JP2005121161A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置サイズの拡大を抑制しつつ、過大な荷重が入力しても、ゴム弾性体に予備圧縮量を越える圧縮変形が生じることを防止し、かつ液体が飛散する環境下で使用されても、ゴム弾性体上に液体が溜まることを防止する。
【解決手段】 ゴム弾性体18のストッパ部24には、内周側から外周側へ向って固定プレート32との隙間が徐々に広くなるストッパ当接面26が形成されている。これにより、ゴム弾性体18上に油、水等の液体が飛着しても、この液体がストッパ当接面26上を内周側から外周側へ流れ、ゴム弾性体18上から落下する。またゴム弾性体18が予備圧縮された状態で、ストッパ当接面26と固定プレート32との間に形成される隙間における最大幅WMAXが、ゴム弾性体の予備圧縮量(=DP)よりも小さくされている。これにより、過大な負荷荷重が入力しても、ゴム弾性体18に予備圧縮量以上の圧縮変形が生じる前にストッパ部24が固定プレート32に当接する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トラクターなどの農業用機械やブルドーザなどの建設用機械のキャビンマウント、あるいは産業用機械のエンジンマウントなどとして用いられる防振装置に関する。
エンジンマウント等として適用される防振装置としては、例えば、軸方向外側の他端部に外周側へ延出するフランジ部が形成された略円筒状の外筒と、この外筒の内周側に配置される略円筒状の内筒と、外筒と内筒との間に配置されたゴム弾性体とがそれぞれ設けられた一対の防振ゴムを備え、これら一対の防振ゴムの軸方向に沿った一端部どうしを互いに突き合わせつつ、一対のフランジ部間にエンジン側に固定されたブラケットを挟持すると共に、一対の防振ゴムを軸方向外側から一対の固定プレートにより挟持し、一対の内筒を挿通したボルト等により一対の車体側に固定された固定プレートに連結されて組み立てられるものが知られている。
図5には、上記のような構成を有する従来の防振装置の一例が示されている。この防振装置50は、例えば、車両におけるエンジンマウントとして適用され、エンジン及び車体の一方から入力する振動を減衰吸収し、他方への振動伝達を抑制するためのものである。
図5(A)に示されるように、防振装置50は、軸方向に沿って互いに対称的な構造及び形状を有する一対の防振ゴム52を備えている。この防振ゴム52には、外筒54と内筒56との間に配置されたゴム弾性体58が設けられている。ここで、外筒54には、その軸方向外側の他端部に外周側へ延出するフランジ部60が形成されており、内筒56は、その軸方向内側の一端部が軸方向に沿って外筒54におけるフランジ部60と一端部との間に位置し、その他端側が外筒54内から軸方向外側へ突出している。ゴム弾性体58は、外筒54における内周面及びフランジ部60にそれぞれ加硫接着されると共に、内筒56の外周面に加硫接着され、外筒54と内筒56とを弾性的に連結している。
防振装置50では、図5(B)に示されるように、上記のように構成された一対の防振ゴム52の軸方向一端部どうしを互いに突き合わつつ、一対のフランジ部60間にプレート状のブラケット62を挟持すると共に、一対の防振ゴム52が軸方向外側から一対の固定プレート64により挟持された状態とされる。ここで、ブラケット62は、車両におけるエンジン側に連結固定されている。また一対の固定プレート64は、それぞれ車両における車体側に連結固定されている。これら一対の固定プレート64には、それぞれ軸方向へ貫通する挿通穴66が穿設されている。
防振装置50は、図5(C)に示されるように、1本のボルト68が一方の固定プレート64の軸方向外側から一方の挿通穴66、一対の内筒56及び他方の挿通穴66内に挿入され、このボルト68の先端部にワッシャ70が嵌め込まれ、更にナット72がねじ込まれることより、組み立てられる。このとき、ナット70は、一対の防振ゴム52における内筒56の一端部どうしが互いに圧接した状態となるまで、ボルト68へねじ込まれる。これにより、一対の防振ゴム52におけるゴム弾性体58は、それぞれ軸方向に所定の予備圧縮量だけ圧縮され、軸方向に沿った荷重に対して所要の反力を発生できる状態となる。ここで、ゴム弾性体58の予備圧縮量は、一対の内筒56の一端どうしを互いに突き合わせたときの移動距離DP(図5(B)参照)と等しいものになる。
上記のような防振装置50では、一対の固定プレート64又はブラケット62を介して振動が入力すると、一対の防振ゴム52におけるゴム弾性体58がそれぞれ弾性変形して入力振動を減衰吸収することになる。
上記のような防振装置50では、例えば、固定プレート64又はブラケット62を介して過大な圧縮荷重(負荷荷重)が入力した場合、図6に示されるように、一方の防振ゴム52におけるゴム弾性体58に予備圧縮量を超える圧縮変形が生じる。このとき、他方の防振ゴム52におけるゴム弾性体58は、引張り方向へ変形(復元)して予備圧縮が消失する。このため、この他方の防振ゴム52に連結された固定プレート64はゴム弾性体58からの弾性的な反力を殆ど受けなくなり、振動入力に対して殆ど抵抗なく振動してしまう状態、すなわち、ブラケット62との間にガタが生じた状態となってしまう。
そこで、防振装置には、上記のような過大な荷重が入力した時のガタの発生を防止するため、図7や図8に示されるような構成を有するものもある。図7に示される防振装置80では、一対の固定プレート64の径方向に沿った両端部にそれぞれブラケット62側へ曲げられたストッパ部82を形成し、このストッパ部82とブラケット62との間隔DCを予備圧縮量(=DP)以下にすることにより、過大な荷重が入力した時にも、防振ゴム52におけるゴム弾性体58に予備圧縮量を超える圧縮変形が生じることを制限している。しかし、図7に示される防振装置80では、過大な荷重が入力した時に、ストッパ部82の先端がブラケット62へ衝突して衝撃や打音が発生する。
一方、図8に示される防振装置90では、図5に示される防振装置50と比較し、外筒54におけるフランジ部60上に加硫接着されたゴム弾性体58の一部分を固定プレート62側へ突出するストッパ部94とし、このストッパ部94の軸方向に沿った剛性及びストッパ部94と固定プレート62との間隔DSを適宜調整することにより、過大な荷重が入力した時に防振ゴム52におけるゴム弾性体58に予備圧縮量を超える圧縮変形が生じることを制限している。
ここで、防振ゴム90におけるストッパ部94には、エンジンマウント等としての使用時にストッパ部94の内周側の凹状部分96に油、水等が溜まり、ゴム弾性体58の劣化原因となることを防止するため、径方向に沿って複数本の溝部98が形成されている。このような溝部98は、ゴム弾性体58におけるストッパ部94の自由表面積を増加させる。これにより、負荷荷重に対するストッパ部94の剛性が低下し易くなり、この剛性低下を補償するためには、通常、ストッパ部94の径方向に沿ったサイズを外周側へ拡大する必要が生じる。このため、ストッパ部94に溝部98を形成した場合には、防振装置90の径方向に沿った外径寸法が不可避的に増加してしまうという問題が生じる。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、装置サイズの拡大を抑制しつつ、過大な荷重が入力しても、ゴム弾性体に予備圧縮量を越える圧縮変形が生じることを確実に防止でき、しかも液体が飛散する環境下で使用されても、ゴム弾性体上に液体が溜まることを防止できる防振装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る防振装置は、振動発生部と振動受部の一方にブラケット部材を介して連結され、軸方向外側の他端部に外周側へ延出するフランジ部が形成された略円筒状の外筒と、振動発生部と振動受部の他方に固定プレートを介して連結され、前記外筒の内周側に配置されると共に、軸方向内側の一端部が前記フランジ部と前記外筒の他端部との間に位置する略円筒状の内筒と、前記外筒と前記内筒との間に配置された吸振部及び、径方向に沿って前記吸振部の外周側に位置すると共に、軸方向に沿って前記フランジ部に重なり合うように形成されたストッパ部が一体的に形成されたゴム弾性体と、がそれぞれ設けられた一対の防振ゴムを備え、一対の前記防振ゴムの軸方向一端部どうしを互いに突き合わせつつ、一対の前記フランジ部間にブラケット部材を挟持すると共に、一対の前記防振ゴムを軸方向外側から一対の固定プレートにより挟持し、一対の前記内筒を挿通した締結部材により一対の固定プレートにそれぞれ連結すると共に、該一対の固定プレートにより前記内筒の軸方向一端部どうしが互いに当接するように前記ゴム弾性体を軸方向へ予備圧縮して組み立てられる防振装置であって、前記ストッパ部に、前記軸方向に沿って固定プレートに対向すると共に、内周側から外周側へ向って前記固定プレートとの隙間が徐々に広くなるスロープ状のストッパ当接面を形成し、しかも前記ゴム弾性体が予備圧縮された状態で、前記ストッパ当接面と固定プレートとの間に形成される隙間の最大幅を、前記ゴム弾性体の予備圧縮量よりも小さくしたことを特徴とする。
本発明に係る防振装置では、軸方向に沿って固定プレートに対向するようにゴム弾性体に設けられたストッパ部に、内周側から外周側へ向って固定プレートとの隙間が徐々に広くなるスロープ状のストッパ当接面を形成したことにより、ゴム弾性体上におけるストッパ部の内周側の部分に油、水等の液体が飛着しても、この液体がストッパ当接面上を内周側から外周側へ流れ、ゴム弾性体上から落下するので、装置が油、水等の液体が飛散する環境下で使用された場合にも、ゴム弾性体上に水が溜まってゴム弾性体の劣化を促進することを防止できる。
ここで、ゴム弾性体におけるストッパ部には、ゴム弾性体上に水が溜まることを防止するための溝等を形成する必要がないことから、溝等によりストッパ部の自由表面積が拡大せず、剛性低下も生じないので、ストッパ部の寸法を径方向へ拡大する必要もなくなる。
また本発明に係る防振装置では、ゴム弾性体が予備圧縮された状態で、ストッパ当接面と固定プレートとの間に形成される隙間における最大幅を、ゴム弾性体の予備圧縮量よりも小さくしたことにより、固定プレート又はブラケット部材を介して過大な負荷荷重が入力しても、ゴム弾性体に予備圧縮量以上の圧縮変形が生じる前に、ゴム弾性体におけるストッパ部が固定プレートに当接し、固定プレートに弾性的な反力を作用させる。従って、ストッパ部の軸方向に沿った負荷荷重に対する剛性を入力荷重の最大値に応じて適宜設定すると共に、この剛性に応じてストッパ当接面と固定プレートとの間に形成される隙間の幅を、ゴム弾性体の予備圧縮量より小さい範囲で適宜設定すれば、過大な荷重が入力した際にも、ゴム弾性体に予備圧縮量以上の圧縮変形が生じることを確実に防止できる。
以上説明したように本発明の防振装置によれば、装置サイズの拡大を抑制しつつ、過大な荷重が入力しても、ゴム弾性体に予備圧縮量を越える圧縮変形が生じることを確実に防止でき、しかも液体が飛散する環境下で使用されても、ゴム弾性体上に液体が溜まることを防止できる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10は、例えば、車両におけるエンジンマウントとして適用され、エンジン及び車体の一方から入力する振動を減衰吸収し、他方への振動伝達を抑制するためのものである。
図1(A)に示されるように、防振装置10は、軸方向に沿って互いに対称的な構造及び形状を有する一対の防振ゴム12を備えている。この防振ゴム12は、図2に示されるように、略円筒状に形成された外筒14と、この外筒14の内周側に略同軸的に配置された円筒状の内筒16と、これらの外筒14と内筒16との間に配置された吸振主体となるゴム弾性体18とを備えている。
ここで、外筒14には、その軸方向外側の他端部に外周側へ延出するフランジ部20が形成されている。内筒16は、その軸方向内側の一端部が軸方向に沿って外筒14におけるフランジ部20と一端部との間に位置し、その他端側が外筒14内から軸方向外側へ突出している。ゴム弾性体18は、外筒14における内周面及びフランジ部20にそれぞれ加硫接着されると共に内筒16の外周面に加硫接着され、外筒14と内筒16とを弾性的に連結している。
図2に示されるように、防振ゴム12は、径方向に沿って外筒14の内周面と内筒16の外周面付近との間の部分が吸振部22とされており、この吸振部22は、振動入力時に弾性変形することにより入力振動を主として吸収する。また防振ゴム12には、吸振部22の外周側に軸方向に沿ってフランジ部20に重なり合うようにストッパ部24が一体的に形成されている。このストッパ部24は、内周側から外周側へ向って肉厚が徐々に薄くなるように形成されている。ストッパ部24には、軸方向に沿って固定プレート32に対向する部分にストッパ当接面26が設けられており、このストッパ当接面26は、吸振部22との境界部から外周側へ向って固定プレート32との隙間を徐々に広くするような略円錐曲面状に形成されている。
防振装置10では、図1(B)に示されるように、一対の防振ゴム12における軸方向内側の一端部どうしを互いに突き合わつつ、一対のフランジ部20間にプレート状のブラケット28を挟持すると共に、一対の防振ゴム12が軸方向外側から一対の固定プレート32により挟持された状態とされる。ここで、ブラケット28は、車両におけるエンジン側に連結固定されており、防振装置10との連結部分に外筒14に対応する内径を有する開口部30が穿設されている。一対のフランジ部20によりブラケット28を挟持する際には、一対の外筒14の一端側を開口部30内へ挿入しつつ、これらの外筒14のフランジ部20によりブラケット28を挟持する。また一対の固定プレート32は、それぞれ車両における車体側に連結固定されており、これら一対の固定プレート32には、それぞれ軸方向へ貫通する挿通穴34が穿設されており、これらの挿通穴34が一対の内筒16の開口部とそれぞれ一致するように、一対の固定プレート32及び一対の防振ゴム12は位置調整される。
防振装置10は、図1(C)に示されるように、1本のボルト36が一方の固定プレート32の軸方向外側から一方の挿通穴34、一対の内筒16及び他方の挿通穴34内に挿入され、他方の挿通穴34から突出するボルト36の先端部にワッシャ38が嵌め込まれた後、ナット40がねじ込まれることより、組み立てられる。このとき、ナット40は、一対の防振ゴム12における内筒16の一端部どうしが互いに圧接した状態となるまで、ボルト36へねじ込まれる。これにより、一対の防振ゴム12におけるゴム弾性体18は、それぞれ軸方向に所定の予備圧縮量だけ圧縮され、軸方向に沿った入力荷重に対して所要の反力を発生できる状態となる。すなわち、防振装置10では、ゴム弾性体18の予備圧縮量を大きくほど、ゴム弾性体18による圧縮荷重(負荷荷重)に対する反力を増大でき、これとは逆に、ゴム弾性体18の予備圧縮量を小さくするほど、ゴム弾性体18による負荷荷重に対する反力が減少する。ここで、ゴム弾性体18の予備圧縮量は、一対の内筒16の一端どうしを互いに突き合わせたときの移動距離DP(図1(B)参照)と等しいものになる。
防振装置10では、図1(C)に示されるように、一対のゴム弾性体18がそれぞれ所定の予備圧縮量だけ圧縮された状態で、ストッパ部24におけるストッパ当接面26と固定プレート32との間に断面クサビ状の隙間Sが形成される。この隙間Sは、その軸方向に沿った幅が内周側から外周側へ向かって徐々に広くなり、その外周端で最大幅WMAXとなっている。ここで、隙間Sの最大幅WMAXは、ゴム弾性体18の予備圧縮量(=DP)より小さくなるように設定されている。更に詳細には、隙間Sの最大幅WMAXは、ゴム弾性体18に予備圧縮量以上の圧縮変形が生じないように、ストッパ部24の軸方向に沿った負荷荷重に対する剛性及びゴム弾性体に入力する負荷荷重の最大値に応じて設定される。
図3には、固定プレート32又はブラケット28を介して防振装置10に過大な負荷荷重が入力した状態が示されている。防振装置10に一方(図3では上方)の固定プレート32を介して過大な負荷荷重が入力すると、一方のゴム弾性体18の吸振部22が優先的に圧縮変形すると共に、ストッパ部24のストッパ当接面26が固定プレート32へ圧接する。このとき、ストッパ部24は、ゴム弾性体18の圧縮変形量の増加に従い、固定プレート32と圧接するストッパ当接面26の領域が内周端から外周側へ向って連続的に拡大して行き、ゴム弾性体18の圧縮変形量が隙間Sの最大幅WMAXと略等しくなると、図3に示されるように、ストッパ当接面26全体が固定プレート32に隙間なく圧接した状態となる。これにより、ストッパ部24は、ゴム弾性体18の圧縮変形量の増加に従って固定プレート32に対する反力を増加させることになり、このストッパ部24による反力はゴム弾性体18の圧縮変形を制限するように作用する。
上記のように構成された本実施形態に係る防振装置10では、一対の固定プレート32又はブラケット28を介して振動が入力すると、一対の防振ゴム12におけるゴム弾性体18がそれぞれ弾性変形して入力振動を減衰吸収することになる。
図4には、図1に示される本発明に係る防振装置と図5及び図7にそれぞれ示される従来の防振装置との負荷荷重とゴム弾性体の変形量との関係が示されている。この図4において、一点鎖線Aは、本発明に係る防振装置10による荷重−変形量の特性を示しており、ゴム弾性体18の予備圧縮量が8mm、隙間Sの最大幅WMAXが5mmに設定されている場合を示している。また実線Bは、図5に示される従来の防振装置50による荷重−変形量の特性を示しており、ゴム弾性体58の予備圧縮量が8mm設定されている場合を示している。また破線Cは、図7に示される従来の防振装置70による荷重−変形量の特性を示しており、ゴム弾性体18の予備圧縮量が8mm、固定プレート32に形成されたストッパ部82とブラケット62との隙間が6mmに設定されている場合を示している。
図4から明らかなように、ストッパ部を備えていない防振装置50では、固定プレート64又はブラケット62を介して約10kNを越える荷重が入力すると、ゴム弾性体58には予備圧縮量(=8mm)を越える圧縮変形が生じ、他方の固定プレート64とブラケット62との間にガタが生じてしまう。また固定プレート64にストッパ部82が形成された防振装置80では、固定プレート64又はブラケット62を介して約8kNを越えた負荷荷重が入力して、ゴム弾性体58の圧縮変形量が7mm程度まで増加すると、負荷荷重に対する反力が急激に増加する。これにより、ゴム弾性体58の圧縮変形が予備圧縮量を越えることが確実に防止されるが、負荷荷重に対する反力が急激に増加した時に、搭乗者にとって不快な衝撃が発生し、またストッパ部82がブラケット62へ衝突することで打音が発生してしまう。
一方、本発明に係る防振装置10は、固定プレート32又はブラケット28を介して入力する負荷荷重が通常支持範囲である0〜2kN程度では、負荷荷重に対するゴム弾性体18の圧縮変形量が従来の防振装置50,80と略同一レベルに維持されるので、このような通常の負荷荷重の範囲では、防振装置50,80と同等の良好な防振特性が維持される。ここで、負荷荷重の通常支持範囲とは、衝撃や振動等の瞬間的又は一時的に過大な変動荷重が入力する時以外の期間における入力荷重の分布範囲を意味している。
また防振装置10は、負荷荷重が2kNを越えた領域では、従来の防振装置50と比較し、負荷荷重の増加に対するゴム弾性体18の反力の増加率が徐々に大きくなり、この結果、通常支持範囲の最高値に対して略10倍の20kNの負荷荷重が入力しても、ゴム弾性体18の圧縮変形量が予備圧縮量(=8mm)を越えない。また防振装置10では、負荷荷重に対するゴム弾性体18の反力が徐々に増加し、防振装置80のように特定の負荷荷重で反力が急激に増加することがないので、搭乗者にとって不快な衝撃や打音が発生することもない。
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置10では、軸方向に沿って固定プレート32に対向するようにゴム弾性体18に設けられたストッパ部24に、内周側から外周側へ向って固定プレート32との隙間が徐々に広くなる円錐曲面状のストッパ当接面26を形成したことにより、ゴム弾性体18上におけるストッパ部24の内周側の部分に油、水等の液体が飛着しても、この液体がストッパ当接面26上を内周側から外周側へ流れ、ゴム弾性体18上から落下するので、防振装置10が油、水等の液体が飛散する環境下で使用された場合にも、ゴム弾性体18上に水が溜まってゴム弾性体の劣化を促進することを防止できる。
ここで、ゴム弾性体18におけるストッパ部24には、ゴム弾性体18上に水が溜まることを防止するために、従来の防振装置90のように溝部98を形成する必要もないことから、溝部等によりストッパ部24の自由表面積が拡大せず、剛性低下も生じないので、剛性低下を補うためにストッパ部24の寸法を拡大する必要もなくなる。
また本発明に係る防振装置10では、ゴム弾性体18が予備圧縮された状態で、ストッパ当接面26と固定プレート32との間に形成される隙間における最大幅WMAXを、ゴム弾性体の予備圧縮量(=DP)よりも小さくしたことにより、固定プレート32又はブラケット28を介して衝撃荷重等の過大な負荷荷重が入力しても、ゴム弾性体18に予備圧縮量以上の圧縮変形が生じる前に、ゴム弾性体18におけるストッパ部24が固定プレート32に必ず当接し、固定プレート32に弾性的な反力を作用させる。従って、ストッパ部24の軸方向に沿った負荷荷重に対する剛性を負荷荷重の最大値に応じて適宜設定すると共に、この剛性に応じてストッパ当接面26と固定プレート32との間に形成される隙間の幅を、ゴム弾性体18の予備圧縮量より小さい範囲で適宜設定すれば、過大な荷重が入力した際にも、ゴム弾性体18に予備圧縮量以上の圧縮変形が生じることを確実に防止できる。
なお、本実施形態に係る防振装置10では、ゴム弾性体18におけるストッパ当接面26を円錐曲面状に形成したが、このストッパ当接面については、内周側から外周側へ向って固定プレート32との隙間が徐々に広くなる形状(スロープ状)であれば良く、例えば、凸状曲面や凹状曲面によりストッパ当接面を形成するようにして良い。
本発明の実施形態に係る防振装置の構成を示す側面断面図であり、(A)は防振装置を軸方向に沿って分解した状態、(B)は一対の防振ゴムを互いに突き合わせた状態、(C)は防振装置として組み立てられた状態をそれぞれ示している。 (A)、(B)及び(C)は、それぞれ図1に示される防振装置における防振ゴムの上面図、側面断面図及び下面図である。 図1に示される防振装置に過大な圧縮荷重が入力した状態を示す側面断面図である。 本発明に係る防振装置と従来の防振装置との負荷荷重とゴム弾性体の変形量との関係を示すグラフである。 従来の防振装置の構成を示す側面断面図であり、(A)は防振装置を軸方向に沿って分解した状態、(B)は一対の防振ゴムを互いに突き合わせた状態、(C)は防振装置として組み立てられた状態をそれぞれ示している。 図5に示される防振装置に過大な圧縮荷重が入力した状態を示す側面断面図である。 従来の防振装置の構成を示す側面断面図であり、固定プレートにストッパ部を設けたものを示している。 従来の防振装置及び防振ゴムの構成を示す側面断面図であり、ゴム弾性体にストッパ部を設けたものを示している。
符号の説明
10 防振装置
12 防振ゴム
14 外筒
16 内筒
18 ゴム弾性体
20 フランジ部
22 吸振部
24 ストッパ部
26 ストッパ当接面
28 ブラケット(ブラケット部材)
32 固定プレート
36 ボルト(締結部材)
38 ワッシャ(締結部材)
40 ナット(締結部材)
DP 予備圧縮量
MAX 最大幅

Claims (3)

  1. 振動発生部と振動受部の一方にブラケット部材を介して連結され、軸方向外側の他端部に外周側へ延出するフランジ部が形成された略円筒状の外筒と、振動発生部と振動受部の他方に固定プレートを介して連結され、前記外筒の内周側に配置されると共に、軸方向内側の一端部が前記フランジ部と前記外筒の他端部との間に位置する略円筒状の内筒と、前記外筒と前記内筒との間に配置された吸振部及び、径方向に沿って前記吸振部の外周側に位置すると共に、軸方向に沿って前記フランジ部に重なり合うように形成されたストッパ部が一体的に形成されたゴム弾性体と、がそれぞれ設けられた一対の防振ゴムを備え、
    一対の前記防振ゴムの軸方向一端部どうしを互いに突き合わせつつ、一対の前記フランジ部間にブラケット部材を挟持すると共に、一対の前記防振ゴムを軸方向外側から一対の固定プレートにより挟持し、
    一対の前記内筒を挿通した締結部材により一対の固定プレートにそれぞれ連結すると共に、該一対の固定プレートにより前記内筒の軸方向一端部どうしが互いに当接するように前記ゴム弾性体を軸方向へ予備圧縮して組み立てられる防振装置であって、
    前記ストッパ部に、前記軸方向に沿って固定プレートに対向すると共に、内周側から外周側へ向って前記固定プレートとの隙間が徐々に広くなるスロープ状のストッパ当接面を形成し、
    しかも前記ゴム弾性体が予備圧縮された状態で、前記ストッパ当接面と固定プレートとの間に形成される隙間の最大幅を、前記ゴム弾性体の予備圧縮量よりも小さくしたことを特徴とする防振装置。
  2. 前記ストッパ当接面と固定プレートとの間に形成される隙間の幅を、前記ストッパ部の軸方向に沿った圧縮荷重に対する剛性及び前記ゴム弾性体に入力する圧縮荷重の最大値に応じて設定することを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記ストッパ当接面を、固定プレート側から前記フランジ部側へ向って徐々に外径が拡大する略円錐曲面により形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の防振装置。
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