JP2005113002A - 水系型発泡耐火塗料 - Google Patents

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秀樹 山内
Keiichi Kato
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Abstract

【課題】 発泡耐火塗料の塗装工事全体の工期を短くするために、一度に塗装できる膜厚が厚く、垂直部分に塗装した場合でも塗料のだれなどが少なく、塗装器具の制限が少ない水系型発泡耐火塗料を提供する。
【解決手段】 合成樹脂エマルションと、ポリリン酸アンモニウム,リン酸アンモニウム,リン,その他のリン化合物のいずれか1種又は2種以上の発泡剤と、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトール,ポリペンタエリスリトール,メラミンのいずれか1種又は2種以上の炭化剤と、を主成分とする水系型発泡耐火塗料において、セルロース誘導体からなる粘性調整剤が添加され、その粘度がB型粘度計において、10〜400Pa・sの範囲内にあるものである。
【選択図】 なし

Description

この発明は、鉄骨造の建築構造物の柱、梁などに用いられる鋼材を火災から保護する目的のために使用される耐火被覆材のうち、火災にさらされたときに発泡して、耐火断熱層に変化することができる被覆層を形成する水系型発泡耐火塗料に関するものである。
近年、構造物に用いられる鉄骨などに用いられている無機系結合材を主成分とした耐火被覆材に変わって、有機系結合材を主成分とした発泡型の耐火塗料を用いることが増えてきている。この発泡耐火塗料は、無機系耐火被覆材に比べ薄膜の塗膜により十分な耐火性能を発揮するものである。
この発泡耐火塗料には、一般的有機溶剤を溶媒とした溶剤型の発泡耐火塗料と溶媒に水を用いた水系型の発泡耐火塗料がある。この2種類の発泡耐火塗料の中でも塗装作業中や塗膜の形成過程に発生する揮発成分の点から水系型発泡耐火塗料が使われる傾向にある。これらの水系型発泡耐火塗料は、その塗料の塗装作業性を考慮して、必要に応じ増粘剤などの粘性調整剤を用いることが多い。
このような水系型発泡耐火塗料には、下記のような発明が開示されている。
特開昭 53−096038号公報 この公報には、ゴム系ラッテックス、アクリル系エマルションを結合材として用いられている発泡耐火塗料が記載されている。 特開昭 54−050033号公報 この公報には、ポリ酢酸ビニール樹脂エマルションを結合材として用いられている発泡耐火塗料が記載されている。
特開平 10−316900号公報 この公報には、樹脂の一形態としてエマルションが例示され、更に実施例には、合成樹脂エマルションに増粘剤を加えた発泡耐火塗料の処方が示されている。 特開2000−309183号公報 この公報には、樹脂の一形態としてエマルションが例示され、更に増粘剤を用いることも記載されている。
しかしながら、この発泡耐火塗料により形成される塗膜での耐火被覆は、通常1〜5mm程度と耐火被覆材の中では、薄いものではあるが、一般的な合成樹脂エマルションなどの有機系結合材を主成分とした塗料の中では、比較的厚膜の塗膜を形成しなければならなく、平滑な塗膜を要求される場合が多いものである。
一般的な有機系結合材を主成分とした塗料では、一度に形成することができる平滑な膜厚は、数μm〜100μm程度のものが多く、1〜5mm程度の平滑な膜厚を得るためには、所定の膜厚になるまで何度も同じ部位に平滑に塗装しなければならないことが多い。又、塗装される部位は、柱などの垂直面が多くある。このようなことから、塗料を一度に厚く付けた場合には、塗料が垂れることが多い。そのため、スプレー塗装やローラー塗装などの器具を使って、均一に塗料が1ヶ所に溜まらないように塗装することが多い。
このように従来での発泡耐火塗料では、一度に塗装できる膜厚に制限が多く、そのため塗装工程が多くなる傾向になる。更に、このように何度も塗装する場合、前工程で塗装された塗料が乾燥するまでの間、次工程を待つ必要があり、発泡耐火塗料の塗装工事全体の工期が長くなることになる。
これは、初回と2回目又は2回目と3回目の塗装工程の間である塗装工程間では、それぞれ塗料の乾燥時間が必要となることである。又、この発泡耐火塗料が水系型であれば、溶剤型のものに比べ乾燥時間が多く掛かり、より塗装工事全体の工期が長くなることになる。
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、発泡耐火塗料の塗装工事全体の工期を短くするために、一度に塗装できる膜厚が厚く、垂直部分に塗装した場合でも塗料のだれなどが少なく、塗装器具の制限が少ない水系型発泡耐火塗料を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の水系型発泡耐火塗料は、合成樹脂エマルションと、ポリリン酸アンモニウム,リン酸アンモニウム,リン,その他のリン化合物のいずれか1種又は2種以上の発泡剤と、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトール,ポリペンタエリスリトール,メラミンのいずれか1種又は2種以上の炭化剤と、を主成分とする水系型発泡耐火塗料において、セルロース誘導体からなる粘性調整剤が添加され、その粘度がB型粘度計において、10〜400Pa・sの範囲内にあることを要旨とする。
請求項2に記載の発明の水系型発泡耐火塗料は、請求項1に記載の発明において、セルロース誘導体からなる粘性調整剤により調整された塗料のTI値が1.5〜3.0の範囲内であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明の水系型発泡耐火塗料は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、セルロース誘導体の粘性調整剤の添加量が、塗料中の揮発分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部の範囲内であることを要旨とする。
請求項1に記載の発明の水系型発泡耐火塗料によれば、一度に塗装できる膜厚が厚く、垂直部分に塗装した場合でも塗料のだれなどが少なく、塗装器具の制限が少ないものを得ることができ、発泡耐火塗料の塗装工事全体の工期を短くすることができる。
請求項2に記載の発明の水系型発泡耐火塗料によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、垂直部分に塗装した場合でも塗料のだれなどがより少なく、塗装器具の制限が少ないものである。
請求項3に記載の発明の水系型発泡耐火塗料によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、適切な粘度を容易に得ることができ、形成された塗膜の耐火性能を低下させることがないものである。
以下、この発明の実施形態を詳細に説明する。
この発明は、合成樹脂エマルションと、ポリリン酸アンモニウム,リン酸アンモニウム,リン,その他のリン化合物のいずれか1種又は2種以上の発泡剤と、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトール,ポリペンタエリスリトール,メラミンのいずれか1種又は2種以上の炭化剤と、を主成分とする水系型発泡耐火塗料において、セルロース誘導体からなる粘性調整剤が添加され、その粘度がB型粘度計において、10〜400Pa・sの範囲内にあるものである。
まず、この発明での合成樹脂エマルションとは、水系型発泡耐火塗料に配合されている各種成分を結合させ、塗膜である発泡耐火膜を形成するための結合材であり、その塗膜と被塗装物との接着させるためのものであり、後述するセルロース誘導体からなる粘性調整剤を添加することにより、容易に粘度を上昇させることや粘性を変化させることができるものである。
この合成樹脂エマルションは、メラミン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂を単独又は共重合した合成樹脂を水に分散させたものなどを挙げることができる。また、複数種の合成樹脂エマルションを混合して用いることも可能である。
また、この合成樹脂エマルションは、分散媒として水を用いていることからこの水系型発泡耐火塗料の塗装,乾燥の際に発生する蒸発成分が水蒸気であることから従来からある溶剤型の塗料に比べ、作業者に対する負担が少なく、作業環境など塗装現場近隣を含めた環境に対する負荷が少ないものである。
発泡剤とは、水系型発泡耐火塗料の主成分の1つであり、この塗料により形成される発泡耐火膜が火に晒された場合、発泡し発泡断熱層の形成を促進するものである。この発泡剤には、ポリリン酸アンモニウム,リン酸アンモニウム,リン,その他のリン化合物のいずれか1種又は2種以上が用いられる。これらの発泡剤は、容易に合成樹脂エマルションと混合することができ、発泡耐火膜の発泡が効率的に行われ、十分な耐火性能を有する発泡層を形成することができるものである。
炭化剤とは、発泡耐火膜の発泡途中,発泡が終了した発泡層を炭化させるものであり、発泡層が炭化することで上記発泡剤との相乗効果により、断熱効果のある断熱層を形成し十分な耐火性能を得ることができるものである。
この炭化剤には、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトール,ポリペンタエリスリトール,メラミンのいずれか1種又は2種以上が用いられるものである。これらの炭化剤は、上記発泡剤と同様で、容易に合成樹脂エマルションと混合することができ、発泡耐火膜の炭化が効率的に行われ、発泡剤との相乗効果により十分な耐火性能を有する発泡断熱層を形成することができるものである。
つぎに、セルロース誘導体からなる粘性調整剤とは、水系型発泡耐火塗料の粘度,粘性を調整するものであり、セルロース誘導体であることにより、少ない添加量で、その塗料の粘度を上昇させることができる。又、水系型発泡耐火塗料により得られた発泡耐火膜の発泡性,耐火性を低下させることがないものである。
この粘性調整剤は、粉末状のものであり、塗料製造過程に直接添加したり、前もって粘性調整剤の溶液を作り、その溶液を塗料製造過程で添加することもできる。
このセルロース誘導体からなる粘性調整剤には、ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロースなどを挙げることができる。これらの粘性調整剤は、分子が長いことと、水に溶かしたときに水中で膨潤した形で存在することで、塗料などの粘度を上昇させることができるものである。
このセルロース誘導体からなる粘性調整剤の種類,分子の長さ,添加量により水系型発泡耐火塗料の粘性,粘度を任意に調整することが可能である。しかし、この粘性調整剤の添加量が多くなりすぎた場合、水系型発泡耐火塗料中にある発泡剤,炭化剤などの耐火性能に関係する成分が、相対的に少なくなる場合が生じ、耐火性能に影響をおよぼす場合がある。
このようなことから、添加量をなるべく少なくし、所定の粘度,粘性を得るために、セルロース誘導体からなる粘性調整剤の種類,分子の長さを任意に選択し、水系型発泡耐火塗料に用いることが可能である。
そのため、セルロース誘導体からなる粘性調整剤の添加量が、水系型発泡耐火塗料中の水などの揮発分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部の範囲内であることが好ましい。5.0重量部より多い場合は、上記記載のように形成される発泡耐火膜の発泡特性などに影響を与え十分に発泡した発泡断熱層の形成に影響を与え、十分な耐火性能を得ることができない場合がある。
一方、0.3重量部より少ない場合では、添加される粘性調整剤が少量でありことで、その添加量の少しのバラツキにより水系型発泡耐火塗料の粘度,粘性が変化することがあり、これらのコントロールが行い難い場合がある。
さらに、この水系型発泡耐火塗料には、前記の成分の以外に、その他の成分を含有することができる。その他の成分は、水系型発泡耐火塗料により形成される発泡耐火膜の耐火性能を損なわない範囲内において添加,含有させることができる。
その成分としては、炭酸カルシウム、クレー、珪砂、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、無機繊維、ロックウールなどの充填材や体質顔料、ハロゲン系、リン系、三酸化アンチモン系などの難燃剤及び消泡剤、分散剤、湿潤剤などの界面活性剤、可塑剤、造膜助剤、防凍剤などの溶剤、着色顔料、金属石鹸、安定剤、防腐剤、防黴剤などがある。
上記記載の各種材料によりこの水系型発泡耐火塗料は、構成され、これらの材料を撹拌及び混合などの常法により得ることができる。
このようにして得られた水系型発泡耐火塗料の粘度は、B型粘度計において、10〜400Pa・sの範囲内にある。この粘度が10Pa・sより低い場合では、一度に多くの塗布量を塗り付けることができなく、垂直部分などに多く塗布した場合に塗料の垂れなどが多くなり、きれいな塗装面を得ることが困難になる。又、コテ,ヘラなどの塗装器具により塗装することが困難であり、そのため塗装作業の手間が掛かることになる。そのため塗装器具の制限が多くなる。
逆に、この粘度が400Pa・sより高い場合では、塗装が難しく、作業の手間が掛かることになる。
より好ましくは、25〜350Pa・sの範囲である。この範囲のB型粘度計での粘度の範囲であれば、一度に多くの塗布量を塗り付けることができ、垂直部分などに多く塗布した場合の塗料のだれなどが少ないことになる。又、塗装器具の制限が少なく、作業効率が良いものである。
しかしながら、この水系型発泡耐火塗料を用いて塗装する場合に、この塗料の粘度が上記範囲より高い場合では、希釈剤である水などにより粘度を下げることが可能である。しかし、その希釈剤を多く添加した場合では、水系型発泡耐火塗料中の発泡剤,炭化剤、合成樹脂などの主成分の含有量を相対的に低下させることになり、耐火性能に影響をおよぼすことがある。又、この水系型発泡耐火塗料の固形分を下げることになり、発泡耐火膜の形成過程で乾燥収縮によりクラックが発生する場合もある。
このようなことから、希釈剤による水系型発泡耐火塗料の希釈は、塗料全体の重量の10%以下にすることが好ましいものである。
逆に、上記範囲より低い場合では、塗装に際して、粘性調整剤を加えることも可能である。この場合の粘性調整剤は、セルロース誘導体からなるものに限られ多ものでなく、できるだけ少ない量により所定の粘度まで粘度を上げることができるものであれば良い。これは、塗装現場での粘性調整剤を添加することは、塗料の製造の場合に添加するときと異なり、混合装置などの制限により困難な場合がある。そのため、混ざり易く、発泡耐火膜の耐火性能に影響をおよぼさないようできるだけ少量の添加量で粘度を上げることができるものを用いることが好ましい。
さらに、この水系型発泡耐火塗料のTI値が1.5〜3.0の範囲内であることが好ましい。このTI値がこの範囲内であることにより、垂直部分に塗装した場合でも塗料のだれなどがより少なく、塗装器具の制限が少ないものである。
このTI値とは、チクソインデックスのことであり、液体の粘性特性を数値化したもので、この数値が大きくなればチクソトロピーが大きいことを示している。又、チクソトロピーとは温度が一定の時、混合したり振り動かすとゾル状となり、これを放置するとゲル状に戻る性質のことである。
この水系型発泡耐火塗料は、一度に多くの塗布量を塗り付けることと垂直部分などに多く塗布した場合の塗料のだれなどを少なくすることから、その粘度が比較的低い場合では、このTI値を高めに設定することが好ましい。
このTI値は、下記の式により求められる。
TI=Ma/Mb
又は、
TI=(Ma−Mb)/(Mb−Mc)
Ma:a回転の時の粘度 Mb:b回転の時の粘度 Mc:c回転の時の粘度 回転数は、a<b<cの順で多くなる。
さらに、塗装現場などで、その水系型発泡耐火塗料のTI値を測定できない場合では、その塗料のフロー値により、その水系型発泡耐火塗料の粘性を把握することも可能である。
このフロー値は、塗装現場で塗装に際しての簡易的に塗料粘性を把握することができるために用いることができる。このフロー値の測定は、JIS−R5201に記載されているフローコーンなどを用いて測定する。
まず、このフロー値は、フローテーブルなど吸水のほとんどない平坦な面を有する板状物を水平に設置し、その上にフローコーンを静置する。このフローコーンに水系型発泡耐火塗料を充填し、フローコーンを外す。このようにすることにより、充填された水系型発泡耐火塗料は、フローコーンの形状を維持できなくなり、板状物の上に広がることになる。その広がりの大きさを測定し、その値をフロー値とする。
このフロー値は、フローコーン最大内径の1.2〜2.0倍の範囲が好ましい。つまり、フローコーンの最大内径が100mmの場合では、120〜200mmの範囲になる。1.2倍より小さい場合では、水系型発泡耐火塗料の流動性が少なく、コテ,ヘラなどの塗装器具による塗装は可能であるが、スプレー,ローラーなどでの塗装が困難な場合がある。
2.0倍より大きい場合では、流動性があるため、一度に多くの塗布量を塗り付けることと垂直部分などに多く塗布した場合の塗料の垂れなどを生じることがある。
以上のように、この実施形態によれば次のような効果が発揮される。
・ 合成樹脂エマルションと、ポリリン酸アンモニウム,リン酸アンモニウム,リン,その他のリン化合物のいずれか1種又は2種以上の発泡剤と、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトール,ポリペンタエリスリトール,メラミンのいずれか1種又は2種以上の炭化剤と、を主成分とする水系型発泡耐火塗料において、セルロース誘導体からなる粘性調整剤が添加され、その粘度がB型粘度計において、10〜400Pa・sの範囲内にあることより、発泡耐火塗料の塗装工事全体の工期を短くするために、一度に塗装できる膜厚が厚く、垂直部分に塗装した場合でも塗料の垂れなどが少なく、塗装器具の制限が少ない水系型発泡耐火塗料を得ることができる。
・ セルロース誘導体からなる粘性調整剤により調整された塗料のTI値が1.5〜3.0の範囲内であることにより、垂直部分に塗装した場合でも塗料の垂れなどがより少なく、塗装器具の制限が少ないものである。
・ セルロース誘導体の粘性調整剤の添加量が、塗料中の揮発分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部の範囲内であることにより、適切な粘度を容易に得ることができ、形成された塗膜の耐火性能を低下させることがないものである。
・ 水系型発泡耐火塗料の希釈は、塗料全体の重量の10%以下にすることにより、塗料の粘度を容易に下げることが可能であり、耐火性能に影響が少なく、発泡耐火膜の形成過程で乾燥収縮によりクラックの発生が少ないものである。
・ 水系型発泡耐火塗料のフロー値がフローコーン最大内径の1.2〜2.0倍の範囲あることにより、流動性と一度に多くの塗布量を塗り付けた場合塗料の垂れが少ないバランスの取れたものである。
以下の実施例,比較例に用いた水系型発泡耐火塗料は、合成樹脂エマルション,発泡剤としてのポリリン酸アンモニウム,炭化剤としてのペンタエリスリトールを主成分したもので、この塗料固形分が70%であり、水などの揮発成分が30%のものであった。
まず、実施例1の水系型発泡耐火塗料には、セルロース誘導体の粘性調整剤として、ヒドロキシエチルセルロースを塗料中の揮発成分に対して1.5重量部になるように調整し塗料に配合した。この水系型発泡耐火塗料の粘度は、100Pa・sで、TI値が2.3であった。
実施例2の水系型発泡耐火塗料には、セルロース誘導体の粘性調整剤として、カルボキシメチルセルロース塗料中の揮発成分に対して0.3重量部になるように調整し塗料に配合した。この水系型発泡耐火塗料の粘度は、60Pa・sで、TI値が1.8であった。
実施例3の水系型発泡耐火塗料には、セルロース誘導体の粘性調整剤として、メチルセルロースを塗料中の揮発成分に対して3.5重量部になるように調整し塗料に配合した。この水系型発泡耐火塗料の粘度は、250Pa・sで、TI値が2.5であった。
実施例4の水系型発泡耐火塗料には、セルロース誘導体の粘性調整剤として、ヒドロキシプロピルセルロース塗料中の揮発成分に対して5.0重量部になるように調整し塗料に配合した。この水系型発泡耐火塗料の粘度は、300Pa・sで、TI値が2.0であった。
これら実施例1〜4の水系型発泡耐火塗料と下記の比較例1〜3の水系型発泡耐火塗料を塗装作業性などの比較を行った。
比較例1の水系発泡耐火塗料では、上記水系型発泡耐火塗料にポリエーテル系の粘性調整剤を用い、その添加量は、塗料中の揮発成分に対して2.5重量部になるように調整し塗料に配合した。この水系型発泡耐火塗料の粘度は、200Pa・sで、TI値が1.8であった。
比較例2では、ヒドロキシエチルセルロースを塗料中の揮発成分に対して6.0重量部になるように調整し塗料に配合した。この水系型発泡耐火塗料の粘度は、500Pa・sで、TI値が3.5であった。
比較例3では、メチルセルロースを塗料中の揮発成分に対して0.2重量部になるように調整し塗料に配合した。この水系型発泡耐火塗料の粘度は、350Pa・sで、TI値が1.3であった。
これらの塗装作業性をスプレー,ローラー,コテの3種類の塗装器具を用いそれぞれ比較した。実施例1〜4の水系型発泡耐火塗料の塗装作業性は、すべての塗装器具で良好であり、これらの水系型発泡耐火塗料を鉄骨の垂直部分に3mmの厚みで塗装した場合、どれも垂れが無く均一な塗膜を形成することができた。
一方、比較例1の水系発泡耐火塗料は、すべての塗装器具で良好ではあったが、鉄骨の垂直部分に3mmの厚みで塗装した場合、垂れが多く、均一な塗膜を形成することができなかった。
比較例2のものでは、スプレー,ローラーの塗装器具による塗装を行うことが困難ではあったが、コテによる塗装は、良好に行うことができ、垂れが無く均一な塗膜を形成することができた。
比較例3のものでは、比較例2のものとは逆に、スプレー,ローラーの塗装器具による塗装を行うことはできたが、コテによる塗装を行うことが困難であった。又、垂れが多く、均一な塗膜を形成することができなかった。
このように、実施例1〜4の水系型発泡耐火塗料では、一度に塗装できる膜厚が厚く、垂直部分に塗装した場合でも塗料のだれなどが少なく、塗装器具の制限が少ないものであった。
更に、これらの水系型発泡耐火塗料を用いて、耐火性能を比較したが、粘性調整剤の添加量により、耐火性能に差があった。つまり、比較例2の水系発泡耐火塗料は、比較的耐火性能が劣り、添加量の少ない実施例2や比較例3のものは、良好な結果が得られた。
(作成者:山内 秀樹)

Claims (3)

  1. 合成樹脂エマルションと、ポリリン酸アンモニウム,リン酸アンモニウム,リン,その他のリン化合物のいずれか1種又は2種以上の発泡剤と、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトール,ポリペンタエリスリトール,メラミンのいずれか1種又は2種以上の炭化剤と、を主成分とする水系型発泡耐火塗料において、
    セルロース誘導体からなる粘性調整剤が添加され、その粘度がB型粘度計において、10〜400Pa・sの範囲内にあることを特徴とする水系型発泡耐火塗料。
  2. セルロース誘導体からなる粘性調整剤により調整された塗料のTI値が1.5〜3.0の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の水系型発泡耐火塗料。
  3. セルロース誘導体の粘性調整剤の添加量が、塗料中の揮発分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水系型発泡耐火塗料。
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