JP2005121231A - 軸受のシール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品点数を増やすことなく、コンパクトな構成で回転検出が行え、シール効果にも優れ、かつ回転検出のための磁気エンコーダの耐久性,耐摩耗性に優れ、生産性にも優れた軸受のシール装置を提供する。
【解決手段】転がり軸受のである内方部材1の外径面に嵌合した磁気エンコーダ10と、外方部材2の内径面に嵌合して磁気エンコーダ10に摺接するシール部材9とでなる。磁気エンコーダ10は、円筒部11aと立板部11bを有する芯金11、およびこの芯金11に取り付けられた多極磁石14からなる。多極磁石14は、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であって円周方向に交互に磁極を形成したものである。シール部材9は、シール板12およびこのシール板12に固着された弾性部材16からなる。この弾性部材16は、磁気エンコーダ10の芯金の円筒部に摺接するリップ16b,16c、および立板部11bに摺接するリップ16aを有する。
【選択図】 図13

Description

この発明は、軸受に装着されて回転検出機能およびシール機能を奏するシール装置に関し、例えば車輪用軸受におけるアンチロックブレーキシステムの車輪回転数の検出用の磁気エンコーダ等を備えたシール装置に係る。
従来、自動車のスキッドを防止するためのアンチスキッド用回転検出装置として、次のような構造が多く用いられている。すなわち、前記回転検出装置は歯付ローターと感知センサからなっており、その際、軸受を密封するシール装置よりそれぞれ離間させて配置し、一つの独立した回転検出装置を構成しているものが一般的である。
このような従来例は、回転軸に嵌合された歯付ローターを、ナックルに取付られた回転検出センサで感知検出する構造を持ち、使われている軸受は、その側部に独立して設けられたシール装置によって、水分あるいは異物の侵入から守られる。
その他の例として特許文献1には、回転検出装置の装着スペースを削減せしめ感知性能を飛躍的に向上させることを目的として、車輪回転検出のための回転検出装置を有したベアリングシールにおいて、そこに使用するスリンガーの径方向に磁性粉の混入された弾性部材を周状に加硫成形接着し、そこに交互に磁極を配設した構造が示されている。
また、特許文献2には、軸方向の寸法を小さくし、回転部材と固定部材との間の密閉度を良好にし、容易に取り付け可能にすることを目的として、回転部材と固定部材との間がシールされ、この回転部材に回転ディスクが取り付けられ、その回転ディスクに多極化されたコーダが取り付けられたコーダ内蔵密閉構造としたものが示されている。使用するコーダは、磁性粒子を添加したエラストマーからなるものが用いられ、このコーダの側面を固定部材の側面とほぼ同一平面としたシール手段とされている。
磁性粉や磁性粒子を含有するプラスチック(プラストマー) 製のコーダは、やはり従来の射出成形や圧縮成形等のように、製品形状に適応した金型を使用して賦形したり、つまり金型どおりの形に成形したり、 T形のダイスを用いた押出し成形やカレンダー成形のようなシート成形でシートを成形し打ち抜き加工などにより製品形状にして、その後、金属基板上に接着剤などで接着固定し製作してもよい。またこの場合、インサート成形のようにあらかじめ金型内に金属基板を組込んでおき、その後、溶融樹脂を流し入れて接着工程を同時加工して製作してもよい。
特許第2816783号公報 特開平6−281018号公報 特開昭63−115008号公報 特開昭63−300910号公報
しかしながら、上記従来例のうち、特許文献1や特許文献2に示されるベアリングシールにおいては、そこに使用するスリンガーの径方向に磁性粉の混入された弾性部材を周状に加硫成形接着したり、または多極化されたコーダが取り付けられたコーダ内蔵密閉構造としてそのコーダを磁性粒子が添加したエラストマーにしようとすると、磁性粉や磁性粒子を保持するためのバインダとなるエラストマーや弾性部材成分が必要になる。しかしエラストマーや弾性部材成分をバインダに用いる場合、コーダ形状に賦形前に必ず磁性粉や磁性粒子とエラストマーや弾性部材の混練による分散工程が必要になるが、この工程ではコーダ中のバインダ成分に対する磁性粉や磁性粒子の相対含有率(体積分率)が上げにくいため、磁気センサに安定してセンシングされる磁力を得ようとするにはコーダの厚み寸法を厚くする必要があった。
また、 磁性粉や磁性粒子の含有する弾性部材やエラストマー製のコーダの成形は、 射出成形や圧縮成形等のように製品形状に適応した金型を使用して賦形し、また加硫工程が必要な場合は金型内に必要とされる加硫時間だけ、加圧しながら保持しなければならず、生産上多くの工程を必要とした。
さらに磁性粉や磁性粒子の含有する弾性部材やエラストマー製のコーダは、例えば車輪回転検出のための回転検出装置を有したベアリングシールにおいて、回転検出装置の装着スペースを削減せしめ、かつ感知性能を飛躍的に向上させるために、そこに使用するスリンガーの軸方向で近接かつ相対した部位に感知センサを配置しなければならない。しかしこの場合、車両走行中に回転側のベアリングシール表面と固定側の感知センサ表面の間隙に、砂粒などの異物粒子が侵入し噛み込まれると、弾性部材やエラストマー製のコーダ表面は摩耗などによる激しい損傷が認められることがあった。
磁性粉や磁性粒子の含有するプラスチック(プラストマー)製のコーダの場合、上述した従来の射出成形や圧縮成形やT形ダイスを用いた押出し成形やカレンダー成形のようなシート成形、およびインサート成形で製造しようとすると、やはり磁性粉や磁性粒子を保持するためのバインダとなる合成樹脂成分が必要になる。しかし合成樹脂成分をバインダに用いる場合も、従来はエラストマーなどと同様に、コーダ形状に賦形前に必ず磁性粉や磁性粒子とプラストマーや弾性部材の混練による分散工程が必要になる。 やはりこの工程では、コーダ中のバインダ成分に対する磁性粉や磁性粒子の相対含有率(体積分率)が上げにくいため、磁気センサに安定してセンシングされる磁力を得ようとするにはコーダの厚み寸法を厚くする必要があった。また、このように磁性粉や磁性粒子とプラストマーや弾性部材を従来の製造法で混練して製作した成形前材料を、金型内に射出( インジェクション)したり圧縮(コンプレッション)してコーダに賦形する時、またインサート成形などで賦形する時に、材料中に含有される磁性粒子成分は金属の酸化物であるため硬くて量産製造的には金型や成形機の摩耗が問題となり、また磁性粒子成分の含有が高い成形前材料は溶融粘度が高くなり、成形圧力や金型型締力などを上げるなど、成形上の負荷が大きくなるなどの問題があった。
T形ダイスを用いた押出し成形やカレンダー成形のようなシート成形の場合でも、材料中に含有される磁性粒子成分は金属酸化物で硬いため、量産製造的にはT形ダイスやカレンダー成形機のロールの摩耗が問題となった。
この発明の目的は、部品点数を増やすことなく、コンパクトな構成で回転検出が行え、シール効果にも優れ、かつ回転検出のための磁気エンコーダの耐久性,耐摩耗性に優れ、生産性にも優れた軸受のシール装置を提供することである。
この発明のシール装置は、回転側輪および固定側輪の対向する軌道面間に転動体を介在させた転がり軸受の空間を密封するシール装置であって、前記回転側輪に嵌合した磁気エンコーダと、固定側輪に嵌合して前記磁気エンコーダに摺接するシール部材とでなる。
前記磁気エンコーダは、円筒部とその一端から径方向へ延びる立板部を有し前記回転側輪に嵌合する芯金、およびこの芯金の前記立板部の外向きの面に沿って取り付けられた多極磁石からなり、前記多極磁石が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であって円周方向に交互に磁極を形成したものである。
前記シール部材は、シール板およびこのシール板に固着された弾性部材からなり、前記シール板は前記固定側輪に嵌合する円筒部、およびこの円筒部の前記磁気エンコーダ芯金の立板部とは反対側の端部から径方向へ延びる立板部を有し、前記弾性部材は前記磁気エンコーダの芯金の円筒部に摺接するリップおよび立板部に摺接するリップを有するものである。
前記磁気エンコーダは、前記芯金の前記立板部の外径縁に設けられた加締部により前記多極磁石を前記芯金に固定したものであっても良い。
この構成のシール装置は、軸受内に装着され、多極磁石に磁気センサを対面させて回転検出に使用される。軸受の回転側輪が回転すると、この回転側輪に取付けられた磁気エンコーダの回転により、多極磁石の各磁極の通過が磁気センサで検出され、パルスのかたちで回転が検出される。上記多極磁石は、磁性粉の混入した焼結体からなるため、安定したセンシングの得られる磁力が確保でき、耐摩耗性にも優れ、また加締や圧入などの組付け方法で金属製の芯金と多極磁石とを一体化できるため、固定法としても優れたものとなる。またシール装置の構成要素を磁気エンコーダとしたため、部品点数を増やすことなく、回転検出が行える。シール機能においても、磁気エンコーダの芯金における円筒部に摺接するリップおよび立板部に摺接するリップを有するため、優れたシール効果が得られる。
前記多極磁石は、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であるため、より詳しくは次の各利点が得られる。
(1) .従来のエラストマーやプラストマーに比べて磁性粉比率を高くすることができ、そのため、単位体積あたりの磁力を大きくすることができる。これにより検出感度の向上、薄肉化が可能になる。
(2) .従来の焼結磁石である磁性粉のみを焼結したものに比べて、バインダとなる非磁性金属粉の存在のために割れ難い。
(3) .従来のエラストマー等に比べて表面が硬いため、耐摩耗性に優れ、また損傷し難い。
(4) .従来のエラストマー等に比べて、生産性に優れる。
上記磁性粉と非磁性金属粉とは、予め決められた配合比で粉体混合機を用いて混合し、この混合粉を常温下、金型内で加圧成形して圧粉体を得る。
このとき、非磁性金属粉をバインダとして磁性粉を混入した混合磁性粉からなる焼結体は、その非磁性金属粉と磁性粉の組成比を調整しながら粉体混合機で分散させた粉体同士のドライブレンドができるため、焼結体中の磁性粉の相対的な含有率(体積分率)を上げられる。このため、磁気センサに安定してセンシングされる磁力が容易に得られ、多極磁石を厚くする必要がない。
しかも、多極磁石とする焼結体の製造においても、粉体同士のドライブレンドによる混合粉の焼結成形法は、従来のエラストマーや弾性部材の場合の射出成形や圧縮成形に比べて加硫工程などがなく、また成形上の負荷が少ないため、生産工程を大幅に簡略化することができる。また、焼結加工での圧粉体の成形の場合、エラストマーや弾性部材の射出成形や圧縮成形に比べ、金型の摩耗などの問題は生じない。
また、この多極磁石とする焼結体の芯金への取付けは、簡便な加締加工や、圧入加工等の機械的固定法で行えることから、たとえ高低温環境下で過酷な条件にさらされても信頼性を保持することができる。
上記のように芯金に取付けられた焼結体に、円周方向に交互に磁極を着磁して多極磁石とする。
この発明のシール装置は、これを装着する前記転がり軸受が、複列の軌道面を内周に形成した固定側輪と、この固定側輪の各軌道面と対向する軌道面を形成した回転側輪と、これら両軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受であっても良い。
車輪用軸受は、一般に路面の環境下にさらされた状態となり、磁気エンコーダとこれに対面させる磁気センサとの間に砂粒等の粒子が噛み込むことがあるが、この噛み込みに対して、次のように保護される。
すなわち、磁性粉と非磁性金属粉とからなる焼結体の多極磁石の表面硬度は、従来の磁性粉や磁性粒子の含有する弾性部材やエラストマー製のコーダに比べて硬い。そのため、車輪回転検出のための磁気エンコーダを有した車輪用軸受において、車両走行中に回転側の多極磁石の表面と固定側の磁気センサの表面との間隙に、砂粒などの粒子が噛み込まれても、多極磁石の摩耗損傷に大幅な低減効果がある。
この発明のシール装置は、回転側輪および固定側輪の対向する軌道面間に転動体を介在させた転がり軸受における前記回転側輪に嵌合した磁気エンコーダと、前記固定側輪に嵌合して前記磁気エンコーダに摺接するシール部材とでなり、前記磁気エンコーダは、円筒部とその一端から径方向へ延びる立板部を有し前記固定側輪に嵌合する芯金、およびこの芯金の前記立板部の外向きの面に沿って取り付けられた多極磁石からなり、前記多極磁石が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であって円周方向に交互に磁極を形成したものであり、前記シール部材は、シール板およびこのシール板に固着された弾性部材からなり、前記シール板は前記固定側輪に嵌合する円筒部、およびこの円筒部の前記磁気エンコーダ芯金の立板部とは反対側の端部から径方向へ延びる立板部を有し、前記弾性部材は前記磁気エンコーダの芯金の円筒部に摺接するリップおよび立板部に摺接するリップを有するものであるため、部品点数を増やすことなく、コンパクトな構成で回転検出が行え、シール効果にも優れ、かつ回転検出のための磁気エンコーダの耐久性,耐摩耗性に優れ、生産性にも優れたものとなる。
この発明の第1の実施形態にかかる軸受のシール装置を、図1ないし図3と共に説明する。図1に示すように、磁気エンコーダ10は、金属製の環状の芯金11と、この芯金11の表面に周方向に沿って設けられた多極磁石14とを備える。多極磁石14は周方向に多極に磁化され、交互に磁極N,Sが形成された部材であり、多極に磁化された磁気ディスクからなる。磁極N,Sは、ピッチ円直径PCD(図2)において、所定のピッチpとなるように形成されている。この磁気エンコーダ10は、回転部材(図示せず)に取付けられ、図3に示すように多極磁石14に磁気センサ15を対面させて回転検出に使用されるものであり、磁気エンコーダ10と磁気センサ15とで回転検出装置20が構成される。同図は、軸受のシール装置5を示す。磁気エンコーダ10は、軸受の回転側の軌道輪に取付けられる。シール装置5は、磁気エンコーダ10と、固定側のシール部材9とで構成される。シール装置5の具体構成については後に説明する。
多極磁石14に混入する磁性粉としては、バリウム系およびストロンチウム系などの等方性または異方性フェライト粉であっても良い。これらのフェライト粉は顆粒状粉体であっても、湿式異方性フェライトコアからなる粉砕粉であっても良い。この湿式異方性フェライトコアからなる粉砕粉を磁性粉とした場合、非磁性金属粉との混合粉を磁場中で成形された異方性のグリーン体とする必要がある。
また、磁性粉は希土類系磁性材料であっても良い。例えば希土類系磁性材料であるサマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉やネオジウム鉄(NdFeB)系磁性粉のそれぞれ単独磁性粉であっても良い。また、磁性粉はマンガンアルミ(MnAl)ガスアトマイズ粉であっても良い。
また、上記磁性粉は、サマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉、ネオジウム鉄(NdFeB)系磁性粉、およびマンガンアルミ(MnAl)ガスアトマイズ粉のいずれか2種以上を混合させたものであっても良い。例えば、上記磁性粉はサマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉とネオジウム鉄(NdFeB)系磁性粉とを混合させたもの、マンガンアルミガスアトマイズ粉とサマリウム鉄系磁性粉とを混合させたもの、およびサマリウム鉄系磁性粉とネオジウム鉄系磁性粉とマンガンアルミガスアトマイズ粉とを混合させたもの、のいずれかであっても良い。
また、例えば、フェライト分だけでは磁力が足りない場合に、フェライト粉に希土類系磁性材料であるサマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉やネオジウム鉄(NdFeB)系磁性粉を必要量だけ混合し、磁力向上を図りつつ安価に製作することもできる。
また、多極磁石14を形成する非磁性金属粉には、スズ、銅、アルミ、ニッケル、亜鉛、タングステン、マンガンなどの粉体、または非磁性のステンレス系金属粉のいずれか単独(1種)の粉体、もしくは2種以上からなる混合した粉体、もしくは2種以上からなる合金粉末を使用することができる。
磁性粉および非磁性金属粉はいずれも平均粒径で10μm以上150μm以下が良く、好ましくは20μm以上130μm以下が好適である。これら粉体のいずれか一方または両方の平均粒径が10μmより小さいと、混合粉にして常温下、金型内で加圧成形して圧粉体を得ようとしても、金型内にうまく混合粉が流れ込まないことがあり、所定形状の圧粉体を形成できない。また、これら粉体のいずれか一方または両方の平均粒径が150μmより大きいと、混合粉にして常温下、金型内で加圧成形して圧粉体を得ようとしても、圧粉体強度が出ないために、金型から脱型できず成形できない。
上述した平均粒径範囲の磁性粉と非磁性金属粉を予め決められた配合比で粉体混合機を用いて混合し、この混合粉を常温下、金型内で加圧成形することにより圧粉体を得る。
多極磁石14を形成する混合粉中の配合において、磁性粉でない非磁性金属粉の体積配合率は、1vol %以上で90vol %以下が良いが、望ましくは5vol %以上85vol %以下、さらに望ましくは10vol %以上80vol %以下が良い。
磁性粉でない非磁性金属粉の体積含有率が1vol %よりも少ないと、金属バインダとして非磁性金属粉が少ないため、焼結後得られた多極磁石14は、硬いが脆い。このため、後述するように、多極磁石14とする焼結体を芯金11上に加締加工や圧入加工などで機械的に固定しようとしても、割れてしまう。また、金属バインダとして少なすぎるために、圧粉体が成形できない場合がある。
磁性粉でない非磁性金属粉の体積含有率が90vol %より多いと、相対的に磁性成分が少ないため、焼結後、得られた多極磁石14の着磁強度を大きくできず、磁気エンコーダ10に所望される安定したセンシングの得られる磁力を確保することができない。
焼結後得られた多極磁石14の線膨張係数は、0.5×10-5以上で9.0×10-5以下が良いが、望ましくは0.8×10-5以上で7×10-5以下、さらに望ましくは0.9×10-5以上で5×10-5以下が良い。
芯金11の材質となる金属材料の線膨張係数は、たとえばステンレス鋼(JIS規格のSUS430)の場合、1.0×10-5である。多極磁石14の線膨張係数が0.5×10-5より大きい場合、もしくは9×10-5より小さい場合、芯金11の材質となる金属材料との線膨張係数の差が大きいため、高低温環境下で使用されときの寸法変化量の差が大きくなり、多極磁石14と芯金11が干渉して多極磁石14が破損する場合がある。また、多極磁石14と芯金11の固定が確保できなくなる。
圧粉体作成にあたり、磁性粉と非磁性金属粉の配合時に、例えば、ステアリン酸亜鉛などのような潤滑剤を添加して圧粉体成形性を改善することもできる。
これらの圧粉体(グリーン体)は、5〜30vol %の空孔を持つことが望ましい。好ましくは12〜22vol %、さらに好ましくは14〜19vol %である。空孔率が5vol %より少ない場合、成形圧力を除圧する際に原料粉の弾性変形の回復により生じるスプリングバックにより、圧粉体(グリーン体)が破損する可能性がある。また、空孔が30vol %よりも多い場合、焼結体の機械的強度が弱くなるため、後述するように、芯金11上に加締加工や圧入加工などで機械的に固定しようとしても割れてしまう。また、粒子間の密着不足により、圧粉体(グリーン体)が成形できない場合がある。
磁性粉および非磁性金属粉は高価であることから、板厚は薄い方が好ましい。圧縮成形性およびハンドリングから、好ましい板厚は0.3mm〜5mm、さらに好ましくは0.6mm〜3mmである。板厚が0.3mmよりも薄い場合、金型内への充填が困難であり、グリーン成形体が得難い。また、得られたグリーン成形体もハンドリング時に破損してしまう可能性があるので好ましくない。一方、グリーン成形体の板厚が10mmよりも厚い場合、成形性やハンドリングは向上するが、コスト面では不利となる。また、厚すぎるとグリーン成形体の密度むらが発生しやすくなり、焼成後の変形が生じやすくなるという問題がある。これらの点から、板厚は0.3mm〜5mmが好ましい。
得られたグリーン成形体は、図4のように炉内で加熱焼結することで、ディスク形状の焼結体とされる。この炉内での加熱焼結は、大気中、電気炉で行っても良く、また真空炉により、または不活性ガスを流入しながらプッシャー炉、もしくはイナート炉で行っても良い。
磁気エンコーダ10を形成する焼結体は、防錆処理のために、例えば図5のように防錆被膜22を施しても良い。この防錆被膜22は換言すれば防食被膜である。この防錆被膜22には、クリヤー系の高防食性塗料を用いることができる。この塗料は芯金11と焼結体間の接着剤としての効果も期待でき、また焼結多孔質体表層の空孔内部に浸入し、クリヤー塗膜成分のアンカー効果により表面で好適に保持され、長期間の使用においても防錆被膜層として良好な密着性を維持することができる。
クリヤー系の高防食性塗料としては、変性エポキシ塗料、変性エポキシフェノール硬化タイプ塗料、エポキシメラミン系塗料、アクリル系塗料などが挙げられる。これらの中で、とくに変性エポキシフェノール硬化系およびエポキシメラミン系のクリヤー系塗料が好適である。
また、脂肪または洗浄した焼結体にクリヤーを真空含浸、デッピング(浸漬)、吹付け(スプレー)塗装、静電塗装等の方法によって塗布し、自然または強制的に風乾して焼結体に付着したクリヤー中の溶剤成分を除去し、所定の焼付条件(温度・時間)でクリヤー層を焼結体上に焼付けることで、図5のように、多極磁石14の表面に防錆被膜22を形成しても良い。この防錆被膜22は、磁気エンコーダ10全体の表面に形成しても良い。この磁気エンコーダ10を例えば車輪用軸受に取付ける場合、上記のように形成された防錆(食)被膜の膜厚は、車輪用軸受として要求される耐食性能を満足できる厚みであれば特に制限されないが、望ましくは0.5μm以上が良い。
車輪用軸受として使用されるとき、上記磁気センサ15と磁気エンコーダ10表面の間隙に砂粒などを噛み込むと、磁気エンコーダ10表面に傷を付けることがある。被膜の厚みが0.5μmより薄いと、その傷は基材である焼結体まで到達してしまい、そこからの錆の発生が防止できないことがある。
芯金11の材質となる金属は、磁性体、特に強磁性体となる金属が好ましく、例えば磁性体でかつ防錆性を有する鋼板が用いられる。このような鋼板として、フェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や、防錆処理された圧延鋼板等を用いることができる。
芯金11の形状は、種々の円環状の形状とできるが、多極磁石14を固定できる形状が好ましい。特に、加締固定や嵌合固定等の機械的な固定が行える形状が好ましい。
加締固定の場合、芯金11は、例えば図1(B)に示すように、嵌合側となる内径側の円筒部11aと、その一端から外径側へ延びる立板部11bと、外径縁の他筒部11cとでなる断面概ね逆Z字状の円環状とする。
円筒部11a、立板部11b、および他筒部11cは、鋼板等の金属板から一体にプレス成形されたものである。立板部11bは平坦に形成されており、その平坦な立板部11bの表面に重ねて多極磁石14の未着磁の焼結体を組み込み、外周縁の他筒部11cを加締めることで、芯金11の立板部11bに重なり状態に多極磁石14が固定される。上記他筒部11cは、その断面における先端側部分または略全体が、加締部となる。また、この加締部は、芯金11の円周方向の全周に渡って延び、したがって円環状となっている。多極磁石14の加締部である他筒部11cにより固定される部分は、多極磁石14の被検出面となる表面よりも凹む凹み部14aとなっていて、芯金11の加締部である他筒部11cが、多極磁石14の被検出面となる表面から突出しないようにされている。上記凹み部14aは、多極磁石14の被検出面となる表面よりも若干背面側に後退した段差部として形成されている。多極磁石14の外周縁における凹み部14aよりも裏面側の部分は、断面が円弧状の曲面とされ、この曲面部分に沿うように、他筒部11cの加締部分が形成される。加締固定は、図5に断面図で示すように、多極磁石14の外周部を全周にわたって加締固定してもよい。
また、加締固定は、図6,図7に断面図および正面図で示すように行っても良い。この例では、芯金11を図1の例と同じく、内径側の円筒部11aと、その一端から外径側へ延びる立板部11bと、その外径縁の円筒状の他筒部11cとでなる断面概ね逆Z字状の円環状としている。その他筒部11cにおける周方向の複数箇所に、ステーキング等によって、内径側へ突出状態に塑性変形させた塑性変形部11caを設け、その塑性変形部11caにより多極磁石14を芯金11の立板部11bに固定している。この例においても、多極磁石14の塑性変形部11caにより固定される部分は、多極磁石14の被検出面となる表面よりも凹む凹み部14bとなっていて、これにより塑性変形部11caが多極磁石14の被検出面となる表面に突出しないように成されている。凹み部14bは、外径側に至に従って表面から背面側へ近づく傾斜面14bとされている。
図1および図6に示す各例において、芯金11は、図8のように、立板部11bが、内周側部分11baと外周側部分11bbとで互いに軸方向にずれた段付き形状を成すものとしても良い。図8において、図示は省略するが、多極磁石14は、図1などの例と同様に立板部11bにおける他筒部11cの突出側の面に配置される。
さらに、図9に示すように、上記各例と同様に断面概ね逆Z字状とされた芯金11において、その他筒部11cの端縁における円周方向複数箇所に舌片状の爪部11cbを設け、この舌片状爪部11cbを矢印のように内径側へ塑性変形させることにより、つまり加締ることにより、多極磁石14を芯金11に固定しても良い。多極磁石14は、図1などの例と同様に立板部11bにおける他筒部11cの突出側の面に配置される。この例においても、図8の例と同様に、立板部11bを段付き形状としている。立板部11bを段付きとした場合、多極磁石14の立板部11b側の側面形状は、図9(B)に示すように、立板部11bの段付き形状に沿った側面形状としてもよい。
なお、圧入固定の場合、例えば図10に示すように、芯金11を、内径側の円筒部11aと、その一端から外径側へ延びる立板部11b”とでなる断面L字状の円環状とする。円筒部11aと立板部11b”とは、鋼板等の金属板から一体にプレス成形されたものである。立板部11b”は平坦に形成されており、その平坦な立板部11b”まで、多極磁石14となるディスク状の焼結体を円筒部11aの外周に圧入して固定する。立板部11b”の高さは、多極磁石14の内周部付近が当たる高さとされる。
また、上記各例では芯金11を鋼板プレス成形品製としたが、図11に示すように、芯金11は、鋼材等の削り出し品からなるものとしても良い。同図の例の芯金11は立板部11bの溝部11baを切削加工溝としている。
上記のように金属環状部材である芯金11に周方向に沿って設けられた混合磁性粉焼結磁石ディスクは、周方向に多極に着磁することにより多極磁石14となり、この多極磁石14と芯金11とで磁気エンコーダ10が構成される。この場合に、非磁性金属粉をバインダとして磁性粉を混入した混合磁性粉焼結磁石ディスク(焼結体)は、その非磁性金属粉と磁性粉の組成比を調整しながら粉体混合機で分散させることで粉体同士のドライブレンドとすることができる。そのため焼結体中の磁性粉の相対的な含有率(体積分率)を上げられる。したがって、磁気センサ15(図3)に安定してセンシングされる磁力が容易に得られ、多極磁石14を厚くする必要がない。
この構成の磁気エンコーダ10は、図3と共に前述したように、多極磁石14に磁気センサ15を対面させて回転検出に使用される。磁気エンコーダ10を回転させると、多極磁石14の多極に磁化された各磁極N,Sの通過が磁気センサ15で検出され、パルスのかたちで回転が検出される。磁極N,Sのピッチp(図2)は細かく設定でき、例えばピッチpが1.5mm、ピッチ相互差±3%という精度を得ることもでき、これにより精度の高い回転検出が行える。ピッチ相互差は、磁気エンコーダ10から所定距離だけ離れた位置で検出される各磁極間の距離の差を目標ピッチに対する割合で示した値である。磁気エンコーダ10が図3のように軸受のシール装置5に応用されたものである場合、磁気エンコーダ10の取付けられた軸受の回転が検出されることになる。
多極磁石14は、磁性粉の混入した焼結体(混合磁性粉焼結ディスク)からなるため、次に示すように、安定したセンシングの得られる磁力を確保しながら薄肉化できて、磁気エンコーダ10のコンパクト化が図れるうえ、耐摩耗性に優れ、また生産性にも優れたものとなる。
さらに、多極磁石14の表面硬度は、従来の磁性粉や磁性粒子の含有する弾性部材やエラストマー製のコーダに比べて硬い。そのため、車輪回転検出のための回転検出装置20に応用した場合に、車両走行中に回転側の多極磁石14の表面と固定側の磁気センサ15の表面の間隙に、砂粒などの粒子が噛み込まれても、多極磁石14の摩耗損傷が生じ難く、従来の弾性体製としたものに比べて、摩耗の大幅な低減効果がある。
なお、金属環状部材である芯金11に周方向に沿って設けられた多極磁石14となる混合磁性粉焼結磁石ディスク表面の平坦度は、200μm以下が良いが、望ましくは100μm以下が良い。ディスク表面の平坦度が200μmより上である場合、磁気センサ15とディスク面の間隙(エアギャップ)が、磁気エンコーダ10の回転中に変化することで、センシング精度を悪化させてしまう。
同様の理由で、磁気エンコーダ10の回転中における、混合磁性粉焼結磁石ディスク表面の面振れも、200μm以下が良く、望ましくは100μm以下が良い。
つぎに、この磁気エンコーダ10を備えた車輪用軸受の一例、およびそのシール装置5の例を、図12,図13と共に説明する。図12に示すように、この車輪用軸受は、回転側輪である内方部材1、および固定側輪である外方部材2と、これら内外の部材1,2間に収容される複数の転動体3と、内外の部材1,2間の端部環状空間を密封するシール装置5,13とを備える。一端のシール装置5は、磁気エンコーダ10付きのものである。内方部材1および外方部材2は、転動体3の軌道面1a,2aを有しており、各軌道面1a,2aは溝状に形成されている。内方部材1および外方部材2は、各々転動体3を介して互いに回転自在となった内周側の部材および外周側の部材のことであり、軸受内輪および軸受外輪の単独であっても、これら軸受内輪や軸受外輪と別の部品とが組合わさった組立部材であっても良い。また、内方部材1は、軸であっても良い。転動体3は、ボールまたはころからなり、この例ではボールが用いられている。
この車輪用軸受は、複列の転がり軸受、詳しくは複列のアンギュラ玉軸受とされていて、その軸受内輪は、各転動体列の軌道面1a,1aがそれぞれ形成された一対の分割型の内輪18,19からなる。これら内輪18,19は、ハブ輪6の軸部の外周に嵌合し、ハブ輪6と共に上記内方部材1を構成する。なお、内方部材1は、上記のようにハブ輪6および一対の分割型の内輪18,19からなる3部品の組立部品とする代わりに、ハブ輪6および片方の内輪18が一体化された軌道面付きのハブ輪と、もう片方の内輪19とで構成される2部品からなるものとしても良い。
ハブ輪6には、等速自在継手7の一端(例えば外輪)が連結され、ハブ輪6のフランジ部6aに車輪(図示せず)がボルト8で取付けられる。等速自在継手7は、その他端(例えば内輪)が駆動軸に連結される。
外方部材2は、軸受外輪からなり、懸架装置におけるナックル等からなるハウジング(図示せず)に取付けられる。転動体3は各列毎に保持器4で保持されている。
図13は、磁気エンコーダ付きのシール装置5を拡大して示す。このシール装置5は、図3に示したものと同じであり、その一部を前述したが、図13において、詳細を説明する。このシール装置5は、磁気エンコーダ10またはその芯金11がスリンガとなり、内方部材1および外方部材2のうちの回転側の部材に取付けられる。この例では、回転側の部材は内方部材1であるため、磁気エンコーダ10は内方部材1に取付けられる。
このシール装置5は、内方部材1と外方部材2に各々取付けられた第1および第2の金属板製の環状のシール板(11),12を有する。第1のシール板(11)は、上記磁気エンコーダ10における芯金11のことであり、以下、芯金11として説明する。磁気エンコーダ10は、図1ないし図3と共に前述したものであり、その重複する説明を省略する。この磁気エンコーダ10における多極磁石14に対面して、同図のように磁気センサ15を配置することにより、車輪回転速度の検出用の回転検出装置20が構成される。
第2のシール板12は、上記シール部材9(図3)を構成する部材であり、円筒部10aとその一端から内径側へ延びる立板部12bとでなる。第2のシール板12は、第1のシール板である芯金11の立板部11bに摺接するサイドリップ16aと円筒部11aに摺接するラジアルリップ16b,16cとを一体に有する。これらリップ16a〜16cは、第2のシール板12に加硫接着された弾性部材16の一部として設けられている。これらリップ16a〜16cの枚数は任意で良いが、図13の例では、1枚のサイドリップ16aと、軸方向の内外に位置する2枚のラジアルリップ16c,16bとを設けている。第2のシール板12は、固定側部材である外方部材2との嵌合部に弾性部材16を抱持したものとしてある。すなわち、弾性部材16は、円筒部12aの内径面から先端部外径までを覆う先端覆い部16dを有するものとし、この先端覆い部16dが、第2のシール板12と外方部材2との嵌合部に介在する。
第2のシール板12の円筒部12aと第1のシール板である芯金11の他筒部11cとは僅かな径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシール17を構成している。
この構成の車輪用軸受によると、車輪と共に回転する内方部材1の回転が、この内方部材1に取付けられた磁気エンコーダ10を介して、磁気センサ15で検出され、車輪回転速度が検出される。
磁気エンコーダ10は、シール装置5の構成要素としたため、部品点数を増やすことなく、車輪の回転を検出することができる。車輪用軸受は、一般に路面の環境下にさらされた状態となり、磁気エンコーダ10とこれに対面させる磁気センサ15との間に砂粒等の粒子が噛み込むことがあるが、上記のように磁気エンコーダ10の多極磁石14は焼結体からなるものであって硬質であるため、多極磁石14の表面の摩耗損傷は従来の弾性体製のものに比べて大幅に低減される。また車輪用軸受5における軸受端部の空間は、周辺に等速ジョイント7や軸受支持部材(図示せず)があって限られた狭い空間となるが、磁気エンコーダ10の多極磁石14が上記のように薄肉化できるため、回転検出装置20の配置が容易になる。
内外の部材1,2間のシールについては、第2のシール板12に設けられた各シールリップ16a〜16cの摺接と、第2のシール板12の円筒部12aに第1のシール板である芯金11の他筒部11cが僅かな径方向隙間で対峙することで構成されるラビリンスシール17とで得られる。
なお、図12および図13に示す車輪用軸受では、磁気エンコーダ10の芯金11を、図1の形状のものとした場合について示しているが、磁気エンコーダ10として図6〜図11に示した各例のものを用いても良い。
(A)はこの発明の第1の実施形態にかかるシール装置における磁気エンコーダの部分斜視図、(B)は同磁気エンコーダの組立過程を示す部分斜視図である。 同磁気エンコーダを正面から示す磁極の説明図である。 同磁気エンコーダを備えたシール装置と磁気センサとを示す部分破断正面図である。 グリーン体を焼結体とする工程図である。 この発明の他に実施形態における磁気エンコーダの部分斜視図である。 この発明のさらに他に実施形態における磁気エンコーダの部分斜視図である。 同磁気エンコーダの正面図である。 芯金の変形例の部分断面図である。 (A),(B)は、それぞれ芯金の他の変形例、およびその芯金を用いた磁気エンコーダの部分斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態における磁気エンコーダの部分斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態における磁気エンコーダの部分斜視図である。 第1の実施形態にかかる軸受のシール装置を備えた車輪用軸受の全体の断面図である。 同車輪用軸受の部分断面図である。
符号の説明
1…内方部材(回転側輪)
2…外方部材(固定側輪)
3…転動体
5…シール装置
10…磁気エンコーダ
11…芯金
11a…円筒部
11b…立板部
11c…他筒部
12…シール板
12a…円筒部
12b…立板部
14…多極磁石
15…磁気センサ
16a…サイドリップ
16b,16c…ラジアルリップ
20…回転検出装置

Claims (3)

  1. 回転側輪および固定側輪の対向する軌道面間に転動体を介在させた転がり軸受の空間を密封するシール装置であって、前記回転側輪に嵌合した磁気エンコーダと、前記固定側輪に嵌合して前記磁気エンコーダに摺接するシール部材とでなり、
    前記磁気エンコーダは、円筒部とその一端から径方向へ延びる立板部を有し前記固定側輪に嵌合する芯金、およびこの芯金の前記立板部の外向きの面に沿って取り付けられた多極磁石からなり、前記多極磁石が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体であって円周方向に交互に磁極を形成したものであり、
    前記シール部材は、シール板およびこのシール板に固着された弾性部材からなり、前記シール板は前記固定側輪に嵌合する円筒部、およびこの円筒部の前記磁気エンコーダ芯金の立板部とは反対側の端部から径方向へ延びる立板部を有し、前記弾性部材は前記磁気エンコーダの芯金の円筒部に摺接するリップおよび立板部に摺接するリップを有するものであることを特徴とする軸受のシール装置。
  2. 請求項に1おいて、前記磁気エンコーダは、前記芯金の前記立板部の外径縁に設けられた加締部により前記多極磁石を前記芯金に固定したものであるシール装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記転がり軸受は、複列の軌道面を内周に形成した固定側輪と、この固定側輪の各軌道面と対向する軌道面を形成した回転側輪と、これら両軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受であるシール装置。
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