JP2005114418A - 多孔質薄板の欠陥検査方法および欠陥検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔質薄板に対して欠陥検査を容易に確実に行なうことのできる検査方法を提供する。
【解決手段】多孔質薄板の欠陥検査方法は、例えば、多孔質薄板132を治具110に取り付けて変形可能に保持し、治具110の圧力室128に気体を送り込んで、多孔質薄板132に圧力を与えて、多孔質薄板132を上方に反るように変形させる。更に、変形した多孔質薄板132の画像を観察光学系150により取得する。多孔質薄板132にある欠陥の存在を、観察光学系150で取得された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出する。
【選択図】 図4
【解決手段】多孔質薄板の欠陥検査方法は、例えば、多孔質薄板132を治具110に取り付けて変形可能に保持し、治具110の圧力室128に気体を送り込んで、多孔質薄板132に圧力を与えて、多孔質薄板132を上方に反るように変形させる。更に、変形した多孔質薄板132の画像を観察光学系150により取得する。多孔質薄板132にある欠陥の存在を、観察光学系150で取得された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、多孔質薄板の割れやひびなどの欠陥を検査する方法と装置に関する。
薄板は様々な用途に使用されるが、薄くなればなるほど割れやひびなどの欠陥が生じやすくなる。例えば、特表2000−515251号公報においては、を基板とするDNAチップが開示されている。このようなDNAチップにおいては、基板となる多孔質の陽極酸化アルミニウム薄板に複数のプローブDNAを固相化しておいて、被検溶液を接触させることで反応が生じることを利用している。更に、被検溶液を繰り返し透過させることで、その反応を著しく加速させることが出来るとされている。
ところが、上述の例の場合、その薄板に割れやひびなどの欠陥が生じると、例え極微小なものであってもその部分に被検溶液を透過させる圧力が集中してしまい、薄板全体に均一な被検溶液の透過がなされず、正確な反応を生じさせることが出来なくなってしまう。更に、そのひびを起点にして更に欠陥が大きくなり、薄板全体が破壊されてしまう場合もある。
このような問題を解決するために、特願2002−332174号公報は、被検溶液の駆動装置側に圧力を調整して欠陥の発生を防止する手法を開示している。
特表2000−515251号公報
しかし、特願2002−332174号公報においては、既に欠陥の生じている薄板に対しては解決策を示しておらず、依然として課題が残っている。
割れやひびなどの欠陥の存在を容易に確実に認識することの出来る検査方法として、例えば、超音波測定が知られている。
しかし、多孔質薄板は、その全体に多数の空孔を有しているため、超音波測定による検査では、適正な空孔と欠陥との判別が難しい。このような理由から、超音波測定は、現実的には、多孔質薄板の欠陥検査には適用できない。
本発明は、この様な実状を考慮して成されたものであり、その目的は、多孔質薄板に対して欠陥検査を容易に確実に行なうことのできる技術を提供することである。
本発明は、ひとつには、多孔質薄板の割れやひびなどの欠陥を検査する欠陥検査方法に向けられている。
本発明の欠陥検査方法は、多孔質薄板に外部から力を加えて多孔質薄板を変形させ、変形した多孔質薄板の画像を取得し、取得した画像に基づいて欠陥を検出する。
本発明は、ひとつには、多孔質薄板の割れやひびなどの欠陥を検査する欠陥検査装置に向けられている。
本発明の欠陥検査装置は、多孔質薄板に外部から力を加えて多孔質薄板を変形させる手段と、変形した多孔質薄板の画像を取得する観察光学系とを備えている。
多孔質薄板は多数の空孔を有しているため、多孔質薄板に生じた割れやひびなどの欠陥の存在を、適正な空孔と正確に識別して検出することは難しい。
本発明では、多孔質薄板を変形させることにより、割れやひびの欠陥の空隙を人為的に広げている。これにより、欠陥の存在を容易かつ確実に光学的に検出することが可能となる。
本発明によれば、多孔質薄板の割れやひびなどの欠陥の存在を容易に確実に検出できる装置と方法が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
第一実施形態
本実施形態は、多孔質薄板の欠陥検査装置と欠陥検査方法に向けられている。図1は、本発明の第一実施形態の欠陥検査装置に用いられる治具の分解斜視図である。図2は、図1に示された治具の完成斜視図である。図3は、図2に示された治具の縦断面図である。
本実施形態は、多孔質薄板の欠陥検査装置と欠陥検査方法に向けられている。図1は、本発明の第一実施形態の欠陥検査装置に用いられる治具の分解斜視図である。図2は、図1に示された治具の完成斜視図である。図3は、図2に示された治具の縦断面図である。
図1〜図3に示されるように、本実施形態の欠陥検査装置に用いられる治具110は、抑え板112と台座114とパッキン116とからなり、検査対象物である多孔質薄板132を変形可能に保持する。
抑え板112は、固定ビス118が通る貫通穴120を有し、台座114は、固定ビス118が螺合するネジ穴122を有している。抑え板112は、固定ビス118により、多孔質薄板132とパッキン116を台座114との間に挟み込んで固定される。
抑え板112は、多孔質薄板132の光学的観察のために、開口からなる観察窓124を有している。抑え板112の観察窓124は、多孔質薄板132が上方へ変形する空間を与える。パッキン116は、観察窓124に対応する部分に穴126を有している。台座114は、圧力室128と圧力導入部130を有している。圧力室128は、観察窓124に対応する部分に形成されている。
多孔質薄板132と台座114の間に配置されたパッキン116により、多孔質薄板132と圧力室128の間は流体的に密に保たれている。ここで、流体的に密に保たれているとは、気密または液密に保たれていることを意味する。気密または液密のいずれであるかは、後述するように、多孔質薄板132を変形させるために使用する流体が気体であるか液体であるかに対応して決まる。
圧力導入部130は、圧力室128と流体的に連絡していると共に、治具110の外部とも流体的に連絡しており、外部から圧力室128への圧力の導入を可能にしている。圧力導入部130を介して外部から圧力室128に流体を送り込むことにより、多孔質薄板232は流体の圧力による上向きの力を受ける。その結果、多孔質薄板132は、観察窓124の内側において、上方に変形される。
このような治具110において、抑え板112と台座114の材質は、特に制限はない。パッキン116の材質は、特に制限はないが、好適に気密または水密を得るために、適当な弾性または粘着性を有している材質が好ましい。欠陥を検査する領域の位置や大きさは、観察窓124と圧力室128の位置や大きさに依存するが、例えば、20mm角、0.1mm厚の多孔質セラミックの中央部分を観察するためには観察窓124は直径18mm、圧力室128の直径も18mmとし、観察窓124と圧力室128は同軸上に配置されるように組み合わされる。観察窓124と圧力室128の位置や大きさは、本実施形態に限定されるものではない。また、観察窓124と圧力室128の個数は、一つに限定されるものではなく、複数個であってもよい。また、固定の手法は、固定ビスによる固定に限定されるものではなく、圧力室128の圧力が漏れなければ、他の手法によって固定されてもよく、例えば、抑え板の重量のみで固定されてもよい。
図4は、前述の治具110を利用した、本発明の第一実施形態による多孔質薄板の欠陥検査装置を示している。
図4に示されるように、本実施形態の欠陥検査装置100は、前述の治具110に加えて、流体を送り出して圧力を発生させる圧力発生装置160と、治具110の圧力導入部130と圧力発生装置160とを流体的に連絡する流路を与えるチューブ164と、治具110と圧力発生装置160の間の流路上に設けられた圧力調整装置162とを有している。
本実施形態の欠陥検査装置100において、治具110は多孔質薄板132を変形可能に保持する手段を構成しており、圧力発生装置160とチューブ164は、治具110の圧力室128と圧力導入部130と共働して、多孔質薄板132に圧力を与える手段を構成している。すなわち、治具110と圧力発生装置160とチューブ164は、多孔質薄板132に外部から力を加えて多孔質薄板132を変形させる手段を構成している。
圧力発生装置160は、例えば、気体を送り出すポンプであってよい。この場合、多孔質薄板132は気圧により変形される。このように気体により多孔質薄板132を変形させる手法では、観察光学系150により観察される多孔質薄板132の表面に光学的な影響を与えることなく、多孔質薄板132を変形させることができる。
圧力発生装置160は、あるいは、液体を送り出すポンプであってもよい。この場合、多孔質薄板132は液圧により変形される。このように液体により多孔質薄板132を変形させる手法では、気体を用いる手法に比べて、多孔質薄板132を効率良く変形させることができる。
なお、圧力発生装置160が液体を送り出すポンプである場合、液体が多孔質薄板132を透過して多孔質薄板132の表面に滲み出て、観察光学系150による観察に悪影響を与えないように、パッキン116は穴126を有していない方が好ましい。
圧力調整装置162は、これに限定されないが、例えば、レギュレーターであってよい。圧力調整装置162は、適宜、省略されてもよい。また、圧力発生装置160が圧力調整器機能を有していてもよい。この場合、圧力調整装置162を設ける必要はない。
欠陥検査装置100は、更に、多孔質薄板132の画像を取得する観察光学系150を有している。観察光学系150は、多孔質薄板132の像を結像させる結像光学系152と、結像された像を取得する撮像素子154と、画像表示解析装置156と、多孔質薄板132を照明する照明光を発する光源158とを含んでいる。光源158は、結像光学系152と組み合わされて、同軸落射照明光学系を構成している。
撮像素子154は、これに限定されないが、例えば、CCDカメラであってよい。画像表示解析装置156は、これに限定されないが、例えば、コンピューターであってよい。
画像表示解析装置156は、撮像素子154で取得された多孔質薄板132の画像を表示する。これにより、多孔質薄板132の画像の操作者の目視観察を可能にする。操作者は、多孔質薄板の欠陥の存在を、画像表示解析装置156に表示された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出してよい。
画像表示解析装置156は、より好ましくは、予め与えられた判断条件に従って、多孔質薄板の欠陥の存在を、撮像素子154で取得された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出するとよい。
以下、本実施形態の欠陥検査装置100を用いた検査、すなわち、本実施形態の欠陥検査方法の具体例について説明する。
検査対象物である多孔質薄板132を治具110に取り付けて変形可能に保持する。多孔質薄板132は、例えば、100μm厚の無機のセラミック薄板である。圧力発生装置160により治具110の圧力室128に気体、例えば空気を送り込み、多孔質薄板132に、例えば3気圧の圧力を与えて、多孔質薄板132を上方に反るように変形させる。
変形した多孔質薄板132の画像を観察光学系150により取得する。本実施形態では、多孔質薄板132は、同軸落射照明光学系によって照明される。その結果、多孔質薄板132に小さな割れやひびなどがあると、多孔質薄板132の変形に伴って、その部分の隙間が大きくなり、その部分に空隙が生じる。そのため、観察光学系150で取得された画像においては、その部分では光源158からの光が反射されず、その部分が黒いスジとしてはっきりと認識され得る。
このように、本実施形態においては、多孔質薄板132にある欠陥の存在を、観察光学系150で取得された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出することが可能である。
このような多孔質薄板132の欠陥の存在の検出は、例えば、操作者が、画像表示解析装置156に表示された画像を目視観察することにより行なってもよい。あるいは、画像表示解析装置156において、予め与えられた判断条件に従って自動処理により行なってもよい。
多孔質薄板132における割れやひびなどの欠陥は、必ずしもその部分が欠落や空隙が生じるとは限らない。多孔質薄板132における微小な欠陥は、それが欠陥であるのか、単なる空孔であるのかを判別することが難しい。
本実施形態の欠陥検査装置100では、検査対象物である多孔質薄板132を変形させて、割れやひびの欠陥の空隙を人為的に広げることにより、欠陥の存在の検出を容易かつ確実に行なうことを可能にしている。
第一変形例
図5は、本発明の第一実施形態の第一変形例による多孔質薄板の欠陥検査装置を示している。図5において、図4に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材を示している。
図5は、本発明の第一実施形態の第一変形例による多孔質薄板の欠陥検査装置を示している。図5において、図4に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材を示している。
本変形例の欠陥検査装置100Aにおいては、光源158は、結像光学系152とは別に配置されており、暗視野照明光学系を構成している。他の構成と検査の仕方は第一実施形態と同様である。
本変形例においても、多孔質薄板132に圧力をかけることにより、多孔質薄板132を上方に反るように変形させる。この状態で、観察光学系150により変形した多孔質薄板132の画像を取得する。
本変形例では、多孔質薄板132は、暗視野照明光学系によって照明される。その結果、多孔質薄板132の変形に伴って空隙が大きくなった欠陥の部分では、光源158からの光の乱反射が多く生じる。
このため、観察光学系150で取得された画像においては、その部分が輝度の高いスジとして容易に認識され得る。つまり、多孔質薄板132の欠陥の存在が、観察光学系150で取得された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出され得る。
第二変形例
図6は、本発明の第一実施形態の第二変形例による多孔質薄板の欠陥検査装置を示している。図6において、図4に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材を示している。
図6は、本発明の第一実施形態の第二変形例による多孔質薄板の欠陥検査装置を示している。図6において、図4に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材を示している。
本変形例の欠陥検査装置100Bにおいては、光源158は、治具110の圧力室128の内部に配置されており、透過照明光学系を構成している。他の構成と検査の仕方は第一実施形態と同様である。
本変形例においても、多孔質薄板132に圧力をかけることにより、多孔質薄板132を上方に反るように変形させる。この状態で、観察光学系150により変形した多孔質薄板132の画像を取得する。
本変形例では、多孔質薄板132は、透過照明光学系によって照明される。その結果、多孔質薄板132の変形に伴って空隙が大きくなった欠陥の部分においてのみ、光源158からの光が多孔質薄板132を透過する。
このため、観察光学系150で取得された画像においては、欠陥の部分が輝度の高いスジとして容易に認識され得る。つまり、多孔質薄板132の欠陥の存在が、観察光学系150で取得された画像内の局所的な光の透過率の違いとして検出され得る。
第二実施形態
本実施形態は、多孔質薄板の欠陥検査装置と欠陥検査方法に向けられている。図7は、本発明の第二実施形態の欠陥検査装置に用いられる治具の分解斜視図である。図8は、図7に示された治具の完成斜視図である。図9は、図8に示された治具の縦断面図である。
本実施形態は、多孔質薄板の欠陥検査装置と欠陥検査方法に向けられている。図7は、本発明の第二実施形態の欠陥検査装置に用いられる治具の分解斜視図である。図8は、図7に示された治具の完成斜視図である。図9は、図8に示された治具の縦断面図である。
図7〜図9に示されるように、本実施形態の欠陥検査装置に用いられる治具210は、抑え板212と台座214とからなり、検査対象物である多孔質薄板232を変形させて保持する。
抑え板212は、固定ビス218が通る貫通穴220を有し、台座214は、固定ビス218が螺合するネジ穴222を有している。抑え板212は、固定ビス218により、多孔質薄板232を台座214との間に挟み込んで固定される。
抑え板212は、多孔質薄板232の光学的観察のために、開口からなる観察窓224を有している。抑え板212の観察窓224は、多孔質薄板232が上方へ変形する空間を与える。台座214は、観察窓224に対応する部分に凸部228を有している。
多孔質薄板232は、抑え板212と台座214との間に挟み込んで固定された際に、台座214の凸部228に押し当てられる。その結果、多孔質薄板232は、観察窓224の内側において、上方に変形される。
このような治具210において、抑え板212と台座214の材質は、特に制限はない。凸部228は、多孔質薄板232の材質や厚さなどに応じて、多孔質薄板232を破壊しない形状である必要がある。欠陥を検査する領域の位置や大きさは、観察窓224と凸部228の位置や大きさに依存するが、例えば、20mm角、0.1mm厚の多孔質セラミックの中央部分を観察するためには観察窓は直径18mm、凸部228の直径は17mm、凸部228の高さは1mmとし、観察窓と凸部228は同軸上に配置されるように組み合わされる。観察窓224と凸部228の位置や大きさは、本実施形態に限定されるものではない。また、観察窓224と凸部228の個数は、一つに限定されるものではなく、複数個であってもよい。また、固定の手法は、固定ビスによる固定に限定されるものではなく、他の手法によって固定されてもよく、例えば、抑え板の重量のみで固定されてもよい。
図10は、前述の治具210を利用した、本発明の第二実施形態による多孔質薄板の欠陥検査装置を示している。
図10に示されるように、本実施形態の欠陥検査装置200は、前述の治具210に加えて、多孔質薄板232の画像を取得する観察光学系250とを有している。観察光学系250は、多孔質薄板232の像を結像させる結像光学系252と、結像された像を取得する撮像素子254と、画像表示解析装置256と、多孔質薄板232を照明する照明光を発する光源258とを含んでいる。光源258は、結像光学系252と組み合わされて、同軸落射照明光学系を構成している。
撮像素子254は、これに限定されないが、例えば、CCDカメラであってよい。画像表示解析装置256は、これに限定されないが、例えば、コンピューターであってよい。
画像表示解析装置256は、撮像素子254で取得された多孔質薄板232の画像を表示する。これにより、多孔質薄板232の画像の操作者の目視観察を可能にする。操作者は、多孔質薄板の欠陥の存在を、画像表示解析装置256に表示された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出してよい。
画像表示解析装置256は、より好ましくは、予め与えられた判断条件に従って、多孔質薄板の欠陥の存在を、撮像素子254で取得された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出するとよい。
以下、本実施形態の欠陥検査装置200を用いた検査、すなわち、本実施形態の欠陥検査方法の具体例について説明する。
検査対象物である多孔質薄板232を治具210に取り付ける。多孔質薄板232は、例えば、100μm厚の無機のセラミック薄板である。治具210の台座214の凸部228は、例えば、直径が20mmで、高さが0.5mmの形状を有している。多孔質薄板232は、凸部228によって上方に押された状態で治具210に保持されることにより、多孔質薄板232を上方に反るように変形される。
変形した多孔質薄板232の画像を観察光学系250により取得する。本実施形態では、多孔質薄板232は、同軸落射照明光学系によって照明される。その結果、多孔質薄板232に小さな割れやひびなどがあると、多孔質薄板232の変形に伴って、その部分の隙間が大きくなり、その部分に空隙が生じる。そのため、観察光学系250で取得された画像においては、その部分では光源258からの光が反射されず、その部分が黒いスジとしてはっきりと認識され得る。
このように、本実施形態においては、多孔質薄板234にある欠陥の存在を、観察光学系250で取得された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出することが可能である。
このような多孔質薄板234の欠陥の存在の検出は、例えば、操作者が、画像表示解析装置256に表示された画像を目視観察することにより行なってもよい。あるいは、画像表示解析装置256において、予め与えられた判断条件に従って自動処理により行なってもよい。
多孔質薄板232における割れやひびなどの欠陥は、必ずしもその部分が欠落や空隙が生じるとは限らない。多孔質薄板232における微小な欠陥は、それが欠陥であるのか、単なる空孔であるのかを判別することが難しい。
本実施形態の欠陥検査装置200では、検査対象物である多孔質薄板232を変形させて、割れやひびの欠陥の空隙を人為的に広げることにより、欠陥の存在の検出を容易かつ確実に行なうことを可能にしている。
変形例
図11は、本発明の第二実施形態の変形例による多孔質薄板の欠陥検査装置を示している。図11において、図10に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材を示している。
図11は、本発明の第二実施形態の変形例による多孔質薄板の欠陥検査装置を示している。図11において、図10に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材を示している。
本変形例の欠陥検査装置200Aにおいては、光源258は、結像光学系252とは別に配置されており、暗視野照明光学系を構成している。他の構成と検査の仕方は第二実施形態と同様である。
本変形例においても、多孔質薄板232に治具210に取り付けることにより、多孔質薄板232を上方に反るように変形させる。この状態で、観察光学系250により変形した多孔質薄板232の画像を取得する。
本変形例では、多孔質薄板232は、暗視野照明光学系によって照明される。その結果、多孔質薄板232の変形に伴って空隙が大きくなった欠陥の部分では、光源258からの光の乱反射が多く生じる。
このため、観察光学系250で取得された画像においては、その部分が輝度の高いスジとして容易に認識され得る。つまり、多孔質薄板232の欠陥の存在が、観察光学系250で取得された画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出され得る。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
100…欠陥検査装置、100A…欠陥検査装置、100B…欠陥検査装置、110…治具、112…抑え板、114…台座、116…パッキン、118…固定ビス、120…貫通穴、122…ネジ穴、124…観察窓、126…穴、128…圧力室、130…圧力導入部、132…多孔質薄板、150…観察光学系、152…結像光学系、154…撮像素子、156…画像表示解析装置、158…光源、160…圧力発生装置、162…圧力調整装置、164…チューブ、200…欠陥検査装置、200A…欠陥検査装置、210…治具、212…抑え板、214…台座、218…固定ビス、220…貫通穴、222…ネジ穴、224…観察窓、228…凸部、232…多孔質薄板、234…多孔質薄板、250…観察光学系、252…結像光学系、254…撮像素子、256…画像表示解析装置、258…光源。
Claims (18)
- 多孔質薄板の割れやひびなどの欠陥を検査する欠陥検査方法であり、
多孔質薄板に外部から力を加えて多孔質薄板を変形させ、
変形した多孔質薄板の画像を取得し、
取得した画像に基づいて欠陥を検出する多孔質薄板の欠陥検査方法。 - 多孔質薄板の欠陥の存在を、取得した画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出する、請求項1に記載の多孔質薄板の欠陥検査方法。
- 多孔質薄板の欠陥の存在を、取得した画像内の局所的な光の透過率の違いとして検出する、請求項1に記載の多孔質薄板の欠陥検査方法。
- 多孔質薄板に気圧を与えることにより多孔質薄板を変形させる、請求項1に記載の多孔質薄板の欠陥検査方法。
- 多孔質薄板に液圧を与えることにより多孔質薄板を変形させる、請求項1に記載の多孔質薄板の欠陥検査方法。
- 多孔質薄板を凸面に接触させることにより多孔質薄板を変形させる、請求項1に記載の多孔質薄板の欠陥検査方法。
- 多孔質薄板が無機材料からなる、請求項1に記載の多孔質薄板の欠陥検査方法。
- 多孔質薄板の割れやひびなどの欠陥を検査する欠陥検査装置であり、
多孔質薄板に外部から力を加えて多孔質薄板を変形させる手段と、
変形した多孔質薄板の画像を取得する観察光学系とを備えている多孔質薄板の欠陥検査装置。 - 取得した多孔質薄板の画像を表示する表示装置を有している、請求項8に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 多孔質薄板の欠陥の存在を、取得した画像内の局所的な光の反射率の違いとして検出する画像解析装置を更に有している、請求項8に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 多孔質薄板の欠陥の存在を、取得した画像内の局所的な光の透過率の違いとして検出する画像解析装置を更に有している、請求項8に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 多孔質薄板を変形させる手段は、多孔質薄板を変形可能に保持する治具と、治具に保持された多孔質薄板に圧力を与える手段とを含んでいる、請求項8に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 治具は、圧力室と圧力導入部を有する台座と、観察窓を有する抑え板とを有し、抑え板は、多孔質薄板を台座との間に挟み込んで固定され、多孔質薄板と圧力室の間は流体的に密に保たれており、圧力導入部は、圧力室と流体的に連絡していると共に治具の外部とも流体的に連絡しており、外部から圧力室への圧力の導入を可能にし、抑え板の観察窓は、多孔質薄板が変形する空間を与えると共に、観察光学系による多孔質薄板の観察を可能にする、請求項12に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 多孔質薄板に圧力を与える手段は、治具の圧力室と圧力導入部を含み、更に、流体を送り出して圧力を発生させる圧力発生装置と、治具の圧力導入部と圧力発生装置とを流体的に連絡するチューブとを含んでいる、請求項13に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 圧力発生装置は気体を送り出すポンプであり、従って、多孔質薄板は気圧により変形される、請求項14に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 圧力発生装置は液体を送り出すポンプであり、従って、多孔質薄板は液圧により変形される、請求項14に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 多孔質薄板を変形させる手段は、多孔質薄板を変形させて保持する治具である、請求項8に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
- 治具は、凸面を有する台座と、観察窓を有する抑え板とを有し、抑え板は、多孔質薄板を台座の凸面に押し当てて、台座との間に挟み込んで固定され、抑え板の観察窓は、多孔質薄板が変形する空間を与えると共に、観察光学系による多孔質薄板の観察を可能にする、請求項17に記載の多孔質薄板の欠陥検査装置。
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