JP2005108299A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マルチチャンネル型の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造において、固定層を一定方向に磁化させるための磁場中熱処理の回数を減らし、固定層及び自由層間の非磁性導電層の寸法バラツキを抑え、さらに製造工程数の削減を図る。
【解決手段】 マルチチャンネル型の積層巨大磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程において、ヘッド中のスピンバルブ膜27の固定層36の磁化の向きを規則化させるための磁場中熱処理を、スピンバルブ膜27の両端の外側の領域に硬質磁性層44と電極層28〔28A,28B〕が配置された状態で行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法、特に、巨大磁気抵抗効果を利用したスピンバルブ型のマルチチャンネル磁気ヘッドの製造方法に関する。
近年、磁気記録情報の再生ヘッドとして、スピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、GMRヘッドと略称する)が知られている。図7及び図8はGMRヘッドの概略構成の一例を示す。このGMRヘッド1は、基板2上に形成した下地層3上に外部磁界によって磁化の向きを変える自由層(いわゆるフリー層)4と、非磁性導電層5と、磁化が一定の方向に固定されている固定層(いわゆるピン層)6との積層膜からなるスピンバルブ膜7によるGMR素子8が形成されてなる。
固定層6は、強磁性膜12とこれに接する反強磁性膜11とを有し、反強磁性膜11と強磁性膜12とが接する界面に交換結合を発生させ外部磁界に対して動きにくい反強磁性膜11のスピンを利用して強磁性膜12の磁化の向きを固定するように構成される。自由層4は強磁性膜により形成される。スピンバルブ膜7の表面には非磁性保護膜9が形成される。スピンバルブ膜7の両端には、自由層4を固定層6の磁化と直交するように弱く磁化させる為の永久磁石14が配置され、さらに永久磁石14上に位置してスピンバルブ膜7の両端に接続するように電極層15が配置され、電極層15に配線16が接続される。
このGMRヘッド1では、電極層15を介してスピンバルブ膜7に電流Isを流す。図9に示すように、外部磁界(信号磁界)Hを受けたときに、固定層6と自由層4との磁化M2 、M1 の向きが同じ(並行状態)になれば抵抗Rが低くなり、固定層6と自由層4との磁化M2 、M1 が逆向き(反並行状態)のときに抵抗Rが大きくなる現象を利用し、この抵抗変化を検出して記録媒体に記録された情報を再生する。
上述のGMRヘッド1に用いられるスピンバルブ膜7の固定層6を構成する反強磁性膜11には、PtMn、IrMnなどの反強磁性材料が一般的に使用されている。現在GMRヘッドの反強磁性材料として主流に用いられているPtMnは、交換結合磁界が消失する温度まで熱処理を行い、強磁性材料(例えばCoFe)からなる強磁性膜12と交換結合させる必要がある。一般的なGMRヘッドでは、PtMn、IrMnなどの反強磁性材料による反強磁性膜11を外部磁場をかけた状態で例えば270℃〜280℃の熱処理を施して、強い交換結合相互作用を得ている。
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの先行技術としては、例えば特許文献1が知られている。
特開2002ー216322号公報
ところで、基板上に複数のGMRヘッド素子を積層させたマルチチャンネル型のGMRヘッドを作製する場合、各チャンネルのスピンバルブ膜を形成するごとに熱処理をすると、各層のスピンバルブ膜に与える熱履歴に差が生じて、結果的にヘッド感度、ヘッド特性のバラツキ、ヘッド動作点に合わせ込みが困難になる、等の問題が生じる。
即ち、上述の反強磁性層11に対する磁場中熱処理工程は、強磁性膜12との交換結合を促進する一方、固定層(反強磁性膜11、強磁性膜12)6以外の層に熱拡散等の悪影響を与える欠点もある。特に中間層である非磁性導電層5の材料として一般的に使われる銅(Cu)などは、熱履歴により拡散量が変化し易いため、上記熱処理により非磁性導電層5のCuの一部が上下層の固定層6及び自由層4側に拡散し、実効的に効く固定層6と自由層4との間の距離が短くなる(つまり非磁性導電層5の実効的な膜厚が薄くなる)ことで、固定層6と自由層4間に働く交換結合力が強くなる。これにより、GMR再生ヘッドの動作点を決定する上で重要なパラメータである、内部磁界Hf(Ferro Magnetic Coupling Field)も変化する。
これらの理由から、マルチチャンネル型のGMRヘッドを作製する際、反強磁性膜11を含むスピンバルブ膜7をヘッド素子としてパターニングしない前のいわゆるベタ膜の状態で上記熱処理を行うことは、各層ごとの熱処理工程が必要になるので好ましくない。即ち、各層のスピンバルブ膜7を形成する毎に熱処理を施すと、層によってスピンバルブ膜7に与える熱履歴に差が生じ、結果的にヘッド感度の低下、ヘッド特性のバラツキ、ヘッド動作点の合せ込みが困難になる、等の問題が生じる。例えば3つのGMRヘッド素子を3層に積層したマルチチャンネル型のGMRヘッドを作製する場合、第1層目のGMRヘッド素子のスピンバルブ膜は1回の熱処理を受けるが、2層目のGMRヘッド素子のスピンバルブ膜は2回の熱処理の影響を受け、第3層目のGMRヘッド素子のスピンバルブ膜は3回の熱処理の影響を受けることになり、非磁性導電層5のCuの熱拡散で1層、2層及び3層のGMRヘッド素子の各固定層6と自由層4間の距離が変化し、ヘッド動作点が変動してしまう。
動作点を決める要素として自由層6に生じる3つの内部磁界Hi,Hd,Hfがある(図10参照)。Hi(Current field)は電流Isに依存する磁界である。Hd(Demag.field)は固定層6の磁化で作られる磁界である。Hf(Ferro magnetic coupling field)は固定層6の磁界に依存する磁界であり、固定層6と自由層4とのカップリングの強さに相当する。
Cuの熱拡散により非磁性導電層5の実効的な膜圧が薄くなるほど固定層6と自由層4とのカップリングが強くなり、自由層4の磁化は固定層6の磁化の方向に向き易くなる。即ち、Hfの変化により動作点が変動する。
また、動作点は一般に図11に示す抵抗Rの磁場依存性の特性波形において、変化の一番激しい線型部分の真ん中、即ち抵抗Rが最大値の50%のところに持ってくる。従って、内部磁化Hfは、図11において、波形の動作点となる位置と、磁場H=0〔A/m〕の縦軸との間に距離に相当する。
マルチチャンネル型のGMRヘッドを製造する場合、各層のヘッド素子の動作点を合わせるためには、この内部磁界Hf、Hi,Hdが同じ値であることが望まれる。
本発明は、上述の点に鑑み、スピンバルブ型の磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子を複数積層したマルチチャンネル型の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造において、固定層を一定方向に磁化させるための磁場中熱処理の回数を減らし、固定層及び自由層間の非磁性導電層の寸法バラツキを抑え、さらに製造工程数を削減できるようにした磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法を提供するものである。
本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法は、マルチチャンネル型の積層巨大磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程において、ヘッド中のスピンバルブ膜の固定層の磁化の向きを規則化させるための磁場中熱処理を、スピンバルブ膜の両端の外側の領域に硬質磁性層と電極層が配置された状態で行うことを特徴とする。
本発明は、上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法において、巨大磁気抵抗効果型ヘッド素子のユニットを絶縁膜を挟んで複数積層した状態で磁場中熱処理を行うことを特徴とする。
本発明では、スピンバルブ膜を素子形状にパターニングし、スピンバルブ膜の両端に硬質磁性層(いわゆる永久磁石)、電極層を配置してヘッド素子として形成した状態で磁場中熱処理を施しても、固定層における反強磁性膜を一定方向に磁化させることができ、巨大磁気抵抗効果(GMR)特性が得られることを見出した。この結果を基に、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法では、スピンバルブ膜の両端の外側の領域に硬質磁性層と電極層を配置した状態で磁場中熱処理を施すことで、ヘッド素子形成後に磁場中熱処理が可能になり、磁場中熱処理の回数を減らすことができ。そして、ヘッド素子のユニットを絶縁膜を挟んで複数積層した状態で磁場中熱処理することにより、各層のスピンバルブ膜の熱履歴が同じになり、各層のスピンバルブ膜の固定層及び自由層間の非磁性導電層の実効的な膜厚のバラツキが抑えられ、従ってこの膜厚が同じになり、内部磁界Hfを同じにすることができる。
本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法によれば、スピンバルブ型の磁気抵抗効果型磁気ヘッド素子を複数積層したマルチチャンネル型の磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、ヘッド素子を形成した後に、一括してスピンバルブ膜に対する磁場中熱処理を行うことができる。これにより、磁場中熱処理の回数を減らすことができる。従って、各層のヘッド素子に用いられるスピンバルブ膜に対する磁場中熱処理は同じ回数、例えば1回で済み、各層のスピンバルブ膜の熱履歴が同じになり、熱履歴差による特性バラツキを抑制することができる。即ち、各層のヘッド素子ごとの内部磁界Hfを合わせることができ、マルチチャンネル型の磁気抵抗効果型ヘッドの動作点設計を容易にする。
各層のヘッド素子の特性バラツキが抑制されるので、ヘッド素子の製造歩留りを向上することができる。各層ごとに磁場中熱処理を行う必要がないので、製造工程数を削減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は、本発明の基板上に複数のMGRヘッド素子を積層してなるマルチチャンネル型のGMRヘッドの製造方法の一実施の形態を示す。
先ず、図1(分解斜視図)及び図2(断面図)に示すように、基板22上に絶縁膜23を介して複数、本例では2つのヘッド素子に対応してパターニングされた2つの下層磁気シールド層24〔24A,24B〕を形成する。この下層磁気シールド層24の夫々上に共通の下層ギャップ膜25を形成し、その上に第1の絶縁膜26を形成する。
次いで、第1の絶縁膜26上に夫々2つのパターニングされたスピンバルブ膜27〔27A,27B〕を形成する。このスピンバルブ膜27は、図3に示すように、前述と同様に外部磁界によって磁化の向きを変える自由層(いわゆるフリー層)34と、非磁性導電層35と、磁化が一定の方向に固定されている固定層(いわゆるピン層)36との積層膜からなる。固定層36は、強磁性膜42とこれに接する反強磁性膜41とを有し、反強磁性膜41と強磁性膜42とが接する界面に交換結合を発生させ外部磁界に対して動きにくい反強磁性膜41のスピンを利用して強磁性膜42の磁化の向きを固定するように構成される。自由層34は強磁性膜により形成される。スピンバルブ膜27は、これら自由層34、非磁性導電層35、反強磁性膜41及び強磁性膜42からなる固定層36を積層した後、素子形状にパターニングして形成される。スピンバルブ膜27の両端には、自由層34を固定層36の磁化と直交するように弱く磁化させる為の永久磁石(いわゆる硬質磁性層)44が配置され、さらに永久磁石44上に位置してスピンバルブ膜27の両端に接続するように電極層28〔28A,28〕が配置される。この両電極層28〔28A,28B〕に接続して後方に延長するように配線層29〔29A,29B〕を形成する。これによって、下層のGMRヘッド素子46〔46A,46B〕を形成する。
次いで、スピンバルブ膜27及び電極層28、配線29を含む表面上に上層ギャップ膜30を形成し、さらにその上に第2の絶縁膜31を形成する。第2の絶縁膜31上に下層磁気シールド層24〔24A,24B〕に夫々対向して中間磁気シールド32〔32A,32B〕を形成する。この中間磁気シールド層32〔32A,32B〕は、下層のヘッド素子の上層磁気シールド層と次に積層する上層のヘッド素子の下層磁気シールド層とを兼用する。
次いで、中間磁気シールド層32〔32A,32B〕上に同様にして上層のGMRヘッド素子47〔47A,47B〕を形成する。即ち、下層ギャップ膜25、第1の絶縁膜26を形成し、この上に図3で示すパターニングされたスピンバルブ膜27を形成し、さらに永久磁石44、電極層28〔28A,28B〕、配線29〔29A,29B〕を配置する。そして、上層ギャップ膜30、第2の絶縁膜31を形成し、第2の絶縁膜31上に上層磁気シールド層49〔49A,49〕を形成する。
ここで、1層目のGMRヘッド素子26〔26A,26B〕と2層目のGMRヘッド素子27〔27A,27B〕の各配線の導出端子51、52は最上層に臨むように形成される。このため、1層目の第2の絶縁膜31及び上層ギャップ膜30、第2層目の下層ギャップ膜25、第1の絶縁膜26、上層ギャップ膜30及び第2の絶縁膜31に夫々開口55を形成し、この開口55を介して1層目のGMRヘッド素子26〔26A,26B〕の配線29〔29A,29B〕に接続する例えばCu膜からなる接続用端子部54、56及びこの端子部56に接続する外部導出端子51を形成する。また、2層目の上層ギャップ膜30及び第2の絶縁膜31に夫々開口57形成し、この開口57を介して2層目のGMRヘッド素子27〔27A,27B〕の配線29〔29A,29B〕に接続する例えばCu膜からなる外部導出端子52を形成する。
自由層34としては、例えばNiFe膜とCoFe膜の2層構造膜などの強磁性材料膜で形成することができる。非磁性導電層35としては、例えばCu膜で形成することができる。固定層36の反強磁性膜41としては、例えばPtMn膜、IrMn膜などの反強磁性材料膜で形成することができる。固定層36の強磁性膜42としては、例えばCoFeなどの強磁性材料膜で形成することができる。シールド層24〔24A,24B〕、32〔32A,32B〕49〔49A,49B〕としては、例えばパーマロイなどの磁性材料で形成することができる。ギャップ膜25、30としては、例えばAl23膜などの絶縁材料膜で形成することができる。絶縁膜26、31としては、例えばAl23膜などの絶縁材料膜で形成することができる。電極層28〔28A,28B〕、配線29〔29A,29B〕、接続用端子及びパッドとしては、例えばCu膜で形成することができる。
本実施の形態においては、このように2層のGMRヘッド素子46〔46A,46B〕及び47〔47A,47B〕を形成した後、一括して各層のGMRヘッド素子46、47のスピンバルブ膜27に対して磁場中熱処理を行い。スピンバルブ膜27の固定層を構成する反強磁性膜41を一定方向に磁化させる。
本実施の形態においては、GMRヘッド素子46〔46A,46B〕及び47〔47A,47B〕を積層した状態で一括して磁場中熱処理を行うことで、(a)埋め込まれた状態のスピンバルブ型のGMRヘッド素子の固定層36の交換結合が得られること、(b)GMRヘッド素子を積層形成する都合で、スピンバルブ膜27を素子サイズにパターニングした状態でも固定層36の交換結合が得られること、をそれぞれ確認することができた。
図4は、スピンバルブ型のGMRヘッド素子46、47を2段積層した状態で磁場中熱処理したときの各層のGMRヘッド素子46、47の抵抗ΔRの磁場H依存性を示す特性図であり、1層目のヘッド素子46〔46A,46B〕のスピンバルブ膜27の特性波形aと、2層目のヘッド素子47〔47A,47B〕のスピンバルブ膜27の特性波形bをそれぞれ示す。波形の動作点は前述したように内部磁化Hi,Hf,Hdできまる。測定電流は1層目のヘッド素子46と2層目のヘッド素子47共に同じ電流値で測定したので、内部磁化Hiは同等である。1層目及び2層目のスピンバルブ27の厚みは同じであるので、内部磁化Hdは同等である。図 のMR波形をみると、1層目の波形aと2層目の波形bは共に、同じタイミングで磁場H=0〔A/m〕と交叉しており、内部磁界Hfが1層目のスピンバルブ膜、2層目のスピンバルブ膜共に、同じ値であることが認められ、動作点Pが一緒であることが認められる。これによって、1層目のヘッド素子46と2層目のヘッド素子47の動作点Pを合わせることができる。これに対して、図示せざるも各層のスピンバルブ膜を形成するたびに磁場中熱処理を行った場合には、各層のMGRヘッド素子の特性波形は同じにならず、内部磁化Hfが異なるようにシフトされた波形になる。
一方、図5は、従来の製造プロセス通り、スピンバルブ膜をベタ膜の状態で磁場中熱処理を施した後、スピンバルブ膜を素子形状にパターニングした場合のGMRヘッド素子の特性波形を示す。図6は、スピンバルブ膜を素子形状にパターニングし、Al23膜で埋め込んだ後に磁場中熱処理を行った場合のGMRヘッド素子の特性波形を示す。図5及び図6において、実線は磁界Hを増加して行った往きの特性波形、破線は磁界Hを減らして行った戻りの特性波形を夫々示す。表1に波形の特性値を示す。
なお、図5及び図6のスピンバルブ膜の構成は両者共に同じであり、次のような膜構成で測定した。基板上に順次、保護膜となるTa膜(膜厚5nm)、NiFe膜(膜厚6nm)及びCoFe(膜厚2nm)による自由層、Cu膜(膜厚2.9nm)による非磁性導電層、CoFe(膜厚4nm)の強磁性膜とPtMn(膜厚30nm)の反強磁性膜とからなる固定層、保護膜であるTa膜(膜厚5nm)を積層してスピンバルブ膜を作製した。
Figure 2005108299
図5及び図6の両者の波形を比べると、どちらの波形も無磁場状態から約−25500〔A/m〕程度にかけて、固定層と自由層が反並行状態を保持していることが分かる。この結果から、スピンバルブ膜を素子形状にパターニングし、Al23膜で埋め込んだ状態から磁場中熱処理を行っても、ベタ膜状態から磁場中熱処理した場合と同等の固定層の交換結合が得られることが確認できた。また、表1に示した特性値においても、両者のΔR、R、MR比(=ΔR/R×100)の差は±2%前後であり、同等程度の磁場中熱処理が施されていることが認められる。
ここで、図5,6の縦軸は表1のRに対応する。表1のRは、波形において最小抵抗値を示す。ΔRは抵抗の変化量を示す。従って、最小抵抗値にΔRを加算すると、波形の最大抵抗値になる。例えば、図5の波形の場合、R(19.09ohm)+ΔR(0.8504ohm)=19.9404ohm(グラフ縦軸左上)となる。
以上の結果より、埋め込まれた状態のスピンバルブ膜を一括して磁場中熱処理することで、固定層の交換結合を得ることができ、従って、層ごとの熱履歴差のないスピンバルブ膜が形成できる。
なお、上例では本発明をGMRヘッド素子を2層に積層したマルチチャンネル型のGMRヘッドに適用したが、3層以上積層したマルチチャンネル型のGMRヘッドの製造にも適用できること勿論である。スピンバルブ膜27についても、上例では固定層を上層にした所謂トップスピンバルブ膜としたが、固定層を下層にした所謂ボトムスピンバルブ膜を適用できること勿論である。
上述した本実施の形態によれば、各層のスピンバルブ膜を素子形状にパターニングしGMRヘッド素子46、47を積層形成した状態で、一括して磁場中熱処理を行って各スピンバルブ膜27における固定層34に対して同程度の交換結合を得、また従来と同程度の交換結合を得ることがきる。従って、複数のヘッド素子を積層してなるマルチチャンネル型GMR再生ヘッドの作製において、各チャンネルに用いられるスピンバルブ膜27の磁場中熱処理の回数を減らすことができ、例えば1回の磁場中熱処理で済み、各層のスピンバルブ膜27の熱履歴差による特性バラツキを抑制することができる。従って、各層のスピンバルブ膜27の内部磁化Hfをあわせることができ、マルチチャンネル型のGMRヘッドの動作点設計を容易にすることができる。
また、各層のヘッド素子46、47の特性バラツキが抑制されるので、ヘッド素子の製造歩留りを向上することができる。さらに、各層ごとに磁場中熱処理工程を行う必要ばないので、製造工程数を削減することができる。
本発明に係るマルチチャンネル型のGMRヘッドの一実施の形態を示す分解斜視図である。 図1のマルチチャンネル型のGMRヘッドの断面図である。 図1のGMRヘッド素子の一例を示す断面図である。 図1のマルチチャンネル型GMRヘッドの2層のGMRヘッド素子の特性波形図である。 本発明と従来のGMRヘッドとを比較するための、従来のGMRヘッドの特性波形図である。 本発明と従来のGMRヘッドとを比較するための、本発明のGMRヘッドの特性波形図である。 一般的なGMRヘッドの一例を示す断面図である。 図7のGMRヘッドの一部破断した斜視図である。 一般的なGMRヘッドの特性波形図である。 GMRヘッドのスピンバルブ膜における内部磁化Hi,Hd、Hfの説明に供する説明図である。 内部磁化Hfの説明に供する特性波形図である。
符号の説明
21・・マルチチャンネル型のGMRヘッド、22・・基板、23・・絶縁膜、24〔24A,24B〕・・下層磁気シールド層、25・・下層ギャップ膜、26・・絶縁膜、27・・スピンバルブ膜、28〔28A,28B〕・・電極層、29〔29A,29B〕・・配線、30・・上層ギャップ膜、31・・絶縁膜、32〔32A,32B〕・・中間磁気シールド層、46〔46A,46B〕・・下層GMRヘッド素子、47〔47A,47B〕・・上層GMRヘッド素子、34・・自由層、35・・非磁性導電層、36・・固定層、41・・反強磁性膜、42・・強磁性膜、44・・永久磁石

Claims (2)

  1. マルチチャンネル型の積層巨大磁気抵抗効果型ヘッドの製造工程において、
    前記ヘッド中のスピンバルブ膜の固定層の磁化の向きを規則化させるための磁場中熱処理を、前記スピンバルブ膜の両端の外側の領域に硬質磁性層と電極層が配置された状態で行う
    ことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法。
  2. 巨大磁気抵抗効果型ヘッド素子のユニットを絶縁膜を挟んで複数積層した状態で磁場中熱処理を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021044429A (ja) * 2019-09-12 2021-03-18 キオクシア株式会社 磁気記憶装置

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