JP2005116829A - 電気二重層キャパシタ用電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気容量が大きく且つ内部抵抗が小さい電気二重層キャパシタ用電極の製造方法を提供する。
【解決手段】 アセチレンブラックなどの導電材とカルボキシメチルセルロースなどの分散剤を混合する予備混合の後に、活性炭などの活物質および必要に応じてジエン系重合体やアクリレート系重合体などの結着剤を加え更に本混合し、得られた電極組成物を集電体上に塗布し乾燥して電極層を形成することにより電気二重層キャパシタ用電極を得る。
【選択図】なし。
【解決手段】 アセチレンブラックなどの導電材とカルボキシメチルセルロースなどの分散剤を混合する予備混合の後に、活性炭などの活物質および必要に応じてジエン系重合体やアクリレート系重合体などの結着剤を加え更に本混合し、得られた電極組成物を集電体上に塗布し乾燥して電極層を形成することにより電気二重層キャパシタ用電極を得る。
【選択図】なし。
Description
本発明は電気二重層キャパシタ用電極の製造方法に関し、より詳しくは、高容量で、且つ低抵抗である電気二重層キャパシタ用電極の製造方法に関する。
電気二重層キャパシタは、急激な充放電が可能なので、パソコン等のメモリバックアップ小型電源として利用されており、近年では環境問題や資源問題から電気自動車大型電源としての応用が期待されている。しかしながら、電気二重層キャパシタを電気自動車大型電源に応用するためには、大容量で且つ(一度に大電流を流すため)低抵抗な分極性電極が必要になっており、多くの研究成果が報告されてきている。電気二重層キャパシタの構成は、活物質を主成分とする電極組成物を集電体上に形成させた分極性電極と電解質とからなる。
この分極性電極を得る方法として、例えば、特開平11−162794号公報には、繊維状活性炭、共役ジエンとアクリレートを含む特定の結着剤及びカルボキシメチルセルロース(以下、CMCということがある。)水溶液を良く混合して電極組成物を得、これを集電体上に塗布し、次いでプレス及び真空乾燥することが開示されている。しかしながら、この方法で得られる電極は、内部抵抗も高く、且つ容量も低い。特開2001−307965号公報には、CMC等の分散剤とスチレン−ブタジエン系ポリマーとを混合してバインダーを得、このバインダーと活物質と導電材とを混合して電極組成物を得、これを集電体上に塗布し乾燥させて電気二重層キャパシタ用電極を製造する方法が開示されている。また、特開2001−126966号公報では、活物質、導電材、CMC等の分散剤、並びに結着性粒子としてポリテトラフロロエチレン(以下、PTFEということがある。)及びスチレン−ブタジエン系ポリマーを配合後、水に加え一度に混合し、この混合物を用いて電極を製造する方法が開示されている。しかしながら、これら方法で得られる電極は、導電材の分散性が悪いため抵抗が高い。抵抗を下げるためにより多くの導電材を添加すると、活物質である活性炭の電極中の割合が減るため、電気容量が低くなる。また、結着性や電極表面平滑性が低い。
本発明の目的は、電気容量が大きく且つ内部抵抗が小さい電気二重層キャパシタ用電極の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、活物質、導電材、分散剤を主成分とする電気二重層キャパシタ用電極の製造方法において、導電材と分散剤とを混合した後に活物質を混合することで導電材と活物質の分散性を格段に向上させ、少ない分量の導電材で導電性を確保できることから低抵抗且つ高容量の電極が製造できることを見出した。また、活物質とともに結着剤、特にジエン系重合体及びその水素添加物、またはアクリル系重合体からなる粒子状結着剤を加えることによって、高容量で且つ低抵抗の特性の他に結着性や表面平滑性にも優れる電極が得られることを見出した。本発明者はこれらの知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
かくして本発明者は、導電材と分散剤とを混合して混合物(I)を得、混合物(I)と活物質とを混合して電極組成物を得、この電極組成物を用いて集電体上に電極層を形成することを含む電気二重層キャパシタ用電極の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によって得られる電気二重層キャパシタ用電極は、高容量で且つ低抵抗のため、パソコンや携帯端末等のメモリのバックアップ電源、パソコン用等の瞬時停電対策用電源、電気自動車又はハイブリッド自動車への応用、太陽電池と併用したソーラー発電エネルギー貯蔵システム、電池と組み合せたロードレベリング電源等の様々な用途に好適に用いることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、導電材と分散剤とを混合して混合物(I)を得、混合物(I)と活物質とを混合して電極組成物を得、この電極組成物を用いて集電体上に電極層を形成することを含む電気二重層キャパシタ用電極の製造方法である。
本発明は、導電材と分散剤とを混合して混合物(I)を得、混合物(I)と活物質とを混合して電極組成物を得、この電極組成物を用いて集電体上に電極層を形成することを含む電気二重層キャパシタ用電極の製造方法である。
本発明の製法では、先ず、導電材と分散剤とを混合して混合物(I)を得る。
本発明に使用される導電材は、電気二重層キャパシタ用電極組成物に導電性を付与できるもので、通常炭素系と金属系の導電材があるが、好適には炭素系導電材が用いられる。炭素系導電材には、例えば、カーボンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられ、金属系導電材には、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル等の粒子;金属ファイバなどが挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラック、ファーネスブラックが好ましい。
本発明に使用される導電材の粒子径は、格別限定はないが、通常0.1〜100μmの範囲である。これらの導電材は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、活物質100重量部に対して通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜5重量部の範囲である。導電材の使用量がこの範囲にあるときに得られる電極は、その電気容量と内部抵抗を高度にバランスさせることができ好適である。
本発明に使用される導電材は、電気二重層キャパシタ用電極組成物に導電性を付与できるもので、通常炭素系と金属系の導電材があるが、好適には炭素系導電材が用いられる。炭素系導電材には、例えば、カーボンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられ、金属系導電材には、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル等の粒子;金属ファイバなどが挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラック、ファーネスブラックが好ましい。
本発明に使用される導電材の粒子径は、格別限定はないが、通常0.1〜100μmの範囲である。これらの導電材は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、活物質100重量部に対して通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜5重量部の範囲である。導電材の使用量がこの範囲にあるときに得られる電極は、その電気容量と内部抵抗を高度にバランスさせることができ好適である。
本発明に使用される分散剤は、活物質と導電材とを分散させる能力のあるものである。通常後述する媒体に溶解する性質を示し、結着力はあってもなくても良い。水溶性分散剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸又はアクリル酸塩とビニルアルコールとの共重合体、無水マレイン酸、マレイン酸又は、フマル酸とビニルアルコールとの共重合体、変性ポリビニルアルコール、変性ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体などが挙げられる。
有機溶媒溶解性分散剤としては、PTFEやポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)などのフッ素系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、水素化等アクリロニトリル−ブタジエン化合物などのジエン系重合体及び水添物、多官能エチレン系、アクリル系などが挙げられる。
これらは、媒体の種類に応じて適宜選択されるが、好ましくは水溶性分散剤であり、より好ましくは、セルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩である。
有機溶媒溶解性分散剤としては、PTFEやポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)などのフッ素系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、水素化等アクリロニトリル−ブタジエン化合物などのジエン系重合体及び水添物、多官能エチレン系、アクリル系などが挙げられる。
これらは、媒体の種類に応じて適宜選択されるが、好ましくは水溶性分散剤であり、より好ましくは、セルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩である。
これらの分散剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。分散剤の配合量は、格別な限定はないが、活物質100重量部に対して0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。また、導電材と分散剤との割合は、重量比で、通常50:50〜95:5、好ましくは60:40〜90:10、もっとも好ましくは70:30〜85:15の範囲である。
導電材と分散剤との混合は媒体を用いず乾いた状態で行っても良いが、媒体中で行うことが導電材の分散性をより高める上で好適である。導電材と分散剤とを媒体中で混合する場合は、通常、媒体中に分散剤を溶解、または分散させた後に導電材を加えて混合して行う。
導電材と分散剤との混合は媒体を用いず乾いた状態で行っても良いが、媒体中で行うことが導電材の分散性をより高める上で好適である。導電材と分散剤とを媒体中で混合する場合は、通常、媒体中に分散剤を溶解、または分散させた後に導電材を加えて混合して行う。
媒体は、分散剤の種類に応じて適宜選択されるが、通常有機溶媒や水が用いられ、好適には水が用いられる。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルキルアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどの低級アルキルケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶剤などが挙げられるが、好ましくはPVDF等のフッ素系重合体を溶解するNMP等である。媒体として水を用いる場合は、水溶性分散剤が用いられ、特にセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩が好適に用いられる。これらの媒体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は固形分濃度が通常1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるように調整される。固形分濃度がこの範囲にあるときに、導電材の分散性が高度に高められ好適である。
混合に用いることが出来る装置としては、例えば、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどを挙げることができる。混合条件は導電材と分散剤が十分に混合されるならば、特に制限がない。混合温度は室温以下で行われ、混合時間は10分〜数時間である。
次に、混合物(I)と、活物質および必要に応じて結着材とを混合する。
本発明に使用される活物質は、電解液との界面に電荷を蓄積させることの出来るものであれば限定されない。例えば活性炭やポリアセン等の半導体高分子などが挙げられ、中でも活性炭が好適である。活性炭は、微細孔を多数持った炭素材で、大きな比表面積を有する。電気二重層キャパシタは電極と電解液との界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積することを原理としている。活性炭は電気二重層キャパシタの静電容量を増加させるのに有効であるため、電極用活物質として好適に用いられる。
本発明に使用される活物質は、電解液との界面に電荷を蓄積させることの出来るものであれば限定されない。例えば活性炭やポリアセン等の半導体高分子などが挙げられ、中でも活性炭が好適である。活性炭は、微細孔を多数持った炭素材で、大きな比表面積を有する。電気二重層キャパシタは電極と電解液との界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積することを原理としている。活性炭は電気二重層キャパシタの静電容量を増加させるのに有効であるため、電極用活物質として好適に用いられる。
活性炭は、例えば、活性炭原料を炭化した後、賦活処理することにより得られる。活性炭の原料としては、植物系原料、化石燃料系原料、合成高分子などがあり、例えば木材; 鋸屑; 木炭; ヤシ殻、クルミ殻などの果実殻; 果実種子、パルプ繊維、木綿などの天然セルロース繊維; ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨンなどの再生セルロース繊維; 泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭などの石炭; 石油ピッチ、石炭ピッチ、メソカーボンマイクロビーズなどのピッチ; コークス、コールタール、石油タールなどのタール; タールピッチを紡糸した繊維、石油蒸留残渣; フラーレン、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、液晶高分子等の合成高分子; 廃タイヤ、プラスチック廃棄物; ポリビニルアルコール繊維、エチレンビニルアルコール繊維、フェノール繊維等が挙げられる。原料の炭化は、通常500〜2000℃の非酸化雰囲気中での加熱して行われる。
炭化処理後の賦活処理としては、ガス賦活法や薬品賦活法などが知られる。また、賦活後更に活性炭の表面をプラズマ処理し微細孔を増量させる方法などがある。
ガス賦活法は、炭化された原料を高温で水蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触反応させることにより炭化材の未組織化部分が選択的に分解消費され、閉ざされていた微細な孔隙が開放され活性炭を生成する方法である。ガス賦活法の中では水蒸気賦活法が好ましく利用される。
ガス賦活法は、炭化された原料を高温で水蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触反応させることにより炭化材の未組織化部分が選択的に分解消費され、閉ざされていた微細な孔隙が開放され活性炭を生成する方法である。ガス賦活法の中では水蒸気賦活法が好ましく利用される。
薬品賦活法は、活性炭原料に賦活薬品を均等に含浸させて、不活性ガス雰囲気中で加熱し、薬品の脱水および酸化反応により活性炭を得る方法である。使用される薬品としては、塩化亜鉛、リン酸、リン酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム等がある。薬品賦活の中でアルカリ金属水酸化物などによるアルカリ賦活法が好ましい。アルカリ賦活法としては、石油コークスに2〜4倍量の水酸化ナトリウムを加え300〜600℃で仮焼きした後に700〜1200℃で賦活する方法(特許番号2548546号公報)、椰子殻に水酸化ナトリウムを加え、400〜500℃で熱処理する方法(特開平3−812203号公報)、ピッチを原料として溶融紡糸しアルカリ金属水酸化物の水溶液で賦活する方法(特開平5−258996号公報)、メソフェーズピッチ系炭素繊維にアルカリ金属化合物を加え550〜900℃で加熱処理する方法(特開平10−121336号公報)、
石油コークスまたは石油ピッチの炭化処理後の揮発分及び水素と炭素の原子比をコントロールした後にアルカリ賦活する方法(特開平10−199767号公報)、ハロゲン化樹脂を溶融アルカリ塩で賦活する方法(特開平11−121299号公報)、メソフェーズピッチの表面を黒鉛の積層構造層で被覆または表面を部分酸化したものをアルカリ金属水酸化物に550〜850℃で賦活する方法(特開平11−135380号公報)、水酸化ナトリウムと水を加えた活性炭原料を混合しペースト状にした後、特定温度で加熱して、活性炭細孔分布のうち最も静電容量に寄与している部分を増加させる方法(特開2001−118753号公報)などが挙げられる。これらの方法により、比表面積が2000〜3500cm2/gのものが容易に得られる。
プラズマの表面処理方法としては、酸素存在下のプラズマ処理方法(特開平9−22834号公報)、イオンプラズマ処理方法(特開平9−266143号公報)、熱プラズ処理方法(特開2000−223121号公報)、低温フッ素化合物プラズマ処理方法(特開2003−92235号公報)などが挙げられる。
本発明に使用される活物質の形状としては、粉体状、粒子状、繊維状等格別な限定はないが、電極密度を向上させ電気容量を向上させる上で粒子状が好ましい。粒子状活物質の平均粒径は、通常0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは5〜15μmの範囲である。
本発明に使用される活物質の形状としては、粉体状、粒子状、繊維状等格別な限定はないが、電極密度を向上させ電気容量を向上させる上で粒子状が好ましい。粒子状活物質の平均粒径は、通常0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは5〜15μmの範囲である。
本発明に使用される活物質の比表面積は、格別な限定はないが、通常100〜10,000m2/g、好ましくは500〜5,000m2/g、1,000〜3,500m2/gの範囲である。活物質の比表面積がこの範囲にあるときに、高容量の電極が得られ好適である。活物質の具体例としては、内径20Å以上の細孔容積が40%以上であるもの(特開昭61−102023号公報)、比表面積が1800〜3500m2/gであり、平均細孔径が5〜15Åで、かつ全細孔容積に対する内径20Å以上の細孔の占める容積の比率が20〜40%である炭素系材料(特開昭63−187614号公報)、溶媒和したイオン径よりも大きいスリットの細孔を有するもの(特開平7−220985号公報)、比表面積において20Å以上が10%以下のもの(特開平9−74053号公報)、10〜20Å、及び20〜100Åの両方にピークをもつもの(特開平9−328308号公報)、ピークが8Å以下で、15Å以下の細孔容積が65%以上のもの(特開平10−279303号公報)、細孔径が電解液の最大イオン径以上且つ50倍以下のもの(特開平11−11921号公報)などが挙げられる。
本発明に必要に応じて使用される結着剤は、活物質、導電材及び集電体間の結着性を付与する材料である。本発明の結着剤は活物質や導電材を分散させる性能を実質的に持たず、粒子状である。かかる粒子状結着剤は、通常媒体に分散させ、分散液(エマルジョン、サスペンジョン)状態で用いられる。該結着剤として、ジエン系重合体及びその水素添加物、アクリレート系重合体、ジエン系モノマー及び/またはアクリレート系モノマーと多官能エチレン系モノマーとの共重合体などを用いたときに高容量で且つ低抵抗、しかも結着性や表面平滑性にも優れた電極が得られ好適である。
ジエン系重合体及びその水素添加物としては、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンを主成分とする重合体及びその水素添加物で、具体的には、ポリブタジエンなどの共役ジエン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル−共役ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル−共役ジエン共重合体、水素化SBR、水素化NBRなどが挙げられる。アクリレート系重合体としては、アクリル酸エステルを主成分とする重合体である。これらは多官能エチレン系モノマーと共重合してもよい。共重合体の例としては、アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸/アクリロニトリル/エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸/メタクリロニトリル/ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル/アクリロニトリル/ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル/アクリル酸/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などが挙げられる。
本発明に使用される粒子状結着剤の粒子径は、格別な限定はないが、通常0.0001〜100μm、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.01〜1μmである。粒子状結着剤の粒子径がこの範囲であるときに少量で結着力に優れる電極を与えることができる。ここで、粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだポリマー粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径である。粒子の形状は真球、異形、どちらでもかまわない。
本発明に使用される結着剤のガラス転移温度(Tg)は、格別な限定はないが、通常室温以下、好ましくは−50℃〜25℃の範囲である。
これらの結着剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は活物質100重量部に対して、通常0.001〜50重量部、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
これらの結着剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は活物質100重量部に対して、通常0.001〜50重量部、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
混合物(I)と、活物質及び必要に応じて結着剤とを混合する方法は、前記導電材と分散剤との混合方法と同様にして行うことができる。混合を媒体中で行った場合は、スラリー状の電極組成物が得られる。スラリー状電極組成物の固形分濃度は、適宜選択されればよいが、通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%である。
上記により得られた電極組成物を用いて集電体上に電極層を形成する。
本発明に使用される集電体としては、例えば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。集電体用金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、その他の合金等が使用されている。これらの中で導電性、耐電圧性の面からアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましい。また、高い耐電圧性が要求される場合には特開2001−176757号公報等で開示される高純度のアルミニウムを好適に用いることができる。集電体の厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜200μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。
本発明に使用される集電体としては、例えば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。集電体用金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、その他の合金等が使用されている。これらの中で導電性、耐電圧性の面からアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましい。また、高い耐電圧性が要求される場合には特開2001−176757号公報等で開示される高純度のアルミニウムを好適に用いることができる。集電体の厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜200μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。
電極層を形成する方法としては乾式成形法と湿式成形法とがある。
乾式成形は、媒体を全く含まないか又は含有量が少ない、粉末状、ベンジュラ−状態若しくはフェニキュラ−状態の電極組成物を用いて成形する方法である。具体的には電極組成物を金型に充填し圧力を加えることで電極組成物中の粒子の再配列、変形、破壊により緻密化を行い成形する加圧成形; 成形機から押し出されるとき電極組成物がペースト状になることからペースト押出しとも呼ばれる、フィルム、シート、パイプなどのようなエンドレスの長尺物を連続成形する押出し成形; 電極組成物を集電体上に散布し、これを粉体の融点以上の温度で焼き付け、溶融、流展、硬化させて連続塗膜を形成させる紛体成形等がある。
乾式成形は、媒体を全く含まないか又は含有量が少ない、粉末状、ベンジュラ−状態若しくはフェニキュラ−状態の電極組成物を用いて成形する方法である。具体的には電極組成物を金型に充填し圧力を加えることで電極組成物中の粒子の再配列、変形、破壊により緻密化を行い成形する加圧成形; 成形機から押し出されるとき電極組成物がペースト状になることからペースト押出しとも呼ばれる、フィルム、シート、パイプなどのようなエンドレスの長尺物を連続成形する押出し成形; 電極組成物を集電体上に散布し、これを粉体の融点以上の温度で焼き付け、溶融、流展、硬化させて連続塗膜を形成させる紛体成形等がある。
湿式成形は水分又は液状有機物添加量の多いスラリー状態の電極組成物を成形する方法である。具体的には集電体に電極組成物を塗布若しくは含浸する等が挙げられる。塗布法では、スラリー状電極組成物を集電体上に塗布した後に媒体を除去して電気二重層キャパシタ用電極を製造することができる。集電体上に電極組成物を塗布する方法としては、通常バーコーター、ダイコーター、スロットオリフィスコーター、ビードコーター、( リバース )ロールコーター、スクイズロールコーター、ピックアップロールコーター、ディップロールコーター、エアドクターコーター、ナイフオーバーロールコーター、ロッドコーター等の塗工機を用いる方法が挙げられる。スラリー状電極組成物の室温での粘度は、塗工条件に応じて適宜選択され、通常100〜100,000mPa・s、好ましくは1,000〜50,000mPa・s、より好ましくは5,000〜20,000mPa・sである。塗布後の膜厚は、通常10〜1,000μm、好ましくは50〜500μmである。
塗布後の媒体除去方法は、常法に従えばよく、箱型乾燥機、トンネル乾燥機、バンド乾燥機、熱風乾燥機、ノズル・ジェット乾燥機、赤外線乾燥機等の乾燥機を用いて行うことができる。なお、これら乾燥機の大部分は、熱風を循環して使用する熱風循環方式のものである。媒体が多量に残留するとキャパシタ性能が劣化することがあるので、媒体を十分に除去することが好ましい。乾燥温度(または熱風温度)は、媒体の種類、塗布膜の厚み、塗布膜中の固形分濃度、媒体含有量、結着材含有量等によって適宜選択されるが、通常50〜300℃の範囲で行うことができる。
成形した電極の厚みのばらつきを無くし電極の密度を上げて高容量化をはかるために、必要に応じて加圧工程が行われる。ロールによる圧延加工が一般的である。ロール圧延では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ,それぞれを反対方向に回転させて,その間に電極をかみこませ圧延する。ロールは加熱又は冷却等、温度調節しても良い。こうして得られた電極シートを適切な大きさに切断し、電気二重層キャパシタ用電極が完成する。
かくして得られる電気二重層キャパシタ用電極は、高容量で且つ低抵抗のため、パソコンや携帯端末等のメモリのバックアップ電源、パソコン等の瞬時停電対策用電源、電気自動車又はハイブリッド自動車への応用、太陽電池と併用したソーラー発電エネルギー貯蔵システム、電池と組み合せたロードレベリング電源等の様々な用途に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
導電材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状;電気化学工業製)50重量部と、分散剤として5%カルボキシメチルセルロース水溶液(セロゲン7A;第一工業製薬製)200重量部と、水50重量部とをプラネタリーミキサーを用いて混合分散し、固形分濃度20wt%の導電材分散液を得た。該導電材分散液30重量部、5%カルボキシメチルセルロース水溶液(セロゲン7A;第一工業製薬製)20重量部、電極活物質として比表面積2000m2/g、平均粒径8μmの高純度活性炭粉末100重量部、粒子状結着剤として40wt%スチレン−ブタジエン共重合体水分散液(BM−400B;日本ゼオン製、粒径1200Å、粘度13mPa・s)5重量部および水を加えてプラネタリーミキサーで混合してスラリー状の電極組成物を得た。
実施例1
導電材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状;電気化学工業製)50重量部と、分散剤として5%カルボキシメチルセルロース水溶液(セロゲン7A;第一工業製薬製)200重量部と、水50重量部とをプラネタリーミキサーを用いて混合分散し、固形分濃度20wt%の導電材分散液を得た。該導電材分散液30重量部、5%カルボキシメチルセルロース水溶液(セロゲン7A;第一工業製薬製)20重量部、電極活物質として比表面積2000m2/g、平均粒径8μmの高純度活性炭粉末100重量部、粒子状結着剤として40wt%スチレン−ブタジエン共重合体水分散液(BM−400B;日本ゼオン製、粒径1200Å、粘度13mPa・s)5重量部および水を加えてプラネタリーミキサーで混合してスラリー状の電極組成物を得た。
電極組成物を厚さ20μmのアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布し、次いで塗膜を乾燥した後、ロールプレスを行い厚さ80μm、密度0.7g/cm3の電極を得た。得られた電極を用いて下記方法で電極表面の平滑性と結着性を評価しその結果を表2に示した。
電極表面の平滑性は、JIS B 0601に基づいて、電極層の表面の20μm四方の算術平均粗さ(Ra)を、原子間力顕微鏡で観測し、それが比較例1の電極層の算術平均粗さ(Ra1)の半分(0.5)未満のもの:◎、Ra1の0.9未満0.5以上のもの:○、Ra1の0.9以上のもの:×の基準で評価した。
結着性は、得られたキャパシタ電極を長さ100mm、幅25mmの長方形を塗布方向が長辺となるように切り出して試験片とし、試験片の電極層全面にセロハンテープを貼り付けた後、試験片の一端のセロハンテープ端と集電体箔の端を180度方向に速度50mm/分で引張って剥がしたときの応力(N/cm)を測定し、比較例1より20%以上改良されたもの;◎、10%から20%未満の改良であったもの;○、及び10%未満の改良であったもの;×の基準で評価した。
結着性は、得られたキャパシタ電極を長さ100mm、幅25mmの長方形を塗布方向が長辺となるように切り出して試験片とし、試験片の電極層全面にセロハンテープを貼り付けた後、試験片の一端のセロハンテープ端と集電体箔の端を180度方向に速度50mm/分で引張って剥がしたときの応力(N/cm)を測定し、比較例1より20%以上改良されたもの;◎、10%から20%未満の改良であったもの;○、及び10%未満の改良であったもの;×の基準で評価した。
上記により製造した電極を直径15mmの円形に切り抜いたものを2枚用い、電極層の面が内側になるようにして、直径18mm、厚さ40μmの円形セルロース製多孔膜からなるセパレータを挟んだ。これをポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。200℃で3時間真空乾燥した後、この容器中に電解液を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、容器を封止して、直径20mm、厚さ約2mmのコイン型電気二重層キャパシタを製造した。
なお、電解液としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートをプロピレンカーボネートに1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。こうして得た電気二重層キャパシタについて、内部抵抗とキャパシタ容量を測定し、比較例1の値よりも20%以上改良されたもの;◎、比較例1の値より10%以上20%未満の改良であったもの;○、及び比較例1の10%未満の改良であったもの;×の基準に従って評価しその結果を表2に示した。
実施例2
導電材と分散剤、および粒子状結着剤を表1に示す使用量に変えること以外は実施例1と同様にして電極及び電気二重層キャパシタを作製し、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
導電材と分散剤、および粒子状結着剤を表1に示す使用量に変えること以外は実施例1と同様にして電極及び電気二重層キャパシタを作製し、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
実施例3
粒子状結着剤をBM−400Bから2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン/メタクリル酸/テトラエチレングリコールジメタクリレート=80/14/4/2からなる単量体混合物を乳化重合して得られたアクリレート系重合体水分散物に変えた以外は実施例1と同様にして電極及び電気二重層キャパシタを作製し、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
粒子状結着剤をBM−400Bから2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン/メタクリル酸/テトラエチレングリコールジメタクリレート=80/14/4/2からなる単量体混合物を乳化重合して得られたアクリレート系重合体水分散物に変えた以外は実施例1と同様にして電極及び電気二重層キャパシタを作製し、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
比較例1
導電材と分散剤を表1に示す使用量に変え、粒子状結着材であるBM−400B5重量部をBM−400B2.5重量部と50wt%PTFE水分散体(D2CE;ダイキン工業製)14重量部に変更し、各成分を一度に加え一括混合して電極組成物を得た以外は実施例1と同様に電極及び電気二重層キャパシタを作製し、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
導電材と分散剤を表1に示す使用量に変え、粒子状結着材であるBM−400B5重量部をBM−400B2.5重量部と50wt%PTFE水分散体(D2CE;ダイキン工業製)14重量部に変更し、各成分を一度に加え一括混合して電極組成物を得た以外は実施例1と同様に電極及び電気二重層キャパシタを作製し、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
比較例2〜3
導電材と分散剤、および粒子状結着剤を表1に示す処方とした以外は比較例1と同様にして電極及び電気二重層キャパシタを作製し、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
導電材と分散剤、および粒子状結着剤を表1に示す処方とした以外は比較例1と同様にして電極及び電気二重層キャパシタを作製し、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
表2から、導電材と分散剤とを予め混合する本発明の製造方法により得られる電極及び電気二重層キャパシタは、内部抵抗及びキャパシタ容量のいずれの特性にも優れていることがわかる(実施例1〜3)。特に粒子状結着剤としてジエン系重合体やアクリレート系重合体を用いる事により電極の平滑性や結着性が高度に改良されること(実施例1〜3)、また導電材の使用量を1〜5重量部の範囲にすることにより内部抵抗やキャパシタ容量が顕著に改良されること(実施例1及び3)がわかる。それに対して各成分を一括で混合すると内部抵抗とキャパシタ容量が格段に悪く、しかも電極の平滑性や結着性が充分でないこと(比較例1〜3)、及び特にPTFE等のフッ素系重合体を粒子状結着剤に用いると電極の平滑性や結着性が過度に悪化すること(比較例1)がわかる。
Claims (6)
- 導電材と分散剤とを混合して混合物(I)を得、混合物(I)と活物質とを混合して電極組成物を得、この電極組成物を用いて集電体上に電極層を形成することを含む電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
- 混合を媒体中で行うものである請求項1記載の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
- 媒体が水である請求項2記載の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
- 混合物(I)と活物質とを混合する時に、更に結着剤を加えるものである請求項1ないし3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
- 結着剤が粒子状である請求項4記載の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
- 結着剤がジエン系重合体、ジエン系重合体の水素添加物及びアクリレート系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である請求項4または5記載の電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
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