JP2005112739A - 植物成長阻害剤 - Google Patents

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Shigeru Nishiyama
繁 西山
Fuminao Doi
史尚 土居
Takanao Ogamino
孝尚 小神野
Taiga Obara
大雅 小原
Takeshi Sukai
威 須貝
Koji Hasegawa
宏司 長谷川
Hideyuki Shigemori
英幸 繁森
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Abstract

【課題】 ヘリアヌオール類を合成し、それらの生物活性を利用した用途を提供すること。
【解決手段】 下記の式(I)で表される化合物を有効成分として含む植物成長阻害剤。
【化1】
Figure 2005112739

(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ、独立に、ヒドロキシル基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子であり、nは1〜3のいずれかの整数である)
【選択図】 なし

Description

本発明は、植物成長阻害剤に関する。
ヘリアヌオール類はスペイン産ヒマワリ(Helianthus annuus L. cv.SH-222)より単離されたセスキテルペンであり、アレロケミカルズ(他感物質)としての活性を持つことが知られている(非特許文献1〜4)。その生物活性から環境に負荷をかけない除草剤としての利用が期待される。現在までに A − K(非特許文献1〜4)が単離、構造決定され、それらのうちヘリアヌオール A、D、Eの全合成(非特許文献5〜13)が報告されているが、不斉全合成の例は少ない。また、ヘリアヌオール Eについては、絶対立体配置が決定されているにもかかわらずその生物活性については明らかになっていない。
Figure 2005112739
Macias, F. A. et al. Tetrahedron Lett. 1993, 34, 1999-2002 Macias, F. A. et al. J.Org.Chem. 1999, 59, 8261-8266 Macias, F. A. et al. Tetrahedron Lett. 1999,40, 4725-4728 Macias, F. A. et al. J.Nat.Prod. 1999, 62, 1636-1639 Sato, K. et al. J.Org.Chem. 2001, 66, 309-314 Brimm, E. L. et al. Tetrahedron Lett. 1996, 37, 6847-6850 VyVyan, J. R. et al. Tetrahedron Lett. 2000, 41, 1151-1154 Takabatake, K. et al. J.Chem.Soc, Perkin Trans.1, 2000, 807-808 Macias, F. A. et al. Tetrahedron. 2003, 59, 1679-1683 Kishuku, H. et al. Chem Commun. 2003, 360-361 Huhina, K. et al. Chem Commun. 2003, 634-635 Doi, F.; Ogamino, T.; Sugai, T.; Nishiyama, S. Synlett, 2003, 411-413 Doi, F.; Ogamino, T.; Sugai, T.; Nishiyama, S. Tetrahedron Lett. 2003, 44, 4877-4880
本発明は、ヘリアヌオール類を合成し、それらの生物活性を利用した用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、ヘリアヌオール類の不斉全合成を行い、その過程で得られた合成中間体及び最終生成物について生物活性試験を行ったところ、植物の生育阻害活性を有する化合物を見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成された。すなわち、本発明は、下記の式(I)で表される化合物を有効成分として含む植物成長阻害剤を提供する。
Figure 2005112739
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ、独立に、ヒドロキシル基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子であり、nは1〜3のいずれかの整数である)
本発明の植物成長抑制剤は、除草のために用いることができる。
本明細書において、Meはメチル基を表す。また、化学構造式においては、−がメチル基を表すこともある。
本発明により、植物成長阻害剤が提供された。
本発明は、下記の式(I)で表される化合物を有効成分として含む植物成長阻害剤を提供する。
Figure 2005112739
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ、独立に、ヒドロキシル基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子であり、nは1〜3のいずれかの整数である)
1及びR3の「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
1、R2及びR3の「炭素数1〜3のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基を挙げることができる。
4、R5、R6及びR7の「ヒドロキシル基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基」としては、メチル基、ヒドロキシメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、1-ヒドロキシ- n-プロピル基、1-ヒドロキシ- i-プロピル基、2-ヒドロキシ- n-プロピル基、2-ヒドロキシ-i-プロピル基を挙げることができる。
1は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基であることが好ましく、R3はハロゲン原子又はメチル基であることが好ましく、R2は水素原子であることが好ましい。R4、R5、R6及びR7は、それぞれ、独立に、ヒドロキシル基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子のいずれであってもよい。
式(I)で表される化合物としては、下記の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)のいずれかで表される化合物を例示することができる。
Figure 2005112739
式(Ia)、(Ib)及び(Ic)のR1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、上記の通りである。
式(I)で表される化合物は、例えば、Synlett 2003, No.3, 411-413に記載の方法を参考にして、以下のようにして製造することができる。
即ち、式(Ia)の場合は、R1、R3、R4、R5、R6、R7を適切に修飾したフェノール誘導体(IIa, n = 1)を有機電極酸化反応を含むフェノール酸化反応に付し、対応するスピロジエノン(IIIa)とする。続いて、(IIIa)を三フッ化ホウ素エーテル錯体のようなルイス酸と反応させることで、炭素-炭素結合を選択的に転位させて(Ia、R2= H)を合成することができる。また、(Ia)においてR2がアルキル基の場合は(Ia、R2 = H)に塩基性条件で適切なハロゲン化アルキルなどのハロゲン化剤と反応させる。
式(Ib)あるいは(Ic)の場合は、R1、R3、R4、R5、R6、R7を適切に修飾したフェノール誘導体(IIb、n = 2)あるいは(IIc、n = 3)を上記と同様に酸化してスピロジエノン(IIIb)あるいは(IIIc)とした後、ルイス酸で転位反応を行うことで合成できる。さらに、R2をアルキル化することで、R2にアルキル基をもつ(Ib)あるいは(Ic)を合成することができる。
Figure 2005112739
式(I)で表される化合物は光学活性体であっても、ラセミ体であってもよい。
本発明の植物成長阻害剤は、対象とする植物を特に限定せず、例えば、除草剤として用いることができる。
本発明の植物生育阻害剤は、式(I)で表される化合物をそのまま使用してもよいが、一般には、適当な液体担体に溶解若しくは分散させるか、あるいは適当な粉末担体と混合若しくは吸着させ、さらに、必要に応じて、これらに乳化剤、分散剤、懸濁剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、安定剤などを添加し、乳剤、油剤、水和剤、粉剤、水溶剤などの製剤として使用される。
有効成分の濃度は、一般に乳剤、油剤、水溶剤では10〜90%が適当であり、水和剤、粉剤では0.1〜10%が適当である。ただし、使用目的によってこれらの濃度は適宜変更することができる。また、乳剤、水和剤、水溶剤は使用に際して水で10〜1000 倍に希釈して使用する。
製剤に使用する液体担体としては、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール等)、脂肪族炭化水素類(灯油等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、又は酸アミド(ジメチルホルムアミド等)などの溶媒が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用する。
また、粉末担体としては、タルク、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、消石灰、珪藻土、酸性白土のような鉱物質粉末、さらにアルミナ、シリカゲル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用する。
さらに、展着剤、乳化剤、浸透剤、分散剤、可溶化剤などとして界面活性剤を使用することができ、この場合は、高級アルコールの硫酸エステル、高級脂肪酸エステル、アルキルアリールスルホン酸エステル、アルキレンオキシド系界面活性剤などが用いられる。これらの製剤には、除草剤などの他の農薬製剤などを配合して使用することもできる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
[製造例1]
下記の(+)-ヘリアヌオール E、(-)-ヘリアヌオール E、(+/-)-ヘリアヌオール E、1〜11の化合物を以下のようにして製造した。
Figure 2005112739
化合物13
アルドリッチ製4-ヒドロキシ-3-メチルベンツアルデヒドを文献( Das, S. K. et al. Bioorg. Med. Chem. Lett., 2003, 13,399.)の方法に従って、ベンジル化を行い、化合物12を調製した。
化合物12 105.3mgを無水テトラヒドロフラン4mLに溶解し、メトキシカルボニルメチレントリフェニルホスホラン311mgを加え、室温で6時間撹拌後、さらにメトキシカルボニルメチレントリフェニルホスホランを311mg加えて2日間撹拌した。反応液を減圧濃縮乾固して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル30/1)にて精製し、定量的に白色粉末として化合物13(132.7mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 2.28 (3H, s), 3.75 (3H, s), 5.08 (2H, s), 6.29 (1H, d, J= 16.1 Hz), 6.83 (1H, d, J= 8.3 Hz), 7,28-7.42 (7H, m), 7.61 (1H, d, J= 16.1 Hz),
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.5, 51.4, 69.8, 111.2, 114.9, 126.7, 126.9, 127.5, 127.6, 127.8, 128.4, 130.1, 136.7, 144.6, 158.6, 167.6 .
化合物14
化合物13 7.45gをメタノール75mLに溶解し、室温にてマロン酸ジメチル10.7mLおよびDBU2mLを加えた後、加熱還流させた。その後、DBUを反応液に順次加えた(14時間後2mL、27時間後 2mL、52時間後 1mL、70時間後 2mL、75時間後 2mL、116時間後 2mL)。さらに、120時間後メタノール53mLおよびマロン酸ジメチル7mL)を加えた。つづいて、15時間反応させた後、溶媒を減圧濃縮し得られる粗生成物をジメチルスルホキシド200mLに溶解し、塩化ナトリウム27g、水5mL加え加熱還流させた。反応液を酢酸エチル400mLにて希釈し、水、飽和食塩水、各々300mLにて洗浄した。さらに水層を酢酸エチル400mLにて2回洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去しえられる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル8/1)にて精製し、無色結晶として化合物14(7.94g、83%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 2.25 (3H, s), 2.61 (2H, dd, J= 7.8, 15.6 Hz), 2.67 (2H, dd, J= 7.3, 15.6 Hz), 3.57 (1H, tt, J = 7.8, 7.3 Hz), 3.59 (6H, s), 5.03 (2H, s), 6.79 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.99 (1H, brd, J= 8.3 Hz), 7.00 (1H, br), 7,25-7.44 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.7, 37.7, 40.9, 51.9, 70.1, 111.8, 125.8, 127.7x2, 128.3, 129.0, 130.1, 135.1, 138.1, 156.5, 173.0
mp 67-68.5 °C (Hexane - EtOAc)
化合物15
化合物14 19.7mgをジメチルスルホキシド/水(1/5)混合溶液1.2mLに溶解し、PLEを50μL加え、室温で19時間撹拌した。反応液を酢酸エチル60mLに溶解し、1MHCl溶液、飽和食塩水、各々10mLで洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。有機層を減圧濃縮して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル8/1→2/1)にて精製し、白色粉末として化合物15(15.2mg、80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 2.25 (3H, s), 2.58-2.76 (4H, m), 3.55 (1H, m), 3.59 (3H, s), 5.03 (2H, s), 6.80 (1H, d, J= 8.4 Hz), 6.99 (1H, dd, J= 1.5, 8.4 Hz), 7.00 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7,30-7.44 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 15.6, 37.1, 40.4, 40.7, 51.6, 69.8, 111.2, 126.2, 127.0, 127.1, 127.6, 128.4, 129.4, 134.1, 137.3, 156.7, 177.2, 177.4
IR: 2951, 1736 cm-1; [α]D 21 -3.7 (c 1.0, CHCl3)
化合物16
化合物3 15.2mgをジクロロメタン2mLに溶解し、氷冷下(R)-(+)-1-フェニルエチルアミンを10μL、ボップ試薬を23.5mg、およびトリエチルアミンを10μL加えた後、室温にて1.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチル40mLにて希釈し、これを1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々8mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1/1)にて精製し、定量的に無色結晶として化合物16(22.3mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.24 (3H, d, J= 7.2 Hz), 2.25 (3H, s), 2.42 (1H, dd, J= 8.8, 13.6 Hz), 2.58 (1H, dd, J= 6.8, 13.6 Hz), 2.60 (1H, dd, J= 8.8, 15.6 Hz), 2.69 (1H, dd, J= 6.8, 15.6), 3.53 (1H, m), 3.58 (3H, s), 4.99 (1H, q, J= 8 Hz), 5.05 (2H, s), 5.49 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.79 (1H, d, J= 8.4 Hz) , 6.99 (1H, brd, J= 8.4 Hz), 7.00 (1H, br) , 7.11-7.44 (10H, m)
IR: 1735, 1639 cm-1; mp 105.0-106.5℃°C (Diethyl ether); [α]D 20 +26 (c 1.0, CHCl3)
化合物17
化合物16 2.25gをテトラヒドロフラン溶液10mLに溶解させ、氷浴下水素化リチウムホウ素530mgを加えて撹拌した。13時間後、ジエチルエーテル20mL、メタノール3mLを加え、水素化リチウムホウ素530mg加えさらに5時間撹拌した。氷浴下、2MHCl溶液を加えた後、反応液を酢酸エチル300mLで希釈し、1MHCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々100mLにて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して得られる残渣をベンゼン100mLに溶解し、カンファースルホン酸を1.1g加え1時間加熱還流させた。反応液を1MHCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々50mLにて洗浄した。さらに水層を酢酸エチル100mLで洗浄し、有機層を合し、これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン3/1)にて精製し、化合物17(1.46g、77%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.99 (1H, m) 2.13 (1H, m), 2.29 (3H, s), 2.62 (1H, dd, J= 10.8, 17.6 Hz), 2.89 (1H, ddd, J= 2.0, 5.9, 17.6 Hz), 3.14 (1H, dddd, J= 5.9, 5.9, 10.8, 10.8 Hz), 4.37 (1H, ddd, J= 3.9, 10.3, 10.3 Hz), 4.50 (1H, ddd, J= 4.9, 4.9, 10.3 Hz), 5.05 (2H, s), 6.85 (1H, d, J= 8.3 Hz),, 6.96 (1H, dd, J= 2.0, 8.3 Hz), 7.00 (1H, d, J= 2.0 Hz), 7.25-7.46 (5H, m)
mp 86.0 - 88.5 °C (Hexane - EtOAc); [α]D 20 -8.1 (c 0.61, CHCl3)
化合物18
化合物17 0.99gをトルエン10mLに溶解し、-78℃にてDIBAL-H(4.96mL 、1.01M,トルエン溶液)を滴下した。滴下終了後5分間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液を滴下し、0℃に戻した。ジエチルエーテルおよび無水硫酸マグネシウムを加え、室温にて1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、これをセライトろ過した。ロ液を減圧濃縮して粗生成物をを得た。この化合物0.175gジクロロメタン3mLに溶解し、氷浴下、1,3-プロパンジチオール139.8μL、三フッ化ホウ素エーテル錯体367μLを順次加えた。5分後、1MKOH溶液を反応液に加え、酢酸エチル75mLで希釈した。有機層を1MKOH溶液50mL×2、飽和食塩水50mLにて洗浄した。さらに、水層を酢酸エチル75mLで洗浄した後、有機層を合し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル4/1)にて精製し、化合物18(218.3mg、97%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.73~2.06 (6H, m) 2.26 (3H, s), 2.70~2.80 (4H, m), 3.00 (1H, dddd, J=4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.52~3.46 (2H, m), 3.67 (1H, dd, J=5.3, 9.3 Hz), 5.04 (2H, s), 6.81 (1H, d, J=8.4 Hz), 6.96 (1H, br, J=8.4 Hz), 6.98 (1H, br), 7.31-7.45 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.6, 26.1, 29.8, 30.2, 38.1, 39.5, 42.4, 44.9, 61.0, 69.9, 100.5, 111.4, 125.8, 127.0, 127.1, 127.6, 128.4, 129.7, 134.9, 137.4, 155.5
IR: 3410, 2929 cm-1; [α]D 26 -40.9 (c 1.0, CHCl3)
化合物19
化合物18 121.5mgをジメチルホルムアミド2mLに溶解し、氷浴下イミダゾール、382mg、t-ブチルジメチルシリルクロリドを93.1mg加えた。その後、室温で4時間撹拌した。次に反応液を酢酸エチル/ヘキサン(1/1)90mLに溶解し、飽和塩化アンモニウム溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々30mLで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル30/1→10/1)にて精製し、化合物19(156.7mg、86%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 0.00 (6H, s), 0.86 (9H, s), 1.73-2.06 (6H, m), 2.28 (3H, s), 2.6-2.8 (4H, m), 3.01 (1H, dddd, J= 5.2, 5.2, 10, 10 Hz), 3.37-3.46 (2H, m), 3.66 (1H, dd, J= 4.4, 9.6 Hz), 5.05 (2H, s), 6.80 (1H, d, J= 8.0 Hz), 6.95 (1H, dd, J= 2.0, 8.0 Hz), 6.97 (1H, d, J= 2.0 Hz), 7.29-7.46 (5H, m),
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ -5.2, 16.6, 18.3, 26.0, 26.2, 29.8, 30.3, 38.0, 37.7, 42.2, 45.0, 60.9, 69.9, 111.3, 125.9, 126.8, 127.1, 127.6, 128.4, 129.9, 135.3, 137.5, 155.3
[α]D 22 -26.3 (c 1.0, CHCl3)
化合物20
化合物19 156.7mgをアセトニトリル/水(10/1)混合溶液2mLに溶解し、炭酸水素ナトリウム0.68gとヨウ化メチル1.0mL加え撹拌した。26時間後、反応液を酢酸エチル50mLに溶解し、飽和食塩水20mL×3にて洗浄した。さらに水層を酢酸エチル50mLにて洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル15/1→10/1)にて精製し、化合物20(100.4mg、78%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 0.11 (6H, s), 0.92~0.93 (9H, m), 1.77 (1H, m), 1.86 (1H, m), 2.26 (3H, s), 2.70 (2H, dd, J= 2.0, 7.3 Hz), 3.33 (1H, m), 3.42 (1H, ddd, J= 5.8, 7.8, 10.2 Hz), 3.52 (1H, m), 5.05 (2H, s), 6.82 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.96 (1H, dd, J= 2.0, 8.3 Hz), 6.99 (1H, d, J= 2.0 Hz), 7.31-7.46 (5H, m), 9.65 (1H, s),
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ -5.3, -5.3, 16.6, 18.3, 26.0, 35.8, 39.5, 50.5, 60.4, 69.9, 111.4, 125.6, 127.0, 127.1, 127.6, 128.4, 129.8, 135.1, 137.4, 155.5, 171.1, 202.2
IR: 2927, 1726 cm-1; [α]D 24 +14.7 (c 0.1, CHCl3)
化合物21
化合物20 100.4mgを エタノール2mLに溶解し、氷浴下で水素化ホウ素ナトリウム46.0mgを加え、1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル50mLに加え、飽和食塩水30mL×3にて洗浄した。さらに水層を酢酸エチル50mLにて洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル4/1)にて精製し、定量的に化合物21(104.5mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 0.00 (6H, s), 1.24 (9H, s), 1.71-1.91 (4H, m), 2.24 (3H, s), 2.77 (1H, dddd, J= 4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.37-3.53 (4H, m), 5.04 (2H, s), 6.79 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.91 (1H, dd, J= 2.0, 8.3 Hz), 6.94 (1H, br), 7.30-7.43 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ -5.2, 16.6, 18.4, 26.0, 38.0, 39.7, 39.9, 61.1, 61.4, 70.0, 111.4, 125.6, 126.9, 127.1, 127.6, 128.4, 129.9, 136.4, 137.5, 155.2
IR: 2929 cm-1 [α]D 25 +16.5 (c 1.0, CHCl3)
化合物22
化合物21 92.6mgをピリジン2mLに溶解し、氷浴下無水酢酸1.0mLを加え、室温に戻し、1時間撹拌した。次に氷浴下、メタノールを加え、溶媒をトルエン共沸により減圧留去した。残留物を酢酸エチル90mLに溶解し、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々30mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル10/1)にて精製し、化合物22(87.7mg、86%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ -0.03 (6H, s), 0.85 (9H, s), 1.73 (1H, m), 1.82 (1H, m), 1.88~1.97 (1H, m), 1.99 (3H, s), 2.24 (3H, s), 2.75 (1H, dddd, J=4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.37 (1H, m), 3.47 (1H, ddd, J=6.4, 4.9, 11.7 Hz), 3.85 (1H, m), 3.93 (1H, ddd, J=5.4, 7.3, 16.1 Hz), 5.03 (2H, s), 6.78 (1H, d, J=8.3 Hz), 6.88 (1H, dd, J=1.9, 8.3 Hz), 6.91 (1H, br), 7.28〜7.44 (5H, m),
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ -5.3, 16.6, 18.3, 21.0, 26.0, 35.5, 37.9, 39.8, 60.8, 63.1, 69.9, 111.4, 125.7, 126.9, 127.1, 127.6, 128.4, 129.8, 135.8, 137.5, 155.3, 171.0,
IR: 2929, 1741 cm-1; [α]D 23 -2.0 (c 1.0, CHCl3)
化合物23
化合物22 6.3mgをテトラヒドロフラン0.5mLに溶解し、氷浴下フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)50μLを加え、室温にて12時間撹拌した。反応液を、酢酸エチル30mLに溶解し、飽和食塩水30mL×3にて洗浄した。さらに、水層を酢酸エチル30mLで洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1/1)にて精製し、化合物23(4.6mg、98%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.76-2.00 (4H, m), 2.00 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.77 (1H, dddd, J= 4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.47 (1H, m), 3.55 (1H, ddd, J= 5.9, 7.3, 10.3 Hz), 3.86 (1H, m), 3.96 (1H, m), 5.05 (2H, s), 6.81 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.93 (1H, dd, J= 2.0, 8.3 Hz), 6.95 (1H, br), 7.31-7.46 (5H, m),
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.6, 21.1, 35.7, 38.4, 39.6, 61.0, 62.9, 69.9, 111.4, 125.6, 127.0, 127.2, 127.7, 128.4, 129.6 135.1 137.4, 155.5, 171.0
IR: 3427, 2931, 1736 cm-1; [α]D 24 -26.4 (c 0.61, CHCl3)
化合物24
化合物23 43.1mgをジメチルスルホキシド/塩化メチレン混合液2mLに溶解し、トリエチルアミン87.3μL、三酸化硫黄ピリジン錯体50mgを加え室温で30分間撹拌した。反応液を酢酸エチル30mLで希釈し、飽和食塩水20mL×3で洗浄した後、さらに水層を酢酸エチル30mLで洗浄し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル8/1)にて精製し、化合物24(42.2mg、99%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.89 (1H, m), 1.97 (1H, m), 2.01 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.71 (2H, m), 3.24 (1H, m), 3.87 (1H, ddd, J= 6.3, 7.4, 10.8 Hz), 3.99 (1H, ddd, J= 5.4, 5.4, 10.8 Hz), 5.05 (2H, s), 6.81 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.95 (1H, dd, J= 2.0, 8.3 Hz), 6.97 (1H, br), 7.30-7.44 (5H, m), 9.66 (1H, s)
IR: 2925, 1736 cm-1; [α]D 24 -21.5 (c 0.2, CHCl3)
化合物25
化合物24 6.1mgをメタノール/テトラヒドロフラン(1/2)1.5mLに溶解し、炭酸カリウム15.5mgを加え室温にて2時間撹拌した。反応液に酢酸エチル30mLを加え、飽和食塩水15mL×2で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をPTLC(ヘキサン:アセトン2/1)にて精製し、ヘミアセタール(4.3mg、81%)を得た。
ヨウ化イソプロピルトリフェニルホスホニウム8.4gをテトラヒドロフラン15mLに溶解し、0℃にてn-ブチルリチウム(11.1mL、1.58Mヘキサン溶液)を加え撹拌しホスホランを発生させた。40分後、ヘミアセタール1.17gをテトラヒドロフラン15mLに溶解させ、ホスホラン中に加えた。3時間後、反応液を酢酸エチル300mLで希釈し、水および飽和食塩水各々200mLで洗浄した。さらに水層を酢酸エチル200mLにて洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル4/1→2/1)にて精製し、化合物25(1.16g、91%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.19 (3H, s), 1.20 (3H, s), 1.75 (1H, m) 1.95 (1H, J= 4.9, 6.8, 6.8, 13.6 Hz), 2.19-2.31 (2H, m), 2.27 (3H, s), 2.61 (1H, dddd, J= 4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.50 (1H, ddd, J= 7.3, 7.3, 14.2 Hz), 3.52 (1H, ddd, J= 5.4, 6.8, 14.2 Hz), 5.05~5.07 (1H, m), 5.05 (2H, s), 6.80 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.95 (1H, dd, J= 2.0, 8.3 Hz), 6.97 (1H, d, J= 2.0 Hz), 7,25-7.46 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.7, 18.0, 26.0, 36.1, 38.8, 42.4, 61.8, 70.2, 111.8, 123.2, 126.1, 127.5, 127.7, 128.3, 129.1, 130.4, 133.2, 137.6, 138.2, 156.0,
[α]D 27 +4.0 (c 1.0, CHCl3)
化合物26
化合物25 0.96gをピリジン8mLに溶解し、氷浴下無水酢酸4mLを加えた。室温に戻し、2時間撹拌した。次に、氷浴下メタノールを加え、反応溶媒をトルエン共沸により減圧留去した。残留物を酢酸エチル300mLに溶解し、1MHCl溶液、飽和飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々100mLで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル10/1)にて精製し、化合物26(1.04g、96%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.54 (3H, s), 1.65 (3H, s), 1.81 (1H, m), 1.94-2.04 (1H, m), 1.98 (3H, s), 2.20-2.33 (2H, m), 2.26 (3H, s), 2.57 (1H, m), 3.87 (1H, m), 3.95 (1H, m), 5.03 (2H, m), 5.04 (2H, s), 6.79 (1H, d, J= 8.4 Hz), 6.90 (1H, dd, J= 2.0, 8.4 Hz), 6.94 (1H, d, J= 2.0 Hz), 7.24-7.45 (5H, m),
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.6 17.9, 21.0, 25.8, 34.4, 35.7, 42.1, 63.2, 69.8, 111.2, 122.3, 125.4, 126.7, 127.0, 127.6, 128.4, 129.7, 132.6, 136.3, 137.5, 155.2, 170.9
[α]D 21 -13.1 (c 1.0, CHCl3)
化合物27
化合物26859.6mgをt-ブチルアルコール/水(1/1)23.5mLに溶解し、氷浴下AD-mix-β3.3g、メタンスルホニルアミド0.22g加え、0℃にて一昼夜撹拌した。反応液に飽和亜硫酸ナトリウム溶液を加えた後、酢酸エチル300mLで希釈し、飽和亜硫酸ナトリウム溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々100mLにて洗浄した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)から精製し、ジアステレオマー混合物として定量的に化合物27(1.00g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.08 (3H,s), 1.12 (3H, s) 1.64-1.69 (2H, m), 1.83-1.97 (2H, m), 2.00 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.90 (1H, dddd, J= 4.8, 4.8, 9.6, 9.6), 3.04 (1H, m), 3.85 (1H, ddd, J= 7.6, 7.6, 10.8 Hz), 3.97 (1H, ddd, J= 10.8, 5.2, 6.8 Hz), 5.05 (2H, s), 6.81 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.93 (1H, dd, J= 1.5, 8.3 Hz), 6.94 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7.31-7.46 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.6, 21.1, 23.2, 26.3, 36.4, 38.3, 38.4, 62.9, 69.9, 73.0, 75.6, 111.5, 125.7, 127.0, 127.1, 127.6, 128.4, 129.8, 134.9, 137.4, 155.4, 171.1
IR: 3444, 2969, 1736 cm-1
化合物28
化合物27 0.95gを メタノール/酢酸エチル(15/1)混合溶媒32mLに溶解し、触媒量の10%パラジウム炭素の存在下に水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、ロ液を減圧濃縮して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン 1/1)にて精製し、定量的に化合物28(0.79g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.07 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.59-1.68 (2H, m), 1.79-1.86 (1H, m), 1.95 (1H, m), 2.00 (3H, s), 2.20 (3H, s), 2.88 (1H, ddd, J= 4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.04 (1H, m), 3.86 (1H, ddd, J= 6.9, 6.9, 11.2 Hz), 3.95 (1H, ddd, J= 5.9, 7.3, 11.2 Hz), 6.65 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.81 (1H, dd, J= 1.5, 7.8 Hz), 6.88 (1H, d, J= 1.5 Hz)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.1 21.0, 23.3, 26.2, 36.4, 38.3, 38.4, 63.1, 73.1, 75.6, 77.1, 114.9, 124.1, 126.0, 130.0, 134.6, 152.6, 171.4
IR: 3397, 2971, 1716 cm-1
化合物29
化合物28 0.66gをクロロホルム20mLに溶解し、氷冷下ピリジニウムブロミドパーブロミド0.67gを溶解させたクロロホルム(含ピリジン)溶液を滴下した。滴下終了後、水を加えた反応混合物をクロロホルム200mLに加え、1MHCl溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、飽和食塩水で洗浄した。さらに水層をクロロホルム100mLで洗浄し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン1/1)にて精製し、化合物29(0.74g、89%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.09 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.59~1.65 (2H, m), 1.81 (1H, s), 1.94 (1H, m) 2.01 (3H, s), 2.27 (3H, s), 2.88 (1H, ddd, J= 4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.01 (1H, m), 3.85 ( 1H, ddd, J=7.3, 7.3, 12.3 Hz), 3.98 (1H, ddd, J=6.9, 7.3, 12.3 Hz), 6.86 (1H, s), 7.09 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.9, 21.0, 23.2, 26.5, 36.3, 38.3, 38.4, 62.7, 73.0, 75.4, 110.2, 125.9, 128.2, 129.6, 136.3, 148.9, 171.0
IR: 3421, 2972, 1720 cm-1
化合物29の陽極酸化反応と転位反応
化合物29 139.5mgをアセトン180mLに溶解し、過塩素酸テトラブチルアンモニウム 6.2gの存在下、定電流電解酸化反応(1.45-1.60 V vs SCE、2.0 F / mol、陽極:グラッシーカーボンビーカー、陰極:白金線)に付した。反応液を減圧濃縮して得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル3/1)にて精製し、ジアステレオマー混合物として30(70.7mg、51%)を得た。
化合物30 219.7mgを塩化メチレン6mLに溶解し、氷浴下三フッ化ホウ素エーテル錯体107μLを加えて室温にて撹拌した。70分後、フッ化ホウ素エーテル錯体107μLを追加し、1時間後さらに、107μL、および2.5時間後 250μLを加えて2時間撹拌した。反応液を酢酸エチル30mLにて希釈し、飽和食塩水10mL×3で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル3/1)にて精製し、混合物31(170.4mg、78%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 2.17 (3H,s), 2.70 (2H, t, J=6.8 Hz), 4.11 (2H, t, J=5.4 Hz), 6.47 (1H, s), 6.56 (1H, s)
化合物32
化合物31 152.1mgを メタノ-ル5mLに溶解し、ピリジン32μLと触媒量の10%パラジウム炭素の存在下に水素雰囲気下、室温で2.5時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、ロ液を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2/1)にて精製し、フェノール混合物(116.2 mg、96%)を得た。
フェノール体 102mgをジクロロメタン1mLに溶解し、氷浴下ジイソプロピルエチルアミン1mL、塩化メトキシメチル0.75mL加え、室温にて26時間撹拌した。反応液を酢酸エチル100mLにて希釈し、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々30mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル4/1)にて精製し、メトキシメチル体(96.4mg、74%)を得た。
メトキシメチル体73.3mgをメタノール/テトラヒドロフラン(1/1)の混合液4mLに溶解し、氷浴下ナトリウムメトキシドを15.8mg加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に酢酸エチル30mLを加え、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々10mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ3/1)にて精製し、化合物32a(57.5mg、87%)および32b(12.5mg、12%)を得た。
化合物32a
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.30 (3H, s), 1.37 (3H, s), 1.74~1.95 (3H, m), 2.01 (1H, m), 2.18 (3H, s), 2.98 (1H, m), 3.38 (3H, s), 3.49 (3H, s), 3.81 (2H, dd, J= 6.3, 6.3 Hz), 3.87 (1H, dd, J=2.0 11.7 Hz), 4.78 (1H, d, J=7.2 Hz), 4.83 (1H, d, J=7.2 Hz), 5.11 (2H, s), 6.66 (1H, s), 6.79 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.1, 21.7, 23.7, 25.9, 30.7, 40.3, 55.3, 55.9, 60.6, 76.7, 77.2, 91.3, 95.4, 115.5, 118.6, 123.4, 127.2, 149.0
IR: 3437cm-1
化合物33
化合物32a 37.0mgをピリジン2mLに溶解し、塩化メタンスルホニル33μLを加え、室温にて1時間撹拌した。次に、氷浴下メタノールを加え、溶媒をトルエン共沸により減圧留去した。残留物を酢酸エチル40mLに溶解し、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、メシル体(30.2mg、67%)を得た。
o−ニトロフェニルセレノシアネ−ト78mgをエタノールに溶解し、氷浴下水素化ホウ素ナトリウム17mgを加えて、室温にて撹拌した。これにメシル体 30.2mgを溶解させたエタノール溶液を加え、室温にて16時間撹拌した。反応液を酢酸エチル30mLに注ぎ、2MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々10mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をテトラヒドロフラン2.5mLに溶解させ、氷浴下35%過酸化水素水を100μL加え、室温にて撹拌した。3時間後、反応液をジエチルエーテル30mLにて希釈し、水、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、飽和食塩水各々10mLにて洗浄し、さらに水層をジエチルエーテル30mLにて洗浄した。有機層を合し無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、化合物33(18.0mg、77%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.29 (3H, s), 1.35 (3H, s), 1.88 (1H, ddd, J=13.0, 10.1, 5.4 Hz), 1.94 (1H, ddd, J=13.0, 2.8, 2.8 Hz), 2.19 (3H, s), 3.37 (3H, s), 3.48 (3H, s), 3.49 (1H, m), 3.70 (1H, dd, J=1.8, 11.7 Hz), 4.78 (1H, d, J= 7.2 Hz), 4.83 (1H, d, J=7.2 Hz), 4.90 (1H, d, J=17 Hz), 4.90 (1H, d, J=10.8 Hz), 5.07 (1H, d, J= 10.8 Hz), 5.10 (2H, s), 5.99 (1H, ddd, J= 17, 10.8, 6.3 Hz), 6.68 (1H, s), 6.73 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.1, 21.8, 23.6, 27.2, 38.3, 55.3, 55.9, 76.877.1, 91.2, 95.4, 115.6, 116.2, 118.6, 127.6, 142.2, 148.9, 149.4
(-)-ヘリアヌオールE
化合物33 12.1mgをテトラヒドロフラン0.5mLに溶解し、氷浴下3MHCl水溶液1.5mLを加え、室温にて2時間撹拌した。反応液を酢酸エチル30mLに注ぎ、飽和食塩水10mLで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル5/1、二重展開)にて精製し、定量的に(-)-ヘリアヌオールE(8.2mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.24 (3H, s), 1.30 (3H, s), 1.90 (2H, m), 2.20 (3H, s), 3.46 (1H, m), 3.74 (1H, dd, J =3.6, 10 Hz), 4.91 (1H, d, J=17.0, 1.5 Hz), 5.11 (1H, d, J=10.4, 1.5 Hz), 5.97 (1H, ddd, J=17.0, 10.4, 1.5 Hz), 6.49 (1H, s), 6.66 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 15.7, 23.5, 24.3, 26.0, 27.6, 37.9, 71.8, 115.8, 118.5, 120.6, 123.9, 142.0, 147.2, 148.2
High resolution mass spectrum; m/z 248.1428 (calcd for C15H20O3 M+, 248.1412)
IR: 3367, 2929 cm-1; [α]D 22 -77.1 (c 0.1, CHCl3)
化合物1
化合物32a 9.3mgをテトラヒドロフラン1.5mLに溶解し、氷浴下6MHCl水溶液1.5mLを加え、室温にて20分間撹拌した。反応液を酢酸エチル30mLに注ぎ、飽和食塩水10mLで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン1/1、二重展開)にて精製し、化合物1(3.9mg、56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.25 (3H, s), 1.30 (3H, s), 1.76-1.92 (4H, m), 2.19 (1H, m), 2.95 (1H, m), 3.80 (3H, m), 6.55 (1H, s), 6.64 (1H, s)
Figure 2005112739
化合物34
化合物17 0.99gをトルエン10mLに溶解し、-78℃にてDIBAL-H(1.01M,トルエン溶液)を4.96mL滴下した。滴下終了後5分間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液を加え0℃に戻した。ジエチルエーテルおよび無水硫酸マグネシウムを加え、室温で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈した後、セライト濾過し得られたロ液を減圧濃縮し、ヘミアセタールの粗生成物を得た。
ヨウ化イソプロピルトリフェニルホスホニウム7.1gをテトラヒドロフラン30mLに溶解し、0℃にてn-ブチルリチウム(9.4mL、1.58Mヘキサン溶液)を加え撹拌しホスホランを発生させた。30分後、ヘミアセタールをテトラヒドロフラン5mLに溶解させ、ホスホラン中に加えた。3時間後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水500mL×2および飽和食塩水100mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン6/1)にて精製し、化合物34(0.98g、91%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.19 (3H, s), 1.20 (3H,s), 1.75 (1H, m), 1.95 (1H, J= 4.9, 6.8, 6.8, 13.6 Hz), 2.19-2.31 (2H, m), 2.27 (3H, s), 2.61 (1H, dddd, J= 4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.50 (1H, ddd, J= 7.3, 7.3 14.2 Hz), 3.52 (1H, ddd, J= 5.4, 6.8 14.2 Hz), 5.05~5.07 (1H, m), 5.05 (2H, s), 6.80 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.95 (1H, dd, J= 2.0, 8.3 Hz), 6.97 (1H, d, J= 2.0 Hz), 7,25-7.46 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.7, 18.0, 26.0, 36.1, 38.8, 42.4, 61.8, 70.2, 111.8, 123.2, 126.1, 127.5, 127.7, 128.3, 129.1, 130.4, 133.2, 137.6, 138.2, 156.0
[α]D 26 -2.8 (c 1.0, CHCl3)
化合物35
化合物34 0.98gをピリジン10mLに溶解し、氷浴下無水酢酸を加えた。室温に戻し、1時間撹拌した。氷浴下、メタノールを加え溶媒をトルエン共沸により減圧留去した。残留物を酢酸エチル200mLに溶解し、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々50mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン25/1)にて精製し、化合物35(0.94g、86%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.54 (3H, s), 1.65 (3H, s), 1.81 (1H, m), 1.94~2.04 (1H,m), 1.98 (3H,s), 2.20~2.33 (2H, m), 2.26 (3H, s), 2.57 (1H, m), 3.87 (1H, m), 3.95 (1H, m), 5.03 (2H, m), 5.04 (2H, s), 6.79 (1H, d, J=8.4 Hz), 6.90 (1H, dd, J=2.0, 8.4 Hz), 6.94 (1H, d, J=2.0 Hz), 7.24~7.45 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.6, 17.9, 21.0, 25.8, 34.4, 35.7, 42.1, 63.2, 69.8, 111.2, 122.3, 125.4, 126.7, 127.0, 127.6, 128.4, 129.7, 132.6, 136.3, 137.5, 155.2, 170.9
[α]D 22 +11.2 (c 1.0, CHCl3)
化合物36
化合物35 649.6mgをt-ブチルアルコール/水(1/1)混合溶液17.7mLに溶解し、氷浴下AD-mix-αを2.5g、メタンスルホンアミドを168.3mg加え、0℃にて18.5時間撹拌した。反応液に飽和亜硫酸ナトリウム溶液を加えた後、酢酸エチル200mLに注ぎ、飽和亜硫酸ナトリウム溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々50mLにて洗浄した。さらに水層を酢酸エチル100mLにて洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1/1)にて精製し、定量的にジアステレオマー混合物として36(1.02g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.08 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.64-1.69 (2H, m), 1.83-1.97 (2H, m), 2.00 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.90 (1H, dddd, J= 4.8, 4.8, 9.6, 9.6 Hz), 3.04 (1H,m), 3.85 (1H, ddd, J= 7.6, 7.6, 10.2 Hz), 3.97 (1H, ddd, J= 10.8, 5.2, 6.8 Hz), 5.05 (2H, s), 6.81 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.93 (1H, dd, J= 1.5, 8.3 Hz), 6.94 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7.31-7.46 (5H, m)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.6, 21.1, 23.2, 26.3, 36.4, 38.3, 38.4, 62.9, 69.9, 73.0, 75.6, 111.5, 125.7, 127.0, 127.1, 127.6, 128.4, 129.8, 134.9, 137.4, 155.4, 171.1
IR: 3444, 2970, 1736 cm-1
化合物37
化合物36 1.02gを メタノール/酢酸エチル(2/1)の混合溶媒30mLに溶解し、触媒量の10%パラジウム炭素の存在下に水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、ロ液を減圧濃縮して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン 2/1)にて精製し、化合物37(773.2 mg、98%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 0.97 (3H, s), 0.98 (3H, s), 1.40 (1H, brddd, J= 4.4, 9.8, 14.6 Hz), 1.67 (1H, dddd, J= 7.3, 9.3, 10.3, 14.6 Hz), 1.82 (s, 3H), 2.36 (1H, ddd, J= 7.3, 9.8, 13.7 Hz), 2.66 (1H, ddd, J= 4.4, 9.3, 13.7 Hz), 3.47 (1H, brd, J= 10.3 Hz), 6.63 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.80 (1H, dd, J= 2.0, 8.3 Hz), 6.88 (1H, d, J= 2.0 Hz)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.1, 21.0, 23.3, 26.2, 36.4, 38.3, 38.4, 63.1, 75.6, 77.1, 114.9, 124.1, 126.0, 130.0, 134.6, 152.6, 171.4,
IR: 3397, 2971, 1716 cm-1
化合物38
化合物37 0.62gをクロロホルム18mLに溶解し、氷冷下ピリジニウムブロミドパーブロミド672mgを溶解させたクロロホルム(含ピリジン)溶液を滴下した。滴下終了後、水を加え反応液をクロロホルム200mLに注ぎ、1M HCl溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、飽和食塩水、各々60mLで洗浄した。さらに水層をクロロホルム100mLで洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、化合物38(489.0mg、63%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.09 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.59~1.65 (2H, m), 1.81 (1H, s), 1.94 (1H, m) 2.01 (3H, s), 2.27 (3H, s), 2.88 (1H, ddd, J= 4.9, 4.9, 9.8, 9.8 Hz), 3.01 (1H, m), 3.85 ( 1H, ddd, J=7.3, 7.3, 12.3 Hz), 3.98 (1H, ddd, J=6.9, 7.3, 12.3 Hz), 6.86 (1H, s), 7.09 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.9, 21.0, 23.2, 26.5, 36.3, 38.3, 38.4, 62.7, 73.0, 75.4, 110.2, 125.9, 128.2, 129.6, 136.3, 148.9, 171.0
IR: 3421, 2972, 1720 cm-1
化合物39
化合物38146.6mgをアセトン188mLに溶解し、過塩素酸テトラブチルアンモニウム (6.5g)の存在下、定電流電解酸化反応(1.35-1.60 V vs SCE、2.0 F / mol、陽極:グラッシーカーボンビーカー、陰極:白金線)に付した。反応液を減圧濃縮して得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、ジアステレオマー混合物として39(99mg、68%)を得た。
化合物40aおよび40b
化合物39 212.7mgを塩化メチレン6mLに溶解し、氷浴下三フッ化ホウ素エーテル錯体83.5μLを加えて室温にて撹拌した。45分後、フッ化ホウ素エーテル錯体40μLを追加した。さらに、2時間後100μL、および3時間後300μL加えて1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル120mLにて希釈し、水×2、飽和食塩水、各々40mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル3/1)にて精製し、転位体(123.8mg、58%、転化率61%)を得た。
転位体 123.8mgを メタノ-ル10mLに溶解し、ピリジン25μLと触媒量の10%パラジウム炭素の存在下に水素雰囲気下、室温で2.5時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、ロ液を減圧濃縮して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2/1)にて精製し、フェノール誘導体(92.8 mg、96%)を得た。
フェノール化合物75.8mgをジクロロメタン0.75mLに溶解し、氷浴下ジイソプロピルエチルアミン0.75mL、塩化メトキシメチルエーテル0.5mL加え、室温にて12時間撹拌した。反応液を酢酸エチル20mLに注ぎ、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々40mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ4/1)にて精製し、メトキシメチル体(80.7mg、83%)を得た。
メトキシメチル化合物 72.0mgをメタノール/テトラヒドロフラン(1/1)の混合溶媒4mLに溶解し、氷浴下ナトリウムメトキシドを15.4mg加え、室温にて1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル120mLに注ぎ、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々40mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ3/1)にて精製し、おのおのジアステレオマー混合物として40a(49.5mg、77%)および40b(16.4mg、23%)を得た。
High resolution mass spectrum; m/z 356.1667 (calcd for C21H24O5 M+, C21H24O5)
(+)-ヘリアヌオールE
化合物40a 22.5mgをピリジ1mLに溶解し、塩化メタンスルホニルを20μL加え、室温にて1時間撹拌した。次に、氷浴下メタノールを加えた後、溶媒をトルエン共沸により減圧留去した。残留物を酢酸エチル100mLに溶解し、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々20mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、メシル体(0.94g、86%)を得た。
オルト−ニトロフェニルセレノシアネ−ト58mgをエタノールに溶解し、氷浴下水素化ホウ素ナトリウム14.5mgを加えて、室温にて撹拌した。これにメシル体 27.5mgのエタノール溶液を加え、室温にて16時間撹拌した。反応液を酢酸エチル40mLにて希釈し、1MHCl溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各々20mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をテトラヒドロフラン1mLに溶解させ、氷浴下35%過酸化水素水を100μL加え、室温にて撹拌した。2.5時間後、さらに35%過酸化水素水を100μL加え30分間撹拌した。反応液をジエチルエーテル40mLに注ぎ、水、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、飽和食塩水各々10mLにて洗浄し、さらに水層をジエチルエーテル40mLにて洗浄した。有機層を合し無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル20/1)にて精製し、オレフィン体(18.5mg、86%)を得た。
オレフィン体 22.5mgをテトラヒドロフラン0.5mLに溶解し、氷浴下6MHCl水溶液を加え、室温にて17時間撹拌した。反応液を酢酸エチル100mLにて希釈し、飽和食塩水20mLで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル5/1、二重展開)にて精製し、(+)-ヘリアヌオールE(4.9mg、50%)と化合物2(1.6mg、16%)を得た。
(+)-ヘリアヌオールE
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.24 (3H, s) 1.30 (3H, s), 1.90 (2H, m), 2.20 (3H, s), 3.46 (1H, m), 3.74 (1H, dd, I =3.6, 10 Hz), 4.91 (1H, d, J=17.0, 1.5 Hz), 5.11 (1H, d, J=10.4, 1.5 Hz), 5.97 (1H, ddd, J=17.0, 10.4, 1.5 Hz), 6.49 (1H, s), 6.66 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 15.7, 23.5, 24.3, 26.0, 27.6, 37.9, 71.8, 115.8, 118.5, 120.6, 123.9, 142.0, 147.2, 148.2
High resolution mass spectrum; m/z 248.1428 (calcd for C15H20O3 M+, 248.1412)
IR: 3367, 2929 cm-1; [α]D 24 +79.7 (c 0.1, CHCl3)
化合物2
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.26 (3H, s), 1.31 (3H, s), 1.65 (1H, q, J=12.0 Hz), 2.01 (1H, brdd. J=11.7, 12.0 Hz), 2.19 (3H, s), 3.48 (1H, m), 3.80 (1H, brd, J =17 Hz), 5.20 (1H, brd, J=10 Hz), 5.24 (1H, brd, J=17 Hz), 5.68 (1H, ddd, J=17.0, 10.0, 9.8 Hz), 6.60 (1H, s), 6.64 (1H, s)
なお、(+/-)-ヘリアヌオールEの活性評価は、(+)体と(-)体の当量混合物を試験に供した。
Figure 2005112739
化合物41
化合物13 2.93gをメタノール30mLに溶解し、触媒量の10%パラジウム炭素の存在下に水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応液を濾過し、ロ液を減圧濃縮して得られる残渣をテトラヒドロフラン20mLに溶解し、氷冷下にて水素化リチウムアルミニウム0.62gをテトラヒドロフラン50mLに懸濁させた溶液に滴下し、15分間反応させた。反応液に酢酸エチル、4MHCl溶液を順次加えた後、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を6MHCl、飽和炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水(各々200mL)で洗浄した後、溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、油状物質として化合物41(1.66g、92%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.85(2H, tt, J= 6.4, 7.3 Hz), 2.21(3H, s), 2.60 (2H, t, J =7.3 Hz), 3.67 (2H, t, J=6.4 Hz), 6.67 (1H, d, J= 7.8 Hz), 6.89 (1H, brbr), 6.94 (1H, br)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 15.9, 31.2, 34.4, 62.4, 114.8,123.8, 126.7, 130.9, 133.5, 152.0
IR: 3348, 2941 cm-1
化合物42
化合物41 260mgをクロロホルム25mLに溶解し、氷冷下臭素249mgを溶解させたクロロホルム溶液10mLを滴下した。滴下終了後、反応液を、1MHCl溶液(60mL×2)、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(60mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル10/1)にて精製し、化合物42(344.1mg、90%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.83 (2H, tt, J= 6.6, 7.8 Hz), 2.26 (3H, s), 2.58 (2H, t, J= 7.8 Hz), 3.65 (2H, t, J= 6.6 Hz), 6.90 (1H, d, J= 2.0 Hz),7.12 (1H, d, J= 2.0 Hz),
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.7, 30.8, 34.2, 61.9, 109.8, 125.5, 128.8, 130.4, 134.6, 148.3
High resolution mass spectrum; m/z 244.0120 (calcd for C10H13BrO2 M+, 244.0099)
IR: 3347, 2940 cm-1
化合物43
化合物42 50.4mgをジオキサン-60%過塩素酸(5/1)の混合液175mLに溶解し、過塩素酸リチウム(1.5g)の存在下、定電流電解酸化反応(1.60-1.80 V vs SCE、8.2 F / mol、陽極:グラッシーカーボンビーカー、陰極:白金線)に付した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和後、減圧濃縮して得られる残渣をクロロホルムに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をPTLC(トルエン:アセトン3/1)にて精製し、化合物43(24.5mg、49%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 2.01 (3H, d, J=1.5 Hz), 2.14~2.26 (4H, m), 4.15 (2H, t, J=6.35 Hz), 6.67 (1H, dd, J=1.5, 3.0 Hz), 7.29 (1H, d, J=3.0 Hz)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.4, 26.8, 36.7, 69.2, 79.7, 123.3, 132.8 , 145.1, 149.6, 179.0
IR: 2955, 1671, 1609 cm-1
化合物6および7
化合物43 34.1mgを塩化メチレン2mLに溶解し、三フッ化ホウ素エーテル錯体0.2mLを-20℃にて加えて撹拌した。1.5時間後、-5℃にてさらに室温にて三フッ化ホウ素エーテル錯体0.2mLを加えた後、室温にて3時間反応させた。反応液を酢酸エチルと水で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル5/1)にて精製し、化合物6(2.1mg、6%)および化合物7(11.1mg、33%)を得た。
化合物6
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 2.00 (2H, tt, 5.4, J=6.6Hz), 2.08 (3H, s), 2.69 (2H, t, J=6.6 Hz), 4.06 (2H, t, J=5.2 Hz), 6.59 (1H, s)
化合物7
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 2.00 (2H, tt, J=5.1, 6.6Hz) 2.16 (3H,s), 2.61 (2H, t, J=6.6 Hz), 4.06 (2H, t, J=5.1 Hz), 6.82 (1H, s)
化合物44
化合物41 53.1mgをアセトン160mLに溶解し、過塩素酸テトラブチルアンモニウム(5.5g)の存在下、定電流電解酸化反応(1.20~1.60 V vs SCE、2.0 F / mol、陽極:グラッシーカーボンビーカー、陰極:白金線)に付した。反応液を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1/1)にて精製し、化合物44(10.6mg、20%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.87 (3H, d, J=1.0 Hz), 2.04 (2H, t, J=7.3Hz), 2.15 (2H, tt, J=6.3, 7.3 Hz), 4.07 (2H, t, J= 6.3 Hz), 6.13 (1H, d, J=9.8 Hz), 6.58 (1H, dd, J=3.4, 1.0 Hz), 6.78 (1H, dd, J=3.4, 9.8 Hz),
IR: 2952, 1671, 1643 cm-1
化合物5
化合物44 10.6mgを塩化メチレン1mLに溶解し、三フッ化ホウ素エーテル錯体25μLを加えて室温にて1.5時間反応させた。反応液を酢酸エチル40mLに注ぎ、水、飽和食塩水、各々10mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をPTLC(ヘキサン:酢酸エチル2/1、二重展開)で精製し、化合物5(6.6mg、62%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.96 (2H, tt, J=5.4, 6.8 Hz), 2.17 (3H,s), 2.70 (2H, t, J=6.8 Hz), 4.11 (2H, t, J=5.4 Hz), 6.47 (1H, s), 6.56 (1H, s)
化合物45
化合物41 0.72gをジメチルホルムアミド7.2mLに溶解し、無水炭酸カリウム1.80gおよび臭化ベンジル0.772mLを0℃で加え室温で15時間撹拌した。反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1)200mLに加え、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、ベンジルエーテル(0.84g、76%)を得た。
ベンジルエーテル体636mgをジメチルスルホキシド10mLに溶解しトリエチルアミン2.06mLを加えた後、三酸化硫黄ピリジン錯体1.18gを加え室温で10分間撹拌した。反応液を酢酸エチル150mLで希釈し、水150mL、飽和食塩水100mLで洗浄した後、さらに水層を酢酸エチルにて洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル20/1)にて精製し、化合物45(505mg、81%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 2.73 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.87 (2H, t, J=7.3 Hz), 5.05 (2H, s), 6.80 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.95 (1H, dd, J=2.0, 7.8 Hz), 6.99 (1H, br) , 7.31~7.44 (5H, m), 9.80 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.4, 27.4, 45.6, 69.9, 111.5, 126.2, 127.0, 127.2, 127.6, 128.4, 130.7, 132.1, 137.4, 155.3, 201.7
IR:1724 cm-1
化合物9
ヨウ化イソプロピルトリフェニルホスホニウム3.01gをテトラヒドロフラン20mLに溶解し、0℃にてn-ブチルリチウム(3.8mL、1.57Mヘキサン溶液)を加え撹拌し、ホスホランを生成させた。30分後、テトラヒドロフラン5mLに溶解した化合物45 505mgをホスホランに加えた。5分後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル40/1)にて精製し、オレフィン体(87.3mg、16%)を得た。
オレフィン体13.5mgをアセトン/水(10/1)1mLに溶解し、N-メチルモルホリンを11.3mg加えた後、四酸化オスミウム溶液(0.04M)を0.05m加え室温で13時間反応させた。飽和亜硫酸ナトリウム溶液にて反応を停止した後、反応液に酢酸エチル40mLを加え、1MHCl溶液と飽和食塩水、各々20mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル3/1→1/1)にて精製し、化合物46(11.0mg、73%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.12 (3H, s), 1.19 (3H, s), 1.60~1.66 (1H, m), 1.75 (1H, m), 2.27 (3H, s), 2.58 (1H, ddd, J=6.8, 9.3, 14.7 Hz), 2.83 (2H, ddd, J=4.9, 9.8, 14.7 Hz), 3.40 (1H, brd, J= 10.3 Hz), 5.06 (2H, s), 6.81 (1H, d, J=8.3 Hz), 6.99 (1H, dd, J=2.4, 8.3 Hz), 7.02 (1H, br), 7.29~7.45 (5H, m),
IR:3407, 2925 cm-1
化合物47
化合物46 49.3mgを メタノール3mLに溶解し、触媒量の10%パラジウム炭素の存在下に水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応液を濾過し、ロ液を減圧濃縮して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン 2/1)にて精製し、フェノール体(34.4 mg、98%)を得た。
フェノール体34.4mgをクロロホルム5mLに溶解し、氷冷下ピリジニウムブロミドパーブロミド49mgを溶解させたクロロホルム10mL(含ピリジン0.2mL)溶液を滴下した。滴下終了後、水で反応を停止した。反応液をクロロホルム50mLで希釈し、1M HCl(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)の順で洗浄した。さらに、水層をクロロホルム50mLで洗浄し、有機層を合し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、化合物47(42.0mg、90%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.16 (3H, s), 1.19 (3H, s), 1.55~2.05 (2H, m) , 2.27 (3H, s), 2.54 (1H, ddd, J=7.3, 9.3, 13.7 Hz), 2.81 (2H, ddd, J=4.9, 9.7, 13.7 Hz) , 3.37 (1H, brd, J= 10.8 Hz), 6.92 (1H, s), 7.15 (1H, s)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.7, 23.3, 26.6, 31.8, 33.6, 73.2, 77.6, 109.9, 125.6, 128.8, 130.5, 134.9, 148.4
IR: 3399, 2974 cm-1
化合物8および9
化合物47 42mgをジオキサン-60%過塩素酸(5/1)の混合液117mLに溶解し、過塩素酸リチウム2gの存在下、定電流電解酸化反応(1.6-1.9 V vs SCE、10.0 F / mol、陽極:グラッシーカーボンビーカー、陰極:白金線)に付した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、減圧濃縮して得られる残渣をクロロホルムに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、スピロ化合物(7.6mg、18%)を得た。
スピロ化合物183.7mgをトルエン4mLに溶解し、三フッ化ホウ素エーテル錯体400μLを加えて室温にて反応させた。反応液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をPTLC(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、化合物8(19.0mg、10%)および化合物9(6.9mg、4%)を得た。
化合物8
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.27 (3H, s), 1.31(3H, s), 1.72 (1H, dddd, J=15.1, 6.4, 11.7, 11.7 Hz), 2.07 (1H, dddd, J=2.0, 15.1, 4.9, 2.0 Hz), 2.24 (3H, s), 2.64 (1H, ddd, J=6.4, 11.7, 17.1 Hz), 2.84 (1H, bddd, J=4.9, 17.1 Hz), 3.64 (1H, dd, J= 2.0, 11.7 Hz), 6.64 (1H, s)
化合物9
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.26 (3H, s), 1.31 (3H, s), 1.72 (1H, dddd, J= 5.9, 11.7, 13.7, 12.7 Hz), 2.09 (1H, dddd, J= 2.0, 2.0, 6.9, 13.7 Hz), 2.59 (1H, ddd, J= 6.9, 12.7, 17.1 Hz), 2.75 (1H, ddd, J= 2.0, 5.9, 17.1 Hz), 3.64 (1H, dd, J= 2.0, 11.7 Hz), 6.88 (1H, s)
Figure 2005112739

化合物49
化合物48 19.5gを無水テトラヒドロフラン600mLに溶解し、アルゴン雰囲気下−78℃に冷却した後、n-ブチルリチウム(1.58Mヘキサン溶液4mL) を加え、ただちに無水テトラヒドロフラン500mLに溶解した6−メチル-5−ヘプテン2−オン21.2gを加え、30分間撹拌した。反応液を水、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル14/1)にて精製し、油状物質として化合物49(15.3g、68%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 0.20 (6H, s), 1.01 (9H, s), 1.49 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.65 (3H, s), 1.78-1.94 (4H, complex), 2.21 (3H, s), 5.09 (1H, t, J=6.8 Hz), 6.71 (1H, d, J=8.3 Hz), 7.08 (1H, dd, J=2.0, 8.3 Hz), 7.18 (1H, d, J=2.0 Hz)
化合物50
化合物49 2.54gを無水塩化メチレン73mLに溶解し、トリエチルシラン1.4mL及び三フッ化ホウ素エーテル錯体0.9mLを加え、氷冷下15分間撹拌した。反応液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)にて精製し、油状物質として化合物50(2.12g、87%)を得た。
IR: 2958, 2929, 1504, 1265 cm-1
化合物51
化合物50 1.51gを含水アセトン45mLに溶解し、4−メチルモルホリンN−オキシド1.63gおよび四酸化オスミウムの0.04Mt-ブタノール溶液0.6mLを加え、室温で18時間撹拌した。反応液を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、油状物質としてジアステレオマー混合物であるジオール体(1.63g、98%)を得た。
ジオール体2.33gをテトラヒドロフラン63mLに溶解し、フッ化テトラn-ブチルアンモニウムの1.0Mテトラヒドロフラン溶液7mLを加え、氷冷下75分間撹拌した。反応液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる残渣をクロロホルム127mLに溶解し、クロロホルム85mLに溶解した臭素1.25gを氷冷下ゆっくりと滴下した。滴下終了後室温で10分間撹拌し、反応液を水、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、油状物質としてジアステレオマー混合物である化合物51(2.07g、98%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.08 (1.5H, s), 1.11 (1.5H, s), 1.14 (3H, s), 1.19 (1.5H, d, J= 3.9 Hz), 1.21 (1.5H, d, J= 3.9 Hz), 1.32 (2H, m), 1.56 (1H, m), 1.82 (1H, m), 2.26 (1.5H, s), 2.27 (1.5H, s), 2.59 (1H,m), 3.28 (0.5H, dd, J= 2.7, 10.0 Hz), 3.35 (0.5H, dd, J= 2.0, 10.3 Hz), 5.51 (1H, s), 6.85 (1H, m), 7.10 (1H, m)
化合物52
化合物5174.8mgをニトロメタン150mLに溶解し、50mM過塩素酸テトラn-ブチルアンモニウム存在下、定電流電解酸化反応(3.4-3.6 V vs SCE、6.6 F / mol、陽極:グラッシーカーボンビーカー、陰極:白金線)に付した。反応液を減圧濃縮して得られる残渣よりシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1/1)にて支持電解質を除去し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1、3回展開)にて精製し、油状物質としてジアステレオマー混合物である化合物52(46mg、62%)を得た。
IR: 3502, 2967, 1670cm-1
化合物11−混合物
化合物52 46mgをトルエン0.56mLに溶解し、三フッ化ホウ素エーテル錯体53μLを加え、室温で3時間撹拌した。反応液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル5/1)にて精製し、油状物質として化合物11−混合物(33mg、71%)を得た。構造はベンジル位のプロトンのHNMRスペクトルより決定した。
化合物3および4
化合物11−混合物11mgをメタノール2mLに溶解し、触媒量の10%パラジウム炭素の存在下に水素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮して得られる粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル3/1)にて精製し、無色固体としてジアステレオマー混合物である化合物3(2.8mg、34%)と油状物質としてジアステレオマー混合物である化合物4(4.1mg、49%)を得た。構造は芳香環プロトンのHNMRスペクトルより決定した。
化合物3
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 6.52 (1H, d, J= 8.8 Hz), 6.70 (1H, d, J= 8.8 Hz)
化合物4
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 6.54 (0.5H, s), 6.61 (0.5H, s), 6.73 (0.5H, s), 6.76 (0.5H, s)
化合物54
化合物53 1.04gをテトラヒドロフラン83mLに溶解し、クロロホルム100mLに溶解した臭素1.50gを、−78℃でゆっくりと滴下した。滴下終了後室温で2日間撹拌し、反応液を水、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル10/1)にて精製し、油状物質として化合物54(0.24g、12%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.30 (2H, d, J= 0.6 Hz)
化合物55
化合物54 33mgをニトロメタン100mLに溶解し、50mM過塩素酸テトラn-ブチルアンモニウム存在下、定電流電解酸化反応(3.3-3.5 V vs SCE、6.2 F / mol、陽極:グラッシーカーボンビーカー、陰極:白金線)に付した。反応液を減圧濃縮して得られる残渣よりシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1/1)にて支持電解質を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル3/1)から精製し、油状物質として化合物55(13mg、40%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.70-1.8 (6H, m), 3.88 (2H, m), 7.60 (2H, s)
IR: 2940, 1683 cm-1
化合物10
化合物55 11mgを無水塩化メチレン1mLに溶解し、三フッ化ホウ素エーテル錯体18μLを加え、室温で3時間撹拌した。反応液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して得られる粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル2/1)にて精製し、油状物質として化合物10(5.4mg、49%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.70 (2H, m), 1.96 (1H, m), 3.04 (2H, m), 3.98 (1H, m), 5.74 (1H, s), 7.17 (1H, s)
Figure 2005112739
[試験例1]
単子葉植物であるアベナ(Avena saliva L., オートムギ、燕麦)及び双子葉植物であるクレス(Lepidium sativum L.)の成長に対する各種化合物の効果を調べた。
1.アベナに対する効果
試験溶液(表1及び2に示す濃度の各種化合物の水溶液1 mlを入れた皿に、10個のアベナの種子を置き、暗所にて、25℃で3日間インキュベートした後、幼葉鞘および根の長さを測定した。各種化合物を含まない状態の結果を対照とした。
結果を以下の表1及び2にまとめる。表中の数値は3回の独立した実験の平均値±SEである。
表1アベナの幼葉鞘の成長に対する効果
対照 13.3 ± 0.8 mm
10-3M 3 × 10-4M 10-4 3 × 10-5
サンプル− 8.8 ± 0.7 12.5 ± 1.1 12.8 ± 1.1 11.8 ± 0.9
+ 9.0 ± 0.8 8.2 ± 0.6 10.0 ± 1.1 14.0 ± 1.2
+− 9.2 ± 0.7 9.6 ± 0.8 15.7 ± 1.2 13.1 ± 1.4
1 11.2 ± 1.2 12.2 ± 0.9 13.3 ± 1.3 13.6 ± 1.2
2 10.9 ± 1.0 8.5 ± 0.7 9.0 ± 0.7 12.0 ± 1.1
3 11.0 ± 1.0 10.5 ± 1.4 12.5 ± 1.4 12.0 ± 1.6
4 8.3 ± 0.7 8.4 ± 0.7 11.3 ± 1.0 14.0 ± 1.2
5 10.6 ± 1.1 8.9 ± 1.2 10.9 ± 1.1 11.3 ± 1.2
6 7.3 ± 0.8 12.8 ± 1.3 12.0 ± 1.2 12.8 ± 1.3
7 8.5 ± 0.7 11.0 ± 1.1 15.1 ± 0.9 12.5 ± 1.1
8 9.0 ± 0.8 12.1 ± 1.1 12.6 ± 1.5 14.8 ± 1.1
9 9.0 ± 0.6 9.8 ± 0.8 10.3 ± 0.9 13.6 ± 1.2
10 8.3 ± 0.7 8.7 ± 0.6 11.6 ± 1.1 11.3 ± 1.2
11 8.8 ± 0.7 9.3 ± 0.8 10.4 ± 1.0 13.6 ± 1.2
表2 アベナの根の成長に対する効果
対照 9.5 ± 0.9 mm
10-3M 3 × 10-4M 10-4 3 × 10-5
サンプル− 7.7 ± 0.6 9.7 ± 0.9 10.5 ± 1.1 10.9 ± 1.0
+ 8.0 ± 0.7 10.4 ± 0.9 11.0 ± 1.1 12.8 ± 1.4
+− 10.4 ± 1.0 11.2 ± 1.0 10.2 ± 1.0 9.9 ± 1.2
1 8.8 ± 0.9 12.4 ± 1.4 12.0 ± 1.1 10.3 ± 1.1
2 9.9 ± 0.9 8.3 ± 0.7 8.3 ± 0.8 8.2 ± 0.7
3 8.0 ± 0.7 8.1 ± 0.6 15.3 ± 2.0 9.7 ± 1.0
4 5.8 ± 0.5 7.3 ± 0.7 8.7 ± 0.7 13.3 ± 2.1
5 7.5 ± 0.7 10.1 ± 1.0 9.1 ± 1.1 9.6 ± 1.0
6 6.8 ± 0.6 10.6 ± 1.0 9.0 ± 0.9 11.8 ± 1.1
7 7.4 ± 0.7 9.2 ± 0.9 13.6 ± 1.1 9.3 ± 0.9
8 4.8 ± 0.4 9.5 ± 0.8 11.1 ± 1.2 10.4 ± 0.9
9 4.6 ± 0.5 10.1 ± 1.0 9.9 ± 0.8 10.5 ± 0.9
10 6.1 ± 0.5 9.9 ± 0.9 9.7 ± 0.7 7.5 ± 0.7
11 4.9 ± 0.4 7.4 ± 0.6 9.4 ± 1.0 11.1 ± 1.2
2.クレスに対する効果
試験溶液(表3及び4に示す濃度の各種化合物の水溶液0.5 mlを入れたペトリシャーレに、10個のクレスの種子を置き、暗所にて、23℃で3日間インキュベートした。幼根の測定はインキュベート開始2日後、下胚軸は3日後にそれぞれの長さを測定した。
結果を以下の表3及び4にまとめる。表中の数値は3回の独立した実験の平均値±SEである
表3 クレスの下胚軸の成長に対する効果
対照 21.1 ± 2.3 mm
10-3M 3 × 10-4M 10-4 3 × 10-5
古いサンプル 7 12.6 ± 1.3 13.8 ± 1.4 15.8 ± 1.6 15.8 ± 1.4
新しいサンプル 7 5.6 ± 0.6 11.0 ± 0.9 14.0 ± 1.4 20.6 ± 1.9
8 6.1 ± 0.5 13.0 ± 1.2 14.9 ± 1.7 14.3 ± 1.5
9 4.6 ± 0.6 13.9 ± 1.4 14.9 ± 1.6 14.3 ± 1.9
10 4.9 ± 0.5 11.0 ± 1.6 14.4 ± 1.9 14.9 ± 2.0
11 3.4 ± 0.4 10.1 ± 1.0 15.1 ± 0.9 15.6 ± 2.3
表4 クレスの根の成長に対する効果
対照 10.7 ± 1.0 mm
10-3M 3 × 10-4M 10-4 3 × 10-5
古いサンプル 7 6.3 ± 0.5 8.3 ± 0.7 9.3 ± 1.0 10.0 ± 1.1
新しいサンプル 7 2.7 ± 0.4 7.2 ± 0.6 7.6 ± 0.8 11.1 ± 1.0
8 4.7 ± 0.5 8.4 ± 0.7 9.5 ± 0.9 8.8 ± 1.5
9 2.6 ± 0.3 9.8 ± 0.7 10.6 ± 1.0 11.3 ± 1.1
10 2.3 ± 0.3 6.8 ± 0.7 9.1 ± 0.9 9.5 ± 1.0
11 2.3 ± 0.4 6.9 ± 0.6 11.3 ± 0.9 11.7 ± 1.0
考察
1.アベナの成長に対しては、4が最も強い抑制活性を示した。11は4と同程度の極めて強い抑制活性を示した。また、2は低濃度で成長抑制活性を示した。幼葉鞘の成長に対して、+、+−、9及び10も強い抑制活性を示した。根の成長に対しては、−、+、5、6、7が10-3Mの濃度でのみ、抑制活性を示した。また、8、9、10は10-3Mで強い抑制活性を示した。
2.クレスの成長に対する効果を調べる実験では、7の化合物については、2種類のサンプルで実験を行った。外気温や湿度の変化が原因と考えられるが、同サンプル7でも2種類の間で下胚軸や根の実長に差が出た(抑制活性域は変化なし)。しかし、結果としては、7=10−11>8、9の順に活性が高いことが明らかになった。
適当な強度の阻害活性は、穀類などの単子葉植物の徒長をおさえることで矮化を促すことで、茎の太い品種の製造を期待できる。これらの品種は、台風などに晒されることの多い地域に適するものと考えられる。
本発明の植物成長阻害剤は除草を目的とする農薬などに利用することができる。

Claims (2)

  1. 下記の式(I)で表される化合物を有効成分として含む植物成長阻害剤。
    Figure 2005112739
    (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ、独立に、ヒドロキシル基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子であり、nは1〜3のいずれかの整数である)
  2. 除草のために用いられる請求項1記載の薬剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220183292A1 (en) * 2019-04-12 2022-06-16 Ecole Polytechnique Use of benzoxepin derivatives as a herbicide
CN115073413A (zh) * 2022-05-17 2022-09-20 中山大学 一种苯并环醚类倍半萜类化合物及其制备方法与应用

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