JP2005119917A - ペースト組成物及びグリーンシート - Google Patents

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Abstract

【課題】耐溶剤性が良く、その表面にペーストを塗工又は印刷しても膨潤若しくは変形することがなく、積層された場合に良好な密着性を示すグリーンシート及び該グリーンシートを形成するペースト組成物を提供することである。
【解決手段】
少なくとも、無機粉体、水酸基を有する単量体をその重合成分として70重量%以上含有し、該無機粉体100重量部に対し10〜50重量部のアクリル系重合体、及び該アクリル系重合体100重量部に対して20〜200重量部のポリエチレングリコールを含有することを特徴とするペースト組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼成してセラミックを形成するグリーンシート及びグリーンシートを製造するのに有用なペースト組成物に関するものである。
電気・電子関係に使用されるセラミックスは種類が多く、その材料、機能も多種多様である。集積回路、電子回路、カラーディスプレーなど高機能を要求される用途に使用される場合には、単一のセラミックのみでなく、異なる種類のセラミックが幾層にも積層され、組み合わされて使用されている。
異なる種類のセラミックが幾層にも積層されたセラミック積層体を製造する場合には、既に焼成された第1のセラミック層の上に、第2のセラッミック層となるグリーンシートを形成し、焼成する方法、第1のグリーンシート上に第2のグリーンシートを積層して、第1のグリーンシートと第2のグリーンシートを同時に焼成する方法があるが、後者の2層あるいはそれ以上の層のグリーンシートを積層した後に同時に焼成する方が効率的であり、しばしばこのような方法が取られる。
第1のグリーンシート上に第2のグリーンシートを積層する場合には、グリーンシートを直接貼りあわせる方法、第1のグリーンシート上に第2のグリーンシートとなるセラミックペースト(以下、単にペースト又はペースト組成物という。)を塗工あるいは印刷して乾燥する方法があるが、グリーンシート上に薄層のグリーンシートを得る場合には、第1のグリーンシート上に第2のグリーンシートとなるセラミックペーストを塗工あるいは印刷して乾燥する方法が有利である。
しかしながら、第1のグリーンシート上に第2のグリーンシートとなるペーストを塗工あるいは印刷するばあいには、グリーンシート上に溶剤を含んだスラリー状態のペーストを塗布又は印刷するため、第1のグリーンシートが溶剤に侵され、膨潤若しくは変形する。第1のグリーンシートの変形のみならず、第1のグリーンシートの膨潤あるいは変形に応じて塗工又は印刷された第2のグリーンシートも変形するという問題がある。
特に第2のグリーンシートが焼成後に導電回路を形成するグリーンシートであり、回路状に細線がコンパクトに印刷される場合には、第2のグリーンシートが変形すると、焼成後の回路の導電性、隣り合う回路間の絶縁性が大きく損なわれる。
また、印刷されたグリーンシート数枚がさらに積層されて焼成される場合があり、このときにはグリーンシート間の密着性が要求される。
解決しようとする問題点は、耐溶剤性が良く、その表面にペーストを塗工又は印刷されても膨潤若しくは変形することがなく、積層された場合に良好な密着性を示すグリーンシート及び該グリーンシートを形成するペースト組成物を提供することである。
かくして、本発明は、少なくとも、無機粉体、水酸基を有する単量体をその重合成分として70重量%以上含有し、該無機粉体100重量部に対し10〜50重量部のアクリル系重合体、及び該アクリル系重合体100重量部に対して20〜200重量部のポリエチレングリコールを含有するペースト組成物を提供するものである。
好ましくは、上記ポリエチレングリコールの分子量が200〜1000であり、
好ましくは、上記無機粉体がガラス系無機粉体であるペースト組成物を提供する。
また、本発明の別の目的は、上記ペースト組成物から形成されたグリーンシートを提供することである。
以下本発明のペースト組成物及びグリーンシートについて詳しく説明する。
本発明のペースト組成物は、少なくとも、無機粉体、特定のアクリル系重合体及びポリエチレングリコールを含有する。
上記無機粉体は、焼成してセラミックとなる無機粉体であれば特に制限はなく、例えば
アルミナ(Al2)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ベリリア(BeO)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディライト(5SiO・2Al・2MgO)、スピネル(MgO・Al)、フォルステライト(2MgO・SiO)、アノーサイト(CaO・Al・2SiO)、セルジオン(BaO・Al・2SiO)、シリカ(SiO)、クリノエンスタタイト(MgO・SiO)、窒化アルミ(AlN)等のセラミック粉体、酸化鉛(PbO)、酸化硼素(B)、酸化珪素(SiO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウム(Al)等の酸化物があげられるが、低温で熱分解することができるアクリル系重合体の特徴を発揮できるという観点から、酸化鉛(PbO)、酸化硼素(B)、酸化珪素(SiO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウム(Al)等の酸化物を混合溶融して粉砕して製造された融点が400〜600℃のガラス系無機粉体が好ましい。
また、無機粉体の粒子径は、緻密なセラミックが得られるという観点から0.1〜5μmが好ましい。
上記アクリル系重合体は水酸基を有する単量体をその重合成分として70重量%以上含有している重合体であり、水酸基を有する単量体の含有率が90重量%以上であることが好ましい。
上記、水酸基を有する単量体としては、水酸基を有しておれば特に制限はないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-メチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1-ジメチル-3-ブチル(メタ)アクリレート、1,3-ジメチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-3-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-3-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、メタリルアルコール等を挙げることができる。
なお、本発明においては、アクリル系共重合体とはアクリル酸若しくはアクリル酸エステル単量体等のアクリル酸誘導体及び/又は、メタクリル酸若しくはメタクリル酸エステル単量体等のメタクリル酸誘導体を60%以上重合成分として含有する共重合体を意味する。
上記の水酸基を有する単量体中の(メタ)アクリル酸誘導体以外にアクリル系共重合体中にその重合成分として含有することのできる(メタ)アクリル酸誘導体としては、特に制限はないが、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、i-ブチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルアクリレート、i-ノニルアクリレート、n-デシルアクリレート、n-ドデシルアクリレート、n-ステアリルアクリレート等のアクリル酸の炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝アルキルエステル;例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-ドデシルメタクリレート、n-ステアリルメタクリレート等のメタクリル酸の炭素数1〜12の直鎖もしくはこれらの分枝アルキルエステル、更にはこれらの各種誘導体の1種又は2種以上を選ぶことができる。
上記アクリル系共重合体は、水酸基を有する単量体を主成分とした共重合体であるが、その他の種類の単量体を、上記の単量体の構成量を損なわれない範囲内でアクリル系共重合体の重合成分として使用することができる。
その他の種類の単量体としては、例えば、スチレン、αーメチルスチレン、tーブチルスチレン、pー クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノビニル単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等を挙げることができる。
上記アクリル系共重合体のガラス転移温度(以下Tgということがある。)は−40〜80℃が好ましく、0〜40℃が更に好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が上記上限値を超えると、グリーンシートが硬くなりすぎ、ポリエチレングリコールを必要以上に添加する必要があり、それによりグリーンシートの密着性が低下する傾向がある。
また、上記下限値未満であると、アクリル系共重合体が親油性となり、対溶剤性が低下するので好ましくない。
尚、本発明においてTgとは、共重合体を構成するそれぞれの単量体成分の単独重合体のTgを用いて次式によって求めたものである。
1/Tg=w1/Tg1+w2/Tg2+・・・・・・・・・+w/Tg
但し、Tgは共重合体のガラス転移温度であり、Tg1、Tg2、・・・・、Tgkは各単量体成分の単独重合体のTgであり、w1、w2、・・・・、wkは各単量体成分の重量分率を表わし、w1+w2+・・・・+wk=1である。
上記アクリル系共重合体は、公知の重合法、例えば塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法で前記のモノマーを重合することにより製造することができるが、乳化剤等の不純物が入りにくく、重合物に直接無機粉体、ポリエチレングリコールを混合して、好適な本発明のペースト組成物を得ることができることから溶液重合法により製造することが好ましい。
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び、必要に応じて連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行われる。この場合に有機溶媒、単量体及び/又は重合開始剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
上記の重合用有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n-プロピルベンゼン、t-ブチルベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサなどの芳香族炭化水素類;例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、i-オクタン、n-デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油などの脂肪系もしくは脂環族系炭化水素類;例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸n-アミル、酢酸2-ヒドロキシエチル、酢酸2-ブトキシエチル、酢酸3-メトキシブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-i-ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類;例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコールなどのアルコール類;などを挙げることができるが、アクリル系共重合体が極性であるため溶解度パラメーター(SP)が10〜13の溶媒、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール等を使用することが好ましい。
上記の重合開始剤としては、通常の溶液重合で使用できる有機過酸化物、アゾ化合物などを使用できる。
このような重合開始剤としては、例えば、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ-i-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシビバレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-α-クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンなどが挙げられ、アゾ化合物としては、例えば、2,2’-アゾビス-i-ブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリルなどを挙げることができる。
上記重合開始剤の使用量は、通常、単量体合計100重量部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部である。
重合温度は、一般に約30〜180℃、好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜90℃の範囲である。
本発明のペースト組成物中に含有されるポリエチレングリコールの添加量は、上記アクリル系共重合体100重量部に対して20〜200重量部であり、好ましくは、50〜150重量部である。

ポリエチレングリコールの添加量が、上記下限値未満であると得られるグリーンシートの柔軟性が充分でなく、グリーンシートの積層性が低下する。また、上記上限値を越えると樹脂によるグリーンシート結着力を阻害する。
上記無機粉体、アクリル系共重合体、ポリエチレングリコール以外に、本発明のペースト組成物中に存在してもよいものとしては、例えば、顔料、染料、消泡剤、レベルング剤等を挙げることができる。
本発明のペースト組成物は無機粉体、アクリル系共重合体、ポリエチレングリコール、及び必要に応じてその他の構成要素を公知の方法で配合することにより製造することができる。
具体的な製造例としては、例えば、溶液重合で得られたアクリル系共重合体に他の要素を添加し、混合する方法、固形のアクリル系共重合体を溶媒に溶解した後、他の構成要素を添加し、混合する方法等が上げられるが、製造が容易であるという観点から、溶液重合で得られたアクリル系共重合体に他の構成要素を添加し、混合する方法が好ましい。
原材料の配合は、ボールミル、振動ミル、ホモミキサー、ロールミル等の公知の混合装置で混合し、ペースト状組成物を得ることができる。
本発明のグリーンシートは、上記ペースト組成物を剥離フィルム上、グリーンシート上、若しくはセラミック上に塗工し、乾燥して製造することができる。
ペースト状組成物の塗工は、コンマコーター、ダイコーター、カーテンコーター、ファウンテンコーター等の塗工機を使用して剥離フィルム上に塗工し、ペースト状組成物の塗工層を製造することができる。
ペースト状組成物を塗工する剥離フィルムとしては、公知の合成樹脂シート、紙、布、不織布等を離型処理したものを使用することができるが、表面精度の観点からポリエステル樹脂等の合成樹脂シートの表面を離型処理したものが好ましい。
塗工されたペースト状組成物は、温風乾燥機、熱風乾燥機、遠赤外乾燥機等で乾燥してグリーンシートを得ることができる。乾燥操作後にグリーンシートの内部に溶剤が残存すると、グリーンシートに亀裂が入る可能性があるため、グリーンシート内の溶剤が抜けきる前にペースト表面が乾燥しないようにすることが好ましい。乾燥温度は50〜150℃、乾燥時間は5分〜30分程度が好ましい。
本発明のペースト組成物から形成されるグリーンシートは、耐溶剤性が良く、その表面に他のペーストを塗工又は印刷されても膨潤若しくは変形することがなく、グリーンシート同士が積層された場合に良好な密着性を示すという利点がある。
耐溶剤性が良く、その表面にペーストを塗工又は印刷されても膨潤若しくは変形することがなく、グリーンシート同士が積層された場合に良好な密着性を示すグリーンシート及び該グリーンシートを形成するペースト組成物を得るという目的を 特定のアクリル系共重合物とポリエチレングリコールをペースト組成物中に含有させることにより実現した。
以下に実施例を挙げ、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、実施例において用いた試験片の作成、耐印刷性の試験方法及び評価方法は以下のとおりである。
1.試験片(グリーンシート)の作成
本発明のペースト組成物をコンマコーターにより剥離フィルム(帝人(株)製:離型フィルム#70)上に乾燥膜圧70μになる厚みに塗工した。塗工シートを熱風乾燥機により80℃で5分間乾燥して溶剤を除去し、剥離フィルム上に約70μのグリーンシートが形成されたシートを得、このシートを15cm×15cmの長方形にカットして耐印刷性試験の試験片とした。
2.耐溶剤試験
上記グリーンシートの試験片をテルピネオール中に常温で浸漬し、試験片の変化状態を観察した。
3.耐印刷性試験
上記グリーンシートの試験片上に市販の印刷用ペースト(田中金属株式会社製;商品名 導電ヘ゜ーストTR618)を用いてスクリーン印刷により、線の幅0.15mm、各線の間隔0.15mm、厚み10μの直線の平行線を印刷し、3分間25℃で放置した後、100℃で10分間乾燥した。
印刷されたグリーンシート表面を光学顕微鏡で観察し、印刷線の状態を観察した。
4.積層性試験
鏡面を上にして水平に設置された18cm角、重さ0.8Kg、3mm厚みのステンレス鏡面板上のほぼ中央部に、上記試験片の剥離フィルムを下にして試験片をおき、その上に剥離フィルムを剥離した試験辺を面が一致するように3枚重ね、さらにその上に剥離フィルムを上にして試験片1枚を面が一致するように重ね、さらに鏡面を下にして別の18cm角、重さ0.8Kg、3mm厚みのステンレス鏡面板を重ねた。このようにして、5枚のグリーンシートの両側に剥離シートが重ねられた試料積層物を、更に両側からステンレス鏡面板の鏡面側で挟んだ状態とした。最上部のステンレス鏡面板上に10Kgの荷重を1分間かけた後、荷重を取り除き、グリーンシート間の密着性を観察して積層性の評価を行った。
(1)アクリル系共重合体製造例1
冷却管、滴下ロート、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応容器に、イソプロピルアルコール30重量部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート50重量部およびt-ブチルパーオキシ2―エチルヘキサネート(日本油脂(株)製:商品名パーブチルO)0.1重量部を添加した後、窒素気流下で反応機内部の温度が約85℃になるまで昇温し、約85℃で保持して1時間反応させた。その後、2―ヒドロキシエチルメタクリレート50重量部、イソプロピルアルコール50重量部及びt-ブチルパーオキシ2―エチルヘキサネート0.2重量部を混合した反応液を滴下ロートより1.5時間かけて反応容器中に等速度で滴下し、更にt-ブチルパーオキシ2―エチルヘキサネートを0.2重量部添加した後3時間同温度に保って反応を終了させた。
イソプロピルアルコール70重量部を加えて生成物を均一に希釈して、粘度3000 mPa・s、乾燥固形分40.0%、重量平均分子量15万のアクリル系共重合体溶液を得た。
(2)ペースト組成物の製造
酸化鉛75重量%、酸化ホウ素25重量%からなり、平均粒径1.5ミクロンのガラス粉体100重量部、上記アクリル系共重合体製造例1で得られたアクリル系共重合溶液を固形分換算で18重量部、ポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製;商品名PEG400)20重量部をホールミル中に添加し、24時間混練して、ペースト組成物を得た。
上記ペースト組成物を使用して、前記の条件で試験片を作成し、前記耐溶剤テストを行ったところ、一時間テレピネオールに浸漬しても外観変化がなく、良好な耐溶剤性を示した。
前記耐印刷性試験をおこなったところ、印刷線は鮮明で、良好な耐印刷性を示した。
また、積層性試験を行った結果、全てのグリーンシート間の剥離は不可能で、良好な積層性を示した。
(1)アクリル系共重合体製造例2
単量体として2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート80重量部、n−ブチルメタクリレート20重量部の混合単量体液を使用する以外はアクリル系共重合体製造例1と同様にしてアクリル系共重合体を製造した。
(2)ペースト組成物の製造
実施例1と同一のガラス粉体100重量部、上記アクリル系共重合体液製造例2で得られたアクリル系共重合体溶液を固形分換算で18重量部、ポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製;商品名PEG400)15重量部をボールミル中に添加し、24時間混練りして、ペースト組成物を得た。
上記ペースト組成物を使用して、前記の条件で試験片を作成し、耐溶剤試験を行ったが、1時間経過しても変化がなく、良好な耐溶剤性を示した。耐印刷性試験をおこなったところ、印刷線は鮮明で、耐印刷性は良好であった。
また、積層性試験を行った結果、全てのグリーンシート間の剥離は不可能であって、良好な積層性を示した。
〔比較例1〕
(1)アクリル系共重合体製造例3
冷却管、滴下ロート、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸エチル40重量部、イソブチルメタクリレートト47重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3重量部およびt-ブチルパーオキシ2―エチルヘキサネート(日本油脂(株)製:商品名パーブチルO)0.1重量部を添加した後、窒素気流下で反応機内部の温度が約85℃になるまで昇温し、約85℃で保持して1時間反応させる。その後、イソブチルメタクリレート47重量部、2―ヒドロキシエチルメタクリレート3重量部、酢酸エチル12重量部及びt-ブチルパーオキシ2―エチルヘキサネート0.2重量部を混合した反応液を滴下ロートより1.5時間かけて反応容器中に等速度で滴下し、更に3時間同温度に保って反応を終了させた。
キシレン70重量部を加えて生成物を希釈して、粘度3500 mPa・s、乾燥固形分44.0%のアクリル系共重合体溶液を得た。
(2)ペースト組成物の製造
実施例1と同一のガラス粉体100重量部、上記アクリル系共重合体液製造例3で得られたアクリル系共重合体溶液を固形分換算で18重量部、ポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製;商品名PEG400)15重量部をボールミル中に添加し、24時間混練りして、ペースト組成物を得た。
上記ペースト組成物を使用して、前記の条件で試験片を作成し、耐溶剤試験を行ったが、5分後には半溶解状態となって形が崩れた。耐印刷性試験をおこなったところ、グリーンシートが膨潤したために起きたと見られる印刷線の巾方向の膨らみが観察された。
また、積層性は良好であった。
〔比較例2〕
実施例1と同一のガラス粉体100重量部、前記アクリル系共重合体液製造例1で得られたアクリル系共重合体溶液を固形分換算で18重量部、ジブチルフタレート20重量部をボールミル中に添加し、24時間混練りして、ペースト組成物を得た。
上記ペースト組成物を使用して、前記の条件で試験片を作成し、耐溶剤試験を行ったが、5分後には半溶解状態となって形が崩れた。耐印刷性試験をおこなったところ、グリーンシートが膨潤したために起きたと見られる印刷線の巾方向の膨らみが観察された。
積層性は良好であった。
〔比較例3〕
実施例1と同一のガラス粉体100重量部、上記アクリル系共重合体液製造例1で得られたアクリル系共重合体溶液を固形分換算で18重量部、酢酸エチル20重量部をボールミル中に添加し、24時間混練りして、ペースト組成物を得た。
上記ペースト組成物を使用して、前記の条件で試験片を作成し、耐溶剤試験を行ったが、1時間しても外観の変化がなかった。耐印刷性試験をおこなったところ、印刷線は鮮明で、耐印刷性は良好であった。
積層性を試験したところ、グリーンシートは全く密着性を示さず、元の個々のグリーンシートに剥離し、積層性は不良であった。

Claims (4)

  1. 少なくとも、無機粉体、水酸基を有する単量体をその重合成分として70重量%以上含有し、該無機粉体100重量部に対し10〜50重量部のアクリル系重合体、及び該アクリル系重合体100重量部に対して20〜200重量部のポリエチレングリコールを含有することを特徴とするペースト組成物。
  2. 上記ポリエチレングリコールの分子量が200〜1000であることを特徴とする請求項1に記載のペースト組成物。
  3. 上記無機粉体がガラス系無機粉体であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のペースト組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のペースト組成物から形成されたことを特徴とするグリーンシート。
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