JP2005113465A - 変形抑制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通常時にも、風などの影響を受けて上部構造体に揺れが発生することによる居住性の悪化を抑制することができる免震装置の変形抑制装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明に係る免震装置の変形抑制装置は、
建物の免震層に設置する免震装置における変形抑制装置であって、
建物の土台と基礎面に設置される一対のブロックと、該一対のブロック同士を緩繋する長尺材と、前記一対のブロック同士が所定の間隔を保持するように連結する固定具からなり、地震時の水平力が所定値以下の場合には、該固定具が土台と基礎面の相対変位を規制するとともに、該水平力が所定値を越えた場合には、前記固定具が破断して前記相対変位の規制を解除し、前記長尺材が該長尺材の伸張限界を超える相対変位を阻止するように構成したことを特徴とする免震装置の変形抑制装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は免震装置の変形抑制装置に関する。
従来、この種の免震装置の構成は、建物が地震などの水平力を受けた場合に地震波との共振を回避して建物の長周期化を図ることが求められるために、建物を支承し、かつ水平移動をする支承部、該水平移動を一定の変位で収めてもとの位置の戻る機能を有する復元部、及び発生した変形を減衰させる機能を有する減衰部からなり、例えば、支承装置としては、転がり支承タイプ、すべり支承タイプ等、復元装置としては、すり鉢勾配タイプ、弾性体を利用したゴムタイプ、コイルバネタイプ等、減衰装置としては、支承部に摩擦をさせるものやオイルダンパー、摩擦ダンパー等がある。
ところで、戸建て住宅のような支承すべき荷重が小さい軽量構造物の免震装置に適用するにあたっては、免震の復元力を小さくする必要がある。地震等の水平力に呼応して振動する建物の長周期化を図り、地震波との共振を回避させたいからである。しかしながら、復元力の低い免震装置は、何らかの変形抑制装置(水平変位の抑制機構)が必要である。大きな地震が発生し、建物の水平方向の変位が大きくなり過ぎた場合に免震装置のみならず、建物自身の上部構造体の水平変位が大きすぎ、例えば隣接する建造物にぶつかり、破壊することがあるからである。また、居住性の悪化を招く問題もある。すなわち、風などの影響を受けて免震層が変形し、構造体に揺れが継続して発生する。復元力が低いと比較的小さな水平力にも反応しやすく建物が揺れやすいからである。
このため、特許文献1において上部構造体と基礎を所定の強度と長さを持った長尺体で繋ぎ、支承部が復元可能な変位で止まるように上部構造体と基礎の相対変位を一定範囲に抑制する方法が開示されている。しかしながら、前記長尺材式の変形抑制装置は、復元の限界を超える変位を抑制することを目的にしたものであり、建物に比較的小さな水平力が作用した場合に変形抑制をする機能はない。
一方、上部構造体と基礎とを前記長尺材で繋げる施工が難しい。すなわち、前記長尺材を上部構造体と基礎にどのように緊結するかについて工夫を要する。長尺材が上部構造体や基礎から外れることなく、所定の性能や機能を発揮させるためである。また、基礎面の不陸などの施工誤差を考慮して、複数箇所に設置した前記長尺材の長さを個々に調整する必要がある。建物の最大変形時の各箇所の長尺材の限界伸張状態における鉄骨土台梁と基礎面の最大の相対水平変位(長尺材を繋げた位置を基準にした上部構造体と下部基礎の位置のずれ)を略同一とすることにより、特定箇所の長尺材設置位置に水平力が集中することを避けて建物に有害な損傷を与えることがないようにするためである。
特開2000−230342公報
通常時にも風などの影響を受けて上部構造体に揺れが発生することによる居住性の悪化を抑制することができる免震装置の変形抑制装置を提供することを目的とする。
本発明に係る免震装置の変形抑制装置は、建物の免震層に設置する免震装置における変形抑制装置であって、建物の土台と基礎面に設置される一対のブロックと、該一対のブロック同士を緩繋する長尺材と、前記一対のブロック同士が所定の間隔を保持するように連結する固定具からなり、地震時の水平力が所定値以下の場合には、前記固定具が土台と基礎面の相対変位を規制するとともに、該水平力が所定値を越えた場合には、該固定具が破断して前記相対変位の規制を解除し、前記長尺材が該長尺材の伸張限界を超える相対変位を阻止するように構成したことを特徴とする免震装置の変形抑制装置である。
本発明の変形抑制装置を使用すれば、通常時は、該変形抑制装置を構成する固定具の存在により居住性の悪化を抑制すること、すなわち、風などの影響による上部構造体の継続的な微振動の発生が抑えられるとともに、地震発生に伴い水平力が所定値を越えた場合は固定具の変形抑制機能を解除し、これに伴って支承部が変形抑制装置によって何等拘束されることなく一定範囲内で自由に変位しつつ、支承部が一定以上に移動、変形したときは長尺材が伸張限界に達することによりそれ以上の変形を阻止することができる。
また、本発明の変形抑制装置は、ブロックを備え、かつ予め製作段階で前記ブロック同士が所定の間隔を保持するように固定具で連結されている。また長尺材の長さは、建物の最大水平変位に合わせてすべての変形抑制装置が略等しい長さに調整してある。したがって、土台梁面と基礎面への取り付け時にブロックの位置、ブロック同士の間隔、長尺材の長さ等を調整をする必要がない。すなわち、例えば変形抑制装置を先に鉄骨土台梁の複数の箇所に予め固定しておき、次いで基礎面側のブロックに対応させて架台コンクリートを打設すれば、土台梁面と基礎面を所定の間隔に保持しつつ、土台と基礎と一体的に繋ぐことが容易にできる。さらに最大変形時にも特定箇所の長尺材や該長尺材設置部位を損傷させることがない。
また、本発明の固定具は外部から取り付けることにより、破断後の取替えは容易に行うことができる。また、破断荷重の設定は建物規模、建物形状、敷地条件により決まるが、本発明の変形抑制装置は固定具の形状、強度等の設定次第で容易に個別設計に対応させることが可能である。
また、ブロックの四隅にボルト挿通孔を設けることにより、例えば、予め等ピッチ(例えば300mmから500mm程度)に設けられた土台梁側のボルト挿通孔に重ね合わせ、強度を確保したうえで上部構造体、基礎との緊結をすることができる。特に工業化された住宅などにおいてモデュ−ルにより部材同士の接合位置が予め規定されている場合(例えば、特開平08−311990記載されたフランジに4穴一組の取付ボルト孔がモデュール寸法Pに基づいた一定のピッチPで穿孔してある断面H型の梁部材等を土台梁に用いる)に施工上有利である。
さらに、挿通する長尺材をブロックを函体として中央部の空洞部を函体の辺の長さにわたって緩く挿通させることにより、施工時には取り付けの調整が容易となり、施工後の維持管理においては長尺材の劣化を防ぎ、地震時の水平挙動時には長尺材の一部に荷重負担をかけることなく亀裂が発生しにいため、所要の性能や機能を発揮することが可能となる。
本発明の最良の形態を、以下具体的に説明する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(変形抑制装置の構造、好適な材料、形状)
図1は本発明の第1の実施例に係る免震装置の変形抑制装置を示す立面図(a)、
(b)、斜視図(c)、及び固定具の部品図(d)、(e)である。
本発明の第1の実施例に係る免震装置の変形抑制装置1は、一対のブロック(以下ブロック2、ブロック3)、長尺材(以下ワイヤーロープ4)、一対の固定具5(以下プレート)から構成されている。
ブロック2、3は、平面視略正方形の函体2b、3bについてその四隅に4箇所のボルト挿通孔2c、3cを、そのボルト挿通孔にはさまれた函体2b、3bの中央部に2箇所の空洞部2d、3dを設けられている。ブロック2、3の四隅に4箇所のボルト挿通孔2c、3cを設けたのは、鉄骨土台梁に予め等ピッチ(例えば300mmから500mm程度)で穿孔している挿通孔に重ねるように配置し、所定のボルトナットを挿通して固定ができるように、基礎側の架台コンクリート面に所定のアンカーボルトを挿通して固定ができるようにするためである。また、函体2b、3bの中央部に2箇所の空洞部2d、3dがあるのは、ワイヤーロープ4を函体の辺の長さにわたって緩く挿通させるためである。ここで、前記ブロック2,3の前記函体2b、3bには、さらに平面視略長方形の板材2a、3aを各2枚ずつ固定し、ブロック2,3の中央部の空洞部2d、3dにおいてワイヤーロープ4を挿通できるように構成されている。すなわちブロック2,3を鉄骨土台梁(断面H型鋼等)のフランジ面(図示無)面接触でボルト固定させたとき、ワイヤーロープ4の挿通を妨げないようにブロック2,3側面に欠き込み部を形成したものである。したがって、前記板材2a、3aの固定位置は該鉄骨土台梁のボルト孔に対応し、前記の板材の厚み寸法はワイヤーロープ4の直径より大きな寸法としている。なお、ブロック2、3の好適な材料としては、鋼板が最適であるが、これ以外に、金属、セラミックス、FRPなどの硬質プラスチックスなどを用いてもよい。
ワイヤーロープ4は、1の長尺材を前記上下一対のブロック2、3の中央の2つ空洞部を挿通後、所定の長さに調整し、かしめることにより輪状に連結している。ワイヤーロープ4の長さは、水平移動距離の最大許容値に合わせて設定されている。なお、ワイヤーロープ4の材料は、長尺で強度が確保されるものであればよく、鋼材、プラスチック材、合成繊維材天然素材等が挙げられる。
図1(d)のプレート5は、平面視略長方形の薄板で、上下一対のブロック2,3の側面にボルトで固定できるように上下端部にボルト孔5aを設けてある。ブロック2,3同士の水平方向の位置関係を保持して、建物に対して所定値以下の水平力が働いた場合に微振動が発生しないようにするためである。また同時に鉛直方向の位置関係も保持されるので、変形抑制装置の取付け施工時にブロック間の距離の調整作業やワイヤーロープの長さの調整作業を省略することができる点でも有利である。
さらにプレート5の中央には変形抑制装置に所定値を超える水平力が作用した場合にその部分が破断するべく、破断部(くびれ)5bを設けている。この破断によりブロック2,3の固定連結が解かれ、ワイヤーロープ4の長さの許容する範囲内で鉄骨土台と基礎面が自由に移動可能とし、支承部と復元部が建物の免震機能を発揮できるようにするためである。ここで、プレート5が早期に破断するのは、プレート5がワイヤーロープ4自身の強度、ブロック2、3と土台梁の接合部、及びブロック2,3と基礎の接合部の強度より弱く、せん断破壊が早期に発現するためであり、また、くびれを入れるのは、破断部5bの位置を管理しやすいからである。これにより破断後プレートのみ交換すれば、再使用が可能となる。
図1(e)のプレート7は、前記プレート5を代替するものであり、破断部7bとしてプレート中央に破線のような形で等間隔に孔開け加工を施した部分を設けたものである。所定値を超える水平力が作用した際に当該部分が破断するものである。
図2は本発明の第2の実施例に係る免震装置の変形抑制装置を示す立面図(a)、
(b)、斜視図(c)、及び固定具の部品図(d)、(e)である。上下一対のブロック12、13同士の位置関係を保持する別の実施例である。ブロック12、13とプレート15、17を直接ボルトナット16で挟み、両端部についた突起部15c、17cをブロックに挿入することでブロック12、13同士の鉛直方向の位置関係を保持し、ブロック12、13間の距離の調整作業やワイヤーロープ14の長さの調整作業を省略するものである。
なお、第1及び第2の実施例のプレート5、7、15、17の材料は、鋼板が最適であるが、これ以外に、金属、セラミックス、FRPなどの硬質プラスチックスなどを用いてもよい。
(免震層の構造、各部位の接合構造)
図3は本発明の第1の実施例に係る免震装置の変形抑制装置を使用した建物の免震層における免震基礎の支承部と変形抑制部の装置を示した断面図(a)、A−A矢視図(b),及び建物の最大変形時(上部構造体と基礎の相対変位が最大となる時)の断面図(c)である。ここで、免震層とは、ほぼGL〜Z0の断面の層間の部位をいう。
図3(a)、(b)において支承部の構成は、基礎の底版101に設けた架台コンクリート102にアンカーボルト106bを介してすべり受け板106がナット106aで固定されている。一方、鉄骨土台梁103には支承装置107が設置され、支柱107aを介してすべり支承107bが設けられている。該支承107bは前記すべり受け板面106の略中央部に乗せられ、上部構造体104を載せた鉄骨土台梁103を支えている。なお、建物の外周(Y0:モデュール芯)全体に渡って意匠上、鉄骨土台梁(断面H型鋼)のウェブについた接続部材103bを介して、化粧板103aを取り付けされている。
架台コンクリート105は平面視915mm角、高さは168mmで、基礎の底版101の天端面を基準に設けられている。すべり板106は厚3mmで、架台コンクリート105の天端面全体に敷かれている。また表面はある程度の摩擦抵抗をもつものである。すべり支承107bが水平移動により架台コンクリート105の天端面から外れないようにするためである。支柱107aの高さ寸法は150mm、すべり支承107bの厚みは略32mm、鉄骨土台梁103のせいは300mmである。基礎立ち上がり部102の天端は地盤面(GL)から300mmで地盤面(GL)から鉄骨土台梁103の天端(Z0)までは600mmで構成されている。
変形抑制部の構成は、基礎の底版101に設けた高さ100mmの架台コンクリー
ト108が設けられ、該架台コンクリート108に埋め込まれて打設された下部プレー
ト109の中央部に本発明に係る変形抑制装置(図1参照)110が固定されている。
すなわち、変形抑制装置110は、下部のブロックが架台コンクリート108に下部プ
レート109を介してボルト接合(109a、109b)され、上部のブロックが鉄骨土台梁103にボルト接合(109c、109d)されてる。水平挙動時にも基礎の底板101と鉄骨土台梁103から外れることがないようにするためである。
架台コンクリート108は平面視が450mm角、高さは100mmで、基礎の底版101の天端面を基準に設けられている。下部プレート109は平面視250mm角、
厚16mmで、架台コンクリートの打設で一体固定されている。変形抑制装置110(高さ250mm)は、鉄骨土台梁103と架台コンクリートとの距離は250mmでその間に納められている。
図3(c)は建物の所定値を超える水平力が作用した場合に変形抑制装置の固定具が破断して、建物が最大変形した様子の例を示したものである。固定具が破断されたために上部構造体は、下部の基礎の変形抑制装置の設置位置を基準にして左側に水平移動している。ここで、建物の変形の限界は、変形抑制装置110の長尺材(ワイヤーロープ)の長さで調整され、本実施例では支承部の支承装置107の移動範囲がすべり受け板106の領域内におさまるように設定されている。
図4は、本発明に係る図3の実施例で使用する復元部の復元装置の斜視図である。復元装置21は、円筒型復元弾性体22の上部に鉄骨土台梁と接合するための上部プレート23が付けられ、下部には架台コンクリートに載置すべき、又は埋め込まれる下部プレート24を備えたものである。復元弾性体としては、各種の加硫ゴム、未加硫ゴム、ウレタンゴム、熱可塑ゴムなどを用いてもよい。復元弾性体の形状は 円形に限らず、方形、多角形としてもよい。復元装置21は、下部プレート24が架台コンクリートにボルト接合され、上部プレートが鉄骨土台梁にボルト接合され、水平挙動時にも基礎の底板と鉄骨土台梁から外れることがない。
本発明に係る第1の実施例に使用する減衰部の構成は、別途装置を設けることなく、支承部107とすべり板106との摩擦減衰によるが、これでも減衰機能が不足する場合には、特に図示しないが、公知のオイルダンパー機構のものが設置されることもある。
(変形抑制装置の作用効果)
このように構成された図3の免震装置における図1の変形抑制装置は、上下一対のブロック2,3を連結固定する一対のプレート5、7は、地震時の水平力が所定値以下の場合は上記の水平移動の変位を規制し、かつ、上記水平力が所定値を越えた場合は支承部のすべり支承の変位を許容する。すなわち、このプレート5には破断部5b、7b(中央部のくびれ、孔開け加工)が形成され、上下ブロック2,3に連結しているので、地震時の水平力が所定値を越えた場合に、まず破断部5b、7bにせん断応力が集中し、破断される。また、図2の変形抑制装置を使用しても全く同様の機能を発揮する。
(水平力に対する建物の作用効果)
さらにこのように構成された図3の免震層を持つ建物における図1の変形抑制装置は、上記のようなプレート5、7を備えた変形抑制装置が地震発生のない通常時、又は地震発生しても基礎側へ入力される水平力が所定値以下のときはプレート5、7の働きにより風などの影響を受けて上部構造体に揺れが発生することを防止して、居住性の悪化を抑制することが可能であるとともに、地震発生に伴い基礎側へ入力される水平力が所定値を越えたときはプレート5、7の破断部5b、7b(中央部のくびれ、孔開け加工)が破断することにより、今度は所定の免震性能を発揮する。すなわち、ワイヤーロープ4で設定された一定範囲内で変位が許容されて、支承部が水平移動し、復元部が復元機能を担い、減衰部が変位を小さくすることにより振動エネルギーを吸収するのである。また、図2の変形抑制装置を使用しても全く同様の機能を発揮する。
(免震層の施工手順、及び本発明の装置の取り付け手順)
図5は本発明の図1の実施例に係る免震装置の変形抑制装置を使用した免震基礎のうち、支承部と変形抑制部と復元部の施工手順を示した斜視図である(図示の便宜のため建物の隅角部のうち出隅部の一箇所を示す)。
図5−(1)において、まず、建物全体の基礎の施工を行う。建物の施工面積に合わせ、底板201を打設する。べた基礎として、外周には基礎の立ち上がり202を設ける。このとき、支承部を受けるための架台コンクリート205を同時に打設し、かつ復元部211、変形抑制部の各装置210(図5−(3)参照)を埋設固定するための部位はコンクリートを打設せず、開口部201a、201bを前記基礎の底板201に予め設けておくのが好ましい。位置精度を確保するためである。
次に、建物全体の支承部の施工を行う。各支承部において前記架台コンクリート205に設けたアンカーボルト206bにすべり板206をナット206aで固定する。すべり支承のすべり面を形成するためである。
図5−(2)において、前記架台コンクリートのすべり板206を敷き固定した後、支承装置207を所定の位置に配置する。建物全体の土台を形成するべく、まず主要な鉄骨土台梁203を支承装置207で支持させるためである。
次に建物全体の要所に配置された前記支承装置207の上に前記鉄骨土台梁203を載置して、前記支承装置207の支柱207bと鉛直方向の接合(ボルト接合)を行うとともに前記鉄骨土台梁203同士を水平方向に連結して、建物全体の主要な土台を形成する。さらに周辺の鉄骨土台梁203aを水平方向に連結する。このようにして建物のすべての支承部で前記作業を行い、建物全体の土台を形成する。
図5−(3)において、変形抑制部、復元部の各装置210、211の取り付けを行う。変形抑制部は、まず所定の位置にて本発明の変形抑制装置210の上部ブロックを鉄骨土台梁203にボルト接合し、鉄骨土台梁203から釣り下がった状態にする。次に変形抑制装置210の下部ブロックと下部プレートを下部プレート側からブロックのボルト孔にボルトを差込みブロック側からナットで接合する(図示無)。続いて該下部プレートの四隅の孔にアンカーボルト挿入し、予め所定位置に設けておいた基礎の底板の開口部201aに落とし込み、開口部周辺に所定の高さの型枠を設け、前記下部プレートの天端面を基準面として架台コンクリート208を打設する。
これにより図5−(4)のように基礎の底板201、架台コンクリート208、本発明の変形抑制装置210、鉄骨土台梁203を一体的に連結固定することができるのである。
なお、本実施例では工事現場で変形抑制装置の下部プレ−トに下部ブロックを接合した例を記載したが、予め工場などで組み立てをしたものを用いればさらに現場施工が省略できる。
復元部において復元装置211を設置するにあたり、鉄骨土台203への取り付け固定の方法、基礎の底板201への取り付け固定の方法は、変形抑制装置210とほぼ同様に行うことができる。
特に、戸建て住宅のような軽量構造物に好適に使用しうる。
図1は本発明の第1の実施例に係る免震装置の変形抑制装置を示す立面図(a)、(b)、斜視図(c)、及び固定具の部品図(d)、(e)である。 図2は本発明の第2の実施例に係る免震装置の変形抑制装置を示す立面図(a)、(b)、斜視図(c)、及び固定具の部品図(d)、(e)である。 図3は本発明の第1の実施例に係る免震装置の変形抑制装置を使用した建物の免震層における免震基礎の支承部と変形抑制部の装置を示し、(a)は断面図、(b)はA−A矢視図である。 建物の最大変形時(上部構造体と基礎の相対変位が最大となる時)の断面図である。 図4は本発明の図3の実施例に係る免震装置に使用する復元装置の斜視図である。 図5は本発明の第1の実施例に係る免震装置の変形抑制装置を使用した免震基礎のうち、支承部と変形抑制部と復元部の施工手順を示し、図5−(1) は建物全体の基礎の施工状態を示す斜視図である。 支承部の設置状態を示す斜視図である。 変形抑制部、復元部の取付け状態を示す斜視図である。 施工完了状態を示す斜視図である。
符号の説明
1、11、110、210 変形抑制装置
2、12 ブロック(上部)
3、13 ブロック(下部)
2a、3aブロックの板材
2b、3bブロックの函体
2c、3cブロックのボルト挿通孔
2d、3dブロック中央の空洞部
4、14 長尺材(ワイヤーロープ)
5、7、15、17 固定具(プレート)
5a、7a、15a、17a 固定具のボルト孔
5b、15b 固定具の破断部(くびれ)
7b、17b 固定具の破断部(孔開け加工)
15c、17c 突起部
6、16b ボルト、16a ナット
21、211 復元装置
22 円筒型復元弾性体
23 上部プレート
24 下部プレート
101、201 基礎の底板コンクリート、201a、201b 基礎の底板の開口部
102、202 基礎の立ち上がりコンクリート、
103、203 鉄骨土台梁、103a 化粧板、103b 接続部材
203a 周辺の鉄骨土台
104 上部構造体
105、205 架台コンクリート
106、206 すべり受け板、106a ナット、106b アンカーボルト
107、207 支承装置、107a、207a 支柱、
107b、207b すべり支承、107cナット、107dボルト
108、208、212 下部コンクリート
109 下部プレート、109a ナット、109b アンカーボルト
109c ナット、109d ボルト

Claims (1)

  1. 建物の免震層に設置する免震装置における変形抑制装置であって、
    建物の土台と基礎面に設置される一対のブロックと、該一対のブロック同士を緩繋する長尺材と、前記一対のブロック同士が所定の間隔を保持するように連結する固定具からなり、地震時の水平力が所定値以下の場合には、該固定具が土台と基礎面の相対変位を規制するとともに、該水平力が所定値を越えた場合には、前記固定具が破断して前記相対変位の規制を解除し、前記長尺材が該長尺材の伸張限界を超える相対変位を阻止するように構成したことを特徴とする免震装置の変形抑制装置。
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