JP2005118295A - 外科用切除装置および外科用処置システム - Google Patents

外科用切除装置および外科用処置システム Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で術腔内の液体の吸引量調整を行なえると同時に、吸引管路の洗浄・滅菌の操作性を向上させた外科用切除装置を提供する。
【解決手段】外科用切除装置16は、細長いプローブ51の先端部に設けられた刃部55によって生体組織を切除するとともに切除した生体組織を吸引するための吸引路を有する切除器具46と、前記吸引路に接続された吸引チューブ78とを備えている。そして、前記吸引チューブ78を外方から潰す潰し代を調整して吸引量を調整する吸引量調整機構80を前記切除器具46に設けた。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば関節腔内の半月板等を切除するための外科用切除装置および外科用処置システムに関する。
従来から、関節腔内を観察する関節鏡を用いながら関節に小さな穿刺孔を開口し、この穿刺孔に挿入部を挿入して手術を行なう外科用切除装置が提案されている。例えば特許文献1には、関節腔内に送水するとともに吸引しながら半月板等を切除する外科用切除装置が開示されている。この外科用切除装置には、吸引路に吸引量調整ピンが配設されている。吸引量調整ピンは、その軸部に吸引孔を有し、吸引量調整ピンを回転させることによって吸引路を吸引孔に連通させたり、吸引路を遮断したりする。
特許文献2や特許文献3に開示された外科用切除装置における切除器具には、吸引路と送水路とが設けられている。この装置では、生体組織を切除すると同時に関節腔内(術腔内)の液体圧力の検出結果に基づいて術腔内に対して送水および吸引を同時に行なうことができる。
特許文献4に開示された外科用切除装置では、処置部が先端部に設けられた駆動シャフトと吸引路とを有するユニットをモーターに対して着脱可能である。処置内容によって、モーターを交換することもできる。
特開平4−327844号公報 米国特許第6007556号明細書 特開平7−178044号公報 米国特許第5916231号明細書
特許文献1に開示された外科用切除装置は、吸引路の内部に吸引量調整ピンが配設されるので、術後に洗滌する場合、吸引量調整ピンの周囲を念入りに洗滌する必要がある。しかし、吸引量調整ピンが設けられているので洗滌に用いるブラシを管路内に挿通させ難く、洗浄操作が煩雑であるという問題がある。
特許文献2や特許文献3に開示された外科用切除装置では、吸引量を調整する場合には、例えば関節腔内の圧力をモニターする装置がさらに必要になる。このため、装置が複雑になるとともに高価になるという問題がある。
特許文献4に開示された外科用切除装置では、吸引路の屈曲量が少ない分洗滌が容易となっているが、上記ユニットに吸引量を調整する機構がない。このため、例えば関節鏡を用いた手術では、還流液(例えば生理食塩水)を持続的に吸引することとなってしまい、還流液が無駄になる(例えば生理食塩水パックに充填された生理食塩水が直ぐに減ってしまう)いう問題がある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡単な構成で術腔内の液体の吸引量調整を行なえると同時に、吸引管路の洗浄・滅菌の操作性を向上させた外科用切除装置および外科用処置システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、外科用切除装置は、細長いプローブの先端部に設けられた刃部によって生体組織を切除するとともに切除した生体組織を吸引するための吸引路を有する切除器具と、前記吸引路に接続された吸引チューブとを備えている。そして、外科用切除装置は、前記吸引チューブを外方から潰す潰し代を調整して吸引量を調整する吸引量調整機構を前記切除器具に設けたことを第1の特徴とする。
このような構成を有するので、吸引チューブの潰し代を調整することによって、吸引量を調整することができる。このとき、吸引チューブを変形させることによって吸引量を調整するので、吸引チューブの内孔を洗浄・滅菌するように吸引路の洗浄・滅菌を容易に行なうことができる。
また、好ましくは、前記吸引量調整機構は、前記切除器具に回動可能に支持され、前記吸引チューブの内孔を押し潰す状態と、前記吸引チューブの内孔を確保する状態との間に前記吸引チューブの潰し量を調整する回動操作ハンドルを有することを第2の特徴とする。
このような構成を有するので、回動操作ハンドルを回動させて回動操作ハンドルの一部を吸引チューブに押し当てたり、離したりして吸引量調整を行なうことができる。
また、好ましくは、前記吸引量調整機構は、前記吸引チューブの内孔を押し潰す状態と、前記吸引チューブの内孔を確保する状態との間を移動可能なスライド部材と、前記スライド部材に当接され、前記吸引チューブに対する押圧量を変化させる往復動操作ハンドルとを備えていることを第3の特徴とする。
このような構成を有するので、往復動操作ハンドルを往復動させることによって、スライド部材を吸引チューブに押し当てたり、離したりして吸引量調整を行なうことができる。
また、外科用処置システムは、生体組織を切除可能な切除部材と、前記切除部材の先端部に設けられ、前記切除部材で切除される組織片を回収可能な開口部と、前記開口部に一端が連通された吸引路と、前記吸引路の他端に設けられた口金部と、前記口金部に着脱可能に接続され、前記吸引路を通して前記開口部から前記生体組織の組織片を吸引する吸引源に接続された吸引チューブと、前記吸引チューブの吸引量を調整する吸引量調整機構とを備えていることを第4の特徴とする。
このような構成を有するので、吸引量調整機構を用いて吸引チューブの吸引量を調整することができる。このとき、吸引チューブを変形させることによって吸引量を調整するので、吸引チューブの内孔を洗浄・滅菌するように吸引路の洗浄・滅菌を容易に行なうことができる。
この発明によれば、簡単な構成で術腔内の液体の吸引量調整を行なえると同時に、吸引管路の洗浄・滅菌の操作性を向上させた外科用切除装置および外科用処置システムを提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
まず、第1の実施の形態について図1ないし図5(C)を用いて説明する。
図1に示すように、この実施の形態に係わる外科用処置システム10は、例えば関節腔内の観察を行なうための関節鏡装置12と、関節腔内に生理食塩水等を送液するための送液装置14と、関節腔内の対象組織を切除するための外科用切除装置16とを備えている。
関節鏡装置12は、関節鏡21と、光源装置22と、ビデオプロセッサー23と、モニター装置24とを備えている。
関節鏡21は、例えば送液装置14の後述するトロッカー43を介して関節腔内に挿入される細長い挿入部26と、この挿入部26の基端部に設けられ、術者に把持される把持部27とを備えている。これら挿入部26および把持部27には、関節腔内を照明する照明光学系と、照明光学系によって照明された関節腔内の部位(被写体)を観察する観察光学系とが配設されている。
把持部27には、照明光学系に照明光を導光するライトガイドケーブル29の一端部が固定され、他端部が一端部から延出されている。このライトガイドケーブル29の他端部には、照明光学系に光を出射する光源装置22が着脱自在に接続されている。
把持部27の基端部には、観察光学系により観察された被写体の光学像を出射する接眼部31が設けられている。この接眼部31には、関節鏡21の観察光学系により被写体像の映像信号を得るための撮像装置32が連接されている。この撮像装置32には、接眼部31から出射された被写体の光学像を撮像する例えばCCD素子等の撮像素子33が収容されている。撮像装置32の後端部からは、撮像装置32により得られた映像信号を伝送するビデオケーブル34の一端部が固定され、他端部が一端部から延出されている。
このビデオケーブル34の他端部は、ビデオプロセッサー23に接続されている。このビデオプロセッサー23は、撮像装置32により得られた映像信号をモニター表示可能な映像信号に処理(変換)する映像信号処理機能を備えている。ビデオプロセッサー23には、処理された映像信号を伝送するモニターケーブル36の一端部が固定され、他端部が一端部から延出されている。このモニターケーブル36の他端部は、モニター装置28に接続されている。このモニター装置24は、ビデオプロセッサー23で処理された映像信号を出力する表示部37を備えている。
外科用処置システム10の送液装置14は、送液源41と、送液チューブ42と、トロッカー43とを備えている。送液源41には、例えば生理食塩水等が充填されたパックが収容されている。送液源41には、送液チューブ42の一端部が接続されている。この送液チューブ42の他端部は、トロッカー43の基端部に接続されている。送液装置14は、送液源41を所定の高さに懸垂することによって送液チューブ42およびトロッカー43を介して適切な圧力で関節腔内に生理食塩水等の液体を供給することができる。
外科用処置システム10の外科用切除装置16は、操作者に把持されて操作される切除器具46と、この切除器具46を制御するコントロールユニット47と、切除器具46を用いて切除した処置片等を吸引する吸引装置48とを備えている。
図2(A)に示すように、切除器具46は、関節腔内に挿入される細長いプローブ51と、このプローブ51の基端部に設けられ、術者に把持される操作部52とを備えている。操作部52の内部には、プローブ51をその軸回り方向に回転駆動させるモーター(駆動手段)53が配設されている。
図2(B)に示すように、プローブ51は、内管51aと、この内管51aの外側に同心状に設けられた外管51bとを備えている。内管51aは、外管51bに対して回転自在である。内管51aの先端部には、対象組織を切除するための処置部として刃部55が設けられている。内管51aの基端部には、後述するすり割56aに係合される舌片部56が配設されている。
内管51aの内部は、吸引路の一部を形成する中空路51cである。この中空路51cの先端部は、刃部55の近傍で外部に連通されている。中空路51cの基端部は、内管51aの基端部で内管51aの径方向に形成された貫通孔により外部に連通されている。内管51aの基端部は、操作部52に支持されている。内管51aの基端部は、操作部52の先端部に設けられ、後述する吸引チューブ78の一端部が接続される接続部57により操作部52の外部に連通されている。
なお、内管51aの外周面は、自己潤滑性を有する樹脂であるPTFE材製のチューブや、PTFE材によりコーティングされている。このため、内管51aと外管51bとの間の回転により生じる磨耗に対するプローブ51の耐久性が向上する。PTFE材の他、対磨耗性が高いダイヤモンドライクカーボンで内管51aの外周面がコーティングされていることも好適である。ダイヤモンドライクカーボンは、コーティング厚をPTFE材よりも薄くすることができる。このため、吸引物が詰まり難いように、内管51aの外周面をPTFE材でコーティングするよりも内管51aの内径を相対的に大きくしてコーティング厚を薄くすることができる。なお、内管51aの外周面をコーティングする代わりに外管51bの内周面を同様にコーティングしても良く、内管51aの外周面および外管51bの内周面の両者を同様にコーティングしても良い。
図2(C)に示すように、モーター53の先端部で、かつ、プローブ51の基端部には、モーター53の回転をプローブ51に伝達する回転接続部60が配設されている。この回転接続部60は、軸回り方向に回転自在に配置されている。回転接続部60は、上述した舌片部56(図2(B)参照)が係合されるすり割56aを先端部に備えている。この回転接続部60の後端部には、ピン61を介して、モーター53の駆動軸53aの先端部が接続されている。
図2(A)に示すように、モーター53には、電力が供給されるケーブル64の一端部が接続されている。図1に示すように、このケーブル64は、操作部52の基端部から一端部が延出されている。操作部52の基端部から延出されたケーブル64の他端部は、モーター53を制御するためのコントロールユニット47に接続されている。
図3に示すように、コントロールユニット47は、電源回路68と、制御回路69と、フットスイッチ70と、出力回路71と、表示パネル72とを備えている。制御回路69は、電源回路68と、フットスイッチ70と、出力回路71と、表示パネル72とにそれぞれ接続されている。出力回路71は、上述した切除器具46に接続されている。
電源回路68は、電源に接続され、コントロールユニット47の制御回路69などに電力を供給する。フットスイッチ70は、入力装置として使用される。図1に示すように、フットスイッチ70には、モーター53を正転駆動させる正転スイッチ70aと、反転駆動させる反転スイッチ70bとが並設されている。
図3に示すように、術者がフットスイッチ70を踏むことによってフットスイッチ70から出力される信号は、制御回路69に入力される。制御回路69は、出力回路71にフットスイッチ70からの出力信号を出力する。図4に示すように、表示パネル72は、各種の情報を表示するフロントパネル72aと、切除器具46のモーター53の回転数を設定する設定スイッチ72bとを備えている。このため、設定スイッチ72bによりモーター53の回転数が設定される場合、制御回路69にその情報が送信される。制御回路69は、出力回路71にその情報を送信してモーター53の回転を制御する。
また、図1に示すように、吸引装置48は、吸引源75と、トラップ瓶76と、接続チューブ77と、吸引チューブ78とを備えている。接続チューブ77の一端部は、吸引源75に接続され、他端部は、トラップ瓶76に配設されている。吸引チューブ78の一端部は、トラップ瓶76に配設されている。吸引チューブ78の他端部は、切除器具46の操作部52の先端部に設けられた接続部(口金部)57に接続されている。このため、プローブ51の内管51aと、接続部57と、吸引チューブ78とによって吸引路が形成されている。なお、吸引チューブ78は、外力が加えられて弾性変形により内孔が押し潰された状態から元の状態に戻る復元力を有する。
さらに、図2(A)に示すように、切除器具46の操作部52の先端部には、吸引チューブ78の吸引量調整機構80が設けられている。吸引量調整機構80は、斜面に形成され、吸引チューブ78がその斜面に支持された傾斜部(傾斜面)81と、吸引チューブ78に対して外方から力を加える吸引量調整ノブ82と、吸引量調整ノブ82を支持する支持部(支点)82aとを備えている。吸引チューブ78は、傾斜部81と吸引量調整ノブ82との間に配設されている。
吸引量調整ノブ82は、レバー状を有し、操作部52に対して支持部82aを中心として回動可能である。吸引量調整ノブ82の一端部は、吸引量調整ノブ82の操作時に術者に保持される。吸引量調整ノブ82の他端部は、支持部82aを支点とする回動範囲に基づいて吸引チューブ78の潰し代を規定する。例えば、この実施の形態では、吸引量調整ノブ82を図5(A)に示すように立てたときは、吸引チューブ78に対して吸引量調整ノブ82の他端部で外力が加えられて定常状態(吸引チューブ78の内孔が有する最大)の面積の略半分に吸引チューブ78の内部の面積が潰されている。図5(B)に示すように、吸引量調整ノブ82の一端部を他端部に対して最も左側に配置したときは、吸引チューブ78に対して吸引量調整ノブ82の他端部で外力が加えられて吸引チューブ78の内部の面積が潰されている。図5(C)に示すように、吸引量調整ノブ82の一端部を他端部に対して最も右側に配置したときは、吸引チューブ78に対して吸引量調整ノブ82の他端部で外力が加えられず、吸引チューブ78の内部の面積は定常状態と同じである。
次に、この実施の形態に係わる外科用処置システム10の作用について説明する。
まず、吸引量調整ノブ82を支持部82aを支点として回動させたときの吸引チューブ78の潰し量について説明する。
図5(A)に示すように、吸引量調整ノブ82を直立状態に立てた状態にある場合、吸引量調整ノブ82の中心軸と傾斜面81との交点83aと、支持部82aとの間の距離は、例えばRxとなる。このとき、吸引量調整ノブ82により吸引チューブ78を例えば半分程度の面積に潰した状態である。このため、吸引源75を作動させると、吸引チューブ78内の開口された面積を通る生理食塩水や処置片が吸引されてトラップ瓶76に溜まる。
図5(B)に示すように、吸引量調整ノブ82の一端部を他端部に対して最も左側に配置した場合、吸引量調整ノブ82の中心軸と傾斜面81との交点83bと、支持部82aとの間の距離は、例えばRoとなる。このとき、吸引量調整ノブ82により吸引チューブ78の内孔を完全に閉塞した状態である。このため、吸引源75を作動させても、吸引されない。
図5(C)に示すように、吸引量調整ノブ82の一端部を他端部に対して右側に配置した場合、吸引量調整ノブ82の中心軸と傾斜面81との交点83cと、支持部82aとの間の距離は、例えばRmaxとなる。このとき、吸引量調整ノブ82により吸引チューブ78を例えば完全に開口した状態である。すなわち、吸引チューブ78の内孔が有する最大の断面積を備えている。このため、吸引源75を作動させると、開口された面積を通る生理食塩水や処置片が吸引されてトラップ瓶76に溜まる。
なお、距離Rx,Ro,Rmaxの関係は、距離Rmaxが最も大きく、次に距離Rxが大きく、距離Roが最も小さい。このようにして、吸引チューブ78に外力を加えて押し潰す潰し量が設定される。
次に、この実施の形態に係わる外科用処置システム10を用いて例えば膝等の関節の処置を行なう場合の作用について説明する。
関節を処置するために膝等にトロッカー43を穿刺して留置する。送液装置14の送液源41から送液チューブ42およびトロッカー43を介して観察したい部位に生理食塩水を満たす。
トロッカー43の内部に関節鏡21の挿入部26を挿入する。光源装置22からライトガイドケーブル29を介して関節鏡21の内部に入射され、関節鏡21の挿入部26の先端部から照射された照明光によって照明された被検体の光学像は、関節鏡21の観察光学系を介してビデオプロセッサー23に入力される。ビデオプロセッサー23は、モニター装置24の表示部37に挿入部26の先端部により観察される被検体を表示する。
膝等に上述したトロッカー43とは別に穿刺されたトロッカー(図示せず)を介して、あるいは、膝に開口された小さな穿刺孔を介して切除器具46のプローブ51をその先端部から関節腔内に挿入する。
関節腔内を膨らませた後、関節鏡21の観察下で切除器具46の操作部52を操作して刃部55を半月板等の切除対象組織に接近させる。コントロールユニット47の設定スイッチ72bを操作して切除器具46のモーター53の回転数を設定する。切除器具46は、モーター53の駆動軸53aを介して回転接続部60のすり割56aとプローブ51の内管51aの基端部の舌片部56とが接続されているので、モーター53が回転すると、回転接続部60を介してプローブ51の内管51aが外管51bに対して回転する。このため、刃部55が回転して組織に対して処置を行なうことが可能となる。
このように、関節鏡21で半月板等の切除対象組織を観察可能で、かつ、送液装置14の送液源41から処置部に液体を送液可能な状態で切除器具46を操作して半月板等の切除対象組織の処置を行なう。
切除器具46の吸引量調整ノブ82を操作して吸引チューブ78の絞り量(開閉量)を調節する。このとき、例えば吸引チューブ78を吸引量調整ノブ82により押し潰して完全に閉じた状態とする(図5(B)参照)。この状態で例えば半月板等を関節鏡21を用いて観察する。
その後、切除器具46の吸引量調整ノブ82を操作して吸引チューブ78の絞り量(開閉量)を調節する。このとき、例えば吸引チューブ78が吸引量調整ノブ82により押し潰されて変形されていた状態が解除され、吸引チューブ78の内孔を完全に開放した状態とする(図5(C)参照)。この状態で、送液源41から送液チューブ42およびトロッカー43を介して生理食塩水を切除対象組織に供給する。
この状態でフットスイッチ70の例えば正転スイッチ70aを踏み、モーター53を正回転させてプローブ51の内管51aを回転させて内管51aの先端部の刃部55で半月板等を処置する。このとき、同時に吸引源75を作動させて半月板等から遊離させた処置片(組織)を生理食塩水ごと吸引して、内管51aの内孔、操作部52の先端部、接続部57および吸引チューブ78を介してトラップ瓶76に吸引物を溜める。このときの送液量と吸引量との関係は、処置中は、生理食塩水が切除対象組織に満たされた状態を保持する。
この後、フットスイッチ70の反転スイッチ70bを踏んでモーター53を反転駆動させて刃部55を外管51bに対して回転させて処置部をさらに処置する。このとき、同時に吸引源75を作動させて半月板等から遊離させた処置片を生理食塩水ごと吸引して内管51aの内孔、操作部52の先端部、接続部57および吸引チューブ78を介してトラップ瓶76に吸引物を溜める。
処置を終了させた後、内管51aの内孔、操作部52の先端部、接続部57および吸引チューブ78で構成された吸引路を洗滌・滅菌する。着脱可能なコードや吸引チューブ78などはできるだけ取り外しておく。例えばブラシを吸引チューブ78に挿入して汚れを擦り落とす。この場合、屈曲された部位がなく、略真直ぐの状態にあるので、洗滌・滅菌し易い。また、内管51aなども管路内に障害物がなく、略真直ぐの状態にあるので、ブラシを内部に容易に挿入することができるので、洗滌・滅菌し易い。
以上説明したように、この実施の形態に係わる外科用処置システム10によれば、以下の効果が得られる。
吸引チューブ78の外方から外力を加えて吸引チューブ78の内孔断面積を変化させることによって、吸引源75を作動させて吸引させたときに、吸引量を容易に調整することができる。このため、送液源41から供給される生理食塩水の無駄な浪費を防止することができる。
また、吸引路が切除器具46の操作部52の先端部から後端部に渡る内部を通過しないため、術後の吸引路を簡単に洗浄することができる。特に吸引量を調節する吸引量調整ノブ82の内部管路における流量の絞り構造(障害物)がなくなるため、より洗浄が簡単になるとともに、短時間に行なうことができる。
次に、第2の実施の形態について図6を用いて説明する。この実施の形態に係わる外科用処置システム10は、第1の実施の形態に係わる外科用処置システム10の変形例であり、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この実施の形態に係わる外科用処置システム10は、第1の実施の形態で説明した吸引量調整機構80と異なる構成の吸引量調整機構90を備えている。
図6に示すように、この実施の形態に係わる吸引量調整機構90は、第1のスライドレール95と、スライドノブ96と、押圧シャフト97と、第2のスライドレール98とを備えている。第1および第2のスライドレール95,98は、切除器具46の操作部52に固定されている。第1のスライドレール95は、例えばプローブ51の軸方向と同じ方向に軸を有する。第1のスライドレール95の軸方向は、第2のスライドレール98の軸方向に対して直交した状態にある。
スライドノブ96は、第1のスライドレール95に沿ってスライド可能に配設されている。スライドノブ96は、術者が把持する手持部96aと、スライドレール95の軸方向に対して傾斜した傾斜面96bとを備えている。
押圧シャフト97には、一端(上端)を上方向に押圧するように付勢する図示しない付勢手段が設けられている。このため、押圧シャフト97は、傾斜面96bに常に当接されている。押圧シャフト97の他端は、吸引チューブ78の外周面に当接されている。
次に、この実施の形態に係わる外科用処置システム10の作用について説明する。
術者がスライドノブ96の手持部96aを保持して第1のスライドレール95に対してスライドノブ96を前方(プロープ51の先端部側)に移動させると、傾斜面96bによって押圧シャフト97が下側に向かって押圧される。このため、押圧シャフト97が第2のスライドレール98上をスライドして押圧シャフト97の他端に接触された吸引チューブ78に外力を加えて吸引チューブ78を押し潰す。そうすると、吸引チューブ78内の吸引路が閉塞されて例えば生理食塩水や処置片などを吸引することができなくなる。
一方、スライドレール95に対してスライドノブ96を後方(操作部52の後端部側)に移動させると、傾斜面96bによって押圧シャフト97に加えられていた外力が開放されて変形させられていた吸引チューブ78が弾性力により元の形状に戻る。そうすると、吸引チューブ78内の吸引路が開放されて例えば生理食塩水や処置片などを吸引することができる。
なお、吸引チューブ78が押し潰される変形量は、スライドノブ96を第1のスライドレール95に対して移動(往復動)させる移動量によって決められるので、吸引量もそれに伴って決められる。すなわち、スライドノブ96を第1のスライドレール95に対してスライドさせるスライド量に応じて、第2のスライドレール98上を押圧シャフト97がスライドするスライド量が決められる。したがって、スライドノブ96を第1のスライドレール95に対してスライドさせるスライド量に応じて、吸引チューブ78の潰し代、すなわち吸引量が調整される。
このような構成および作用を有するので、第1の実施の形態で説明した外科用処置システム10の効果と同様の効果を有する。
この実施の形態では、押圧シャフト97に付勢手段を設けたことを説明したが、吸引チューブ78が弾性力により復元されるので、付勢手段は設けられていなくても良い。
なお、上述した第1および第2の実施の形態では、切除器具46のプローブ51を回転させて生体組織を処置することを説明したが、回転させることに限る必要はない。例えば、振動などによっても生体組織を処置することができる。また、この実施の形態では半月板等を処置することを説明したが、半月板等に限ることはなく、他の部位を処置する場合であっても良い。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
[付記]
(付記項1) 細長いプローブを回転作動させてプローブの先端部に設けられている刃部によって生体組織を切除する切除器具と、この切除器具に形成された吸引路と、この吸引路に接続される吸引チューブとを具備する外科用切除装置において、
前記切除器具に備えられ、前記吸引チューブの潰し代を調節することにより吸引量を調整する吸引調節手段を設けたことを特徴とする外科用切除装置。
(付記項2) 付記項1において、回動する操作部により吸引量を調整することを特徴とする。
(付記項3) 付記項1において、往復動する操作部により吸引量を調節することを特徴とする。
(付記項4) 生体組織を切除可能な切除部材と
前記切除部材を回転駆動する駆動手段と、
前記切除部材の先端部に設けられ、前記駆動手段により回転駆動される前記切除部材で切除される組織片を回収可能に開口した開口部と、
前記開口部に一端が連通する吸引路と、
前記吸引管路の他端に設けられた口金部と、
前記口金部に着脱可能に接続され、前記吸引管路を介して前記開口部より前記組織片を吸引する吸引チューブと、
前記吸引チューブの吸引量を調整する吸引量調整手段と
を備えたことを特徴とする医療用処置装置。
本発明の第1の実施の形態に係わる外科用処置システムの構成を示す概略図。 (A)は、本発明の第1の実施の形態に係わる外科用処置システムにおける切除器具の全体的な構成を示す概略図、(B)は(A)のプローブおよびプローブと吸引路との関係を示す概略的な部分断面図、(C)は(B)に示すプローブの基端部に連結されるモーターの駆動軸および回転接続部の近傍を示す概略的な断面図。 本発明の第1の実施の形態に係わる外科用処置システムにおけるコントロールユニットの概略的なブロック図。 本発明の第1の実施の形態に係わる外科用処置システムにおける表示パネルの概略図。 本発明の第1の実施の形態に係わる外科用処置システムにおける吸引路の吸引チューブを示し、(A)は略閉塞状態を示す概略図、(B)は閉塞状態を示す概略図、(C)は連通状態を示す概略図。 本発明の第2の実施の形態に係わる外科用処置システムにおける吸引路の吸引チューブを閉塞および連通させるための構成を示す概略図。
符号の説明
16…外科用切除装置、21…関節鏡、26…挿入部、27…把持部、41…送液源、42…送液チューブ、43…トロッカー、46…切除器具、48…吸引装置、51…プローブ、51a…内管、51b…外管、51c…中空路、52…操作部、53…モーター、53a…駆動軸、57…接続部、75…吸引源、78…吸引チューブ、78b…制御回路、80…吸引量調整機構、81…傾斜部(傾斜面)、82…吸引量調整ノブ、82a…支持部

Claims (4)

  1. 細長いプローブの先端部に設けられた刃部によって生体組織を切除するとともに切除した生体組織を吸引するための吸引路を有する切除器具と、前記吸引路に接続された吸引チューブとを具備する外科用切除装置において、
    前記吸引チューブを外方から潰す潰し代を調整して吸引量を調整する吸引量調整機構を前記切除器具に設けたことを特徴とする外科用切除装置。
  2. 前記吸引量調整機構は、前記切除器具に回動可能に支持され、前記吸引チューブの内孔を押し潰す状態と、前記吸引チューブの内孔を確保する状態との間に前記吸引チューブの潰し量を調整する回動操作ハンドルを有することを特徴とする請求項1に記載の外科用切除装置。
  3. 前記吸引量調整機構は、前記吸引チューブの内孔を押し潰す状態と、前記吸引チューブの内孔を確保する状態との間を移動可能なスライド部材と、前記スライド部材に当接され、前記吸引チューブに対する押圧量を変化させる往復動操作ハンドルとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の外科用切除装置。
  4. 生体組織を切除可能な切除部材と、
    前記切除部材の先端部に設けられ、前記切除部材で切除される組織片を回収可能な開口部と、
    前記開口部に一端が連通された吸引路と、
    前記吸引路の他端に設けられた口金部と、
    前記口金部に着脱可能に接続され、前記吸引路を通して前記開口部から前記生体組織の組織片を吸引する吸引源に接続された吸引チューブと、
    前記吸引チューブの吸引量を調整する吸引量調整機構と
    を具備することを特徴とする外科用処置システム。
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