JP2005109410A - 薄膜コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 下部電極と上部電極間の耐圧が高く、且つ、両者間の短絡の生じない薄膜コンデンサを提供する。
【解決手段】 基板1上に設けられた下部電極2と、この下部電極2の上面2aと下部電極2の少なくとも1つの端面2bとに跨って形成された第1の誘電体薄膜3と、この第1の誘電体薄膜3の段差部を覆うように、第1の誘電体薄膜3上に形成された第2の誘電体膜4と、下部電極2に対向した状態で第1の誘電体薄膜3上と第2の誘電体膜4上に形成された上部電極6とを備え、第2の誘電体膜4の誘電率を第1の誘電体薄膜3の誘電率よりも高くした。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板1上に設けられた下部電極2と、この下部電極2の上面2aと下部電極2の少なくとも1つの端面2bとに跨って形成された第1の誘電体薄膜3と、この第1の誘電体薄膜3の段差部を覆うように、第1の誘電体薄膜3上に形成された第2の誘電体膜4と、下部電極2に対向した状態で第1の誘電体薄膜3上と第2の誘電体膜4上に形成された上部電極6とを備え、第2の誘電体膜4の誘電率を第1の誘電体薄膜3の誘電率よりも高くした。
【選択図】 図1
Description
本発明は電圧制御発振器等から成る電子ユニットに使用して好適な薄膜コンデンサに関する。
図4は従来の薄膜コンデンサの要部拡大断面図であって、アルミナ基板などからなる基板51の上面には、銅や銅合金の金属材からなる下部電極52が薄膜によって形成されている。
また、酸化シリコン等からなる第1の誘電体薄膜53は、下部電極52の上面52aを覆う上方薄膜部53aと、下部電極52の両端面52b、52cのそれぞれを覆う側方薄膜部53b、53cを有し、この第1の誘電体薄膜53によって、下部電極52の外表面を覆った状態となっている。
第2の誘電体膜54は、アクリル系樹脂やフッ素系樹脂等の絶縁材からなり、この第2の誘電体膜54は、第1の誘電体薄膜53の第1の段差部である側方薄膜部53b、及びこの側方薄膜部53bの近傍に位置する上方薄膜部53aを覆うように形成されている。
そして、第2の誘電体膜54は、第1の誘電体薄膜53の上方薄膜部53aに対して垂直な端面部54aを有し、上方薄膜部53a上に形成された同じ膜厚かななる上方膜部54bと、第1の誘電体薄膜53の側方薄膜部53bを覆う側方膜部54cを有する。
また、第3の誘電体膜55は、アクリル系樹脂やフッ素系樹脂等の絶縁材からなり、この第3の誘電体膜55は、第1の誘電体薄膜53の第2の段差部である側方薄膜部53c、及びこの側方薄膜部53cの近傍に位置する上方薄膜部53aを覆うように形成されている。
そして、第3の誘電体膜55は、第1の誘電体薄膜53の上方薄膜部53aに対して垂直な端面部55aを有し、上方薄膜部53a上に形成された同じ膜厚からなる上方膜部55bと、第1の誘電体薄膜53の側方薄膜部53cを覆う側方膜部55cを有する。
銅や銅合金等の金属材からなる薄膜の上部電極56は、下部電極52に対向した状態で、第1の誘電体薄膜53上と、第2、第3の誘電体膜54上、55上、及び基板51の上面51a上に跨って形成されている(例えば、特許文献1参照)
このような構成を有する従来の薄膜コンデンサは、下部電極52のエッジ部52dにおける第1の誘電体薄膜53の膜厚が薄くなって、この薄い部分の耐圧が低下するが、この段差部に第2、第3の誘電体膜54、55を設けることによって、耐圧の低下を防止している。
しかし、第2、第3の誘電体膜54、55の上方膜部54b、55bは、同じ膜厚で形成されると共に、その端面部54a、55aは、第1の誘電体薄膜53の上方薄膜部53aに対して垂直な状態で配置されている。
その結果、上部電極56にプラス電圧を印加すると共に、下部電極52にマイナス電圧を印加して、長時間負荷テストを行うと、端面部54a、55aを含むその近傍において、電界強度が集中して、端面部54a、55aを含むその近傍に位置する第1の誘電体薄膜53の上方薄膜部53aには、上部電極56からの銅イオンの移行(マイグレーション)が著しくなって、下部電極52と上部電極56間の耐圧が低下したり、或いは、下部電極52と上部電極56間が短絡を生じたりする。
従来の薄膜コンデンサは、第2、第3の誘電体膜54、55の上方膜部54b、55bの端面部54a、55aが第1の誘電体薄膜53の上方薄膜部53aに対して垂直な状態で配置されているため、端面部54a、55aを含むその近傍において、電界強度が集中して、端面部54a、55aを含むその近傍に位置する第1の誘電体薄膜53の上方薄膜部53aには、上部電極56からの銅イオンの移行(マイグレーション)が著しくなって、下部電極52と上部電極56間の耐圧が低下したり、或いは、下部電極52と上部電極56間が短絡を生じたりするという問題がある。
そこで、本発明は下部電極と上部電極間の耐圧が高く、且つ、両者間の短絡の生じない薄膜コンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の手段として、基板上に設けられた下部電極と、この下部電極の上面と前記下部電極の少なくとも1つの端面とに跨って形成された第1の誘電体薄膜と、この第1の誘電体薄膜の段差部を覆うように、前記第1の誘電体薄膜上に形成された第2の誘電体膜と、前記下部電極に対向した状態で前記第1の誘電体薄膜上と前記第2の誘電体膜上に形成された上部電極とを備え、前記第2の誘電体膜の誘電率を前記第1の誘電体薄膜の誘電率よりも高くした。
また、第2の解決手段として、前記第1の誘電体薄膜は、前記下部電極の前記上面に形成された上方薄膜部と、前記下部電極の前記端面に形成された側方薄膜部を有し、前記上方薄膜部と前記側方薄膜部とによって形成されるエッジ部における前記第1の誘電体薄膜の膜厚は前記上方薄膜部の膜厚よりも薄く形成されており、前記第1の誘電体薄膜の誘電率をε1、前記上方薄膜部の膜厚をt、前記エッジ部における前記第1の誘電体薄膜の膜厚をt1、前記エッジ部に対応する前記第2の誘電体膜の膜厚をt2とした場合、前記第2の誘電体膜の誘電率ε2を次式を満足する値にした。
ε1<ε2<t2×ε1/(t−t1)
ε1<ε2<t2×ε1/(t−t1)
また、第3の解決手段として、前記第2の誘電体膜は、前記第1の誘電体薄膜の前記上方薄膜部に位置する上方膜部と、前記第1の誘電体薄膜の前記側方薄膜部に位置する側方膜部を有し、前記上方膜部の膜厚を前記上方膜部の端部から前記側方膜部側に向かって漸次厚くした。
また、第4の解決手段として、前記段差部とは反対側の前記上方薄膜部上に第3の誘電体膜を形成すると共に、前記上部電極を前記上方薄膜部上と前記第3の誘電体膜上とに形成し、前記第3の誘電体膜の誘電率を前記第1の誘電体薄膜の誘電率よりも大きくした。
また、第5の解決手段として、前記第3の誘電体膜の膜厚を前記第3の誘電体膜の端部から前記段差部とは反対側に向かって漸次厚くした。
また、第6の解決手段として、前記第2の誘電体膜と前記第3の誘電体膜とを同じ材料で形成した。
本発明の薄膜コンデンサは、基板上に設けられた下部電極と、この下部電極の上面と下部電極の少なくとも1つの端面とに跨って形成された第1の誘電体薄膜と、この第1の誘電体薄膜の段差部を覆うように、第1の誘電体薄膜上に形成された第2の誘電体膜と、下部電極に対向した状態で第1の誘電体薄膜上と第2の誘電体膜上に形成された上部電極とを備え、第2の誘電体膜の誘電率を第1の誘電体薄膜の誘電率よりも高くしたので、上部電極が、第1の誘電体薄膜の上面と第2の誘電体膜の上面とに交叉する部分において電界が集中するが、第2の誘電体膜の誘電率が第1の誘電体薄膜の誘電率よりも大きいので、電界の集中が緩和される。よって、この部分の近傍での両電極間の銅イオンの移行(マイグレーション)が少なくなって、下部電極と上部電極間の耐圧が高くなると共に、下部電極と上部電極間の短絡が無くなる。
また、第1の誘電体薄膜は、下部電極の上面に形成された上方薄膜部と、下部電極の端面に形成された側方薄膜部を有し、上方薄膜部と側方薄膜部とによって形成されるエッジ部における第1の誘電体薄膜の膜厚は上方薄膜部の膜厚よりも薄く形成されており、第1の誘電体薄膜の誘電率をε1、上方薄膜部の膜厚をt、エッジ部における第1の誘電体薄膜の膜厚をt1、エッジ部に対応する第2の誘電体膜の膜厚をt2とした場合、第2の誘電体膜の誘電率ε2を、ε1<ε2<t2×ε1/(t−t1)を満足する値にしたので、エッジ部における電界の集中が緩和されてこの部分の近傍での第1の誘電体薄膜の耐圧が大きくなり、両電極間の銅イオンの移行(マイグレーション)が少なくなって、下部電極と上部電極間の耐圧が高くなると共に、下部電極と上部電極間の短絡が無くなる。
また、第2の誘電体膜は、第1の誘電体薄膜の上方薄膜部に位置する上方膜部と、第1の誘電体薄膜の側方薄膜部に位置する側方膜部を有し、上方膜部の膜厚を上方膜部の端部から側方膜部側に向かって漸次厚くしたので、電界の集中が一層緩和されて、第1の誘電体薄膜の耐圧がより大きくなる。
また、段差部とは反対側の上方薄膜部上に第3の誘電体膜を形成すると共に、上部電極を前記上方薄膜部上と第3の誘電体膜上とに形成し、第3の誘電体膜の誘電率を第1の誘電体薄膜の誘電率よりも大きくしたので、上部電極が、第1の誘電体薄膜の上面と第3の誘電体膜の上面とに交叉する部分において電界が集中するが、第3の誘電体膜の誘電率が第1の誘電体薄膜の誘電率よりも大きいので、電界の集中が緩和される。よって、この部分の近傍での両電極間の銅イオンの移行(マイグレーション)が少なくなって、下部電極と上部電極間の耐圧が高くなると共に、下部電極と上部電極間の短絡が無くなる。。
また、第3の誘電体膜の膜厚を第3の誘電体膜の端部から段差部とは反対側に向かって漸次厚くしたので、電界の集中が一層緩和されて、第1の誘電体薄膜の耐圧がより大きくなる。
また、第2の誘電体膜と第3の誘電体膜とを同じ材料で形成したので、第2の誘電体膜と第3の誘電体膜とを同一工程で形成できる。
本発明の薄膜コンデンサの図面を説明すると、図1は本発明の薄膜コンデンサの第1実施例に係る要部の断面図、図2はその1部をさらに拡大した断面図、図3は本発明の薄膜コンデンサの第2実施例に係る要部の断面図である。
次に、本発明の薄膜コンデンサの第1実施例に係る構成を図1及び図2に基づいて説明すると、アルミナ基板などからなる基板1の上面1aには、銅や銅合金等の金属材からなる下部電極2が形成されている。
そして、この下部電極2は、平坦な上面2aと、この上面2aの両端に位置する端面2b、2cと上面2aと端面2b、2cとの交叉部に位置するエッジ部2dを有する。
酸化シリコン等からなる第1の誘電体薄膜3は、下部電極2の上面2aを覆う上方薄膜部3aと、下部電極2の一方の端面2bを覆う側方薄膜部3bを有して、段差状(段差部)とな っている。
また、第1の誘電体薄膜3は、段差部と反対側において、下部電極2の上面2a上に位置する端面部3cを有しており、下部電極2の端面2c側は、露出した状態となっている。
また、第1の誘電体薄膜3は、段差部と反対側において、下部電極2の上面2a上に位置する端面部3cを有しており、下部電極2の端面2c側は、露出した状態となっている。
第2の誘電体膜4は、アクリル系樹脂やフッ素系樹脂等の絶縁材からなり、この第2の誘電体膜4は、第1の誘電体薄膜3の段差部である側方薄膜部3b、及びこの側方薄膜部3bの近傍に位置する上方薄膜部3aを覆うように形成されている。
そして、第2の誘電体膜4は、第1の誘電体薄膜3の上方薄膜部3a上に形成された上方膜部4aと、第1の誘電体薄膜3の側方薄膜部3bを覆う側方膜部4bとを有する。上方膜部4aの端部4d近傍の上面は膜形成時のエッチング工程により若干湾曲している。なお、第2の誘電体膜4の誘電率は第1の誘電体薄膜3の誘電率よりも大きい。
また、第3の誘電体膜5は、アクリル系樹脂やフッ素系樹脂等の絶縁材からなり、この第3の誘電体膜5は、第1の誘電体薄膜3の端面部3c及びこの端面部3cの近傍に位置する上方薄膜部3aを覆うように形成されている。
そして、第3の誘電体膜5は、第1の誘電体薄膜3の上方薄膜部3a上に形成された上方膜部5aと、第1の誘電体薄膜3の端面部3cを覆う側方薄部5bとを有する。即ち、第3の誘電体膜5は、下部電極2の上面2aと第1の誘電体薄膜3上に形成された状態となっている。上方膜部5aの端部5d近傍の上面は膜形成時のエッチング工程により若干湾曲している。なお、第3の誘電体膜5の誘電率は第1の誘電体薄膜3の誘電率よりも大きい。そして、第2の誘電体膜4と第3の誘電体膜5は共に同じ材料構成され、同じ誘電率を有することが望ましい。
なお、第1の誘電体薄膜3は、下部電極2の端面2b側と同様に、端面2c側を覆うようにすると共に、第3の誘電体膜5は、第2の誘電体膜4と同様に、端面2c側に位置する第1の誘電体薄膜3を覆うようにしてもよい。
銅や銅合金等の金属材からなる薄膜の上部電極6は、下部電極2と対向した状態で、第1の誘電体薄膜3上と、第2の誘電体膜4の上方膜部4aと、側方膜部4b上と、第3の誘電体膜5の上方膜部5a上、及び基板1の上面1a上に跨って形成されている。
この時、上部電極6の下面には、第1の誘電体薄膜3の上方薄膜部3a、第2、第3の誘電体膜4、5の上方薄膜部4a、5aが位置する。
また、上部電極6は、下部電極2の端面2c側を露出した状態で、下部電極2の端面2b側を覆うように形成されたものとなっている。
なお、上記実施例において、第1の誘電体薄膜3は、下部電極2の端面2b側と同様に、端面2c側を覆うようにすると共に、第3の誘電体膜5は、第2の誘電体膜4と同様に、端面2c側に位置する第1の誘電体薄膜3を覆うようにしてもよい。
この場合、上部電極6は、下部電極2の端面2c側を覆うように形成されること勿論である。
この場合、上部電極6は、下部電極2の端面2c側を覆うように形成されること勿論である。
このような構成を有する本発明の薄膜コンデンサは、上部電極6が、第1の誘電体薄膜3の上方薄膜部3aの上面と第2の誘電体膜4の上方膜部4aの上面とが交叉する部分(上方膜部4aの端部4d)においてエッジ状となるために、上部電極6と下部電極2との間に電圧を印加すると、ここに電界が集中するが、第2の誘電体膜4の誘電率が第1の誘電体薄膜3の誘電率よりも大きいので、電界の集中が緩和される。よって、この部分の近傍での両電極2、6間の銅イオンの移行(マイグレーション)が少なくなって、下部電極2と上部電極6間の耐圧が高くなると共に、下部電極2と上部電極6間の短絡が無くなる。
また、上部電極6が、第1の誘電体薄膜3の上方薄膜部3aの上面と第3の誘電体膜5の上方膜部5aの上面とが交叉する部分(上方膜部5aの端部5d)においてもエッジ状となるために、上部電極6と下部電極2との間に電圧を印加すると、ここに電界が集中するが、第3の誘電体膜5の誘電率が第1の誘電体薄膜3の誘電率よりも大きいので、電界の集中が緩和される。よって、この部分の近傍においても両電極2、6間の銅イオンの移行(マイグレーション)が少なくなって、下部電極2と上部電極6間の耐圧が高くなると共に、下部電極2と上部電極6間の短絡が無くなる。
図2は下部電極2のエッジ部2d近傍における拡大断面図である。このエッジ部2dを含むその近傍にも電界が集中する。また、エッジ部2dにおいては、第1の誘電体薄膜3の薄膜形成の工程によって、第1の誘電体薄膜3の膜厚t1は、図示のように上方薄膜部3aの膜厚tよりも薄くなる傾向がある。そのため、この薄い部分の耐圧が低下するので、耐圧低下の改善のために段差部に第2の誘電体膜4を設けるようにしているのであるが、第2の誘電体膜4の誘電率をあまりにも大きくし過ぎると、エッジ部2dにおける第1の誘電体薄膜3の膜厚方向の耐圧が一層低下する。そのため、第2の誘電体膜4の誘電率には上限を設ける必要がある。
そこで、図2に示すように、第1の誘電体薄膜3の上方薄膜部3aの膜厚をt、エッジ部2dにおける第1の誘電体薄膜3の膜厚をt1、エッジ部2dにおける第1の誘電体薄膜3の膜厚方向での第2の誘電体膜4の膜厚をt2とし、第1の誘電体薄膜3の誘電率をε1、第2の誘電体膜4の誘電率をε2とし、下部電極2と上部電極6との間に印加される電圧をV、膜厚t1の第1の誘電体薄膜3に印加される電圧をV1、膜厚t2の第2の誘電体膜4に印加される電圧をV2とすると、数式1及び数式2が成り立つ。
また、数式1を数式2に代入することで数式3が得られる。
数式3は膜厚t1の第1の誘電体薄膜3の電界強度を示し、この値が上方薄膜部3aにおける電界強度V/t以下になればよい。即ち、数式4を満足すればよいことになる。
よって、第2の誘電体膜4の誘電率ε2は数式5で与えられる。
即ち、第2の誘電体膜4の誘電率ε2は第1の誘電体薄膜3の誘電率ε1以上であって、且つ、数式5を満足するように設定すればよいことになる。
なお、第2の実施例を図3に示すように、第2の誘電体膜4の上方膜部4aに、その端部4dから側方膜部4bに向かって膜厚を漸次厚くして傾斜面4cを設け、第3の誘電体膜5の上方膜部5aにも、その端部5dから側方膜部5bに向かって膜厚を漸次厚くして傾斜するように傾斜面5cを設けると、それぞれ端部4d、5d近傍の上部電極6のエッジ部での電界集中が一層緩和される。
その結果、上部電極6にプラス電圧を印加すると共に、下部電極2にマイナス電圧を印加して、長時間負荷テストを行うと、上方膜部4a、5aの端部を含むその近傍において、電界強度の集中が緩和され、上方膜部4a、5aの端部を含むその近傍に位置する第1の誘電体薄膜3の上方薄膜部3aには、上部電極6からの銅イオンの移行(マイグレーション)が少なくなって、下部電極2と上部電極6間の耐圧が高くなると共に、下部電極2と上部電極6間の短絡が無くなる。
1:基板
1a:上面
2:下部電極
2a:上面
2b、2c:端面
2d:エッジ部
3:第1の誘電体薄膜
3a:上方薄膜部
3b:側方薄膜部
3c:端面部
4:第2の誘電体膜
4a:上方膜部
4b:側方膜部
4c:傾斜面
4d:端部
5:第3の誘電体膜
5a:上方膜部
5b:側方膜部
5c、傾斜面
5d:端部
6:上部電極
1a:上面
2:下部電極
2a:上面
2b、2c:端面
2d:エッジ部
3:第1の誘電体薄膜
3a:上方薄膜部
3b:側方薄膜部
3c:端面部
4:第2の誘電体膜
4a:上方膜部
4b:側方膜部
4c:傾斜面
4d:端部
5:第3の誘電体膜
5a:上方膜部
5b:側方膜部
5c、傾斜面
5d:端部
6:上部電極
Claims (6)
- 基板上に設けられた下部電極と、この下部電極の上面と前記下部電極の少なくとも1つの端面とに跨って形成された第1の誘電体薄膜と、この第1の誘電体薄膜の段差部を覆うように、前記第1の誘電体薄膜上に形成された第2の誘電体膜と、前記下部電極に対向した状態で前記第1の誘電体薄膜上と前記第2の誘電体膜上に形成された上部電極とを備え、前記第2の誘電体膜の誘電率を前記第1の誘電体薄膜の誘電率よりも高くしたことを特徴とする
- 前記第1の誘電体薄膜は、前記下部電極の前記上面に形成された上方薄膜部と、前記下部電極の前記端面に形成された側方薄膜部を有し、前記上方薄膜部と前記側方薄膜部とによって形成されるエッジ部における前記第1の誘電体薄膜の膜厚は前記上方薄膜部の膜厚よりも薄く形成されており、前記第1の誘電体薄膜の誘電率をε1、前記上方薄膜部の膜厚をt、前記エッジ部における前記第1の誘電体薄膜の膜厚をt1、前記エッジ部に対応する前記第2の誘電体膜の膜厚をt2とした場合、前記第2の誘電体膜の誘電率ε2を次式を満足する値にしたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜コンデンサ。
ε1<ε2<t2×ε1/(t−t1) - 前記第2の誘電体膜は、前記第1の誘電体薄膜の前記上方薄膜部に位置する上方膜部と、前記第1の誘電体薄膜の前記側方薄膜部に位置する側方膜部を有し、前記上方膜部の膜厚を前記上方膜部の端部から前記側方膜部側に向かって漸次厚くしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜コンデンサ。
- 前記段差部とは反対側の前記上方薄膜部上に第3の誘電体膜を形成すると共に、前記上部電極を前記上方薄膜部上と前記第3の誘電体膜上とに形成し、前記第3の誘電体膜の誘電率を前記第1の誘電体薄膜の誘電率よりも大きくしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薄膜コンデンサ。
- 前記第3の誘電体膜の膜厚を前記第3の誘電体膜の端部から前記段差部とは反対側に向かって漸次厚くしたことを特徴とする請求項4に記載の薄膜コンデンサ。
- 前記第2の誘電体膜と前記第3の誘電体膜とを同じ材料で形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の薄膜コンデンサ。
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2003
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