JP2005113501A - 基礎杭兼用貯蔵タンク及びその施工方法並びに貯水された水の使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は下端部13がコンクリートで閉塞され口径1200mm、長さ4.3m、厚さ12mmの鋼管杭11を5本使用する。上端部が建築物3の基礎2に固定された5本の鋼管杭11と、下端部側13において鋼管杭同士が連通する連通管12と、鋼管杭は水の流入路14とポンプ15とを備える。施工方法は鋼管杭と同じ口径及び厚さのケーシングを遥動しつつ圧入し、ケーシング内を掘削して鋼管を接続して更に圧入して鋼管杭を構築する。連通管は鋼管杭に坑口を設けて、推進工でスパイラル継手付き塩化ビニール管を設置する。貯蔵された水は、トイレ及び庭の散水等に使用される。
【選択図】 図1
Description
従って、雨水等を貯水して使用することは、資源の有効活用になり、上水の負担が軽減される。また、渇水時であっても庭木の散水、洗車、防火用水をして使用できるうえに水道料金の節約もできる。また、降水時の河川の負担が軽減され、大雨の時の河川の増水による災害を防止する。更に、地震等の災害による緊急時には飲料水とすることも可能である。
本願発明は、建築物の基礎杭が雨水等の貯蔵タンクを兼ねて、上水設備の負荷を軽減し、河川の増水による災害を防止し、環境保全に役立つと共に、簡易に雨水等の貯蔵が可能となる基礎杭兼用貯蔵タンク及びその施工方法並びに貯蔵された水の使用方法を提供することを目的とする。
1.地中に埋設され、下端部が閉塞され、上端部が建築物の基礎に固定された中空杭を備えることを特徴とする基礎杭兼用貯蔵タンク。
2.上記中空杭が複数であり、該中空杭は下端部で外中空杭同士を連通する連通管を備える上記1.記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
3.上記中空杭は4個以上であり、該中空杭は正方形形状若しくは長方形形状に配置され、又は該正方形形状若しくは該長方形形状の中心に更に中空杭が1つ配置された形状である上記2.に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
4.該中空杭が鋼管杭である上記1.乃至3.のいずれかに記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
5.上記貯蔵タンクは水を貯蔵するものであり、上記下端部側において上記中空杭同士が連通する連通管と、少なくとも1つの該中空杭に設けられた水の流入路と、少なくとも1つの該中空杭に設けられた揚水装置と、を備える1.乃至4.のいずれかに記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
6.上記流入路は、雨水を流入させるためのものである上記5.に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
7.上記流入路は、沈砂装置及び/又は濾過器を備える上記5.又は6.に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
8.上記中空杭の各々は上部においてオーバーフロー管で連結され、該中空杭の少なくとも1つは外溝に接続されたオーバーフロー管を備え上記5.乃至7.のいずれかに記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
9.更に、地中に埋設され、下端部が閉塞され、上端部が建築物の基礎に固定されていなくて、且つ該基礎の外側に配置され、水の流入路及び揚水装置を有する中空杭であって、該中空杭は上記基礎杭兼用貯蔵タンクの中空杭の少なくとも1つと連通する中空杭を備える上記5.乃至8.のいずれかに記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
10.上記2.乃至上記9.のいずれかに記載の基礎杭兼用貯蔵タンクの施行方法において、鋼製円筒のケーシングを搖動又は旋回しつつ地中に圧入し、ケーシング内を掘削し、該ケーシングと同一の径を有する鋼管を該ケーシングに接続し、更に搖動又は旋回しつつ圧入することにより鋼管杭を構築する工程と、鋼管杭を構築した後にコンクリートによって該鋼管杭の下端部を閉塞する工程と、該鋼管杭及びこれと連通する鋼管杭の下端側に連通管設置用坑口を設けて該鋼管杭同士を連通する連通管を推進掘削し埋設する工程を有することを特徴とする基礎杭兼用貯蔵タンクの施行方法。
11.上記1.乃至9.のいずれかに記載の基礎杭兼用貯蔵タンクに貯水された水を使用することを特徴とする水の使用方法。
12.上記貯水された水は雨水であり、該貯水された水はトイレの水洗用、庭木散水用、洗車用、掃除用及び家屋冷却用のうちの少なくとも1つに使用される上記11.に記載の水の使用方法。
13.上記貯水された水は緊急時に飲用及び/又は食品に用いる上記12.に記載の水の使用方法。
また、中空杭が複数であって、この中空杭が下端部で中空杭同士が連通管を備える場合は、建築物の基礎の補強効果が大きく且つ多量の貯蔵が容易となる。
更に、中空杭が、正方形、長方形又は、該正方形若しくは該長方形の中心に更に該中空杭が1つ配置された形状である場合は、基礎杭としての機能と貯蔵タンクとしての機能を容易に兼ね備えることができる。
また、中空杭が鋼管である場合は、強度が大きく且つ溶接・溶断が可能であり連設管等の配管などが容易となる。
更に、この貯蔵タンクは水を貯蔵するものであり、下端部側において中空杭同士が連通する連通管と、少なくとも1つの中空杭に設けられた水の流入路と、少なくとも1つの中空杭に設けられた揚水装置と、を備える場合は、水の貯蔵が容易であり更に貯蔵した水の使用が容易である。
また、水の流入路が雨水を流入させるためのものである場合は、集水が容易である。
更に、流入路に沈砂装置及び/又は濾過器を備える場合は、清澄な水が貯水できる。
また、中空杭の各々は上部においてオーバーフロー管で連結され、該中空杭の少なくとも1つは外溝に接続されたオーバーフロー管を備える場合は、水面上の挟雑物を排出することができ、更に大量に降水があった場合にも適量の貯水が可能である。
更に、地中に埋設され、下端部が閉塞され、上端部が建築物の基礎に固定されていなくて、且つ該基礎の外側に配置され、水の流入路及び揚水装置を有する中空杭であって、該中空杭は上記基礎杭兼用貯蔵タンクの中空杭の少なくとも1つと連通する中空杭を備える場合は、水の流入配管、汲み上げ装置等の設置及びその維持管理が容易となるうえに、水の貯水量も多くすることができる。
本発明の基礎杭兼用貯蔵タンク施工方法によれば、簡易に基礎杭兼用貯蔵タンクを施工できる。
本発明の基礎杭兼用貯蔵タンクに貯水された水の使用方法は、あらゆる用途に貯水された水を使用でき、上水設備の負荷を軽減し、河川の増水による災害を防止し、環境保全に役立つ。
また、貯水された水がトイレの水洗用、庭木散水用、洗車用、掃除用及び家屋冷却用のうちの少なくとも1つに使用される方法である場合は上水設備の負荷を軽減し、河川の増水による災害を防止し、天然資源の有効利用となり且つ環境保全に役立つ。
更に、貯水された水が緊急時に飲用及び/又は食品に使用される方法である場合は、更に天然資源の有効利用となる。
本発明は建造物の基礎杭と貯蔵タンクを兼用し、中空体の基礎杭の中に種々のモノが貯蔵できる。この基礎杭は建造物の基礎を支えるものであり通常は複数で建造物を支えるが、その機能を果たす限り単数とすることもできる。
基礎杭を貯蔵タンクと兼用するためには、複数の基礎杭同士を連通して複数の基礎杭を一体として貯蔵タンクとして使用するのが効率的である。また、この基礎杭兼用貯蔵タンクは、基礎を支えるものであるから構造的に強固でなくてはならない。更に、雨水等を有効利用するためには容量も一定以上なくてはならない。そして、簡易且つ容易に施工でき、貯水された水の使用方法は容易なものなくてはならない。
この基礎杭兼用貯蔵タンクは建築物の基礎を支持する強度を備えていて、モノを貯蔵できる構造であれば大きさ、形状及び材質等は特に限定されない。ここで上記タンクとは液体を貯蔵するものならずあらゆるモノを貯蔵する容器を意味する。
また、この中空杭の材料は基礎を支持する強度を備えれば特に限定されない。例えば、鋼管、鉄筋コンクリート管、ステンレス管、樹脂ライニング鋼管、及び鋳鉄管等で作製される。これらのうちで鋼管が好ましく用いられる。強度が大きく、加工性に富み、耐腐食性が大きく且つ安価のためである。
中空杭が鋼管杭である場合は、杭の口径と肉厚の好ましい組合せは、直径が2000mm〜3000mmの場合は、肉厚が16〜30mm、であり、直径が1000〜2000mmの場合は肉厚が12〜16mmである。
このコンクリートの打設量は、鋼管杭の口径により適宜選択されるが、この口径が1000〜3000mmである場合は、コンクリート打設量は好ましくは1000〜1500mm、より好ましくは1000〜1400mm、更に好ましくは1000〜1300mmの厚さにする。
この中空杭の数は建築物3の基礎2を支持する強度を備えていて、一定量以上のモノが貯蔵できるものであれば特に限定されない。また、この複数の中空杭の配置も特に限定されない。
また、この連通管の材料は特に限定されない。例えば、塩化ビニール管、鋼管、鋳鉄管、樹脂ライニング鋼管及び鉄筋コンクリート製管が挙げられる。このうちで塩化ビニール管及び鋼管が好ましく用いられる。
また、水等の液体を貯蔵する場合は、各々の中空杭同士を水が円滑に連通できれば特に制限されないため、好ましくは100〜200mm、より好ましくは125〜150mmである。
コンクリートを所定の高さまで打設した後、通常は鋼管杭を好ましくは500〜800mm、より好ましくは600〜700mm引き抜く。図12に示すように、その後コンクリートは固化して鋼管杭はコンクリートの台に乗った状態となる。この状態であると、鋼管杭に対する上からの荷重に対して、良好な閉塞が保持できる。また、地盤の状態によっては鋼管杭を引き抜く必要はない。更に、コンクリート打設前に鋼管杭の中に地下水が溜まっている状態である場合は、トレミー管を使って水中コンクリートを打設することもできる。
この埋設推進は鋼管杭に開けられた坑口からこれと連通する鋼管杭の坑口を直線的にオーガ掘削する。この掘削・排土後連通管を設置する。この連通管の口径は前記詳述したものが適用できる。また、連通管の材料は上記鋼管杭に開けられた坑口同士を連接できれば特に限定されない。例えば、スパイラル継手付塩化ビニール直管及びスパイラル継手付鋼管の直管等が挙げられる。これらのうちでスパイラル継手付塩化ビニール直管が好ましく用いられる。その後、鋼管杭の坑口に差し込まれた連通管と鋼管杭を接合する。
更に、貯水された水が上水である場合は殺菌のみで又は濾過のみで使用することもできる。
次いで、水の流入路として呼径100mmの塩化ビニール管を管の中心が地表面より300mm下方になるように設けた。また、この流入路と同じ高さにオーバーフロー管18として呼径100mmの塩化ビニール管をとりつけ、外溝に接続した。また、揚水装置15として1.5kwのフート弁つきの自吸式ボリュートポンプを取り付けた。鋼管杭に鋼板の蓋を溶接しその上に建築基準法に適合するように13mmのダブル鉄筋を組み200mmの厚さコンクリートを打設して建築物基礎2を設け、更に、この基礎に基礎杭兼用貯蔵タンクの荷重耐久性能調査のため鋼管杭1本に付15トンの荷重をかけた。
注水から150日経過後においても鋼管杭中の水は減少が見られず、漏水は見られない。このことから、鋼管杭の下端部のコンクリートによる閉塞及び連通管と鋼管杭の接合は適切に行われていることが解かる。
また、基礎に沈下は認められず、本発明の基礎杭兼用貯水の地盤補強は十分であることがわかる。
また、150日経過後において、貯水された水は十分清澄であり異臭は感じられず、藻等の発生もみられなかった。この水を使用して、トイレの水洗に使用した結果、便器が水により汚染されることなく上水を使用した場合と同等の清潔感がえられた。
Claims (13)
- 地中に埋設され、下端部が閉塞され、上端部が建築物の基礎に固定された中空杭を備えることを特徴とする基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 上記中空杭が複数であり、該中空杭は下端部で該中空杭同士を連通する連通管を備える請求項1記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 上記中空杭は4個以上であり、該中空杭は正方形形状若しくは長方形形状に配置され、又は該正方形形状若しくは該長方形形状の中心に更に中空杭が1つ配置された形状である請求項2に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 上記中空杭が鋼管杭である請求項1乃至3のいずれかに記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 上記基礎杭兼用貯蔵タンクは水を貯蔵するものであり、上記下端部側において上記中空杭同士が連通する連通管と、少なくとも1つの該中空杭に設けられた水の流入路と、少なくとも1つの該中空杭に設けられた揚水装置と、を備える請求項2乃至4のいずれか1項に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 上記流入路は、雨水を流入させるためのものである請求項5に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 上記流入路は、沈砂装置及び/又は濾過器を備える請求項5又は6に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 上記中空杭の各々は上部においてオーバーフロー管で連結され、該中空杭の少なくとも1つは外溝に接続されたオーバーフロー管を備える請求項5乃至7のいずれか1項に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 更に、地中に埋設され、下端部が閉塞され、上端部が建築物の基礎に固定されていなくて、且つ該基礎の外側に配置され、水の流入路及び揚水装置を有する中空杭であって、該中空杭は上記基礎杭兼用貯蔵タンクの中空杭の少なくとも1つと連通する中空杭を備える請求項5乃至8のいずれか1項に記載の基礎杭兼用貯蔵タンク。
- 請求項2乃至9のいずれか1項に記載の基礎杭兼用貯蔵タンクの施行方法において、鋼製円筒のケーシングを搖動又は旋回しつつ地中に圧入し、ケーシング内を掘削し、該ケーシングと同一の径を有する鋼管を該ケーシングに接続し、更に搖動又は旋回しつつ圧入することにより鋼管杭を構築する工程と、鋼管杭を構築した後にコンクリートによって該鋼管杭の下端部を閉塞する工程と、該鋼管杭及びこれと連通する鋼管杭の下端側に連通管設置用坑口を設けて該鋼管杭同士を連通する連通管を推進掘削し埋設する工程を有することを特徴とする基礎杭兼用貯蔵タンクの施行方法。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の基礎杭兼用貯蔵タンクに貯水された水を使用することを特徴とする水の使用方法。
- 上記貯水された水は雨水であり、該貯水された水はトイレの水洗用、庭木散水用、洗車用、掃除用及び家屋冷却用のうちの少なくとも1つに使用される請求項11に記載の水の使用方法。
- 上記貯水された水は緊急時に飲用及び/又は食品に用いる請求項12に記載の水の使用方法。
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