JP2005115446A - 入力装置 - Google Patents

Abstract

【課題】無線タグを利用することにより、自動販売機等の入力装置の構造を簡素化する。
【解決手段】貨幣又は紙幣を投入して自動販売機を動作可能にすると、検出装置１０が無線タグＴへ向かって質問信号を発信する。使用者が任意の操作ボタンＰを押すと、これと連動して対応するスイッチ３が動作し、アンテナ２がＯＮになる。その結果、無線タグＴが検出装置１０から送信される電波信号を受信し、応答信号を検出装置１０へ返信する。検出装置１０は、検出アンテナ１１で返信された応答信号を受信し、無線タグＴの保持情報に基づく検知信号を、制御装置２０を介し又は直接、商品排出装置３０へ出力する。無線タグＴごとに保持情報は全て異なるように設定されているから、検知信号に基づき、商品排出装置３０が操作ボタンＰで指示された商品を外部へ排出することができる。
【選択図】 図３

Description

本発明は、例えば缶入り飲料や切符などの自動販売機における操作盤や、パソコンにおけるキーボードやマウス等の如く、操作ボタンを操作することによって機器に所定の動作を実行させる入力装置に関し、詳しくは、操作ボタンにおける選択操作と対応動作との関連づけに、無線タグを利用することを目的とする。

特許文献１に示されるような自動販売機では、その入力装置である商品選択用操作ボタンを多数備える操作盤と、該当する商品の排出装置とが、電気配線によって接続されるのが普通である。
特開２００２−１０９６２１公報

特許文献１に記載された従来の自動販売機では、操作ボタンの数を増加させると、それだけ商品排出装置と接続するための配線の本数を増やさなくてはならないから、配線接続作業やメンテナンス作業が繁雑になるという問題がある。また操作ボタンの個数を増減させるのも、構造上、容易ではない。

本発明は、自動販売機の操作盤の如き入力装置における配線構造を簡素化でき、操作ボタンの個数の変更も容易にできる手段を提供するものであって、その特徴とするところは、複数の操作ボタンと、操作ボタンごとに組み合わされた無線タグと、無線タグとの間で電波の送受信を行う検出装置とを備える入力装置であって、各無線タグは、情報を保持する記憶部を備え検出装置から送信される電波信号に応答して検出装置へ保持情報を電波信号として送信する機能を有すると共に、各無線タグの保持情報が互いに異なっているように設定され、操作ボタンの動作と連動して信号送信機能を有効又は無効にするように動作するスイッチが各無線タグに設けられていることである。なお本発明の適用対象とするのは、缶入り飲料や菓子類の自動販売機や乗車券や食券等の自動券売機など複数の操作ボタンを有する操作盤のほか、パソコンのキーボードやマウス装置などである。

ここで無線タグとは、例えば検出装置から送信される電波を利用して電力を生起させ、記憶部に保持した情報に基づき受信電波を変調し、応答信号を生成して送信するものであり、従って、設置の際に配線工事の必要がなく、内蔵電池も不要である。スイッチは例えば、無線タグのアンテナに設けられ、回路の開閉操作をすることにより、無線タグの信号送信機能を有効又は無効にするよう動作するものが考えられる。

本発明に係る入力装置の動作態様を、自動販売機に適用した場合を例に取って説明すると、次の如くである。利用者が硬貨又は紙幣を投入して自動販売機を操作可能にすると、検出装置が電波を常時送信する状態となり、無線タグとの間で電波信号の送受信が随時可能になる。ここで無線タグのアンテナは、初期状態ではＯＦＦ（回路が開いた状態）であり、スイッチ操作時にＯＮ（回路が閉じた状態）になって、無線タグの信号送受信機能を有効化するものとする。利用者が任意の操作ボタンを押すと、これに対応する無線タグのスイッチが動作し、当該無線タグの信号送受信機能が有効になる。これにより、上記無線タグから検出装置へ応答信号が送信されるが、この応答信号には、無線タグの記憶部に保持される個別情報が含まれる。検出装置は、受信した応答信号中の個別情報を解析することにより、どの操作スイッチが押されたかを判定し、商品排出装置を動作させて、目的の商品を外部へ排出する。

ところで、前記自動販売機において、初期状態では無線タグが常に応答信号を送信可能とし、操作ボタンを押してスイッチを動作させると、無線タグの信号送受信機能が無効化するよう設定することも可能である。すなわちこの場合、スイッチ動作により無線タグの信号送信機能が無効になり、応答信号が途絶したことを検出装置が検知して、所定の商品の排出を実行させる。

本発明に係る入力装置は、本体部に対し着脱可能に構成した操作盤に、操作ボタンと無線タグとを配設し、本体部における操作盤の装着部の近傍に、検出装置に接続される検出アンテナを配設する構成を採用することも可能である。無線タグと検出装置とは電波により交信し、配線接続されるものではないから、無線タグと検出装置とは分離することができる。従って、操作ボタン・無線タグ・スイッチを配設した操作盤を、本体部に対し着脱可能に構成することが可能なので、操作盤の製作作業、設置作業、メンテナンス作業等が非常に容易になる。また、この場合、本体部における操作盤の着脱部の近傍に検出アンテナを配設すれば、操作盤装着時に、無線タグとの交信が確実になる。

なお本発明の実施にあたり、無線タグと、検出装置に接続される検出アンテナとを、電磁気シールド部材で覆うことが望ましい。本発明を適用する自動販売機等の内部には、電磁気的ノイズの発生源となる機器が配置されていることが多い。そこで、電磁気シールド部材で無線タグと検出アンテナとを覆うことにより、交信時のノイズを低減させ、機器の誤動作を防止することができる。

本発明によれば、操作ボタンからこれに対応する機器への指令伝達手段として無線タグと検出装置とを利用したので、入力装置と対応機器との間の配線工事が不要になる。それ故、入力装置が設けられる機器の内部構造を簡素化できる。また、操作スイッチと無線タグとを配設して操作盤を構成した場合は、操作盤を着脱可能にできるから、製作・組立・メンテナンス等の各作業がきわめて簡単になる。さらに、無線タグの増減が容易なので、操作ボタンの個数の変更を簡単に行える。なお、無線タグと検出アンテナとを電磁気シールド部材で覆えば、ノイズの影響を低減させて、動作信頼性を高めることができる。

図１は、本発明に係る入力装置を、自動販売機Ｊの操作盤Ｓに適用した一実施形態を示すものである。この自動販売機Ｊは、正面に装着された操作盤Ｓに、商品選択用の操作ボタンＰが多数設けられ、操作ボタンＰの操作により、内蔵された商品排出装置へ駆動指令が伝達されるよう構成されている。

図２に示す如く、操作盤Ｓは、自動販売機Ｊの本体部Ｊ１に対し着脱可能に構成されている。そして、本体部Ｊ１に形成した操作盤Ｓの装着部Ｔの周囲には、検出装置に接続される検出アンテナ１１が配設される。また、上記装着部Ｔの裏面側全体を覆うように、電磁気ノイズを遮断するためのシールド部材Ｒが配置されている。

図３（Ａ）に示すように、操作盤Ｓの表面部には、商品名表示部Ｑごとに操作ボタンＰが配置されている。そして同図（Ｂ）に示すように、各操作ボタンＰに対応して、ＩＣチップ１，タグアンテナ２及びスイッチ３から成る無線タグＴが配設されている。スイッチ３は、無線タグＴのタグアンテナ２の途中に組み込まれ、操作ボタンＰの押圧操作と連動してアンテナをＯＮ／ＯＦＦ制御するものであり、例えばリードスイッチ・マイクロスイッチ・圧電スイッチ・メンブレンスイッチ・加圧導電ゴムスイッチ等が挙げられる。なおスイッチ３は、初期状態ではアンテナはＯＦＦであり、スイッチ操作を行うとアンテナをＯＮにする場合（常時開）と、反対に、初期状態ではアンテナをＯＮに保ち、スイッチ操作を行うとアンテナをＯＦＦにする場合（常時閉）とが考えられる。またスイッチ３の配置については、アンテナ２の途中とするのが製作上好適と考えられるが、ＩＣチップ１内に組み込むことも妨げない。

タグアンテナ２及び検出アンテナ１１は、検出装置１０から送信される電波を効率よく受信するため、基板上においてコイル状に巻回した面ループ状形態を採用することが可能である。但しアンテナの形態は、交信に使用する電波の周波数や強度等に基づき変更することを妨げるものではなく、例えば棒状・パッチ状（素子状）・複合パッチ状・面状・スロット状・螺旋状・パターン状など状況に応じ適宜採用することが可能である。

無線タグＴのＩＣチップ１の構造は様々な態様が可能であるが、本例では、図４に示すような内部構造を採用した。図面に示す如く、無線通信インターフェースを介してアンテナと接続される受信部及び送信部、受信電波により電力を発生させる電源生成部、電波の復調・変調を制御するＭＰＵ等から成る制御部、当該無線タグの識別情報その他の情報を保持する不揮発性メモリ等から成る記憶部などより構成されている。記憶部に保持される情報は、原則として、無線タグＴごとに全て異なるように設定される。なお上記無線通信インターフェース・受信部・送信部は、一体に構成される場合もある。また、記憶部を読み取り専用メモリで構成してもよいが、所望により書換可能とする場合は、保持情報の更新又は変更のため、外部通信インターフェース（図示せず）をＩＣチップ１に備えることが望ましい。

操作盤Ｓの周囲には、無線タグＴと電波による交信をするための検出アンテナ１１が配設され、検出アンテナ１１は検出装置１０に接続される。検出装置１０は、検出アンテナ１１で受信した無線タグＴからの応答信号に基づき検知信号を出力するものであって、各無線タグＴからの応答信号ごとに、異なる検知信号を出力するよう設定される。なお検知信号は、商品排出装置３０へ直接入力するように構成してもよいが、制御装置２０を介設し、例えば複数の操作ボタンＰが押され複数の応答信号が発生したときに、最先の応答信号だけを有効にし、残りはキャンセルするような処理を行うように設定してもよい。

前記自動販売機Ｊの動作を説明すると次の如くである。なおスイッチ３は、初期状態ではアンテナをＯＦＦに維持し、操作ボタンＰの操作により、アンテナをＯＮにするよう動作するものとする。また無線タグＴの記憶部には、それぞれ個別の情報が保持されているものとする。

使用者が貨幣又は紙幣を投入して自動販売機Ｊを動作可能にすると、検出装置１０が検出アンテナ１１から無線タグＴへ向かって質問信号を常時発信する状態となる。初期状態では、無線タグＴのアンテナ２はスイッチ３によりＯＦＦとなっており、従って無線タグＴからの応答は無い。使用者が任意の操作ボタンＰを押すと、これと連動して対応するスイッチ３が動作し、アンテナ２がＯＮになる。その結果、スイッチ３が操作された無線タグＴが、検出装置１０から送信される電波信号を受信し、受信電波のエネルギーを利用して電源発生部で動作用電力を発生させ、制御部により、記憶部に保持されている情報に基づき受信電波を変調させた応答信号を検出装置１０へ返信する。検出装置１０は、検出アンテナ１１で返信された応答信号を受信し、その内容を解析して、無線タグＴの保持情報に基づく検知信号を、制御装置２０を介し又は直接、商品排出装置３０へ出力する。無線タグＴごとに保持情報は全て異なるように設定されているから、検知信号に基づき、商品排出装置３０が操作ボタンＰで指示された商品を外部へ排出することができる。

ところで前記自動販売機Ｊは、操作ボタンＰの操作に基づくスイッチ動作によりアンテナ２がＯＦＦからＯＮになるよう設定したものであるが、反対に、初期状態ではアンテナ２をＯＮに維持して、無線タグＴから検出装置１０へ応答信号が常時出力されるように構成し、スイッチ３を動作させるとアンテナがＯＦＦになり、無線タグＴからの応答信号が途絶するように設定することも可能である。

また操作盤Ｓの構成は、図５に例示するように、１つのタグアンテナ２に対して、ＩＣチップ１とスイッチ３との各組を並列に接続することも可能である。この場合、各無線タグＴの保持情報が異なっているから、タグアンテナ２を共通化しても、どのスイッチ３が動作したかの識別が可能である。

本発明は、前述した自動販売機の操作盤以外に、パソコンのキーボードやマウス装置など、操作ボタンを用いる機構の入力装置であれば適用が可能である。

本発明に係る入力装置を適用した自動販売機の一実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る入力装置を適用した自動販売機の操作盤を示す斜視図である。 本発明に係る入力装置を適用した自動販売機の操作盤を示すものであって、図（Ａ）は概略構成を示すブロック図、図（Ｂ）は内部構造を示す要部の拡大図である。 無線タグの内部構造を概略的に示すブロック図である。 本発明に係る入力装置を適用した自動販売機の操作盤の他の例を示すブロック図である。

符号の説明

Ｊ…自動販売機
Ｓ…操作盤
Ｐ…操作ボタン
Ｔ…無線タグ
１…ＩＣチップ
２…タグアンテナ
３…スイッチ
１０…検出装置
１１…検出アンテナ

Claims (3)

1. 複数の操作ボタンと、操作ボタンごとに組み合わされた無線タグと、無線タグとの間で電波の送受信を行う検出装置とを備える入力装置であって、各無線タグは、情報を保持する記憶部を備え検出装置から送信される電波信号に応答して検出装置へ保持情報を電波信号として送信する機能を有すると共に、各無線タグの保持情報が互いに異なっているように設定され、操作ボタンの動作と連動して信号送信機能を有効又は無効にするように動作するスイッチが各無線タグに設けられていることを特徴とする入力装置。
2. 本体部に対し着脱可能に構成した操作盤に、操作ボタンと無線タグとを配設し、本体部における操作盤の装着部の近傍に検出装置に接続される検出アンテナを配設した請求項１に記載の入力装置。
3. 無線タグと、検出装置に接続される検出アンテナとを、電磁気シールド部材で覆った請求項１又は２に記載の入力装置。