JP2005118984A - 微粒子の配列制御方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 超臨界流体を、微粒子と分散媒との混合物に混入し、均一に分散させ、該混合物の流動性をあげることを特徴とする基体上に微粒子の制御された配列形状を保持させる微粒子の配列制御方法。混合物がノズルから基板上に噴出された際、混合物中の超臨界流体が大気中に噴出され急速に膨張して揮散するとき、分散媒等も蒸発して微粒子が剥き出しになった場合、微粒子が基板に衝突する時または微粒子同士が衝突する時にエネルギーが放出され、そのエネルギーによって微粒子と基板または微粒子同士を接着させる。超臨界二酸化炭素をスプレーに適した圧力に調整する調圧部と、超臨界二酸化炭素と微粒子と分散媒とを混合する撹拌部と、超臨界二酸化炭素と微粒子と分散媒の混合物をスプレーするスプレー部とで構成したことを特徴とする微粒子の配列制御装置。
【選択図】 図9
Description
一方、ナノオーダーまでの微細化が進むチップ・コンポーネント製造プロセスに対して、印刷基板への高密度実装化技術の開発も注目されている。例えば、現在、大量生産されている電子機器用の高精度印刷機では、300μmピッチまでの印刷に対応可能であるが、「100μm線幅以下のファインパターン形成は極めに困難である」といった声が聞かれる。こうした背景から、マイクロデバイスの機能充実のため、新たな微細構造体の作製技術への要求が高まっている。
3次元方向の微粒子の配列が崩れないようにするため、分散媒と微粒子の流動性を下げると、印刷または塗布等が上手くできないため、2次元方向及び3次元方向の微粒子の配列制御ができないという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、基板上に微粒子を2次元方向及び3次元方向に配列制御し、形状を保持しようとするものである。
本発明は、分散媒の蒸発時間を極端に短くすることが可能となり、分散媒の蒸発時間を変えることもできるように、このような問題についても解決しようとするものである。
(1) 基体上に微粒子の制御された配列形状を保持させる微粒子の配列制御方法であって、超臨界流体を、微粒子と分散媒との混合物に混入し、均一に分散させ、該混合物の流動性をあげることを特徴とする方法。
(2) 微粒子と分散媒との混合物の流動性をあげることで、微粒子の量を増加させ、分散媒の量を削減する上記(1)の微粒子の配列制御方法。
(3) 微粒子、分散媒、超臨界二酸化炭素の混合物の各成分の混合比を調整し、該混合物が基板上に噴出された際の、分散媒の蒸発速度を制御する、または当該分散媒の蒸発速度を制御することで、微粒子が自己配列する際、毛管力を制御する上記(1)または(2)の微粒子の配列制御方法。
(4) 微粒子、分散媒および超臨界二酸化炭素の混合物に予めエントレーナーを加えておくことにより、混合物を基板等に噴出した際、エントレーナーが微粒子または分散媒に析出することを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかの微粒子の配列制御方法。
(5) 析出したエントレーナーの特性により、微粒子、分散媒の粘性、流動性を変え、微粒子の2次元方向および3次元方向の配列制御をする上記(4)の微粒子の配列制御方法。
(6) 混合物がノズルから基板上に噴出された際、霧状に分散して、微粒子が2次元方向および3次元方向に配列される、または当該微粒子を2次元方向及び3次元方向に配列させ、微粒子による薄膜または厚膜を製造する上記(3)ないし(5)のいずれかの微粒子の配列制御方法。
(7) 混合物がノズルから基板上に噴出された際、混合物中の超臨界流体が大気中に噴出され急速に膨張して揮散し、微粒子と分散媒の流動性が下がり、微粒子の配列形状が保
持された状態となる上記(6)の微粒子の配列制御方法。
(8)混合物がノズルから基板上に噴出された際、混合物中の超臨界流体が大気中に噴出され急速に膨張して揮散するとき、分散媒等も蒸発して微粒子が剥き出しになった場合、微粒子が基板に衝突する時または微粒子同士が衝突する時にエネルギーが放出され、そのエネルギーによって微粒子と基板または微粒子同士を接着させることを特徴とする上記(6)の微粒子の配列制御方法。
(9) 混合物を噴出する際、基板上にパターニングされたマスクを設置することによって、パターン形成する上記(3)ないし(8)のいずれかの微粒子の配列制御方法。
(10) 微粒子、マスクのパターンサイズをナノ単位にする上記(9)の微粒子の配列制御方法。
(11) 混合物を噴出する際、噴出先に型枠を設置して型枠内に微粒子を配列する上記(3)ないし(8)のいずれかの微粒子の配列制御方法。
(12) 型枠及び微粒子のサイズをナノ単位にする上記(11)の微粒子の配列制御方法。
(13) 微粒子、分散媒、超臨界二酸化炭素の混合比を変えることにより、粒子密度の異なる部品を成形する上記(12)の微粒子の配列制御方法。
(14) 超臨界二酸化炭素をスプレーに適した圧力に調整する調圧部と、超臨界二酸化炭素と微粒子と分散媒とを混合する撹拌部と、超臨界二酸化炭素と微粒子と分散媒の混合物をスプレーするスプレー部とで構成したことを特徴とする微粒子の配列制御装置。
混合物中の超臨界二酸化炭素は大気中に噴出されることによって、急速に膨張して揮散するため、微粒子は2次元方向及び3次元方向に配列された状態で急速に流動性が下がるため、分散媒によって微粒子の配列形状を保持することが可能となる。
また、超臨界流体二酸化炭素は急速に揮散するため、分散媒の蒸発時間を極端に短くすることが可能となり毛管力が作用する時間が短くなるため、微粒子の自己配列を制御することが可能となる。
さらには、微粒子、分散媒、超臨界二酸化炭素の混合比を変えることによって、分散媒の蒸発時間が変わり、微粒子に作用する様々な力を変えることができ、微粒子の自己配列の状態も変えることが可能となる。すなわち、微粒子の配列を制御して配列の形状を保持することができる。
すなわち、本発明は、微細パターンの形成、薄膜、厚膜による新材料の創製、超微細な部品の製造において、微粒子を2次元方向及び3次元方向に配列制御した後、配列された形状を保持できる方法およびその装置を提供することができる。
さらに、超臨界流体二酸化炭素は、表面張力は小さく、ゼロに近いため、微粒子の表面に対して濡れ易く、しかも細かい隙間や微細孔に入り易い。超臨界流体二酸化炭素のこうした微粒子凝集抑制作用は混合物がノズルから基板上に噴出される前に高品位な粒子流を実現しており、用いる微粒子との関係で分散媒を用いないことも可能である。
混合物中の超臨界二酸化炭素は、高圧容器から大気中に噴出されることによって、急速に膨張して揮散する。従って、微粒子は2次元方向及び3次元方向に配列された状態で流動性が下がるため、分散媒によって配列形状を保持することが可能となる。
そこで先ず、実施例における各項目について説明する。
基体:本来、基体とは、あるものについて性質や状態が語られる際に、そうした性質や状態が帰属するそのものである。実施例における基体は、例えば、表面に銅箔で配線がされ、半導体 や抵抗などの電子部品を取り付けて使う合成樹脂板を指し、一般にはプリント基板と呼ぶ。
微粒子:本来、微粒子とは非常に細かい粒のことであり、実施例における微粒子は、例えば、銀及びその他金属との合金を指し、サイズとしてはナノ単位からマイクロ単位までの領域が考えられる。
超臨界流体:本来、超臨界流体とは、物質の臨界点を超えた温度、圧力にある流体であり、高密度にしても液化せず、物質を溶解する能力、溶解速度、分離速度が液体よりも大きい。実施例における超臨界流体は、例えば、臨界温度31.2℃、臨界圧力7.38Mpaの超臨界二酸化炭素が挙げられる。その他に取扱いやすい超臨界流体としては、エタン、プロパン、メタノール、エタノール、アンモニア、キセノン等が考えられる。
分散媒:本来、分散媒とは、分散系の媒質をなす均一な物質を言い、なかに分散相を散在させている。実施例における分散媒は微粒子及びエントレーナーが安定した状態を維持できるものであり、有機系の分散媒としては、例えば、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類が挙げられる。その他の分散媒としては、水、界面活性剤等が考えられる。
均一に分散させ、該混合物の流動性をあげる手段:超臨界流体の密度は液体に近いが粘度は小さくて気体に近く、拡散係数は液体に比べると100倍も大きく、熱伝導度は液体に近いぐらいに良い。すなわち、熱伝導度が良く、拡散が早く、粘性が小さいため、該混合物の流動性を上げて、均一に分散させることが可能となる。すなわち、超臨界流体により、該混合物の流動性を上げて、均一に分散させる手段となる。また、この手段をミクロ的なものとすれば、マクロ的手段として、該混合物を機械的に撹拌して流動性を上げて、均一に分散させることも可能である。例えば、該混合物を撹拌器で撹拌すること等が考えられる。
目的物(制御された配列形状を保持させる微粒子):微粒子を2次元方向及び3次元方向に配列制御する場合、分散媒と微粒子の混合物を基板上に塗布して乾燥させる方法が用いられるが、塗布の乾燥過程において自己配列現象により、塗布直後の配列形状を保持させることは難しい。例えば、電子部品をプリント基板に取り付ける場合のはんだペーストに含まれる銀及びその他金属との合金等が挙げられる。その他、配列形状を保持させる必要がある微粒子として、セラミックスの構造改質材、光機能コーティング材、電磁波遮蔽材料、二次電池用材料、蛍光材料、電子部品材料、磁気記録材料、研磨材料、化粧品材料、高分子材料等が考えられる。
図1ないし図5は、方法の発明を説明するための図面である。
図中、物質に付した符号は、1は微粒子、2は分散媒、3は超臨界二酸化炭素、4は分散媒と超臨界二酸化炭素の混合物、5は微粒子と分散媒と超臨界二酸化炭素の混合物、6は急速膨張した超臨界二酸化炭素、物質に作用する力に付した符号は、31は基板の表面張力、32は分散媒の表面張力、33は分散媒と基板間の表面張力、34は摩擦抵抗力、35は毛管力である。
図1、図2は、微粒子として銀及びその他金属との合金、分散媒としてエタノール、超臨界二酸化炭素の混合物の各成分の混合比を重量で450:10:1に調整したものについて、超臨界二酸化炭素を混合する前(図1)と後(図2)で流動性が変わることを説明するための模式図である。図1、図2のように、微粒子と分散媒(サスペンンション)の混合物に超臨界二酸化炭素が加えられることによって、微粒子、分散媒、超臨界二酸化炭素の混合物の流動性が上がる。従って、微粒子の流動性は、微粒子と分散媒の混合物より、微粒子、分散媒及び超臨界二酸化炭素の混合物の方が大きい。→(矢印)は流動性の大きさを示している。
図3のように、高圧容器から大気中に噴出された混合物中の超臨界二酸化炭素は急速に膨張して揮散する。
図4のように、基板上の分散媒がバインダーとして役割を果たす場合、分散媒の持つ特性により微粒子の配列を制御した後、その微粒子の配列形状を保持する。
または、図5のように、分散媒が蒸発する場合、微粒子には様々な力が作用して、微粒子の自己配列が起こり、自己配列した状態で形状が保持される。
すなわち、超臨界流体急速膨張法により微粒子の流動性を制御し、流動性を制御することにより微粒子の配列を制御して、配列形状を保持することができる。そして、超臨界流体急速膨張法により微粒子、分散媒、超臨界二酸化炭素の混合比を変えることが可能となり、微粒子の自己配列の状態も変えることが可能となる。
図中、装置の構成部分に付した符号は、11は超臨界二酸化炭素ボンベ、12は調圧用高圧容器、13は混合用高圧容器、14はポンプ、15は圧力調整用バルブ、16は流量調整用バルブ、17は撹拌器、18は開閉用バルブ、19はノズル、20は基板、21はパターニングマスク、22〜25はパイプ、26〜29はヒータである。
図6は本発明の微粒子の配列制御及び配列形状を保持する装置の一例を示す要部断面図である。
本発明の微粒子の配列制御装置は、図6に示すように、超臨界二酸化炭素をスプレーに適した圧力に調整する調圧部と、超臨界二酸化炭素と微粒子と分散媒とを混合する撹拌部と、超臨界二酸化炭素と微粒子と分散媒の混合物をスプレーするスプレー部とで構成されている。
《調圧部》
調圧部は、超臨界二酸化炭素ボンベ11と、ヒータ27を備えた調圧用高圧容器12と、両者を接続するパイプ22と、パイプ22の途中に設けた圧力調整用バルブ15と、圧力調整用バルブ15を迂回するように分岐したパイプ23と、パイプ23の中途部に設けたポンプ14と、調圧された超臨界二酸化炭素を混合用高圧容器13に供給する量を調整する流量調整用バルブ16とで構成されており、超臨界二酸化炭素ボンベ11中の超臨界二酸化炭素は、圧力調整用バルブ15とポンプ14とにより調圧され、さらに、流量調整用バルブ16によって必要とする流量の超臨界二酸化炭素は高圧容器12に供給される。
なお、調圧用高圧容器12に備えたヒータ27は、温度変化による圧力の変動を防止するために、調圧された超臨界二酸化炭素の温度を調整することにより、調圧用高圧容器12内を一定の圧力に保持している。
撹拌部は、混合用高圧容器13と撹拌器17とによって構成されており、パイプ25によって混合用高圧容器13内に送られてきた調圧された超臨界二酸化炭素と、混合用高圧容器内に供給された微粒子および分散媒とを撹拌器17によって撹拌混合する。
スプレー部は、混合用高圧容器13内の微粒子と分散媒と超臨界二酸化炭素の混合物を導出するパイプ25と、パイプ25の端部に設けられたノズル19と、パイプ25の中途部に設けられた開閉用バルブ18とで構成されており、開閉用バルブ18を解放すると微粒子と分散媒と超臨界二酸化炭素の混合物は、パイプ25によってノズル19に送られ、基板20上にスプレーされる。
なお、図中28は、パイプ25を通過する混合物を一定温度に保つためのヒータであり、29は基板20を一定温度に保つためのヒータである。
最近、半導体チップをパッケージするために、図10のように高密度の微細な半田バンプの形成が望まれていることから、微細な半田パターンについて検討した。図11は、本実施例で使った厚み30μmの金属製マスク模様の一部を示す。孔は、線幅100μmと30μmの二種類があり、目的とするパターンに応じて、適当なノズルと粒子サイズを選択することが重要である。ノズルの目詰まりが起こらなければ、直径の小さいノズルは微細なパターニングに相応しいと思われる。SCFの分散特性から、少なくとも内径100μmまでのキャピラリーノズルを使用することが望ましい。線幅100μmのパターンに対して、直径約30−35μmの粒子を使用した結果を図12に示す。半田粒子サイズが線幅100μmの約三分の一となるので、マスクの孔内に概ね充填できることが判明した。充填性と転写性を検討するために、粒子サイズを一段下げて、直径約0.5−5μmの半田粒子で検討した。図13(a)得られた線幅100μmのパターン、図13(b)は線幅30μmのパターンのSEM写真である。粒子径が小さい方がより高い鮮明度でパターンを形成していることが分かる。現在、ナノサイズの金属粒子は比較的容易に製造できるが、サブマイクロオーダーの半田粒子の作製は極めて難しいと言われている。これらの実験結果は、粒子サイズがμmオーダーになっても、線幅30μm程度のパターンも十分な鮮明度が得られることを示している。
微粒子を用いる製膜法に関して、比較のために従来法について概観する。ファインパターンを作製する方法には静電気力を利用する電気泳動法があるが、粒子の誘電率などが適合しなければならないという制約がある。その他の多くの方法は、粒子を吹き付ける原理に基づくものである。(例えば、ジェットプリンティング、ガスデポジション、エアロゾル法など)。特に、独立分散超微粒子ペーストを用いてジェットプリンティングを行う装置では、線幅30μm以上で描画することが可能であると報告されている(武田修:エレクトロニクス実装学会誌,第5巻第1号,2002年,p14-17)がナノサイズ微粒子の凝集による細いノズルの目詰まりが発生するなどの問題があると指摘されている。
これに対して、本技術では、瞬間的にパターンを形成できる、厚みがμmオーダーの薄膜からmmオーダーの厚膜まで製膜できる、耐熱性のない基板に対して常温でも製膜できる、微粒子の凝集を解消できる(粒子の電気的特性に影響されない)、などの利点があり、30μmレベルのパターニングの量産化に大きく寄与することが期待される。RESS法を用いた微粒子による微細パターニングに関しては、一般的に以下に述べるような長所と短所がある。
(1)環境への負荷の低減
二酸化炭素は科学的に安定で生体に対する毒性がないので、安全な製品を作ることが可能である。また、通常のエアロゾル法では、微粒子の移動特性を改善するために有機溶媒を添加するケースがあるが、本技術では、SC-CO2が一種の潤滑媒として機能するため、有機溶媒を必要としない、或いは使用しても少量であるなどの利点がある。
(2)微粒子への強い分散効果
SCFの表面張力は小さく、ゼロに近い。従って、SCFは微粒子の表面に対して濡れ易く、しかも細かい隙間や微細孔に入り易い。こうした特性を活用して、SC-CO2による有機高分子材料への金属微粒子の注入技術が開発された7)。本技術では、 SC-CO2は微粒子凝集の抑制剤として使われている。例えば、鎖状ナノ炭素微粒子は、作製後、長時間放置すると、図7(a) に示すように凝集する。このような団塊の状態では、微細パターニングに不適であるが、高圧容器中で攪拌すると、図7(b) に見られるように、よく分散されていることが確認された。エアロゾル法では、μmサイズの粒子によりノズルの目詰まりが発生するという問題があるが、SCFの優れた分散特性を利用した本技術は、ノズルの目詰まりの問題を容易に解決できたと言える。
(3)幅広い応用
本技術では、粒子や基板への制限はほとんどなく、SC-CO2に溶解しない限り、どのような粒子にも適用可能である。また、多元粒子から複合材料構造体を作製することも可能であると考えられる。本研究では、金属粒子(銅、銀)、酸化物粒子(TiO2、Fe2O3, ZnO, MnO2など)、非金属粒子(カーボン)、高分子粒子等について検討した。
また、基板として、金属板、セラミックス板(Al2O3)、ガラス板、プラスチック板(ABS)、紙等を使用してパターン形成することができた。形成された膜は、スクラッチしない限り基板から剥離しないので、焼結などの硬化処理も行うことが可能である。
(4)高い効率
SCFの優れた移動特性・分散特性を利用して、大量の粒子を使用することにより、高濃度での噴射が可能である。直径1.5mm、厚み約0.4mmの半田ペーストパターンは、数秒間の噴射で形成されたことから、製膜効率は極めて高いことが分かった。瞬間形成するために、SCFの急速膨張による温度低下の影響をほとんど受けないので、基板を加熱しなくでも製膜が可能である。常温でのパターニングは、熱安定性の悪い基板や粒子を使用する場合、特に有利である。
使用する微粒子によってはSC-CO2に溶解するものもあるので、本来、粒子が有する機能に大きな影響を与える可能性がある。特に、樹脂のように、様々な成分が混ざり合っている高分子微粒子に対しては注意が必要である。また、本技術は基本的には吹き付け操作なので、噴射によって微粒子が散乱する。微粒子の数パーセント程度しか構造体に利用されないため、場合によっては微粒子の飛散は無視できない。さらに、連続操作をするために頻繁にマスクの交換や洗浄が必要となる場合には、保守管理や操作が煩雑になる。本法は、従来の常圧下で行う製膜法やパターニング法と比較して、設備費が高くなることに加えて、使用したCO2ガスの排出が問題となる。CO2ガスの温室効果による地球環境問題を避けるためには、コストアップとなるが、使用済みCO2の回収・循環使用システムの構築への取り組みが必要である。
2 分散媒
3 超臨界二酸化炭素
4 分散媒と超臨界二酸化炭素の混合物
5 微粒子と分散媒と超臨界二酸化炭素の混合物
6 急速膨張した超臨界二酸化炭素
11 超臨界二酸化炭素ボンベ
12 調圧用高圧容器
13 混合用高圧容器
14 ポンプ
15 圧力調整用バルブ
16 流量調整用バルブ
17 撹拌器
18 開閉用バルブ
19 ノズル
20 基板
21 パターニングマスク
22〜25 パイプ
26〜29 ヒータ
31 基板の表面張力
32 分散媒の表面張力
33 分散媒と基板間の表面張力
34 摩擦抵抗力
35 毛管力
Claims (14)
- 基体上に微粒子の制御された配列形状を保持させる微粒子の配列制御方法であって、超臨界流体を、微粒子と分散媒との混合物に混入し、均一に分散させ、該混合物の流動性をあげることを特徴とする方法。
- 微粒子と分散媒との混合物の流動性をあげることで、微粒子の量を増加させ、分散媒の量を削減する請求項1の微粒子の配列制御方法。
- 微粒子、分散媒、超臨界二酸化炭素の混合物の各成分の混合比を調整し、該混合物が基板上に噴出された際の、分散媒の蒸発速度を制御する、または当該分散媒の蒸発速度を制御することで、微粒子が自己配列する際、毛管力を制御する請求項1または2の微粒子の配列制御方法。
- 微粒子、分散媒および超臨界二酸化炭素の混合物に予めエントレーナーを加えておくことにより、混合物を基板等に噴出した際、エントレーナーが微粒子または分散媒に析出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの微粒子の配列制御方法。
- 析出したエントレーナーの特性により、微粒子、分散媒の粘性、流動性を変え、微粒子の2次元方向および3次元方向の配列制御をする請求項4の微粒子の配列制御方法。
- 混合物がノズルから基板上に噴出された際、霧状に分散して、微粒子が2次元方向および3次元方向に配列される、または当該微粒子を2次元方向及び3次元方向に配列させ、微粒子による薄膜または厚膜を製造する請求項3ないし5のいずれかの微粒子の配列制御方法。
- 混合物がノズルから基板上に噴出された際、混合物中の超臨界流体が大気中に噴出され急速に膨張して揮散し、微粒子と分散媒の流動性が下がり、微粒子の配列形状が保持された状態となる請求項6の微粒子の配列制御方法。
- 混合物がノズルから基板上に噴出された際、混合物中の超臨界流体が大気中に噴出され急速に膨張して揮散するとき、分散媒等も蒸発して微粒子が剥き出しになった場合、微粒子が基板に衝突する時または微粒子同士が衝突する時にエネルギーが放出され、そのエネルギーによって微粒子と基板または微粒子同士を接着させることを特徴とする請求項6の微粒子の配列制御方法。
- 混合物を噴出する際、基板上にパターニングされたマスクを設置することによって、パターン形成する請求項3ないし8のいずれかの微粒子の配列制御方法。
- 微粒子、マスクのパターンサイズをナノ単位にする請求項9の微粒子の配列制御方法。
- 混合物を噴出する際、噴出先に型枠を設置して型枠内に微粒子を配列する請求項3ないし8のいずれかの微粒子の配列制御方法。
- 型枠及び微粒子のサイズをナノ単位にする請求項11の微粒子の配列制御方法。
- 微粒子、分散媒、超臨界二酸化炭素の混合比を変えることにより、粒子密度の異なる部品を成形する請求項12の微粒子の配列制御方法。
- 超臨界二酸化炭素をスプレーに適した圧力に調整する調圧部と、超臨界二酸化炭素と微粒子と分散媒とを混合する撹拌部と、超臨界二酸化炭素と微粒子と分散媒の混合物をスプレーするスプレー部とで構成したことを特徴とする微粒子の配列制御装置。
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