以下、本発明が適用された光検出装置を備えた搬送装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明が適用された光検出装置を備えた搬送装置を用いたディスク状記録媒体Dに対して記録及び/又は再生を行う記録媒体ドライブ装置1を図1に示す。この記録媒体ドライブ装置1は、図1及び図2に示すように、記録媒体としてディスク状記録媒体Dを用い、このディスク状記録媒体に対して情報信号の記録や再生を行う装置であり、カバー2とベース体3と該ベース体3に配置された所要の各部材及び各機構によって構成されている。
カバー2はガラスや樹脂等の透明材料によって形成され、下方に開口された一方向に長い略蒲鉾状に形成されている。カバー2は横断面形状で略円弧状を為す覆い部2aと該覆い部2aの長手方向における両端部に位置する側面部2b、2bとが一体に形成されて成る。
尚、以下の説明にあっては、カバー2の長手方向を前後方向とし、これに直交する方向をそれぞれ上下方向及び左右方向とする。
図3に示すように、カバー2の長手方向に延びる一方の下面は被検出部4として形成されている。被検出部4は前方側から第1の非反射部4a、反射部4b及び第2の非反射部4cによって構成されている。第1の非反射部4aは被検出部4の前端部に形成され、反射部4bは第1の非反射部4aに連続され被検出部4の長手方向における略中央部まで形成され、第2の非反射部4cは反射部4bを挟んで第1の非反射部4aの反対側にカバー2の後端部まで形成されている。反射部4bは、例えば、カバー2の下面にアルミ蒸着等が施されることによって形成されている。非反射部4a、4cは、例えば、カバー2の下面に光吸収膜が施されることによって形成されている。尚、非反射部4a、4cは、例えば、カバー2の下面に光透過膜が施されることによって形成されていてもよい。
ベース体3は、図1及び図2に示すように、ベースパネル5と該ベースパネル5の下側に位置するボトムパネル6とが結合されて成り、該ボトムパネル6は上方に開口された前後方向に長い箱状に形成されている。
ベースパネル5は、図4に示すように、略平板状に形成されたベース部7と該ベース部7から下方へ突出された支持筒部8、8、8とが一体に形成されて成る。
ベース部7の左側縁には、長手方向に離隔して4つの透過孔7a、7a、・・・が形成されている。
ベース部7の右側縁には、長手方向に離隔して複数の操作釦9、9、・・・が配置されている。操作釦9、9、・・・としては、例えば、電源のオン・オフを行うための電源釦、カバー2の開閉動作を行うためのオープン釦及びクローズ釦、ディスク状記録媒体Dに記録された情報信号の再生を行うためのプレイ釦、再生状態を一時停止するための一時停止釦、再生動作を停止するためのストップ釦、音量の変更を行うためのボリューム釦等が設けられている。
図1及び図4に示すように、ベース部7の長手方向における前端側には記録媒体載置部10が設けられている。記録媒体載置部10は平面で見て円形状を為す浅い凹状に形成され、底面がディスク載置面11として形成されている。ディスク載置面11は、緩やかな凹曲面、例えば、球面に形成され、その中央点は最も下方に位置された基準点11aとして形成されている。記録媒体載置部10には、上下に貫通されたセンサー孔10a、10a、10aが形成されている。
ベースパネル5の支持筒部8、8、8はディスク載置面11の外周側の部分から下方へ突出され、上方に開口されている。従って、ベース部7には3つの開口7b、7b、7bが形成され、該開口7b、7b、7bはディスク載置面11とその直ぐ外側の部分に跨って形成されている。支持筒部8、8、8は周方向に等間隔に離隔して設けられ、その各中心軸と基準点11aとの放射方向における距離が同じにされている。
支持筒部8は上下に長い円弧面部12と該円弧面部12の下側開口を閉塞する閉塞面部13とから成り、円弧面部12と閉塞面部13の基準点11a側の部分は切り欠かれ、この切欠が配置用切欠8aとして形成されている。
ベース体3の内部には、透過孔7a、7a、・・・の下側に、それぞれ第1のセンサー14、第2のセンサー15、第3のセンサー16、第4のセンサー17が配置されている。第1のセンサー14、第2のセンサー15、第3のセンサー16及び第4のセンサー17は、例えば、反射型の光センサーであり、カバー2の被検出部4の位置を検出する検出手段として機能し、発光部から発光された検出光を受光部で受光してON状態とされる。
ベース体3の内部には、記録媒体載置部10に形成されたセンサー孔10a、10a、10aの真下の位置に、それぞれ検出センサー18、18、18が配置されている。検出センサー18、18、18は周方向に等間隔に離隔して設けられ、その各中心と基準点11aとの放射方向における距離が同じにされている。この検出センサー18、18、18は、図5及び図6に示すように、発光素子21と受光素子22とを有するフォトインタラプタ20を備え、ディスク状記録媒体Dがディスク載置面11の上方に位置されているときに、発光素子21から出射されセンサー孔10a、10a、10aを透過された検出光がディスク状記録媒体Dで反射されることにより、この反射光を受光してディスク状記録媒体Dの有無を検出するものである。
具体的に、検出センサー18は、フォトインタラプタ20と、フォトインタラプタ20から受発光される光をディスク載置面11の上方に位置されているディスク状記録媒体Dの所定の位置に対応して集光させる光学素子23と、これらフォトインタラプタ20及び光学素子23とを収納するハウジング24とを有する。
フォトインタラプタ20は、例えばLED(light emitting diode)からなる発光素子21と、フォトトランジスタからなる受光素子22とを有する。発光素子21の光が出射される発光面21aと、ディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbにより反射された光を受光する受光素子22の受光面22aとは、ともにディスク載置面11の上方に開口されたセンサー孔10a側に向けてハウジング24内に収納されている。
光学素子23は、発光素子21から出射された光をディスク載置面11の上方に位置されているディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに集光させることにより、受光素子22によって確実にディスク状記録媒体Dからの強度の反射光を検出させるものである。この光学素子23は、例えばアクリル樹脂をモールド成形することにより形成され、発光素子21から出射された光及びディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbから反射された光を効率よく透過することができる。また、光学素子23は、発光素子21の発光面21a及び受光素子22の受光素子22aの上方に載置されてハウジング24内に収納されている。
この光学素子23は、図5及び図6に示すように、断面凸状に形成された一対の透過ブロック26,27が突き合わされることにより、略円盤状の基部23aと、この基部23aの径方向に亘って立ち上がり形成され光を回折させる回折部23bとが形成されている。
光学素子23を構成する一対の透過ブロック26,27は、半円状のベース部28,29と、ベース部28,29より立ち上がり形成され光を回折させる回折壁30,31とが形成されている。光学素子23がフォトインタラプタ20上に配置されることにより、回折壁30は発光素子21の発光面21a上に位置され、また、回折壁31は受光素子22の受光面22a上に位置されている。この回折壁30は、上面部に傾斜角度の異なる第1及び第2の傾斜面30a,30bが形成され、回折壁31にも同様に、上面部に傾斜角度の異なる第1及び第2の傾斜面31a,31bが形成されている。
回折壁30第1の傾斜面30aは、発光素子21から出射された光がディスク載置面11に載置されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに焦点が合うような角度を有している。したがって、光学素子23は、発光素子21から出射された光をディスク載置面11に載置されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに収斂させ、強度の反射光を検出させることにより確実にディスク状記録媒体Dがディスク載置面に載置されたことを検出させる。
また、回折壁30の第2の傾斜面30bは、発光素子21から出射された光が取り出し位置に搬送されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに焦点が合うような角度を有している。したがって、光学素子23は、発光素子21から出射された光を排出位置に搬送されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに収斂させ、強度の反射光を検出させることにより確実にディスク状記録媒体Dが排出位置に保持されていることを検出させる。
回折壁31の第1の傾斜面31aは、ディスク載置面11に載置されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbより反射された光が受光素子22に焦点が合うような角度を有している。したがって、光学素子23は、発光素子21よりディスク載置面11に載置されたディスク状記録媒体Dに出射された光の反射光を受光素子22に収斂させることにより、確実にディスク状記録媒体Dがディスク載置面11に載置されたことを検出させる。
回折壁31の第2の傾斜面31bは、取り出し位置に搬送されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbより反射された光が受光素子22に焦点が合うような角度を有している。したがって、光学素子23は、発光素子21より排出位置に搬送されたディスク状記録媒体Dに出射された光の反射光を受光素子22に収斂させることにより、確実にディスク状記録媒体Dが排出位置に保持されていることを検出させる。
また、一対の透過ブロック26,27は、突き合わせ面26a,27aに、フォトインタラプタ20に対して受発光される光の乱反射を防止する遮蔽部32,33が形成されている。遮蔽部32,33は、透過ブロック26,27の突き合わせ面26a,27aに、銀箔等光を透過しない材料からなるシートを貼着したり、光を透過しない材料を塗布又は蒸着する等により形成される。この遮蔽部32,33は、透過ブロック26を透過する発光素子21から出射された光が透過ブロック27内に入射することを防止し、また、透過ブロック27を透過して受光素子22に収斂するディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbからの反射光が透過ブロック26内に入射することを防止するものである。これにより、光学素子23は、透過ブロック26,27内に光が透過する際に透過ブロック26,27内を光が乱反射することを防止することができ、発光素子21から出射された光のみをディスク状記録媒体Dに照射させ、またディスク状記録媒体Dから反射された光のみを受光素子22に入射させることができ、光の強度が減衰することを防止できる。
また、光学素子23は、フォトインタラプタ20上に配置されると共に記録媒体載置部10のセンサー孔10aより外方に臨まされていることより、塵埃等が直接フォトインタラプタ20の発光素子21や受光素子22上に付着することを防止している。
ハウジング24は、フォトインタラプタ20及び光学素子23を収納する収納部35が形成され、この収納部35の下方が開口されることにより、フォトインタラプタ20及び光学素子23が下方の開口から挿入される。フォトインタラプタ20を収納する下側収納部36は、フォトインタラプタ20の外筐体の形状に応じて例えば略矩形状に形成されている。また、光学素子23を収納する上側収納部37は、光学素子23の形状に応じてベース部28,29が収納される円形収納部37aと、回折壁30,31が収納されるとともに上方が開口されることにより回折壁30,31をセンサー孔10よりディスク載置面11上に臨ませる長孔形収納部37bとを有する。円形収納部37aは、フォトインタラプタ20が収納される下側収納部36より縮径されることに下側収納部36との間に段差部38が形成されている。また、長孔形収納部37bは、ハウジング24の上面24aより突出して形成され、円形収納部37aとの間に段差部39が形成されている。したがって、ハウジング24は、フォトインタラプタ20及び光学素子23が収納されることにより、フォトインタラプタ20の外筐体がこの段差部38に係止されるとともに、光学素子23の基部23aが段差部39に係止されることにより、フォトインタラプタ20及び光学素子23の位置決めが図られ、ガタつくことなく収納することができる。
このようなハウジング24は、記録媒体載置部10のセンサー孔10aの下部に形成された凹部40に配置されている。凹部40は、ハウジング24の上面24aより突出する長孔形収納部37bの形状に応じた段差部40aが形成されている。そして、ハウジング24は、この段差部40aに上面24aが係止されることにより凹部40に配置されると共に、長孔形収納部37bがセンサー孔10aを介してディスク載置面11上に臨まされている。
このような検出センサー18は、光学素子23の透過ブロック26,27に形成された回折壁30,31に所定の傾斜角を備えた第1及び第2の傾斜面30a,30b,31a,31bが設けられているため、ディスク状記録媒体Dの位置に対応して、発光素子21から出射される光が収斂していく。したがって、検出センサー18は、ディスク状記録媒体Dがディスク載置面11に載置されているときや後述する回転体64,64,64により取り出し位置に搬送されているときに、ディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbからの反射光を最も強く検出することができ、ディスク載置面11やディスク状記録媒体Dの取り出し位置におけるディスク状記録媒体Dの有無を反射光の強度によって判別することができる。
なお、光学素子23の材料としてアクリルを用いた場合、アクリルの空気に対する屈折率nは、図5に示すθ1を第1及び第2の傾斜面30a,30bの法線に対する光の出射角、θ2を第1及び第2の傾斜面30a,30bの法線に対する光の入射角とすると、
n=sinθ1/sinθ2=1.49
となる。
次いで、ベース体3のベース部7の後端側の構成について説明する。ベース部7の上面には、図1に示すように、平行な2つのガイド部材49,49が設けられている。ガイド部材49,49は、ベース部7の後端側に設けられ、ベース部7の長手方向に長く形成されている。ガイド部材49,49の互いに対向する面には、それぞれ前後に延びる図示しないガイド溝が形成されている。
ガイド部材49,49間の空間は、その記録媒体載置部10側の略半部がユニット収容部49aとして形成されている。ユニット収容部49aにはベースユニット50が収容可能とされている。ガイド部材49,49間には、ユニット収容部49aを挟んで記録媒体載置部10の反対側にベースユニット50の動作制御を行うためのコントロール基板51が配置されている。
ベースユニット50及びコントロール基板51はその下方に位置された配置ベース52上に配置されている。配置ベース52は前後方向に長く形成され、左右両側面にそれぞれ側方へ突出された図示しない被ガイドピンが設けられている。配置ベース52は、被ガイドピンがガイド部材49,49のガイド溝に摺動自在に係合され、ガイド部材49,49に案内されて前後方向へ移動可能とされている。配置ベース52の右側面には図示しないラック部が形成されている。
ベースパネル5には、右側に位置するガイド部材49の右方にユニット駆動部53が配置されている。ユニット駆動部53は駆動用モーター54と該駆動用モーター54の駆動力が伝達されて回転される図示しない減速ギヤ群とを有し、該減速ギヤ群の最終段のギヤが配置ベース52のラック部に噛合されている。従って、駆動用モーター54が回転されると、その駆動力が減速ギヤ群を介して配置ベース52のラック部に伝達され、駆動用モーター54の回転方向に応じた方向へ配置ベース52とベースユニット50とコントロール基板51とが一体となって前後方向へ移動される。
ベースパネル5には、ユニット駆動部53の後側に表示駆動部55が配置されている。表示駆動部55は制御用回路基板56と各部の動作状態等が表示される表示部57とを有している。
ベースパネル5には、左側に位置するガイド部材49の左方にカバー駆動部58が配置されている。カバー駆動部58は移動用モーター59と該移動用モーター59の駆動力が伝達されて回転される減速ギヤ群60,60とを有し、該減速ギヤ群60,60は移動用モーター59を挟んで前後に設けられている。
移動用モーター59と減速ギヤ群60,60にはそれぞれ図示しないプーリーが設けられ、移動用モーター59のプーリーと減速ギヤ群60,60のプーリーとがそれぞれベルト61,61によって連結されている。従って、移動用モーター59が回転されると、その駆動力がベルト61,61を介して減速ギヤ群60,60に伝達され、該減速ギヤ群60,60が移動用モーター59の回転方向に応じた同じ方向へ同期して回転される。
ベースパネル5上にはギヤ体62,62・・・が回転自在に支持されている。ギヤ体62,62・・・はベースパネル5の左右両端部にそれぞれ2つずつが設けられ、上側に位置するローラー部62a,62a・・・と下側に位置するギヤ部62b,62b・・・とを有している。ローラー部62a,62a・・・は摩擦係数の高い材料、例えば、ゴム材料等によって形成されている。
左側に位置するギヤ体62,62は、ギヤ部62b,62bがそれぞれ減速ギヤ群60,60の最終段のギヤと噛合されている。
ギヤ体62,62・・・は、カバー2がベースパネル5に取り付けられた状態において、ローラー部62a,62a・・・がカバー2の覆い部2aの両側の下端部内面に圧着される。従って、移動用モーター59の駆動力が減速ギヤ群60,60を介して左側に位置するギヤ体62,62に伝達されると、カバー2が移動用モーター59の回転方向に応じた方向へ移動される。
カバー2の内部にはインナーカバー63が配置される。インナーカバー63は樹脂等の不透明な材料によって形成され、下方に開口された前後方向に長い略蒲鉾状に形成されている。インナーカバー63は横断面形状で円弧状を為す閉塞部63aと該閉塞部63aの長手方向における両端部に位置する側壁部63b,63bとが一体に形成されて成る。閉塞部63aの後端部には透孔63cが形成され、閉塞部63aの下端部には前後に離隔してそれぞれ左右に2つずつの配置用切欠63d,63d・・・が形成されている。前側の側壁部63bには下方に開口された切欠が形成され、該切欠が挿脱口63eとして形成されている。
インナーカバー63はガイド部材49,49、ベースユニット50、コントロール基板51、配置ベース52、ユニット駆動部53、表示駆動部55及びカバー駆動部58を閉塞するようにベースパネル5に取り付けられる。インナーカバー63がベースパネル5に取り付けられた状態においては、透孔63cに対応して表示駆動部55の表示部57が位置され、外部から表示部57の表示が視認可能とされる。インナーカバー63がベースパネル5に取り付けられた状態においては、配置用切欠63d,63d・・・がそれぞれギヤ体62,62・・・に対応して位置され、ギヤ体62,62・・・の一部がインナーカバー63から外方へ突出される。ベースユニット50はインナーカバー63の挿脱口63eを通って前方へ移動可能とされる。
ベースパネル5の支持筒部8、8、8には、図4に示すように、それぞれ回転体64,64,64が回転自在に支持されている。回転体64,64,64はディスク状記録媒体Dをセンターリングする機能を有すると共にディスク状記録媒体Dを持ち上げる機能をも有する。
回転体64は略円柱状に形成され、上面64aはベースパネル5のディスク載置面11に対応した緩やかな曲面に形成されている。回転体64の上面64aの一端部には、上方へ突出されたディスクセンターリング部65が設けられ、該ディスクセンターリング部65はベース部7の開口7bのうちのディスク載置面11の直ぐ外側の跨った部分に対応して形成されている。
回転体64の周面は、上端部を除く部分が切り欠かかれている。回転体64には、この切欠によって周方向に連続して第1のゼネバ面66と被押圧面67とが形成されている。第1のゼネバ面66は凹状を為す円弧面に形成され、被押圧面67は所定の形状に形成された曲面に形成されている。被押圧面67の下端部はさらに内側に切り欠かれ、この切欠によって第2のゼネバ面68が形成されている。
回転体64には、第1のゼネバ面66の下端部から突出された摺動ピン69が設けられている。
回転体64,64,64は、図1及び図2に示すように、それぞれ支持筒部8、8、8に上側から挿入されて回転自在に支持される。
回転体64,64,64がそれぞれ支持筒部8、8、8に支持され、ディスクセンターリング部65,65,65がベースパネル5のうちディスク載置面11の直ぐ外側の部分に対応して位置された状態においては、図7に示すように、ベースパネル5のディスク載置面11と回転体64,64,64の上面64a,64a,64aとが連続した曲面とされる。
図4に示すように、ベースパネル5のベース部7の下面には、略円柱状に形成されたカム部材70が回転自在に支持されている。
図8に示すように、カム部材70は、その周面に3つの凹部71,71,71が形成されている。凹部71,71,71はその外面が外方へ突の円弧面に形成されている。カム部材70の周面のうち、凹部71,71,71以外の面は外側周面部72,72,72として形成されている。
カム部材70には凹部71,71,71が形成されることにより、凹部71,71,71と外側周面部72,72,72との間に、周方向に離隔してそれぞれ2つずつの段差部が形成されている。この段差部は、一方がそれぞれ第1の押圧部72a,72a,72aとして設けられ、他方がそれぞれ第2の押圧部72b,72b,72bとして設けられている。
カム部材70の凹部71,71,71の下端部には、それぞれ外方へ突の円弧状を為す突出片73,73,73が設けられ、該突出片73,73,73の外面は外方へ突の円弧面に形成されている。突出片73,73,73は、その外面が外側周面部72,72,72より稍外側に位置されている。
カム部材70の周面には周方向に等間隔に離隔してカム溝74,74,74が形成されている。カム溝74は下側水平部74aと該下側水平部74aから離隔するに従って上方へ変位するように傾斜された傾斜部74bと該傾斜部74bに連続する上側水平部74cとから成る。下側水平部74aは凹部71と外側周面部72とに跨る位置に形成され、傾斜部74bと上側水平部74cは外側周面部72に形成されている。
カム部材70の下端部には周方向に延びるギヤ部75が設けられている。
カム部材70は図示しない支持軸を介してベースパネル5に回転自在に支持される。
カム部材70がベースパネル5に支持された状態においては、カム部材70の外周部が配置用切欠8a、8a、8aに対応して位置される。
カム部材70は図示しない作動モーターの駆動力がギヤ部75に伝達されて回転され、作動モーターの回転方向に応じた方向へ回転される。
図1及び図9に示すように、ベースユニット50は筐体76に所要の各部が配置又は支持されて成り、筐体76はアッパーケース77とボトムケース78とが上下で結合されて成る。
アッパーケース77は下方に開口された前後方向に長い略矩形の箱状に形成され、天板部77aと該天板部77aの周縁から下方へ突出された周面部77bと該周面部77bからさらに下方へ突出された突出部77cとが一体に形成されて成り、該突出部77cは後端側に設けられている。従って、アッパーケース77には、突出部77cが設けられていない部分に突出部77cの高さ分の切欠77dが形成されている。
アッパーケース77の天板部77aの下面には第1の検出スイッチ79が配置されている。天板部77aの下面からは下方へ向けて位置決め軸77eが突出されている。
ボトムケース78は前後方向に長い略矩形の浅い箱状に形成され、底壁部78aと該底壁部78aの周縁から上方へ突出された周壁部78bとが一体に形成されて成り、上方に開口されている。ボトムケース78内には、その前端部にスピンドルモーター80が配置されている。
ボトムケース78内には光ピックアップ81がボトムケース78の長手方向に移動可能に支持され、光ピックアップ81の移動ベース81aの左右両端部にそれぞれ被案内部81b,81cが設けられている。
ボトムケース78内にはステッピングモーター82と該ステッピングモーター82によって回転されるリードスクリュー83とが配置されている。光ピックアップ81の一方の被案内部81cにはリードスクリュー83が貫通された状態で螺合されている。光ピックアップ81は、ステッピングモーター82が回転されると、その回転方向に応じた方向へ移動ベース81aが送られて前後方向へ移動される。
ボトムケース78の底壁部78aの後端寄りの位置には、上方へ突出された位置決め筒84が設けられている。
アッパーケース77とボトムケース78は、例えば、ネジ止めによって突出部77cの下面と周壁部78bの上面とが接した状態で結合され、筐体76が構成される。筐体76が構成された状態においては、アッパーケース77に切欠77dが形成されている分、図1に示すように、アッパーケース77とボトムケース78との間にディスク状記録媒体Dが挿入される挿入空間76aが形成される。
図9に示すように、アッパーケース77の下面には案内部材85が取り付けられる。案内部材85は、図10に示すように、平板部86と該平板部86の左右両側縁からそれぞれ下方へ突出された側板部87,87とが一体に形成されて成る。
平板部86の下面には、その後端部に第2の検出スイッチ88が取り付けられている。平板部86の下面には下方へ突出されたガイドピン86a,86a,86aが設けられている。平板部86にはギヤ支持軸89が設けられ、該ギヤ支持軸89は平板部86の下面から下方へ突出されている。平板部86にはギヤ支持軸89が設けられ、該ギヤ支持軸89は平板部86の下面から下方へ突出されている。平板部86には軸挿入孔86bが形成されている。
側板部87,87にはそれぞれ前後に離隔して2つずつの案内孔87a,87a・・・が形成され、該案内孔87a,87a・・・は上下に長くされている。
図9に示すように、案内部材85にはカムスライダー90が前後方向へ移動自在に支持される。カムスライダー90は、図11に示すように、平面板部91と該平面板部91の左右両側縁からそれぞれ下方へ突出された側面板部92,92とが一体に形成されて成る。
平面板部91には、左右に離隔して第1の逃げ孔91aと第2の逃げ孔91bが形成され、第1の逃げ孔91aと第2の逃げ孔91bは何れも前後方向に長くされている。平面板部91の左右両端部には、それぞれガイド孔91c,91c,91cが形成されている。
図11及び図12に示すように、側面板部92,92にはそれぞれ前後に離隔して前側カム孔93,93と後側カム孔94,94が形成されている。前側カム孔93は、前後に延びる水平部93aと、該水平部93aの後端に連続し後方へ行くに従って下方へ傾斜する傾斜部93bと、該傾斜部93bの後端に連続し後方へ行くに従って緩やかに下方へ傾斜する作用部93cとから成る。従って、作用部93cは傾斜部93bより水平部93aに対する傾斜角度が小さくされている。後側カム孔94は、前後に延びる水平部94aと、該水平部94aの後端に連続し後方へ行くに従って下方へ変位する傾斜部94bと、該傾斜部94bの後端に連続し前後に延びる作用部94cとから成る。
前側カム孔93,93の水平部93a,93aは後側カム孔94,94の水平部94a,94aより稍上方に位置されている。従って、図12に示すように、水平部93a,93aの高さ方向における中線M1は水平部94a,94aの高さ方向における中線M2よりも高い位置にある。
前側カム孔93,93の作用部93c,93cは、上記のように、後方へ行くに従って下方へ変位するように緩やかに傾斜され、その前端部が後側カム孔94,94の作用部94c,94cと同じ位置にある。従って、図12に示すように、作用部93c,93cの後端部は作用部94c,94cの高さ方向における中線M3より低い位置にある。
図9及び図11に示すように、カムスライダー90には、平面板部91の下面にラック部材95が取り付けられている。
図9に示すように、カムスライダー90及び案内部材85には支持アーム96が支持される。支持アーム96は、図13に示すように、前後に長いアーム板97と、該アーム板97の後端部の左右両側縁からそれぞれ下方へ突出された側板98,98とが一体に形成されて成る。
アーム板97の前端部には支持孔97aが形成され、後端部にはギヤ配置孔97bが形成されている。アーム板97のギヤ配置孔97bの近傍の位置には、軸挿通孔97cが形成されている。アーム板97の後端寄りの位置には、その左右両側縁にバネ支持孔97d,97dが形成されている。
アーム板97の前後両端部を除いた部分には、補強リブ97e,97eが設けられている。補強リブ97e,97eはアーム板97の左右両側縁に設けられ、アーム板97の一部が上方側に90°折り曲げられることにより形成されている。
側板98,98には、それぞれ前後に離隔して外方へ突出された被支持軸98a,98a,98b,98bが設けられている。側板98,98間には、前側に位置する被支持軸98a,98a間を連結する連結軸99が設けられている。従って、連結軸99は側板98,98の内面間に位置されている。
側板98,98の上端部にはバネ支持片98c,98cが設けられている。図14に示すように、バネ支持片98c,98cは側板98,98の一部が内側に折り曲げられることにより形成され、バネ支持片98c,98cとアーム板97間には所定の間隔が形成されている。
図9、図13及び図14に示すように、支持アーム96には線バネ100が支持されている。線バネ100は、左右方向に長い基部100aと、該基部100aの左右両端部からそれぞれ略後方へ突出された前側変形部100b,100bと、該前側変形部100b,100bの後端からそれぞれ略後方へ突出された後側変形部100c,100cと、該後側変形部100c,100cの後端部から上方へ突出された被支持部100d,100dが一体に形成されて成り、前側変形部100b,100bと後側変形部100c,100cとの連結部分が僅かに折り曲げられた弾接部100e,100eとして形成されている。
線バネ100は、被支持部100d,100dがそれぞれアーム板97のバネ支持孔97d,97dに挿入され、後側変形部100c,100cの後端寄りの部分がそれぞれバネ支持片98c,98cとアーム板97との間に挿入され、弾接部100e,100eが連結軸99に下方から弾接されて支持アーム96に支持される。
支持アーム96は、図15に示すように、前側に位置する被支持軸98a,98aがそれぞれカムスライダー90の前側カム孔93,93及び案内部材85の前側の案内孔87a,87aに挿入され、後側に位置する被支持軸98b,98bがそれぞれカムスライダー90の後側カム孔94,94及び案内部材85の後側の案内孔87a,87aに挿入されて支持される。従って、カムスライダー90が案内部材85に対して前後方向へ移動されると、被支持軸98a,98aと被支持軸98b,98bの前側カム孔93,93と後側カム孔94,94に対する位置により、被支持軸98a,98a及び被支持軸98b,98bが案内孔87a,87a・・・に案内され、支持アーム96が略上下方向へ移動される。
図9、図13、図15及び図16に示すように、支持アーム96にはチャッキングプーリー101が支持される。チャッキングプーリー101は支持板102と押さえ部材103とが上下で結合されて成る。
支持板102は略円板状に形成され、支持アーム96の支持孔97aより大きくされている。支持板102の中心部には突部挿通孔102aが形成されている。
押さえ部材103は、図16に示すように、円形状の被取付部103aと該被取付部103aの周縁から斜め下方へ突出された周面部103bと該周面部103bの下縁に連続する円環状を為す押さえ部103cと被取付部103aの下面から下方へ突出された円筒状を為す位置決め突部103dとから成る。位置決め突部103dの下側の内周縁には、下方へ行くに従って位置決め突部103dの外周面に近付く方向へ傾斜された被案内縁103eが形成されている。被取付部103aの中心部には上方に突の略半球状を為すピボット突部103fが設けられている。
チャッキングプーリー101は押さえ部材103の被取付部103a及び周面部103bが支持孔97aに下方から挿入され被取付部103aが支持板102に取り付けられて支持アーム96に支持される。押さえ部材103が支持板102に取り付けられた状態においては、支持板102からピボット突部103fが上方へ突出される。チャッキングプーリー101が支持アーム96に支持された状態においては、軸回り方向へ回転可能及び軸方向(上下方向)へ移動可能とされる。
チャッキングプーリー101が支持アーム96に支持された状態において、支持板102を上方から覆うようにして押さえ板104がアーム板97の上面に取り付けられる。
支持アーム96が案内部材85及びカムスライダー90に支持された状態においては、案内部材85のギヤ支持軸89がカムスライダー90の第2の逃げ孔91bを挿通されている。図9に示すように、ギヤ支持軸89には2段ギヤである駆動ギヤ105が支持される。駆動ギヤ105は支持アーム96のギヤ配置孔97bに配置され、その小径部105aがカムスライダー90に取り付けられたラック部材95に噛合される。
図9に示すように、案内部材85の平板部86の後端部の下面には駆動ユニット106が取り付けられる。駆動ユニット106は、図15に示すように、取付板106aと該取付板106aに取り付けられた昇降用モーター107と取付板106aに支持された第1の減速ギヤ108、第2の減速ギヤ109とから成る。昇降用モーター107のモーター軸にはウォーム107aが固定され、該ウォーム107aに第1の減速ギヤ108が噛合され該第1の減速ギヤ108に第2の減速ギヤ109が噛合されている。
第2の減速ギヤ109は駆動ユニット106が案内部材85に取り付けられた状態において、駆動ギヤ105の大径部105bに噛合される。従って、昇降用モーター107が回転されると、その駆動力が順に第1の減速ギヤ108、第2の減速ギヤ109及び駆動ギヤ105を介してラック部材95に伝達され、カムスライダー90が昇降用モーター107の回転方向に応じた方向(前後方向)へ移動される。
筐体76のボトムケース78には組付板110が取り付けられる。組付板110は前端側に位置する押さえ部110aと該押さえ部110aの左端部から後方へ突出された延設部110bとが一体に形成されて成る。延設部110bには光ピックアップ81の移動ベース81aの被案内部81bが摺動自在に支持される。
支持アーム96が案内部材85及びカムスライダー90に支持された状態においては、アッパーケース77に設けられた位置決め軸77eが案内部材85の軸挿入孔86b、カムスライダー90の第1の逃げ孔91a及び支持アーム96のギヤ配置孔97bを挿通されている。アッパーケース77とボトムケース78とが結合されるときには、位置決め軸77eがボトムケース78の位置決め筒84に挿入されてアッパーケース77とボトムケース78との位置決めが行われる。従って、アッパーケース77とボトムケース78との位置決めが容易であり、ベースユニット50の組立作業における作業性の向上を図ることができる。
図9に示すように、筐体76内に配置されたスピンドルモーター80にはディスクテーブル111が支持されている。
図16に示すように、ディスクテーブル111はスピンドルモーター80のモーター軸となる中心軸111aとテーブル部112とセンターリング突部113と付勢バネ114とによって構成されている。付勢バネ114はセンターリング突部113をテーブル部112に対して上方へ付勢する付勢手段として機能する。
テーブル部112は外形が円形状に形成された基部115と該基部115の外周縁から外方へフランジ状に張り出された載置部116とから成り、基部115には上方に開口された配置凹部115aが形成されている。基部115の中央部には上下に貫通する固定孔115bが形成され、基部115の固定孔115bを挟んだ180°反対側の位置にそれぞれ上下に貫通する軸支持孔115c,115cが形成されている。基部115には軸支持孔115c,115cに連続してその下側に規制凹部115d,115dがそれぞれ形成され、該規制凹部115d,115dは下方に開口され軸支持孔115c,115cより開口面積が大きくされている。
テーブル部112の固定孔115bには中心軸111aが挿通されて固定されている。
センターリング突部113は一部がテーブル部112の配置凹部115aに配置された状態とされている。センターリング突部113の中央部には上下に貫通する被支持孔113aが形成され、該被支持孔113aに中心軸111aの上端部が挿入され、センターリング突部113が中心軸111aにその軸方向に移動自在に支持されている。センターリング突部113の周面には、上方側から案内用傾斜面113bとセンターリング用傾斜面113cとが形成され、案内用傾斜面113bはセンターリング用傾斜面113cに対して中心軸111aの軸方向に対する傾斜角度が大きくされている。
センターリング突部113には位置決め凹部113dが形成され、該位置決め凹部113dは被支持孔113aの周囲に形成され上方に開口されている。位置決め凹部113dの上側の内周縁には、上方へ行くに従って内方へ変位するように傾斜された案内縁113eが形成されている。
センターリング突部113には被支持孔113aを挟んだ互いに180°反対側の位置にそれぞれ軸固定孔113f,113fが形成され、該軸固定孔113f,113fは上下に延び下方に開口されている。
センターリング突部113には被支持孔113aの周囲に下方に開口されたバネ支持凹部113gが形成されている。
バネ支持凹部113gには圧縮コイルバネである付勢バネ114が配置され、該付勢バネ114がテーブル部112とセンターリング突部113とに弾接されている。従って、センターリング突部113は付勢バネ114によってテーブル部112に対して上方へ付勢され、テーブル部112の配置凹部115aの底面とセンターリング突部113の下面との間に、センターリング突部113を移動させるための一定の間隔が形成される。
テーブル部112の軸支持孔115c,115cにはそれぞれ抜け止め軸117,117が挿入され、該抜け止め軸117,117の上端側の部分がセンターリング突部113の軸固定孔113f,113fに挿入されて固定されている。抜け止め軸117,117は軸支持孔115c,115cに対しては摺動可能とされている。
抜け止め軸117,117の下端部にはそれぞれ抜け止め部117a,117aが設けられ、該抜け止め部117a,117aは、例えば、所謂Eリングである。抜け止め部117a,117aはそれぞれテーブル部112の規制凹部115d,115dに位置されている。抜け止め部117a,117aが規制凹部115d,115dの上面に接することにより、付勢バネ114によって上方へ付勢されたセンターリング突部113の中心軸111aからの脱落が防止される。
ディスク状記録媒体Dの中心孔Daにセンターリング突部113が下方から挿入されるときには、ディスク状記録媒体Dの内周縁がセンターリング突部113の案内用傾斜面113bに案内されてセンターリング用傾斜面113cに接する。ディスク状記録媒体Dの中心孔Daにセンターリング突部113が挿入されると、上記チャッキングプーリー101が下降され、ディスクテーブル111とチャッキングプーリー101とによってディスク状記録媒体Dの内周部が挟持されて該ディスク状記録媒体Dがチャッキングされる。
このときチャッキングプーリー101の位置決め突部103dの被案内縁103eがディスクテーブル111の位置決め凹部113dの案内縁113eに案内され、位置決め突部103dが位置決め凹部113dに挿入されてチャッキングプーリー101とディスクテーブル111との位置決めが行われる。同時に、ディスク状記録媒体Dの内周縁がセンターリング突部113のセンターリング用傾斜面113cに接した状態において、チャッキングプーリー101の下降に伴ってディスク状記録媒体Dとセンターリング突部113とが一体となって付勢バネ114の付勢力に抗して下方へ移動されることにより、中心軸111aに対するディスク状記録媒体Dの位置決め(センターリング)が行われる。
上記のように、センターリング突部113をテーブル部112に対して中心軸111aの軸方向へ移動可能とすることにより、ディスク状記録媒体Dの中心孔Daの径のバラツキが吸収され良好な精度でディスク状記録媒体Dの中心軸111aに対するセンターリングが行われる。
ディスク状記録媒体Dがチャッキングされた状態においては、テーブル部112の載置部116に押し付けられたディスク状記録媒体Dにチャッキングプーリー101が圧着される。
上記したように、ディスクテーブル111にあっては、中心軸111aと平行な状態で位置され抜け止め部117a,117aを有する抜け止め軸117,117によってセンターリング突部113の中心軸111aに対する抜けを防止しているため、中心軸111aに抜け止め部を設ける部分を必要としないと共に中心軸111aに対するテーブル部112及びセンターリング突部113の十分な接触長さを維持することができ、チャッキングプーリー101及びディスクテーブル111によるディスク状記録媒体Dの回転時の安定した回転動作を確保することができると共に記録媒体ドライブ装置1の薄型化を図ることができる。
また、チャッキングプーリー101に位置決め突部103dを設け、ディスクテーブル111に位置決め突部103dが挿入される位置決め凹部113dを形成しているため、チャッキングプーリー101とディスクテーブル111との位置決めのために中心軸111aをディスクテーブル111から上方へ突出させる必要がなく、その分、記録媒体ドライブ装置1の薄型化を図ることができる。
さらに、ディスクテーブル111にあっては、2つの抜け止め軸117,117を中心軸111aを挟んだ互いに180°反対側に設けているため、回転動作時の良好なバランスを確保することができる。
加えて、ディスクテーブル111にあっては、2つの抜け止め軸117,117と中心軸111aとの距離を同じにしているため、回転動作時の一層良好なバランスを確保することができる。
尚、上記には、ディスクテーブル111に2つの抜け止め軸117,117を設けた例を示したが、抜け止め軸117,117の数は任意であり、3つ以上設けた場合には、中心軸111aを中心とした周囲に周方向に等間隔に、かつ、中心軸111aからの距離が同じとなる位置に設けることが望ましい。
以下に、図17乃至図34を参照しながら記録媒体ドライブ装置1の動作について説明する。
記録媒体ドライブ装置1にあっては、操作釦9、9、・・・のうちの電源釦が操作されて通電状態とされることにより動作が開始可能とされる。先ず、動作が開始される前の各部の初期状態について説明する。
初期状態においては、図17に示すように、ベースユニット50はインナーカバー63内においてガイド部材49,49間のユニット収容部49aに収容されている。ベースユニット50がユニット収容部49aに収容された状態にあっては、図18に示すように、支持アーム96の被支持軸98a,98a,98b,98bがそれぞれ案内部材85の案内孔87a,87aの上端部に係合されると共にカムスライダー90の前側カム孔93,93の水平部93a,93a、後側カム孔94,94の水平部94a,94aに係合されている。従って、カムスライダー90は移動範囲における後方側の移動端に保持され、支持アーム96は移動範囲における上方側の移動端に保持されている。このとき、図18に示すように、カムスライダー90の平面板部91の後端面によって案内部材85に設けられた第2の検出スイッチ88が操作され、カムスライダー90が移動範囲における後方側の移動端に位置されていることが検出されている。
図18に示すように、前側カム孔93,93の水平部93a,93aが後側カム孔94,94の水平部94a,94aより稍高い位置にあるため、支持アーム96が移動範囲における上方側の移動端に保持された状態にあっては、支持アーム96は稍前上がりの状態とされている。
また、図17に示すように、初期状態にあっては、カバー2は記録媒体載置部10及びインナーカバー63を閉塞する閉塞位置にある。
初期状態にあっては、カム部材70の突出片73,73,73は、図19に示すように、それぞれベースパネル5の支持筒部8、8、8の配置用切欠8a、8a、8aに対応して位置され、突出片73,73,73はそれぞれ回転体64,64,64の第2のゼネバ面68,68,68に係合されている。従って、回転体64,64,64の回転が規制されている。回転体64,64,64は下方側の移動端に位置されており、図20に示すように、ベースパネル5のディスク載置面11から上方へ突出されていない。
図20に示すように、回転体64,64,64の摺動ピン69,69,69はカム部材70のカム溝74,74,74に挿入されていない。
図19に示すように、回転体64,64,64は、上記のように、回転が規制されており、ディスクセンターリング部65,65,65が最も外側に位置されている。従って、ディスクセンターリング部65,65,65はディスク載置面11の直ぐ外側に位置されている。
図21に示すように、電源釦が操作され通電された状態において、オープン釦が操作されると、カバー駆動部58によってカバー2が移動され、該カバー2が記録媒体載置部10を開放する開放位置まで移動される。
図22に示すように、カバー2が開放位置に移動された状態において、ディスク状記録媒体Dをディスク載置面11の任意の位置に載置しクローズ釦を操作する。
記録媒体ドライブ装置1にあっては、後述するように、回転体64,64,64のディスクセンターリング部65,65,65がセンターリング位置へ向けて移動されディスク載置面11に載置されたディスク状記録媒体Dの外周縁に接してセンターリングするため、ディスク状記録媒体Dをディスク載置面11の任意の位置に載置することができ、ユーザーのディスク状記録媒体Dの取り扱いが容易である。
ディスク状記録媒体Dがディスク載置面11に載置されると、検出センサー18、18、18によってディスク状記録媒体Dの存在が検出される。
具体的に、検出センサー18は、図23に示すように、フォトインタラプタ20の発光素子21より光をディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに出射する。発光素子21の発光面21aより出射された光が入射された光学素子23は、透過ブロック26の回折壁30に形成された第1の傾斜面30aにより光を回折させ、ディスク載置面11に載置されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに光を収斂させる。したがって、信号記録面Dbにより光が反射され、透過ブロック27へ反射光が入射される。また、光学素子23は、ディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbにより反射された光が透過ブロック27の第1の傾斜面31aを透過することにより回折させ、受光素子22の受光面22aに収斂させる。したがって、受光素子22は、ディスク載置面11上に載置されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbから強度の反射光を受けるため、ディスク状記録媒体Dを確実に検出することができる。
また、透過ブロック26,27の突き合わせ面26a,27aには遮蔽部32,33が形成されているため、発光素子21から出射された出射光や受光素子22に入射される反射光が光学素子23内で乱反射することが防止されている。したがって、受光素子22は、ディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbからの反射光の強度が低下されることなく検出することができる。
なお、このとき、発光素子21より透過ブロック26に入射された光は、回折壁30の第2の傾斜面30bによっても回折されるが、この回折光は取り出し位置に搬送されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに焦点が合わされているため、ディスク載置面11に載置されているディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbで収斂することなく、その反射光は散乱され、受光素子22に検出されることはない。したがって、検出センサー18は、ディスク状記録媒体Dがディスク載置面11に載置される前にディスク状記録媒体Dを検出することがない。
次いで、図24に示すように、クローズ釦が操作されると、カバー2がカバー駆動部58によって閉塞位置まで移動され、記録媒体載置部10が閉塞される。記録媒体載置部10は、上記したように、浅い凹状に形成されているため、ディスク状記録媒体Dはベースパネル5の上面から上方へ突出されておらず、カバー2が閉塞位置へ向けて移動されたときにディスク載置面11に載置されたディスク状記録媒体Dと接触することがない。
次に、プレイ釦を操作すると作動モーターが起動されカム部材70が回転されて回転体64,64,64によるディスク状記録媒体Dのセンターリング動作が開始される。尚、このように、クローズ釦を操作した後にプレイ釦を操作したときにセンターリング動作が開始されるようにしてもよいが、カバー2が開放位置にあるときにプレイ釦を操作することにより、カバー2の開放位置から閉塞位置への移動と回転体64,64,64によるセンターリング動作とが連続して行われるようにしてもよい。
センターリング動作が開始されると、カム部材70が図19に示すR1方向へ回転される。
カム部材70が図19に示すR1方向へ回転されると、突出片73,73,73がそれぞれ回転体64,64,64の第2のゼネバ面68,68,68に摺接され、回転体64,64,64は回転されず、カム部材70の第1の押圧部72a,72a,72aが回転体64,64,64に接近されていく。
図25に示すように、カム部材70の回転により第1の押圧部72a,72a,72aによって回転体64,64,64の第1のゼネバ面66,66,66が押圧され、回転体64,64,64が図25に示すS1方向へ回転される。図26に示すように、回転体64,64,64がS1方向へ回転されると、回転体64,64,64の摺動ピン69,69,69がそれぞれカム部材70のカム溝74,74,74の下側水平部74a,74a,74aに挿入される。
図25に示すように、回転体64,64,64のS1方向への回転により、ディスクセンターリング部65,65,65がディスク状記録媒体Dをセンターリングするセンターリング位置へ向けて回転され、ディスク状記録媒体Dは中心が基準点11aに一致されるようにディスクセンターリング部65,65,65に押圧されて移動されていく。
図27に示すように、ディスク状記録媒体Dの中心軸が基準点11aに一致されたところでディスク状記録媒体Dのセンターリングが完了する。
図28に示すように、カム部材70が引き続き回転されると、回転体64,64,64の摺動ピン69,69,69がカム溝74,74,74の下側水平部74a,74a,74aから傾斜部74b,74b,74bへ向けて相対的に移動される。従って、回転体64,64,64が上方へ移動されてディスク載置面11から上方へ突出され、ディスク状記録媒体Dが持ち上げられていく。このとき回転体64,64,64は、図29に示すように、第1のゼネバ面66,66,66がそれぞれカム部材70の外側周面部72,72,72に摺接されるため、回転体64,64,64は回転されない。
図30及び図31に示すように、カム部材70が引き続き回転され、回転体64,64,64の摺動ピン69,69,69がそれぞれカム溝74,74,74の傾斜部74b,74b,74bから上側水平部74c,74c,74cまで相対的に移動されると、回転体64,64,64は上方側の移動端まで移動され、ディスク状記録媒体Dがセンターリング位置に至る。回転体64,64,64の摺動ピン69,69,69がそれぞれ上側水平部74c,74c,74cまで相対的に移動されたところで、作動モーターの回転が停止されカム部材70の回転が停止される。
これによりディスク状記録媒体Dは、図23に示すローディング位置に搬送される。
続いて、ユニット駆動部53によってベースユニット50、コントロール基板51及び配置ベース52が一体となって、回転体64,64,64によって持ち上げられたディスク状記録媒体Dに近付く図31中矢印L1方向へ移動される。
図32に示すように、ベースユニット50の移動によりディスクテーブル111及びチャッキングプーリー101がディスク状記録媒体Dの中心部に位置されたところでベースユニット50のL1方向への移動が停止される。このときディスク状記録媒体Dは回転体64,64,64によってディスク載置面11から持ち上げられており、チャッキングプーリー101とディスクテーブル111との間にディスク状記録媒体Dが相対的に挿入される。
ベースユニット50がL1方向へ移動されたときには、上記したように、支持アーム96が稍前上がりの状態とされているため、チャッキングプーリー101とディスクテーブル111との間の間隔が広くされており、支持アーム96に自重等により若干の撓みが生じていたとしても、チャッキングプーリー101がディスク状記録媒体Dに接触せずチャッキングプーリー101とディスクテーブル111との間にディスク状記録媒体Dを円滑に挿入することができ、動作の信頼性の向上を図ることができる。
ベースユニット50のL1方向への移動が停止されると、引き続いて、作動モーターが先程とは逆方向へ回転されてカム部材70が図29に示すR2方向へ回転され、回転体64,64,64の摺動ピン69,69,69がカム溝74,74,74の上側水平部74c,74c,74cから傾斜部74b,74b,74bへ向けて相対的に移動され、回転体64,64,64は回転しながら下降されて初期状態に戻る。カム部材70も作動モーターが停止されたところで初期状態に戻る。
回転体64,64,64が下降されると、ディスク状記録媒体Dが回転体64,64,64に伴って下降され、中心孔Daにディスクテーブル111のセンターリング突部113が挿入され、ディスク状記録媒体Dの内周縁がセンターリング用傾斜面113cに接する。従って、回転体64,64,64はディスク状記録媒体Dから下方に離隔される。
回転体64,64,64がディスク状記録媒体Dから下方へ離隔され初期状態に戻ると、案内部材85に取り付けられた駆動ユニット106の昇降用モーター107が回転される。昇降用モーター107が回転されると、駆動ギヤ105に噛合されているラック部材95が前方へ送られてカムスライダー90が前方へスライドされていく。
カムスライダー90が前方へスライドされていくと、支持アーム96の被支持軸98a,98a,98b,98bがカムスライダー90の前側カム孔93,93、後側カム孔94,94及び案内部材85の案内孔87a,87a内を相対的に移動される。被支持軸98a,98a,98b,98bは、図33に示すように、前側カム孔93,93の水平部93a,93aから傾斜部93b,93b、後側カム孔94,94の水平部94a,94aから傾斜部94b,94b内を移動されると共に案内孔87a,87a内を下方へ向けて移動される。従って、カムスライダー90は案内孔87a,87aに案内されて下方へ移動され、該カムスライダー90に支持されたチャッキングプーリー101がディスク状記録媒体Dに近付く方向へ移動されていく。
カムスライダー90がさらに前方へ移動されると、図34に示すように、被支持軸98a,98a,98b,98bは前側カム孔93,93の傾斜部93b,93bから作用部93c,93c、後側カム孔94,94の傾斜部94b,94bから作用部94c,94c内を移動されると共に案内孔87a,87a内をさらに下方へ向けて移動される。従って、支持アーム96はさらに下方へ向けて移動され、チャッキングプーリー101が下降されてディスク状記録媒体Dが押さえ部103cによって下方へ押圧され、ディスク状記録媒体Dとセンターリング突部113とが一体となって付勢バネ114の付勢力に抗して下方へ移動される。
支持アーム96がさらに下方へ移動されるときには、被支持軸98a,98aが緩やかに後下がりに傾斜された作用部93c,93c内を移動され、被支持軸98b,98bが水平な作用部94c,94c内を移動される。従って、支持アーム96は被支持軸98b,98bを支点として図34に示すP方向、即ち、チャッキングプーリー101がディスク状記録媒体Dに近付く方向へ低速で回動される。支持アーム96が被支持軸98b,98bを支点として回動されることにより、チャッキングプーリー101がディスクテーブル111の載置部116に押し付けられたディスク状記録媒体Dに圧着され、ディスクテーブル111とチャッキングプーリー101とによってディスク状記録媒体Dの内周部が挟持されて該ディスク状記録媒体Dがチャッキングされる。ディスク状記録媒体Dがチャッキングされた状態においては、チャッキングプーリー101のピボット突部103fが押さえ板104の下面に接し、該押さえ板104によってチャッキングプーリー101が押さえられている。
このとき、ディスク状記録媒体Dは、図23に示す演奏位置に搬送されている。
上記のようにディスク状記録媒体Dがチャッキングされるときに、支持アーム96が低速で回動されることにより、チャッキングプーリー101のディスク状記録媒体Dへの圧着時の静音性の向上を図ることができると共にチャッキングプーリー101の接触によるディスク状記録媒体Dの傷付き、損傷、変形を防止することができる。
また、前側カム孔93,93の作用部93c,93cが傾斜されているため、支持アーム96の被支持軸98a,98aを作用部93c,93c内で移動させるための昇降用モーター107の駆動力が小さくて済み、記録媒体ドライブ装置1の円滑な動作を確保することができる。
ディスク状記録媒体Dがチャッキングされたときには、カムスライダー90が移動範囲における前方側の移動端に位置されており、図34に示すように、カムスライダー90の平面板部91の前端によってアッパーケース77に取り付けられた第1の検出スイッチ79が操作される。従って、第1の検出スイッチ79によってカムスライダー90が移動範囲における前方側の移動端に位置されていることが検出され、昇降用モーター107の回転が停止される。
ディスク状記録媒体Dのチャッキングが完了されると、スピンドルモーター80が回転され、該スピンドルモーター80の回転に伴ってディスクテーブル111、ディスク状記録媒体D及びチャッキングプーリー101が一体となって回転されると共に光ピックアップ81の駆動によって、例えば、ディスク状記録媒体Dに対する情報信号の再生が行われる。チャッキングプーリー101はピボット突部103fが押さえ板104の下面に接した状態で回転される。
ディスク状記録媒体Dに対する情報信号の再生が終了すると、昇降用モーター107が先程とは逆方向へ回転され、カムスライダー90が後方へ移動されて支持アーム96が上方へ移動される。従って、ディスク状記録媒体Dに対するチャッキングプーリー101とディスクテーブル111とによるチャッキングが解除される。ディスク状記録媒体Dのチャッキングが解除されると、ディスク状記録媒体Dはディスクテーブル111に載置された状態とされる。
カムスライダー90の後方への移動により、平面板部91の後端面によって第2の検出スイッチ88が操作されカムスライダー90が移動範囲における後方側の移動端に位置されていることが検出されることにより、昇降用モーター107が停止されカムスライダー90及び支持アーム96が初期状態に戻る。
続いて、作動モーターが回転されてカム部材70がR1方向へ回転され、回転体64,64,64の摺動ピン69,69,69がカム溝74,74,74の傾斜部74b,74b,74bから上側水平部74c,74c,74cまで相対的に移動され、回転体64,64,64の上面64a,64a,64aがディスク状記録媒体Dの下面に接してディスク状記録媒体Dを持ち上げると共にディスクセンターリング部65,65,65がディスク状記録媒体Dの外周縁に接する。従って、ディスク状記録媒体Dはディスクテーブル111から上方へ持ち上げられる。回転体64,64,64の上面64a,64a,64aがディスク状記録媒体Dの下面に接してディスク状記録媒体Dを持ち上げると共にディスクセンターリング部65,65,65がディスク状記録媒体Dの外周縁に接すると、作動モーターの回転が停止されてカム部材70の回転が停止される。
回転体64,64,64によってディスク状記録媒体Dが持ち上げられると、ユニット駆動部53によってベースユニット50、コントロール基板51及び配置ベース52が一体となって図31に示すL2方向へ移動され、ベースユニット50がユニット収容部49aに収容される。
ベースユニット50が後方へ移動されユニット収容部49aに収容されると作動モーターが回転されてカム部材70がR2方向へ回転され、回転体64,64,64が下方へ移動されディスク状記録媒体Dを取り出し位置に保持する。このディスク状記録媒体Dの取り出し位置は、図23に示すように、ディスク載置面11よりも稍上方の位置であり、ディスク状記録媒体Dとベースパネル5のディスク載置面11との間に一定の空間を形成する位置である。この取り出し位置にディスク状記録媒体Dが保持されることにより、ユーザは容易にディスク状記録媒体Dの側面を把持しやすくなる。そして、オープン釦が操作されると、カバー2が開放位置に移動されることにより、ユーザーはディスク状記録媒体Dを把持して記録媒体ドライブ装置1から取り出すことができる。
ディスク状記録媒体Dが記録媒体ドライブ装置1から取り出されると、検出センサー18、18、18によってディスク状記録媒体Dの排出が検出される。
具体的に、検出センサー18は、図23に示すように、ディスク状記録媒体Dが取り出し位置に搬送されると、フォトインタラプタ20の発光素子21より光をディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに出射する。発光素子21の発光面21aより出射された光が入射された光学素子23は、透過ブロック26の回折壁30に形成された第2の傾斜面30bにより光を回折させ、取り出し位置に搬送されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに光を収斂させる。したがって、信号記録面Dbにより光が反射され、透過ブロック27へ反射光が入射される。また、光学素子23は、ディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbにより反射された光が透過ブロック27の第2の傾斜面31bを透過することにより回折させ、受光素子22の受光面22aに収斂させる。したがって、受光素子22は、取り出し位置に搬送されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbから強度の反射光を受けるため、ディスク状記録媒体Dを確実に検出することができる。
また、透過ブロック26,27の突き合わせ面26a,27aには遮蔽部32,33が形成されているため、発光素子21から出射された出射光や受光素子22に入射される反射光が光学素子23内で乱反射することが防止されている。したがって、受光素子22は、ディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbからの反射光の強度が低下されることなく検出することができる。
なお、このとき、発光素子21より透過ブロック26に入射された光は、回折壁30の第1の傾斜面30aによっても回折されるが、この回折光はディスク載置面11上に載置されたディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに焦点が合わされているため、取り出し位置に搬送されているディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbで収斂することなく、その反射光は散乱され、受光素子22に検出されることはない。したがって、検出センサー18は、ディスク状記録媒体Dが取り出し位置に保持されていることを検出する際に、透過ブロック26に形成された第1の傾斜面30aによる回折光の影響を受けることがない。
そして、ユーザによってディスク状記録媒体Dが取り出されると、検出センサー18は、ディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbからの反射光を検出しなくなる。これにより、検出センサー18は、ディスク状記録媒体Dが排出されたことを検出することができる。
ここで、検出センサー18は、受光素子22による反射光の検出レベルを、ディスク状記録媒体Dの信号記録面Dbに収斂された光の強度な反射光に合わせて設定されているため、ディスク状記録媒体Dが取り出し位置に保持されている状態で、ディスク載置面11との間に設けられた一定の空間から様々な波長の外光が入射された場合にも、ディスク状記録媒体Dが取り出し位置に保持されているか排出されたかを検出する際に、当該外光の影響を受けて誤検出することが防止されている。したがって、検出センサー18は、ディスク状記録媒体Dが取り出し位置に保持されている状態で回転体64,64,64を降下させたり、ディスク状記録媒体Dが排出されているにもかかわらず回転体64,64,64が降下されない事態を防止することができる。
以上のように、検出センサー18、18、18によってディスク状記録媒体Dが存在しない旨が検出されると、作動モーターが回転されてカム部材70がR2方向へ回転され、回転体64,64,64が下方へ移動され初期状態に戻る。
尚、上記には、ベースユニット50が後方へ移動された後に回転体をディスク状記録媒体Dの取り出し位置へ下降させディスク状記録媒体Dを記録媒体ドライブ装置1から取り出す例を示したが、これに代えて、例えば、ベースユニット50の後方への移動に引き続き、回転体64,64,64を下方へ移動させてディスク状記録媒体Dを一旦ディスク載置面11に載置させるようにしてもよい。
この場合、再び、回転体64,64,64によってディスク状記録媒体Dを持ち上げて、取り出し位置で停止させることによりディスク状記録媒体Dとベースパネル5のディスク載置面11との間に一定の空間を形成し、ユーザーのディスク状記録媒体Dの取出を容易に行うことができるようにする。
以上、本発明に係る光検出装置及び光検出装置を備えた搬送装置を適用した記録媒体ドライブ装置について説明したが、上記した実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明の実施に際しての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
D ディスク状記録媒体、Da 中心孔、Db 信号記録面、1 記録媒体ドライブ装置、2 カバー、3 ベース体、4 被検出部、10 記録媒体載置部、10a センサー孔、11 ディスク載置面、18 検出センサー、20 フォトインタラプタ、21 発光素子、22 受光素子、23 光学素子、24 ハウジング、26 透過ブロック、27 透過ブロック、30 回折壁、30a 第1の傾斜面、30b 第2の傾斜面、31 回折壁、31a 第1の傾斜面、31b 第2の傾斜面、32 遮蔽部、33 遮蔽部、35 収納部