JP2005117963A - 水槽の水温制御装置 - Google Patents

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敏光 宮崎
Moriaki Toyoda
守亮 豊田
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Abstract

【課題】 強制冷却の必要がなく、しかも、単体で多量の熱を発熱することができる水温制御装置を提供する。
【解決手段】 サイリスタ29をセンサケース22に検出センサ26と共に密閉収納したので、制御部41を強制冷却手段によって強制冷却する必要が無くなった。また、サイリスタ29がかなりの熱が発熱しても、該熱はセンサケース22を通じて水槽11の水Wに吸収され、サイリスタ29を容易に許容温度未満まで冷却することができる。これにより、ヒーター53の消費電力を容易に1kw以上とすることができ、単体のヒーター53で大型水槽の水温を制御することができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、観賞魚等を飼育する水槽の水温を制御する水温制御装置に関する。
従来の水槽の水温制御装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開平10−14439号公報
このものは、水槽の水に沈められたヒーターケースと、該ヒーターケース内に密閉収納され、通電されたとき発熱して水槽内の水の温度を上昇させるヒーターと、入力されるゲート電流に基づいてヒーターに対する通電状態を制御するサイリスタと、水槽の水に沈められたセンサケースと、該センサケース内に密閉収納され、センサケースを介して水温を検出する検出センサと、水槽から離れた位置に設置され、前記検出センサからの検出結果に基づいてサイリスタに対するゲート電流の出力を制御する制御部とを備え、前記サイリスタを制御部と共に制御ケース内に収納するようにしている。
ここで、近年、観賞魚等を飼育する水槽が大型化して温度を制御すべき水量が多くなってきたため、単体で多量の熱を発熱することができる、例えば消費電力が1kw以上もあるヒーターの出現が要望されるようになってきた。
しかしながら、前述のような水温制御装置のサイリスタは、通常、ヒーター消費電力の約1%の電力を消費して発熱するため、前述のようにヒーター消費電力を1kwまで高めると、約10wの電力を消費してかなりの熱量で発熱する。ここで、サイリスタは前述のように制御部と共に制御ケース内に収納されているため、制御ケース内にサイリスタの熱がこもって、電子部品から構成されているサイリスタ、制御部が許容温度以上の高温に加熱され、この結果、制御不能となってしまうという問題があった。
このため、ファン等の強制冷却手段を制御ケースに設置して強制冷却を行い、サイリスタ、制御部を許容温度未満まで冷却することも考えられるが、装置全体が大型化するとともに、高価となり現実的でない。このようなことから、従来においては消費電力が600wであるヒーターが製品としては限度であり、この結果、大型の水槽に対しては、2個以上の水温制御装置を設置することで対処せざるを得なかった。
この発明は、強制冷却の必要がなく、しかも、単体で多量の熱を発熱することができる水槽の水温制御装置を提供することを目的とする。
このような目的は、水槽の水に沈められたヒーターケースと、該ヒーターケース内に密閉収納され、通電されたとき発熱して水槽内の水の温度を上昇させるヒーターと、入力されるゲート電流に基づいてヒーターに対する通電状態を制御するサイリスタと、水槽の水に沈められたセンサケースと、該センサケース内に密閉収納され、センサケースを介して水温を検出する検出センサと、水槽から離れた位置に設置され、前記検出センサからの検出結果に基づいてサイリスタに対するゲート電流の出力を制御する制御部とを備えた水槽の水温制御装置において、前記サイリスタをセンサケース内に検出センサと共に密閉収納することにより、達成することができる。
この発明においては、サイリスタをセンサケース内に検出センサと共に密閉収納するようにしたので、制御部がサイリスタの発熱によって加熱されることはなく、この結果、制御部を強制冷却手段によって強制冷却する必要は無い。一方、サイリスタに関しては、センサケースが水槽の水に沈められているため、該サイリスタがかなりの熱量で発熱しても、該熱はセンサケースを通じて水槽の水に吸収され、サイリスタを容易に許容温度未満まで冷却することができる。これにより、ヒーターの消費電力を容易に1kw以上とすることができ、単体のヒーターで大型水槽の水温を制御することができる。このとき、サイリスタからの熱は水槽の水を加熱するために用いられるため、エネルギーロスを低減させることもできる。
また、請求項2に記載のように構成すれば、配線作業が容易となる。
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、サイリスタからの伝導熱により金属板の温度が上昇するため、放熱面積が増大し、サイリスタを強力かつ迅速に冷却させることができる。
以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は観賞魚の飼育等を行う水槽であり、この水槽11内には所定量の水(淡水、海水)Wが貯留されている。12、13は一対の基端側通電線であり、これら基端側通電線12、13の基端には商用交流電源に接続されるプラグ14が連結され、一方、これら基端側通電線12、13の先端には基端側コネクタ片としての出力ソケット15が連結されている。
16は水温の設定を行う水温設定器17が設けられた制御ユニット18の制御ケースであり、この制御ケース16は水槽11から離れて設置されるとともに、その内部を前記基端側通電線13の途中が通過している。ここで、基端側通電線12は第1通電線12aと第2通電線12bとから構成され、この第1通電線12aの基端には前記プラグ14が、また、第2通電線12bの先端には前記出力ソケット15がそれぞれ連結され、さらに、これら第1、第2通電線12a、bの途中は前記制御ケース16内を通過している。
21は水Wに沈められたセンサケース22を有する検出ユニットであり、このセンサケース22は円筒状のセラミック管23と、このセラミック管23の先端および基端にそれぞれ嵌合され、該セラミック管23の先端開口および基端開口をそれぞれ閉止する先端キャップ24および基端キャップ25とから構成されている。26は前記センサケース22内でその基端側に密閉された状態で収納された検出センサであり、この検出センサ26はサーミスタ等から構成されるとともに、センサケース22、詳しくはセラミック管23を介して前記水Wの水温を検出する。
29は前記センサケース22内でその先端側に密閉された状態で収納され、トライアック、SCR等の電力制御素子から構成、ここではトライアックから構成されたサイリスタであり、このサイリスタ29は基端キャップ25を貫通してセンサケース22内に延びる第1通電線12aの先端と第2通電線12bの基端との間に設けられ、この結果、前記サイリスタ29は基端側通電線12の途中に設けられていることになる。そして、このサイリスタ29は後述のゲート電流に基づいて基端側通電線12、13における通電状態を制御する。そして、前述のようにサイリスタ29をセンサケース22の先端側に、検出センサ26をセンサケース22の基端側に配置するようにすれば、配線作業が容易となる。
31は前記センサケース22内でその先端側に密閉された状態で収納された金属板であり、この金属板31は前記サイリスタ29より大型で、アルミニウム、銅等の熱伝導性の良好な金属から構成されるとともに、前記サイリスタ29が止めねじ等で取付けられている。このようにすれば、サイリスタ29が通電により自己発熱しても該サイリスタ29からの伝導熱により金属板31の温度がサイリスタ29の温度近くまで上昇するため、全体としての放熱面積が増大し、これにより、サイリスタ29を強力かつ迅速に冷却させることができる。32は前記センサケース22内でその基端側に密閉された状態で収納された補助ヒーターであり、この補助ヒーター32は前記検出センサ26の近傍に設置されている。そして、この補助ヒーター32には、電源投入以後、常時小電力が通電されているため、該補助ヒーター32からは若干の熱量が放熱されている。
35は前記制御ケース16に内蔵された比較回路であり、この比較回路35には検出ユニット21の基端キャップ25を貫通する接続線36を介して検出センサ26が接続されている。また、この比較回路35には前記水温設定器17および接続線37を通じてサイリスタ29にゲート電流を出力するゲート回路38が接続されている。ここで、前記ゲート回路38としては、例えば、ゼロクロスパルス(交流電圧の零点付近で同期パルスを発生する)駆動回路、あるいは、フォトカプラー等を使用して連続したゼロクロス直流電流を発生する直流電流回路を用いることができる。なお、39は直流定電圧を生じさせる直流電源回路である。
そして、比較回路35に水温設定器17からの設定信号および検出センサ26からの検出信号が入力されると、該比較回路35は検出センサ26が検出した温度と水温設定器17によって設定された設定温度とを比較し、検出温度が設定温度未満である場合には、前記ゲート回路38からサイリスタ29にゲート電流を出力してサイリスタ29を導通状態とする一方、検出温度が設定温度を超えると、ゲート電流の出力を停止させ、サイリスタ29を遮断状態とする。
ここで、サイリスタ29が検出センサ26、補助ヒーター32と共にセンサケース22に密閉収納されているため、検出センサ26がサイリスタ29、補助ヒーター32からの熱により影響を受け(温度が上昇し)、検出センサ26の検出結果が実際の水温より高い温度を示すが、比較回路35においてこのような温度上昇を加味しながら判定を行うことで、サイリスタ29、補助ヒーター32からの熱影響を排除することができる。
前述した水温設定器17、比較回路35、ゲート回路38は全体として、水槽11から離れた位置に設置され、検出センサ26からの検出結果に基づいてサイリスタ29に対するゲート電流の出力を制御する制御部41を構成し、この制御部41からのゲート電流に基づいてサイリスタ29は後述するヒーターに対する通電状態を制御する。また、前記制御ケース16、直流電源回路39、制御部41は全体として、前記制御ユニット18を構成する。
43は水槽11の水Wに沈められているヒーターユニットであり、このヒーターユニット43はヒーターケース44を有し、このヒーターケース44は円筒状のセラミック管45と、このセラミック管45の先端および基端にそれぞれ嵌合され、該セラミック管45の先端開口および基端開口をそれぞれ閉止する先端キャップ46および基端キャップ47とから構成されている。48、49は一対の先端側通電線であり、これら先端側通電線48、49の基端には、前記出力ソケット15に差し込まれると結合し、引き抜かれると分離する結合分離可能な先端側コネクタ片としての入力プラグ50が設けられている。
また、これら先端側通電線48、49の先端部はヒーターユニット43の基端キャップ47を貫通してヒーターケース44内に導かれるとともに、これら先端側通電線48、49の先端間にはヒーターケース44内に密閉された状態で収納され、通電されたとき大量の熱を発熱して水槽11内の水Wの温度を上昇させるヒーター53が設けられている。ここで、前記ヒーター53の消費電力を1kw程度まで高めると、サイリスタ29は前記1kwの1%、即ち、約10wの電力を消費してかなりの熱を発熱するが、該サイリスタ29は水槽11の水Wに沈められているセンサケース22に収納されているため、該熱はセンサケース22を通じて水槽11の水Wに吸収され、サイリスタ29を容易に許容温度未満まで冷却することができる。
これにより、ヒーター53の消費電力を容易に1kw以上とすることができ、単体のヒーター53で大型水槽の水温を制御することができる。このとき、サイリスタ29からの熱は水槽11の水Wを加熱するために用いられるため、エネルギーロスを低減させることもできる。一方、制御部41に関しては、前述のようにサイリスタ29をセンサケース22に検出センサ26と共に密閉収納するようにしたので、該制御部41がサイリスタ29の発熱によって加熱されることはなく、この結果、制御部41をファン等の強制冷却手段によって強制冷却する必要が無くなる。
前述した基端側通電線12、13、先端側通電線48、49は全体として、基端にプラグ14が連結され、先端間にヒーター53が設けられた一対の通電線54、55を構成するが、これら通電線54、55は前述のようにサイリスタ29とヒーター53との間において切断されるとともに、基端側切断端(基端側通電線12、13においては先端)にコネクタ56の出力ソケット15が、先端側切断端(先端側通電線48、49においては基端)にコネクタ56の入力プラグ50が設けられており、この結果、このコネクタ56は出力ソケット15に入力プラグ50が差し込まれたとき結合し、出力ソケット15から入力プラグ50が引き抜かれると分離する。
次に、前記実施例1の作用について説明する。
今、プラグ14は商用交流電源のコンセントに差し込まれており、検出ユニット21およびヒーターユニット43は観賞魚の飼育を行う水槽11の水Wに沈められているとする。このとき、検出センサ26が前記水Wの水温を検出して、該水温に対応する検出信号を比較回路35に出力し、一方、水温設定器17は飼育者が設定した設定温度(目標温度)に対応する設定信号を前記比較回路35に出力する。この結果、比較回路35は検出センサ26が検出した温度と水温設定器17によって設定された設定温度とを比較するが、このとき、前記検出温度が設定温度未満である場合には、ゲート回路38からサイリスタ29にゲート電流を出力してサイリスタ29を導通状態とする。これにより、ヒーター53に通電されて該ヒーター53が発熱し、水Wを加熱する。
そして、水Wの水温が上昇し、検出センサ26の検出温度が水温設定器17の設定温度(目標温度)を超えると、比較回路35はゲート回路38からのゲート電流の出力を停止させる。この結果、サイリスタ29は遮断状態となり、ヒーター53への通電が遮断される。このようにして水槽11内の水Wは設定温度(目標温度)に制御され、観賞魚の飼育に適した環境が提供される。
このとき、ヒーター53の消費電力が1kw以上であると、サイリスタ29は10w以上の電力を消費してかなりの熱を発熱するが、該サイリスタ29は水槽11の水Wに沈められているセンサケース22に収納されているため、該熱はセンサケース22を通じて水槽11の水Wに吸収され、サイリスタ29を容易に許容温度未満まで冷却することができる。これにより、ヒーター53の消費電力が1kw以上であっても、単体のヒーター53で大型水槽の水温を簡単かつ確実に制御することができる。
この発明は、水槽内の水の温度を制御する産業分野に適用できる。
この発明の実施例1を示す概略正面図である。 その回路を記号で表した回路図である。
符号の説明
11…水槽 22…センサケース
26…検出センサ 29…サイリスタ
31…金属板 41…制御部
44…ヒーターケース 53…ヒーター
W…水

Claims (3)

  1. 水槽の水に沈められたヒーターケースと、該ヒーターケース内に密閉収納され、通電されたとき発熱して水槽内の水の温度を上昇させるヒーターと、入力されるゲート電流に基づいてヒーターに対する通電状態を制御するサイリスタと、水槽の水に沈められたセンサケースと、該センサケース内に密閉収納され、センサケースを介して水温を検出する検出センサと、水槽から離れた位置に設置され、前記検出センサからの検出結果に基づいてサイリスタに対するゲート電流の出力を制御する制御部とを備えた水槽の水温制御装置において、前記サイリスタをセンサケース内に検出センサと共に密閉収納するようにしたことを特徴とする水槽の水温制御装置。
  2. 前記サイリスタをセンサケースの先端側に、検出センサをセンサケースの基端側に配置した請求項1記載の水槽の水温制御装置。
  3. 前記センサケース内に金属板を密閉収納するとともに、該金属板にサイリスタを取付けるようにした請求項1記載の水槽の水温制御装置。
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