JP2005116841A - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】受光部とマイクロレンズとの位置的なずれを防いで、マイクロレンズによる受光部への集光効率を向上させる。
【解決手段】半導体基板上に複数のフォトダイオード1と、フォトダイオード1からの電荷を転送する電荷転送部2とが設けられた固体撮像装置において、遮光膜3の開口部3b(受光部)を形成し、マイクロレンズ7Aまたは7Bの下地である層間膜5Bまたは8の凹部形成のために同一のフォトレジストパターン6を用いる。遮光膜3および層間膜5を連続して積層し、フォトレジストパターン6を用いて遮光膜3の開口部3bを形成すると共に層間膜5を加工し、層間膜5Aまたは8を流動させて、断面が半円形状の凹部を形成する。凹部内を埋め込むようにマイクロレンズ7Aまたは7Bの透明材料を堆積し、断面が半円形状の凸型マイクロレンズ7Aまたは7Bを遮光膜3の開口部3b(受光部)に対応させて形成する。
【選択図】図1A
【解決手段】半導体基板上に複数のフォトダイオード1と、フォトダイオード1からの電荷を転送する電荷転送部2とが設けられた固体撮像装置において、遮光膜3の開口部3b(受光部)を形成し、マイクロレンズ7Aまたは7Bの下地である層間膜5Bまたは8の凹部形成のために同一のフォトレジストパターン6を用いる。遮光膜3および層間膜5を連続して積層し、フォトレジストパターン6を用いて遮光膜3の開口部3bを形成すると共に層間膜5を加工し、層間膜5Aまたは8を流動させて、断面が半円形状の凹部を形成する。凹部内を埋め込むようにマイクロレンズ7Aまたは7Bの透明材料を堆積し、断面が半円形状の凸型マイクロレンズ7Aまたは7Bを遮光膜3の開口部3b(受光部)に対応させて形成する。
【選択図】図1A
Description
本発明は、例えば携帯電話用カメラなどのデジタルカメラ装置などに用いられ、光電変換する受光部に光像を結像させるためのレンズが設けられた固体撮像装置およびその製造方法に関する。
この種の固体撮像装置は、一般に、半導体基板上に受光部と、この受光部から電荷を転送する電荷転送部とが設けられており、受光面の100%の領域を受光部として利用することができない。このため、電荷転送部に向かって入射される光を光学的に屈折させて受光部に入射させるために、複数のマイクロレンズを設けて集光効果を高めるような工夫が為されている。
このマイクロレンズとしては、受光部に対して逆方向に丸みを持たせた上方に凸型のものや、特許文献1〜3に提案されているような受光部の方向に丸みを持たせた下方に凸型のもの、または特許文献4,5に提案されているような両方向に凸型の形状を併せ持つものなどがある。
このうち、受光部に対して逆方向に丸みを持たせた上方に凸型のマイクロレンズの形成方法としては、受光部が形成された基板上に層間絶縁膜を形成した後、その上にマイクロレンズ材料を受光部に対応させて堆積し、フォトリソグラフィーによるパターニング、エッチングおよび熱処理を行ってマイクロレンズ材料を所望の断面略半円形状に形成するという方法が知られている。また、例えば屈折率など、マイクロレンズとして必要な特性を付与したレジスト材料を用いて、層間絶縁膜上にそのレジスト材料をフォトリソグラフィーによりパターニングし、熱処理を行って断面略半円形状に形成するという方法も用いられている。
一方、受光部の方向に丸みを持たせた下方に凸型のマイクロレンズの形成方法としては、受光部上に積層された層間絶縁膜を凹型形状に加工し、その上部にマイクロレンズ材料を堆積する方法が知られている。この場合、層間絶縁膜の凹型形状への加工処理は、フォトリソグラフィーによるパターニングおよびエッチングにより行われている。以下に、この凸型のマイクロレンズの形成方法について、図3Aおよび図3Bを用いて詳細に説明する。
まず、図3A(a)に示すように、半導体基板上にフォトダイオード1が形成され、電荷転送部2の一部がこのフォトダイオード1に対して交互に配設されている。この電荷転送部2はフォトダイオード1にて発生された電荷を所定位置まで転送する。
次に、図3A(b)に示すように、図3(a)の基板上に遮光膜3を積層する。この遮光膜3は、電荷転送部2に光が入射されることを防止するために設けられる。この遮光膜3を設ける理由は、電荷転送部2に光が入射すると、不必要な電荷が発生して、電荷転送特性が大きく劣化するからである。
さらに、図3A(c)に示すように、遮光膜3の加工用マスクとして、フォトレジストを積層する。このフォトレジストは、フォトリソグラフィー技術により、フォトレジスト材にI線露光やエキシマレーザ露光が施され、現像工程を経て所定の平面形状にパターニングされる。ここでは、受光部(フォトダイオード1)上を開口した開口部4aを持つフォトレジストパターン4が形成される。
さらに、図3A(d)に示すように、フォトレジストパターン4をマスクとして、ドライエッチング技術により遮光膜3を加工し、受光部(フォトダイオード1)上に遮光膜3の開口部3aを形成する。
次に、フォトレジストパターン4を除去し、その上に、図3B(e)に示すように層間膜5を積層する。この層間膜5はマイクロレンズと受光部(フォトダイオード1)との距離を確保することを主目的として形成する。
その後、図3B(f)に示すように、層間膜5の加工用マスクとして、層間膜5上にフォトレジストを積層し、これを所定平面形状にパターンニングしてフォトレジストパターン6を形成する。このフォトレジストパターン6は、フォトレジストパターン4と同様に、フォトリソグラフィー技術により、フォトレジスト材にI線露光やエキシマレーザ露光が施され、現像工程を経て所定の平面形状にパターニングされる。ここでは、受光部(フォトダイオード1)の上方において層間膜5が断面凹型形状に加工される凹部5aの中央部分が開口した開口部6aを持つフォトレジストパターン6となっている。
このフォトレジストパターン6をマスクとして、ドライエッチング技術により層間膜5を所定の凹型形状に加工し、断面が略半円形状の凹部5aを形成する。
最後に、フォトレジストパターン6を除去し、図3B(g)に示すように、断面凹状の凹部5aを持つ層間膜5上にマイクロレンズ材料を堆積させる。これにより、層間膜5に形成された凹部5a内にマイクロレンズ材料が埋め込まれ、断面略半円形状の下方に凸型のマイクロレンズ7が形成される。
また、特許文献1には、受光部に対して自己整合的にレンズを形成する方法が開示されている。この方法では、図3A(d)に示す遮光膜3の開口部3aを形成後、その上にBPSGなどの流動化可能な絶縁膜材料を堆積し、この絶縁膜材料を流動化させることにより、遮光膜3と電荷転送部2とで形成される凹状段差部に沿って絶縁膜の凹部が形成される。この凹部内にマイクロレンズ材料が埋め込まれて、断面略半円形状の下方に凸型のマイクロレンズとしている。
特開平2−65171号公報
特開平4−68570号公報
特開平5−259425号公報
特開平8−194114号公報
特開平7−14997号公報
特開平11−87672号公報
上述したように、上記従来のマイクロレンズは、電荷転送部2に向かって入射される画像光を屈折させて受光部に導いて入射させることによって、集光効果を高めるという目的で設けられている。近年、固体撮像装置の微細化に伴って、受光部1の面積は大幅に縮小されてきており、マイクロレンズ自体の集光性をさらに向上させる手法について論じられることが多くなってきている。このため、マイクロレンズの材料および形状については様々な提案が為されている。
しかしながら、集光性を低下させる大きな要因となる受光部とマイクロレンズとの位置的なずれに対しては、検討が不充分であり、未だ決定的な解決策は見い出されていない。
例えば図3Aおよび図3Bに示す従来のマイクロレンズ7の形成方法では、遮光膜3の開口部3aを形成するためのマスクであるフォトレジストパターン4と、層間膜5の凹部形成のためのマスクであるフォトレジストパターン6として、別々のマスクが用いられている。このため、これらの各マスクの位置合わせずれ(アライメントずれ)によって、図4(a)に示すように遮光膜3の開口部(受光部)3aの中心軸位置と凹型マイクロレンズ7の中心軸位置とがずれてしまう。
また、特許文献6に提案されている従来技術では、マイクロレンズ用の凹部はその両側の2個の電荷転送部で形成される段差で位置決めされている。このため、遮光膜の開口部を形成するためのフォトリソグラフィ工程において位置合わせずれ(アライメントずれ)が生じると、図4(a)に示すように、電荷転送部2の段差中心部であるレンズ凹部の中心軸と、遮光膜3の開口部3aの中心軸とがずれてしまう。また、電荷転送部2の位置ずれによっても、2個の段差の中心軸と遮光膜3の開口部3aの中心軸とがずれるため、マイクロレンズ7のレンズ凹部の中心軸と遮光膜3の開口部3a(受光部)の中心軸との位置ずれが生じる。なお、この他にも、位置ずれの原因としてデザイン上の制約もある。
このような受光部1とマイクロレンズ7との位置ずれが生じると、マイクロレンズ7の集光性が低下し、固体撮像装置の感度が低下する。例えば、図5(a)および図5(b)は、光学的シミュレーションを行って、受光部1とマイクロレンズ7との位置ずれがない場合とその位置ずれがある場合とによって生ずる入射光の乱反射について求めたものである。
図5では、受光部1以外の場所である電荷転送部2への光入射を防止するために、受光部1以外、例えば電荷転送部2上には金属製の遮光膜3が設けられており、図5(a)は遮光膜3の開口部3aの中心軸(受光部1の中心軸)とマイクロレンズ7の下地である凹部中心軸との間に位置ずれがない場合を示しており、図5(b)は受光部1の中心軸とマイクロレンズ7の下地である凹部中心軸との間に位置ずれが0.15μmである場合を示しており、ここでは、縦軸はz軸方向の位置、横軸はx軸方向の位置を示している。
図5から、遮光膜3の開口部3a(受光部)の中心軸とマイクロレンズ7の中心軸との位置ずれにより、入射光が受光部1からずれて遮光膜3に入射し、乱反射が生じていることが分かる。これによって、受光部1への入射光が大幅に減少し、固体撮像装置の感度劣化が生じている。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、受光部とマイクロレンズとの位置的なずれを防いで、マイクロレンズによる受光部への集光効率を向上できる固体撮像装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像装置は、基板上に、複数の受光部と、該複数の受光部からの電荷をそれぞれ転送する各電荷転送部とが設けられ、該受光部および電荷転送部上を覆う遮光膜に、該受光部が開口された開口部が、該遮光膜上の層間膜のホールと共に形成され、該層間膜のホールを用いて形成された断面曲面状の凹部内に凸型マイクロレンズが該遮光膜の開口部に対向するように配置されており、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の固体撮像装置における断面曲面状の凹部は断面半円形状の凹部である。
本発明の固体撮像装置の製造方法は、請求項1に記載の固体撮像装置を製造する固体撮像装置の製造方法であって、同一のマスクを用いて、前記遮光膜の開口部と前記層間膜のホールとを加工する工程と、該層間膜のホールを用いて前記断面曲面状の凹部を形成する凹部形成工程と、該層間膜上の凹部内を埋め込むようにマイクロレンズ材料を堆積してマイクロレンズを形成する工程とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の固体撮像装置の製造方法における凹部形成工程は、前記層間膜の材料として流動化可能な材料を用い、前記マスクを用いた加工後に該層間膜の材料を流動化させて前記マイクロレンズの下地である凹部を形成する。この場合、層間膜の流動化は熱処理により行うことができる。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置の製造方法における凹部形成工程は、前記層間膜およびそのホール上に、流動性を有する層間膜材料を堆積し、該層間膜材料を流動させて前記マイクロレンズの下地である凹部を形成する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置の製造方法において、マスクを用いた加工工程前に、光電変換する各受光部および、各受光部から電荷をそれぞれ転送する各電荷転送部が設けられた半導体基板上に、遮光膜および層間膜を順次積層する工程を有する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置の製造方法において、流動化可能な材料は、BPSG(Borophoshosilicate glass)膜材料、SOG(Spin On Glass)膜材料、ポリイミド材料およびフェノール樹脂材料のいずれかである。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置の製造方法において、流動性を有する層間膜材料は、SOG膜材料、ポリイミド材料およびフェノール樹脂材料のいずれかである。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像装置の製造方法におけるマイクロレンズは遮光膜の開口部に対して自己整合的に形成されている。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
受光部とマイクロレンズとの位置ずれは、受光部上の遮光膜の開口部形成およびマイクロレンズ形成(レンズ下地の凹部形成)のための各マスク(フォトレジストパターン)形成時に、各マスクパターンの位置合わせのずれによって生じる。
このマスク形成時には、ステッパーやスキャナーなどの露光機が用いられることが多く、その露光機の性能上、位置合わせ精度を向上させることは不可能ではないものの、位置合わせずれを完全に解消することは容易ではない。
そこで、本発明の固体撮像装置においては、断面が略半円状である下方に凸型のマイクロレンズを、遮光膜の開口部(受光部)に対して自己整合的(セルフアライン)に形成する。
同一マスク(フォトレジストパターン)を用いて受光部上の遮光膜の開口部形成およびマイクロレンズ下地となる層間膜加工を行うことにより、マスクパターンの位置合わせずれ(アライメントずれ)が生じず、受光部に対するマイクロレンズの位置をセルフアライメントで位置決めすることが可能となる。
遮光膜と層間膜を続けて積層し、遮光膜および層間膜を同時に加工することによって、同一マスクを用いて遮光膜の開口部およびマイクロレンズの凹形状を形成することができる。
また、層間膜材料として加熱などにより流動化(メルト)可能な材料を用いることにより、加工後に層間膜材料を流動化させて、断面が略半円形状である凹部を形成することができる。この凹部内を埋め込むようにマイクロレンズ材料を堆積させることにより、下方に凸型のマイクロレンズを位置ずれなく受光部に対向させて形成することができる。
また、層間膜上に流動性を有する材料を堆積させることにより、その材料を流動させて、断面が略半円形状である凹部を形成することができる。その凹部内を埋め込むようにマイクロレンズ材料を堆積させることにより、下方に凸型のマイクロレンズを位置ずれなく受光部に対向させて形成することができる。
以上により、本発明によれば、受光部とマイクロレンズとの位置的なずれを防いで、マイクロレンズによる受光部への集光効率を向上でき、集光率のばらつきをも低減することができる。これによって、固体撮像装置の微細化に伴って受光部の面積が縮小化されても、集光率の確保・安定化を図ることができる。このため、固体撮像装置の微細化により、高画素化を図ることができる。さらに、固体撮像装置の製造においても、歩留りの向上およびコスト削減が可能になる。
以下に、本発明の固体撮像装置およびその製造方法の実施形態1,2について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1Aおよび図1Bは、本発明の固体撮像装置の各製造工程における実施形態1を説明するための要部断面図である。
図1Aおよび図1Bは、本発明の固体撮像装置の各製造工程における実施形態1を説明するための要部断面図である。
図1B(f)において、本実施形態1の固体撮像装置は、半導体基板上に、複数の受光部1(ここではフォトダイオード1とする)と、その各フォトダイオード1で発生した電荷をそれぞれ転送する各電荷転送部2と、その上の遮光膜3と、さらにその上の層間膜5Bと、断面形状が略半円形状の下方に凸型のマイクロレンズ7Aとを有している。なお、図1(f)には、電荷転送部2の一部が断面として示されており、ここでは、フォトダイオード1と電荷転送部2の一部とが交互に配置されている。
フォトダイオード1上は、フォトダイオード1(受光部)上のみ開口する開口部3bを有する遮光膜3で覆われている。
遮光膜3は、電荷転送部2に光が入射することを防止するために設けられている。これは、電荷転送部2に光が入射すると、不必要な電荷が発生し、電荷転送特性が大きく劣化するからである。
層間膜5Bは、フォトダイオード1および遮光膜3上を覆うように設けられている。層間膜5Bは、マイクロレンズ7Aとフォトダイオード1(受光部)との距離を確保することを主目的として形成されている。また、この層間膜5Bには、遮光膜3の開口部3bと自己整合的に、断面が半円形状である凹部が形成されており、この凹部がマイクロレンズ7Aの凸部の位置決めとされている。
マイクロレンズ7Aは、層間膜5B上面の凹部を埋め込むように設けられている。このマイクロレンズ7Aは、断面が曲面状(ここでは半円形状)の下方に凸型である。フォトダイオード1の受光部に効率よく光を集光させるために、マイクロレンズ7Aの凸部中央軸位置が受光部中央軸位置と一致するように対向配置している。
このように構成された本実施形態1の固体撮像装置は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、図1A(a)に示すようにフォトダイオード1および電荷転送部2が設けられた半導体基板上に、図1A(b)に示すように、遮光膜3および層間膜5を順次積層する。この遮光膜3は、電荷転送部2に光が入射することを防止するために、タングステン膜など、反射率の高い材料(例えば金属材料)が用いられる。また、層間膜5は、後の工程においてマイクロレンズ7Aの凸形状を決定する凹部を形成するために、流動化可能な材料を用いることが好ましい。例えば、BPSG膜、SOG膜やポリイミド、フェノール樹脂などの合成樹脂の各種材料が挙げられるが、固体撮像装置の層間絶縁膜材料としての機能を有する材料であれば、上記材料に限定されるものではない。
次に、図1A(c)に示すように、遮光膜3および層間膜5の加工用マスクとして、フォトレジストパターン6を形成する。このフォトレジストパターン6は、フォトリソグラフィー技術により、レジスト材にI線露光やエキシマレーザ露光が施され、現像工程を経て平面視で所定の形状にパターニングされる。ここでは、受光部(フォトダイオード1上の開口部3b)上において遮光膜3が除去される部分(開口部3b)が形成される。
さらに、図1A(d)に示すように、同一のフォトレジストパターン6をマスクとして、ドライエッチング技術により層間膜5にホールを加工して受光部(フォトダイオード1上の開口部3b)上を除去し、さらに連続して、遮光膜3を加工して開口部3bを形成する。その後で、フォトレジストパターン6を除去する。層間膜5および遮光膜3は、異方性除去を行う必要があり、例えばマグネトロン型RIEやICP型RIEを用いて異方性除去を行うことができる。また、レジストパターン6の除去は、例えばダウンフロー型のアッシング装置を用いて行うことができる。以上により、受光部(フォトダイオード1上の開口部3b)上に遮光膜3の開口部3bが形成される。なお、層間膜5Aはフォトレジストパターン6によりホールが加工されたものを示している。
さらに、図1B(e)に示すように、断面が略半円形状の下方に凸型状であるマイクロレンズ7Aの形状を形成するために、層間膜5Aを加工してマイクロレンズ7Aの下地の層間膜5Bとする。この形状は、図1A(d)にて遮光膜3と同一フォトレジストパターン6をマスクとして加工したホールを用いて層間膜5Aを流動化(メルト)させることにより形成される。これにより、層間膜5Bが受光部(開口部3b)およびホールに対して流動し、セルフアラインで、受光部の中央軸と層間膜5Bの凹部の中央軸との位置がずれることなく、断面が略半円形状の凹部を受光部(開口部3b)側に対向させて形成することができる。ここでは、例えば熱処理により層間膜5Aを溶融・流動化させることができる。例えば、層間膜材料としてBPSG膜を用いた場合、熱拡散装置(炉)にてN2雰囲気下、850℃で1時間の熱処理を行うことによって、図1B(e)に示すような断面が略半円形状の凹型状である凹部を形成することができる。
最後に、図1B(f)に示すように、マイクロレンズ7Aの透明材料を層間膜5B上に堆積させる。これにより、層間膜5Bに形成された凹部内にマイクロレンズ7Aの透明材料が埋め込まれ、断面が略半円形状の凸型マイクロレンズ7Aが形成される。ここで、セルフアラインで形成される凸型マイクロレンズ7Aの特性を活かすためには、マイクロレンズ7Aの上面を平坦化させることが好ましい。このためには、例えばマイクロレンズ7Aの透明材料としてアクリル樹脂を用い、塗布・焼成により層間膜5B上にマイクロレンズ7Aを形成することができる。マイクロレンズ7Aの透明材料としては、屈折率が2前後のものが用いられることが多い。なお、マイクロレンズ材料としては、固体撮像装置のマイクロレンズ材料として用いられるものであれば、これらの材料に限定されるものではない。
このようにして作製された本実施形態1の固体撮像装置は、断面が半円形状である凸型マイクロレンズ7Aがセルフアラインで受光部(フォトダイオード1上の開口部3b)と対向するように形成されており、図4(b)に示すように、マイクロレンズ7Aの凸部中央軸と受光部(フォトダイオード1の開口部3b)の中央軸とが位置ずれすることなく配置されている。これによって、電荷転送部2へ向かって入射される光をマイクロレンズ7Aによって、より効率よく受光部(フォトダイオード1上の開口部3b)に集光させて、より感度が良好な本実施形態1の固体撮像装置を得ることができる。
(実施形態2)
図2Aおよび図2Bは、本発明の固体撮像装置の各製造工程における実施形態2を説明するための要部断面図である。
図2Aおよび図2Bは、本発明の固体撮像装置の各製造工程における実施形態2を説明するための要部断面図である。
図2B(f)において、本実施形態2の固体撮像装置は、半導体基板上に、複数のフォトダイオード1と、その各フォトダイオード1で発生した電荷をそれぞれ転送する各電荷転送部2と、その上の遮光膜3と、さらにその上の層間膜5C,8と、断面形状が略半円形状の下方に凸型のマイクロレンズ7Bとを有している。なお、図2B(f)には、図1B(f)の場合と同様に、電荷転送部2の一部が示されており、ここでは、フォトダイオード1と電荷転送部2の一部とが交互に配置されている。
フォトダイオード1(受光部)上のみ開口部3bを有する遮光膜3が電荷転送部2上を覆っている。
そのフォトダイオード1および遮光膜3上を覆うように、層間膜5Cが設けられている。この層間膜5Cは、遮光膜3の開口部3bと自己整合的に、フォトダイオード1(受光部)上のみ除去されたホールおよび開口部3bを形成している。さらに、層間膜5C上には、層間膜5Cの除去部(ホール)と自己整合的に、断面が半円形状である凹部が形成された層間膜8が設けられており、この層間膜8の凹部によってマイクロレンズ7Bの凸部が位置決めされている。
マイクロレンズ7Bが層間膜8上の凹部内を埋め込むように設けられている。このマイクロレンズ7Bは、断面が半円形状の凸型マイクロレンズである。フォトダイオード1の受光部(フォトダイオード1上の開口部3b)に光を集光させるために、マイクロレンズ7Bの凹部中央軸位置が受光部(フォトダイオード1上の開口部3b)の中央軸位置とずれることなく対向配置している。
このように構成された本実施形態2の固体撮像装置は、例えば以下のようにして形成される。なお、図2A(a)〜図2A(d)については、上記実施形態1の図1A(a)〜図1A(d)と同様の工程であるため、以下では図2B(e)および図2B(f)の各工程についてのみ説明する。
図2(e)に示すように、断面が略半円形状の凹型状であるマイクロレンズ7Bの形状を形成するために、層間膜5A上に流動性を有する層間膜材料8を堆積させる。これにより、遮光膜3の開口部3b(受光部)と同一のフォトレジストパターン6で加工された層間膜5Aの空洞部(ホール部)に対して、層間膜材料8が対象性を有して流動し、セルフアラインで、受光部(フォトダイオード1上の開口部3b)の中央軸部と凹部の中央軸部との位置がずれることなく、断面が略半円形状の凹部を受光部(フォトダイオード1の開口部3b)に対向させて形成することができる。このような流動性を有する層間膜材料としては、例えば、SOG膜などを用いることができ、塗布・焼成により層間膜8を形成することができる。なお、流動性を有する層間膜材料8としては、SOG膜の他にも、ポリイミド、フェノール樹脂などの合成材料が挙げられるが、固体撮像装置の層間膜材料としての機能を有するものであれば、これらの材料に限定されるものでない。
最後に、図2B(f)に示すように、透明なマイクロレンズ材料を層間膜8上に堆積させる。これにより、層間膜8に形成された凹部内にマイクロレンズ材料が埋め込まれ、断面が略半円形状の下方に凸型のマイクロレンズ7Bが形成される。
このようにして作製された本実施形態2の固体撮像装置は、断面が半円形状である凸型マイクロレンズ7Bがセルフアラインで受光部(フォトダイオード1の開口部3b)と対向するように形成されており、マイクロレンズ7Bの凹部中央と受光部(フォトダイオード1の開口部3b)の中央とが位置ずれすることなく配置されている。これによって、電荷転送部2へ向かって入射される光をマイクロレンズ7Bによって効率良く受光部(フォトダイオード1の開口部3b)に導いて集光させ、感度が良好な固体撮像装置を得ることができる。
また、上記実施形態1の固体撮像装置の製造方法では、層間膜5Aの材料としてBPSGなどを用いた場合に、かなり高温で溶融・流動化させる必要があったが、本実施形態2によれば、層間膜8を流動化させる必要がないため、高温処理(熱処理)が不要である。この場合に、層間膜5Aとして、高温で溶融・流動化する材料を用いたが、この層間膜5A以外の透明絶縁材料であってもよい。
以上により、上記実施形態1,2によれば、半導体基板上に複数のフォトダイオード1と、各フォトダイオード1からの電荷をそれぞれ転送する各電荷転送部2とが設けられた固体撮像装置において、遮光膜3の開口部3b(受光部)を形成し、マイクロレンズ7Aまたは7Bの下地である層間膜5Bまたは8の凹部形成のために同一のフォトレジストパターン6を用いる。遮光膜3および層間膜5を連続して積層し、同一のフォトレジストパターン6を用いて遮光膜3の開口部3bを形成すると共に層間膜5を加工し、層間膜5Aまたは8を流動させて、断面が半円形状の凹部を形成する。この凹部内を埋め込むようにマイクロレンズ7Aまたは7Bの透明材料を堆積し、断面が半円形状の凸型マイクロレンズ7Aまたは7Bを遮光膜3の開口部3b(受光部)に対応させて形成する。これによって、遮光膜3の開口部3b(受光部)とマイクロレンズ7Aまたは7Bとの位置的なずれを防いで、マイクロレンズ7Aまたは7Bによる遮光膜3の開口部3b(受光部)への集光効率をより向上させることができる。
例えば携帯電話用カメラなどのデジタルカメラ装置などに用いられ、光電変換する受光部に光像を結像させるためのレンズが設けられた固体撮像装置およびその製造方法の分野において、受光部とマイクロレンズとの位置的なずれを防いで、マイクロレンズによる受光部への集光効率を向上させることができる。
1 フォトダイオード
2 電荷転送部の一部
3 遮光膜
3b 開口部
5,5A 層間膜
6 フォトレジストパターン
7A,7B マイクロレンズ
8 流動性を有する層間膜
2 電荷転送部の一部
3 遮光膜
3b 開口部
5,5A 層間膜
6 フォトレジストパターン
7A,7B マイクロレンズ
8 流動性を有する層間膜
Claims (10)
- 基板上に、複数の受光部と、該複数の受光部からの電荷をそれぞれ転送する各電荷転送部とが設けられ、該受光部および電荷転送部上を覆う遮光膜に、該受光部が開口された開口部が、該遮光膜上の層間膜のホールと共に形成され、該層間膜のホールを用いて形成された断面曲面状の凹部内に凸型マイクロレンズが該遮光膜の開口部に対向するように配置されている固体撮像装置。
- 前記断面曲面状の凹部は断面半円形状の凹部である請求項1に記載の固体撮像装置。
- 請求項1に記載の固体撮像装置を製造する固体撮像装置の製造方法であって、
同一のマスクを用いて、前記遮光膜の開口部と前記層間膜のホールとを加工する工程と、
該層間膜のホールを用いて前記断面曲面状の凹部を形成する凹部形成工程と、
該層間膜上の凹部内を埋め込むようにマイクロレンズ材料を堆積してマイクロレンズを形成する工程とを有する固体撮像装置の製造方法。 - 前記凹部形成工程は、前記層間膜の材料として流動化可能な材料を用い、前記マスクを用いた加工後に該層間膜の材料を流動化させて前記マイクロレンズの下地である凹部を形成する請求項3に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記層間膜の流動化は熱処理により行う請求項4に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記凹部形成工程は、前記層間膜およびそのホール上に、流動性を有する層間膜材料を堆積し、該層間膜材料を流動させて前記マイクロレンズの下地である凹部を形成する請求項3に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記マスクを用いた加工工程前に、光電変換する各受光部および、各受光部から電荷をそれぞれ転送する各電荷転送部が設けられた半導体基板上に、遮光膜および層間膜を順次積層する工程を有する請求項3に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記流動化可能な材料は、BPSG(Borophoshosilicate glass)膜材料、SOG(Spin On Glass)膜材料、ポリイミド材料およびフェノール樹脂材料のいずれかである請求項4に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記流動性を有する層間膜材料は、SOG膜材料、ポリイミド材料およびフェノール樹脂材料のいずれかである請求項6に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記マイクロレンズは遮光膜の開口部に対して自己整合的に形成されている請求項3に記載の固体撮像装置の製造方法。
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JP2007214374A (ja) * | 2006-02-09 | 2007-08-23 | Fujifilm Corp | 固体撮像素子の製造方法および固体撮像素子 |
US7488615B2 (en) | 2006-01-25 | 2009-02-10 | Fujifilm Corporation | Method of manufacturing a solid-state imaging device |
JPWO2014141991A1 (ja) * | 2013-03-15 | 2017-02-16 | ソニー株式会社 | 固体撮像装置およびその製造方法、並びに電子機器 |
CN113380681A (zh) * | 2020-03-10 | 2021-09-10 | 重庆康佳光电技术研究院有限公司 | 一种巨量转移方法 |
-
2003
- 2003-10-08 JP JP2003350153A patent/JP2005116841A/ja not_active Withdrawn
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