JP2004298532A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】RFコイルケーブルが作業の邪魔にならず、また、その他器具や機器との信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができるオープン型磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】オープン型磁気共鳴イメージング装置において、受信コイル4からのRFコイルケーブルとしてのケーブル5が接続されるコイルポート6を、下部磁石3の側面に沿って移動可能に構成することによって、ケーブル5を邪魔にならないような配置にすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】オープン型磁気共鳴イメージング装置において、受信コイル4からのRFコイルケーブルとしてのケーブル5が接続されるコイルポート6を、下部磁石3の側面に沿って移動可能に構成することによって、ケーブル5を邪魔にならないような配置にすることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開放型磁石を採用している磁気共鳴イメージング装置に係り、特に、被検体に近接して配置されるプローブコイルとシステムとの接続に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体内の一部の組織が腫瘍であるかどうかを判定するための穿刺針を用いた組織採取や、体内にある一部の組織を除去するカテーテルを用いた治療または手術等に、磁気共鳴イメージング装置が用いられるようになってきた。磁気共鳴イメージング装置を前記のように組織採取や治療などの用途で用いるためには、撮影空間がトンネル構造となっているソレノイド型磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置よりも、撮影空間が患者の体軸と垂直な方向に開口している開放型(対向型又はオープン型ともいう)磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置(オープン型磁気共鳴イメージング装置)が適している。また、前記ソレノイド型磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置では患者によっては閉所恐怖症などの心理的負担がかかる可能性があったが、この患者の心理的負担を軽減させるためにも開放型磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置が適切である。このような開放型磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置の1つの例が特許文献1に記載されている。
【0003】
磁気共鳴イメージング(MRI)は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高周波(RF)信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するエコー信号などのMR信号から磁気共鳴画像(MR画像ともいう)を再構成するイメージング法であり、各種のパルスをパルスシーケンスに基づいて被検体に送信し、被検体から発生するエコー信号を受信するものである。プローブコイル(RFコイルともいう)は、RF信号を送信したり、エコー信号を受信したりするために使用されるが、その送受方式としては、送信コイルと受信コイルを1つのRFコイルで兼用するシングルコイル方式と、送信コイルと受信コイルに別々のRFコイルを用いるクロスコイル方式とがある。いずれの方式にせよ、RFコイルは、寝台の天板上に載置される患者の撮像部位に近接して配置される。そして、RFコイルは、特許文献2に記載されているように、ケーブルによりコイルポートを介してシステムに電気的に接続される。このコイルポートは、ケーブルが着脱自在に接続されるコネクタを備え、装置の架台や寝台周辺などの固定位置に設けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−178698号公報
【特許文献2】
特開2001−95776号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コイルポートの位置が固定されていることにより、医師等が患者に対して磁気共鳴イメージングと同時にそれ以外の検査、治療または手術等の行為を患者に実施する場合に、RFコイルケーブルの配置が作業者の邪魔になり、作業効率が著しく低下する問題がある。また、磁気共鳴イメージングの最中にその他器具や機器を使用する場合には、信号の干渉等によりMR画像の画質が低下するという問題がある。
そこで、本発明は上記課題を解決し、RFコイルケーブルが作業の邪魔にならず、また、その他器具や機器との信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができる磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、開放型磁石で発生される静磁場中に置かれた被検体に対し、所望のパルスシーケンスに基づき高周波パルス及び傾斜磁場パルスを印加することにより、被検体からの磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴イメージング装置において、被検体で発生した磁気共鳴信号を受信するプローブコイルと、このプローブコイルにより受信された信号を伝送するケーブルと、前記ケーブルが接続される接続手段を有し、この接続手段を前記開放型磁石の側面に沿って移動可能とする移動手段と、を備えることを特徴とする。
本発明においては、前記開放型磁石の外形は、ほぼ円形状であるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記移動手段は、前記開放型磁石の側面に係合する係合部を備えるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記移動手段は、所定の固定位置を支点として回転可能に構成されるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記受信信号に所定の信号処理を施す信号処理手段をさらに備え、前記接続手段と前記信号処理回路との間を接続する信号線は、前記固定位置近傍から取り出されるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記開放型磁石の側面には、前記受信信号を伝送する信号線パターンが形成され、前記移動手段は、前記信号線パターンと接触して信号を伝送する信号伝送手段を備えるようにしてもよい。
このような構成により、本発明は、プローブコイルからのケーブルが接続される接続手段を所望の位置に移動させることができるので、ケーブルが作業の邪魔にならず、また、その他器具や機器との信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るオープン型磁気共鳴イメージング装置の概略構成を示すブロック図である。この装置は、ガントリ1の支柱に支えられる開放型磁石としての上部磁石2と下部磁石3と、被検体12からの磁気共鳴信号を収集するための送受信系とを備える。
被検体12を挟んで対抗して配置される上部磁石2及び下部磁石3には、それぞれ、静磁場用磁石21、傾斜磁場コイル22、送信コイル23が設けられている。なお、上部磁石2及び下部磁石3は、ガントリ1の一部に覆われるように構成されていてもよく、その場合、上部磁石2とそれを覆うガントリ1の一部を含めて上部磁石2と呼び、下部磁石3とそれを覆うガントリ1の一部を含めて下部磁石3と呼ぶ。図1においては、上部磁石2及び下部磁石3がガントリ1の一部に覆われている場合を示している。
静磁場用磁石21は、被検体12が載置される寝台(図示せず)の天板11に対して垂直方向に静磁場を発生する。ここで、静磁場用磁石21は、超電導コイル、常伝導コイルまたは永久磁石のいずれであってもよい。
傾斜磁場コイル22は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の傾斜磁場コイルからなり、傾斜磁場電源9から電流が供給される。傾斜磁場電源9には、収集される信号に位置のエンコードを与えるために、ホストコンピュータ10によって傾斜磁場信号が供給される。この信号に基づいて傾斜磁場電源9からX,Y,Z軸傾斜磁場コイルに供給されるパルス電流を制御することにより、X,Y,Z軸方向の傾斜磁場は合成される。そして、互いに直交するスライス方向傾斜磁場Gz、位相エンコード方向傾斜磁場Gx、および周波数エンコード方向傾斜磁場Gyを任意に設定することができる。各方向の傾斜磁場は静磁場に重畳される。
送信コイル23は、高周波アンプ8からRF電流パルスが供給されることにより、被検体内12の原子核を励起するための高周波パルス(RFパルスともいう)を発生する。
プローブコイルとしての受信コイル4は、被検体の近傍に設置され、被検体12内の励起された原子核によって放射される磁気共鳴信号を検知する。そして、受信コイル4により検知された磁気共鳴信号、すなわち、受信信号は、ケーブル5、コイルポート6を介して信号処理回路7に入力される。なお、本実施例においては、送信コイルと受信コイルとを別々に記載したが、受信コイルが送信コイルを兼ねるものであってもよい。
移動手段としてのコイルポート6は、受信コイル4からのケーブル5を着脱自在に接続する接続手段としてのコネクタを備える。そして、このコイルポート6は、下部磁石3の側面に沿って移動可能に構成される。コイルポート6から信号処理回路7までの信号線の取り回しについて等の詳細な構成については後述する。
信号処理回路7は、受信コイル4からの受信信号を取り込み、これに前置増幅、中間周波数変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリング等の各種の信号処理を施した後に、A/D変換してデジタルデータを生成する。
ホストコンピュータ10は、中央演算処理装置、記憶装置等を備え、記憶装置に記憶されたプログラムに基づきシステム全体を制御するためのものである。さらに、ホストコンピュータ10は、信号処理回路7からのデジタルデータを入力し、再構成処理を行い磁気共鳴画像を生成する。生成された磁気共鳴画像は、図示しないモニタに表示される。
【0008】
次に、図2を参照して本実施例のコイルポート6について説明する。図2は、円形状の下部磁石3を備える磁気共鳴イメージング装置を上部磁石を透視して上から見た図である。受信コイル4から伸びるケーブル5がコイルポート6に接続されている。そして、このコイルポート6は、下部磁石3の側面に沿って、図中矢印方向に移動可能に支持されている。コイルポート6から信号処理回路7までの信号線は、下部磁石3の下方スペースに取りまわされる。なお、ガントリ1が備える支柱については、図示していない。支柱の位置や数により、コイルポート6の移動範囲は制限されることになる。例えば、支柱が2本の場合は、下部磁石3の中心位置を中心として約180度移動させることができ、4本支柱の場合には、約90度移動させることができる。このようにコイルポート6を移動可能に構成することにより、医師、技師13等が、患者に対して処置を施す場合でも、ケーブル5が邪魔にならない位置にコイルポート6を移動させることができる。また、その他器具や機器を使用する場合であっても、それらとケーブル5とを、コイルポート6を移動させることにより遠ざけることができるので信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができる。
【0009】
さらに、図3を用いて、コイルポート6の概略的な構成について説明する。コイルポート6は、本体部61、移動用ガイド62、アーム63及びアーム軸64とから構成される。本体部61は、ケーブル5と接続されるコネクタと、下部磁石3の側面に設けられた溝又はレール(図示せず)と移動可能に係合するように構成された係合部としての移動用ガイド62とを備える。そして、この本大部61は、アーム63を介して、下部磁石3の下方に設けられたアーム軸64と接続される。このアーム軸64は、下部磁石3のほぼ中心線上にある固定位置に設けられ、本体部61が下部磁石3の側面を移動可能なように回転自在に構成される。さらに、ケーブル5からの電気信号を伝送するための信号線が、本体部61からアーム63内を通過して、アーム軸から取り出され、信号処理回路7に接続される。このとき、コイルポートの移動を妨げない方向から取り出すように構成するのがよい。このような構成により、コイルポート6を下部磁石3の側面の任意位置に移動させることができるようになる。一方、コイルポート6から信号処理回路7までの信号線67は、位置が固定されたアーム軸64から取り出されるので、コイルポート6の移動によらず、一定の位置に固定することが可能となる。この信号線67に流れる信号は、高周波であるため、信号線67の引き回しが変わるとノイズが変化したりするが、本実施例においては、信号線67を一定の位置に固定することができるので、そのような不具合が生じない。
以上説明した、実施例においては、下部磁石3の側面に設けられた溝又はレールは、本体部61に設けられ、それらと係合する移動用ガイド62は、下部磁石3に設けられていてもよく、コイルポート6が下部磁石3の側面と係合する構成であれば、どのような構成であってもよいし、移動用ガイド62の数も2つ以上であってもよい。また、下部磁石3は、ほぼ円形状であったが、円形状でない場合、例えば4角形であっても、その他の多角形であってもよい。その場合には、アーム63を伸縮可能に構成すればよい。さらに、アーム63を省略し、コイルポート6から直接信号線67を取り出してもよい。この場合、コイルポートの下端を下部磁石3の下方スペースまで延長させ、その延長部分から信号線67を取り出したほうが良い。このように、信号線67を、下部磁石3の下方スペースを通りコイルポート6と反対方向から取り出せば、信号線の移動やたわみは、邪魔にはならない。また、信号線の巻取り装置を下部磁石3の下方スペースの所定位置に固定するようにしてもよい。このようにすれば、固定位置をどこにしても、下部磁石3の外形の形状がどのような形状であっても、信号線のたわみを考慮する必要はない。
【0010】
次に、図4を参照して、コイルポート6の変形例について説明する。この変形例では、コイルポート6の本体部61は、移動用ガイド62と接触子65とを備える。移動用ガイド62については、先の実施例と同様であり、下部磁石3にも受けられてもよく、その説明を省略する。接触子65は、下部磁石3の側面に設けられた信号線パターン66と接触して、、コイルポート6の移動にかかわらず、ケーブル5からの電気信号を信号線パターン66に伝送するものである。その電気信号は、信号線パターン66からは、信号線67を介して信号処理回路7に導かれる。以上の構成により、先の実施例で得られた効果と同様の効果が得られる。
以上説明した、両実施例は、コイルポート6を下部磁石3の側面に設けるものであったが、上部磁石2の側面に設けるようにしてもよい。その場合には、信号線は、上部磁石2の上方に取りまわされる。
【0011】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0012】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、プローブコイルからのケーブルが接続される接続手段を所望の位置に移動させることができるので、ケーブルが作業の邪魔にならず、また、その他器具や機器との信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】円形状の下部磁石を備える本発明の実施例を上部磁石を透視して上から見た図である。
【図3】本発明の実施例に係るコイルポートの概略的な構成を示す図である。
【図4】本発明に係るコイルポートの変形例の概略的な構成を示す図である。
【符号の説明】
2 上部磁石
3 下部磁石
4 受信コイル
5 ケーブル
6 コイルポート
7 信号処理回路
61 本体部
62 移動用ガイド
63 アーム
64 アーム軸
65 接触子
66 信号線パターン
67 信号線
【発明の属する技術分野】
本発明は、開放型磁石を採用している磁気共鳴イメージング装置に係り、特に、被検体に近接して配置されるプローブコイルとシステムとの接続に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体内の一部の組織が腫瘍であるかどうかを判定するための穿刺針を用いた組織採取や、体内にある一部の組織を除去するカテーテルを用いた治療または手術等に、磁気共鳴イメージング装置が用いられるようになってきた。磁気共鳴イメージング装置を前記のように組織採取や治療などの用途で用いるためには、撮影空間がトンネル構造となっているソレノイド型磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置よりも、撮影空間が患者の体軸と垂直な方向に開口している開放型(対向型又はオープン型ともいう)磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置(オープン型磁気共鳴イメージング装置)が適している。また、前記ソレノイド型磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置では患者によっては閉所恐怖症などの心理的負担がかかる可能性があったが、この患者の心理的負担を軽減させるためにも開放型磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置が適切である。このような開放型磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置の1つの例が特許文献1に記載されている。
【0003】
磁気共鳴イメージング(MRI)は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高周波(RF)信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するエコー信号などのMR信号から磁気共鳴画像(MR画像ともいう)を再構成するイメージング法であり、各種のパルスをパルスシーケンスに基づいて被検体に送信し、被検体から発生するエコー信号を受信するものである。プローブコイル(RFコイルともいう)は、RF信号を送信したり、エコー信号を受信したりするために使用されるが、その送受方式としては、送信コイルと受信コイルを1つのRFコイルで兼用するシングルコイル方式と、送信コイルと受信コイルに別々のRFコイルを用いるクロスコイル方式とがある。いずれの方式にせよ、RFコイルは、寝台の天板上に載置される患者の撮像部位に近接して配置される。そして、RFコイルは、特許文献2に記載されているように、ケーブルによりコイルポートを介してシステムに電気的に接続される。このコイルポートは、ケーブルが着脱自在に接続されるコネクタを備え、装置の架台や寝台周辺などの固定位置に設けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−178698号公報
【特許文献2】
特開2001−95776号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コイルポートの位置が固定されていることにより、医師等が患者に対して磁気共鳴イメージングと同時にそれ以外の検査、治療または手術等の行為を患者に実施する場合に、RFコイルケーブルの配置が作業者の邪魔になり、作業効率が著しく低下する問題がある。また、磁気共鳴イメージングの最中にその他器具や機器を使用する場合には、信号の干渉等によりMR画像の画質が低下するという問題がある。
そこで、本発明は上記課題を解決し、RFコイルケーブルが作業の邪魔にならず、また、その他器具や機器との信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができる磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、開放型磁石で発生される静磁場中に置かれた被検体に対し、所望のパルスシーケンスに基づき高周波パルス及び傾斜磁場パルスを印加することにより、被検体からの磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴イメージング装置において、被検体で発生した磁気共鳴信号を受信するプローブコイルと、このプローブコイルにより受信された信号を伝送するケーブルと、前記ケーブルが接続される接続手段を有し、この接続手段を前記開放型磁石の側面に沿って移動可能とする移動手段と、を備えることを特徴とする。
本発明においては、前記開放型磁石の外形は、ほぼ円形状であるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記移動手段は、前記開放型磁石の側面に係合する係合部を備えるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記移動手段は、所定の固定位置を支点として回転可能に構成されるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記受信信号に所定の信号処理を施す信号処理手段をさらに備え、前記接続手段と前記信号処理回路との間を接続する信号線は、前記固定位置近傍から取り出されるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記開放型磁石の側面には、前記受信信号を伝送する信号線パターンが形成され、前記移動手段は、前記信号線パターンと接触して信号を伝送する信号伝送手段を備えるようにしてもよい。
このような構成により、本発明は、プローブコイルからのケーブルが接続される接続手段を所望の位置に移動させることができるので、ケーブルが作業の邪魔にならず、また、その他器具や機器との信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るオープン型磁気共鳴イメージング装置の概略構成を示すブロック図である。この装置は、ガントリ1の支柱に支えられる開放型磁石としての上部磁石2と下部磁石3と、被検体12からの磁気共鳴信号を収集するための送受信系とを備える。
被検体12を挟んで対抗して配置される上部磁石2及び下部磁石3には、それぞれ、静磁場用磁石21、傾斜磁場コイル22、送信コイル23が設けられている。なお、上部磁石2及び下部磁石3は、ガントリ1の一部に覆われるように構成されていてもよく、その場合、上部磁石2とそれを覆うガントリ1の一部を含めて上部磁石2と呼び、下部磁石3とそれを覆うガントリ1の一部を含めて下部磁石3と呼ぶ。図1においては、上部磁石2及び下部磁石3がガントリ1の一部に覆われている場合を示している。
静磁場用磁石21は、被検体12が載置される寝台(図示せず)の天板11に対して垂直方向に静磁場を発生する。ここで、静磁場用磁石21は、超電導コイル、常伝導コイルまたは永久磁石のいずれであってもよい。
傾斜磁場コイル22は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の傾斜磁場コイルからなり、傾斜磁場電源9から電流が供給される。傾斜磁場電源9には、収集される信号に位置のエンコードを与えるために、ホストコンピュータ10によって傾斜磁場信号が供給される。この信号に基づいて傾斜磁場電源9からX,Y,Z軸傾斜磁場コイルに供給されるパルス電流を制御することにより、X,Y,Z軸方向の傾斜磁場は合成される。そして、互いに直交するスライス方向傾斜磁場Gz、位相エンコード方向傾斜磁場Gx、および周波数エンコード方向傾斜磁場Gyを任意に設定することができる。各方向の傾斜磁場は静磁場に重畳される。
送信コイル23は、高周波アンプ8からRF電流パルスが供給されることにより、被検体内12の原子核を励起するための高周波パルス(RFパルスともいう)を発生する。
プローブコイルとしての受信コイル4は、被検体の近傍に設置され、被検体12内の励起された原子核によって放射される磁気共鳴信号を検知する。そして、受信コイル4により検知された磁気共鳴信号、すなわち、受信信号は、ケーブル5、コイルポート6を介して信号処理回路7に入力される。なお、本実施例においては、送信コイルと受信コイルとを別々に記載したが、受信コイルが送信コイルを兼ねるものであってもよい。
移動手段としてのコイルポート6は、受信コイル4からのケーブル5を着脱自在に接続する接続手段としてのコネクタを備える。そして、このコイルポート6は、下部磁石3の側面に沿って移動可能に構成される。コイルポート6から信号処理回路7までの信号線の取り回しについて等の詳細な構成については後述する。
信号処理回路7は、受信コイル4からの受信信号を取り込み、これに前置増幅、中間周波数変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリング等の各種の信号処理を施した後に、A/D変換してデジタルデータを生成する。
ホストコンピュータ10は、中央演算処理装置、記憶装置等を備え、記憶装置に記憶されたプログラムに基づきシステム全体を制御するためのものである。さらに、ホストコンピュータ10は、信号処理回路7からのデジタルデータを入力し、再構成処理を行い磁気共鳴画像を生成する。生成された磁気共鳴画像は、図示しないモニタに表示される。
【0008】
次に、図2を参照して本実施例のコイルポート6について説明する。図2は、円形状の下部磁石3を備える磁気共鳴イメージング装置を上部磁石を透視して上から見た図である。受信コイル4から伸びるケーブル5がコイルポート6に接続されている。そして、このコイルポート6は、下部磁石3の側面に沿って、図中矢印方向に移動可能に支持されている。コイルポート6から信号処理回路7までの信号線は、下部磁石3の下方スペースに取りまわされる。なお、ガントリ1が備える支柱については、図示していない。支柱の位置や数により、コイルポート6の移動範囲は制限されることになる。例えば、支柱が2本の場合は、下部磁石3の中心位置を中心として約180度移動させることができ、4本支柱の場合には、約90度移動させることができる。このようにコイルポート6を移動可能に構成することにより、医師、技師13等が、患者に対して処置を施す場合でも、ケーブル5が邪魔にならない位置にコイルポート6を移動させることができる。また、その他器具や機器を使用する場合であっても、それらとケーブル5とを、コイルポート6を移動させることにより遠ざけることができるので信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができる。
【0009】
さらに、図3を用いて、コイルポート6の概略的な構成について説明する。コイルポート6は、本体部61、移動用ガイド62、アーム63及びアーム軸64とから構成される。本体部61は、ケーブル5と接続されるコネクタと、下部磁石3の側面に設けられた溝又はレール(図示せず)と移動可能に係合するように構成された係合部としての移動用ガイド62とを備える。そして、この本大部61は、アーム63を介して、下部磁石3の下方に設けられたアーム軸64と接続される。このアーム軸64は、下部磁石3のほぼ中心線上にある固定位置に設けられ、本体部61が下部磁石3の側面を移動可能なように回転自在に構成される。さらに、ケーブル5からの電気信号を伝送するための信号線が、本体部61からアーム63内を通過して、アーム軸から取り出され、信号処理回路7に接続される。このとき、コイルポートの移動を妨げない方向から取り出すように構成するのがよい。このような構成により、コイルポート6を下部磁石3の側面の任意位置に移動させることができるようになる。一方、コイルポート6から信号処理回路7までの信号線67は、位置が固定されたアーム軸64から取り出されるので、コイルポート6の移動によらず、一定の位置に固定することが可能となる。この信号線67に流れる信号は、高周波であるため、信号線67の引き回しが変わるとノイズが変化したりするが、本実施例においては、信号線67を一定の位置に固定することができるので、そのような不具合が生じない。
以上説明した、実施例においては、下部磁石3の側面に設けられた溝又はレールは、本体部61に設けられ、それらと係合する移動用ガイド62は、下部磁石3に設けられていてもよく、コイルポート6が下部磁石3の側面と係合する構成であれば、どのような構成であってもよいし、移動用ガイド62の数も2つ以上であってもよい。また、下部磁石3は、ほぼ円形状であったが、円形状でない場合、例えば4角形であっても、その他の多角形であってもよい。その場合には、アーム63を伸縮可能に構成すればよい。さらに、アーム63を省略し、コイルポート6から直接信号線67を取り出してもよい。この場合、コイルポートの下端を下部磁石3の下方スペースまで延長させ、その延長部分から信号線67を取り出したほうが良い。このように、信号線67を、下部磁石3の下方スペースを通りコイルポート6と反対方向から取り出せば、信号線の移動やたわみは、邪魔にはならない。また、信号線の巻取り装置を下部磁石3の下方スペースの所定位置に固定するようにしてもよい。このようにすれば、固定位置をどこにしても、下部磁石3の外形の形状がどのような形状であっても、信号線のたわみを考慮する必要はない。
【0010】
次に、図4を参照して、コイルポート6の変形例について説明する。この変形例では、コイルポート6の本体部61は、移動用ガイド62と接触子65とを備える。移動用ガイド62については、先の実施例と同様であり、下部磁石3にも受けられてもよく、その説明を省略する。接触子65は、下部磁石3の側面に設けられた信号線パターン66と接触して、、コイルポート6の移動にかかわらず、ケーブル5からの電気信号を信号線パターン66に伝送するものである。その電気信号は、信号線パターン66からは、信号線67を介して信号処理回路7に導かれる。以上の構成により、先の実施例で得られた効果と同様の効果が得られる。
以上説明した、両実施例は、コイルポート6を下部磁石3の側面に設けるものであったが、上部磁石2の側面に設けるようにしてもよい。その場合には、信号線は、上部磁石2の上方に取りまわされる。
【0011】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0012】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、プローブコイルからのケーブルが接続される接続手段を所望の位置に移動させることができるので、ケーブルが作業の邪魔にならず、また、その他器具や機器との信号等の干渉に起因した画質低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】円形状の下部磁石を備える本発明の実施例を上部磁石を透視して上から見た図である。
【図3】本発明の実施例に係るコイルポートの概略的な構成を示す図である。
【図4】本発明に係るコイルポートの変形例の概略的な構成を示す図である。
【符号の説明】
2 上部磁石
3 下部磁石
4 受信コイル
5 ケーブル
6 コイルポート
7 信号処理回路
61 本体部
62 移動用ガイド
63 アーム
64 アーム軸
65 接触子
66 信号線パターン
67 信号線
Claims (6)
- 開放型磁石で発生される静磁場中に置かれた被検体に対し、所望のパルスシーケンスに基づき高周波パルス及び傾斜磁場パルスを印加することにより、被検体からの磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴イメージング装置において、
被検体で発生した磁気共鳴信号を受信するプローブコイルと、
このプローブコイルにより受信された信号を伝送するケーブルと、
前記ケーブルが接続される接続手段を有し、この接続手段を前記開放型磁石の側面に沿って移動可能とする移動手段と、
を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 前記開放型磁石の外形は、ほぼ円形状である請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記移動手段は、前記開放型磁石の側面に係合する係合部を備える請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記移動手段は、所定の固定位置を支点として回転可能に構成される請求項1乃至3いずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記受信信号に所定の信号処理を施す信号処理手段をさらに備え、前記接続手段と前記信号処理回路との間を接続する信号線は、前記固定位置近傍から取り出される請求項4記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記開放型磁石の側面には、前記受信信号を伝送する信号線パターンが形成され、前記移動手段は、前記信号線パターンと接触して信号を伝送する信号伝送手段を備える請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007330595A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | 磁気共鳴撮像装置及び磁気共鳴撮像装置の搬送方法 |
WO2022113321A1 (ja) * | 2020-11-30 | 2022-06-02 | 株式会社エム・アール・テクノロジー | Mri装置用補助トランスデューサー及びmri装置の制御方法 |
-
2003
- 2003-04-01 JP JP2003097718A patent/JP2004298532A/ja active Pending
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