座標系74として回転を考慮した座標系(X,Y,Z)を用い、縮尺係数としてK1、K2を選定すると次式が成立する。
Figure 2005122933
すると、対象座標系74で選択した原点(Xo,Yo,Zo)とオリエンテーション行列Aを用いて、次のように表せる。
Figure 2005122933
ここで、オリエンテーション行列Aの要素ai,jに関しては、回転行列の要素ai,jが画像座標系72の対象座標系74を構成する3軸X,Y,Zに対する傾きω、φ、κを用いて、次のように表せる。
Figure 2005122933
偏位修正パラメータの算出においては、式(1)、(2)に含まれる6つの外部標定要素ω、φ、κ、Xo、Yo、Zoを求める。即ち、これらの式を、最低3点以上の基準マークにより観測方程式をたて、逐次近似解法によってこれら6つの外部標定要素を算出する。具体的には、未知変量の近似値を与え、近似値のまわりにテーラー展開して線形化し、最小二乗法により補正量を求めて近似値を補正し、同様の操作を繰り返し収束解を求める逐次近似解法によってこれら6つの外部標定要素を求めることができる。また、式(1)、(2)に代えて、単写真標定や相互標定、その他空中三角測量で外部標定として用いられている各種の演算式のうちから適宜採択して演算を行うとよい。
[レンズ歪補正]
電子光学系2を構成する電子レンズの歪曲収差まで求める場合は、さらに複数の基準マークを用意し、複数方向からの画像を得ることにより、式(4)によって補正することが可能となる。即ち、式(1)、(2)でさらにレンズ歪を補正したx、y座標をx’、y’とすれば、次式が成立する。
x’=x+Δx ・・・…(4)
y’=y+Δy
ここで、k1、k2を放射方向レンズ歪み係数とすると、次式により行われる。
Figure 2005122933
電子レンズの歪曲収差の計算は、画像座標と対象座標を計測することにより、上式にあてはめ逐次近似解法によって算出される。電子レンズの歪曲収差の計算では、レンズ歪係数が未知変量として増えるので、更に基準点を増やし画像座標と対象座標を計測して、あてはめ逐次近似解法によって算出するとよい。また、レンズ歪係数は、式(5)では放射方向レンズ歪みとしているが、さらにタンジェンシャルレンズ歪みやスパイラルレンズ歪み、その他電子レンズの歪曲収差の修正に必要な要素を式(5)に加えてレンズ歪係数を求めれば、それらの較正(キャリブレーション)が可能となる。例えば、求められたレンズ歪係数を利用して、レンズ歪みを補正するようにビームをスキャンすれば、結果として補正した画像を取得することが可能となる。あるいは、レンズ歪をメモリに記憶させ、レンズ歪を補正するようにビームスキャンさせれば、画像におけるレンズ歪補正が可能となる。
図6は本発明の実施例2を説明する構成ブロック図である。図において、電子線測定装置は、前述の測定部20、校正データ作成部30、既知基準データ記憶部32、校正部40、電子レンズ収差補償部42、形態・座標測定部50に加えて、画像修正部60、画像補正係数算出部62、補正係数記憶部64を備えている。
形態・座標測定部50は、概略測定部52と精密測定部54を備えている。概略測定部52は、ステレオ画像に撮影されている試料9の概略の形態または座標値を求める。精密測定部54は、画像修正部60によって修正されたステレオ画像に基づき試料9の形態または座標値を求める。
画像修正部60は、概略測定部52で求められた試料9の形態または座標値に基づいて、ステレオ画像が撮影された傾斜状態に対応する補正係数を補正係数記憶部64から読み出し、ステレオ画像を修正する。画像補正係数算出部62は、試料傾斜部5によって形成される複数の傾斜状態について、電子線検出部4により撮影されるステレオ画像に対する補正係数を算出する。この補正係数の算出過程に関しては、後で詳細に説明する。補正係数記憶部64は、画像補正係数算出部62で算出された補正係数を、試料傾斜部5によって形成される複数の傾斜状態毎に記憶する。
次に、このように構成された装置によるステレオ画像計測に必要な電子線装置の校正手続きに関して説明する。図7は本発明の実施例2における電子線装置の校正手続きを含む電子線測定のフローチャートである。図7では、基準テンプレート9a、9cを用いて電子線装置の校正処理を行ない、次に試料の画像計測を行う処理フローを示している(S200)。まず、S202〜S210に関しては、前述のS102〜S110の説明と同様である。即ち、試料ホルダ3に基準テンプレート9a、9cを載せて、試料ホルダ3もしくは電子線7を傾斜状態に移行させる(S202)。測定部20は、電子線検出部4から得られる基準テンプレート9a、9cの傾斜画像を取得する(S204)。そして、測定部20は、電子線検出部4で撮影された基準テンプレート9a、9cのステレオ画像に基づいて、基準テンプレート9a、9cの形態または座標値を求める(S206)。校正データ作成部30は、S206での基準テンプレート9a、9cの測定結果と、基準テンプレート9a、9cに関する既知基準データとを比較して、電子線装置10により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する(S208)。校正部40は、校正データに基づき、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように、電子線装置10の校正を行う(S210)。画像補正係数算出部62は、試料傾斜部5によって形成される複数の傾斜状態について、電子線検出部4により撮影されるステレオ画像に対する補正係数を算出して、補正係数記憶部64に記憶する(S212)。
次に、試料ホルダ3に試料(計測対象物)9を載せる(S214)。そして、電子線7もしくは試料ホルダ3を所望の傾斜状態にして、電子線検出部4により試料9を撮影する(S216)。所望の傾斜状態は、例えば試料9の三次元画像計測を行う場合に、死角の少ない角度や、特に測定したいターゲットが良好に撮影される角度を選定する。そして、概略測定部52により、所望の傾斜状態における試料9のステレオ画像に基づいて、試料9の形態または座標値を求める(S218)。
画像修正部60は、ステレオ画像が撮影された傾斜状態に対応する補正係数を、補正係数記憶部64に記憶された補正係数から読み出す(S220)。そして、画像修正部60は、概略測定部52により求められた試料9の形態または座標値に対して、S220で読み出した補正係数を適用して、ステレオ画像を修正する(S222)。精密測定部54は、画像修正部60によって修正されたステレオ画像に基づき試料9の形態または座標値を求める(S224)。試料9の形態または座標値が精密に取得できれば、リターンとなる(S226)。好ましくは、試料の観察を行なう為に、画像修正部60によって修正されたステレオ画像を、表示装置28に表示するとよい。
続いて、図4のS106、S116や図7のS206、S218で行なわれる処理の一例を説明する。この処理は、所望の傾斜状態における基準テンプレート9a、9cや試料9のステレオ画像に基づいて、基準テンプレート9a、9cや試料9の形態または座標値を求めるものである。図8は電子線検出部4で撮影されたステレオ画像の左右画像と基準状態での画像とを説明する図で、(A)は非基準画像、(B)は基準画像並びに画像変換処理される非基準画像、(C)は画像座標変換処理で処理される基準状態での画像を示している。非基準画像は、第1の画像補正係数を用いて基準画像での傾斜状態に画像変換処理される。さらに図8(B)の画像は画像座標変換処理される。画像座標変換処理は、基準画像と画像変換された非基準画像とを、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換するもので、例えば測定部20や形態・座標測定部50により行なわれる。座標変換では、画像歪み状態に特段の補正が施されないため、画像変換と比較して簡便な画像処理となる。また、基準状態での画像に座標変換することで、傾斜状態で撮影された試料の撮影画像を利用することが容易になる。
図9は基準テンプレートの形態または座標値を求める処理の一例を説明するフローチャートである。図9では、測定部20が、基準テンプレート9a、9cを用いて画像変換処理の為の補正係数を測定する計測フローを示している(S300)。まず、試料ホルダ3に基準テンプレート9a、9cを載せる(S302)。次に、試料ホルダ3もしくは電子線7を傾斜状態に移行させる(S304)。次に、電子線測定装置は、電子線検出部4から得られる基準テンプレートの傾斜画像を取得する(S306)。そして、電子線測定装置は、傾斜画像取得処理に必要な画像数を取得したか判定する(S308)。S308で、まだ必要な画像数に達していなければ、S304に戻って、さらに傾斜画像を得る。
S308で、必要な画像数に達している場合は、測定部20が基準傾斜状態の基準テンプレート画像、例えば水平方向(傾斜角度0度)の画像を取得する(S310)。なお、基準テンプレート9a、9cの設計値もしくは計測値が既知であれば、画像計測と共に、或いは画像計測に代えて設計値もしくは既存計測値を使用してもよい。また、傾斜角度0度でビーム系の調整がしてあれば、傾斜角度0度の基準テンプレート画像を基準傾斜状態としてもよい。
続いて、測定部20は、変数係数取得処理(S312〜S318)を行なう。まず、測定部20は、ステレオペアとなっている傾斜画像、即ち電子線検出部4から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する(S312)。次に、ステレオペアとなっている傾斜画像につきターゲット検出を行う(S314)。なお、基準画像についても、傾斜角度0度の画像を取得している場合は、ターゲット検出を行う。この場合、特徴点の概略配置関係がわかっているので、誤対応は回避でき、以下の<i>〜<v>で記述される一連の処理を行えば、ターゲットとなる特徴点を数点指定(自動認識)するだけで、ターゲットと類似する点が画像中に存在していても、画像計測が可能となる。
<i>:試料が半導体チップの場合には、パターンの概略位置を読み込む。この場合に、半導体チップの設計値、もしくはパターンの間隔等が判明していれば、判明している値を用いる。これを基準点座標とする。
<ii>:基準画像と捜索画像上の3点以上対応する点を概略指定する。これを画像座標とする。
<iii>:以下の式により、基準画像、捜索画像のそれぞれ各パラメータを算出する。
すなわち、画像座標と対応する基準点座標を式(6)に示す二次の射影変換式に代入し、観測方程式をたてパラメータb1〜b8を求める。
X=(b1・x+b2・y+b3)/(b7・x+b8・y+1) (6)
Y=(b4・x+b5・y+b6)/(b7・x+b8・y+1)
ここで、X,Yは画像座標、x,yは基準点座標を表している。
<iv>:求めたパラメータb1〜b8により、画像上の全パターン位置を基準画像、捜索画像につき計算で求める。
<v>:各パターンに対応した求められた位置の周辺について、ステレオマッチング処理を行い計測する。
[ステレオマッチング処理]
次に、ステレオマッチング処理の一例として、エリアベースの正規化相関係数によるマッチング法について説明する。図10は、正規化相関係数によるマッチング法の説明図で、図中の右画像を基準画像、左画像を捜索画像とする。ここでは、N個のデータからなる基準画像中の基準データブロックをM、座標(U,V)を起点とする捜索画像中の捜索データブロックをIとする。
正規化相関係数によるマッチング法は、捜索データブロックI中で基準データブロックMのラスタ走査を行いながら、各位置での基準データブロックMと捜索データブロックIとの類似度を相関係数により求める方法である。ここで、ラスタ走査とは、基準データブロックMを捜索データブロックIの中を左から右に動かし、捜索データブロックIの右端まで行くと下がって左端に戻り、また捜索データブロックIを左から右に動かす走査状態をいう。相関係数値Rの最大の位置を探せば、捜索データブロックI中の基準データブロックMと同じ場所を探す事ができる。
M=M(Xi,Yi) 1≦i≦N (7)
I=I(U+Xi,V+Yi) (8)
とすると、正規化相関係数R(U,V)は、
R(U,V)=(NΣIiMi−ΣIiΣMi)
/SQRT[{NΣIi−(ΣIi)}x{NΣMi−(ΣMi)}] (9)
となる。相関係数値Rは常に−1から+1までの値をとる。相関係数値Rが+1の場合には、テンプレートと探索画像が完全に一致した事になる。
そして、画像補正係数算出部62は、S312で選定された基準画像を用いて、ステレオペアとなっている傾斜画像の非基準画像に対して、ステレオペア画像の対応関係を用いて、非基準画像を基準画像の画像歪み状態とする第1の画像補正係数を求める(S316)。S316で求めた第1の画像補正係数は、例えば測定部20、形態・座標測定部50や画像修正部60による利用可能な状態で、例えば補正係数記憶部64に記憶される(S318)。第1の画像補正係数は、平行投影のキャリブレーション法により検出された点を使ってモデル化したり、最小二乗法により曲線近似する方法、アフィン変換等を使って近似し、その近似に用いた係数を求める方法等、各種の演算処理によって画像歪みを修正しつつ画像変換処理を行なう係数を求めるものである。
[アフィン変換式]
ここでは画像変換処理の一例として、アフィン変換について説明する。
x’=b1x+b2y+b3 (10)
y’=b4x+b5y+b6
これら係数b1、…、b6の計算は、左右画像上の対応点4点以上計測することにより、逐次近似解法によって算出される。従って、ターゲット検出された座標値を使って、ステレオペア画像の左右画像について対応させ、計算すればよい。次に、S312で選定された基準画像の検出位置と、傾斜角度0度で取得された画像のターゲット位置もしくは基準値(設計値)とに対し、同様に変換係数を算出する。
図11は試料の形態または座標値を求める処理の一例を説明するフローチャートである。図11では、図9のS316で求めた第1の画像補正係数を用いて、試料9に対する三次元画像計測を行なう場合のフローが説明される(S350)。まず、試料ホルダ3に計測対象物9を載せる(S352)。そして、電子線7もしくは試料ホルダ3を所望の傾斜状態にする(S354)。所望の傾斜状態は、例えば試料9の三次元画像計測を行う場合に、死角の少ない角度や、特に測定したいターゲットが良好に撮影される角度を選定する。そして、所望の傾斜状態における試料9のステレオペア画像を取得する(S356)。そして、測定部20の基準画像選定処理は、ステレオペアとなっている傾斜画像、即ち電子線検出部4から得られるステレオ画像の左右画像のいずれか一方を基準画像として選定する(S358)。次に、ステレオペアとなっている傾斜画像につきターゲット検出を行う(S360)。
測定部20の画像変換処理は、第1の画像補正係数を用いて、ステレオ画像の左右画像の非基準画像を画像変換する(S362)。続いて、測定部20の画像座標変換処理では、基準画像と測定部20の画像変換処理で画像変換された非基準画像とを、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に座標変換する(S364)。形態・座標測定部50は、測定部20の画像座標変換処理で座標変換された非基準画像と基準画像をステレオ画像として、ステレオマッチング処理を行う(S366)。
そして、形態・座標測定部50は、ステレオ画像計測を行い、撮影された試料9の三次元座標を算出して、試料の形状や座標値を求める(S368)。なお、上記実施の形態においては、ステレオマッチング処理を測定部20の画像変換処理と画像座標変換処理の後で行なう場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステレオマッチング処理は測定部20の画像変換処理の後であって、測定部20の画像座標変換処理の前に行っても良い。
また、S364とS366の間に、測定部20の画像座標変換処理で座標変換された非基準画像と基準画像を、試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態での画像に対する基準画像の画像歪み状態を除去する第2の画像補正係数を用いて、基準画像と非基準画像を画像変換するステップを挿入してもよい。電子線装置10の画像歪み状態が、試料の撮影に適する傾斜状態と試料傾斜部5の相対的傾斜角度が基準状態の場合で相違する場合に、測定部20の画像座標変換処理で座標変換された非基準画像と基準画像に対して、第2の画像補正係数を用いて補正することで、形態・座標測定部による試料の形状または座標値を正確に求めることが出来る。
[高さ計測]
続いて、第1の画像補正係数に関して、被計測対象物9の高さ方向のレンズ歪みを補正するパラメータを含める場合を説明する。試料ホルダ3に載置された試料9に関しては、図2(B)に示すように、各傾斜角度Φにおける高さ補正が可能となる。そこで、その角度において空間補正を施し、それぞれの角度における高さの歪補正係数を第1の画像補正係数に含めて記憶させてもよい。そして、被計測対象物9を傾斜角Φ傾けて撮影する事は、電子線7あるいは観察光軸傾斜機構を設けて、角度Φ傾けて電子線7をあてて、被計測対象物9を撮影する事と均等である。図12は、試料ホルダ3の座標系を説明する斜視図である。試料ホルダ3の座標系において、Y軸が回転軸で、角度θは時計回り方向を+方向としている。
図13は電子線を被計測対象物9に照射した時の、画像と試料の関係を示す正面図である。幾何学的関係より、
左画像 Lx=(X×cosθ+Z×sinθ)×s (11)
Ly=Y
右画像 Rx=(X×cosθ−Z×sinθ)×s (12)
Ry=Y
s:分解能(1pixel)
となり、画像と試料の回転角度を考慮してオリエンテーション行列により三次元の座標を求めると、以下のようになる。
X=Lx+Rx (13)
Z=Lx−Rx
Y=Ly=Ry
式(13)は図14に示すように、ステレオ画像の撮影方向として、左右画像がZ軸を挟んだ角度を持つ場合のみに有効である。次に角度に依存することなく使える式を導く。図15は、ステレオ画像の撮影方向として、左右画像がZ軸に対して夫々θ1、θ2傾斜している場合を示している。
左画像の角度はθ1、右画像の角度はθ2であるが、Z軸をθ’傾けたZ’軸を想定する。ここで、図14のステレオ画像の左右撮影方向は、Z’軸を中心として左右対称であるとする。すると、擬似的な座標(X’,Y’,Z’)を適用することにより、画像の角度はθ’±θとなり、式(12)を使い、さらに座標XYZに直すように、後でθ’回転させる。
Z’=((Lx−Rx)/(2×sinθ))×s (14)
X’=((Lx+Rx)/(2×cosθ))×s
Y’=Ly=Ry
よって、次式が成立している。
X=X’×cosθ’−Z’×sinθ’ (15)
Z=X’×sinθ’+Z’×cosθ’
Y=Y’
そこで、試料9の傾斜状態に応じて式(13)や式(15)を適用して、ステレオペアとなっている傾斜画像に対して被計測対象物9の高さ方向のレンズ歪みを補正する。即ち、電子線測定装置を用いて、被計測対象物9の概略位置と高さ、並びに第1の画像補正係数に含まれる高さ補正パラメータを用いて、レンズ歪みの修正された被計測対象物9のステレオペア画像を生成する。ここで、電子線測定装置のCRTのような表示装置に、生成された被計測対象物9のステレオペア画像を表示することが可能となる。
実施例2においては、ステレオペア画像の左右画像どちらかを基準画像として非基準画像を基準画像側の画像座標を修正し、ステレオマッチング処理を行ってから、さらに基準座標に変換して、試料9の三次元座標を算出するものである(図8参照)。このように、非基準画像を基準画像側の画像座標を修正することで、左右画像の歪を合わせると、ステレオマッチング処理の際のミスマッチング発生率が低減し、ステレオマッチングの信頼性が向上するという利点がある。
図16は、本発明の実施例3を説明する全体構成ブロック図である。実施例1、2では、ステレオ画像を得る場合に、ホルダを傾斜させていたが、実施例3は走査型顕微鏡の電子線を偏向させてステレオ画像を得る場合を示している。ここでは、図16において、図1と共通する構成要素について同一符号を付して説明を省略する。ここでは、電子線7を傾斜制御する傾斜制御部5としてのビーム傾斜制御部5aが設けられている。ビーム傾斜制御部5aは偏向レンズ2bに傾斜制御信号を送り、試料ホルダ3と照射電子線7とが第1の相対的傾斜角度をなす電子線7Rと、第2の相対的傾斜角度をなす電子線7Lとで切替えている。なお、ビーム傾斜制御部5aによる試料ホルダ3と照射電子線7の相対的傾斜角度は、2個に限らず多段に設定してよいが、ステレオの検出データを得る為には最小2個必要である。
図17は、本発明の実施例4を説明する全体構成ブロック図である。図において、電子線測定装置は、実施例1で説明された測定部20に加えて、第3の測定部としての形態・座標測定部50、画像修正部60、画像補正係数算出部62、補正係数記憶部64を備えている。形態・座標測定部50には、概略測定ステップS402と精密測定ステップS408を実行する機能が設けられている。画像修正部60には、画像修正ステップ(S404、S406)を実行する機能が設けられている。なお、実施例1〜3では電子線装置の校正手続きを行なうために、校正データ作成部30、既知基準データ記憶部32、校正部40、電子レンズ収差補償部42を設けていたが、実施例4では電子線装置の校正手続きが完了したものとして、画像修正を単独で行なう場合を示している。
このように構成された装置の動作を次に説明する。図18は本発明の実施例4における電子線測定のフローチャートである。概略測定ステップでは、形態・座標測定部50が、電子線検出部4のステレオ画像に相当する出力に基づき概略の試料9の形態または座標値を求める(S402)。画像修正ステップでは、画像修正部60が、概略測定ステップで求められた試料9の形態または座標値に基づいて、補正係数記憶部64から対応する像補正係数を読み出し(S404)、この像補正係数を用いてステレオ画像を修正する(S406)。精密測定ステップでは、形態・座標測定部50が、画像修正部60で修正された修正ステレオ画像に基づき試料9の形態または座標値を求める(S408)。試料9の形態または座標値が精密に取得できれば、リターンとなる(S410)。好ましくは、試料の観察を行なう為に、画像修正部60によって修正されたステレオ画像を、表示装置28に表示するとよい。
なお、上記の実施の形態においては、校正データ作成部によって作成される電子線測定装置の校正データとして、試料傾斜部5の傾斜量の校正データ、電子光学系2の照射電子線7に対する照射方向の校正データ、電子光学系2の倍率に関する校正データ、電子光学系2の歪み補正に関する校正データを示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、要するに校正データ作成部によって作成される校正データは、校正部によって、電子線検出部4で検出される試料像の収差を減少させるように校正ができるものであれば良い。
本発明の実施例1を説明する全体構成ブロック図である。 電子線測定装置の試料ホルダにおける傾斜状態の説明図である。 (A)は平面型の基準テンプレート、(B)は立体型の基準テンプレートの説明図である。 本発明の実施例1における電子線装置の校正手続きを含む電子線測定のフローチャートである。 平行投影の説明図である。 本発明の実施例2を説明する構成ブロック図である。 本発明の実施例2における電子線装置の校正手続きを含む電子線測定のフローチャートである。 電子線検出部4で撮影されたステレオ画像の左右画像と基準状態での画像とを説明する図である。 基準テンプレートの形態または座標値を求める処理の一例を説明するフローチャートである。 正規化相関係数によるマッチング法の説明図である。 試料の形態または座標値を求める処理の一例を説明するフローチャートである。 試料ホルダ3の座標系を説明する斜視図である。 電子線を被計測対象物9に照射した時の、画像と試料の関係を示す正面図である。 ステレオ画像の撮影方向として、左右画像がZ軸を挟んだ角度を持つ場合を示している。 ステレオ画像の撮影方向として、左右画像がZ軸に対して夫々θ1、θ2傾斜している場合を示している。 本発明の実施例3を説明する全体構成ブロック図である。 本発明の実施例4を説明する全体構成ブロック図である。。 本発明の実施例4における電子線測定のフローチャートである。
符号の説明
9 試料(被計測対象物)
9a、9c 基準テンプレート
10 電子線装置
20 測定部
30 校正データ作成部
40 校正部
50 形態・座標測定部
52 概略測定部
54 精密測定部
60 画像修正部
64 補正係数記憶部

Claims (12)

  1. 電子線を放射する電子線源、前記電子線を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部とを有する電子線測定装置であって;
    前記試料ホルダに保持された基準テンプレートと前記照射電子線とを前記試料傾斜部により相対的に傾斜させて、前記電子線検出部で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定部と;
    前記第1の測定部での基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成部と;
    前記校正データに基づき、前記電子線検出部で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正部と;
    前記校正部による校正が行なわれた試料ホルダに載置された試料であって、前記試料傾斜部によって形成される傾斜状態で前記電子線検出部により撮影された前記試料のステレオ画像に基づいて、前記試料の形態または座標値を求める第2の測定部と;
    を備える電子線測定装置。
  2. さらに、前記試料傾斜部によって形成される複数の傾斜状態について、前記電子線検出部により撮影されるステレオ画像に対する補正係数を記憶する補正係数記憶部と;
    前記ステレオ画像が撮影された傾斜状態に対応する補正係数を、前記補正係数記憶部から読み出し、前記ステレオ画像を修正する画像修正部と;
    を備え;
    前記第2の測定部が、前記ステレオ画像に撮影されている試料の概略の形態または座標値を求める概略測定部と、前記画像修正部によって修正されたステレオ画像に基づき試料の形態または座標値を求める精密測定部を有し;
    前記画像修正部によって、前記概略測定部で求められた試料の形態または座標値に基づいて、前記補正係数記憶部から読み出された補正係数を用いて、前記ステレオ画像を修正するように構成された請求項1記載の電子線測定装置。
  3. 電子線を放射する電子線源、前記電子線を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部とを有する電子線装置と接続される電子線測定装置であって;
    前記試料ホルダに保持された基準テンプレートと前記照射電子線とを前記試料傾斜部により相対的に傾斜させて、前記電子線検出部で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定部と;
    前記第1の測定部での基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成部と;
    前記校正データに基づき、前記電子線検出部で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正部と;
    前記校正部による校正が行なわれる試料ホルダに載置された試料であって、前記試料傾斜部によって形成される傾斜状態で前記電子線検出部により撮影された前記試料のステレオ画像に基づいて、前記試料の形態または座標値を求める第2の測定部と;
    前記電子線検出部により検出された電子線に基づき、前記試料のステレオ画像を表示する画像表示部と;
    を備える電子線観察装置。
  4. 前記試料傾斜部は、電子光学系の電子線の照射方向を試料に対して変更する第1の試料傾斜態様と、前記試料ホルダを電子線に対して傾斜させる第2の試料傾斜態様の、少なくとも一方の試料傾斜態様により、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させるように構成した請求項1又は請求項2に記載の電子線測定装置又は請求項3に記載の電子線観察装置。
  5. 前記校正データ作成部によって、前記試料傾斜部の傾斜量の校正データが作成され;
    前記校正部によって、前記試料傾斜部の傾斜量が校正される;
    請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電子線測定または観察装置。
  6. 前記校正データ作成部によって、前記電子光学系の照射電子線に対する照射方向の校正データが作成され;
    前記校正部によって、前記電子光学系の照射電子線の照射方向が校正される;
    請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電子線測定または観察装置。
  7. 前記校正データ作成部によって、前記電子光学系の倍率に関する校正データが作成され;
    前記校正部によって、前記電子光学系の走査範囲が校正される;
    請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電子線測定または観察装置。
  8. 前記校正データ作成部によって、前記電子光学系の歪み補正に関する校正データが作成され;
    前記校正部によって、前記電子光学系の走査コイルの走査方向が校正される;
    請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電子線測定または観察装置。
  9. 電子線を放射する電子線源、前記電子線を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部とを有する電子線測定装置を用いた電子線測定方法であって;
    前記試料ホルダに保持された基準テンプレートと前記照射電子線とを前記試料傾斜部により相対的に傾斜させて、前記電子線検出部で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定ステップと;
    前記第1の測定ステップでの基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成ステップと;
    前記校正データに基づき、前記電子線検出部で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正ステップと;
    前記校正ステップによる校正が行なわれる試料ホルダに載置された試料であって、前記試料傾斜部によって形成される傾斜状態で前記電子線検出部により撮影された前記試料のステレオ画像に基づいて、前記試料の形態または座標値を求める第2の測定ステップと;
    をコンピュータに実行させる電子線測定方法。
  10. 電子線を放射する電子線源、前記電子線を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部とを有する電子線測定装置を用いた電子線測定方法であって;
    前記試料ホルダに保持された基準テンプレートと前記照射電子線とを前記試料傾斜部により相対的に傾斜させて、前記電子線検出部で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定ステップと;
    前記第1の測定ステップでの基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成ステップと;
    前記校正データに基づき、前記電子線検出部で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正ステップと;
    前記試料傾斜部によって形成される複数の傾斜状態について、前記電子線検出部により撮影されるステレオ画像に対する補正係数を記憶する補正係数記憶ステップと;
    前記校正ステップによる校正が行なわれた試料ホルダに載置された試料であって、前記試料傾斜部によって形成される傾斜状態で前記電子線検出部により撮影された前記試料のステレオ画像に基づいて、前記試料の概略の形態または座標値を求める概略測定ステップと;
    前記ステレオ画像が撮影された傾斜状態に対応する補正係数を、前記補正係数記憶ステップで記憶された補正係数から読み出して、前記概略測定ステップで求められた試料の形態または座標値に対して前記補正係数を適用して、前記ステレオ画像を修正する画像修正ステップと;
    前記画像修正ステップによって修正されたステレオ画像に基づき試料の形態または座標値を求める精密測定ステップと;
    をコンピュータに実行させる電子線測定方法。
  11. 電子線を放射する電子線源、前記電子線を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部とを有する電子線測定装置を用いた電子線観察方法であって;
    前記試料ホルダに保持された基準テンプレートと前記照射電子線とを前記試料傾斜部により相対的に傾斜させて、前記電子線検出部で撮影された前記基準テンプレートのステレオ画像に基づいて、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定ステップと;
    前記第1の測定ステップでの基準テンプレートの測定結果と、前記基準テンプレートに関する既知基準データとを比較して、前記電子線測定装置により撮影されるステレオ画像の校正データを作成する校正データ作成ステップと;
    前記校正データに基づき、前記電子線検出部で検出される試料像の収差を減少させるように校正を行う校正ステップと;
    前記校正ステップによる校正が行なわれる試料ホルダに載置された試料であって、前記試料傾斜部によって形成される傾斜状態で前記電子線検出部により撮影された前記試料のステレオ画像に基づいて、前記試料の形態または座標値を求める第2の測定ステップと;
    前記電子線検出部により検出された電子線に基づき、前記試料のステレオ画像を表示する画像表示ステップと;
    をコンピュータに実行させる電子線観察方法。
  12. 電子線を放射する電子線源、前記電子線を試料に照射する電子光学系、前記試料を保持する試料ホルダ、前記試料ホルダと前記照射電子線とを相対的に傾斜させ、ステレオ画像を取得する状態を形成する試料傾斜部、前記試料から出射される電子線を検出する電子線検出部とを有する電子線測定装置であって;
    試料傾斜部によって形成される傾斜状態により得られたステレオ画像に相当する出力に基づき、試料の形態または座標値を求める第3の測定部と;
    基準のデータとして形状または座標値が判明している基準テンプレートを試料ホルダに載置し、前記照射電子線と前記基準テンプレートとを相対的に傾斜させ、前記電子線検出部から出力されるステレオ画像に相当する信号に基づき、前記基準テンプレートの形態または座標値を求める第1の測定部と;
    前記第1の測定部での基準テンプレートの測定結果と前記基準テンプレートの判明している基準データとを比較し、前記試料傾斜部により試料を傾斜させる傾斜面以外の空間における補正係数を記憶しておく補正係数記憶部と;
    前記補正係数記憶部から対応する補正係数を読み出し、画像を修正する画像修正部とを備え;
    前記第3の測定部が、前記電子線検出部のステレオ画像に相当する出力に基づき概略の試料の形態または座標値を求める概略測定ステップを実行し;
    前記画像修正部が、前記概略測定ステップで求められた試料の形態または座標値に基づいて、前記補正係数記憶部から対応す像補正係数を読み出して画像を修正する画像修正ステップを実行し;
    前記第3の測定部が、前記画像修正部で修正された修正ステレオ画像に基づき試料の形態または座標値を求める精密測定ステップを実行する;
    電子線測定装置。

JP2003354020A 2003-10-14 2003-10-14 電子線測定または観察装置、電子線測定または観察方法 Expired - Fee Related JP4229799B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003354020A JP4229799B2 (ja) 2003-10-14 2003-10-14 電子線測定または観察装置、電子線測定または観察方法
US10/962,752 US7067808B2 (en) 2003-10-14 2004-10-13 Electron beam system and electron beam measuring and observing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003354020A JP4229799B2 (ja) 2003-10-14 2003-10-14 電子線測定または観察装置、電子線測定または観察方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005122933A true JP2005122933A (ja) 2005-05-12
JP4229799B2 JP4229799B2 (ja) 2009-02-25

Family

ID=34612128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003354020A Expired - Fee Related JP4229799B2 (ja) 2003-10-14 2003-10-14 電子線測定または観察装置、電子線測定または観察方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4229799B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008218259A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Topcon Corp 検査方法及び検査装置
WO2012042738A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡
JP2013161795A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Applied Materials Israel Ltd 走査電子顕微鏡画像を用いた3次元マッピング
WO2013161539A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線調整支援装置および方法
KR101470270B1 (ko) * 2011-01-25 2014-12-05 가부시키가이샤 히다치 하이테크놀로지즈 하전 입자선 장치

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4532177B2 (ja) * 2004-06-17 2010-08-25 株式会社トプコン 電子線システム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008218259A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Topcon Corp 検査方法及び検査装置
WO2012042738A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡
US8704175B2 (en) 2010-09-30 2014-04-22 Hitachi High-Technologies Corporation Scanning electron microscope
KR101455944B1 (ko) 2010-09-30 2014-10-28 가부시키가이샤 히다치 하이테크놀로지즈 주사 전자 현미경
JP5663591B2 (ja) * 2010-09-30 2015-02-04 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡
KR101470270B1 (ko) * 2011-01-25 2014-12-05 가부시키가이샤 히다치 하이테크놀로지즈 하전 입자선 장치
US9287083B2 (en) 2011-01-25 2016-03-15 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle beam device
JP2013161795A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Applied Materials Israel Ltd 走査電子顕微鏡画像を用いた3次元マッピング
WO2013161539A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線調整支援装置および方法
JP2013232299A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子線調整支援装置および方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4229799B2 (ja) 2009-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7329867B2 (en) Electron beam system and electron beam measuring and observing methods
US7067808B2 (en) Electron beam system and electron beam measuring and observing method
US7539340B2 (en) Apparatus and method for three-dimensional coordinate measurement
US6538249B1 (en) Image-formation apparatus using charged particle beams under various focus conditions
US7633064B2 (en) Electric charged particle beam microscopy and electric charged particle beam microscope
JP2013069693A (ja) 試料の観察方法
TWI776085B (zh) 用於監測束輪廓及功率的方法及設備
JP4500653B2 (ja) 試料の観察方法及びその装置
US6515296B1 (en) Pattern dimension measuring system and pattern dimension measuring method
JP4750958B2 (ja) 電子線装置、電子線装置用データ処理装置、電子線装置のステレオ画像作成方法
JP4229799B2 (ja) 電子線測定または観察装置、電子線測定または観察方法
KR101455944B1 (ko) 주사 전자 현미경
JP4532177B2 (ja) 電子線システム
JP4750959B2 (ja) 電子線装置用データ処理装置、電子線装置、電子線装置のステレオ測定方法
JP4409877B2 (ja) 電子線測定装置並びに電子線測定方法及び電子線観察方法
JP4160880B2 (ja) 電子線測定装置及び電子線測定方法
JP2005005055A (ja) 試料の高さ情報取得方法
US11177112B2 (en) Pattern measurement device and non-transitory computer readable medium having stored therein program for executing measurement
JP2004325355A (ja) 三次元座標測定装置及び方法
JP4409861B2 (ja) 三次元座標測定装置及び方法
JP2006190693A (ja) 荷電粒子線装置
JP2002270124A (ja) 基準テンプレートの製造方法及び当該方法によって製造された基準テンプレート
TWI836541B (zh) 非暫時性電腦可讀媒體及用於監測檢測系統中之束的系統
JP6857575B2 (ja) 収差測定方法および電子顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131212

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees