JP2005120524A - 形態安定性に優れたストレッチスパン繊維製品およびその製造方法 - Google Patents

形態安定性に優れたストレッチスパン繊維製品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005120524A
JP2005120524A JP2003357466A JP2003357466A JP2005120524A JP 2005120524 A JP2005120524 A JP 2005120524A JP 2003357466 A JP2003357466 A JP 2003357466A JP 2003357466 A JP2003357466 A JP 2003357466A JP 2005120524 A JP2005120524 A JP 2005120524A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fabric
cellulose
stretch
knitted fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003357466A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4366644B2 (ja
Inventor
Ryoji Nakamura
良司 中村
Masatoshi Yoshikawa
雅敏 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2003357466A priority Critical patent/JP4366644B2/ja
Publication of JP2005120524A publication Critical patent/JP2005120524A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4366644B2 publication Critical patent/JP4366644B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

【課題】 耐薬品性と高回復性に優れ、更に形態安定性に優れた布帛からなるストレッチスパン繊維製品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 架橋型ポリオレフィン弾性繊維とセルロース系ステープル繊維とからなり、定荷重伸長率が15%以上で同回復率が50%であり、洗濯後の皺判定が3級以上である織編物及び当該織編物からなる繊維製品をセルロースI型の結晶構造が全結晶中の50重量%以下であるセルロース系ステープル繊維と弾性糸とからなる複合糸を製編織した後、得られた織編物を気相ホルマリン加工法で架橋処理し、セルロースに結合したホルマリンが0.5重量%以上とせしめることにより製造する。

Description

本発明は伸縮性と形態安定性に優れた布帛より構成されたストレッチスパン繊維製品およびその製造方法に関する。さらには弾性繊維と架橋構造を持つ、セルロース系ステープル繊維より構成された伸縮性と形態安定性に優れたストレッチスパン繊維製品およびその製造方法に関する。
衣服の快適性の1つとして着心地があり、その要因の1つに動きやすさがある。人体は屈曲時に皮膚が伸縮して追従する。例えば肘部は曲げることで腕の長さ方向に約35〜40%伸長される。これに対し、衣服が伸びないと着心地が悪いと感じる。これを補う手段として、衣服を充分に伸びるようにするか、衣服と皮膚間にゆとりを設け対応している。このため比較的伸びにくい織物では、ゆとりを大きく、伸びやすいニット製品ではゆとりが少ない。これに対し、衣服の見栄えやファッション動向からこのゆとりを少なくする要求が芽生え、衣服材料の伸縮性が要求されるようになり、ストレッチ布帛が開発された。 この代表てきな物が捲縮加工糸織編物である。しかし、これらのものは、伸縮性は皮膚伸びに比べると僅かであり、更なる要求に答える素材としてポリウレタン弾性糸が開発されその複合布帛がもてはやされている。他方シャツやブラウス地として要求される特性には見栄えのほか、透湿性、吸湿性がある。特に日本の高温多湿な気候下ではこの特性が重要であり、特殊な用途以外は綿または綿混素材がシャツやブラウスの主素材となっている。この2つの要件を満たすものとして、綿とウレタン系弾性糸の複合素材がストレッチシャツ地として利用されている。ところが、綿素材をシャツ、ブラウスとして利用するためには晒加工が必須であり、高級品はソフトな触感と気品のある光沢をだすためクロライト晒が多く用いられている。他方ポリウレタン系繊維は対薬品性が低く、特に塩素には弱い。そのため、綿とウレタン系弾性糸の複合素材では損傷の程度の低い過酸化水素晒で極力、軽度の処理とすることがせいぜいであり、光沢や風合い面で我慢せざるを得ない。必要な場合、綿をわた状態でクロライト晒をして、そのわたとポリウレタン弾性糸を複合してシャツやブラウスとすることも可能であるが、効率が悪くコスト高になってしまう。
他方、ストレッチ布帛に要求される特性に伸長性は勿論であるが、伸長回復性も重要であり、伸びたものが戻らないとたるみが生じ、衣服の欠陥となる。この回復特性は伸長応力に依存し、特に、繊維間拘束力の大きいステープル布帛では大きな伸長応力がないと充分な回復性能が得られない。結果としてハードストレッチでないと回復性能が満足できない問題がある。
また、洗濯回数の多いシャツやブラウスにとって綿製品のウォシュ アンド ウエアー性に劣ることは大きなハンデイである。
本発明者らは耐薬品性と高回復性があるソフトストレッチなシャツについて鋭意検討し、従来にない伸縮性と形態安定性に優れた布帛より構成されたストレッチスパン繊維製品およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.架橋型ポリオレフィン弾性繊維とセルロース系ステープル繊維とからなる布帛であって、定荷重伸長率が15%以上で同回復率が50%であり、洗濯後の皺判定が3級以上であることを特徴とするストレッチスパン繊維布帛。
2.架橋型ポリオレフィン弾性繊維の含有率が15%以下であり、セルロース系ステープル繊維がセルロースI型の結晶構造が全結晶中の50重量%以下であり、セルロースに結合したホルマリンが0.5重量%以上であることを特徴とする上記第1に記載のストレッチスパン繊維布帛。
3.上記第1に記載のストレッチスパン繊維布帛が織物であり、当該織物を縫製してなることを特徴とする繊維製品。
4.上記第1に記載のストレッチスパン繊維布帛が編物であり、当該編物を縫製してなることを特徴とする繊維製品。
5.セルロースI型の結晶構造が全結晶中の50重量%以下であるセルロース系ステープル繊維と弾性糸とからなる複合糸を製編織した後、得られた織編物を気相ホルマリン加工法で架橋処理し、セルロースに結合したホルマリンが0.5重量%以上とせしめることを特徴とする形態安定性にすぐれたストレッチ繊維製品の製造方法。
本発明のストレッチスパン製品は、ジュロライト晒で得られる高白度でソフトな風合いと高度の伸長回復性を併せ持つ、ストレッチ繊維製品である。加えて伸長時の応力も低く薄地でソフトなストレッチ繊維製品である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の繊維布帛とは、織物、編物、組み物、等の繊維構造体を意味し、繊維製品とは、木綿繊維や混用ステープル繊維と弾性糸を複合した糸を用いた織物、編物、組み物の布帛及びその布帛よりなるシャツ、スラックス、ブラウス、帽子等の縫製品を意味する。
本発明の要件の1つは弾性糸として、架橋型ポリオレフィン系弾性糸を用いることにある。架橋型ポリオレフィン系弾性糸は耐薬品性に優れ、特に耐塩素性に優れている。耐熱性にも選れ、軽いことが特徴であり、ポリウレタン系弾性糸に比べ、強伸度特性は対等でありながら、伸長応力が低いことに特徴がある。 本発明でいう架橋型ポリオレフィン繊維は均一に分枝を有しており、実質的に線状であるオレフィンに架橋処理を施されてなる繊維である。ここで均一に分枝していて実質的に線状であるオレフィン繊維とは、オレフィン系モノマーを重合させた重合物であり、その重合物の分岐度合いが均一であるものを言う。
例えばαオレフィンを共重合させた低密度ポリエチレンや特表平8−509530号公報記載の弾性繊維がこれに当たる。また架橋処理の方法としては、例えばラジカル開始剤やカップリング剤などを用いた化学架橋や、エネルギー線を照射することによって架橋させる方法等が挙げられる。製品となった後の安定性を考慮するとエネルギー線照射による架橋が好ましいが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
本発明の第2の要件はこの複合布帛を充分に湿熱下でリラックスさせ弾性を開放させたのち、無緊張状態で綿繊維に架橋結合させることにある。両者を組合せることで初めて、クロライト晒が可能で、低伸長応力でありながら、高伸長回複性でウオッシュ アンド ウエアー性に優れた繊維製品が得られる。
本発明で言うセルロース系ステープル繊維とは綿、ポリノジック、レーヨン、麻などをさし、これらを単独、もしくは2種以上を混紡して用いても良い。透湿、吸湿性能の面から好ましいことではないが、強度を優先的に要求される用途においては70%までの合成繊維ステープルを混紡しても良い。合成繊維ステープルとはポリエステルまたはポリアミド繊維等をさす。70%を越えるとソフトな風合いと透湿、吸湿性能が低下するばかりか、伸長回復性能も低下する。繊維製品の着心地を左右する生地の伸長特性は定荷重伸長率で評価でき、15%以上が必要であり、これを下回るとシャツと肌とのゆとりを大きくしない限り、着用中の動きやすさを妨げる。好ましくは20%以上、30%以下である。ゆとりを大きく取ると見苦しくスマート性に欠ける。この時伸長回復性が50%以上でないと回復後に伸長部分に波打ち状のたるみができ見た目に悪い。好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上である。ちなみにストレッチのソフトさは伸長過程の10%伸長時の応力で評価でき50g/cm以下がこのましい。ウオッシュ アンド ウエアー性は洗濯後の布帛の皺の程度を示し、3級以上が必要である。3級を下回るとアイロン掛けをしないと見苦しく、3級以上とはアイロン掛けなしで着用可能であることを表す。架橋型ポリオレフィン繊維の含有率は15%未満とする必要がある。ここで言う架橋型ポリオレフィン繊維の含有率はストレッチ方向を構成する繊維中の架橋型ポリオレフィン繊維の含有率をさし、1ウェーィストレッチ布帛の場合は伸びる方向の経糸または緯糸中の含有率をさし、2ウェーィストレッチ布帛の場合は経糸および緯糸中の含有率をさす。15%以上になると一般に弾性糸はセルロース繊維より高価であるため、布帛価格が高価になりすぎるばかりか、ストレッチのソフトさも損なわれ、セルロース繊維特有のソフト風合いや光沢にも良くない影響を与える。また架橋型ポリオレフィン繊維は染色性が全くないことより、被覆性が劣ると濃色染めした場合、目剥きが発生し、イラツキ感がでることも含有率を15%未満とする理由の1つでもある。セルロース系繊維と弾性糸の複合は織物とする場合、芯を弾性糸とする芯鞘複合紡績糸とする方法や紡績糸と弾性糸の交撚糸とする方法等があるが弾性糸のセルロース繊維による被覆性を上げる目的から複合紡績糸が好ましい。編物の場合は前記、複合紡績糸や交撚糸に加え弾性糸のベアー糸とセルロース繊維の紡績糸を交編することも可能であるが、イラツキや触感から、複合紡績糸として用いることが好ましい。
ここでセルロース繊維の架橋構造と布帛の伸長回復性について述べる。前述の如く、フィラメント繊維に比べ、撚り構造の存在するステープル繊維は布帛中の繊維間の拘束力が大きく、伸長時に変形するセルロース繊維の変形(一般的には弓状の湾曲形態から直線状に変形する)が回復時に繊維間拘束力で阻害され、弾性糸の回復応力が拘束力より弱い場合、残留ひずみとして残り、回複性を低下させる。ゆえに回復性能をあげるためには弾性糸の回復応力を高くする必要があり、結果としてハイパワーストレッチにしないと高回複性の布帛が得られなかった。しかし、セルロース繊維が弓状に変形した状態で、セルロース繊維に架橋構造を導入すると、弓状構造が記憶され、伸長時の直線状への変形後、伸長応力を除去すると弾性糸の回復応力に加えて、セルロース繊維にも弓状に戻る応力が発生し、弾性糸のソフトな応力でも充分な回復性が選られる。このメカニズムはポリウレタン系の弾性複合糸布帛でも同じであり、クロライト晒工程を無視すれば、伸長回複性を改善する手段として使用することもできる。
本発明のストレッチ布帛は織物の場合はドレスシャツとして、編物の場合はニットシャツとして用いることが最も適している。透湿および吸湿性、白さ、光沢、伸長性および回復性、ウオッシュ アンド ウエアー性に優れた特性はシャツの要求特性の全てを満足し、最適の素材である。勿論、染色して有色シャツとすることも可能である。但し、セルロース繊維の架橋処理は処理時の形態を記憶するため、架橋処理以降の変形を無視するため、架橋処理は最終製品の形態で処理する必要がある。例えば織物の場合は通常の毛焼き、糊抜き、精練、漂白、染色、仕上げセットした後シャツに縫製した後、架橋処理する。編物の場合は織物と同様にカット アンド ソウで縫製することも、成型編地として、リンキングで接合後、精練、漂白、染色、仕上げセットしてシャツとすることも可能であるが、ようするにシャツとした後、架橋処理する。
次に架橋処理方法について述べる。セルロース繊維に架橋構造を形成する方法の1つとして、ホルムアルデヒト蒸気と二硫化硫黄ガスを使用するいわゆる気相ホルマリン加工法があり、他の1つとして、ホルマリン化合物やポリカルボン酸化合物等の樹脂加工剤と触媒として作用する金属塩の分散液を含浸後熱処理するいわゆるポストキュア樹脂加工法がある。いずれの場合もセルロースと架橋剤が架橋反応している程度は結合ホルマリン量で判定でき、この結合ホルマリン量は0.5重量%以上、好ましくは0.8重量%以上が必要であり、結合ホルマリン量が0.5重量%未満となるとウォッシュ アンド ウエアー性が不十分であるばかりか、セルロース繊維の形状記憶性が不十分で製品の伸長回複性も不十分となる。
この処理の時セルロース繊維の結晶構造が重要なファクターであり、ホルムアルデヒド蒸気がセルロース繊維中に均一に浸透し、均一な架橋構造を形成するには、セルロースI型結晶が全結晶中の50重量%以下にすることが重要であり、50重量%を越えると均一な架橋構造が得られず、ウォッシュ アンド ウエアー性、伸長回複性とも低下する。セルロースI型結晶を低減する方法として水酸化ナトリウムによるアルカリ処理方法と、液体アンモニア処理があり、前者はセルロースI型からセルロースII型に、後者はセルロースI型からセルロースIII型に結晶変態させる働きがある。この時、特にアルカリ処理の場合がセルロース繊維の張力を極力低くすることが肝要であり、予め、液流染色機、ワッシャー、タンブラー、サンフォライズなどの液体もしくは、機械的揉み効果を与えて歪みを除去することが好ましい。またこの処理は弾性糸の弛緩効果もあり、伸縮性の向上にも繋がる。
また、成型前の前処理として、平滑剤を含ませることも好ましい実施形態であり、特に本発明の繊維製品の欠点である引裂き強度を改善することと、伸長回複性を改善すること、及び可縫性を向上させることからも好ましい。この目的で使用する平滑剤としては、ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性シリコンアミノ変性シリコン等のシリコン、ワックス系平滑剤、ポリエチレン系、脂肪酸アミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、アクリルエステル系平滑剤やノニオン、カチオン、アニオン、両性の界面活性剤等が利用できる。
さらに本発明には、撥水剤、抗菌剤、防臭剤、制電剤等の機能加工剤を同時に使用することもできる。
以下、本発明に用いる各種特性の測定方法について述べる。
[弾性繊維の含有率の算出]
(1ウェーイストレッチ布帛の場合)
弾性糸の繊度(デシテックス)×複合時のドラフト倍率×伸長方向の糸中の複合糸の構成比÷複合糸の繊度(デシテックス)×100
(2ウェーイストレッチおよび編物布帛の場合)
弾性糸の繊度(デシテックス)×複合時のドラフト倍率×全原糸中の複合糸の構成比 ÷
複合糸の繊度(デシテックス)×100
[定荷重伸長率および同回復率]
「風合い評価の標準化と解析」(日本繊維機械学会編集)の第IV章 「布の力学的特性の測定」に記載の方法にのっとり、測定した。幅20cm、長さ20cmの試料を布帛の経方向、緯方向に採取し、ゲージ長を5cmとして、長さ方向に4.00×10ー3 /sec一定で、最大荷重500gf/cmまで引張り、変形回復過程に移り、最大荷重時の伸長率を求めた。経方向と緯方向の平均値を伸長率とした。(経糸と緯糸が異なる場合は経緯個々に表示する。)
編地の場合は最大荷重を100gf/cmとした。
[洗濯後の皺判定]
(織物の場合)
JIS−L−1096のA法(攪拌型洗濯機を用いる方法)に従い、40cm×40cmの試験片をたて方向及びよこ方向に平行に3枚採取し、ほつれを避けるために縁取りし、たて方向 に印をつけた。40℃で浴比が40:1となるよう負荷布とともに上記試料を入れ自動洗濯操作をした。タンブラー乾燥機で60℃下で乾燥した後、3枚の資料を判定基準(表11)と対比して3名の観察者で評価した9個の判定値を平均して評価とした。
(編物の場合)
JIS−L−1018のA法(攪拌型洗濯機を用いる方法)に従い、織物と同法で評価した。
[セルロースI型結晶の含有率]
セルロース単繊維を織編物から取り出し、X線回折法により測定した。セルロースI、セルロースII、セルロースIIIの含有率の測定はP.H.Herman & A.Weiddinger:J.Appl.phys.,19,491−506(1948)および林ら、北海道大学研究報告、p.83(1948)の方法に従った。
[結合ホルマリン量の測定]
繊維製品よりセルロース繊維を約2gを採取し、沸水で15分間処理し、水洗、絶乾精秤後、水蒸気蒸留法により20%硫酸中で分解し、亜硫酸水素ナトリュウム水溶液中に生成ホルマリンを回収し、よう素滴定法で過剰亜硫酸水素ナトリュウムを酸化した後、アルカリで付加物を分解し、ホルマリンと付加した亜硫酸水素ナトリュウムの量を求め、製品量に対するホルマリン量を重量%で示した。
(実施例1)
平均繊維長が26mmの綿繊維よりなる粗糸をフロントローラーとバックローラー間で48倍にドラフトし、同時に架橋型ポリオレフィン繊維44デシテックスのモノフィラメントを3.5倍にドラフトしてフロントローラーに供給し、撚係数を4.2として36gの張力下で精紡コップに巻取り、40綿番手の芯鞘型複合紡績糸を得た。架橋型ポリオレフィン繊維の混用率は8.6%であった。該紡績糸を70℃で15分間キヤーセットした。該糸の伸長率及び収縮率を表1に示した。経糸に綿糸40番手を90本/inの密度で配し、緯糸に前記複合紡績糸を70本/inの密度に配して、平織りの織物を得た。同布を通常の連続仕上げ工程で、毛焼き、糊抜き、精練、漂白、シルケット、をして、170℃で幅方向に0%、経方向に5%伸長してセットをした。最後にサンホライズ加工を実施した。なお漂白は亜塩素酸ソーダ(25%)35g/リットルで95℃45分で実施した。この加工布を使ってシャツを縫製した。このシャツ10kgを14リュウベの容積を有する気相反応処理槽にセットし、37%ホルマリン水溶液7.5リットルを水蒸気と共に霧状に均一に注入し、次いで二酸化硫黄ガス250gを圧入した。その後、気相反応処理槽の温度を128℃まで昇温し、この温度で5分間保った。しかる後、少量のアンモニア水と水蒸気により、脱ホルマリン処理を施した。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1でシルケット、セット後の加工布を液体アンモニアに2秒間浸漬後、70%の絞り率で搾液し、10秒のタイミングをおいた後、90℃で1分間乾燥した。この加工布でシャツを縫製後、実施例1と同法で気相ホルマリン処理を実施した。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1で得た加工布を縫製前に下記加工剤組成液に浸漬後、72%の絞り率で搾液し、110℃で3分間乾燥した後、シャツに縫製し、10kgのシャツを前記した気相反応槽にセットし、155℃まで昇温し、この温度で10分間処理を実施した。しかる後、水蒸気でクリーニング処理を施した。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
(加工剤組成)
ベッカミンLK−S
(大日本インキ化学工業社製、グリオキザール樹脂) 15.0部
キャサリストG
(大日本インキ化学工業社製、架橋触媒) 5.0部
ファインテックスPEN
(大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン・エマルジョン) 2.0部
ニッカシリコーンEP1010
(日華化学工業社製、シリコーンソフナー) 2.0部
水 86.0部
(実施例4)
実施例1で得た複合紡績糸40番手(キヤーセット上がり)を用い、28ゲージの台丸丸編み機でループ長を275mm/100Wとして、鹿の子組織の編地を得た。生機の編み密度は42C/in.×32W/in.であった。これを実施例1と同条件で精練、漂白、シルケット加工してセット後に、密度が57C/in.×44W/in.の編地を得た。この編地に実施例3と同様に加工組成液を含浸、乾燥後、カット アンド ソウでシャツを縫製した。このニットシャツに実施例3と同法で熱処理とクリーニング処理を実施した。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1で気相ホリマリン処理をしないこと以外は実施例1と同法でシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例2でシルケット加工と液体アンモニア処理をしないこと以外は実施例2と同法でシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1の架橋型ポリオレフィン繊維44デシテックス糸をポリウレタン弾性糸(東洋紡性エスパ465)44デシテックスとした以外は実施例1と同法でシャツを得た。得られたシャツの評価結果を表1に示した。得られたシャツの伸長応力は極めて低く、かつ黄変してしまっていた。
Figure 2005120524
本発明のストレッチスパン繊維製品は、耐薬品性と高回復性に優れ、更に形態安定性に優れた布帛からなるもので、ストレッチスパン繊維製品全般に大いに利用が可能である。

Claims (5)

  1. 架橋型ポリオレフィン弾性繊維とセルロース系ステープル繊維とからなる布帛であって、定荷重伸長率が15%以上で同回復率が50%であり、洗濯後の皺判定が3級以上であることを特徴とするストレッチスパン繊維布帛。
  2. 架橋型ポリオレフィン弾性繊維の含有率が15%以下であり、セルロース系ステープル繊維がセルロースI型の結晶構造が全結晶中の50重量%以下であり、セルロースに結合したホルマリンが0.5重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のストレッチスパン繊維布帛。
  3. 請求項1に記載のストレッチスパン繊維布帛が織物であり、当該織物を縫製してなることを特徴とする繊維製品。
  4. 請求項1に記載のストレッチスパン繊維布帛が編物であり、当該編物を縫製してなることを特徴とする繊維製品。
  5. セルロースI型の結晶構造が全結晶中の50重量%以下であるセルロース系ステープル繊維と弾性糸とからなる複合糸を製編織した後、得られた織編物を気相ホルマリン加工法で架橋処理し、セルロースに結合したホルマリンが0.5重量%以上とせしめることを特徴とする形態安定性にすぐれたストレッチ繊維製品の製造方法。
JP2003357466A 2003-10-17 2003-10-17 形態安定性に優れたストレッチスパン繊維布帛及び繊維製品 Expired - Fee Related JP4366644B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003357466A JP4366644B2 (ja) 2003-10-17 2003-10-17 形態安定性に優れたストレッチスパン繊維布帛及び繊維製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003357466A JP4366644B2 (ja) 2003-10-17 2003-10-17 形態安定性に優れたストレッチスパン繊維布帛及び繊維製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005120524A true JP2005120524A (ja) 2005-05-12
JP4366644B2 JP4366644B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=34614344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003357466A Expired - Fee Related JP4366644B2 (ja) 2003-10-17 2003-10-17 形態安定性に優れたストレッチスパン繊維布帛及び繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4366644B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006012081A1 (en) * 2004-06-24 2006-02-02 Dow Global Technologies Inc. Stretch fabrics with wrinkle resistance
JP2007191809A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Seiren Co Ltd 撥水撥油性セルロース系繊維構造物
WO2014178440A1 (ja) * 2013-05-02 2014-11-06 株式会社ワコール 伸縮性生地及びボトム衣類

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006012081A1 (en) * 2004-06-24 2006-02-02 Dow Global Technologies Inc. Stretch fabrics with wrinkle resistance
JP2008504459A (ja) * 2004-06-24 2008-02-14 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 防しわ性を有する伸縮繊維
JP2007191809A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Seiren Co Ltd 撥水撥油性セルロース系繊維構造物
WO2014178440A1 (ja) * 2013-05-02 2014-11-06 株式会社ワコール 伸縮性生地及びボトム衣類
WO2014178142A1 (ja) * 2013-05-02 2014-11-06 株式会社ワコール 伸縮性生地及びボトム衣類

Also Published As

Publication number Publication date
JP4366644B2 (ja) 2009-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101133200B (zh) 具有尺寸稳定性的可洗羊毛弹力织物
KR101101452B1 (ko) 가로 스트레치 안감 및 그 제조법
WO1999031309A1 (fr) Etoffe de doublure et son procede de production
KR101123063B1 (ko) 헴프함유 복합합연사를 사용한 고신축성 직물의 제조방법
MX2008012586A (es) Tela textil retardadora de flama.
US8074295B2 (en) Stretchable fabric suitable for swimwear applications
RU2747298C1 (ru) Одежда из шелкоподобной ткани, содержащей лиоцелловые волокна или состоящей из них
JP4269225B2 (ja) ストレッチデニム及びその利用
JP4117546B2 (ja) 弾性複合紡績糸織物およびそれを用いた製品およびその製造方法
JP2006207078A (ja) 緯ストレッチ裏地
JP4366644B2 (ja) 形態安定性に優れたストレッチスパン繊維布帛及び繊維製品
JP4139998B2 (ja) 弾性複合紡績糸を含む伸縮性編地およびそれを用いた伸縮性衣料
JP4174714B2 (ja) ストレッチ性ポリエステル系フィラメント織物及びその製造法及びそれを用いた衣料
JP5290840B2 (ja) ストレッチ短繊維織物および婦人用パンツ
JP2012001830A (ja) 洗濯耐久性に優れるセルロース系織物
JP6605266B2 (ja) 衣料用布帛
CN111183250A (zh) 针织连续长丝莱赛尔织物
JP2020051008A (ja) フリーカット性経編地
WO2013071034A1 (en) A stretchable, light weight, woven polytrimethylene terephthalate based fabric
US3498737A (en) Process of producing sculptured lace from flat lace
Murphy et al. DP Cotton Knits Made From Mercerized Yarn Retain Strength, Shape, Abrasion Resistance.
TW445137B (en) Lining cloth and method for producing the same
JPH01104872A (ja) 防縮性絹織物の製造法
WO2011044728A1 (en) Method to prevent curling in stretch fabrics with intentionally distressed areas and fabrics made thereby
JPH07279041A (ja) セルロース系繊維含有繊維製品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090709

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090730

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090812

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees