JP2005120940A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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裕文 吉田
Takashi Morimoto
敬 森本
Hiroyuki Kono
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Abstract

【課題】ラップの設計を大きく変更することなく圧縮室隙間のシール性向上による高効率化と油膜確保による信頼性向上、コストアップの抑制を実現すること。
【解決手段】第2の圧縮室11bが冷媒を閉じ込む瞬間に形成される三日月形の圧縮室11より吸入側の固定スクロールラップ6bのラップ厚さをラップ開始部6d付近のラップ厚さよりも大きくすることにより、一つ先行する2番目の第2の圧縮室11cと吸入室13とのシール面である固定スクロールラップ上面6eと旋回スクロールラップ支持円板9bとの隙間の径方向面積が増加し、冷媒の漏れを低減することによって体積効率および圧縮効率を向上させることが可能であり、摺動面積が増加することで固定スクロールラップ上面6eと旋回スクロールラップ支持円板9bとに作用する面圧が低下し、油膜切れの発生を抑制することが可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、空調機、冷凍機、ブロワ、給湯機等に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
鏡板上に渦巻きラップを形成した固定スクロール部品と旋回スクロール部品をかみ合わせ複数の圧縮室を形成し、旋回スクロール部品背面に一定圧を印加することで固定スクロールラップ上面と旋回スクロール支持円板面とがスラスト摺動し、旋回スクロール部品に偏心部を有するクランクシャフトを連結させ、オルダムリングを用いて自転を防止し旋回運動をさせることで、中心に向かって容積を減少させながら圧縮を行っていくスクロール圧縮機において、各圧縮室には必ず微小な隙間が存在し、その隙間をオイルにて満たすことで他の圧縮室または吸入室、旋回スクロール部品背面室との流体の流通を防止している。
しかし、昨今のインバーター制御化によって運転周波数や温度、圧力などの運転条件は様々に変化し、それに伴ってオイルによるシール性能が不十分な運転条件が発生する。シール性能が低下すると各圧縮室での流体の漏れが大きくなり体積効率の低下や再圧縮による圧縮効率の低下を引き起こす。
また、オイルの供給量が極端に少ない場合にはシール面でのオイル保持量不足による潤滑状態の悪化が懸念されるため、摺動表面改質などの対策を講じる必要があり、コストアップにつながってしまう。
その対策として、従来からラップ上面部に樹脂製のチップシールを勘合させ、チップシールの浮上によって隙間が大きい場合でも流体の漏れを防止する方法がとられている。
しかし、チップシールの浮上は高低圧の圧力差によって行われるため、圧力差の小さい運転条件では十分に作用しない場合があり、低差圧でのチップシール浮上への対策によってコストアップが生じる。さらに、チップシールを追加する分材料費が増加し、コストアップとなっている。
これらの問題に対する対策として特開2003−176793に開示されているように図4において旋回スクロール104のラップ上面104gにオイル溝122を設けオイルの保持力を向上させることによって各圧縮室211での流体の漏れを低減している。
特開2003−176793号公報
しかしながら、前記従来の構成では、ラップ上面の摺動面積が減少し面圧が上昇することによって、シール性には影響を与えないまでも、油膜切れによる金属接触が発生し焼き付きへと進展していく可能性が高い。
また、ラップ上面に別途オイル溝を加工する必要があり、加工タクト増加による量産効果の低下によってコストが増加するという課題も有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ラップ寸法を大きく変更することなくシール性、信頼性を向上させるとともにコストアップをまねかないスクロール圧縮機を提供
することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、請求項1記載のとおり、スクロール圧縮機の行程容積と等しい、閉じ込みの瞬間の圧縮空間を形成する固定スクロールラップと旋回スクロールラップの2つの接点のうち、中心側の接点から渦巻き終了部までの一部のスクロールラップ厚さを渦巻き開始部付近におけるスクロールラップ厚さよりも大きくしたものである。
これによって、ラップ先端部と鏡板または支持円板との隙間のシール長を大きくとることができ、流体の漏れを低減可能であるとともに、摺動面積が増加し面圧が低下することにより、油膜切れによる焼き付きの発生を抑えることができる。
さらに、ラップ終了部付近のラップ厚さのみを大きくすることで、ラップ全体のラップ厚さを大きくした場合より、同一のラップ高さでより大きな行程容積を確保することが可能であるとともに大きくラップの設計変更を行う必要がない。また、ラップ終了部付近のラップ厚さを大きくしない場合より、体積効率を向上させることが可能である。
また、ラップの仕上げ加工形状の変更のみで対応でき、別途専用の加工を行う必要がなく、加工タクト増加によるコストアップを抑えることも可能である。
また、本発明のスクロール圧縮機は、請求項3記載のとおり、スクロール圧縮機の行程容積と等しい、閉じ込みの瞬間の圧縮空間を形成する三日月状の固定スクロールの鏡板面または旋回スクロールの支持円板面の少なくともいずれか一方から渦巻き終了部までの一部の鏡板面または支持円板面を渦巻き開始部付近における鏡板面または支持円板面よりも高くしたものである。
これによって、ラップ上面と鏡板面または支持円板面との隙間を、特に面圧の高いラップ開始部付近では大きく設定することで過大な荷重に伴う油膜切れによるシール性低下や焼き付きなどを防止し、ラップ開始部付近よりは面圧の低いラップ終了部付近で小さく設定することで油膜およびシール性の確保が可能である。
本発明のスクロール圧縮機は、ラップの設計を大きく変更することなく圧縮室隙間のシール性向上による高効率化と油膜確保による信頼性向上、コストアップの抑制が可能である。
第1の発明は、スクロール圧縮機の行程容積と等しい、閉じ込みの瞬間の圧縮空間を形成する固定スクロールラップと旋回スクロールラップの2つの接点のうち、中心側の接点から渦巻き終了部までの一部のスクロールラップ厚さを渦巻き開始部付近におけるスクロールラップ厚さよりも大きくすることにより、ラップ先端部と鏡板または支持円板との隙間のシール長を大きくとることができ、流体の漏れを低減可能であるとともに、摺動面積が増加し面圧が低下することにより、油膜切れによる焼き付きの発生を抑えることができる。
さらに、ラップ終了部付近のラップ厚さのみを大きくすることで、ラップ全体のラップ厚さを大きくした場合より、同一のラップ高さでより大きな行程容積を確保することが可能であるとともに大きくラップの設計変更を行う必要がない。また、ラップ終了部付近のラップ厚さを大きくしない場合より、体積効率や圧縮効率を向上させることが可能である
また、ラップの仕上げ加工形状の変更のみで対応でき、別途専用の加工を行う必要がなく、加工タクト増加によるコストアップを抑えることも可能である。
なお、必ずしも上記ラップ領域全体のラップ厚さを大きくする必要は無く、ラップ終了部の一部のみでも同様の効果が得られる。
第2の発明は、特に、第1の発明のスクロール圧縮機において、渦巻き開始部付近の固定スクロールラップ厚さをt1、旋回スクロールラップ厚さをt2としたとき、渦巻き終了部付近のスクロールラップ厚さをt1+t2以下とすることにより、固定スクロールラップ最外周部の固定スクロール鏡板中心からの距離を大きくすることなく構成が可能であるとともに、旋回スクロールラップ支持円板の直径を大きくする必要がなく、吸入部付近の大幅な設計変更を行うことなく流体の漏れ低減による高効率化と油膜切れ抑制による信頼性向上、コスト維持を実現することができる。
第3の発明は、スクロール圧縮機の行程容積と等しい、閉じ込みの瞬間の圧縮空間を形成する三日月状の固定スクロールの鏡板面または旋回スクロールの支持円板面の少なくともいずれか一方から渦巻き終了部までの一部の鏡板面または支持円板面を渦巻き開始部付近における鏡板面または支持円板面よりも高くすることにより、ラップ上面と鏡板面または支持円板面との隙間を、特に面圧の高いラップ開始部付近では大きく設定することで過大な荷重に伴う油膜切れによるシール性低下や焼き付きなどを防止し、ラップ開始部付近よりは面圧の低いラップ終了部付近で小さく設定することで油膜およびシール性の確保が可能である。
また、くさび効果による油膜の圧力増加に伴うさらなるシール性の向上および油膜切れの防止も可能である。
さらに、ラップの仕上げ加工形状の変更のみで対応でき、別途専用の加工を行う必要がなく、加工タクト増加によるコストアップを抑えることも可能である。
なお、必ずしも上記鏡板面または支持円板面領域全体を高くする必要は無く、ラップ終了部の一部のみでも同様の効果が得られる。
第4の発明は、特に、第3の発明のスクロール圧縮機において、鏡板面または支持円板面の少なくともいずれか一方のスクロールラップ根元付近のみをスクロールラップに沿って高くすることにより、スクロールラップで挟まれた鏡板面または支持円板面の径方向の位置のなかで、スクロールラップが旋回運動したときにもっとも頻繁にラップ上面と摺動する中央部付近のラップ上面との隙間を大きく保ったまま、両端付近すなわちラップ根元付近のラップ上面との隙間を縮小させることができるため、油膜形成による信頼性向上とシール性向上による高効率化とを両立できない場合に有効である。
また、くさび効果による油膜の圧力増加に伴うさらなるシール性の向上および油膜切れの防止も可能である。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機を潤滑油を使用せずに構成することにより、ブロワやエアーコンプレッサーなどの圧縮機外への潤滑油の吐出を禁じられた場合に、シール性向上による高効率化が可能である。
第6の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機を高圧冷媒で
あるCO2を作動流体として用いることにより、各圧縮室間の差圧が非常に大きいために、シール性向上による高効率効果が特に大きくなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。
図1において、鉄製の密閉容器1の内部全体は吐出管2に連通する高圧雰囲気となり、その中央部にモータ3、上部に圧縮部が配置され、モータ3の回転子3aに固定された駆動軸4の一端を支承する圧縮部の本体フレーム5が密閉容器1に固定されており、その本体フレーム5に固定スクロール6が取り付けられている。
駆動軸4に設けられた主軸方向の油穴7は、その一端が給油ポンプ装置8に通じ、他端が最終的に旋回スクロール9の偏心軸受10に通じている。固定スクロール6と噛み合って圧縮室11を形成する旋回スクロール9は、渦巻き状の旋回スクロールラップ9aと偏心軸受10とを直立させたラップ支持円板9bとからなり、固定スクロール6と本体フレーム5との間に配置されている。
固定スクロール6は、鏡板6aと渦巻き状の固定スクロールラップ6bとからなり、固定スクロールラップ6bの中央部に吐出口12、外周部に吸入室13が配置されている。
駆動軸4の主軸から偏心して駆動軸4の上端部に配置された偏心軸14は、旋回スクロール9の偏心軸受10と係合摺動すべく構成されている。旋回スクロール9のラップ支持円板9bと本体フレーム5に設けられたスラスト軸受15との間は、油膜形成可能な微小隙間が設けられている。ラップ支持円板9bには偏心軸受10とほぼ同心の環状シール部材16が遊合状態で装着されており、その環状シール部材16はその内側の背面室17と外側の背圧室18とを仕切っている。
給油ポンプ装置8によって吸い上げられた潤滑油は駆動軸4の油穴7を通り旋回スクロール9の偏心軸受10と偏心軸14との間に形成された軸方向の内部空間20へ導かれ、一方は旋回スクロール9のラップ支持円板9bの背面に設けられた絞り部21を経由して固定スクロール6と本体フレーム5とによって囲まれて形成される背圧室18へと通じ、旋回スクロール9を固定スクロール6に押さえつける機能を持った背圧調整弁22を通って吸入室13へと導かれる。もう一方は偏心軸受10、背面室17、主軸受19を通り圧縮部外部へ排出される。
吐出口12の出口側を開閉する逆止弁装置23が固定スクロール6の鏡板6aの平面上に取り付けられており、その逆止弁装置23は薄鋼板製のリード弁23aと弁押さえ23bとからなる。
図2は図1における圧縮部の横断面を示した図で、固定スクロールラップ6bのラップ終了部6c付近のラップ厚さをラップ開始部6d付近のラップ厚さよりも大きくし、2つのラップ厚さをスロープにて接続している。また、旋回スクロールラップ9aのラップ終了部9c付近のラップ厚さをラップ開始部9d付近のラップ厚さよりも小さくし、2つのラップ厚さをスロープにて接続している。
圧縮室11は、固定スクロールラップ6bのラップ内壁6fと旋回スクロールラップ9aのラップ外壁9eとで形成される三日月形の第1の圧縮室11aと、固定スクロールラ
ップ6bのラップ外壁6gと旋回スクロールラップ9aのラップ内壁9fとで形成される三日月形の第2の圧縮室11bとに分けられ、それぞれ独立して冷媒の閉じ込みから吐出まで圧縮が行われる。
以上のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
第2の圧縮室11bが冷媒を閉じ込む瞬間に形成される三日月形の圧縮室11より吸入側の固定スクロールラップ6bのラップ厚さをラップ開始部6d付近のラップ厚さよりも大きくすることにより、一つ先行し、吸入室13の圧力よりも高くなっている第1の圧縮室11aと吸入室13とのシール面である固定スクロールラップ上面6eと旋回スクロールラップ支持円板9bとの隙間の径方向面積が増加し、冷媒の漏れを低減することによって体積効率および圧縮効率を向上させることが可能である。
また、摺動面積が増加することで固定スクロールラップ上面6eと旋回スクロールラップ支持円板9bとに作用する面圧が低下し、油膜切れの発生を抑制することが可能である。
本実施例では、旋回スクロールラップ9aのラップ終了部9c付近のラップ厚さをラップ開始部9d付近のラップ厚さよりも小さくしており、上記作用と逆の現象が発生するが、通常、旋回スクロールラップ上面9gと固定スクロール鏡板6aとの隙間は、固定スクロールラップ上面6eと旋回スクロールラップ支持円板9bとの隙間よりも十分大きく設定されることが多く、シール面積縮小による悪影響の大きさは非常に小さい。
以上のように、本実施の形態においては、固定スクロールラップ終了部6c付近のラップ厚さをラップ開始部6d付近のラップ厚さよりも大きくすることにより、固定スクロールラップ上面6eと旋回スクロールラップ支持円板9bとの隙間のシール長を大きくとることができ、冷媒の漏れを低減でき、高効率化が可能であるとともに、摺動面積が増加し面圧が低下することにより、油膜切れによる焼き付きの発生を抑え、信頼性を高めることができる。
さらに、固定スクロールラップ終了部6c付近のラップ厚さのみを大きくすることで、固定スクロールラップ6b全体のラップ厚さを大きくした場合より、同一のラップ高さでより大きな行程容積を確保することが可能であるとともに大きくラップの設計変更を行う必要がない。また、固定スクロールラップ終了部6c付近のラップ厚さを大きくしない場合より、体積効率や圧縮効率を向上させることが可能である。
また、ラップの仕上げ加工形状の変更のみで対応でき、別途専用の加工を行う必要がなく、加工タクト増加によるコストアップを抑えることも可能である。
また、固定スクロールラップ開始部6d付近のラップ厚さをt1、旋回スクロールラップ開始部9d付近のラップ厚さをt2としたとき、固定スクロールラップ終了部6c付近のラップ厚さをt1+t2以下とすることにより、固定スクロールラップ最外周部6hの固定スクロール鏡板6a中心からの距離を大きくすることなく構成が可能であるとともに、旋回スクロールラップ支持円板9bの直径を大きくする必要がなく、吸入室13付近の大幅な設計変更を行うことなく流体の漏れ低減による高効率化と油膜切れ抑制による信頼性向上、コスト維持を実現することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態におけるスクロール圧縮機圧縮部の横断面図である。
図3において、太線で囲まれた固定スクロールラップ終了部6c付近の固定スクロール鏡板6aの反ラップ鏡板面6iからの高さを、固定スクロールラップ開始部6d付近の固定スクロール鏡板6aの高さよりも高く設定している。
以上のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
上記構成により、固定スクロールラップ終了部6c付近の固定スクロール鏡板6aと旋回スクロールラップ上面9gとの隙間は、固定スクロールラップ開始部6d付近の固定スクロール鏡板6aと旋回スクロールラップ上面9gとの隙間よりも小さくなるため、特に面圧の高い旋回スクロールラップ開始部9d付近では大きく設定することで過大な荷重に伴う油膜切れによるシール性低下や焼き付きなどを防止し、旋回スクロールラップ開始部9d付近よりは面圧の低い旋回スクロールラップ終了部9c付近で小さく設定することで油膜およびシール性の確保が可能である。
また、固定スクロール鏡板6aの固定スクロールラップ開始部6d付近の面と固定スクロールラップ終了部6c付近の面との接続をスロープにて行うことにより、旋回スクロール9の旋回運動時のくさび効果による油膜の圧力増加に伴うさらなるシール性の向上および油膜切れの防止も可能である。
さらに、固定スクロールラップ6bの仕上げ加工形状の変更のみで対応でき、別途専用の加工を行う必要がなく、加工タクト増加によるコストアップを抑えることも可能である。
また、図3において、太線で囲まれた固定スクロールラップ終了部6c付近の固定スクロール鏡板6a面の固定スクロールラップ6b根元付近のみを固定スクロールラップ6bに沿って高くすることにより、渦巻き状の固定スクロールラップ6bで挟まれた固定スクロール鏡板6a面の径方向の位置のなかで、旋回スクロールラップ9aが旋回運動したときにもっとも頻繁に旋回スクロールラップ上面9gと摺動する中央部付近の固定スクロール鏡板6aと旋回スクロールラップ上面9gとの隙間を大きく保ったまま、両端付近すなわち固定スクロールラップ6b根元付近の旋回スクロールラップ上面9gとの隙間を縮小させることができるため、油膜形成による信頼性向上とシール性向上による高効率化とを両立できない場合に有効である。
また、上記高さの変化をスロープにて接続することにより、旋回スクロール9の旋回運動時のくさび効果による油膜の圧力増加に伴うさらなるシール性の向上および油膜切れの防止も可能である。
なお、本実施の形態では、固定スクロール鏡板6aの高さを変化させたが、旋回スクロールラップ支持円板9bに用いても同様の効果が得られる。
また、実施の形態1と実施の形態2のいずれにおいても、特に、潤滑油を用いることのできないエアーコンプレッサーやブロワ、高圧冷媒であるCO2を用いた圧縮機などに用いることでより大きな効果を得ることが可能である。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、ラップの設計を大きく変更することなく圧縮室隙間のシール性向上による高効率化と油膜確保による信頼性向上、コストアップの抑制が可能となるので、設備投資を行わずに高効率化と信頼性向上を実現させる場合に有効であり、燃料電池や自動車用エアーコンプレッサー、自然冷媒CO2を用いたエ
アーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における縦型スクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における縦型スクロール圧縮機圧縮部の横断面図 本発明の実施の形態2における縦型スクロール圧縮機圧縮部の横断面図 従来例の特許文献1における縦型スクロール圧縮機圧縮部の縦断面図
符号の説明
1 密閉容器
2 吐出管
3 モータ
3a 回転子
3b 固定子
4 駆動軸
5 本体フレーム
6 固定スクロール
6a 鏡板
6b 固定スクロールラップ
6c ラップ終了部
6d ラップ開始部
6e ラップ上面
6f ラップ内壁
6g ラップ外壁
6h ラップ最外周部
6i 反ラップ鏡板面
7 油穴
8 給油ポンプ装置
9 旋回スクロール
9a 旋回スクロールラップ
9b ラップ支持円板
9c ラップ終了部
9d ラップ開始部
9e ラップ外壁
9f ラップ内壁
9g ラップ上面
10 偏心軸受
11 圧縮室
11a 第1の圧縮室
11b 第2の圧縮室
12 吐出口
13 吸入室
14 偏心軸
15 スラスト軸受
16 環状シール部材
17 背面室
18 背圧室
19 主軸受
20 内部空間
21 絞り部
22 背圧調整弁
23 逆止弁装置
23a リード弁
23b 弁押さえ
104 旋回スクロール
104g ラップ上面
122 オイル溝
211 圧縮室

Claims (6)

  1. 固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して、旋回スクロールの一部をなすラップが支持円板上に直立するとともに、前記固定スクロールラップに類似した形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に渦巻き形の対称形の一対の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し公転運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧縮機であって、
    前記スクロール圧縮機の行程容積と等しい、閉じ込みの瞬間の前記圧縮空間を形成する前記固定スクロールラップと前記旋回スクロールラップの2つの接点のうち、中心側の前記接点から渦巻き終了部までの一部の前記スクロールラップ厚さを渦巻き開始部付近における前記スクロールラップ厚さよりも大きくしたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 渦巻き開始部付近の固定スクロールラップ厚さをt1、旋回スクロールラップ厚さをt2としたとき、渦巻き終了部付近の前記スクロールラップ厚さをt1+t2以下とした請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して、旋回スクロールの一部をなすラップが支持円板上に直立するとともに、前記固定スクロールラップに類似した形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に渦巻き形の対称形の一対の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し公転運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧縮機であって、
    前記スクロール圧縮機の行程容積と等しい、閉じ込みの瞬間の前記圧縮空間を形成する三日月状の前記固定スクロールの前記鏡板面または前記旋回スクロールの前記支持円板面の少なくともいずれか一方から渦巻き終了部までの一部の前記鏡板面または前記支持円板面を渦巻き開始部付近における前記鏡板面または前記支持円板面よりも高くしたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 鏡板面または支持円板面の少なくともいずれか一方のスクロールラップ根元付近のみをスクロールラップに沿って高くした請求項3記載のスクロール圧縮機。
  5. 潤滑油を使用しない請求項1〜4いずれかに記載のスクロール圧縮機。
  6. 作動流体として高圧冷媒であるCO2を用いた請求項1〜4いずれかに記載のスクロール圧縮機。
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