JP2005119914A - ガラス撹拌用スターラー - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス品質の向上、コスト低減、生産時の安定性、メンテナンスの容易化等が可能なスターラーを提供する。
【解決手段】中空パイプ状又は/及び棒状物質で外径がDの中心支持体A、外径がDで長さがLの水平撹拌棒1及び外径がDで長さがLの垂直撹拌棒2からなるクランクB、及び幅がWで長さがLの平板状撹拌翼3からなる溶融ガラス撹拌用スターラー。D≦D、D≦D、2L≦L、0.5L≦L≦L、0.1(L−D)≦W≦0.6(L−D)、垂直撹拌棒の本数は2〜4本及び平板状撹拌翼の枚数は2〜5本、クランクBと平板状撹拌翼3の回転速度がそれぞれ設定でき、中心支持体AがクランクBに連結された中空状パイプA1と平板状撹拌翼に連結された棒状物質又は中空パイプA2からなる特徴を有す。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶融ガラス撹拌用スターラーに関する。特に、小規模生産に好適な溶融ガラス撹拌用スターラーに関する。
ガラスの生産形態は、連続溶解方式とバッチ式溶解方式に大別される。前者は、少品種を大量に生産するために好適であり、後者は多品種少量生産に好適である。ガラスに対する社会的なニーズの多種多様な変化に伴い、ガラスの工業生産形態も大きく変化してきている。透明性、化学的耐久性や機械的強度等、従来のガラスに共通する因子はもちろんのこと、最近では特に光・電子材料分野で従来顧みられなかった物性が要求されるようになり、種々の組成を有するガラスが積極的に開発されている。これら多品種のガラスを少量生産する場合はバッチ式の溶解方式が採択されることが多い。
また、製造コストや品質に対する見方も厳しくなり、少しでも低価格でかつ高品質のガラス製品を製造することが社会的な要求となっている。この観点からも、バッチ式の溶解方式に関する見直しが積極的になされている。
一方、従来以上に均質で脈理や泡等の欠陥がない高品質なガラス製品が要求されている。このため、ガラスの溶融状態の改善が従来以上に必要となり、ガラスの溶融性や溶融方法を始めとして多くの検討がなされている。
この一環として、スターラーと称される回転物を利用したガラスの均質性向上技術も改めて着目されている。スターラーは、溶融ガラス中に浸漬し、溶融ガラスを強制的に撹拌することにより均質化を行うが、高温の条件下でかつ抵抗のある状態で使用されること、さらには、耐火物の浸食をも抑制しなければならないことからその材料も限定されている。スターラーは耐熱性材料からなるが、一般的には白金、又は白金とロジウムの合金、さらには酸化物粒子で強化した材料等が用いられている。
しかし、スターラーは白金を主体とする貴金属により製造されるが、反応性が高く高温のガラス融液中に浸漬して使用するという条件下ではいかに貴金属材料とはいえ、その寿命は短い。短いものでは数週間、長くても1、2年で新品と交換する必要が生じる。スターラーは、製造条件に大きな影響を与えるため、できるだけ長期間使いたいという願望が製造現場にはある。また、貴金属材料は高価なものであり、交換頻度は即製造コストに反映される。
なお、貴金属とガラス融液との反応はその使用温度、ガラス組成等により決定されるという本質的なものであるから、コストの低減を行うためには貴金属使用量の削減が重要な因子となる。すなわち、ガラスの品質を向上させながら、スターラー構造を簡素化することが良好な結果を得ると期待される。
しかし、スターラーの形状は極めて重要であり、この形状の良し悪しにより製造されるガラスの品質は大きく左右される。このため、スターラー構造を簡素化させ、かつその品質向上を行うのは容易ではない。ガラス撹拌用のスターラーは従来から検討され、多くの形状のガラス撹拌用スターラーが提案されている。ガラス撹拌用スターラーとしては、クランク型、プロペラ型、螺旋型、縦櫂型等、多くの種類のものが知られているが、特にクランク型と螺旋型が高い撹拌効率を示すとされている。
クランク型スターラーは、比較的低粘度のガラス撹拌に使用される方法であり、回転軸の外側にかかる遠心力と内部への引き込み効果を利用することにより均質化する。また、螺旋型スターラーは、文字どおり螺旋状のスターラーを回転させることにより、ガラスの均質化を行う手法であり、比較的高粘度のガラス撹拌に使用されることが多い。さらに、クランク型と螺旋型を併せもったスターラーも提案されている。
公示文献を見れば、長短2種類の撹拌翼を有するスターラー(例えば、特許文献1参照)、二条螺旋撹拌翼を有するスターラー(例えば、特許文献2参照)、螺旋翼とプロペラ翼の複合されたスターラー(例えば、特許文献3参照)など前記スターラー形状の複合により成るスターラーも提案されている。さらに、支柱と翼の中空部に冷却用ガスを吹き込むようにしたスターラー(例えば、特許文献4参照)、バブリング用小孔を有するスターラー(例えば、特許文献5参照)、隣接する傾斜角の羽根をお互いに逆向きとしたスターラー(例えば、特許文献6参照)等、種々のスターラーが開示されている。
特開2003−63829号公報 特開2003−34539号公報 特開平10−265227号公報 特開平2−48422号公報 特開昭61−21922号公報 特開昭58−88126号公報
開示された文献は、多くの情報を与えてくれるが、ガラス品質の向上、生産時の安定性、メンテナンス等を同時に満足するスターラーはまだ開発されていない。すなわち、特開2003−63829号公報のスターラーでは、連続溶融ガラスのすり抜けを防止する効果を有するが、これは連続溶融すなわち、スターラーの上部方向から下部方向への流れが存在する場合であり、バッチ式の溶解で使用の場合は上下の撹拌効果は小さい。特開2003−34539号公報のスターラーでは螺旋翼を2枚とすることで(二条螺旋とすることで)1枚螺旋翼と比較して上下撹拌効果を向上させる効果があるが、撹拌翼の表面積も約2倍となり、ガラス種によってはスターラー材料との反応泡の発生可能性が大幅に増大すると共に高価な白金材料の使用量増加の問題も発生する。特開平10−265227号公報の方法では溶融ガラス表層近傍のいわゆるスカムの巻き込み防止の効果を有するが、槽内を二分する流れの形成のためにバッチ式の溶融槽では全体的を均質化することが難しいという問題点がある。
また、特開平2−48422号公報のスターラーでは、撹拌棒内への冷却ガスの取り込みにより、溶融ガラスへの白金合金の溶出を防止し、機器の寿命を延ばす効果を有するが、冷却された撹拌棒の表面での失透発生などの問題が発生する。特開昭61−21922号公報の方法ではバブリングによる撹拌効果の増大が望めるが、その構造から槽底部の素地を効率よく撹拌できないという問題がある。さらに、特開昭58−88126号公報のスターラーでは、いわゆる連続溶融工程において生じる引き出し流のある場合に効果を奏するが、バッチ式溶解の場合、槽の上下方向の撹拌性に乏しく槽内全体を均質化できないと言う問題が発生する。
このように、ガラスの均質化が重要視化される中では、スターラーの形状は複雑化する傾向にある。しかし、複雑化した形状では貴金属使用量の増加によるコストアップの他、メンテナンスも煩雑になるという致命的な問題を発生させる。すなわち、ガラス品質の向上、コスト低減、生産時の安定性、さらにはメンテナンスの容易化等を現実化するためには、スターラーの撹拌機能の向上とスターラー構造の簡素化を行うことが必須と考えられるが、この技術開発は非常に難しく、現実的にはこのようなスターラーは開発されていなかった。
本発明は、融液状の溶融ガラスを均一化するためのスターラーであって、中空パイプ状又は/及び棒状物質で外径がDの中心支持体(A)、外径がDで長さがLの水平撹拌棒(1)及び外径がDで長さがLの垂直撹拌棒(2)からなるクランク(B)、及び幅がWで長さがLの平板状撹拌翼(3)からなる溶融ガラス撹拌用スターラーである。
また、D≦D、D≦D、2L≦L、0.5L≦L≦L、0.1(L−D)≦W≦0.6(L−D)である上記の溶融ガラス撹拌用スターラーである。
また、垂直撹拌棒の本数は2〜4本のいずれかであり、平板状撹拌翼の枚数は2〜5本のいずれかである上記の溶融ガラス撹拌用スターラーである。
また、クランク4と平板状撹拌翼3の回転速度をそれぞれ設定できるようにした上記の溶融ガラス撹拌用スターラーである。
さらに、中心支持体(A)が、クランク(B)に連結された中空状パイプ(A1)と平板状撹拌翼に連結された棒状物質又は中空パイプ(A2)からなる上記の溶融ガラス撹拌用スターラーである。
本発明に係る溶融ガラス用スターラーによれば、溶融ガラスを効率的に撹拌し、良質のガラス生地を得ることができるとともに、構造が単純であるため、使用する貴金属量も削減でき、また、メンテナンスも容易であるため、製造時事の生産安定性を大幅に改造することができる。
本発明は、融液状の溶融ガラスを均一化するためのスターラーであって、中空パイプ状又は/及び棒状物質で外径がDの中心支持体A、外径がDで長さがLの水平撹拌棒1及び外径がDで長さがLの垂直撹拌棒2からなるクランク4、及び幅がWで長さがLの平板状撹拌翼3からなる溶融ガラス撹拌用スターラーである。以下、図を用いて説明する。
図1は、本発明の概念を示す2本垂直撹拌棒型(固定タイプ)の溶融ガラス撹拌用スターラーの正面図(イ)と底面図(ロ)である。図1に示すように、本発明のスターラーは主に中空パイプ状で外径がDの中心支持体A、外径がDで長さがLの水平撹拌棒1及び外径がDで長さがLの垂直撹拌棒2からなるクランクB、及び幅がWで長さがLの平板状撹拌翼3からなりたっている。なお、中心支持体Aは棒状物質でも特に問題はない。その上端は、図示はしないが、回転駆動装置に連結されている。また、スターラーの各太さについては棒状又はパイプ状が好ましいため外径で代表させたが、それぞれの断面形状は、得られる強度を勘案して真円以外にも楕円、正方形、長方形、三角形以上の多角形を選択することができる。これらの場合、各径はそれぞれ、楕円の長径、多角形の対角線長さを適応する。
中心支持体Aは、本発明のスターラーの中心部に位置している。この中心支持体Aは外径がDの中空パイプ状又は棒状物質である。中空パイプ状の場合、その内側に棒状物質又は中空パイプが入ることができるように設計されている。また、棒状物質の場合もある。この中心支持体Aは、強度的に十分なものでなければならない。
外径がDで長さがLの水平撹拌棒1及び外径がDで長さがLの垂直撹拌棒2からなるクランクBが使われることが好ましい。水平撹拌棒1ならびに垂直撹拌棒2は従来のクランク型で用いられてきた撹拌棒とほぼ同等と考えて良い。垂直撹拌棒2は水平撹拌棒1を介して中心支持体Aに連結している。特徴的なことは、幅がWで長さがLの平板状撹拌翼3をも具備しているところである。これらの水平撹拌棒1、垂直撹拌棒2及び平板状撹拌翼3を回転させることにより、その遠心力やガラス粘性を利用して、溶融ガラスを撹拌する。
また、本発明の溶融ガラス撹拌用スターラーは、D≦D、D≦D、2L≦L、0.5L≦L≦L、0.1(L−D)≦W≦0.6(L−D)の関係を満足していることが好ましい。
水平撹拌棒1の外径D及び垂直撹拌棒2の外径Dは中心支持体Aの外径Dとの関係において、同じかまたはそれよりも細いことが必要である。すなわち、D≦D及びD≦Dであることが必要である。中心支持棒の太さまたは径よりも、水平および垂直撹拌棒の径が太い場合には、中心支持棒と水平撹拌棒の接合部分に、回転に伴う必要以上の応力が発生することになり、亀裂発生などの問題が生じやすくなる。また、同形状では使用する材料費が増加し、コスト増加の原因になる。より好ましくは0.5D≦D≦D及び0.5D≦D≦D、さらに好ましくは、0.5D≦D≦0.8D及び0.5D≦D≦0.8Dである。なお、水平撹拌棒1の外径Dと垂直撹拌棒2の外径Dは、本発明の場合には強度的観点からD=Dに近いことが好ましい。
水平撹拌棒1の長さLと垂直撹拌棒2の長さLの間では、2L≦Lの関係が好ましい。垂直撹拌棒2の長さLは、中心支持体Aの回転軸を中心としたスターラーの最大回転径と同じかそれよりも長い方が良い。2LがLよりも大きくなると回転軸との接合部分への負荷が大きくなり、破損する可能性が大きくなるためである。
さらに、0.5L≦L≦Lの関係が好ましい。平板状撹拌翼の長さLが垂直撹拌棒の長さLよりも長いと、ルツボ底部の形状にも依るが、ルツボ底部がフラットな場合、効率よく撹拌できないといった問題が発生する。一方、平板状撹拌翼の長さLが垂直撹拌棒の長さLの1/2よりも長いと、平板状撹拌翼の撹拌効果を発揮し得ないといった問題が発生する。より好ましくは、0.7L≦L≦0.95Lである。
さらに、0.1(L−D)≦W≦0.6(L−D)の関係が好ましい。平板状撹拌翼の幅Wが水平撹拌棒の長さLから垂直撹拌棒の太さ又は径Dを減じた長さの0.6倍と同じかそれよりも短いことが必要である。平板状撹拌翼の幅Lが水平撹拌棒の長さLから垂直撹拌棒の太さ又は径Dを減じた長さの0.5倍より長くなると、平板状撹拌翼の撹拌効果が水平撹拌棒と垂直撹拌棒とによる撹拌効果を相殺し、所望の撹拌効果が得られない。一方、平板状撹拌翼の幅Wが水平撹拌棒の長さLから垂直撹拌棒の太さ又は径Dを減じた長さの0.1倍よりも短いと平板状撹拌翼の撹拌効果が小さくなり所望の撹拌効果が得られないといった問題が発生する。より好ましくは、0.2(L−D)≦W≦0.5(L−D)である。
また、本発明は、垂直撹拌棒の本数は2〜4本のいずれかであり、平板状撹拌翼の枚数は2〜5本のいずれかである溶融ガラス撹拌用スターラーである。垂直撹拌棒の本数が1本の場合、いわゆる片クランク型の場合は、回転中の芯ぶれなどの問題を生じやすいので、避けた方が良い。一方、5本以上の場合は使用材料の増加につながり、コスト増の原因となるとともにメンテナンスが難しくなる。なお、3本の場合も1本の場合と同様芯ぶれなどの問題を生じやすいので、より好ましい垂直撹拌棒の本数は2又は4本である。
これに対し、平板状撹拌翼の枚数は2〜5本のいずれかであることが好ましい。垂直撹拌棒の本数が1本の場合、回転中の芯ぶれなどの問題を生じやすいので、避けた方が良い。一方、6本以上の場合は使用材料量の増加につながり、コスト増の原因となるとともにメンテナンスが難しくなる。なお、回転の中心付近はガラス融液の流速が遅くなり、これを補うために平板状撹拌翼が必要であるので、垂直撹拌棒の本数よりも平板状撹拌翼の枚数が多い方が望ましい。但し、必要以上に枚数を増やすことは、前述したように使用白金量の増加やメンテナンスの困難さの原因となる。垂直撹拌棒の本数が2本の場合は平板状撹拌翼の枚数が3枚又は4枚、垂直撹拌棒の本数が4本の場合は平板状撹拌翼の枚数が5枚であるスターラー構造がより好ましい。
さらに、中心支持体Aが、クランクBに連結された中空状パイプと平板状撹拌翼に連結された棒状物質又は中空パイプからなることが好ましい。図2は、本発明の概念を示す2本垂直撹拌棒型(2重構造中心支持体)での溶融ガラス撹拌用スターラーの正面図(イ)と底面図(ロ)である。図2に示すように、中心支持体Aは2重構造を取り、クランクBと連結する中心支持体Aである中空パイプA1、及び平板状撹拌翼3と連結し中空パイプA1の内側に配された棒状物質A2からなりたっている。それぞれは、独立に駆動するので、それぞれの回転速度を自由に設定できることになる。なお、回転速度を自由に設定できるようにする場合は、中心支持体Aが2重構造又はそれ以上の多重構造をとる必要がある。また、この場合、平板状撹拌翼に連結される中心支持体Aの内軸部は棒状物質でも良いし、中空パイプでも良い。
上記のようにすると、クランクBと平板状撹拌翼3の回転速度をそれぞれ設定できるようにすることが好ましい。ガラス組成、その溶融温度及び粘性にもよるが、ガラスの均一化が難しい場合がある。このとき、ガラス均一化のためには回転速度を上げた方が良好となるが、泡の多発傾向になる。また、容器の中心部と周辺部では、ガラスの流動速度が異なるので、それぞれにスターラーによる回転速度の最適条件が異なることが多い。このような場合、回転速度をそれぞれ設定することにより、均質で泡等の欠点がないガラスを得ることができる。
一般的に、この中心支持体Aの外径Dは、10〜40mmが好ましい。10mm未満では強度的に不十分となり、変形や破損の可能性が出てくる。特に、変形による芯ぶれは、泡発生の原因となることがあるので、注意する必要がある。一方、40mmを越えるとガラスの均質化に問題が発生する場合がある。また、中空パイプを用いて40mmを越える場合、その動作速度にもよるが、強度を保持する上で肉厚を厚くする必要が生じ、使用材料量の増加につながる。さらに好ましくは15〜35mmの範囲である。
中心支持体Aを中空パイプとする場合、その肉厚は1〜4mmが好ましい。1mm未満では強度的に不十分となり、4mmを越えて肉厚を厚くすることは経済面から好ましくないと同時に、ガラスの粘性にも依るがその強度保持の観点からは過剰である。また、中心支持棒、水平撹拌棒および垂直撹拌棒は中実の棒でも良いし中空のパイプでも良いが、使用材料の削減の観点からは中空のパイプが好ましい。好ましくは、15mm以上35mm以下である。
また、平板状撹拌翼の厚さDが1mmから4mmであることが好ましい。1mm未満では使用温度や使用ガラス粘度にも依るが、その強度を保持することが困難である。4mmを超えると使用する材料の量が多くなる。なお、中心支持棒と水平撹拌棒の連結部分、水平撹拌棒と垂直撹拌棒の連結部分ならびに中心支持棒と平板状撹拌翼の連結部分は必要に応じて適当な接合方法を選択できる。
スターラーとしては、高温の溶融ガラスによって浸食されることがないよう、白金を主体とした材料が用いられる。当然ながら、ロジウム等の合金タイプやジルコニア等の添加タイプも使うことができる。さらに、その温度条件又は雰囲気条件により、SUSなどの金属やセラミックスを使うことも可能である。なお、その強度保持の観点からタングステンやモリブデンといったいわゆる高融点金属も使用できる。
なお、本発明は、小規模生産に好適な溶融ガラス撹拌用スターラーではあるが、比較的大規模な溶融ガラスの撹拌用スターラーとしても使うことは可能である。
以下、実施例に基づき、述べる。
実施例1に該当する外径Dが28mmで厚さ2mmの中空パイプA1の中に外径d15mmの棒状物質A2を入れた2重構造の中心支持体A、長さLが100mmで径Dが15mmの水平撹拌棒1、長さLが200mmで径Dが15mmの垂直撹拌棒2、長さLが180mmで幅Wが20mmで撹拌翼が4枚からなる平板状撹拌翼3(厚さD:2mm)の強化処理がなされた白金−白金ロジウムのスターラ−を準備した。なお、このスターラーはそれぞれ2つの駆動系を有し、一つは中空パイプA1−クランクB(水平撹拌棒1−垂直撹拌棒2)が一体に、もう一つは棒状物質A2−平板状撹拌翼3につながっている。また、それぞれの部分は溶接により連結してある。
SiO、NaO、BaO、Alからなるガラスを質量比で59:28:5:8の割合となるように調合し、内径300mm、高さ360mmの強化白金製溶融槽の中で約4時間かけて、1300℃程度まで加熱した。この状態で保持しながら、上述のスターラーを用いて溶融ガラスの均質化作業を試みた。このとき、上述とほぼ同様のガラス組成でグレイ色に着色した、いわゆる着色ガラス粉10gを上部から入れ、均質化の推移状況を観察した。このときの回転速度はクランク4が30rpm、平板状撹拌翼3が40rpmとした。
なお、それまで明確であった着色ガラス粉の存在が確認できなくなったとき(着色ガラスが消えたように感じたとき)を一次の均質化完了時点とし、停滞部はなしと判断した。一次の均質化完了までの所要時間は5時間であった。
さらに、均質化作業を合計で15時間行った後、溶融ガラスを溶融槽に付設した流出ノズルを介して流出、徐冷を行い、横幅が約15cm、高さが約4cmで長さが約4mのガラスブロックを得た。
このガラスブロックを切断し、断面を研磨して内部性状を観察するとともに最終的な均質性を断面歪計および光学顕微鏡を使って評価したところ、不均質なガラス相を含まない均質性の良好なガラスであることが確認された。
(実施例2〜6)
実施例1とほぼ同様の方法でスターラーの形状寸法を変更して、ガラスの均質化の状況を検討した。その結果を実施例1も含めて表1に示す。いずれの場合も良好な結果を示した。
(比較例1)
実施例1と同様のガラスをほぼ同様の条件で加熱した。その後、平板状撹拌翼を有さない、いわゆる一般的なクランクタイプのスターラーで、均質化作業を試みた。本作業を15時間行った後、実施例1と同様に流出、徐冷を行い、横幅が約15cm、高さ4cmで長さが約4mのガラスブロックを得た。
このガラスブロックを切断し、断面を研磨して内部の性状を観察・評価したところ、ガラスブロック断面中央付近に強い脈理と、ブロック表層付近に同心円状の弱い脈理が観察された。なお、15時間経過した時点でも着色ガラス粉の存在が確認できなくなるとき(着色ガラスが消えたように感じたとき)は認められず、停滞部は最後まで中心軸近傍に存在した。
(比較例2〜6)
比較例1とほぼ同様の方法でスターラーの形状寸法を変更して、ガラスの均質化の状況を検討した。なお、比較例3はクランクタイプ、他は実施例1と同タイプのものを使用した。その結果を比較例1も含めて表2に示す。比較例2及び3では均質化作業を15時間、比較例4〜6では均質化作業を20時間として行ったが、いずれの場合も停滞する部分が最後まで存在していた。
本発明の概念を示す2本垂直撹拌棒型(固定タイプ)の溶融ガラス撹拌用スターラーの正面図(イ)、底面図(ロ)である。 本発明の概念を示す2本垂直撹拌棒型(2重構造中心支持体)での溶融ガラス撹拌用スターラーの正面図(イ)、底面図(ロ)である。
符号の説明
1 水平撹拌棒
2 垂直撹拌棒
3 平板状撹拌翼
A 中心支持体
A1 2重構造式中心支持体の内軸部
A2 2重構造式中心支持体の外側部
B クランク(水平撹拌棒と垂直撹拌棒)
中心支持体の外径
水平撹拌棒の外径
垂直撹拌棒の外径
平板状撹拌翼の厚さ
2重構造式中心支持体の内軸径
水平撹拌棒の長さ
垂直撹拌棒の長さ
平板状撹拌翼の長さ
平板状撹拌翼の幅

Claims (5)

  1. 融液状の溶融ガラスを均一化するためのスターラーであって、中空パイプ状又は/及び棒状物質で外径がDの中心支持体(A)、外径がDで長さがLの水平撹拌棒(1)及び外径がDで長さがLの垂直撹拌棒(2)からなるクランク(B)、及び幅がWで長さがLの平板状撹拌翼(3)からなることを特徴とする溶融ガラス撹拌用スターラー。
  2. ≦D、D≦D、2L≦L、0.5L≦L≦L、0.1(L−D)≦W≦0.6(L−D)であることを特徴とする請求項1に記載の溶融ガラス撹拌用スターラー。
  3. 垂直撹拌棒の本数は2〜4本のいずれかであり、平板状撹拌翼の枚数は2〜5本のいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶融ガラス撹拌用スターラー。
  4. クランク(B)と平板状撹拌翼(3)の回転速度をそれぞれ設定できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融ガラス撹拌用スターラー。
  5. 中心支持体(A)が、クランク(B)に連結された中空状パイプ(A1)と平板状撹拌翼に連結された棒状物質又は中空パイプ(A2)からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の溶融ガラス撹拌用スターラー。
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