JP2005118427A - 磁気共鳴イメージング装置及びrf受信コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】受信コイルにおける開口部の制限を緩和して、患者へのアクセスの容易化、術者にかかる負担の軽減化、手技の作業性の向上化を図ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現する。
【解決手段】磁気共鳴イメージング装置の受信コイル25及び26はスライド機構を備え、受信コイル25が固定側で、受信コイル26が可動側のコイルとなっている。受信コイル26には開口部26a、26bが形成されている。手技を行なう際等は、受信コイル26を手動にてスライドさせることができるので開口部26a、26bを適切な位置に移動させ、穿刺針や内視鏡へのアクセスが容易となっている。つまり、MR撮影時には受信コイル26を撮影に適した位置に固定してMR撮影を行い、手術を行うときは受信コイル26をスライドさせ、手術に適切な開口位置を確保して、その手術を行うことができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)に関し、特にInterventional/Intraoperative MR(I−MR)を行なう際に必要とされる受信コイルに関する。
昨今のMRI装置は、オープン型ガントリや高速撮像法および透視シーケンスなどの技術的発展と、MRI装置が本来持つ、例えば被曝がない、任意断面の撮像が可能である、組織分解能に優れている等の利点とが相まって、I−MRという新分野が急速に発展してきた。
I−MRとは、オープン型のガントリ、ガントリ周辺に配置した画像モニタ(インルームモニタ)、専用RF受信コイル、MR高速撮像法およびMR透視(MR Fluoroscopy)、MRI装置対応の手術用テーブルなどの非磁性器具を必要構成要素とし、その環境下において、顕微鏡、内視鏡等を用いて手術(腫瘍など摘出)や穿刺を行うことを意味する。
ここで、I−MR用の手術用テーブル、顕微鏡、内視鏡は、ニッケルクロム合金や、チタン合金等非磁性の素材で作られており、MRI装置での磁石の磁場均一度に影響を与えない様になっている。
I−MRの手技におけるMRI装置の果たすべき役割として、次の2点を挙げることができる。
1.手術直前の治療部位の確認。
2.手術中の撮像による組織変化の可視化等。
こうしたI−MRの環境下において、医師(術者)は、患者の患部をMR画像上で識別し、インルームモニタを見ながら、患者に直接触れ、現状の治療状況の確認を行いながら、治療手技を進めることが可能となる。
一方、術中MRでは、MRI装置のガントリは、手術を行う手術室に配置され、手術は内視鏡、顕微鏡等を使用し、医師が手技を行なう。その途中で治療状況を確認するため、手術を一時中断し、清潔部分をビニール等で保持し、MR撮像を行う。
MR撮像時は、手術前に患部近傍に受信コイルを取付けて手術が行なわれるが、開腹手術用に、受信コイルには開口部が形成されている。
受信コイルに開口部が形成されている公知技術としては、特許文献1に記載されたMRI用ボディープローブがある。
この特許文献1記載のボディープローブは、受信コイルを上下に分割し、被検者が横たわるための寝台の前後方向に移動可能となっている。そして、この受信コイルは、ベルトにより被検者に装着される。
特開平10−66683号公報
しかしながら、上述した従来の技術にあっては、受信コイルの開口部の位置や大きさに制限があり、患者をガントリ内に挿入して、治療目的部位へ穿刺を行い、穿刺状況をMR透視下で行なうInterventionalでは、手術や穿刺を行う際の術者等の負担があった。
このため、この術者等に対する負担を軽減させ、手術効率等を向上させたいという要請があった。
本発明の目的は、受信コイルにおける開口部の制限を緩和して、患者へのアクセスの容易化、術者にかかる負担の軽減化、手技の作業性の向上化を図ることが可能な磁気共鳴イメージング装置及びRF受信コイルを実現することである。
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成ざれる。
(1)磁気共鳴イメージング装置に用いられるRF受信コイルにおいて、開口部を有する第1受信コイルと、上記第1受信コイルを被検体が配置される寝台の長手方向を中心軸とする周方向に移動可能に支持する受信コイル支持手段と、を備える。
(2)好ましくは、上記(1)において、上記受信コイル支持手段は、上記第1受信コイルの主磁束とほぼ直交する方向に、主磁束を発生する第2の受信コイルを有する。
(3)また、好ましくは、上記(1)又は(2)に用いられるRF受信コイルにおいて、上記第1の受信コイルと受信コイル支持手段は、上記第1の受信コイルの上記周方向への位置を固定する位置固定手段が形成されている。
(4)磁気共鳴イメージング装置は、上記(1)、(2)又は(3)のRF受信コイルを備える。
上記本発明の構成において、手技を行なう際等は、第1の受信コイルを手動にてスライドさせることができるので、第1の受信コイルの開口部を適切な位置に移動させ、穿刺針や内視鏡へのアクセスが容易となっている。
つまり、MR撮影時には第1の受信コイルを撮影に適した位置に固定してMR撮影を行い、手術を行うときは第1の受信コイルを移動させ(スライドさせ)、手術に適切な開口位置を確保して、その手術を行うことができる。
受信コイルにおける開口部の制限を緩和して、患者へのアクセスの容易化、術者にかかる負担の軽減化、手技の作業性の向上化を図ることが可能な磁気共鳴イメージング装置及びRF受信コイルを実現することができる。
また、本発明を、QD型コイルに適用すれば、高感度でありながら、患者へのアクセスの容易化、術者にかかる負担の軽減化、手技の作業性の向上化を図ることが可能な磁気共鳴イメージング装置及びRF受信コイルを実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の実施形態においては、受信コイルとして、2つのコイルの主磁束が互いに直交するように配置されるQD(Quadrature detection)型コイルを用いる場合を例として説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体概略構成図である。
図1において、MRI装置は、静磁場発生磁石2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えている。
静磁場発生磁石2は、患者1の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体(又は患者)1の周りのある広がりをもった空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とを備え、後述するシーケンサ7からの命令に従って、X、Y、Zのそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X、Y、Zの三軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを患者1に印加する。傾斜磁場の加え方により被検体1に対するスライス面を設定することができる。
シーケンサ4は、患者1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する。また、シーケンサ4は、CPU8の制御により動作し、患者1の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系5、傾斜磁場発生系3及び受信系6に送る。
送信系5は、上記シーケンサ4から送り出される高周波パルスにより患者1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場を照射する。そして、送信系5は、高周波発振器11と、変調器12と、高周波増幅器13と、送信側の高周波コイル14aとを備える。
高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ7の命令に従って変調器12で振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅する。そして、増幅された高周波パルスを、患者1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、電磁波が患者1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出する。受信系6は、受信側の高周波コイル(RF受信コイル)14bと、増幅器15と、直交位相検波器16と、A/D変換器17とを備える。
送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波による患者1の応答の電磁波(NMR信号)は被検体1に近接して配置された高周波受信コイル14bで検出され、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換器17に入力されてディジタル量に変換される。さらに、直交位相検波器16に供給された信号はシーケンサ4からの命令によるタイミングで直交位相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、その信号が信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、CPU(動作制御演算手段)8と、磁気ディスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT等のディスプレイ(モニタ)20とを備え、CPU8でフーリエ変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ20に断層像として表示する。
図2は、本発明が適用されるMRI装置の概略外観斜視図である。図2において、手術室内にガントリ21と患者1とを乗せた寝台22とが配置される。また、モニタ20が配置され、患者1の腹部近傍には高周波受信コイル14bが配置されている。この高周波受信コイル14bは、後述する(図3に示す)、上部受信コイル25(第2の受信コイルを有し、第1の受信コイルを支持する支持手段)、26と下部コイル27とを有している。
図3は、図2に示した患者1の腹部近傍(手技中)の詳細図である。
受信コイル25及び26は、スライド機構を備え、受信コイル25が固定側で、受信コイル26が可動側(受信コイル25の外周に沿って周方向にスライド移動し、寝台22の長手方向の中心軸(患者1の体軸)の周りに移動可能)のコイルとなっている。手技を行なう際、患者1の側面へアクセスする際、受信コイル上部26を手動にてスライドさせることができるので、開口部を適切な位置に移動させて、穿刺針28、30、内視鏡29へのアクセスが容易となっている。
つまり、MR撮影時には、受信コイル26を撮影に適した位置に固定して、MR撮影を行い、手術を行うときには、受信コイル26を固定側の受信コイル25に対してスライドさせ、手術に適切な開口位置を確保して、その手術を行うことができる。
図4及び図5は、受信コイル25、26の構成説明図である。図4及び図5に示すように、受信コイル26には、開口部26a、26bが形成されており、この開口部26a、26bを介して、患者1へのアクセスを行うことができる。
図4に矢印で示すように、受信コイル26は、受信コイル25の外周に沿って受信コイル25の周方向にスライド可能となっており、図4に示し矢印方向に、受信コイル26を少しスライドさせると、図5に示す状態となる。
図6は、受信コイル25、26の概略結線説明図である。
図6において、受信コイル25のグランド線は、コンデンサC7とC8との接続線に接続される。そして、受信コイル25のシグナル線は、コンデンサC1、デカップラD2、コンデンサC2を介してコンデンサC8に接続される。
また、受信コイル26のグランド線は、コンデンサC5とC6との接続線に接続される。そして、受信コイル26のシグナル線は、コンデンサC3、デカップラD1、コンデンサC4を介してコンデンサC6に接続される。
受信コイル26は、受信コイル25に対してスライドできる構成となっているが、撮影時や術中にはコイル26の位置が、確実に固定されている方が望ましい。このため、受信コイル25、26には、位置固定手段が形成されている。
図7は、上記位置固定手段の説明図である。受信コイル26には、棒状部材が外部に対して出入り可能な位置固定手段26Lが形成されている。この棒状部材にはレバーが形成されており、このレバーを使用して棒状部材を出入りさせる。
また、固定側の受信コイル25には、位置固定手段26Lの棒状部材を受け入れる管状の位置固定手段25Lが形成されている。
このように、位置固定手段26Lの棒状部材を位置固定手段25Lに挿入することにより、受信コイル26を受信コイル25に対して固定することができる。
図7に示した位置固定手段は、この固定手段による受信コイル26の固定は一箇所のみとなっているが、複数箇所で固定可能とすることもできる。
図8は、受信コイル26を複数箇所で固定可能な例を示す図である。この図8に示すように、受信コイル25の両側のコイル部分のそれぞれに、複数の位置固定手段25Lが形成されており、受信コイル26を、複数箇所で固定することができる。
図9は、受信コイル25と26との間のスライド機構を説明するための図であり、受信コイル25と26とを分離した斜視図である。
図9に示すように、受信コイル25の内部側面には、溝であるスライドガイド25Gが形成されている。そして、受信コイル26の外部側面には突起部であるスライドガイド25Pが形成されている。
スライドガイド25Pは、スライドガイド25Gに挿入され、このスライドガイド25Gに案内されて、スライド可能となっている。
ここで、従来技術においては、オープン性の高い受信コイルは、ソレノイド型のコイルであるため、2つのコイルを互いに直交して配置するQD(Quadrature detection)型コイルに比較して、感度が低いという問題点もあった。
従来技術において、QD型コイルに開口部を形成することが考えられるが、QD型コイルの感度特性を良好に維持するためには、開口部の大きさに制限があり、開口部の視認性に欠けていた。
このため、上述した本発明のような構成とすれば、高感度を有するQD型受信コイルにおける開口部の制限を緩和して、患者へのアクセスの容易化、術者にかかる負担の軽減化、手技の作業性の向上化を図ることが可能な磁気共鳴イメージング装置及びRF受信コイルを実現することができる。
なお、上述した例においては、受信コイル26は、開口部26aと開口部26bとの2つの開口部を有しているが、開口部26aを有する部分と開口部26bを有する部分とに分割することも可能である。この場合、分割した2つの部分については、互いを電気的接続する手段が形成される。
また、上述した例は、本発明の受信コイルを、QD型コイルに適用した場合の例であるが、本発明は、QD型コイルのみならず、ソレノイド型コイルにも適用可能である。ソレノイド型コイルに適用する場合は、受信コイル25はコイルではなく、受信コイル26を支持し、かつスライドガイドとしての機能を備えていればよい(受信コイル26を寝台22の長主方向にほぼ直交する方向に移動させるスライドガイドを備える受信コイル支持手段)。
本発明が適用されるMRI装置の全体概略構成図である。 本発明が適用されるMRI装置の概略外観斜視図である。 図2に示した患者の腹部近傍(手技中)の詳細図である。 受信コイルの構成説明図である。 受信コイルの構成説明図である。 受信コイルの概略結線説明図である。 受信コイルの位置固定手段の一例の説明図である。 受信コイルの位置固定手段の他の例の説明図である。 受信コイルのスライド機構を説明するための図である。
符号の説明
1 患者
2 静磁場発生装置
3 傾斜磁場発生系
4 シーケンサ
5 送信系
6 受信系
7 信号処理系
8 CPU
9 傾斜磁場コイル
10 傾斜磁場電源
11 高周波発振器
12 変調器
14a 送信コイル
14b 受信コイル
16 直交位相検波器
20 ディスプレイ(モニタ)
22 寝台
25 固定側上部受信コイル
26 スライド側上部受信コイル
27 下部受信コイル
25L、26L 位置固定手段
25G、25P スライドガイド

Claims (4)

  1. 磁気共鳴イメージング装置に用いられるRF受信コイルにおいて、
    開口部を有する第1受信コイルと、
    上記第1受信コイルを被検体が配置される寝台の長手方向を中心軸とする周方向に移動可能に支持する受信コイル支持手段と、
    を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置に用いられるRF受信コイル。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置に用いられるRF受信コイルにおいて、上記受信コイル支持手段は、上記第1受信コイルの主磁束とほぼ直交する方向に、主磁束を発生する第2の受信コイルを有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置に用いられるRF受信コイル。
  3. 請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置に用いられるRF受信コイルにおいて、上記第1の受信コイルと受信コイル支持手段は、上記第1の受信コイルの上記周方向への位置を固定する位置固定手段が形成されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置に用いられるRF受信コイル。
  4. 上記請求項1、2又は3記載のRF受信コイルを備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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