JP2005117818A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、電動機の電圧飽和を抑制するために弱め界磁制御を利用した電動機制御装置に関する。
従来、永久磁石形同期電動機の弱め界磁制御に関しては、例えば特許文献1がある。
しかしながら、特許文献1の従来例のモータ駆動制御装置では、動作時に複雑な計算式を用いてId*をもとめるので、計算に時間がかかり、制御演算周期を長くとらなければならず、応答性能の低下をひきおこすという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、弱め界磁制御を迅速に処理でき応答性能がよく動作範囲の大きい電動機制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、弱め界磁制御を迅速に処理でき応答性能がよく動作範囲の大きい電動機制御装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明は、エンコーダで検出した電動機の回転角を電気角に変換する電気角計算部と、前記回転角を回転速度に変換する速度変換部と、トルク指令からq軸電流指令を計算するq軸電流指令演算部と、前記同期電動機の電流を検出する電流検出部と、前記電流をd−q軸電流に変換する3相/2相変換部と、前記d−q軸電流とd−q軸電流指令からd−q軸電圧指令を計算する電流制御部と、前記d-q軸電圧指令をU、V、W相電圧指令に変換する2相/3相変換部と、前記U、V、W相電圧指令より電動機に電圧を印加するPWM電力変換部とを備えた電動機制御装置において、非動作時に無負荷トルクから最大トルクの範囲を自然数m個に分け、それぞれのトルクにおいて回転速度ゼロから最大回転速度までの最適d軸電流指令をあらかじめ計算で求めておき、前記最適d軸電流指令をn個の直線で近似した点をメモリテーブルにd軸電流指令データとして保存しておき、動作時に回転速度が所定の回転速度を超えると回転速度およびq軸電流指令またはトルク指令から前記d軸電流指令データをもとに内挿した値を新たなd軸電流指令とするd軸電流指令演算部を備えることを特徴とするものである。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の電動機制御装置において、前記最適d軸電流指令を事前に実験またはシミュレーションによりもとめ、前記メモリテーブルに保存することを特徴とするものである。
請求項3記載の本発明は、請求項1記載の電動機制御装置において、前記電動機は同期電動機であることを特徴とするものである。
請求項4記載の本発明は、請求項2記載の電動機制御装置において、前記同期電動機は永久磁石型であることを特徴とするものである。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の電動機制御装置において、前記最適d軸電流指令を事前に実験またはシミュレーションによりもとめ、前記メモリテーブルに保存することを特徴とするものである。
請求項3記載の本発明は、請求項1記載の電動機制御装置において、前記電動機は同期電動機であることを特徴とするものである。
請求項4記載の本発明は、請求項2記載の電動機制御装置において、前記同期電動機は永久磁石型であることを特徴とするものである。
本発明により、弱め界磁制御を迅速に処理でき応答性能がよく動作範囲の大きい電動機制御装置を提供することができる。
本発明を図に基づいて説明する。
図1は本発明の構成を示したもので、1は永久磁石形同期電動機、2はエンコーダ、3は電流制御部、4はPWM電力変換装置、5は電流検出器、6は電気角計算部、7は3相/2相変換器、8は2相/3相変換器、9は速度変換部、10はq軸電流指令演算部、11はd軸電流指令演算部である。つぎに動作について説明する。
図1において、q軸電流指令演算部10はトルク指令T*を入力し、モータ定数などで除算しq軸電流指令Iq*を出力する。q軸電流指令Iq*は電流制御部3の入力となる。電流制御部3はq軸電流指令Iq*とd軸電流指令部の出力Id*を入力とし、それぞれq軸電流Iq、d軸電流Idと偏差をとり、PID演算をして補償を加えq軸電圧指令Vq*、d軸電流指令Vq*を2相/3相変換器8に出力する。2相/3相変換器8はdーq軸電圧指令Vd*、Vq*を入力とし、電気角計算部6の出力である電気角θeを使用して3相の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を生成しPWM電力変換装置4に出力する。PWM電力変換装置4は3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を入力として電力増幅された電圧を永久磁石形電動機1に印加する。永久磁石形同期電動機に電圧を印加されると3相電流Iu、Iv、Iwが回転速度やモータ定数に応じて流れる。3相電流Iu,Iv,Iwが流れると電動機は回転トルクを発生し、負荷トルク、慣性モーメント、時間に応じて回転する。エンコーダ2は永久磁石形同期電動機に機械的に結合されており、電動機の回転角θを検出する。エンコーダの出力θは電気角計算部6と速度変換部9の入力になる。電気角計算部6はθに永久磁石形同期電動機の極対数を乗じて電気角θeを出力し、2相/3相変換器の入力となる。速度変換部はθを入力とし、時間差分をとって速度ωに変換する。3相/2相変換部7は、モータ電気角θeを使用して、3相電流Iu,Iv,Iwを2相電流Id,Iqに変換する。d軸電流指令演算部11は、トルク指令とモータ速度ωからd軸電流指令Id*を図2のグラフで表したメモリテーブルから周囲の4点を選択して、対応する4個のId*を読み出し、読み出した値から内挿により指令すべきId*をもとめる。図2のグラフはメモリテーブルの内容をビジュアルに表現したもので横軸が回転速度、縦軸がd軸指令電流値である。回転速度は零速度から最大回転速度までをn等分しそれぞれの回転速度を0、N1、N2、・・・、Ni、Ni+1、・・・、Nnとして与える。またトルク指令は無負荷から最大トルク指令までをm等分してそれぞれのトルク指令値を0、T1、T2、・・・・、Tj、Tj+1、・・・、Tmとして与える。動作時に回転速度Nとトルク指令T*が与えられると図2の(N、T)の座標を囲む4点をメモリテーブルから読み出す。その4点は回転速度・トルク・d軸電流指令をそれぞれ、(Ni、Tj、Iij)、(Ni+1、Tj、Ii+1、j)、(Ni、Tj+1、Ii、j+1)、(Ni+1、j+1、Ii+1、j+1)として表され、さらに、実際の回転速度、トルク指令(N,T)から式(1)を使用して内挿し、最適なd軸電流指令を求めることができる。
図1において、q軸電流指令演算部10はトルク指令T*を入力し、モータ定数などで除算しq軸電流指令Iq*を出力する。q軸電流指令Iq*は電流制御部3の入力となる。電流制御部3はq軸電流指令Iq*とd軸電流指令部の出力Id*を入力とし、それぞれq軸電流Iq、d軸電流Idと偏差をとり、PID演算をして補償を加えq軸電圧指令Vq*、d軸電流指令Vq*を2相/3相変換器8に出力する。2相/3相変換器8はdーq軸電圧指令Vd*、Vq*を入力とし、電気角計算部6の出力である電気角θeを使用して3相の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を生成しPWM電力変換装置4に出力する。PWM電力変換装置4は3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を入力として電力増幅された電圧を永久磁石形電動機1に印加する。永久磁石形同期電動機に電圧を印加されると3相電流Iu、Iv、Iwが回転速度やモータ定数に応じて流れる。3相電流Iu,Iv,Iwが流れると電動機は回転トルクを発生し、負荷トルク、慣性モーメント、時間に応じて回転する。エンコーダ2は永久磁石形同期電動機に機械的に結合されており、電動機の回転角θを検出する。エンコーダの出力θは電気角計算部6と速度変換部9の入力になる。電気角計算部6はθに永久磁石形同期電動機の極対数を乗じて電気角θeを出力し、2相/3相変換器の入力となる。速度変換部はθを入力とし、時間差分をとって速度ωに変換する。3相/2相変換部7は、モータ電気角θeを使用して、3相電流Iu,Iv,Iwを2相電流Id,Iqに変換する。d軸電流指令演算部11は、トルク指令とモータ速度ωからd軸電流指令Id*を図2のグラフで表したメモリテーブルから周囲の4点を選択して、対応する4個のId*を読み出し、読み出した値から内挿により指令すべきId*をもとめる。図2のグラフはメモリテーブルの内容をビジュアルに表現したもので横軸が回転速度、縦軸がd軸指令電流値である。回転速度は零速度から最大回転速度までをn等分しそれぞれの回転速度を0、N1、N2、・・・、Ni、Ni+1、・・・、Nnとして与える。またトルク指令は無負荷から最大トルク指令までをm等分してそれぞれのトルク指令値を0、T1、T2、・・・・、Tj、Tj+1、・・・、Tmとして与える。動作時に回転速度Nとトルク指令T*が与えられると図2の(N、T)の座標を囲む4点をメモリテーブルから読み出す。その4点は回転速度・トルク・d軸電流指令をそれぞれ、(Ni、Tj、Iij)、(Ni+1、Tj、Ii+1、j)、(Ni、Tj+1、Ii、j+1)、(Ni+1、j+1、Ii+1、j+1)として表され、さらに、実際の回転速度、トルク指令(N,T)から式(1)を使用して内挿し、最適なd軸電流指令を求めることができる。
最適d軸電流指令の近似曲線は実運転前に事前に実験やシミュレーションにより求めることができる。図3は(a)でまず実験やシミュレーションにより回転速度、トルク特性をもとめておき、次に(b)でトルクをパラメータとして横軸に回転速度、縦軸に最適d軸電流をとるように読み替えたものである。各回転速度とトルクに対する最適なd軸電流指令は近似的にグラフより読み取りメモリテーブルに保存する。
本発明は永久磁石形同期電動機を性能を犠牲にせず、通常制御では電源電圧により制限される回転速度、トルクの動作範囲を拡大しようとしたものである。さらに、小形化や低価格化のために制御装置に用いられるパワーデバイスの電流容量を下げる部として電動機の巻線回数を多くして定格電流を下げる設計が採用されるが、この場合は、逆誘起電圧とリアクタンス電圧降下が大きくなり、その影響で回転速度とトルクの動作範囲が小さくなってしまう。この場合も本発明は動作範囲の仕様を保証する意味でも効果がある。また、本発明は電源電圧は一定としているが電圧が変動する場合も同様の考え方ができる。さらに本発明は永久磁石形同期電動機の例で述べたが、永久磁石形ではない同期電動機や誘導電動機の制御に対しても有効である。
θ エンコーダによる永久磁石形同期電動機の回転角
θe 永久磁石形同期電動機の電気角
ω 永久磁石形同期電動機の回転速度
T* トルク指令
Id* d軸電流指令
Iq* q軸電流指令
Id d軸電流
Iq q軸電流
Vd* d軸電圧指令
Vq* q軸電圧指令
Vu* U相電圧指令
Vv* V相電圧指令
Vw* W相電圧指令
Vu U相印加電圧
Vv V相印加電圧
Vw W相印加電圧
1 永久磁石形同期電動機
2 エンコーダ
3 電流制御部
4 PWM電力変換装置
5 電流検出部
6 電気角計算部
7 3相/2相変換部
8 2相/3相変換部
9 速度変換部
10 q軸電流指令演算部
11 d軸電流指令演算部
θe 永久磁石形同期電動機の電気角
ω 永久磁石形同期電動機の回転速度
T* トルク指令
Id* d軸電流指令
Iq* q軸電流指令
Id d軸電流
Iq q軸電流
Vd* d軸電圧指令
Vq* q軸電圧指令
Vu* U相電圧指令
Vv* V相電圧指令
Vw* W相電圧指令
Vu U相印加電圧
Vv V相印加電圧
Vw W相印加電圧
1 永久磁石形同期電動機
2 エンコーダ
3 電流制御部
4 PWM電力変換装置
5 電流検出部
6 電気角計算部
7 3相/2相変換部
8 2相/3相変換部
9 速度変換部
10 q軸電流指令演算部
11 d軸電流指令演算部
Claims (4)
- エンコーダで検出した電動機の回転角を電気角に変換する電気角計算部と、前記回転角を回転速度に変換する速度変換部と、トルク指令からq軸電流指令を計算するq軸電流指令演算部と、前記同期電動機の電流を検出する電流検出部と、前記電流をd−q軸電流に変換する3相/2相変換部と、前記d−q軸電流とd−q軸電流指令からd−q軸電圧指令を計算する電流制御部と、前記d-q軸電圧指令をU、V、W相電圧指令に変換する2相/3相変換部と、前記U、V、W相電圧指令より電動機に電圧を印加するPWM電力変換部とを備えた電動機制御装置において、
非動作時に無負荷トルクから最大トルクの範囲を自然数m個に分け、それぞれのトルクにおいて回転速度ゼロから最大回転速度までの最適d軸電流指令をあらかじめ計算で求めておき、前記最適d軸電流指令をn個の直線で近似した点をメモリテーブルにd軸電流指令データとして保存しておき、動作時に回転速度が所定の回転速度を超えると回転速度およびq軸電流指令またはトルク指令から前記d軸電流指令データをもとに内挿した値を新たなd軸電流指令とするd軸電流指令演算部を備えることを特徴とする電動機制御装置。 - 前記最適d軸電流指令を事前に実験またはシミュレーションによりもとめ、前記メモリテーブルに保存することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
- 前記電動機は同期電動機であることを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
- 前記同期電動機は永久磁石型であることを特徴とする請求項3記載の電動機制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003350662A JP2005117818A (ja) | 2003-10-09 | 2003-10-09 | 永久磁石形同期電動機制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003350662A JP2005117818A (ja) | 2003-10-09 | 2003-10-09 | 永久磁石形同期電動機制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2005117818A5 true JP2005117818A5 (ja) | 2006-10-12 |
Family
ID=34542148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003350662A Pending JP2005117818A (ja) | 2003-10-09 | 2003-10-09 | 永久磁石形同期電動機制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005117818A (ja) |
Families Citing this family (3)
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JP5576039B2 (ja) * | 2008-12-17 | 2014-08-20 | 株式会社日立産機システム | 同期電動機制御装置 |
JP2011024296A (ja) * | 2009-07-14 | 2011-02-03 | Kyb Co Ltd | 制御装置 |
-
2003
- 2003-10-09 JP JP2003350662A patent/JP2005117818A/ja active Pending
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