JP2005112914A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】低い駆動電圧で高い色純度と輝度が得られる赤色発光を示す有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】下記一般式[1]で表される化合物と、下記一般式[2]で表される化合物とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
一般式[1]
【化1】
[式中、Ar1は、ペリレニル基、R1およびR2は、1価の芳香族炭化水素基などである。]
一般式[2]
【化2】
[式中、R3〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。
X1は、酸素原子、硫黄原子、又はN−R8を表し、R8は、水素原子、又は置換基を表す。
L1は、直接結合又は連結基を表す。
Rx及びRyは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表すが、少なくとも一方は電子吸引性基を表す。
RxとRy、R6とR7、R7とX1、L1とR4、R4とR3、R3とL1は、互いに結合して環を形成しても良い。]
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式[1]で表される化合物と、下記一般式[2]で表される化合物とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
一般式[1]
【化1】
[式中、Ar1は、ペリレニル基、R1およびR2は、1価の芳香族炭化水素基などである。]
一般式[2]
【化2】
[式中、R3〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。
X1は、酸素原子、硫黄原子、又はN−R8を表し、R8は、水素原子、又は置換基を表す。
L1は、直接結合又は連結基を表す。
Rx及びRyは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表すが、少なくとも一方は電子吸引性基を表す。
RxとRy、R6とR7、R7とX1、L1とR4、R4とR3、R3とL1は、互いに結合して環を形成しても良い。]
【選択図】なし
Description
本発明は平面光源や表示に使用される有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。さらに詳しくは、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す赤色発光用有機エレクトロルミネッセンス素子と有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とがこれら両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光するという有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、固体発光型の表示素子としての用途が有望視され、近年活発に研究開発が行われている。
この研究は、イーストマン・コダック社のC.W.Tang氏らによりAppl.Phys.Lett.,第51巻,913頁,1987年発行に報告された有機薄膜を積層したEL素子に端を発しており、この報告では、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用することで、6〜10Vの直流電圧での輝度が数1000(cd/m2)、最大発光効率が1.5(lm/W)の緑色発光を得ている。現在、様々な研究機関で開発が進められている有機EL素子は、基本的にこのイーストマン・コダック社の構成を踏襲しているといえる。
有機EL素子の中でも、特に赤色発光を示す有機EL素子は、その有用性から様々な材料を用いた素子の研究が進められてきたが、ホスト材料の中に微量のドーパントを共蒸着などの方法によって混入させて発光層を形成し、ドーパントからの発光を得るという方法が有効な方法として検討されている。そのような例として、C.H.Chenら著,Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年発行に記載されている方法では、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウムをホスト材料に、DCM、DCJ、DCJT、DCJTBといった4H−ピラン誘導体をドーパントに用いて橙色から赤色の発光が得られる有機EL素子を報告している。また、この類似構造として特開2003−197376号公報が知られている。
また、ペリレン構造を有する化合物を用いた有機EL素子については、例えば、特開平10−251633号公報、特開平11−144869号公報、特開2001−11031号公報、特開2001−176664号公報、特開2002−129043号公報、特開2003−201472号公報が知られている。
Appl.Phys.Lett.,第51巻,913頁,1987年 Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年 特開2003−197376号公報
特開平10−251633号公報
特開平11−144869号公報
特開2001−11031号公報
特開2001−176664号公報
特開2002−129043号公報
特開2003−201472号公報
Appl.Phys.Lett.,第51巻,913頁,1987年 Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年
従来の技術に述べた赤色の高輝度発光を得るための有機EL素子は、色純度が悪いという欠点があった。4H−ピラン誘導体をドーパントに用いた有機EL素子は、駆動電圧が高く発光輝度が低いというという問題があった。また、ペリレン構造を有する化合物を用いた有機EL素子の場合、発光ピーク幅が広く色純度の点で不十分であった。そのため、より一層低い駆動電圧で発光し、高い色純度と輝度を示す赤色発光を得ることができる有機EL素子が求められていた。
本発明者らは、以上の諸問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記一般式[1]で表される化合物と、下記一般式[2]で表される化合物とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
一般式[1]
一般式[1]
[式中、Ar1は、置換もしくは未置換のペリレニル基、
R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基である。
Ar1とR1、Ar1とR2、R1とR2は、互いに結合して環を形成しても良い。]
一般式[2]
R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基である。
Ar1とR1、Ar1とR2、R1とR2は、互いに結合して環を形成しても良い。]
一般式[2]
[式中、R3〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。
X1は、酸素原子、硫黄原子、又はN−R8を表し、R8は、水素原子、又は置換基を表す。
L1は、直接結合又は連結基を表す。
Rx及びRyは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表すが、少なくとも一方は電子吸引性基を表す。
RxとRy、R6とR7、R7とX1、L1とR4、R4とR3、R3とL1は、互いに結合して環を形成しても良い。]
X1は、酸素原子、硫黄原子、又はN−R8を表し、R8は、水素原子、又は置換基を表す。
L1は、直接結合又は連結基を表す。
Rx及びRyは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表すが、少なくとも一方は電子吸引性基を表す。
RxとRy、R6とR7、R7とX1、L1とR4、R4とR3、R3とL1は、互いに結合して環を形成しても良い。]
また、本発明は、一般式[2]で表される化合物が、下記一般式[3]で表される化合物である上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
一般式[3]
一般式[3]
[式中、R9〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。
X2は、酸素原子、硫黄原子、又はN−R14を表し、R14は水素原子、又は置換基を表す。
L2は、直接結合又は連結基を表す。
Zは、5又は6員環を形成するに必要な原子群を表す。
R12とR13、R13とX2、L2とR10、R10とR9、R9とL2は、互いに結合して環を形成しても良い。]
X2は、酸素原子、硫黄原子、又はN−R14を表し、R14は水素原子、又は置換基を表す。
L2は、直接結合又は連結基を表す。
Zは、5又は6員環を形成するに必要な原子群を表す。
R12とR13、R13とX2、L2とR10、R10とR9、R9とL2は、互いに結合して環を形成しても良い。]
また、本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一層が、上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
また、本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
本発明の有機EL素子用材料に用いて作成した有機EL素子は、従来に比べて低い駆動電圧で発光するため、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として好適に使用することができ、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が可能である。
以下、詳細にわたって本発明を説明する。まず、本発明で使用される一般式[1]で表される化合物について説明する。
まず、一般式[1]中のAr1は、置換もしくは未置換のペリレニル基を表し、未置換のペリレニル基としては、1−ペリレニル基、2−ペリレニル基、3−ペリレニル基があげられる。これらペリレニル基は、さらに他の置換基によって置換されていても良い。本発明において、置換基としては、1価の脂肪族炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基、1価の脂肪族複素環基、1価の芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルシリル基、シアノ基等があげられる。
ここで、1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基を指し、そのようなものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基があげられる。
したがって、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基といった炭素数1〜18のアルキル基があげられる。
また、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基といった炭素数2〜18のアルケニル基があげられる。
また、アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基といった炭素数2〜18のアルキニル基があげられる。
また、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基、2−ボルニル基、2−イソボルニル基、1−アダマンチル基といった炭素数3〜18のシクロアルキル基があげられる。
さらに、1価の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜30の1価の単環、縮合環、環集合芳香族炭化水素基があげられる。ここで、炭素数6〜30の1価の単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の炭素数6〜30の1価の単環芳香族炭化水素基があげられる。
また、1価の縮合環芳香族炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、1−ペリレニル基、2−ペリレニル基、3−ペリレニル基、2−トレフェニレニル基、2−インデニル基、1−アセナフチレニル基、2−ナフタセニル基、2−ペンタセニル基等の炭素数10〜30の1価の縮合環炭化水素基があげられる。
また、1価の環集合芳香族炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、テルフェニリル基、7−(2−ナフチル)−2−ナフチル基等の炭素数12〜30の1価の環集合炭化水素基があげられる。
また、1価の脂肪族複素環基としては、3−イソクロマニル基、7−クロマニル基、3−クマリニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2−モルホリノ基等の炭素数3〜18の1価の脂肪族複素環基があげられる。
また、1価の芳香族複素環基としては、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル、5−イソキノリル基等の炭素数3〜30の1価の芳香族複素環基があげられる。
また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子があげられる。
また、アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、2−ボルニルオキシ基、2−イソボルニルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基等の炭素数1〜18のアルコキシル基があげられる。
また、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基といった炭素数6〜30のアリールオキシ基があげられる。
また、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基といった炭素数1〜18のアルキルチオ基があげられる。
また、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基といった炭素数6〜30のアリールチオ基があげられる。
また、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、アニソイル基、シンナモイル基等の炭素数2〜18のアシル基があげられる。
また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基があげられる。
また、アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基があげられる。
また、アルキルスルホニル基としては、メシル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等の炭素数1〜18のアルキルスルホニル基があげられる。
また、アリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等の炭素数6〜30のアリールスルホニル基があげられる。
また、トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリオクチルシリル基等の炭素数6〜30のトリアルキルシリル基があげられる。
これら置換基は、さらに他の置換基によって置換されていても良く、また、これら置換基同士が結合し、環を形成していても良い。
以上述べた一般式[1]中のAr1としては、置換もしくは未置換の1−ペリレニル基、置換もしくは未置換の2−ペリレニル基、置換もしくは未置換の3−ペリレニル基があげられるが、このうち、置換もしくは未置換の3−ペリレニル基が好ましく、未置換の3−ペリレニル基が特に好ましい。また、置換3−ペリレニル基の中で好ましい置換基としては、前述のアルキル基、1価の芳香族炭化水素基、1価の芳香族複素環基があげられ、特に好ましい置換基としては、1価の芳香族炭化水素基があげられる。
また、上に述べた置換基における炭素数としては1〜18が好ましく、1〜12がさらに好ましい。この理由として、これら置換基の炭素数が多くなると、蒸着によって素子を作成しようとした場合の蒸着性が悪くなるといった懸念があるためである。
次に、一般式[1]中のR1およびR2について説明する。R1およびR2は、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基より選ばれる1価の有機残基である。ここでいう置換基とは、Ar1の置換基で説明した置換基と同義である。また、未置換の1価の芳香族炭化水素基、未置換の1価の芳香族複素環基とは、それぞれAr1の置換基で説明した1価の芳香族炭化水素基、未置換の1価の芳香族複素環基と同義である。
上記一般式[1]で表される化合物の内、好ましいものとしては、下記一般式[4]で表される化合物があげられる。
一般式[4]
一般式[4]
[式中、Ar2は、置換もしくは未置換のペリレニル基、Ar3およびAr4は、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、Ar5は、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基、R15は、直接結合、O、S、=C(R16)R17、=Si(R18)R19のいずれかである(ここに、R16〜R19は、水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基のいずれかである)。Ar2とAr3、Ar3とAr5、Ar5とAr2は、互いに結合して環を形成していても良い。]
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基とは、それぞれ、一般式[1]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基と同義である。
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基とは、それぞれ、一般式[1]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基と同義である。
上記一般式[4]における2価の芳香族炭化水素基とは、2価の単環もしくは縮合環、環集合芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ビフェニレン基、p−テルフェニル−4,4’’−ジイル基、m−テルフェニル−3,3’’−ジイル基、m−テルフェニル−4,4’−ジイル基、[1,2’−ビナフタレン]−4,5’−ジイル等の炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基があげられる。また、一般式[4]における2価の芳香族複素環基とは、2価の単環もしくは縮合環、環集合芳香族複素環基を意味し、例えば、2,5−フリレン基、2,5−チエニレン基、2,5−ピリジレン基、2,5−ピラジレン基、2,6−キニリレン基、1,4−イソキノリレン基、2,3−キノキサリレン基等の炭素数4〜30の2価の芳香族複素環基があげられる。
以上述べた2価の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基の内、好ましいものとしては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等の炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基があげられる。
さらに、上記一般式[4]で表されるアミン化合物の内、さらに好ましいものとして、下記一般式[5]で表されるアミン化合物があげられる。
一般式[5]
一般式[5]
[式中、Ar6は、置換もしくは未置換のペリレニル基、Ar7およびAr8は、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基、Ar9およびAr10は、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、R20およびR21は、直接結合、O、S、=C(R22)R23、=Si(R24)R25のいずれかである(ここに、R22〜R25は、水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基のいずれかである)。Ar6とAr7、Ar7とAr8、Ar8とAr6は、互いに結合して環を形成していても良い。]
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基とは、それぞれ、一般式[1]および一般式[4]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基と同義である。
また、一般式[1]で表される化合物の内、他の好ましいものとしては、下記一般式[6]で表されるアミン化合物があげられる。
一般式[6]
一般式[6]
[式中、Ar11は、置換もしくは未置換のペリレニル基、Ar12、Ar13およびAr14は、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、Ar15は、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基、R26は、直接結合、O、S、=C(R27)R28、=Si(R29)R30のいずれかである(ここに、R27〜R30は、水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基のいずれかである)。Ar11とAr12、Ar12とAr15、Ar15とAr11、Ar13とAr14、Ar14とR26、R26とAr13は、互いに結合して環を形成していても良い。]
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基とは、それぞれ、一般式[1]および一般式[4]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基と同義である。
さらに、上記一般式[6]で表されるアミン化合物の内、特に好ましいものとしては、下記一般式[7]で表されるアミン化合物があげられる。
一般式[7]
一般式[7]
[式中、Ar16は、置換もしくは未置換のペリレニル基、Ar17〜Ar20は、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、Ar21およびAr22は、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基、R31およびR32は、直接結合、O、S、=C(R33)R34、=Si(R35)R36のいずれかである(ここに、R33〜R36は、水素原子、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基のいずれかである)。Ar16とAr21、Ar21とAr22、Ar22とAr16、Ar17とAr18、Ar18とR31、R31とAr17、Ar19とAr20、Ar20とR32、R32とAr19は、互いに結合して環を形成していても良い。]
ここでいう置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基とは、それぞれ、一般式[1]および一般式[4]で説明した置換基、置換もしくは未置換のペリレニル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基、置換もしくは未置換の1価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基と同義である。
以上、本発明に用いる一般式[1]で表される化合物について説明したが、これら化合物の分子量としては、2000以下が好ましく、1500以下がさらに好ましく、1000以下が特に好ましい。この理由として、分子量が大きいと、蒸着によって素子を作成する場合の蒸着性が悪くなる懸念が考えられるためである。
以下、表1に本発明の有機EL素子用材料として用いることができる一般式[1]で表される化合物の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない(ただし、表中、t−Buはtert−ブチル基を、Phはフェニル基を、Tolはp−トリル基を表す)。
つぎに、本発明で用いる一般式[2]で表される化合物について説明する。一般式[2]中のR3〜R7は、同一又は互いに異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を表す。
R3、R4で表される置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばn−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、tert−アミル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、
アルケニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば4−ヘキサニル等が挙げられる。)、
アルキニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、4−ヘキサニル等が挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ピレニル等が挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばヘキサノイル、2、2−ジメチルブチロイル、ベンゾイル等が挙げられる。)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばペンチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル等が挙げられる。)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばヘキシルスルファモイル、ジプロピルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばペンチルカルバモイル、ジプロピルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばヘキシルスルホニル、トシル等が挙げられる。)、
スルフィニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、イミノ基、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)等が挙げられる。
これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。
R3、R4として好ましくは水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基、L1とアルキレン基で連結して5又は6員環を形成したもの、R3とR4が連結して5ないし7員環を形成したものであり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、L1とアルキレン基で連結して5又は6員環を形成したもの、R3とR4が連結して5ないし7員環を形成したものであり、特に好ましくは炭素数6〜12のアルキル基、L1とアルキレン基で連結して5又は6員環を形成したもの、R3とR4が連結して5ないし7員環を形成したものである。
R5〜R7で表される置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、
アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ピレニル等が挙げられる。)、
アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、
アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数3〜16、特に好ましくは炭素数4〜12であり、例えばピリジノオキシ、ピリミジノオキシ、ピリダジノオキシ、ベンズイミダゾリルオキシ等が挙げられる。)、
シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜20であり、例えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルオキシ等が挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、
ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは炭素数4〜16、特に好ましくは炭素数4〜12であり、例えばピリジノチオ、ピリミジノチオ、ピリダジノチオ、ベンズイミダゾリルチオ、チアジアゾリルチオ等が挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、
スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、
ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、
シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。
R5として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
R6として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基、R7と連結して環を形成したものであり、より好ましくは水素原子、アルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
R7として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基、 R6と連結して環を形成したものであり、より好ましくはアルキル基(好ましくは炭素数2以上20以下のアルキル基、より好ましくは炭素数3以上20以下の分岐又は環状アルキル基、更に好ましくは炭素数4以上12以下の4級炭素を持つ分岐又は環状アルキル基、特に好ましくはtert−ブチル基である。)、
アリール基(好ましくはo-位に置換基のあるアリール基、より好ましくは 炭素数7以上30以下のo-位に置換基のあるアルキル置換フェニル基、更に好ましくは2、6−ジメチル置換フェニル基、特に好ましくは2、4、6−トリメチルフェニル基である。)であり、特に好ましくはtert−ブチル基、2、4、6−トリメチルフェニル基であり、最も好ましくはtert−ブチル基である。
X1は酸素原子、硫黄原子、又はN−R8を表し、R8は水素原子又は置換基を表す。R8で表される置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、
アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、
スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には連結して環を形成してもよい。
R8で表される置換基は好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基である。
X1は好ましくは酸素原子、N−R8であり、より好ましくは酸素原子である。
L1は直接結合又は、連結基を表す。L1で表される連結基として好ましくは、C、H、N、O、S、Se、Te、Si、Geなどを含んで形成される連結基であり、より好ましくは共役結合性連結基であり、具体的にはアルケニレン、アルキニレン、アリーレン、二価の芳香族ヘテロ環(好ましくはアジン、アゾール、チオフェン、フラン環から形成される芳香族へテロ環である。)、または、Nとこれらの組み合わせから成る基であり、更に好ましくはアルケニレン、アリーレン、二価の芳香族へテロ環または、Nとこれらの組み合わせから成る基であり、特に好ましくはアルケニレンと炭素数6〜30のアリーレン、炭素数2〜30の二価の芳香族ヘテロ環の組合せから成る基であり、最も好ましくはアルケニレンと炭素数6〜30のアリーレンとの組合せから成る基である。
L1で表される連結基の具体例として以下のものが挙げられる。
L1で表される連結基の具体例として以下のものが挙げられる。
L1で表される連結基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えば前記R3〜R7で表される置換基として挙げたものが適用できる。L1の置換基として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基、シリル基、であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、芳香族へテロ環基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族へテロ環基である。
Rx及びRyは、それぞれ同一又は互いに異なってもよく、水素原子又は置換基を表し、少なくとも一方は電子吸引性基を表す。また、RxとRyは連結して環を形成してもよい。
Rx、Ryで表される置換基としては、例えばR3〜R7の置換基として挙げたものが適用できる。Rx、Ryで表される置換基として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニル基、チオカルボニル基、オキシカルボニル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスホリル基、イミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、シリル基、芳香族ヘテロ環基であり、より好ましくはHammettのσp値(シグマパラ値)が0.2以上の電子吸引性基であり、更に好ましくはアリール基、芳香族ヘテロ環基、シアノ基、カルボニル基、チオカルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、イミノ基、ハロゲン原子及びRxとRyが連結して電子吸引性基の環を形成したものであり、特に好ましくは芳香族ヘテロ環基、カルボニル基、シアノ基、イミノ基、RxとRyが連結して電子吸引性基の環を形成したものであり、最も好ましくはシアノ基、RxとRyが連結して電子吸引性基の環を形成したものであり、中でもRxとRyが連結して電子吸引性基の環を形成したものが好ましい。
一般式[2]で表される化合物はより好ましくは一般式[3]で表される化合物であり、一般式[2]のRx、Ryが連結して環を形成したものである。
一般式[3]について以下に説明する。R9〜R13はそれぞれ水素原子、又は置換基を表し、それぞれ一般式[2]のR3〜R7と同義である。X2は酸素原子、硫黄原子、又はN−R14を表す。R14は水素原子、又は置換基を表し、一般式[2]のR8と同義である。L2は共役結合からなる連結基を表し、一般式[2]のL1と同義である。Zは5員環又は6員環を形成するに必要な原子群を表し、形成される環としては通常メロシアニン色素で酸性核として用いられるものが好ましく、その具体例としては例えば以下のものが挙げられる。
(a)1,3−ジカルボニル核:例えば1,3−インダンジオン核、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオンなど。
(b)ピラゾリノン核:例えば1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾイル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オンなど。
(c)イソオキサゾリノン核:例えば3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オンなど。
(d)オキシインドール核:例えば1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドールなど。
(e)2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核:例えばバルビツル酸又は2−チオバルビツル酸及びその誘導体など。誘導体としては例えば1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体、1,3−ジメチル、1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体、1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体、1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−1−アリール体、1,3−ジ(2―ピリジル)等の1,3位ジヘテロ環置換体等が挙げられる。
(f)2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核:例えばローダニン及びその誘導体など。誘導体としては例えば3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン、3−フェニルローダニン等の3−アリールローダニン、3−(2−ピリジル)ローダニン等の3位ヘテロ環置換ローダニン等が挙げられる。
(g)2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(2−チオ−2,4−(3H、5H)−オキサゾールジオン核:例えば3−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオンなど。
(h)チアナフテノン核:例えば3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイドなど。
(i)2−チオ−2,5−チオゾリジンジオン核:例えば3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオンなど。
(j)2,4−チオゾリジンジオン核:例えば2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオンなど。
(k)チアゾリン−4−オン核:例えば4−チアゾリノン、2−エチル−4−チアゾリノンなど。
(l)4−チアゾリジノン核:例えば2−エチルメルカプト−5−チアゾリン−4−オン、2−アルキルフェニルアミノ−5−チアゾリン−4−オンなど。
(m)2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核:例えば2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオンなど。
(n)2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核:例えば2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオンなど。
(o)イミダゾリン−5−オン核:例えば2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オンなど。
(p)3,5−ピラゾリジンジオン核:例えば1,2−ジフェニル−3,5−ピラゾリジンジオン、1,2−ジメチル−3,5−ピラゾリジンジオンなど。
(q)ベンゾチオフェン−3−オン核:例えばベンゾチオフェン−3−オン、オキソベンゾチオフェン−3−オン、ジオキソベンゾチオフェン−3−オンなど。
(r)インダノン核:例えば1−インダノン、3−フェニル−1−インダノン、3−メチル−1−インダノン、3,3−ジフェニル−1−インダノン、3,3−ジメチル−1−インダノンなど。
Zで形成される環として好ましくは1,3−ジカルボニル核、ピラゾリノン核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含む)、2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核、2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核、2,4−チアゾリジンジオン核、2,4−イミダゾリジンジオン核、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン核、2−イミダゾリン−5−オン核、3,5−ピラゾリジンジオン核、ベンゾチオフェン−3−オン核、インダノン核であり、更に好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含む)、3,5−ピラゾリジンジオン核、ベンゾチオフェン−3−オン核、インダノン核であり、特に好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含む)であり、最も好ましくは1,3−インダンジオン核である。
一般式[2]、及び一般式[3]で表される化合物(本発明の発光材料)は低分子であっても良いし、残基がポリマー主鎖に接続された高分子量化合物(好ましくは質量平均分子量1000〜5000000、より好ましくは5000〜2000000、更に好ましくは10000〜1000000)、又は一般式(I)で表される化合物を主鎖に持つ高分子量化合物(好ましくは質量平均分子量1000〜5000000、より好ましくは5000〜2000000、更に好ましくは10000〜1000000)であっても良い。高分子量化合物の場合はホモポリマーであっても良いし、他のポリマーとの共重合体であっても良く、共重合体である場合はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても良い。本発明の発光材料は、好ましくは低分子量化合物である。また本発明の発光材料は金属キレートを形成した状態で含有されてもよい。
本発明の発光材料の具体例としては下記のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお下記化合物はその互変異性体や金属錯体を形成したものであっても良い。
ところで、有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成されるが、ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指す。一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。
ここで、正孔注入層には、発光層に対して優れた正孔注入効果を示し、かつ陽極界面との密着性と薄膜形成性に優れた正孔注入層を形成できる正孔注入材料が用いられる。また、このような材料を多層積層させ、正孔注入効果の高い材料と正孔輸送効果の高い材料とを多層積層させた場合、それぞれに用いる材料を正孔注入材料、正孔輸送材料と呼ぶことがある。そのような正孔注入材料あるいは正孔輸送材料の例としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾールチオン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、テトラヒドロイミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、アシルヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族三級アミン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリシラン誘導体等があげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陽極からの正孔を注入ができて、正孔を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記材料の中でも特に好適に使用することのできる正孔注入材料あるいは正孔輸送材料としては、芳香族三級アミン誘導体およびフタロシアニン誘導体があげられる。芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、およびこれら芳香族三級アミン骨格を有するオリゴマーまたはポリマーがあげられ、これらは正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも好適に使用することができる。また、フタロシアニン(Pc)誘導体としては、例えば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体があげられ、これらは特に正孔注入材料に好適に使用することができる。
一方、電子注入層には、発光層に対して優れた電子注入効果を示し、かつ陰極界面との密着性と薄膜形成性に優れた電子注入層を形成できる電子注入材料が用いられる。そのような電子注入材料の例としては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、シロール誘導体、カルシウムアセチルアセトナート、酢酸ナトリウムなどがあげられる。また、セシウム等の金属をバソフェナントロリンにドープした無機/有機複合材料(高分子学会予稿集,第50巻,4号,660頁,2001年発行に記載)や第50回応用物理学関連連合講演会講演予稿集、No.3、1402頁、2003年発行記載のBCP、TPP、T5MPyTZ等も電子注入材料の例としてあげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陰極からの電子を注入できて、電子を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記電子注入材料の中でも特に効果的な電子注入材料としては、金属錯体化合物または含窒素五員環誘導体があげられる。本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい金属錯体化合物としては、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)クロロアルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、4−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、5−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物の他、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物があげられる。
また、本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体があげられ、具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5 −フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert− ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等があげられる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物があげられる。
また、本発明の有機EL素子用材料を発光層に使用する場合、一般式[1]で表される化合物と、一般式[2]で表される化合物の少なくとも一つとを含有するが、他のホスト材料やドーパントを含有していても構わない。この場合、ドーパントの濃度はホスト材料に対して0.001〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、0.01〜10重量%の範囲で含有されることがより好ましく、0.1〜5重量%の範囲で含有されることがさらに好ましい。
本有機EL素子における発光層中には、本発明の有機EL素子用材料の他に、必要に応じて、他の発光材料やドーピング材料のみならず、先に述べた正孔注入材料や電子注入材料を二種類以上組み合わせて使用することもできる。また、正孔注入層、発光層、電子注入層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良い。
さらに、本発明の有機EL素子の陽極に使用される材料は、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等の金属およびそれらの合金、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマー等があげられる。特に本発明の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、できるだけ抵抗値の低いものが好ましく、ITOガラス、NESAガラスが好適に使用される。
また、本発明の有機EL素子の陰極に使用される材料は、電子を効率よく有機EL素子に注入できる材料であれば特に限定されないが、一般に、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびこれらの合金があげられる。ここで、合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例としてあげられるが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属を含む合金が好ましい。また、フッ化リチウムのような無機塩を上記低仕事関数金属の替わりに使用することも可能である。また、これら陰極の作成方法としては、抵抗加熱、電子線ビーム照射、スパッタリング、イオンプレーティング、コーティングなどの業界公知の方法で作成することができる。以上述べた陽極および陰極は、必要に応じて二層以上の層構成により形成されていても良い。
本発明の有機EL素子からの発光を効率よく取り出すためには、発光を取り出す面の基板の材質が充分透明であることが望ましく、具体的には素子からの発光の発光波長領域における透過率が50%以上、好ましくは90%以上であることが望ましい。これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラスの他、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン等の透明性ポリマーが推奨される。
また、本発明の有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビーム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれかの方法を適用することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
以上述べたように、本有機EL素子は、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す赤色発光を得ることが可能である。故に、本有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として、さらには、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が考えられる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。本例では、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。また、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
実施例1
洗浄したITO電極付きガラス板上に、下記α−NPDを真空蒸着して膜厚40nmの正孔輸送層を得た。次いで、表1の化合物3と、表3の化合物94を、100:1(重量比)の組成比で共蒸着して膜厚40nmの発光層を得た。次いでトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)を蒸着して膜厚20nmの電子注入層を得た。さらにその上に、LiFを0.2nm蒸着した後、Alを蒸着して膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、駆動電圧5Vにて780cd/m2の赤色発光が得られた。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、下記α−NPDを真空蒸着して膜厚40nmの正孔輸送層を得た。次いで、表1の化合物3と、表3の化合物94を、100:1(重量比)の組成比で共蒸着して膜厚40nmの発光層を得た。次いでトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)を蒸着して膜厚20nmの電子注入層を得た。さらにその上に、LiFを0.2nm蒸着した後、Alを蒸着して膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、駆動電圧5Vにて780cd/m2の赤色発光が得られた。
α−NPD
実施例2〜実施例18
化合物3の代わりに表4に示す化合物を用いる以外は、全て実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における駆動電圧5Vでの輝度を併せて表4に示す。これらの素子はいずれも、駆動電圧5Vでの輝度はいずれも300cd/m2以上であった。
表4
化合物3の代わりに表4に示す化合物を用いる以外は、全て実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における駆動電圧5Vでの輝度を併せて表4に示す。これらの素子はいずれも、駆動電圧5Vでの輝度はいずれも300cd/m2以上であった。
表4
比較例1
化合物3の代わりにAlq3を用いる以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における駆動電圧5Vでの輝度を表4にあわせて示す。この素子における駆動電圧5Vでの輝度が実施例2〜実施例18と比較して低いことは明らかである。
化合物3の代わりにAlq3を用いる以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における駆動電圧5Vでの輝度を表4にあわせて示す。この素子における駆動電圧5Vでの輝度が実施例2〜実施例18と比較して低いことは明らかである。
比較例2〜比較例4
化合物3の代わりに下記比較化合物A〜Cを用いる以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における駆動電圧5Vでの輝度を表4にあわせて示す。この素子における駆動電圧5Vでの輝度が実施例2〜実施例18と比較して低いことは明らかである。
化合物3の代わりに下記比較化合物A〜Cを用いる以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における駆動電圧5Vでの輝度を表4にあわせて示す。この素子における駆動電圧5Vでの輝度が実施例2〜実施例18と比較して低いことは明らかである。
比較化合物A
比較化合物B
比較化合物C
実施例19〜実施例22
化合物94の代わりに表5に示す化合物を用いる以外は、全て実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における駆動電圧5Vでの輝度を表5に示す。これらの素子はいずれも、駆動電圧5Vでの輝度が500cd/m2以上であった。
表5
化合物94の代わりに表5に示す化合物を用いる以外は、全て実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における駆動電圧5Vでの輝度を表5に示す。これらの素子はいずれも、駆動電圧5Vでの輝度が500cd/m2以上であった。
表5
以上述べた実施例から明らかなように、本発明の有機EL素子は低電圧駆動時での発光輝度の向上を達成することが可能である。
Claims (4)
- 下記一般式[1]で表される化合物と、下記一般式[2]で表される化合物とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
一般式[1]
R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは未置換の1価の芳香族複素環基である。
Ar1とR1、Ar1とR2、R1とR2は、互いに結合して環を形成しても良い。]
一般式[2]
X1は、酸素原子、硫黄原子、又はN−R8を表し、R8は、水素原子、又は置換基を表す。
L1は、直接結合又は連結基を表す。
Rx及びRyは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表すが、少なくとも一方は電子吸引性基を表す。
RxとRy、R6とR7、R7とX1、L1とR4、R4とR3、R3とL1は、互いに結合して環を形成しても良い。] - 陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一層が、請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
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CN113045435A (zh) * | 2021-03-15 | 2021-06-29 | 江苏信息职业技术学院 | 一种具有a-d-a结构的含苝化合物及其制备方法与应用 |
-
2003
- 2003-10-03 JP JP2003345833A patent/JP2005112914A/ja active Pending
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