JP2005120007A - 血管新生阻害剤、血管新生を伴う疾患の治療剤または予防剤 - Google Patents

血管新生阻害剤、血管新生を伴う疾患の治療剤または予防剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、新規血管新生阻害物質を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る血管新生阻害剤は、下記一般式(I)
【化1】
Figure 2005120007

[式中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はアセチル基を示し、nは、2又は3である。]で表わされる化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有することを特徴としている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、L−カルノシンまたはその誘導体を有効成分として含有する血管新生阻害剤、血管新生を伴う疾患の治療剤又は予防剤、及び血管新生阻害のための医薬部外品又は食品に関する。
血管新生は、糖尿病性網膜症、リウマチ、乾癬、ヒッペルリンドー症、腫瘍等の疾患で観察され、病態の進展と密接に関連している事が知られている。(非特許文献1乃至5参照。)
血管新生は、内因性の血管新生促進因子と抑制因子のバランスの基に制御されている。病的状況下では血管新生促進因子が誘導されることにより、血管新生が亢進する。血管新生は以下の4つのステップからなる:1)分泌された血管新生促進因子が、近傍の血管に働きかけ血管内皮細胞を活性化する、2)活性化した血管内皮細胞内の酵素が基底膜を分解する、3)血管内皮細胞の遊走および増殖が生じる、4)血管内皮細胞が血管腔を形成する。これらのステップのうち、1つ又は複数を阻害することにより、血管新生を阻害することができると考えられている。
現在までに、多くの血管新生阻害物質が見出されている。例えば、天然物質として、アンギオスタチン(例えば、非特許文献6参照。)及びエンドスタチン(例えば、非特許文献7参照。)のような内因性の阻害物質、ビタミンE(例えば、非特許文献8参照。)、緑茶由来のカテキン類(例えば、非特許文献9参照。)、並びに、葡萄由来のポリフェノール(例えば、非特許文献10参照。)等が血管新生阻害物質として知られている。
一方、L−カルノシンは、筋肉、眼、脳等に多量に見出されるジペプチドで、強い抗酸化作用を有する物質であることが知られている(例えば、非特許文献11参照。)。また、L−カルノシンが血管形成を促進する旨の報告がある(非特許文献12)。さらに、L−カルノシンが、コラーゲン合成促進作用、創傷治癒作用などを示すことは知られていたが(例えば、非特許文献13乃至15参照。)、血管新生阻害作用を有することについては知られていなかった。
Jozsef Timar et al, "Angiogenesis-Dependent Diseases and Angiogenesis Therapy", PATHOLOGY ONCOLOGY RESEARCH, 2001, Vol.7, No.2, p85-94. Barbara Vega Diaz et al, "Regulation of Vascular Endothelial Growth Factor Expression in Human Keratinocytes by Retinoids", The Journal of Biological Chemistry, January 7, 2000, Vol.275, No.1, pp.642-650. Jeremy Griggs et al, "Inhibition of Proliferative Retinopathy by the Anti-Vascular Agent Combretastatin-A4", American Journal of Pathology, March 2002, Vol.160, No.3, pp.1097-1103. Chris M. Storgard et al, "Decreased angiogenesis and arthritic disease in rabbits treated with an αvβ3 antagonist", The Journal of Clinical Investigation, January 1999, Vol.103, No.1, pp.47-54 David J. Gross et al, "The Antiangiogenic Agent Linomide Inhibits the Growth Rate of von Hippel-Lindau Paraganglioma Xenografts to Mice", Clinical Cancer Research, November 1999, Vol.5, pp.3669-3675. Michael S. O'Reilly et al, "Angiostatin: A Novel Angiogenesis Inhibitor That Mediates the Supression of Metastases by a Lewis Lung Carcinoma", Cell, October 21, 1994, Vol.79, pp.315-28. Michael S. O'Reilly et al, "Endostatin: An Endogenous Inhibitor of Angiogenesis and Tumor Growth", Cell, January 24, 1997, Vol.88, pp.277-285. Mokenge P. Malafa et al, "Inhibition of Angiogenesis and Promotion of Melanoma Dormancy by Vitamin E Succinate", 2002, Vol.9, No.10, pp.1023-1032. Francesca Tosetti et al, "'Angioprevention': angiogenesis is a common and key target for cancer chemopreventive agents", The FASEB Journal, January 2002, Vol.16, pp.2-14. Ebba Brakenhielm et al, "Supression of angiogenesis, tumor growth, and wound healing by reveratrol, a natural compound in red wine and grapes", The FASEB Journal, August2001, Vol.15, pp.1798-1800. Boldyrev A.A. et al, "The Antioxidative Properties of Carnosine, A Natural Histidine Containing Dipeptide", Biochemistry International, December 1987, Vol.15, pp.1105-13. Han M Y. Et al, "The Effect on L carnosine of angiogenesis and the mode of action on cultured fibroblast", Korean Biochemical Journal 18(4). 1985(RECD 1986), pp423-428. 1985 M. R. Vizioli et al, "Effects of Carnosine on the Development of Rat Sponge-Induced Granulation Tissue. II. Histoautoradiographic Cbservations on Collagen Biosynthesis", Cellular & Molecular Biology, 1983, Vol.29, No.1, pp.1-9. Dennis W. et al, "Carnosine, histidine, and wound healing", January 1982, Vol.91, No.1, pp.56-60. 永井 甲子四郎ら、「カルノシン、β−アラニンの抗腫瘍作用」、日本生理誌、1986年、48巻、741−747頁。
本発明は、新規血管新生阻害物質を提供することを課題とする。
本件発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、L−カルノシン誘導体が血管新生阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下を含む。
(1) 下記一般式(I)
Figure 2005120007
[式中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はアセチル基を示し、nは、2又は3である。]で表わされる化合物(以下、「L−カルノシン誘導体」という。)又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、血管新生阻害剤、及び、血管新生を伴う疾患の治療剤又は予防剤、
(2) 血管新生を伴う疾患が、血管機能不全、炎症、免疫障害、ベーチェット病、痛風、関節炎、リウマチ、乾癬、糖尿病性網膜症、眼血管由来疾患、骨粗鬆症、ヒッペルリンドー症または腫瘍である、(1)に記載の治療剤又は予防剤、並びに、
(3) L−カルノシン誘導体またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、血管新生を阻害するための医薬部外品及び食品に関する。
上記において、「血管新生を伴う疾患」とは、血管新生により引き起こされる疾患、血管新生により悪化が促進される疾患、または血管新生による不健康状態のことを意味する。このような疾患としては、例えば、糖尿病性網膜症、リウマチ、乾癬、血管機能不全、炎症、免疫障害、ベーチェット病、痛風、関節炎、眼血管由来疾患(例えば、後水晶体繊維増殖症、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障)、骨粗鬆症、ヒッペルリンドー症、腫瘍(充実性腫瘍、腫瘍転移、良性腫瘍(例えば血管種、聴神経鞘腫、神経繊維腫、トラコーマおよび化膿性肉芽腫))などを挙げることができる。前記腫瘍のうちでは、腫瘍転移(転移性腫瘍)が挙げられる。前記リウマチのうちでは、慢性関節リウマチが挙げられる。
「食品」は、経口摂取するものであれば特に限定はなく、いわゆる健康食品等の一般食品、並びに、病者用食品、高齢者用食品及び特定保健用食品(いわゆる、機能性食品)等の特定用途食品を含む。
本発明のL−カルノシン誘導体は、カルボキシル基及びアミン基を有するため、酸及び塩基と反応して塩にすることができる。
酸との塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸の塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩などのカルボン酸の塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸の塩またはグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩などのアミノ酸の塩を挙げることができる。
塩基との塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩又はカルシウム塩のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩;トリエチルアミン塩、トリメチルアミン塩のような有機塩基の塩を挙げることができる。
また、本発明で用いる式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となったりする場合があり、そのような水和物も本発明に包含される。
さらに、本発明で用いる式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような溶媒和物も本発明に包含される。
本発明の化合物として好適には、以下の化合物が挙げられる。
(1)Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、nが2である化合物。(以下、「L−カルノシン」という。)
(2)Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、nが2である化合物。(以下、「L−アンセリン」という。)
(3)Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、nが3である化合物。(以下、「ホモカルノシン」という。)
(4)Rが水素原子であり、Rがアセチル基であり、nが2である化合物。(以下、「N−アセチル−L−カルノシン」という。)
(5)Rがメチル基であり、Rがアセチル基であり、nが2である化合物。(以下、「N−アセチル−L−アンセリン」という。)
(6)Rが水素原子であり、Rがアセチル基であり、nが3である化合物。(以下、「N−アセチル−ホモカルノシン」という。)
(7)Rがメチル基であり、Rがアセチル基であり、nが3である化合物。
上記(1)〜(7)のうちでは、より好ましくは(1)、(2)、(3)の化合物が挙げられる。
本発明のL−カルノシン及びL−アンセリンは、商業的に入手することができる(たとえば、和光純薬株式会社カタログ32版(2002年)、134頁及び386頁参照。)。また、ホモカルノシンも、商業的に入手することができる(たとえば、sigma-aldorich社、H4885、L-homocarnosine)。
前記化合物のうち、Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、nが3である化合物は、N−アセチル−L−ホモカルノシンのイミダゾール基のNH位をメチル化することにより入手できる。
このN−アセチル−L−ホモカルノシンは、L−ホモカルノシン(L−homocarnosine, gamma-aminobutyryl-L-histidine、たとえば、sigma-aldrich社、H4885から商業的に入手できる。)を後述する方法によりアセチル化すれば得ることができる。
前記イミダゾール基のNH位のメチル化反応は、ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒中、ヨウ化メチルなどのハロゲン化メチルを、炭酸カリウム、重曹などの塩基の存在下に前記化合物と反応させることにより行うことができる。反応は、通常−10℃〜室温(25℃)で、通常1乃至24時間で実施することができる。
一般式(I)で表わされる化合物のうち、Rがアセチル基である化合物は、以下の方法により製造することができる。なお、下記反応式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2はアセチル基(CH3CO−)であり、nは2または3である。
Figure 2005120007
上記工程は、溶媒中、塩基性条件下で、L−カルノシン、L−アンセリン又はL−ホモカルノシンに、アセチル化剤を作用させることにより、達成することができる。
ここで、使用される溶媒としては、ペプチドが溶解できる水が最もよいが,反応を阻害せず、出発物質をある程度以上溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、水と混合できる溶媒があけられる。たとえばアセトン;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)などのアミド類等を挙げることができる。
使用される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属が挙げられる。
使用されるアセチル化剤としては、アセチルハライド(CHC(O)X)又は無水酢酸を挙げることができる。Xはハロゲン原子であり、たとえば塩素原子、臭素原子などが挙げられる。このうち好ましくは、アセチルクロライドが挙げられる。
前記アミノ基(−NH2)のアセチル化においては、(1)ラセミ化反応をできるだけ防ぐこと、(2)イミダゾール基のNがメチル化していないL−カルノシンやL−ホモカルノシンのアセチル化反応では、イミダゾール基のNH位に、更にアセチル化が起こらないような条件を選び、不要な副生成物の生成を押さえることが好ましい。
このため、反応温度は、ラセミ化反応および付加的アセチル化反応を抑制するため、通常室温(25℃)以下で、好適には5乃至10℃付近である。また反応液のpHは、好ましくは塩基性で、pH12〜13の範囲にあることが望ましい。
反応時間は、通常1乃至24時間であり、好適には30乃至3時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物はペプチド合成関連の当業者周知の方法により、反応混合物から単離できる。たとえば、イオン交換カラムクロマトグラプィーなどで精製できる。
このようなL−カルノシン、L−アンセリン、L−ホモカルノシンなどのアセチル化反応は、たとえば、公知の方法(特開昭58−124750号公報)にしたがって実施することができる。
本発明で用いる式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩は、優れた血管新生阻害活性が確認され、これにより、血管新生を伴う疾患の治療および予防、たとえば、糖尿病性網膜症、リウマチ、乾癬、血管機能不全、炎症、免疫障害、ベーチェット病、痛風、関節炎、眼血管由来疾患(例えば、後水晶体繊維増殖症、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障)、骨粗鬆症、ヒッペルリンドー症、腫瘍(たとえば、充実性腫瘍、腫瘍転移、良性腫瘍(例えば血管種、聴神経鞘腫、神経繊維腫、トラコーマおよび化膿性肉芽腫))などを挙げることができる。前記充実性腫瘍、腫瘍転移、良性腫瘍のうちでは、特に、腫瘍転移の抑制(すなわち、腫瘍の抗転移作用)に有効である。前記リウマチのうちでは慢性関節リウマチに有効である。
また、血管新生阻害などを有する既存の食品や健康食品に、前記化合物又はその薬理上許容される塩を添加することで、血管新生阻害などの効果を著しく高めることもできる。
前記式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩を、血管新生阻害剤又は血管新生に伴う疾患の治療剤若しくは予防剤として使用する場合、その投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤もしくはシロップ剤等による経口投与、又は注射剤、座剤もしくは点眼剤等による非経口投与を挙げることができる。これらの製剤は、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤などの添加剤を用いて周知の方法で製造される。
例えば、賦形剤としては、例えば、デンプン、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン等のデンプン、乳糖、結晶セルロース、リン酸水素カルシウム等を挙げることができる。
滑沢剤(コーティング剤)としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セラック、タルク、カルナウバロウ、パラフィン等を挙げることができる。
結合剤としては、例えばポリビニルピロリドン、マクロゴール及び前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。
崩壊剤としては、例えば前記賦形剤と同様の化合物及びクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。
安定剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及びソルビン酸を挙げることができる。
矯味矯臭剤としては、例えば通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。
また、液剤を製造するための溶媒としては、エタノール、フェノール、クロロクレゾール、精製水、蒸留水等を使用することができる。
界面活性剤又は乳化剤としては、例えば、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ラウロマクロゴール等を挙げることができる。
前記式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩を、血管新生阻害剤又は血管新生に伴う疾患の治療剤若しくは予防剤として使用する場合、本発明の化合物又はその薬理学的に許容される塩の使用量は症状、年齢、投与方法等によって異なるが、例えば経口投与の場合には、患者(温血動物、特に人間)に対して1日あたり、下限として0.01mg(好ましくは0.1mg)、上限として、2000mg(好ましくは500mg、より好ましくは100mg)を1回又は数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して1日当たり、下限として0.001mg(好ましくは0.01mg)、上限として、500mg(好ましくは50mg)を1回又は数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
前記式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩を、医薬部外品として使用する場合、その種類、形状は、特に限定はないが、例えば、菓子類(例えば、飴、ガム、クッキー等)、飲料として使用することができる。
前記式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩を、医薬部外品として使用する場合、その添加量は、その種類、形状等により異なるが、例えば、1乃至90質量%であり、好ましくは、1乃至20%である。
前記式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩を、食品として使用する場合、食品の種類、形状は、特に限定はないが、例えば、米類、豆類、麦類、小麦粉・澱粉等の粉類、野菜等の農産食品類;乳、卵、はちみつ等の畜産食品類;魚類、貝類、貝藻類等の水産食品類;野菜加工品、果実加工品(例えば、果実飲料、缶詰、ジャム、乾燥果実等。)、菓子類(例えば、チョコレート、クッキー、ビスケット、キャンディー、ケーキ、錠菓等)、パン類、麺類、豆製品等の農産加工食品;肉製品(例えば、ソーセージ、缶詰ハム、ベーコン類等。)、酪農製品(例えば、バター、チーズ、アイスクリーム、乳酸菌製品等。)、加工卵製品等の畜産加工食品;加工魚介類、加工海草類等の水産加工食品;及び、調味料(例えば、砂糖、みそ、醤油、食酢、ソース、ドレッシング等。)、食用油、飲料(例えば、清涼飲料水等。)調理食品(例えば、冷凍食品、乾燥食品、インスタント食品、レトルト食品等。)等の食品として使用することができる。
前記式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩の食品への添加量は、食品の種類等によって異なるが、例えば、チョコレート、クッキー、錠菓、清涼飲料、パン、ドレッシング等として使用する場合、0.01乃至10質量%で添加することができ、好ましくは、0.1乃至5質量%である。
前記式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩を、食品として使用する場合、本発明の化合物の使用量は、食品の種類等によって異なるが、例えば、1日あたり、下限として0.01mg(好ましくは0.1mg)、上限として、2000mg(好ましくは500mg、より好ましくは100mg)を1回又は数回に分けて、摂取することが望ましい。
また、本発明の医薬部外品又は食品は、使用目的に合わせて、固体、液体、ゾル、ゲル、粉末又は顆粒の形態で使用することができる。
本発明の医薬部外品又は食品は、当業者に周知の方法により製造することができる。例えば、本発明の加工食品は、本発明の化合物を原料と共に添加し、加熱調理することにより製造することができる。
以下、実施例、試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
血管新生阻害作用試験
本試験は、Biochemical and Biophysical Research Communications, 289, 220-224、2001記載の鶏卵漿尿膜法に準じて、L−カルノシン(和光純薬株式会社製)による血管新生阻害作用を試験した。
3日令の受精鶏卵から無菌的に卵白を約2ml抜き取り、卵の気室側の殻を破り直径2cmの穴を開け、ステンレス製のキャップを被せ37℃で孵卵させた。24時間後に0.9%のNaCl/1%メチルセルロースで一定濃度に溶解した被験化合物(L−カルノシン)10μlを、漿尿膜(直径2mm)上に置いたシリコンリングの中に落とし入れ、再度キャップを被せ、更に48時間孵卵させた。6日令に成長した漿尿膜内に脂肪乳剤を加え血管を観察しやすくした後、漿尿膜に新生された血管の発達状態を観察し、血管新生阻害の程度を判定した。
判定は鶏卵漿尿膜上の無血管領域が直径3mm以上のものを阻害活性陽性とし、(陽性を示した卵数/処理した卵数)×100(%)を、血管新生阻害率として算定した。結果を表1(血管新生阻害率)に示す。
(実施例2)
血管新生阻害作用試験
被験化合物としてL−アンセリン(和光純薬株式会社製)を用い、実施例1と同様にして血管新生阻害作用を試験し、血管新生阻害率を算定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
血管新生阻害作用試験
被験化合物としてL−ホモカルノシン(sigma-aldrich社、H4885)を用い、実施例1と同様にして血管新生阻害作用を試験し、血管新生阻害率を算定した。結果を表1に示す。
Figure 2005120007
(表1中、注1で示す「−」は実施していないことを示す。)
この結果から、L−カルノシン、L−アンセリン、L−ホモカルノシンはいずれも用量依存的に血管新生を阻害する事が確認された。
本発明で用いる前記化合物又はその薬理上許容される塩は、優れた血管新生阻害活性を有し、血管新生を伴う疾患の治療および予防、たとえば、糖尿病性網膜症、リウマチ(たとえば慢性関節リウマチ)、乾癬、血管機能不全、炎症、免疫障害、ベーチェット病、痛風、関節炎、眼血管由来疾患(例えば、後水晶体繊維増殖症、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障)、骨粗鬆症、ヒッペルリンドー症、腫瘍(たとえば、充実性腫瘍、腫瘍転移、良性腫瘍(例えば血管種、聴神経鞘腫、神経繊維腫、トラコーマおよび化膿性肉芽腫))などの治療および予防に有効である。また、血管新生阻害のための医薬部外品、食品にも用いることができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2005120007
    [式中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はアセチル基を示し、nは、2又は3である。]で表わされる化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、血管新生阻害剤。
  2. 下記一般式(I)
    Figure 2005120007
    [式中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はアセチル基を示し、nは、2又は3である。]で表わされる化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、血管新生を伴う疾患の治療剤又は予防剤。
  3. 前記血管新生を伴う疾患が、血管機能不全、炎症、免疫障害、ベーチェット病、痛風、関節炎、リウマチ、乾癬、糖尿病性網膜症、眼血管由来疾患、骨粗鬆症、ヒッペルリンドー症または腫瘍である、請求項2に記載の治療剤又は予防剤。
  4. 下記一般式(I)
    Figure 2005120007
    [式中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はアセチル基を示し、nは、2又は3である。]で表わされる化合物を有効成分として含有する、血管新生を阻害するための医薬部外品。
  5. 下記一般式(I)
    Figure 2005120007
    [式中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又はアセチル基を示し、nは、2又は3である。]で表わされる化合物を有効成分として含有する、血管新生を阻害するための食品。
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