JP2005116810A - 露光方法及び露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数回に亘ってパターン転写を行ってもフレアの影響が少なく、高精度で均一な微細パターンを形成する。
【解決手段】 プレート上に照射されるフレアのエネルギー量を算出し、算出したエネルギー量に基づいてフレアに起因して生ずる線幅誤差ΔCD1を算出するステップ(S11,S12)と、算出された線幅誤差が予め定められた許容される線幅誤差ΔCDを越えているか否かを判断するステップ(S13)と、線幅誤差ΔCD1が許容される線幅誤差ΔCDを越えている場合にプレート上に設定するショット領域の間隔であるショットピッチを変更するステップ(S16)とを含む。
【選択図】 図8

Description

本発明は、半導体素子、液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)、電界放出表示素子(FED:Field Emission Device)、その他のデバイスを、リソグラフィ技術を用いて製造する際に使用される露光方法及び露光装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、テレビ等の表示装置として、液晶表示素子を用いた表示パネルが多用されるようになってきている。このような液晶表示素子においては、表示領域の大面積化や素子の微細化の要求が高まってきている。
液晶表示素子は、フォトリソグラフィの手法で透明薄膜電極を所望の形状にパターンニングした2枚のガラス基板の間に液晶を封止した構造である。ガラス基板に透明薄膜電極をパターニングするためには、ステッパー又はアライナーといわれる露光装置が用いられる。ステッパーはレチクル上の分割された所望のパターンの投影光学系による縮小像をステップ・アンド・リピート方式によりガラス基板上で繋ぎ合わせつつ、ガラス基板全面を露光する露光装置である。また、アライナーは、マスク上に形成された原画パターンを投影光学系を介してガラス基板上に1回又は複数回の走査でスキャン露光するミラープロジェクションタイプの露光装置である。
上記ステッパーはパターンを繋ぎ合わせることでガラス基板全面を露光するので、微細なパターンを形成するためには繋ぎ部分の不連続性(画面継ぎムラ)を極力無くす必要がある。一方、1回のスキャン露光で基板全面を露光するアライナーにあっては、ステッパーのような繋ぎ合わせが必要ないため画面継ぎムラが生じることはないが、1μm程度の微細なパターンをガラス基板全面に亘って均一に形成することは難しい。
また、微細なパターンを設計通り形成するときには、露光・現像後にガラス基板上に形成されたレジストパターンの断面形状(レジスト・プロファイル)が矩形形状に近い形状であることも重要になるが、アライナーを用いて露光を行うと感光剤の断面形状が半円形状になってしまう(ラウンド化してしまう)ことが多い。このため、従来はステッパーを用いて画面継ぎ部分の継ぎ方を工夫して微細な液晶表示素子を製造していた。
なお、上記ステッパーは携帯電話機等に設けられる小型の液晶表示素子を製造する場合にも用いられる。かかる液晶表示素子を製造する場合には、1枚のガラス基板の異なる場所に同一のパターンを繋ぎ合わせすることなく複数回転写することで、製造効率を向上させている。
ところで、近時においては液晶表示素子の大面積化及び微細化の要求に対応するため、より短波長の単色光(例えば、i線(波長365nm))を露光光として用いるステッパーで液晶表示素子の製造が行われることが多くなっている。また、液晶表示素子の微細化に伴ってガラス基板上における各露光領域(ショット領域)内、及びショット領域間における線幅均一性も要求されている。最近では0.1μm程度の線幅均一性が要求される場合もある。
更に、パターンの繋ぎ合わせを行う場合には、画面継ぎ部分の位置合わせ精度は勿論のこと、ショット領域相互の線幅均一性が要求されている。例えば、低温p−SiTFT(低温多結晶シリコン薄膜トランジスタ)の製造プロセスでは、従来のα−SiTFT(非晶質シリコン薄膜トランジスタ)の製造プロセスの1/3〜1/5程度の線幅均一性が要求されている。
しかしながら、微細化及び線幅均一性の要求向上に伴って、フレア(迷光)の影響が無視できなくなってきている。フレアはレンズ等の屈折光学素子を備える投影光学系を用いて露光を行うステッパーでは不可避であり、フレアを皆無にすることは困難である。
また、フレアは投影光学系内部で生じるものばかりではなくレチクルによっても生じる。このため、特にレチクルブラインドを用いてレチクルが照明される領域を制限し、露光光が照明された照明領域に形成されているパターンを複数回に亘って転写する場合には、レチクル上のパターン形成領域の大きさ、レチクル上における照明領域の大きさ、及びガラス基板上におけるショット領域のピッチ(中心間距離、間隔等)の関係によって、フレアが転写回数分重畳されることになる。
よって、携帯電話機等に設けられる小型の液晶表示素子のように製造時において画面継ぎを必要としないデバイスを製造する場合においても、レチクル上のパターン形成領域の大きさ、レチクル上における照明領域の大きさ、及びガラス基板上におけるショット領域のピッチの関係により線幅均一性の悪化を招くとともに、レジストパターンの断面形状変化によりガラス基板上に形成されるパターンが要求される線幅均一性を満足することができない場合があるという問題がある。また、画面継ぎを行って製造されるデバイスを製造する場合には、ショット領域毎にフレアが重畳される回数が異なるため、ショット領域毎に線幅が大きく異なって「ブロック分かれ」又は「分割ムラ」と言われる欠陥が生じてしまう。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、複数回に亘ってパターン転写を行ってもフレアの影響が少なく、高精度で均一な微細パターンを形成できるようにすることを目的とする。
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す部材符号に対応付けて説明するが、本発明の各構成要件は、これら部材符号を付した図面に示す部材に限定されるものではない。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る露光方法は、パターンが形成されたマスク(R)上における照明領域(IA)に照明光(EL)を照射し、当該マスクのパターンの像を投影光学系(PL)を介して露光領域(EA)に投影し、当該露光領域に位置決めされた基板(P)上のショット領域(SA1〜SA9)に前記パターンを転写する露光方法であって、前記基板に照射される迷光のエネルギー量を算出し、当該エネルギー量に基づいて前記迷光に起因して生ずる前記転写されるパターンの線幅誤差を算出する算出ステップ(S11、S12)と、前記算出ステップで算出された線幅誤差が予め定められた許容線幅誤差を越えているか否かを判断する第1判断ステップ(S13)と、前記線幅誤差が前記許容線幅誤差を越えている場合に露光条件を変更する変更ステップ(S16)とを含んで構成される。
この発明によれば、基板に照射される迷光のエネルギー量を算出して迷光に起因して生ずるパターンの線幅誤差を求め、得られた線幅誤差が予め定められた許容線幅誤差を超えている場合には露光条件を変更するようにしたので、当該露光条件を適宜に設定することにより、迷光が重畳して照射される事態を少なくすることができ、基板上の複数のショット領域を露光する場合のように、複数回に亘ってパターン転写を行うときであっても迷光の影響が少なく、高精度で均一な微細パターンを形成することができる。
本発明の第1の観点に係る露光方法において、前記算出ステップは、少なくとも前記マスクのパターン形成領域の大きさ、前記照明領域(IA)の大きさ、前記投影光学系(PL)における迷光発生量、及び前記基板(P)上における各ショット領域(SA1〜SA9)の間隔に基づいて前記迷光のエネルギー量を算出するエネルギー量算出ステップ(S11、S12)を含むことができる。
本発明の第1の観点に係る露光方法において、前記算出ステップは、少なくとも前記基板(P)に照射される迷光のエネルギー量と前記基板上に塗布された感光剤の入射エネルギー量に対する形状変化係数とに基づいて前記線幅誤差を算出する線幅誤差算出ステップ(S12)を含むことができる。
本発明の第1の観点に係る露光方法において、前記算出ステップは、前記線幅誤差をΔCD1とすると、「ΔCD1=(ΔE×RC+ΔE)×ΔN×CT」なる式から前記線幅誤差を算出するようにできる。ただし、ΔEは前記基板に照射される迷光のエネルギー、RCは前記マスク及び前記基板の反射係数、ΔEは前記基板上の感光剤を感光する最適エネルギー量に対する許容量、ΔNは迷光の重畳回数、CTは前記感光剤の入射エネルギー量に対する形状変化係数である。
本発明の第1の観点に係る露光方法において、前記変更ステップは、前記基板上における各ショット領域(SA1〜SA9)の間隔を変更する第1間隔変更ステップ(S16)を含むことができる。
この場合において、前記各ショット領域(SA1〜SA9)の間隔の変更による前記基板(P)上におけるショット領域の数の減少が予め設定した許容値以下であるか否かを判断する第2判断ステップ(S20)と、前記ショット領域の数の減少が前記許容値以上である場合に、前記ショット領域の数の減少が生じない範囲で前記各ショット領域の間隔をさらに変更する第2間隔変更ステップ(S25)と、前記露光領域(EA)以外から前記基板に入射する光を遮光した状態で前記露光領域に位置決めされたショット領域に前記パターンを転写する露光ステップ(S15)とを含むことができる。
上記課題を解決するため、本発明の第2の観点に係る露光方法は、パターンが形成されたマスク(R)に照明光(EL)を照射し、該マスクのパターンの像を投影光学系(PL)を介して基板(P)上のショット領域(SA1〜SA9)に投影露光する露光方法であって、前記基板に照射される迷光のエネルギー量に応じて前記基板上におけるショット領域の間隔を変更する間隔変更ステップ(S16)を含んで構成される。
この発明によれば、基板に照射される迷光のエネルギー量に応じてショット領域の間隔を変更するようにしたので、当該間隔を適宜に設定(通常は拡大)することにより、迷光が重畳して照射される事態を少なくすることができ、従って迷光による悪影響が少なくなり、高精度で均一な微細パターンを形成することができるようになる。
上記課題を解決するため、本発明の第3の観点に係る露光装置は、パターンが形成されたマスク(R)を照明する照明光学系(1〜11)と、当該マスクのパターンの像を露光領域(EA)に投影する投影光学系(PL)と、基板(P)を保持した状態で移動可能に構成され、前記基板上に設定されたショット領域を前記露光領域に位置決めする基板ステージ(17)とを備える露光装置であって、前記基板に照射される迷光のエネルギー量を算出し、当該エネルギー量に基づいて前記迷光に起因して生ずる前記ショット領域に転写されるパターンの線幅誤差を算出し、算出した線幅誤差に応じて前記ショット領域の間隔を変更して前記基板ステージを制御する制御部(22)を備えて構成される。
ここで、本発明の露光装置は、前記照明光学系が、前記マスク上における照明領域の大きさを規定する第1遮光部材を備え、前記基板ステージの上方近傍の領域であって前記第1遮光部材によって規定された照明領域の大きさに応じて変化する前記露光領域以外の領域を遮光する第2遮光部材を備えることが好ましい。
本発明の第3の観点に係る露光装置において、前記制御部(22)は、少なくとも前記マスク(R)のパターン形成領域の大きさ、前記マスク上における照明領域(IA)の大きさ、前記投影光学系(PL)における迷光発生量、及び前記基板(P)上における各ショット領域(SA1〜SA9)の間隔に基づいて前記迷光のエネルギー量を算出するようにできる。
本発明の第3の観点に係る露光装置において、前記照明光学系は、前記マスク上における照明領域(IA)の大きさを規定する第1遮光部材(8)と、前記基板ステージ(17)の上方近傍の領域であって前記第1遮光部材によって規定された照明領域IA)の大きさに応じて変化する前記露光領域(EA)以外の領域を遮光する第2遮光部材(40)とを備えることができる。
上記課題を解決するため、本発明の第4の観点に係る露光方法は、パターンが形成されたマスク(R)上における照明領域(IA)に照明光を照射し、当該マスクのパターンの像を投影光学系(PL)を介して露光領域に投影し、当該露光領域に位置決めされた基板(P)上のショット領域(SA1〜SA9)に前記パターンの像を転写する露光方法であって、前記マスクと前記投影光学系と前記基板との少なくとも一つに前記照明光が照射されることにより生じる前記基板上でのフレア量に基づき、前記パターンの像を前記基板に露光する露光条件を決定する。
本発明の第4の観点に係る露光方法において、前記露光条件は、更に前記照射領域または前記ショット領域の大きさに基づいて設定される。また、前記露光条件には、前記基板上のショット領域の間隔が含まれる。
本発明の第4の観点に係る露光方法によると、フレアによる影響を少なくすることができ、所望のパターン像を基板上に形成することができる。
本発明によると、基板上の複数のショット領域を露光する場合に、迷光の影響による線幅均一性の劣化を少なくすることができ、高精度で均一な微細パターンを形成することができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。図1に示す露光装置は、基板としてのプレートPを二次元的に移動自在なプレートステージ上に載置し、このプレートステージによりプレートPを歩進(ステッピング)させて、マスクとしてのレチクルRのパターン像をプレートP上の各ショット領域に順次露光する動作を繰り返す、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(所謂、ステッパー)である。
なお、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びZ軸が紙面に対して平行となるように設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。図中のXYZ直交座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
図1に示した超高圧水銀ランプ1から発生した照明光としての露光光ELは楕円鏡2で反射されてその第2焦点で一度集光した後、コリメータレンズ、干渉フィルター、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ)、及び開口絞り(σ絞り)等を含む光学系5に入射する。楕円鏡2の第2焦点の近傍には、モータ4によって露光光ELの光路の閉鎖及び開放を行うシャッタ3が配置されている。
本実施形態においては、干渉フィルターによりi線(波長365nm)の光のみが光学系5から射出されるとする。なお、露光用の露光光ELとしては超高圧水銀ランプ1等の輝線の他に、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、若しくはFレーザ(波長193nm)から射出されるレーザ光、又は金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波等を用いても良い。
光学系5を射出した露光光ELは、反射ミラー6で反射された後、第1リレーレンズ7、可変視野絞り(レチクルブラインド)8、及び第2リレーレンズ9を通過して全反射ミラー10に至る。そして、全反射ミラー10でほぼ垂直下方に反射された露光光ELは、コンデンサーレンズ11を介してマスクとしてのレチクルRのパターン形成領域としてのパターン領域PAをほぼ均一な照度で照明する。
ここで、第1遮光部材としての可変視野絞り8の構成について説明する。図2は、可変視野絞り8の概略構成を示す斜視図である。図2に示すように、可変視野絞り8は4枚の可動式のブラインド30A〜30D及びその駆動機構(図示省略)を備えて構成されている。これらのブラインド30A〜30Dは、露光光ELの光軸AX1に直交する面内において互いに直交又は平行する方向であって、光軸AX1に対して進出又は後退するように移動可能とされている。ブラインド30A〜30DはレチクルRのパターン形成面(パターン領域)と共役関係(結像関係)に設定されている。ブラインド30A〜30Dの光軸AX1に直交する面内の位置は、後述する制御部としての主制御系22により制御されている。
また、各ブラインド30A〜30Dには位置検出用の光学式のリニアスケール(図示省略)が取り付けられており、このリニアスケールに対向して設けられた光学的読取装置を有する位置検出装置(図示省略)の検出値が主制御系22に出力されるようになっている。主制御系22が、これら4枚のブラインド30A〜30Dをそれぞれ適宜な位置に設定することにより、各ブラインド30A〜30Dの先端縁31A〜31DによってレチクルR上において露光光ELが照明される照明領域IAが規定される。
この照明領域IAは、基本的にショット領域に応じた大きさに設定される。なお、主制御系22は可変視野絞り8に設けられた不図示の位置検出装置から出力される検出値に基づいて、光軸AX1に直交する面内における各ブラインド30A〜30Dの位置と各ブラインド30A〜30Dの先端縁31A〜31Dによって形成されるレチクルR上の照明領域IAの大きさ、及び照明領域IAに対して像の関係にある露光領域EAの大きさを常時把握している。
図1に戻り、レチクルRは、モータ12によって投影光学系PLの光軸AXの方向に微動可能で、且つその光軸AXに垂直な面内で2次元移動及び微小回転可能なレチクルステージ13上に載置されている。レチクルステージ13の端部にはレーザ干渉計15からのレーザビームを反射する移動鏡14が固定されており、レチクルステージ13の2次元的な位置はレーザ干渉計15によって、所定の分解能で常時検出されている。
レチクルRのパターン領域PAを透過した露光光ELは、例えば両側(又は片側)テレセントリックな投影光学系PLに入射して露光領域EAに投影される。露光領域EAと基板としてのプレートP上の各ショット領域を位置決めしてからレチクルRの照明領域IAに露光光ELを照射して投影光学系PLを介してパターン像を露光領域EAに投影することで、各ショット領域にパターンが転写される。
ここで、投影光学系PLは、露光光ELの波長に関して最良に収差補正されており、その波長のもとでレチクルRとプレートPとは互いに共役になっている。また、露光光ELは、ケラー照明であり、投影光学系PLの瞳(図示省略)の中心に光源像として結像されている。なお、投影光学系PLは複数のレンズ等の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては露光光ELの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択され、拡大倍率は、例えば1〜1.5又は1/5〜1/4に設計されている。
プレートPは、例えば低温p−SiTFTを製造するための薄い透明ガラス基板であり、その表面にはフォトレジスト等の感光剤が塗布されている。プレートPはプレートホルダ16を介して基板ステージとしてのプレートステージ17上に載置されている。プレートホルダ16上には、ベースライン計測等で使用する基準部材18が設けられている。ここで、ベースラインとは、例えばパターン像が投影される露光領域EAの中心と後述するアライメントセンサ25の計測視野中心との距離である。
プレートステージ17は、投影光学系PLの光軸AXに垂直な面内でプレートPを2次元的に位置決めするXYステージ、投影光学系PLの光軸AXに平行な方向(Z方向)にプレートPを位置決めするZステージ、プレートPを微小回転させるステージ、及びZ軸に対する角度を変化させてXY平面に対するプレートPの傾きを調整するステージ等より構成されている。
プレートステージ17の上面の一端には移動鏡19が取り付けられ、移動鏡19の鏡面に対向した位置にレーザ干渉計20が配置されている。図1では簡略化して図示しているが、移動鏡19はX軸に垂直な反射面を有する平面鏡及びY軸に垂直な反射面を有する平面鏡より構成されている。また、レーザ干渉計20は、X軸に沿って移動鏡19にレーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡19にレーザビームを照射するY軸用のレーザ干渉計より構成され、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計により、プレートステージ17のX座標及びY座標が計測される。また、X軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、プレートステージ17のXY平面内における回転角が計測される。
プレートステージ17の2次元的な座標は、レーザ干渉計20によって例えば0.01μm程度の分解能で常時検出されており、X軸方向及びY軸方向の座標によりプレートステージ17のステージ座標系(静止座標系)が定められる。即ち、レーザ干渉計20により計測されるプレートステージ17の座標値が、ステージ座標系上の座標値である。レーザ干渉計20により計測されたX座標、Y座標、及び回転角を示す位置計測信号PDSは主制御系22に出力される。
主制御系22は、供給された位置計測信号PDSをモニタしつつプレートステージ17の位置を制御する制御信号をモータ21へ出力する。また、主制御系22はシャッタ3の開閉制御、露光光ELの強度制御、及び可変視野絞り8を駆動する駆動装置24の制御等の各種制御を行う。更に、詳細は後述するが、主制御系22は、露光時においてプレートPに照射されるフレア(迷光)のエネルギー量を算出し、算出したエネルギー量に応じて露光条件を変更する制御を行う。
主制御系22にはハードディスク等の記憶装置26が接続されており、この記憶装置26内に露光データファイル(レシピ)が格納されている。レシピには、プレートPの露光を行う上で必要となる処理、その処理順、各処理を行うための制御命令群が記憶されている。また、各処理毎に、プレートP上に塗布されているフォトレジストに関する情報(例えば、レジスト特性及び入射エネルギーに対する断面形状変化を示す係数)、使用するレチクルR及びその設計情報、設定する照明条件を示す情報、及び投影光学系PLの補正量等が含まれている。更に、レシピには、処理毎に許容される線幅誤差(許容線幅誤差)ΔCD、レチクルR及びプレートPの反射係数、投影光学系PLで生ずるフレアの分布を示す情報、プレートP上におけるショットの設定情報、及びプレートPに関する情報が記憶されている。
また、図1に示した露光装置には投影光学系PLの結像特性を調整する結像特性補正部23も設けられている。更に、投影光学系PLの側方には、プレートPに形成されたマークの位置情報を計測するオフアクシス方式のアライメントセンサ25が設けられている。このアライメントセンサ25としては、プレートPに形成されたマークに検知ビームを照射して得られるマーク像を、例えば二次元CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子で撮像して画像信号に変換し、この画像信号を画像処理してマークの位置情報を計測する所謂FIA(Field Image Alignment)方式のアライメントセンサを用いることが好ましい。アライメントセンサ25の計測結果は主制御系22に出力される。
主制御系22はプレートP上に予め設定された代表的な数個(3〜9個)のショット領域の各々に付随して形成されたマークの、アライメントセンサ16により計測された位置情報と、その設計上の位置情報とに基づいてEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)演算を行い、プレートP上に設定された全てのショット領域の配列の規則性を統計的な手法で決定する。かかる手法で決定されたショット領域の配列に基づいてプレートステージ17を移動制御することで、露光領域に対して各ショット領域を高い精度で位置決めすることができる。
次に、本実施形態の露光装置で生ずるフレアの分布について説明する。図3は、本実施形態の露光装置で生ずるフレアの一例を示す分布図である。図3に示す分布図は、投影光学系PLの設計値を用いてシミュレーションを行い、その結果を高次関数で近似することにより得られる。なお、このシミュレーションは、例えばプレートPにゲート電極が蒸着されて形成されており、その表面反射率が30%程度であると仮定して行っている。
ここでの説明では簡単化のために、可変視野絞り8とレチクルRとの間における光学倍率、及び投影光学系PLの倍率が共に1であるとして説明する。つまり、レチクルR上における照明領域IA及びプレートP上における露光領域EAは可変視野絞り8が備えるブラインド30A〜30D(図2参照)の先端縁31A〜31Dによって形成される開口の大きさと同一の大きさであるとして説明する。
図3に示した分布図の横軸はプレートP上における像高(プレートPの表面内における光軸AXからの距離:単位[mm])であり、縦軸は投影光学系PLにおいて生ずるフレアの相対光強度(任意単位)である。図3中において、符号F1を付した分布曲線は可変視野絞り8の開口が100[mm]であるときに投影光学系PLにおいて生ずるフレアの分布を示しており、符号F2を付した分布曲線は可変視野絞り8の開口が60[mm]であるときに投影光学系PLにおいて生ずるフレアの分布を示している。同様に、符号F3を付した分布曲線は可変視野絞り8の開口が4.5[mm]であるときに投影光学系PLにおいて生ずるフレアの分布を示している。
これらの分布曲線F1〜F3は、以下に示す5次関数で近似したものである。なお、下式において、yはフレアの相対光強度、xは像高であり、a〜fは任意の実数である。
y=a・10−9+b・10−7+c・10−6+d・x+e・x+f
図3を参照すると、可変視野絞り8によって規定される露光領域EAのみならず、露光領域EA以外の領域にもフレアが分布していることが分かる。例えば、可変視野絞り8の開口が60[mm]であるときの露光領域EAは図3において像高が−30[mm]以上であって30[mm]以下の領域になるが、分布曲線F2は露光領域EA以外の領域(像高が−30[mm]以下の領域及び像高が30[mm]以上の領域)にも分布していることが分かる。このように、露光領域EA以外の領域に分布するフレアにより、露光領域EA以外の領域にも微少量のエネルギー(DOSE)が付与されることになる。
また、図3を参照すると、可変視野絞り8の開口を広げて照明領域IA及び露光領域EAの面積を増大させると、各々の領域に照射される露光光ELの総光量が増大するためフレアの相対光強度が高くなることが分かる。更に、可変視野絞り8の開口を狭めるとフレアの相対光強度は低下するが、露光領域EA以外の領域におけるフレアが皆無になる訳ではなく、依然として露光領域EA以外の領域にもフレアが分布することが分かる。以上説明したフレアの分布を示す情報は、図1に示した記憶装置26中にレシピの内容の一つとして記憶されている。
次に、以上説明した分布を有するフレアが露光時に与える影響について説明する。図4は、パターン領域PAに形成されたパターンの一部を画面継ぎを行いつつ露光する場合におけるフレアの影響を説明するための図である。このような露光処理は、例えば比較的大きなTFT液晶表示素子を製造する場合に行われる。パターン領域PAに形成されたパターンの一部を転写する場合には、可変視野絞り8の開口を狭めて図4(a)に示すようにパターン領域PA内の一部に照明領域IAを設定する。なお、以下の説明では説明の便宜上、パターン領域PAの大きさは、可変視野絞り8の開口を最大にしたときの大きさ(例えば、100[mm]×100[mm])と同一であるとする。
図4(a)に示す照明領域IAを設定して画面継ぎを行う場合には、プレートP上のショット領域として、例えば図4(b)に示した各々が隣接しているショット領域SA1〜SA9が設定される。ショット領域SA1〜SA9を露光する場合には、例えばショット領域SA1を露光領域EAに位置決めした後、露光光ELを照明領域IAに照射して照明領域IA内のパターンをショット領域SA1に転写し、次にプレートステージ17をステップ移動させてショット領域SA2を露光領域EAに位置決めして同様に照明領域IA内のパターンをショット領域SA2に転写する。
このようにして順にショット領域SA1〜SA9を露光する。なお、ショット領域SA1〜SA9を露光するときには、レチクルRを交換しつつ行っても良く、露光するショット領域SA1〜SA9に応じてレチクルRをXY面内で移動させてパターン領域PA内における照明領域IAを位置を変えつつ露光するようにしても良い。
図3を用いて説明したように、露光領域EA以外の領域においてもフレアが分布するが、レチクルRで生ずるフレアも考慮すると、その分布はパターン領域PA全体に亘っていると考えられる。このため、例えばショット領域SA1を露光する場合には、パターン領域PAの大きさに相当する図4(b)中の領域A1全体に亘ってフレアが分布し、ショット領域SA5を露光する場合には、領域A1と同じ大きさの領域A2全体に亘ってフレアが分布する。
このため、図4(b)に示す9個のショット領域SA1〜SA9の全てを露光すると、これらのショット領域SA1〜SA9にはフレアが9回重畳されるため、フレアの重畳により最終的な付与DOSE(付与エネルギ)が増大し、例えば線幅が設計値よりも細くなり、現像後にプレートP上に形成されるレジストパターンの断面形状が半円形状になり(ラウンド化したり)、レジストパターンの厚みが減少してしまう。レジストパターンの形状が半円形状になり又は厚みが減少すると、プレートP上に形成されるパターンの線幅が不均一となる。
図5は、パターン領域PAに形成されたパターンの一部を画面継ぎを行うことなく露光する場合におけるフレアの影響を説明するための図である。このような露光処理は、例えば携帯電話機等に設けられる小型の液晶表示素子を1つのプレートPに複数形成する場合に行われる。この露光処理を行う場合にも、図5(a)に示すように、パターン領域PA内の一部に照明領域IAが設定される。
図5(a)に示す照明領域IAを設定して画面継ぎを行わない場合には、プレートP上のショット領域として、例えば図5(b)に示した各々が離間したショット領域SA1〜SA9が設定される。各ショット領域SA1〜SA9は、X方向にショットピッチPXだけ離間して配置され、Y方向にショットピッチPYだけ離間して配置されている。ここで、ショットピッチとは、最隣接するショット領域の中心間距離をいう。図5(b)に示すショット領域SA1〜SA9は、図4(b)を用いて説明した手順と同様の手順により露光される。
図5(b)において、領域A11はショット領域SA1を露光するときにフレアが分布する領域を示しており、領域A12はショット領域SA3を露光するときにフレアが分布する領域を示している。図5(a)に示すパターン領域PAと照明領域IAとの関係は図4(a)に示すものと同じであるため、領域A11,A12の大きさは、図4に示す領域A1,A2と同じである。
図5(b)に示す離間したショット領域SA1〜SA9を露光する場合には、図4(b)に示す互いに隣接したショット領域を露光する場合とは異なり、各ショット領域に重畳されるフレアのエネルギー量が違うため、当然ながら線幅精度が異なってしまう。また、露光後に現像を行ってプレートP上に形成されるレジストパターンの膜厚や形状が異なる。更に、例えばショット領域SA2に着目すると、ショット領域SA2内において重畳する部分が異なるためショット領域SA2内における線幅均一性も悪化してしまう。
図6は、パターン領域PAに形成されたパターンの一部を離間したショット領域に露光したときのフレアの分布の一例を示す図である。なお、図6においては、可変視野絞り8の開口を60[mm]×60[mm]に設定している。図6(a)は、図5(b)中のA−A線に沿ったフレアの分布を示しており、図6(b)は、図5(b)中のB−B線に沿ったフレアの分布を示している。なお、図6(a),(b)に示したグラフの横軸はX軸であり、縦軸はフレアの相対光強度である。
図6(a)及び図5(b)中における分布曲線F11,F21は図5(b)中のショット領域SA1を露光したときのフレアの分布を示しており、分布曲線F12,F22は図5(b)中のショット領域SA2を露光したときのフレアの分布を示しており、分布曲線F13,F23は図5(b)中のショット領域SA3を露光したときのフレアの分布を示している。また、分布曲線F10,F20はショット領域SA1〜SA3の露光により重畳されたフレアの分布を示している。
分布曲線F10と分布曲線F20とを参照すると、重畳されるフレアの量はX方向に亘って分布しており、更に分布曲線F10の極大値と分布曲線F20の極大値とが異なることからY方向に亘っても分布していることが分かる。また、これらの図から重畳されるフレアは位置によってかなり異なることが分かる。このため、線幅が設計値よりも細くなり、現像後にプレートP上に形成されるレジストパターンの断面形状が半円形状になり(ラウンド化したり)、レジストパターンの厚みが減少してしまう。レジストパターンの形状が半円形状になり又は厚みが減少すると、プレートP上に形成されるパターンの線幅が不均一となる。
図7は、パターン領域PAに形成されたパターンの全てを画面継ぎを行うことなく露光する場合におけるフレアの影響を説明するための図である。このような露光処理は、例えば携帯電話機等に設けられる小型の液晶表示素子を1つのプレートPに複数形成する場合に行われる。この露光処理を行う場合には、可変視野絞り8の開口を全開状態にし、図7(a)に示すようにパターン領域PAの全てが照明領域IAに設定される。
図7(a)に示す照明領域IAを設定して画面継ぎを行わない場合には、プレートP上のショット領域として、例えば図7(b)に示した各々が離間したショット領域SA1〜SA9が設定される。なお、図5(b)に示した場合に比べて照明領域IA及び露光領域EAが拡大されているため、ショットピッチも変更されている。
図7(b)において、各ショット領域SA1〜SA9に対応した点線で示す領域A21〜A29はショット領域SA1〜SA9の各々を露光するときに、フレアの影響が生ずる可能性があると考えられる領域である。パターン領域PAのパターン全てを一括して露光する場合には、余程の長時間に亘って露光を行わない限りフレアの重畳が生ずる虞は少ないため、図7(b)に示す通り、領域A21〜A29は重畳していないことが分かる。
なお、図3を用いて説明した通り、可変視野絞り8の開口を広げて照明領域IA及び露光領域EAの面積を増大させるとフレアの相対光強度が多少高くなる。しかしながら、パターン領域PAのパターン全てを一括してショット領域SA1〜SA9に露光すると、ショット領域SA1〜SA9の各々を露光するときに生ずるフレアが重畳されないため、結果的にフレアの総量は少なくなる。
以上説明した通り、プレートPに対して複数回の露光処理を行う場合には、レチクルRに形成されたパターン領域PAの全面を照明領域IAに設定し、パターン領域PAに形成されたパターンの全てを一括して露光すれば、フレアの影響による線幅不均一性等の悪化を防止することができる。
しかしながら、デバイスの製造工程の全てについて全パターンの一括露光を行うことは困難であり、依然として一部のパターンを複数回に亘ってプレートP上に転写するプロセスも必要となる。また、パターンの一部を複数回プレートP上に転写するときにフレアの重畳に起因して線幅不均一性が生じても、プロセスで許容される範囲内であれば問題ない。
そこで、本実施形態の露光装置では、露光時にプレートPに照射されるフレアのエネルギー量を算出し、算出したエネルギー量に応じて露光条件を変更(本実施形態ではショット領域の間隔を拡大)することで、フレアに起因する線幅不均一性がプロセスで許容される線幅不均一性の範囲内となるようにしている。以下、これを実現するための処理について詳細に説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る露光装置の露光動作を示すフローチャートである。露光処理が開始されると、まず主制御系22は記憶装置26から露光動作に必要な各種の情報(レシピ)を読み込む(ステップS10)。レシピの読み込みが完了すると、主制御系22は読み込んだレシピから各ショット領域を露光するときにプレートP上に照射されるフレアのエネルギーΔE、プレートP上に塗布されたフォトレジストを感光する最適エネルギー量に対する許容量ΔE、及びフレアの重畳回数ΔNを演算により求める(ステップS11)。
エネルギーΔEは、レチクルRのパターン領域PAの大きさ、照明領域IAの大きさ、投影光学系PLで生ずるフレアの分布を示す情報、及びプレートP上におけるショット領域のショットピッチを用いて演算する。エネルギーΔEを求めるに際し、上記のレチクルRのパターン領域PAの大きさ、照明領域IAの大きさ、及び投影光学系PLで生ずるフレアの分布を示す情報からプレートPに照射されるフレアの分布を求め、ショットピッチを用いて各ショット領域に照射されるフレアのエネルギーを求めている。なお、照明領域IAの大きさは可変視野絞り8の開口の大きさから求められる。
図9は、プレートP上に塗布されたフォトレジストを感光する最適エネルギー量に対する許容量ΔEを説明するための図である。図9(a)は露光量に対するフォトレジストの膜厚変化特性の一例を示す図であり、図9(b)はフォトレジストの断面形状の変化の一例を示す図である。なお、ここではプレートP上に塗布されたレジストがポジ型のものである場合、すなわち光が照射された箇所が現像により除去されるものである場合を例に挙げて説明する。
図9(a)に示すように、フォトレジストは均一の照度分布を有する光で露光した場合、露光量が少ないと現像後のフォトレジスト膜厚はさほど変化しないが、露光量が一定量以上になると現像後の膜厚が急激に減少する特性を有する。フォトレジストに線状のパターン(線部分は光強度が弱く、線部分以外の部分が光強度が高い)を転写して現像すると、プレートP上には線状のレジストパターンが形成される。図9(a)に示す特性を有するフォトレジストに対して線状のパターンを露光量を変えて転写して現像すると、図9(b)に示す断面形状を有するレジストパターンが形成される。
図9(b)において、符号PR1を付して示す断面形状は、露光量が図9(a)中の露光量E1である場合のレジストの断面形状であり、露光量が少ないため露光・現像によって殆ど膜厚が変化せず、線状のレジストパターンが形成されないことが分かる。また、図9(b)において、符号PR2〜符号PR4を付して示す断面形状は、それぞれ露光量が図9(a)中の露光量E2〜露光量E4であるときに得られるレジストパターンの断面形状である。
図9(b)参照すると、露光量が増大するにつれて形成されるレジストパターンの断面形状が略矩形状に変化していき、露光量が図9(a)中の露光量E4である場合には図中斜線を付した箇所のフォトレジストが除去されて符号PR4を付して示す断面形状が得られる。いま、理想的なレジストパターンの断面形状が図9(b)中の符号PR4を付して示す断面形状であるとすると、露光量E4がレジストパターンを形成する上での最適エネルギー量となる。
このレジストパターンの形状(特に、レジストパターン底部の幅の誤差)は、ある程度の誤差が認められており、この誤差を許容するエネルギーが許容量ΔEである。許容量ΔEは、露光光ELの照射時間、照射強度、及びレジスト特性から演算される。また、フレアの重畳回数ΔNはプレートPの大きさ、ショット領域の大きさ、及びショットピッチから演算される。
次に、主制御系22はフレアの影響を考慮した線幅誤差ΔCD1の演算を行う(ステップS12)。線幅誤差ΔCD1は以下の(1)式から演算される。
ΔCD1=(ΔE×RC+ΔE)×ΔN×CT ……(1)
上記(1)式において、RCはレチクルR及びプレートPの表面における反射係数であり、CTはフォトレジストの入射エネルギー量に対する形状変化係数である。上記式(1)においてプレートPの反射係数を考慮するのは、プレートPの表面で反射され、フォトレジスト内で多重反射するフレアによる線幅誤差の影響を求めるためである。
図10は、形状変化係数CTを説明するための図である。図10(a)はフォトレジストの断面形状の変化の一例を示す図であり、図10(b)は露光量に対するレジストパターンの角度(Wall Angle)の変化を示す図である。図10(a)において符号PR11を付して示す断面形状はプレートP上のフォトレジストが最適エネルギー量で露光されたときのレジストパターンの断面形状を示している。
また、符号PR12,PR13を付して示す断面形状は露光量が最適エネルギー量以上であるときのレジストパターンの断面形状を示している。なお、符号PR13を付して示した断面形状が形成される場合のエネルギー量は、符号PR12を付して示した断面形状が形成されるときのエネルギー量よりも多い。図10(a)を参照すると、露光量が増大するにつれてレジストパターンの側壁の角度(Wall Angle)θが変化し、更にレジストパターンの底部の幅LBが狭くなることが分かる。
露光量とレジストパターンの角度θとの関係は図10(b)に示す関係がある。なお、レジストパターンの角度θは、プレートPに垂直な面であってレジストパターンに平行な面に対してレジストパターンの側壁がなす角度である。図10(b)を参照すると、露光量が増大するとレジストパターンの角度θが増大することが分かる。角度θが増大すると、図10(a)に示すように、レジストパターンの底面の幅LBが減少し、これが最終的にプレートPに形成されるパターンの線幅誤差となる。形状変化係数CTは、図10(b)に示す露光量とレジストパターンの形状変化との関係を示す係数である。なお、形状変化係数CTはフォトレジストの種類とフォトレジストの厚みに依存する係数であり、その単位は[μm・cm/mJ]である。
上記(1)式においては、右辺の(ΔE×RC+ΔE)×ΔNなる箇所で重畳されるフレアの総露光量を演算し、この演算結果に対して形状変化係数CTを掛けることで、重畳されるフレアによる線幅誤差ΔCD1を演算している。線幅誤差ΔCD1を演算すると、主制御系22において線幅誤差ΔCD1とデバイス設計上許容することができる線幅誤差ΔCDとの比較が行われる(ステップS13)。
線幅誤差ΔCD1がデバイス設計上許容することができる線幅誤差ΔCDよりも小さいと主制御系22が判断した場合(判断結果が「YES」の場合)には、現在のレシピがステップS10で読み込んだレシピと同一であるか否かが判断される(ステップS14)。ここではステップS10でレシピを読み込んでからレシピの変更が行われていないため判断結果は「YES」となり、ステップS10で読み込んだレシピに従って露光処理が実行される(ステップS15)。露光処理が終了すると、再びステップS10へ戻る。
一方、ステップS13において、線幅誤差ΔCD1がデバイス設計上許容することができる線幅誤差ΔCD以上であると主制御系22が判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、主制御系22はショットピッチPX,PYを変更することで露光条件を変更する(ステップS16)。プレートP上における各ショット領域のショットピッチPX,PYを変更すると、重畳されるフレアの量が変化するのは図3〜図6を参照して説明した通りである。本実施形態では露光条件の変更として各ショット領域のショットピッチPX,PYを変更(ここでは拡大)することで、各ショット領域において重畳されるフレアの量を減少させている。
ショットピッチPX,PYを変更した後、プレートP上におけるショット領域数(面取り数)の変更の有無を判断する(ステップS17)。これは、ショットピッチPX,PXに応じてプレートP上に配置することができるショット領域の数が異なるからである。プレートP上におけるショット領域数の変更がない場合(判断結果が「NO」の場合)には、変更後のショットピッチPX,PYを用いてエネルギーΔEの再演算を行い(ステップS18)、ステップS12に戻って再度フレアによる線幅誤差ΔCD1を演算し、演算した線幅誤差ΔCD1と予め設定された線幅誤差ΔCDとの比較を行う(ステップS13)。
ここで、ステップS13において線幅誤差ΔCD1が線幅誤差ΔCDよりも小さいと判断された場合(判断結果が「YES」の場合)には、ステップS14においてステップS10で読み込んだレシピと現在のレシピとが同一であるか否かが判断されるが、ステップS16においてショットピッチPX,PYが変更されているため、ここでの判断結果は「NO」となる。
次に、主制御系22はショットピッチPX,PYの変更に伴う新たなレシピを自動的に作成するとともに、記憶装置26に保存して(ステップS19)、露光処理を実行する(ステップS15)。ここで行われる露光処理は、ショットピッチPX,PYが変更されてフレアの影響が少ない状態で行われる。このため、線幅誤差が少なく、必要とされる線幅均一性が得られることになる。
ステップS17において、ステップS16でショットピッチPX,PYの変更によりプレートP上のショット領域数の変更があると主制御系22が判断した場合(判断結果が「YES」の場合)には、プレートP上におけるショット数の減少が予め設定された許容値以下であるか否かが判断される(ステップS20)。このステップは、ショットピッチPX,PYの変更を行ってプレートP上のショット領域が余りにも少ないと、一枚のプレートPから製造されるデバイスの数が少なくなって製造効率が悪化するため、これを防止するために設けられている。
プレートP上におけるショット数の減少が予め設定された許容値以下であると判断した場合(ステップS20の判断結果が「YES」の場合)には、ステップS14へ進む。ステップS14では現在のレシピがステップS10で読み込んだレシピと同一であるか否かが判断されるが、ステップS20からステップS14へ進む場合にはステップS16でショットピッチPX,PYが変更されているため、ステップS14の判断結果は「NO」となり、ステップS19で新たなレシピが自動作成されて保存され、ステップS15において露光処理が実行される。
ここで、ステップS20からステップS14を介して露光処理を実行するステップS15へ進む経路を辿るのは、前提としてステップS13において、演算された線幅誤差ΔCD1が予め設定された線幅誤差ΔCD以上であると判断された場合である。このため、ステップS15で露光処理を実行すると演算された線幅誤差ΔCD1が予め設定された線幅誤差ΔCDよりも小さくならない可能性がある。
しかしながら、ステップ13で演算された線幅誤差ΔCD1が予め設定された線幅誤差ΔCD以上であると判断された後に、ステップS16でショットピッチPX,PYが変更されているため、プレートP上に形成されるパターンの線幅誤差が予め設定された線幅誤差ΔCDよりも小さくなる可能性は高いと考えられる。このため、ステップS20からステップS14を介して露光処理を実行するステップS15へ進む経路を設けている。
一方、ステップS20において、プレートP上におけるショット数の減少が許容値以上であると主制御系22が判断した場合(ステップS20の判断結果が「NO」である場合)には、露光処理を停止し(ステップS21)、自動復旧が不可能であるとしてフェイタル・エラーを発してデバイス製造に関わる作業員に通知するオペレータコールを行う(ステップS22)。なお、図8においては、ステップS20の判断結果が「NO」である場合には、露光処理を停止してオペレータコールを行う場合を例に挙げて示したが、ステップS10で読み込んだレシピをスキップして他に用意されたレシピを読み込んで露光処理を継続するようにしても良い。
以下に、図8中のステップS15で行われる露光処理について簡単に説明する。処理が開始されるとレシピに従って所定のレチクルRが不図示のレチクルライブラリからロードされてレチクルステージ13上に保持されるとともに、最初に露光処理が行われるプレートPがロードされてプレートステージ17上に保持される。次に、主制御系22の制御の下で所定の基準位置に対するレチクルRの位置合わせが行われ、レチクルRのパターン像が投影光学系PLを介して投影される露光領域EAの中心位置とプレートステージ17の基準位置との位置合わせが基準部材11を用いて行われる。
次いで、プレートP上に設定された複数のショット領域のうち、代表的な数個(3〜9個)のショット領域の各々に付随して形成されたマークの位置情報をアライメントセンサ16で計測し、この計測結果を用いて主制御系22がEGA演算を行いプレートP上に設定された全てのショット領域の配列の規則性を決定する。主制御系22は、プレートステージ17を移動させて最初に露光されるべきショット領域を照明視野領域に配置する。なお、この時点においてプレートPのZ方向の位置合わせ等の処理も行われる。
露光すべきショット領域の位置合わせが完了すると、主制御系22はレシピに従って可変視野絞り8の開口の大きさを設定し、シャッタ3(図1参照)を開状態にして露光光ELをレチクルR上の照明領域IAに照射する。これにより、照明領域IAに配置されているパターンの像が投影光学系PLを介して露光領域EAに投影され、露光領域EAに位置決めされているショット領域にパターンが転写される。1つのショット領域に対してパターン転写が完了すると、シャッタを閉状態にした後でEGA演算により得られたショット領域の配列に従ってプレートステージ17をステッピング移動させ、次に露光を行うショット領域を露光領域EAに位置決めする。このようにして、順次ショット領域の露光が同様に行われる。プレートP上の全てのショット領域の露光が終了すると、プレートPがアンロード(搬出)され、次に露光処理を行うプレートPがロード(搬入)される。
次に、他の実施形態について説明する。図11は、本発明の他の実施形態による露光装置の概略構成を示す図である。図11に示す露光装置は、プレートステージ17の上方近傍にブラインド40を設けた点が図1に示す露光装置と異なり、他の構成は図1に示す露光装置と同じである。このブラインド40は、その開口の像をプレートP上に結像させるために設けられている訳ではなく、露光領域EA以外の領域のフレアを遮光するとともに、露光領域EA以外の領域におけるプレートPの表面での反射光による悪影響を少なくするために設けられている。
ブラインド40は、図2に示す可変視野絞り8が備えるブラインド30A〜30Dと同様に4枚の可動式のブラインドからなり、各々のブラインドは光軸AXに直交する面内において互いに直交又は平行する方向であって、光軸AXに対して進出又は後退するように移動可能とされている。従って、ブラインド40によって形成する開口の大きさを自由に設定することが可能である。光軸AXに直交する面内におけるブラインド40の位置は主制御系22により制御される。
図12は、本発明の他の露光装置の露光時の動作を示すフローチャートである。なお、図12においては、図8に示したフローチャートのステップS10〜S13,S16〜S18の図示は省略している。図8に示したフローチャートでは、プレートP上のショット領域数の減少が許容値を超えた場合にはステップS21で露光処理を停止し、ステップS22でオペレータコールを行っていた。
図12に示すフローチャートでは、図8中のステップS21,S22に代えてステップS25,S26の処理を設けることで、プレートP上のショット領域数の減少が許容値を超えた場合であっても露光処理が継続されるようにしている。ステップS20において、プレートP上のショット領域数の減少が許容値を超えていると判断されて判断結果が「NO」になると、主制御系22はショット領域数の減少が許容値外とならない範囲でショットピッチPX,PYを変更する(ステップS25)。
ショットピッチPX,PYの変更が終了すると、露光領域EAの大きさに合わせてブラインド40を開閉して露光領域EA以外の領域を遮光する(ステップS26)。その後、ステップS14において現在のレシピがステップS10で読み込んだレシピと同一であるか否かが判断されるが、ステップS25でショットピッチPX,PYが変更されているため、ステップS14の判断結果は「NO」となり、ステップS19で新たなレシピが自動作成されて保存され、ステップS15において露光処理が実行される。
このように、本発明の他の実施形態では露光処理を停止させずに一枚のプレートPから許容される数以上のデバイスを製造することができるため製造効率の極端な低下を招くことはない。また、ステップS25においてショットピッチPX,PYを変更していることに加えて、ブラインド40で露光領域EA以外の領域を遮光しているため、各ショットに重畳されるフレアを極めて低減することができ、線幅が均一なパターンをプレートP上に形成することができる。従って、p−SiTFT(多結晶シリコン薄膜トランジスタ)の製造プロセスのように高い線幅均一性が要求される製造プロセスで上記実施形態の露光装置を用いると極めて好適である。
なお、図12においては、本発明の他の実施形態の特徴的なステップを図示するため、ステップS25とステップS14との間にステップS26を挿入したが、ステップS15ではアライメントセンサ16を用いてプレートP上に形成されたマークの位置計測が行われるため、実際にはステップS26の処理はステップS15内に設けられる処理である。ステップS15内においては、各ショット領域の露光を開始する直前に露光領域EA以外の領域がブラインド40で遮光される。
以上説明した実施形態では露光用照明光としてi線(波長365nm)やエキシマレーザを用いているが、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちFレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内の7倍高調波、即ちFレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。なお、単一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いる。また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光を用いるようにしてもよい。さらに、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いてもよい。また、投影光学系は、反射光学系、屈折光学系、及び反射屈折光学系のいずれを用いてもよい。
さらに、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられるデバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置だけでなく、半導体素子の製造又はレチクルの製造に用いられる、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用することができる。
ところで、EUV光を用いる露光装置では反射型マスクが用いられ、電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられるので、マスクの原版としてはシリコンウエハなどが用いられる。
複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージや基板ステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、さらに総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより本実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
半導体素子は、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいて、レチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを製造するステップ、上述した実施形態の露光装置等によりレチクルのパターンをウエハに露光転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 可変視野絞りの概略構成を示す斜視図である。 露光装置で生ずるフレアの一例を示す分布図である。 パターン領域に形成されたパターンの一部を画面継ぎを行いつつ露光する場合におけるフレアの影響を説明するための図である。 パターン領域に形成されたパターンの一部を画面継ぎを行うことなく露光する場合におけるフレアの影響を説明するための図である。 パターン領域に形成されたパターンの一部を離間したショット領域に露光したときのフレアの分布の一例を示す図である。 パターン領域に形成されたパターンの全てを画面継ぎを行うことなく露光する場合におけるフレアの影響を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る露光装置の処理を示すフローチャートである。 プレート上に塗布されたフォトレジストを感光する最適エネルギー量に対する許容量(ΔE)を説明するための図である。 形状変化係数(CT)を説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 本発明の他の露光装置の処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…超高圧水銀ランプ
8…可変視野絞り(第1遮光部材)
17…プレートステージ
22…主制御系(制御部)
40…ブラインド(第2遮光部材)
EA…露光領域
EL…露光光(照明光)
IA…照明領域
P…プレート(基板)
PA…パターン領域(パターン形成領域)
PL…投影光学系
PX,PY…ショットピッチ(ショット領域の間隔)
R…レチクル(マスク)
SA1〜SA9…ショット領域

Claims (13)

  1. パターンが形成されたマスク上における照明領域に照明光を照射し、当該マスクのパターンの像を投影光学系を介して露光領域に投影し、当該露光領域に位置決めされた基板上のショット領域に前記パターンを転写する露光方法であって、
    前記基板に照射される迷光のエネルギー量を算出し、当該エネルギー量に基づいて前記迷光に起因して生ずる前記転写されるパターンの線幅誤差を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップで算出された線幅誤差が予め定められた許容線幅誤差を越えているか否かを判断する第1判断ステップと、
    前記線幅誤差が前記許容線幅誤差を越えている場合に露光条件を変更する変更ステップと
    を含むことを特徴とする露光方法。
  2. 前記算出ステップは、少なくとも前記マスクのパターン形成領域の大きさ、前記照明領域の大きさ、前記投影光学系における迷光発生量、及び前記基板上における各ショット領域の間隔に基づいて前記迷光のエネルギー量を算出するエネルギー量算出ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記算出ステップは、少なくとも前記基板に照射される迷光のエネルギー量と前記基板上に塗布された感光剤の入射エネルギー量に対する形状変化係数とに基づいて前記線幅誤差を算出する線幅誤差算出ステップを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
  4. 前記算出ステップは、前記線幅誤差をΔCD1とすると、
    ΔCD1=(ΔE×RC+ΔE)×ΔN×CT
    なる式から前記線幅誤差を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光方法。
    ただし、
    ΔE:前記基板に照射される迷光のエネルギー
    RC :前記マスク及び前記基板の反射係数
    ΔE:前記基板上の感光剤を感光する最適エネルギー量に対する許容量
    ΔN :迷光の重畳回数
    CT :前記感光剤の入射エネルギー量に対する形状変化係数
    である。
  5. 前記変更ステップは、前記基板上における各ショット領域の間隔を変更する第1間隔変更ステップを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 前記各ショット領域の間隔の変更による前記基板上におけるショット領域の数の減少が予め設定した許容値以下であるか否かを判断する第2判断ステップと、
    前記ショット領域の数の減少が前記許容値以上である場合に、前記ショット領域の数の減少が生じない範囲で前記各ショット領域の間隔をさらに変更する第2間隔変更ステップと、
    前記露光領域以外から前記基板に入射する光を遮光した状態で前記露光領域に位置決めされたショット領域に前記パターンを転写する露光ステップと
    を含むことを特徴とする請求項5に記載の露光方法。
  7. パターンが形成されたマスクに照明光を照射し、該マスクのパターンの像を投影光学系を介して基板上のショット領域に投影露光する露光方法であって、
    前記基板に照射される迷光のエネルギー量に応じて前記基板上におけるショット領域の間隔を変更する間隔変更ステップを含むことを特徴とする露光方法。
  8. パターンが形成されたマスクを照明する照明光学系と、当該マスクのパターンの像を露光領域に投影する投影光学系と、基板を保持した状態で移動可能に構成され、前記基板上に設定されたショット領域を前記露光領域に位置決めする基板ステージとを備える露光装置であって、
    前記基板に照射される迷光のエネルギー量を算出し、当該エネルギー量に基づいて前記迷光に起因して生ずる前記ショット領域に転写されるパターンの線幅誤差を算出し、算出した線幅誤差に応じて前記ショット領域の間隔を変更して前記基板ステージを制御する制御部を備えることを特徴とする露光装置。
  9. 前記制御部は、少なくとも前記マスクのパターン形成領域の大きさ、前記マスク上における照明領域の大きさ、前記投影光学系における迷光発生量、及び前記基板上における各ショット領域の間隔に基づいて前記迷光のエネルギー量を算出することを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  10. 前記照明光学系は、前記マスク上における照明領域の大きさを規定する第1遮光部材と、
    前記基板ステージの上方近傍の領域であって前記第1遮光部材によって規定された照明領域の大きさに応じて変化する前記露光領域以外の領域を遮光する第2遮光部材とを備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の露光装置。
  11. パターンが形成されたマスク上における照明領域に照明光を照射し、当該マスクのパターンの像を投影光学系を介して露光領域に投影し、当該露光領域に位置決めされた基板上のショット領域に前記パターンの像を転写する露光方法であって、
    前記マスクと前記投影光学系と前記基板との少なくとも一つに前記照明光が照射されることにより生じる前記基板上でのフレア量に基づき、前記パターンの像を前記基板に露光する露光条件を決定することを特徴とする露光方法。
  12. 前記露光条件は、更に前記照射領域または前記ショット領域の大きさに基づいて設定されることを特徴とする請求項11に記載の露光方法。
  13. 前記露光条件には、前記基板上のショット領域の間隔が含まれることを特徴とする請求項11又は12に記載の露光方法。
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